スーパーマリオカート

【すーぱーまりおかーと】

ジャンル アクションレースゲーム
高解像度で見る 裏を見る
対応機種 スーパーファミコン
メディア 4MbitROMカートリッジ
発売・開発元 任天堂
発売日 1992年8月27日
価格 8,900円(税3%込)
プレイ人数 1~2人
セーブデータ 1個(バッテリーバックアップ)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※バーチャルコンソール版より付加
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2009年6月9日/800Wiiポイント(税5%込)
【WiiU】2013年6月19日/800円(税5%込)
【New3DS】2016年5月9日/823円(税8%込)
判定 良作
ポイント アイテムによる一発逆転」でレースゲームに革命を起こした
テクニック面の奥も深い
マリオシリーズ


概要

マリオシリーズのキャラクターがカートで競い合う人気アクションレースゲームであり、現在でも任天堂ハードでは必ずリリースされる定番タイトル『マリオカートシリーズ』の記念すべき第1作目。
また、「アイテムを使って競争相手を妨害する」という斬新な逆転要素を取り入れた作品として、後に多くのフォロワーを生むこととなった、レースゲーム史上最も重要な作品の一つでもある。

ファミコン草創期に登場していながら、その後出番がなかったドンキーコングJR.にとっては実に9年ぶりの登場作品である。
また、マリオシリーズのレースゲームは『ファミコングランプリII 3Dホットラリー』以来4年ぶりとなる。


ゲームシステム

  • アクセル、ブレーキ、ハンドル操作は既存のレースゲームと同様だが、マリオカートには「ミニジャンプ」と「アイテム」がある。
    • ミニジャンプ
      • コーナリングにミニジャンプを組み合わせて方向転換やドリフト走行をしたり、悪路で小刻みにジャンプすることでその影響を少なくしたりする。
      • その名の通り小さいジャンプのため、後述のマント羽根のように他車・障害物・アイテム攻撃を避けたりすることはできない。
      • 従来のレースゲームから見ると非常識な要素だが、本シリーズでは重要なシステムと言える。
    • アイテム
      • アイテムパネルを通過するとルーレットが回り、アイテムボタンで止めて後述のアイテムのうちどれか一つを獲得する。使用するのもアイテムボタン。アイテムを所持している状態では新しいアイテムを獲得できない。
  • 全部で4つのモードが用意されている。
    + モード一覧 モード一覧
  • マリオカートGP(1~2人)
    • 「キノコカップ」「フラワーカップ」「スターカップ」「スペシャルカップ」から選択し、用意されたコースを全8キャラクターでトップを競い合う。
      • 各カップは5コース構成で1コースにつき5周する。5コース終了時の総ポイント数で最終順位が決まる。
    • 排気量は50cc、100cc、150ccの3種類があり、高いほど難易度が高い。
      • スペシャルカップと150ccは初期状態では隠し要素で他カップ・他難易度をクリアすることで出現。
    • 5位以下でゴールすると失格になりやり直し。残機制で、残機が無くなった後に失格するとゲームオーバー。
    • 2人プレイ時は、どちらかが4位以上でゴールできれば次のコースには進める*1
      • なお、5位以下でゴールした時とレース中にリタイア(やり直せる)した場合、なぜか画面中の自分のキャラが消滅するというややショッキングな演出が入る。
    • 処理の都合なのか、2人プレイでGPモードをプレイすると、土管やドッスンなどの障害物の数が減る。
  • VSマッチレース(2人)
    • 登場カートは1Pと2PのみでGPと同じコースから選択でき、どちらが先に5周するかを競い合う。
  • バトルゲーム(2人)
    • 4つの専用コースが用意されており、ルールはカートに取り付けられた3つの風船が無くなる前に相手の風船を全て割った方が勝ちというもの。
      • 風船は相手カートやコースの壁に当たっても割れず、アイテムによってのみ割る(割られる)ことが可能である。
    • 出現アイテムはコインとイナズマ以外の全て。
  • タイムアタック(1人)
    • GPと同じコースを選んで5周する(トラップの数は少なくなっている)1人用のモードで文字通りいかに速くゴールするかが目的となる。
      • ベストタイム1-5位とベストラップが保存される。
    • このモードのみアイテムは一切出てこない。
  • コース上には上述のアイテムパネル、踏むとジャンプするジャンプ板、乗ると加速するダッシュ板などの仕掛けがある。
    • コースアウトするとジュゲムによって釣り上げられ、最寄りのコースの中央に戻される。マリオワールドやF-ZEROと違い、転落しただけではリタイアにならず、そのままレースを続けられる。
  • お邪魔の仕掛けも満載。
    • 設置されているパックンフラワー、プクプク、オイル、特定地点を往復しているキラーは接触するとスピンする。
    • ドッスンはぶつかると動きを止められ、タイミング悪く踏みつぶされるとペラペラにされてしまい復帰まで数秒かかる。
      スーパードッスンはドッスンの要素に加え、スター状態であるため、ただぶつかるだけでスピンしてしまう。
      • プレイヤーがスター状態ならば通常のドッスン同様に除去可能。
    • チョロプー(モグラの敵キャラ)はコース内の穴を出入りしている。張りつかれてしまうと遅くなる。
  • アイテムは全9種類。黄色いアイテムパネルを踏むとルーレット式でランダムに入手することができる。一度使用したアイテムパネルは赤く変わって使えなくなる。*2CPUはパネルを使わないため、2Pプレイをするとパネルの取り合いとなる。数に余裕があるため、通常走行をしていればレース中にパネルを使い切ることはない。
    • 順位によって手に入るアイテムの確率が変わり、下の順位に行くほど強力なアイテムが出やすくなる。
      + アイテム一覧 アイテム一覧
      コイン 枚数が多いほど最高速がアップする。アイテムパネルの他、コース上にも置かれている。
      ただし、最高速度の上昇は10枚分まで。11枚目以降はストック扱いとなり、最高速度上昇はしない。
      他カートとの接触ごとに1枚、バナナなどによりスピンすると4枚、ジュゲムに救出されると2枚没収される。
      0枚だと他カートに接触する度にスピンする。また、0枚の時にジュゲムに救出されるとジュゲムが不機嫌な表情になる。
      マント羽根 通常のミニジャンプよりも高く飛べる。ショートカットに利用したり、障害物を避けるのに使う。
      スーパーキノコ 一瞬だけ自カートを加速させる。一部コースに設置されているダッシュ板にも同じ効果がある。
      加速を利用して相手を弾くことも可能。
      バナナ 自カートの後方に設置し、踏んだカートをスピンさせるトラップアイテム。
      方向キーの上を押しながらだと前方に投げられる。
      ミドリ甲羅 前方に直進する緑の甲羅を飛ばす。障害物や壁にぶつかると反射する。
      方向キーの下を押しながらだとその場に設置する。
      アカ甲羅 前方のカートを追尾し、当たるとクラッシュさせる。
      追尾の軌道は直線的であるため、狙われても障害物に誘導して相殺することもできる。その場に設置することはできない。
      イナズマ 使用者以外の全てのカートをスピンさせた上、一定時間縮ませて最高速を低下させるトラップアイテム。
      縮まった状態では、通常サイズのカートと接触した場合に潰されて復帰まで数秒のタイムロスとなる。*3
      スーパースター 一定時間、加速力・最高速度が上昇し、アイテム・障害物による妨害を無効にする他、接触した相手をスピンさせる。
      オフロードに入ってもスピードは低下しないが、効果の持続時間が短くなる。
      テレサ 2人プレイ時のみ出現。一定時間透明になると同時に相手が所持しているアイテム奪い取る。
      アイテムや障害物による妨害は通常と同じく受ける。
    • この他、CPUキャラ専用のアイテムがあり、いずれもトラップアイテムとして分類されている。
      毒キノコ CPUのピーチ姫・キノピオが使用。イナズマと同じくキャラクターがカートごと小さくなる。
      接触すると潰れる危険がある上にジャンプが小さくなるため、いくつかの地形を超えられなくなってしまう。
      たまご CPUのヨッシーが使用。バナナと同様の性能だが、配置された場所でぴょんぴょんと跳ねる。
      火の玉 CPUのクッパが使用。配置された周囲を回転し続けるため範囲が広い。
  • 「スピン」は正確には2種類存在する。強弱によって復帰の差がかなり分かれるのもポイント。
    • 弱スピン
      • バナナやオイル、パックンフラワー、プクプク、コイン0枚での他カードの接触による弱いスピン。その場でカートがくるくる回るだけで加速復帰はしやすい。ダッシュバンやキノコ、スター等を使えば復帰は容易。
    • 強スピン
      • アカ甲羅、ミドリ甲羅、キラー、スーパードッスン、CPUキャラ専用のアイテムに接触すると強いスピンに。この場合コインを4枚失う上、画面ごとぐるぐる回るド派手なスピンになる。この場合だとスピードはゼロになってしまう。アイテムを使っての復帰はできずスピンし終わるまで待つしかない。

キャラクター

選べるキャラクターは全8人。性能は大雑把に4つに分けられる。

+ 詳細

詳細

  • マリオ・ルイージ(標準性能タイプ)
    • 加速性能や最高速度ともに標準的クラス。多くのコースに対応しやすい性能を持つ。
  • ピーチ姫・ヨッシー(加速重視タイプ)
    • 加速性能は一番高く、立ち直りしやすい。
    • しかし最高速度が低めな上にグリップやハンドルの切れが悪いのでオフロードコースは苦手。その立ち直りの早さからバトルゲーム向きともされる。
  • クッパ・ドンキーコングJr.(高速安定タイプ)
    • 加速性能は最低だが、最高速度は最も速い。重量級のため耐久性が高く、他カートとの接触に強い。高速時は弾いてしまうことも。
    • しかし最高速度に達するまでに時間が掛かる上に滑りやすいので上級者向き。最高速度が高いのでタイムアタック向きともされる。150ccモードではスピードに乗るととんでもなく速い。
  • ノコノコ・キノピオ(軽量機敏タイプ)
    • 初心者向き。最高速度は一番低いが、ハンドルが切りやすく滑り難いため、コーナリングにとても強い。加速性能もなかなか。
    • しかし軽量級のため耐久性が低く、他カートとの接触に弱い。グランプリではCPUの最高速度がプレイヤーの最高速度に合わせて変動するため、最高速度以外の性能が高いこのタイプはグランプリ向きともされる。

評価点

  • レースゲームに「アイテム」を導入したこと。
    • これにより遊びの幅が広がり、単なるレースゲームに留まらない面白さを構築した。前に進んでいる相手をただ抜くだけではなく、アイテム次第で攻撃したり急加速したりと相手を追い抜き易いようになっているため、初心者でも遊びやすくなっている。
    • また、レース中の順位が下位であるほどよいアイテムが出やすく設定されているため、一発逆転も狙いやすい。
      + アイテムを応用したテクニックの一部 アイテムを応用したテクニックの一部
    • バナナの皮やミドリ甲羅など置き罠系アイテムをアカ甲羅対策の盾として使う。
    • ジャンプ板に入る前にスーパーキノコを使って大ジャンプをする。
    • 狭い通路や一方通行、コーナーリングやアイテムパネル前に置き罠系を置く。
    • キラーや氷パネルなどあらかじめ置かれているトラップ消しに使う。あるいはより回避困難な状態にさせる。
    • スター使用時のスピードアップを逆手にとり囮になってコースアウトを狙う。(2P対戦時)
      • ただし速度は上がるもののカーブの制御がし辛い&誤ってこちらがコースアウトする危険があるという欠点もある。
    • ミドリ甲羅のバウンドを利用して後続車を狙う。
    • テレサをストックして相手にアイテムを取らせないように仕向ける。
    • コース間仕切りをマント羽根で飛び越えてショートカットを狙う。
    • イナズマをジャンプ地点手前で使用し、飛び越えを不可能にする。
    • 攻略本のインタビューによると、開発中「ストイックな人々*4は、独走しててもアイテム一発で逆転されるのは楽しくないのでは?」という理由でアイテムはOnOff可能だった事を明かしている。
      開発中にバランスが整ったとの事でアイテムOffモードは廃止されたが、本シリーズのその後を見るに英断だったと言えよう。
  • レースゲームとしての屋台骨もしっかりしており、レースの醍醐味であるタイムアタックに鎬を削る上級者にも十分な遊び応えとなっている。
    • 本作独自の操作として「ジャンプ」があり、ジャンプしながらハンドルを切ることでアクセルワークなしにドリフト状態に入れる。さらにこのドリフトを一定時間続けてからドリフトを終えると一定時間だけ「ミニターボ」という加速がかかる。
      • このミニターボをいかに起こすかが本シリーズにおけるタイムアタックの要綱であり、シンプルながら奥深いものに仕上がっている。
    • もともとは『F-ZERO』でのタイムアタックにおけるテクニックだった「ロケットスタート」をシステムとして初めて対戦型レースゲームに組み込んだのも恐らくこのゲーム。
    • タイムアタックモードでは壁や土管に一度も接触せずにベストタイムを更新すると、その時の走りとタイムを忠実にトレースした残像(ゴースト)がリスタート時に出現。記録更新の目安となる。
      • また裏技で1コースのみだがゴーストを「バックアップRAMにセーブ」しておくことも可能。電源を落としてから再プレイする時にもゴーストが表示されるようになる。
  • モーションの多彩さ。
    • 各キャラクターのモーションの表現が豊かで、飽きを感じさせない。甲羅などに当たってスピンしてぐるぐる回ったり、小さくなって他キャラやドッスンに踏まれてペラペラになったり、溶岩や海・崖におちてジュゲムに引っ張り上げてもらったり、追い越しの際に振り向くなど、細かいところまで手が込んでいる。
  • レースを盛り上げるBGM
    • 作曲は『パイロットウイングス』『シムシティ』などで知られる岡素世氏が担当。各コースのデザイン及びマリオシリーズの世界観にしっかりマッチしたテンポ感溢れる楽しいBGMの数々でレースの臨場感を盛り上げてくれる。
  • マリオテイストを感じられるコース設計
    • 本作のコースは「ドーナツ平野コース」「チョコレー島コース」「クッパ城コース」など主に当時最新作だった『ワールド』のステージをモデルにしており、どのコースもマリオらしい様々な仕掛けが施された個性的なコースに仕上がっている。
    • ドーナツ平野コースではチョロプーが妨害し、クッパ城コースは溶岩に覆われた石畳のコース…とモデルとなったステージの特徴を引き継いでおり、コースによって全く異なるレースを楽しめる。『ワールド』経験者であればコースの名前を見れば傾向もある程度把握できる。
    • さらに、スペシャルカップのトリを飾る「レインボーロード」も、夜空に虹色のパネルを敷き詰めたコースという美しいビジュアルやコースアウト=即転落&スーパードッスンによる妨害というシビアな難易度を併せ持ち、このコース専用のBGMと合わせて本作最後のレースを飾るにふさわしい魅力を備えている。
      • 以後の作品でも、スペシャルカップのトリを飾るコースは「レインボーロード」の名を冠するのが伝統となっている。

問題点

  • CPUの扱い。
    • CPU自体アイテムパネルを取ることは無いが、アイテムを際限なく使って妨害してくる。
      • CPUのアイテムはキャラクターごとに固定となっており、その種類もマリオ・ルイージのスター、ドンキーコングJr.のバナナの皮、ノコノコの緑甲羅以外はプレイヤーは使用出来ない専用アイテムとなっている。なお、アイテムを使ってくるのはプレイヤーのすぐ前方を走る1台のみで、プレイヤーが1位の場合はすぐ後ろにいる1台(通常は2位のカートだが、周回遅れなどにした場合は更に下位のカートが使ってくることもある)のみが使う。
      • プレイヤーのすぐ前方にいるCPUであれば主に設置して使ってくるが、プレイヤーが1位の場合はすぐ後ろにいるカート1台が放り投げてくる。そのため、(設置しない場合は)本来前方に「発射」して使うノコノコの緑甲羅もCPUは前方に「放り投げて」くる。勿論、自分に対して効果を発揮するマリオ・ルイージのスターは自分に使う。特に道幅が狭いコースではスター使用のマリオ・ルイージが脅威となり、連続でスターを使用されるとなかなか追い越せない。
    • また、耐久性がプレイヤーと違って高いため、接触すると弾くどころかクッパやドンキーコングJr.以外のキャラだとすぐに弾かれてしまう
      • そのため近寄ると体当たりで妨害してくることも。
      • 重量級も重量級で、このゲームではスピードが遅い時に後方から上手いこと敵にぶつかられると急加速するが、軽量級にぶつかられた時にその頑丈さが仇となって恩恵を受けられないデメリットがある。
    • 他にもコース上の障害物(土管やドッスン、氷ブロック等)をすり抜けていってしまうなど、理不尽な点が少々目立つ。
      • CPUはコース取りも走り方も完全に決められたレールの上を走っているようなものとなり、一部の急カーブなどの挙動も不自然になっている。これを逆手にとり、ルート上にトラップを仕掛けると引っかかってくれるが、時として大ジャンプしてかわされてしまうことも。
        プレイヤー側は大ジャンプは「マント羽根」を使わないと出来ないのだが、CPU側は何度も羽根以上の性能の大ジャンプで回避ができる。これまた理不尽である。150ccではこれが顕著。
      • 小技としてプレイヤーは水に落ちそうになった時に、スピードに乗っていればジャンプしながら水面上を走行できるのだが、CPUの場合はそれに加えてプレイヤーが不可能な穴や溶岩でも平気でこのテクニックを使ってくる。
      • 対処法はコースを完全に覚え、独走状態に持ち込むこと。クッパやドンキーコングJr.なら一度スピードに乗り、以後完璧に制御さえできればこちらがミスしない限り、CPUはほぼプレイヤーに追いつけない。だがそのためには相当のプレイヤースキルが必要。
      • ただし、一部のコース上にあるダッシュバン(カートを加速させる仕掛け)の効果もCPUには適用されない。
    • その他、マリオカートGPではプレイヤーキャラに応じて、CPUの基本順位が既に決まっており、特に上位4台は途中で順位が変動してもすぐに大元の設定の順位に戻ってしまう点も不自然といえる。
      • さすがに瞬間移動はしないが、全体コース画面で見ると、本来予定されている順位まで鬼加速したほどの速度で進んでいく。
      • なお、ステージ2以降の基本順位は、前ステージまでのドライバーズポイントによって変化、決定される。ゴール直前に甲羅をぶつけるなどして強引に基本順位を操作することは可能。うまくコントロールできれば、最終レースの結果に関わらず、4位以内に入れる限り優勝を確定させられる。
  • 自カートの慣性がかなり強く働くため、少々ハンドリングには慣れが必要である。ただ当時はこの程度の難しさはしばしば見られるものであった。

総評

これまではストイックにドライビングテクニックを競うだけというのが常識であったレースゲームに、妨害アイテムや地形トラップといったパーティーゲーム的不確定要素を導入したことによって、初心者と上級者の間の壁を縮め、プレイヤーの間口を大幅に広げると共に遊びのバリエーションを豊かに開拓した革命的作品である。
なじみやすいマリオシリーズのキャラクターや世界観を使うことでさらにレースゲーム初心者にも取っ付きやすくする一方、タイムアタック等の深いやりこみ要素で上級者も満足させる懐の深さを生み出した。広い意味での万人向けを志向してきた任天堂ならではの理想の一作と言える。


余談

  • 日本で最も売れたスーパーファミコンソフトで、売上は約382万。
    • シリーズでは『8DX』『DS』に次いで3位となっている。
  • CPU時のクッパはマシンの後ろから球体状の炎を吐くことがある。
    • 後ろ(尻)から出ることやその色合いから「クッパの屁」と呼ばれた。
  • 最高難度を誇るスペシャルカップにおいてトリを務めるコース「レインボーロード」は人気が非常に高く、以降の作品でも必ずスペシャルカップにおいてトリを務めるコースはこの名前を冠している。
  • 残機及びミスの条件、CPUの順位システムから実は本作のグランプリでは「総合1位を取る」よりも「総合5位以下を取る」ことの方が遥かに難しかったりする。
    • 特に「総合8位でグランプリクリア」となると、自分は4位を維持しつつ他のCPUの順位を緻密に調整する高難易度プレイが要求される。
  • 任天堂の一社提供番組であったテレビ東京の「スーパーマリオクラブ」や「スーパーマリオスタジアム」では、出場者による本作の勝ち抜き戦などのコーナーが長きに渡り続いていた。
    • VSマッチレース、タイムアタックが主にコーナーとして利用されており、一般人の出場者からゲストのタレントまでこぞってプレイする模様が番組にて実況されていた。特にVSマッチレースは熱戦だったために胸を躍らせた子供も少なくない。
    • 視覚的にもわかり易いゲーム性故、スーパーファミコンの作品の中で知名度は群を抜いている。当時の子供達のトレンドとして昇華し売り上げ数にも貢献しているのが目に見えてわかるだろう。
  • アーケードでもバンダイナムコゲームス開発による『マリオカート アーケードグランプリ』が展開されている。
    • アーケードゲームの中でもハードルの低さからか親しまれ、長期に亘って稼動を続けている。
  • 2017年10月発売の「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」に収録された。
    • 発売記念のインタビューにて、本作は『F-ZERO』のマルチプレイ版から発展して生まれたことが明らかになった。
  • 今作ではプレイヤーが総合優勝した時のみ表彰式でトロフィーとともにシャンパンが贈られ、ピーチとクッパは その場で一気飲み する。しかもピーチに至っては 顔を赤らめており酔っている。
    • 海外版では自主規制で別のモーションになっている。ただし後発の日本のVC版はそのままである。
      + 参考動画(TVCM)
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  • 2019年9月6日に『スーパーファミコン Nintendo Switch Online』で配信された。
    • また、2021年5月26日には『スーパーマリオカート フルコースでおもてなしバージョン』という特別版も配信された。
  • 攻略本インタビューによると、当初バトルモードは「何も無い所でマシンガンみたいに弾丸を撃ち合うモード」だった。
    • しかし、5分間もやっていたら目が回ったということでボツに。その後、容量の関係でモード自体がボツになりかかる*5が、通路を区切ったりと工夫の結果、今の形で収録されるようになった。
  • 同じく攻略本ネタで、本作にはいわゆる「設計書」的な物が無かったという事が明かされている。
    • 各々アイデアが浮かんだら担当PGに「こんなの作って」と口頭で説明、内容を忘れないようメモり、とりあえず作ってテストプレイするというのを延々と繰り返していたという。
      なお最初は「マリオカート」ではなく、普通のヘルメットを被ったあんちゃんを走らせていた。
  • 関連商品としてゲーム発売の翌1993年にニッコーから「スーパーマリオカート」の名でマリオとヨッシーのラジコンカーが発売されている。
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  • 1992年

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最終更新:2023年12月21日 02:55

*1 片方が4位以上でゴールした後ならば、もう片方はゴール前にリタイアしても残機があれば次コースに進むことが可能。ただし、当然ながらそのコースの獲得ポイントは0になる

*2 バトルモードのみ例外で、アイテムパネルがある程度使われると使用済みのパネルがいくつか元の状態に戻り、再度利用できるようになっている

*3 ただし縮ませる効果は、既に縮んでいる相手に対しては元の大きさへと戻す効果になる。元の大きさに戻った場合は一定時間で解除されることはない。

*4 主にF-ZEROをやり込んでいた人。

*5 この時点では2P対戦モードすらボツになりかかっていたレベルで肥大化していたらしい。