POPULOUS

【ぽぴゅらす】

ジャンル RTS

写真はSFC版
対応機種 Amiga、Atari ST、IBM PC、Macintosh
PC-9801VM/UV以降、X68000、FM TOWNS、
スーパーファミコン、メガドライブ、PCエンジン
発売元 Electronic Arts他
開発元 Bullfrog
発売日 【X68k】1990年3月1日
【PC98】1990年3月1日
【FM TOWNS】1990年7月1日
【SFC】1990年12月16日
定価 【SFC】8,800円
判定 良作
ポピュラスシリーズ
POPULOUS/POPULOUS2/ザ・ビギニング/DS


概要

「神」として世界を俯瞰する立場で対象物の繁栄を導いていくシミュレーション……いわゆる「ゴッドゲーム」の先駆けで、対戦型箱庭ゲーム。
プレイヤーは様々な奇跡を起こせる神となり、神を信奉する信者の発展を促し、一方で敵対する悪魔教徒を滅ぼすのが目的。

特徴

神への信仰

  • 神を信じる善良な人々を、神の力により助け、繁栄させるのだ。
    • 一方で、世界には神の教えに背く悪魔教徒が存在している。邪悪なものを信じる者が増えないように、彼らの土地に災いを起こし、あるいは信者により殲滅させる。そして、正しい神の教えを全ての世界に広げるのである。
  • 各世界は海と様々な地形で構成されている。人々はこの中で平地にしか住めない。地道な彼らは自ら平地に住居を次々と建て、栄えていく。神は彼らを間接的に助けるだけでいい。あくまでも人々を敵にけしかける、というゲーム性である。
  • PC版では2台のPCをRS-232ケーブルで接続することで対人対戦が可能。

ポピュラスの世界

基本的な世界環境。これら以外にも移植作品によってバラエティーに富んだ世界がある。

  • 草原(GRASSY PLAINS)
    • もっともポピュラーな世界。環境も厳しくなくプレイしやすい。人口増加率は意外と高くないが死ににくいのでほとんど気にならない。
  • 砂漠(DESERT)
    • 砂漠が広がる世界で環境がやや厳しい。人口は増えるが長旅させるとあっさり死に、サイコパワーは増えにくい。
    • 建物が石造りになると一気に武器レベルが跳ね上がる。小規模の建物を多く作るより城を作ってゆこう。
  • 雪原(SNOW AND ICE)
    • 雪に覆われた世界。環境が厳しい。人が増えにくく一人一人が弱い。また、建物を大きくしても増加量が変わらないためサイコパワーが非常に増えにくく、長期戦を余儀なくされる。
  • 溶岩(ROCK AND LAVA)
    • 溶岩の流れる世界。過酷なイメージとは異なり意外と環境は厳しくない。人口は増えやすいものの、雪原と同じく人が弱い。最上級都市のサイコパワー供給が頭一つ抜けているので、積極的に大都市化を狙ってゆきたい。
+ 拡張パック・SFC版のオリジナル地形

原作拡張パックおよびSFC版のオリジナル地形。これらのバラエティー地形は開始時にそれぞれ固有の短い曲が流れる。

  • ビットプレーン(BIT PLAINS)
    • コンピューターの世界で環境は厳しくなく、人ではなくバグ(虫)が住んでいて凄まじい勢いで人口とサイコパワーが増える。
      • 正確に言うと通常の建物は草原と大差ない。最上級の城のみ爆発的な補正がかかるのでまずは城を建てること。
    • よって、どうしても短期決戦、激戦になりがちである。
    • SFC版ではシンボルはコントローラー、建物はファミコンやディスクシステム、スーパーファミコンなど、コンピューター系になっている。
  • フランス革命(FRANCAISE)
    • フランス革命がモチーフで見た目は草原に近いが、建物はヨーロッパ風でおしゃれ。環境も厳しくない。ただしサイコパワーが非常に溜まり難い点に注意が必要。
    • 実は リーダー・騎士殺害で奪えるサイコパワーの量が非常に多い。処刑!処刑! よって、この地形ではサイコパワーを貯めるよりなるべく早く敵軍との接近戦に持ち込みたいところ。敵撃破・建物占領でもそこそこのマナを奪える。
    • シンボルのモチーフが神は磔台、悪魔はギロチンと恐ろしい。
  • 大江戸(JAPANESQUE)
    • 日本の江戸時代がモチーフでシンボルは招き猫とタヌキ、人は侍、建物は城など和風になっている。いかにも海外の考えるニッポン風であるが、日本版オリジナル地形。
    • 雰囲気の割に人口が増えにくい。また侍だからか城に入るとなかなか外に出てこない。
    • 人口増加とサイコパワーの増加ペースが遅い草原といったところ。フランス革命ほどではないが、敵リーダー撃破で大量のサイコパワーを奪える。逆にリーダーを敵に倒されると一気にピンチになることも。
  • ケーキランド(CAKE LAND)
    • SFC版オリジナル地形
    • お菓子の世界で住んでいるのはネズミ。環境もそれほど厳しくない。実は溶岩と同じ環境である。
    • 大地はテーブルクロス、建物や岩などはケーキ類、建物の勢力範囲を表す畑はビスケットやチョコ、海はオレンジジュースと見てるだけで楽しい。
    • 戦闘勝利によるサイコパワー奪取量は比較的多めに設定されている。
  • シリーランド(SILLY LAND)
    • 宇宙的なデザインで、宇宙人が住む。建物も宇宙基地がモチーフになっている。環境がとても厳しい。
    • 人口がとても増えにくく、かつとても減りやすい。中くらいの建物に至っては 人口増加率がマイナス (その代わり武器レベルとサイコパワー献上量は爆発的に増大するが)。
    • 第二段階の赤い建物がもっとも人口増加率が高い、武器レベルの変動がメチャクチャなど「ばかげた国」の名にふさわしく非常にトリッキーなステージである。
  • 三匹の子ぶた(PIGLET WORLD)
    • SFC版オリジナル地形。こんな見た目だが全地形中最狂の苛酷さを誇る
    • 豚たちが住む世界。見た目は草原と同じだが、環境が大変厳しい。人口はそこそこ増えるものの、シリーランド以上に減りやすい。
    • ただ、建物ごと消えることはない。中規模赤レンガの家が一番強いなど武器レベル・人口増加率の変動も不安定。
    • 敵信者撃破で得られるサイコパワーは全体的に高い。結局豚は食われてナンボなのだろうか……。リーダーより騎士( オオカミ )のほうが撃破ボーナスが高いのも印象的。

神の奇跡

  • 神のなせる業である。悪魔も同様のことができる。
    • これらは信者達の信仰の心により起こせるようになる。信仰は力として蓄積され、神が何かを起こす度に消費される。
  • 8種の御業を起こすことができる。ただすべての業をどこでも使えるわけではなく各世界によって可能な業が限られる。しかも各世界での起こせる業は、神と悪魔で同じではない。
    • 造成
      • 土地を隆起させたり、沈降させたりする。もっぱら平地を作り出し、信者の住みよい土地を作り出す。悪魔教徒の土地を荒らすのにも使える。
      • 面によっては盛り上げるだけで掘り下げることができなかったり、造成そのものができない面もある。
    • シンボル
      • 信者達を導くシンボルを打ち立てる。地味に見えて極めて重要。リーダーが死亡するとシンボルはリーダーの死亡地点に移動してしまい、信者はシンボルに向かって集合を始める。最初にさわった信者が新たなリーダーとなる。新たなリーダーが誕生するまでシンボル移動はできないため、リーダーが変な場所で死んでしまうと大変なことになる。
    • 地震
      • 大地を揺るがし、土地を破壊する。一見甚大な被害をもたらしそうだが、一番効果が薄い。悪魔教徒に使ってもあっさり復旧されてしまう。むしろ、山を均すために使ったほうがいいくらい。
      • これで建物を潰したあと、沼を作るというコンボが有名。また上記の造成不可能な面では、平地を確保したり山を切り崩したり海底を隆起させたりするのに有効。
      • 人々を死にいたらしめる沼を作り出す。世界によって「BOTTOMLESS(何人でも嵌って造成しないと消せない底なし沼)」になるか、「SHALLOW(一度嵌っただけで効果が無くなる浅い沼)」になるか分かれる。使用する信仰の力の割に、効果が極めて大きい。難点は平地にしか作れない所。
      • 敵リーダーを何らかの手段で殺害し、後に立った敵シンボルの周りを沼まみれにするというコンボが極めて強力。上記の通り悪魔教徒もリーダーが決まらないとシンボルへの集合を続けてしまう。相手の行動を確実に阻害できる上に敵の住民とサイコパワーの浪費も期待できる。裏を返せばこんな悲惨なことにならないようにリーダーは大切に扱い、自軍のシンボル周りはあえてデコボコにしといた方がいい。
    • 騎士
      • 信者のリーダーを神の使徒として騎士へと変身させる。騎士となると、命ある限りその圧倒的な戦闘能力で悪魔教徒を殺め家々を焼き払い続ける。一方で、悪魔教徒の騎士は最も恐ろしい存在となる。
      • リーダー同様、戦闘で騎士を撃破されると一定量のマナを敵に奪われてしまうので注意が必要。弱い騎士の量産は自殺行為になることも。
    • 火山
      • 岩地を含んだ山を作り出す。火山という名だが火は噴かない。山を平地にするのは厄介な上、消滅させるのが困難な岩地を大量に発生させる。一方で消費される信仰の力も多い。
      • 草原やビットプレーン等の厳しくない環境だとあまり効果は期待できない。反面、雪原や砂漠、それにシリーランドや三匹の子ぶた等の厳しい環境で連続で使うと、悪魔教徒に大損害を与えられる。
      • 同じ場所に二回以上使うのがセオリー。裾野が大きく広がるため一回だけのときとは比較にならないほど大きなダメージを与えられる。
    • 洪水
      • 水位を一段上げる。低地で安穏としている悪魔教徒達を水没させる。神の信者の数が劣っているときに使うと、状況を一変させる。もちろん、信者達は一段高い位置で住居を作らせていないといけない。そうでないと、神の信者達まで水没してしまう。
      • 面によって水の性質が違い、「FATAL(致命的な水。落ちたら即死)」と「HARMFUL(有害な水。すぐに土地を盛り上げれば落ちた人を助けられる)」がある。有害な場合、敵がすごい速さで人を助けてしまい、全く効果なしに終わる場合もある。
    • ハルマゲドン
      • 全ての信者の力を結集し、悪魔教徒に総力戦を挑む。それまで住んでいた住居を全て引き払い、全信者が悪魔教徒へと向かっていく。もちろん相手も同じく向かってくる。文字通り、世界最終戦争である。
      • 発動すると神、悪魔共に一切のコマンド入力が不可能になるので世界の中心に沼がないか確認すること。逆に発動前にうまく沼を設置すると戦わずして勝てることも・・・。
  • 注意しておかなければならないのは、奇跡を起こす力は、奇跡を起こす事によってのみならず、敵側からの多大な被害を受けた場合にも減ってしまうという事である。
    • 騎士に何個も城を破壊される、火山を連発されて建物を一気に破壊される、といった多大な被害を受けると、力が最低レベルまで落ち込み、造成すら出来ない状態となってしまう。こうなると勝利は困難である。
    • 逆に、こちらが上記のような事を敵に対して仕掛ける事が出来れば、敵はほぼ行動不能になり、こちらの勝利が一気に近づく。

神のおつげ

  • 神は信者を直接操ることはできないが、導くことはできる。全部で4種類ある。
    • 陣取り。信者の自由にさせる。彼らは黙々と、生活範囲を広げていく。
    • 合体。信者達の力を結集していく。信者達は近くにいる信者達と合体し、その力を増していく。ポピュラスの世界では、数は力である。砂漠などの厳しい環境で生き残るために、または悪魔教徒との戦いのためにも力を増す必要があるのだ。
    • 戦闘。住居を作るより、悪魔教徒を見つけたら直ちに殲滅するよう導く。見つからないときは、陣取りと同じく生活範囲を広げていく。
    • 集合。シンボルへと信者達を集める。最初にシンボルに触った信者をリーダーとし、そこへ次々と信者が合体し、リーダーは力を増していく。強力な騎士を生み出すのに不可欠。悪魔教徒の土地へシンボルを立て、攻め込むときにも使う。

広大な世界

  • 世界は広く500を越える。全世界を神の教えに導くのは、長い道のりなのだ。
    • ただしクリア時のスコアによって面はある程度飛ばされるため、一周では全ての面をプレイすることにはならない。
    • また近隣の面は設定が似通っているため、苦手な面だから前の面を再度クリアして次の面を変えることができたとしても、同じような状況で苦戦してしまうだろう。
    • 造成が盛り上げしか出来ない面や、一切の造成が不可能な面、神は何の奇跡も使えないのに悪魔は全ての奇跡を使える面といった、クリアが困難な面も多々存在する。

超自然モンスターの存在

  • ゲーム中、たまに神・悪魔のどちらにも属さないモンスターがマップ上を横切っていく。
    • 初見ではバグが発生したかのように思えるが、バグではない。
    • PC版では魔術師、蟹、スライムがそれぞれ通り道に植物、岩石、沼を残していく。
    • SFC版では芋虫、テントウ虫、蝸牛が通り道に沼を残していく。
  • 神と悪魔の凄まじいエネルギーのせめぎ合いによって誕生した奴らを消滅させる手段は無い。マップ上を通り過ぎるまで我慢するしかない。
    • 奴らに踏まれた建物及び民衆は、神・悪魔問わず、次元の彼方に吹き飛ばされてしまう(消滅してしまう)。

評価点

  • まさしく神様感覚を実感できる。
    • 数々の天変地異を操り、信者に平穏を、異教徒に天罰を与える行動はまさしく神。全能感をたっぷりと味わえる。
    • 啓示を受けた騎士を作り上げ、虐殺に向かわせるというサディスティックな楽しみも。
  • 信者が増えるための地形作りの戦略も、なかなか面白い。
    • 山を平地にかえ、海を陸地にする。次々と増えていく信者たちの住居。箱庭ゲーム的な楽しさももちろんある。
    • 戦略性も各種地形、ステージ条件により違い、一変通りではない。

問題点

  • マップごとのルール設定によって最適解が絞られるため、馴れるとマップを見た時点でクリアまでの手順が予想できてしまうが、人口やサイコパワーの溜まる速度がそれほど早くないため、後半ほど理不尽か退屈かになりがち。
    • 神側が大きくハンデを負うマップでは、手順がほぼ一本道のパズルゲーでありながらサイコパワーがなかなか溜まらずもどかしい。
    • ステージに時間がかかり一周のマップ数も膨大、な割りには代わり映えのないマップが連続することも多く、一周踏破するのも人によってはしんどいだろう。
    • とはいえ、序盤ステージですべての要素が使用可能なため、無理に踏破を目指さず序盤マップでお手軽に楽しむことも可能である。
  • 対戦のバランス
    • 対戦では沼と騎士が強力すぎるため、地震・火山・洪水などの大規模な奇跡はほぼ大道芸である。
    • 特に水がHARMFULなルールだと、敵の騎士を潰すには自領土に沼を自爆するか人海戦術で戦闘力を削るしかなく、ようやく倒しても疲弊した自陣営を立て直すまもなく敵側が次の騎士を送り出すことができるため、中盤で一方的な蹂躙になる。
    • そのため、最終的には相手側騎士の作成を沼で妨害しつつ自陣営に作られた沼を埋めながら騎士を作成する、という騎士ゲーに……

総評

人間達を高みから見下ろし、奇跡を存分に振るい、その趨勢を左右する。超越者を味わえ、同時にどこかサディスティックなゲーム性は他にはないものだった。また、システムがシンプルだが戦略を必要とするゲームであり、中毒性も生みやすい。一つのジャンルを確立するだけのことはある。本作以後、シリーズとして続編が続くこととなる。


余談

  • 開発者であり著名なゲームデザイナーでもあるピーター・モリニューは、レゴブロックで様々な地形・世界を作り楽しんでいた際に、このゲームを思いついた。彼はブロック遊びが大好きで、リアリティを出すために本物の水をレゴの海に注ぎ、うっかりこぼして部屋を水びたしにしてしまったこともあるという。