ワールドヒーローズ2

【わーるどひーろーずつー】

ジャンル 対戦格闘
対応機種 アーケード(MVS)
販売・開発元 ADK
稼働開始日 1993年
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2011年11月15日/926ポイント
アーケードアーカイブス
【PS4】2017年5月25日/823円(税8%込)
【One】2017年5月25日/823円(税8%込)
【Switch】2018年1月25日/823円(税8%込)
判定 なし
ポイント 絶頂のシリーズ2作目
前作から正当進化
即死コンボゲー
ワールドヒーローズ(WH)シリーズ
WH / WH2 / WH2 JET / WHパーフェクト


概要

『ワールドヒーローズ』の続編にあたる。本作リリース時は『龍虎の拳』や『餓狼伝説2 新たなる闘い』のネオジオ格ゲーが大ヒットした最中であり、本作もまたその流れに上手く乗ってヒットを飛ばす事となる。
前作から新キャラクターが6人追加され、同キャラ対戦が可能となった。また、投げ返しや飛び道具跳ね返しなどの意欲的な新システムも導入された。

+ 新キャラクター
  • キャプテンキッド
    • 元ネタは海賊「ウィリアム・キッド」。
      • 本作に限らず創作作品だと大物海賊扱いだが、史実では小物だったとか(隠し財産伝説が独り歩きした結果らしい)。
  • エリック
    • 元ネタはバイキング「赤毛のエイリーク」(エリックは英語読み)。ステージBGMが某TV局のニュース番組のオープニングで使われていた。
  • シュラ
    • 元ネタはアユタヤ王朝期のムエタイ戦士「ナーイ・カノムトム」。
  • リョウコ
    • 元ネタは金メダリストの「田村亮子(谷亮子)」。漫画『YAWARA!』の「猪熊柔」も*1。リョウコと『餓狼伝説スペシャル』の山田十兵衛が、猪熊柔と猪熊滋悟郎を彷彿とさせる。
    • 後にフルネームは「出雲良子」と言う事に。
  • ジョニー・マキシマム
    • 元ネタはアメフトのスター選手「ジョー・モンタナ」。ヘルメットに顔が隠れて表情が分かりづらく、冷酷なイメージがあり不人気をかこった。
  • マッドマン
    • 大きな仮面を付けたシャーマン。仮面の下は美形。ラスプーチンと双璧をなすキワモノ。
    • 元ネタは星大二郎の漫画『マッドマン』に登場する原住民のシャーマンか?
      • 尚、マッドマン(MUDMAN(泥の人)であってMADMAN(狂人)ではない)とは本来パプアニューギニアの民族の儀式で精霊を模した扮装をして踊る人を指す普通名詞であり、本作でマッドマンが使役している精霊の姿がそれに近い。

主なルール

  • 基本的な操作性は前作同様なので割愛するが、以下の新操作が追加となった。
    • 敵と離れた場所でCボタンを押すと挑発ができるようになった。
    • 敵に接近して立ち弱Pを連打すると、専用の連続技が発生するようになった。但し、一部のキャラクターには未搭載である。
    • 投げが発動している瞬間に、投げられた側が素早く投げコマンドを入力する事により投げ返し(逆に相手を投げてしまう)ができる*2。さらに投げ返しされた側が同じく投げコマンドを入力すると再度投げ返しができ、最高で6回まで(すなわち最初に投げた側が投げる)の投げ返しが可能である。但し、空中投げには一切の投げ返しができず、コマンド投げは通常投げより投げ返しの受付時間が短く設定されており、投げ返し時にコマンド投げを出すことはできない。また、技の隙を投げられた場合(光龍破の下降して地面についた時等)には投げ返し不可能となる。
      • 例としては「P1が投げた ⇒ P2がボタンを押して投げ返した(一回目) ⇒ P1が再度投げ返し(二回目) ⇒ P2が~(三回目) ⇒ P1が~(四回目) ⇒ P2が~(五回目)⇒ P1が投げ返した(六回目、これ以上は投げ返しができないのでP1の投げが確定)」となる。
    • 相手の飛び道具をぎりぎりでガードすると、その飛び道具を跳ね返して相手に当てる事ができる。飛び道具を持ったキャラクター相手にも、一方的な展開になり難いように配慮されている。
  • ノーマルとデスマッチの各モードの存在は前作通りだが、デスマッチのライフゲージが両者一本共通のシーソー式となった。相手にダメージをあたえると、相手のライフを減らせると同時に自身のライフを回復できる。ライフがなくなりダウンすると10カウントが始まり、ダウン二回まで*3ならAボタン連打で復帰できる(ダウン回数が増える毎に、リカバーできるライフ量は少なくなっていく)。相手を三回ダウンさせる、相手が10カウントの立ち上がりを放棄する、タイムアップ後に自身のライフの割合が多かった場合にて勝利となる。
  • CPU戦の流れは、バトル1~6は新キャラクター6人全員とランダムで戦い、バトル7~10は旧キャラクターのうちのランダム4人との対戦、その後の中ボス「ネオギガス」と最終ボス「DIO」を倒せば、使用キャラクターのエンディングが流れてゲーム終了である。

評価点

  • 概要に示した通り、選択キャラクターの増加、同キャラ対戦、新システムの導入により、前作よりも楽しみのバリエーションが大幅に増えた。
    • 同キャラ対戦が可能となった影響で、ハンゾウとフウマが別性能化した。主にハンゾウはパワー重視、フウマはスピード重視(例:レバー入れ立ち強Kの出の早さなど)の性能となっており、これは次回作以降も引き継がれる事となる。
  • また、連続技を決められる機会が増え、1バトルあたりのテンポもUPした影響で、格ゲーとしての爽快感が強化された。
  • 棒読み気味だったキャラクターボイスが改善され、演技に力が篭っている。例えば、ハンゾウの必殺技である烈光斬。前作では「れっこうざん↓(棒)」だったが、本作はちゃんと「烈光斬ッ!!」と覇気のあるボイスになっている。
    • これはSNKの川崎社長から『龍虎の拳』や『餓狼伝説2』で劇団員を声優として起用した話をADKの開発陣が聞いたことがきっかけで、同様に本作からプロの劇団員を声優として起用するようになったのが理由。*4
  • 「モロにストII」だった前作からある程度脱却。コンボを重視したことや新システムなどにより独自性が入り、『ワールドヒーローズ』という別シリーズと認識できるようになった。
    • もっとも前作のキャラクターは全て続投なので、ストIIっぽさも引き継がれてはいるのだが。

問題点

  • ほとんどのキャラクターに永久コンボが完備(しかもお手軽)され、1コンボキルが可能となっている。それ故に一発の攻撃をもらうとそこで一本先取となりやすく、かなり世紀末なバトル状況に陥りやすかった。
    • 前作も対戦バランスが崩壊気味だったが、本作もまた前作とは違う方向でバランス調整が甘く、コンボを重視した故の悲劇を招いてしまう結果となってしまった。
    • 永久コンボを抜きにしても、かなり理不尽なキャラクター・技・状況が多い。以下はその例達。
      • スライディング系統の特殊技が弱で出すと異常に隙が少なく、当たればそこからコンボに行けてしまうため強すぎる。
      • 前作でも最強だったジャンヌが相変わらず強すぎ。「フラッシュソード」は多少無敵時間が短くなったのだが、代わりにJ・カーンの引き付けて出すジャンプ強K以外の飛び込み技を全てスライディングで返せてしまう(しかも上記の通りそこから連続技が繋がる)。「溜め維持」テクニックも相変わらず残っている。
      • デカキャラに対し、ラスプーチンの「空中ファイアーボール」の弱を連打するとそれだけで返すことが非常に困難(特にマッスルとエリック)。
      • コマンド投げを持つキャラクター(リョウコ、マッスル)と戦う時、ダウンからの起き上がりに「投げ間合い外からコマンド投げを重ねられる」とほぼ脱出できない*5
  • ハンゾウの「忍者レッグラリアート」やシュラの「ダブルキック」など、死に技も多い。特に前者はゲーメストで「当たればその場で判定勝ち」などと揶揄されていた。
  • デスマッチモードの端っこ追い込みハメも健在で、やたらと不毛な戦いになりがち。この辺は改善される気配が感じられない。
    • ダウンした方が復帰すると、シーソーゲージという関係上、相手のライフの何割か奪って回復してしまう。ダウンさせた方からしてみれば、相手を負かしたのにライフを奪われる形となり、納得いかない仕様となっているのも問題だろう。
      • 最初のダウンでは特に多くのライフを取り返せる為、ある程度時間を浪費した状態で体力大幅リードを取った時などは「ノックダウンを取らず、攻撃を当てないようにして逃げ回り、タイムアップを狙う」戦法を取ったほうが勝率が断然高くなる。徹底されるとかなり寒い対戦光景になる。
  • デスマッチモードのステージがキャラクター毎に固定されるようになった。このため、対人戦では選択したキャラクターによってデスマッチの内容が強制的に固定されることになり、デスマッチのバリエーションに関して制約がついた。
    • しかもジャンヌとブロッケンは前作と同様にそれぞれ「髪切りデスマッチ」と「針壁デスマッチ」に固定されたまま。
  • 投げ返しシステムについても批判的な意見が多い。格ゲー初心者にとってはせっかく投げたのに、逆にダメージをもらったという理不尽さに遭遇し、慣れたら慣れたで結局は投げ返しの繰り返しにて、投げた側が投げてしまう無意味さであった。
  • 前作同様、やっぱり空気な中ボス「ネオギガス」。別キャラクター変身しか能がないのは変わっちゃいない。
    • 何故か新キャラクター6人の誰かに変身する事が多いが、稀に旧キャラクターに変身する事もある。もちろん自分専用の攻撃なんて持ち合わせていない。但し前作ではできなかった変身前のガードができるようになった…あんまり意味ないけど。
  • 本作の髪切りマッチで律儀にスキンヘッドにされるのはドラゴン、ジャンヌ、ブロッケン、マッスルパワー、マキシマムの5人のみ。
    • 他は髪が一部残るかフザけた姿になるのみ。
  • あまりにも凶悪な強さで多くのプレイヤーを泣かせたボス「DIO」。あのチート軍人の前身を思わせる極悪っぷり。
    • 凶悪なスピードを持ち、技はほとんど隙なし。立ったままでいると速攻で投げられ、かといってむやみに突っ込むと撃ち落される。当時のゲーメストの攻略記事でも「(当時の)格ゲーにおける最強性能ボス」と評されていた程の鬼神的存在。
      • 幸いなことに「DIOが近づいてきたところに投げを入力し、そのまま投げ返しを続けてダメージを与える」というパターンが発覚したため、慣れればかなり安定して倒すことができる*6
    • どこかで聞いたようなセリフ「無駄無駄無駄ッ!!!」を叫びながら「このクズがっ!!!」みたいな勝ちセリフを放ち、名前がDIOである。ここまであのお方に似せていいのか?
    • セリフは「DIO」だが、腕を変化させて刃と化し、電撃を放つ戦闘スタイルは「バオー」そのものである。ヒネリが効いていると取るべきか、開き直っていると取るか…
    • 続編ではネオギガスを吸収して「NEO-DIO」となり、プレイヤーも使用可能になってさらに極悪さを増すことに…。

総評

シリーズで最も賑わいを見せた一作であり、前作よりもボリュームも派手さも増した作りは好評を得た模様。
しかし、やり込む内に段々とバランスが滅茶苦茶な格ゲーとして首を傾げられるようになり、後の『サムライスピリッツ』や『餓狼伝説スペシャル』が話題になる頃には、一気にその勢力を失う結果に陥ってしまう悲しき存在だった。


家庭用移植

  • ネオジオROM版(1993年6月4日、ADK)
    • クレジット制限以外はMVS版と同等。
    • ネオジオ版は2011年11月よりVCにて配信中。WHPの配信から久々のワーヒーシリーズの配信である。
  • PCエンジンアーケード専用CD-ROM2版(1994年6月4日、ハドソン)
    • 当時のネオジオ以外の家庭用機としては高い移植度を誇るが、いかんせんロードの長さがネックとされている。
  • スーパーファミコン版(1994年7月1日、ザウルス)
    • 移植度は当時のSFCの基準で見ると可でも不可でもないレベル。使用キャラクターが6色のカラーから選択でき、ネオギガスとDIOが使用可能になった。そのネオギガスには通常時の技が装備されている。
    • またSFCだけの変わった特徴がある。空中の相手を通常技で落とすと、落とされた側は着地時の防御ができない。このため追い討ちし放題に。
  • ネオジオCD版(1995年4月14日、ADK)
    • ロードの長さはやっぱりアレだが、移植度はほぼ完璧。DIOが使用できるようになった。

他にもカップリング移植としてプレイステーション2の『ワールドヒーローズゴージャス』にも収録されている。


CM、コミカライズ(?)

  • テレビCMでは、本作を代表するキャラクターとしてマッドマン(着ぐるみに近いコスプレ状態)が登場、ゲーム画面(内容)が流れた後で、子供から「がんばれマッドマン!」と声援を受ける仕様。
    • なのだが、マッドマン(コスプレ)がスト●ップのステージに立っているバージョンも…いいのか?
    • 雑誌などの告知では、「『ワールドヒーローズ』がニューリアル」と謳われたキャッチコピーが使用されていたが、下記の漫画で「『リニューアル』の間違いでは?」とツッコまれていた。
  • コミックゲーメストで、雑君保プ(ざっくんぽっぷ)が同作をモデルにコミカライズ。当初は『ワールドヒーローズ』タイトルの読みきり(ゾンビ化エンド)だったが、すぐ『~2』が稼動した為、漫画版もタイトルが『~2』となり、長期連載となった。
    • ただし、内容は悪ノリ(悪ふざけ)に近いパロディ。
    • 基本的には雑君保プらしいシュールなギャグが満載だが、キャラクター設定は元からすればかなり崩壊気味。
      • 初期の例としては次の通り。「『~2』では、飛び道具を跳ね返せる」と言う情報を入手したドラゴンが、効果を試そうと仲間に「誰か試しに放ってくれ(意訳)」と言ったところ、「飛び道具の無いダメ人間」と罵られた(その上で、豆腐などを投げつけられた)。また、シュラの二つ名が「真空(のシュラ)」である事から、「真空状態にシュラを閉じ込める」と言う実験が行われた。その他、エリックの「ブリザードブレス」をカキ氷にして販売したものの、口臭がヒドくて売り物にならない…など。
      • 途中から「オルレアンの少女」編に突入(『~2 JET』から呂布とジャックも参加。黒幕はブロッケンとギガス)し、シリアス度が上がるのだが、それでも随所にギャグ(コメディ)が散りばめられ、「ホントにシリアス(時間改変SF)か?」と首をかしげる部分が多い(例えば、タイムマシンの外見は、青いポリバケツ(ゴミバケツ)。また、ジャックの走馬灯…と見せかけて、ものしり博士の走馬灯で丸々1話使った事もある)。
      • とはいえシリアス面の出来は優良。現代に来て自分の未来(結果)を知ったブロッケンとジャンヌ。前者は結果を変えるべく、歴史改変の試行として百年戦争時代のフランスに行く。後者を筆頭とした他のヒーロー達はそれを阻止しようと追いかける。実は改変も…という流れ。
    • 途中、雑君が原稿を落とす事があり、自身がネタにしていた。また頻繁に担当編集者が辞める事態も発生(雑君が「オレは呪いの宝石か何かか?」と作中でボヤいていた)。
      • ただし、当時雑君の原稿の仕上がりはかなり遅かったらしく、あるコミックゲーメスト編集者曰く「雑君にそれ(先述の呪いの宝石発言)を言う資格はない」そうな…。
    • 2013年8月から絶版漫画の公開サイト『Jコミ』にて公開されている
  • また、当時のコロコロコミックにおいて、『ワールドヒーローズ~激闘英雄伝~』のタイトルで漫画化されたこともある。(作者はかとうひろし)
    • ラスプーチンが硬派な性格になっていたり、マッスルパワーが極悪レスラーになっているなどのアレンジが加えられている。
      • 「2」のコミカライズのため、呂布、ジャック、孫悟空、ゼウス、NEO-DIOは登場しない。
        そのため、一部のファンから「かとう先生が書いたこの5人が見たい」「続編を書いていほしい」等の要望が絶えないとか。
    • ちなみに、こちらのJコミ公開はされていない*7
  • 2018年12月29日発売の「月刊ヒーローズ」2月号より、『ワールドヒーローズ』のコミカライズ連載の開始がアナウンスされた。→参考リンク
    • 作者は『ロボット残党兵』を手掛けた横尾公敏氏で、横尾氏は『ワールドヒーローズ』シリーズの開発スタッフとして企画・デザイン・グラフィックに携わっていた経緯がある。中でもラスプーチン・マッドマン・ジャックのゲームグラフィックを担当したという。→参考リンク

余談

  • エリックステージのBGM「白夜のフィヨルド」のアレンジ版は、フジテレビの『ニュースJAPAN』のオープニングテーマとして1994年から2000年までの6年間もの間使用されていた。
    • そのため、このBGMを聴いた事が有る人は多いのだが、元の出典が対戦格闘ゲームのキャラクターのステージのBGMであることを知る人は少ない。ある意味「日本一有名な格闘ゲームのBGM」と言えるのだが、肝心の『ワールドヒーローズ2』やエリックとの結びつきは非常に薄い。
  • 実はゲーム雑誌「ゲーメスト」において毎号集計されていた、「ヒットゲームベスト10」の「プレイヤー人気ベスト10」において、『ストリートファイターII』~『同ダッシュターボ』まで圧倒的な人気を誇っていたストIIシリーズから、初めて1位の座を奪い取ったゲームである。
    • 「インカム(投入金額)ベスト10」では1位を奪うことはできなかったが、これは稼働台数の差ゆえ仕方がないことだろう。
    • もっとも次号では『ストIIターボ』に1位の座を奪還されているのではあるが、それでも当時ゲーセンの王者だったストIIシリーズの牙城を崩したことは快挙と言っていい出来事であろう。