スーパーガチャポンワールド SDガンダムX

【すーぱーがちゃぽんわーるど えすでぃーがんだむえっくす】

ジャンル シミュレーション
対応機種 スーパーファミコン
メディア 8MbitROMカートリッジ
発売元 バンダイ
開発元 ベック
発売日 【SFC】1992年9月18日
【Switch】2018年12月6日
定価 【SFC】9,500円(税別)
【Switch】850円(税別)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 2個
判定 良作
ポイント Switch版はジェネシスの早期購入特典と同一
SDガンダムシリーズリンク


概要

  • FC『ガチャポン戦士2 カプセル戦記』の流れをくむ、アクションバトルを特徴とするシミュレーションゲーム。
    • 参戦作品はファースト、Ζ、ΖΖ、逆襲のシャア、F91、0080*1

ゲームシステム

  • プレイヤーはまず最初に使用する軍勢、敵軍、ターン数、行動可能ユニット数、初期資金、初期TEC(後述)を選択。
    • 選べる軍勢は連邦(含エゥーゴ)、ティターンズ、ネオジオン(ファーストとグレミー軍と逆シャア軍)、ジオン(いわゆるアクシズ)、クロスボーンの五つ。自軍、敵軍それぞれ4つまで選ぶことができるが、敵味方両方に同じ軍勢を入れることはできない。片方に4つ入れるともう片方は必然的に残った1つになる
  • 次にメインマップとなる宇宙面(8種)を選択。宇宙面にはそれぞれ決められた数の惑星と衛星があり、これらは宇宙面と相互に行き来ができるサブマップとなっている。それら惑星面(12種)、衛星面(6種)を選択してゲームスタート。
    • マップは六角形のいわゆるHEXタイプで、ZOCの概念も取り入れられている。
  • マップには工場、コロニーまたは都市、打ち上げ施設、コロニーレーザーがあり、戦艦以外のユニットで占領可能。
    • 工場では最大四機まで新ユニットを生産することができ、この時生産可能なユニットの種類は選んだ軍勢によって決まる。また、戦艦を工場に入れるとドック入りして修理できる。
    • 工場を占領し続けると毎ターン隠しパラメータが増加し、一定数に達するとTECレベルが上昇。生産可能ユニットの種類が増え、既存ユニットの生産費用も安くなる。最大5まで上昇。
    • コロニーおよび都市を占領すると毎ターン収入が入り、工場での生産に使えるようになる。
    • 自軍の打ち上げ施設に戦艦を置くと、宇宙に打ち上げることができる。
    • コロニーレーザーは六方向に発射可能で、射線上にいたユニットは全て破壊される。発射は自ターンに方向を選択し、次の自ターン最初に発射。
      • 惑星や衛星から打ち上がってきた戦艦も射程に入っていれば当然破壊される(搭載ユニットも含めて逃げることは不可能)。このことを忘れて射程に入らなければいいと油断していると痛い目を見る。
      • 宇宙を完全に占拠し、コロニーレーザーの射程内にある惑星や衛星に敵ユニットを閉じ込めた場合は守備が極めて容易になる。
  • 敵ユニットと隣接すると戦闘を始めることができる。
    • 戦闘は2Dサイドビューアクションで行われる。この戦闘には攻撃される対象と隣接している全てのユニットが参加するため、敵味方あわせて最大7機での戦闘が可能。
    • プレイヤーは攻撃を仕掛けた(または仕掛けられた)機体を操縦、僚機はCPUが担当。全てCPUに任せることもできる。
    • 制限時間に達するか、どちらかが全滅すれば戦闘終了。ちなみに相撃ちで両方全滅もあったりする。
    • 相手が戦艦だった場合は、オートの撃ちあいとなり性能や地形効果でHPの増減が決定される。また戦艦は遠距離攻撃が可能で、対艦以外は一方的に攻撃できる。
    • パイロットの概念は無いが、何度も戦闘を重ねたユニットはランクが上昇し、能力がアップする。
  • どちらかの勢力が全滅するか、規定ターン数に達すると終了。ターンオーバーの場合は占領地域の多さで勝敗が決まる。
  • 中途セーブ可。

各軍の特徴

  • 条件で特徴が大きく変わるので、前提としてTEC1、初期費用0で始めた場合について述べる。
    用語として「量産機=ジムやザクなどの脇役、低コスト機」「高級機=ガンダムやキュベレイ、サザビーなどの主役・ライバル機や試作高性能機」を表している。
+ 連邦

連邦

  • バランスは最もいいが、量産機系が弱く、ガンダムなどの高級機系が強い傾向にある。この傾向のせいで序盤最弱なので、そのあたりを乗り切れるかが鍵。
    • 序盤、ガンダムは高いのでネモに頼るしかない。ネモは足は遅いしほかの軍のTEC1量産型と比較して弱い。
      それでもジムよりは強いし、値段は安いので急いで展開し早くガンダムを作る余裕を持たせなければならない。
      ネモの後継になるジェガン、ヘビーガンなど連邦の量産機はおしなべて弱い。一応ヘビーガンはRX-78-2ガンダムクラスの性能はあるが今更感がある。
    • MK2・リックディアス・メタスあたりが主力にできるようになると徐々に本来の力を発揮しだし、TEC4を越し、格安でνガンダム、F91を量産できるようになると鬼と化す。
    • 有益な特技を持つユニットも多い。Ζガンダムは、単機で惑星や衛星に降下できる唯一のユニット。パラシュート部隊のような使い方ができ、ベースのそばに降下しようものなら一気に形勢をひっくり返すことも。
      ΖΖガンダムはダブルビームライフルの性能のおかげで戦艦戦が恐ろしく強い。弱小戦艦なら苦もなく3隻ぐらいはつぶせる。MS戦闘でも高機動力・ダブルミサイル・大型ビームサーベルという至れり尽くせり。
    • 大型MAは作れない。別に気になる欠点ではないが。戦艦は可もなく不可もなく、といったところ。
    • また、TEC4でもTEC5でも解禁ユニットが存在する唯一の勢力でもある。クロスボーンはTEC5だけしか居ないし、他3つの勢力はTEC4だけしか居ない。
+ ネオジオン

ネオジオン

  • 連邦のライバル。ユニットの性能自体は高いのだが、クセが強いものが多い。
    • TEC1量産型のゲルググは長刀が使いやすく、ネモより数等強い。上位のエルメスが生産に2ターンかかる上使いにくいので序盤こちらが主力になる。
      • これ以外でも連邦と比較して量産型は強く、上級ユニットがおしなべて扱いにくいので終盤まで混ぜて使うことになる。
    • 戦艦の搭載能力が他国より低い。
      • 初期配備で戦艦の性能から何機かユニットの数が少ない。
    • 上級ユニットの性能自体は高めだがやや扱いにくいものが多い。
      • ビット・ファンネル搭載機が多いが、これらを破壊されると本体のHPを消費するので使いにくい。
      • 小型ユニットでもMAが多く、他の軍と同じ操作感では行かない点もある。
      • その中にあってTEC3のバウとドーベンウルフだけはかなり強く使い勝手もいい。これらを主力にして上位のサザビーを使い捨てと割り切れば終盤でも困ることはないはず。
    • 大型ユニットはクロスボーンのラフレシアを除けば最強クラスがそろっている。
+ ティターンズ

ティターンズ

  • 地球連邦とは逆の傾向で量産機系が強く、高級機が弱い傾向にある。後になるほど強いユニットがなくなるので、序盤ラッシュかけないと終盤きつくなる。
    • TEC1量産型は最弱のハイザックですらかなり使える。これがマラサイになるとかなり強力。
      • その他ガルバルディβやバーザムなど序盤の量産型はおしなべて強い。
    • 中盤もハンブラビ、ガブスレイ、ギャプランなど足の速いユニットを量産できる。
      • 火力も高いので一気にたたみかけやすい。
    • TEC3になるとユニット性能に陰りが見えてくるのでこの時点で大勢を決めていないときつい。
      • 費用対効果を考えたらTEC3で登場する上級ユニットよりTEC2のガブスレイの方がよほど使い勝手がいいのだから悲しい。TEC5になってもガブスレイが主力なんてこともざら。
      • TEC4で登場するジオは奇跡的にかなり強いユニット。しかしほかにいないし、TEC4になった段階で押されていたら巻き返すのは非常に困難。
    • 大型ユニットもサイコガンダムのみと悲しい限り。
+ アクシズ

ジオン(アクシズ)

  • 序盤はスピード勝負。中盤は強力な火力で押せる。終盤勢いが落ちるので持久戦は厳禁。
    • TEC1量産型のガザCやガ・ゾウムは強さはそこそこだが可変型なので移動力がある。当然主導権がとりやすい。
    • 中盤になるとドライセン、R・ジャジャ、ジャムル・フィンなど値段の割には強力なユニットをがんがん出せる。
    • TEC4で登場する最強ユニットのゲーマルクは他の軍と比べるとやや弱め。前のユニットが強いのでこの段階では何とかなるが。
      • TEC5まで行ってしまうと強力なユニットがないだけにかなりきつくなる。
    • 水中・地上用ユニットのカプールは砂漠以外ではクロー・ミサイルが超強力で尋常じゃない強さ。特に水中での実力は随一で、F91が複数体で襲い掛かってもあっさりと返り討ちにしてしまうほど。
      • 終盤の上級ユニットの実力を考えればカプールを中心にして惑星をすべて制圧して終盤は守備に徹し、占領数で勝負するのも作戦のうちだろう。同じくカプールを擁するクロスボーンには通じないが…。
    • 大型ユニットはサイコガンダムMK-IIとビグザム。
      • ビグザムがなぜアクシズ所属なのか…?*2ネオジオンのクイン・マンサと入れ替えれば納得いくが。
    • 上級戦艦は文句なしに強い。特に最上位のグワダンはゲーム内唯一にして最長の4ターンかかり、コストも全ユニット中最高だが、最強の耐久力と搭載力を持つ戦艦である。移動力が他の最上位戦艦と比べると多少低いのが玉に瑕か。
+ クロスボーン・バンガード

クロスボーン・バンガード

  • 言わずと知れた最強勢力だが、物量戦に持ち込まれると押されやすい。序盤が勝負の分かれ目。
    • ユニットは最強だが、とにかく高いし上級ユニットは生産に時間がかかる。
      • 量産機のデナン系1機でTEC1では上級ユニットであるはずのガンダムやエルメスを数機屠る姿はよく見られる。他勢力ではジムやザクが居るはずの枠にデナン系が置かれているので初期配置戦力は飛び抜けて強い。
      • ただし、この勢力特有の弱点としてこの陣営製の物は他の勢力と比べ、生産費用が突出して高い*3上、デナン系以外のモビルスーツは完成に2ターン以上かかる。
        そのため、数を揃えるのが不得意で物量戦が大の苦手。1機で多数のネモやゲルググを相手したらさすがにつぶされるしTEC上昇合戦にも負ける。
    • 水中ユニットがザクマリナー、カプールとなっているが、カプールは地上では反則的に強いユニットなのでこれも強さを後押ししている。
    • 宇宙・衛星用の大型ユニット、ラフレシアはバグ射出がとにかく強力で犯罪的な強さ。TEC5で生産できるビギナギナもF91と双璧をなす強機体。
    • 戦艦もコストこそ高いがその分、火力、機動力、射程のすべてが他勢力と比べて優遇されている。特に最上位戦艦であるザムス・ガルの火力はより高コストかつターン数も多いグワダンすら上回る。機動力に関しても移動力14の戦艦を保有するのはこの勢力だけ。

評価点

  • 宇宙・惑星・衛星の多元マップによるゲームプレイの広がり。自然とあちこちに前線ができあがり、戦力や資金の割り振りにいい意味で頭を悩ませることに。
    • 軍勢が一度に複数選べるのも魅力。例えばティターンズで他全軍を撃破したり、連邦・ジオンの連合軍を結成してみたりと色々楽しめる。
    • プレイするたびに、ちょっとした脳内戦記ができあがるといっても過言ではないだろう。
  • そして最大のポイントであるアクションバトル。これにより、ともすれば冗長になりがちなシミュレーションにほどよい緊張感がもたらされる。
    • アクションの腕次第だが、下級ユニットで上級ユニットを倒したり、1対多に勝ったりと不利な状況を打破できる点も魅力。
    • 『カプセル戦記』では1対1のみだったバトルが最大7機まで参加可能になり、武器も3種から4種に増加。多数の機体が画面狭しと戦う様は、より戦争ゲームとしての臨場感を高めてくれる。
    • ユニットと地形の相性も旧作と比較して大きい。相性が悪い地形で戦うと上級ユニットといえども恐ろしく弱くなるので、これを利用して状況を打破することも可能。
  • BGMも良質。特に戦闘時は地形ごとに異なった曲が用意されており、バトルの盛り上げに一役買っている。
  • グラフィックも当時としては文句無いレベルにある。
  • カーソルの高速移動や、特定ユニットに直接ジャンプなど操作面も充実。

賛否両論点

  • CPUの思考がいまいち。
    • ユニット生産に計画性がまったく無く、どうでもいいところで高額ユニットを製造して資金を浪費し、肝心な前線にまでまわってこないというような事態が多発。
      • 砂漠のど真ん中でズゴックやカプール等の水中用上級ユニットを大量生産し、砂漠を出る前に殲滅されることも。ほかの地上地形だと恐ろしく強いのに。
      • 出撃できないユニットを生産する(宇宙でカプールを生産する等)ような馬鹿な真似はしないが、地球に降下する戦艦に宇宙専用MSを搭載したり、宇宙に上がる戦艦に地上専用MSを搭載したりはする。
    • ハンデとしてCPUの初期資金と初期TECを増やしたくなるところだが、なぜかどちらも中途半端な値までしか上げられない。そのせっかく増やした初期資金も、意味もなく戦艦とMAを製造してあっという間に浪費してしまう。
      • この問題点をある程度解決できるのが「CPUをクロスボーン軍のみにする」方法である。
    • ゲームに大きく支障が出る程酷いわけではなく、むしろゲームが成り立つレベルのポンコツ具合というのはCPUとしては大変優秀でもある。CPUが常に最適解を選び続けると生半可なプレイヤーでは太刀打ち出来ず、かといって適当に突っ込むだけで勝てては面白みにかけるからである。なのでそこそこの強さを持ちつつも敢えて弱点を晒すのもCPUとしては重要であり、「CPUが雑魚MSを生産したタイミングで敵基地に強襲をかける」「CPUの資金が尽きるまで耐え、尽きたところを反撃する」といった駆け引きに繋がる。先述されている通りCPUをクロスボーンのみの軍にすることである程度解決も出来るため、ゲームの相手としての完成度はそう悪くない。
    • 局所的には生産拠点になっているベースの周りに多数のユニットを団子にしたり、ユニットの数をそろえてから隙のある地点に進出したり、味方に有利な地形に敵を引きずり込んで袋だたきにしたり(特に水中で多数のカプールと戦わされるときつい)と意外に頭がいい行動をとる場面があり、特に終盤攻めあぐねることも。
      • バトルアクションは割合強めに設定されているうえ、画面に表示されていないところから正確に狙撃してくる(プレイヤーがこれをやるのはかなり難しい)ので、その意味では初級・中級プレイヤーを相手にするよりはるかにきつい。アクションが苦手だと全く抵抗できないままCPUに機体を破壊されることも多い。
      • ただ、マップが広くて移動制限が多く、輸送・補給などの戦略が重要となってくるこのゲームではもう一段上の思考がほしかった。

問題点

  • ファンネルを破壊されるとHPが減るという仕様のため、ファンネル系の機体がイマイチなものに。またMAなど、大型高額ユニットのほとんどはイマイチで、費用に見合った強さがあるとは言いがたい。1ターンで生産できるユニットの方がはるかに使える。
    • 戦闘では数をそろえた方が有利になるという一面もあるので、条件で初期費用を少なくした場合は無理して上級ユニットを生産するより1ターンで生産できる下級ユニットを大量生産した方が有利になることも多い。
      • このときに生産したユニットは終盤は性能面で当然きつくなるわけだが、このゲームではユニットが町やコロニーで回復しないので十分役に立つ(下級ユニットを多数ぶつけて弱らせておいて上級ユニットでたたく、回復のために戦艦に戻った時にまとめてつぶすなどの手が打てる)。ガンダムゲームは数多いが、ネモやゲルググがここまで大活躍するゲームも珍しい。
    • 他にも多くの機体に搭載されているバルカン砲は、短射程な上に威力も低いので使い道に乏しく死に武装化している。
  • クロスボーン軍が突出して強い。下級MSのデナン系でも初代ガンダムと同等で、移動力もあるため侵攻力が桁違いに高い。ハンデとしてCPU専用にするというのがファンのもっぱらの意見。
    • ただし、ユニットの値段が他の軍と比べて突出して高いため、クロスボーンのみをとった場合に両軍初期資金0・初期TEC1に設定すると最初の段階で物量戦に持ち込まれてTEC上昇合戦に負け、補給も効かずに押されることがある。プレイヤー同士ならこの条件でやるべきだろう。
      • クロスボーンは生産出来るユニットが少なく、代わりにどれも強力なのも特徴の一つである。これはCPUに使わせた場合、無駄なユニットを作りにくいというメリット(=難易度の増加)になりうる。 特に宇宙では最低でもデナンゾンを量産するため、資金が尽きない限りはどの基地も強いユニットががっちり守ることになり攻略は至難。 腕に自信があるプレイヤーにとっては難易度調整に使えるだろう。
  • TEC上昇のバランスもいまいちで、これでも有利不利が出てしまう。
    • 特にTEC5の連邦軍がすごすぎる。ガンダムF91が他のユニットでは手も届かない遠方から大挙して押し寄せて敵を蹴散らしていく様は、まさに軍隊アリやトビバッタを連想させる恐ろしさ。「通った後はぺんぺん草も生えない」とはまさにこのこと。
    • クロスボーンも衛星・宇宙用のラフレシアが犯罪的な強さのうえ、水中・地上用ユニットのカプールや汎用のビギナギナも強力で、終盤も安定した強さを誇る。戦艦も他勢力ならばラー・カイラムやドゴス・ギアと言った最上位戦艦しか不可能な射程5の砲撃がこの勢力のみ最下位であるザムス・ナーダ以外は全て行えてしまう。
    • 逆にティターンズは終盤で他の軍と比較して弱小なユニットしかなくなるのでTEC5では悲惨なことになる。ジオンはそれと比べればましだがそれでも終盤はかなりきつくなる。
      • この2軍は初期の量産型が値段の割には強めで移動速度もそこそこ早いので序盤で形勢を決めてしまえば何とかなるという一面はあるが…。
  • 0080はケンプファーのみ参戦で、アレックスは出てこない。
  • いらないユニットを処分できるコマンドが存在しない。
    • 戦艦を含めたユニット数の制限は128機。広いマップだと案外すぐ限界に達してしまう。
    • フォローするとこのシリーズではユニットの処分はできないのが通例だった。ただ、このゲームではユニットは戦艦なしに宇宙にいけない、水中・地上専用ユニットは宇宙で身動きとれない(つまり戦艦で輸送するしかない)などの移動制限ルールが存在するため非常につらく感じる。また、TECルールで序盤生産したユニットが陳腐化するというのもつらく感じる要因の一つ。
      • ユニット数制限があるおかげで序盤生産したユニットは敵の上級ユニットにぶつけて処分する、という行動に出るしかない。ただ、このゲームではユニットの回復が従来のシリーズより難しいため、多数の弱小ユニットを戦艦ですばやく前線に送ってぶつけ続けていると防備が薄いところは突破できてしまう。まさに「戦いは数だよ兄貴。」である。
    • なお余った雑魚ユニットも使い道がないわけではない。本作の戦闘バランスは、最高級の戦艦であってもジムやネモ数機で襲い掛かれば沈めることが出来るようになっている。そのため「ジムを3機積んだサラミス」であっても、相手が戦艦で進軍しようとしている場所に足止めとして配置しておくことで結構な圧力になる。
      • またCPU戦に限った話ではあるが、CPUは基本的に互角以上の数が揃わないとMS戦を仕掛けてこないため、例えばF91が2機揃って襲ってきても、ザク3機を固めておけばそこで延々と足止め出来る。暗礁空域や海などで道が狭くなっている場所だと狙いやすい。
  • メガ粒子砲連射のバグ技
    • 高威力だがタメが有り当て辛いというロマン砲になっているメガ粒子砲だが、溜めきってからコンマ数秒離し、再度押すと溜まりっぱなしの状態になる。この状態でボタンを押し直すと溜め無く連射出来るため、驚異的な弾幕レベルで打てる。
    • これを利用して可変機で且つメガ粒子砲が撃てるメッサーラなどは最強の一角。単騎でMS数十体を撃破することもできるレベルのゲームバランス崩壊技となる。
    • 尤もこれはあからさまなバグであり、元来は溜めて撃つを繰り返す武装。本来の使い方をした場合、溜めの時間を稼ぎやすい可変機か攻撃範囲が広い拡散メガ粒子砲ならそれなりに使えるといった程度の性能。バグ技に手を出すか否かはプレイヤー次第。
      • ちなみにCPUはこのバグ技連射を使わないのでご安心を。
  • 大型ユニットのコストパフォーマンスの悪さ
    • ラフレシア、サイコガンダムなどの大型ユニットは性能だけみれば確かに強力ではあるのだが、必要TEC、価格、製造ターン数の全てが高コストで、見合った強さとは言い難い。
    • 大型機ゆえに被弾しやすいが、その割にHPが低く、同時期に半額以下で購入出来るF91やビギナギナとは誤差レベルの差しかない。 防御力は高めに設定されているが、それも被弾し易さをカバー出来るほどではない。 火力に関しても攻撃範囲は優秀だが威力は他と比べてちょっと強いと言う程度で、一騎当千とは程遠い。
      • ラフレシア:TEC5で資金20000と3ターンで製造出来る。HP192で防御力は最大で被ダメージ60%カット。威力14の拡散ビーム砲、威力20のテンタクラーロッド、威力32のバグなどが使える。
      • ビギナギナ:TEC5で資金8000と2ターンで製造出来る。HP168で防御力は最大で被ダメージ32%カット。威力20のビームライフル、威力28のHビームサーベル、威力40のHBバズーカなどが使える。
    • 地形適応も悪く、特にジャングルや暗礁空域では異常に弱体化してしまう。 通常のMS、特に量産機系は適応が高めに設定されていることもあり、ジェガン6機に囲まれたラフレシアがボコボコにされてしまうなんてことも起こり得る。MAは当たり判定がデカいため、乱戦だと他ユニットにガンガンぶつかって移動が制限されることもあり非常に不利。
    • また戦闘システムの関係上戦艦との戦闘にも弱く、サラミスやムサイと言った弱い艦が相手でも2、3隻に襲われるとあっという間に負けてしまうため、敵戦艦がいる場所には迂闊に近づけない。 かと言って戦艦の砲撃を逃れるために暗礁空域などに逃げ込むと……結果は先に述べた通り。
    • 中でもビグザムは非常に鈍く、威力こそ高いものの溜め必須なメガ粒子砲系が主力な上に、即発できる武器の威力がイマイチでとりわけ使いにくい。
  • ユニット毎の地形適応を示す情報が説明書にもゲーム中にも存在せず、マスクデータとなっている。
    • これから生産しようとするユニットが大気圏内専用なのか宇宙専用なのか、はたまた両用なのかがわからないという事も。このため機体の設定を殆ど知らないプレイヤーは肝心な場面で困る事になる。媒体によって定義が今一つ曖昧なメッサーラが特に顕著(本作のメッサーラは宇宙専用ではなく両用)。
    • また、サイコガンダムやクインマンサ等の大型機は工場・都市・打ち上げ施設・海中に侵入できないが、こちらも一切記述がない。
    • なお、本作に登場する戦艦は全て大気圏内宇宙両用である。本来宇宙用のはずのサラミスやムサイも地球に降りれてしまう。
    • 水中専用などはまだわかりやすいが、それ以外の機体にも差がありこれが気づきにくい。唯一の地上専用ユニットであるアッシマーは森や密林の地形適応が高く水中でも性能があまり落ちないという特徴があるのだが、ゲーム中で確認出来ないため正当な評価をされにくい。
  • 軍ごとの固有名が使われていない。
    • 例えば戦艦「サラミス」にしても同型ながらティターンズでは「サチワヌ」と呼ばれていたが、ゲーム中では色こそ分けられているものの呼称は同じ。
  • 戦艦に何でも搭載できる仕様。
    • 例えばαアジールは本来なら100m超のでかさを誇る超大型モビルアーマーで、戦艦とはいえ大きさに劣るサラミスやムサイごときにはとても載せられたものではないのだが、ゲームではそれを3機も載せられる。
      • グワダンやドゴスギアあたりなら大きさそのものでは劣っていないとはいえ、格納など1機すら到底できたものではなく、それを8機も9機も載せられるとなるともはや某22世紀のネコ型ロボットのような世界。
    • FCの『SDガンダムワールド ガチャポン戦士3 英雄戦記』ではそういった大型系は戦艦に搭載できなかった*4
      • ゲームとしては逆にそれができないとハマる原因になる*5ので、それができない方が問題かもしれないがガンダム作品としてはシュールすぎる違和感しかない。

総評

シミュレーション部分はマップの多元化、アクションバトル部分は乱戦化とそれぞれ大幅強化。カプセル戦記の正当進化系というべきものへと仕上がっている。
へっぽこCPUには困りものだが、そこは縛りプレイなどをしてでもやる価値はある。

余談

  • コロニーレーザーを利用して両軍を同時に全滅させると、レアな引き分け画面を拝める。
  • 発売当時はOVA作品の『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』が完結間近だったが本作発売のほうがタッチの差で早かった。
    • そのため同作で登場したガンダム試作機(GP系)は連邦軍に一切含まれておらず、ノイエ・ジールといったデラーズ・フリート系のMSや戦艦は登場できなかった。
    • わずか3か月後にファミコンで発売された『SDガンダムワールド ガチャポン戦士5 BATTLE OF UNIVERSAL CENTURY』には登場しているため、このような部分も当初3月発売を予定していた名残と思われる。
  • FC版のシリーズで登場したガルダやディジェといったカラバ系のMSや戦艦も一切登場しない。
    • ディジェはともかくガルダは本来地上専用艦なので出しにくいというのもあるかもしれないが。ディジェはGNEXT(次々作)、ガルダはGX(次作)から登場する。
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最終更新:2024年04月14日 08:55

*1 0080はケンプファー(ジオン)とグレイファントム(ティターンズ)しか参戦しておらず、アレックスは居ない。(次作であるGXから

*2 一応マークが旧ジオンなので分類されたと考えるが妥当。

*3 一番安いデナンゾンでさえ、ガンダムより高く、序盤でも1ターンに数機しか作れない。なおザクマリナーとカプールはジオン製のため、ここでは除外している

*4 ただしあくまでゲームシステム上の大型(1機で1部隊)なので、本来なら同等クラスの大きさであるクインマンサは搭載出来てサイコガンダムは搭載できないという不整合も発生している。

*5 αアジールは宇宙専用なので戦艦に乗せられないと、知らずに地上で作った場合、永遠に出せなくなり生産枠を永遠に圧迫する。