ロックマン6 史上最大の戦い!!

【ろっくまんしっくす しじょうさいだいのたたかい】

ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 4MbitROMカートリッジ
発売・開発元 カプコン
発売日 1993年11月5日
定価 7,800円
配信 バーチャルコンソール
【3DS】2012年12月12日/500円
【WiiU】2014年5月14日/514円
判定 良作
ロックマンシリーズリンク


プロローグ

度重なるDr.ワイリーの世界征服計画に対抗すべく、X財団をはじめとして、平和を目的とした世界ロボット連盟が発足。
数々の対ワイリー戦闘ロボットが製作され、その中で特に優れた8体のロボットが集結、ナンバーワンを決めるロボット選手権が開催された。
しかしその8体のロボットが主催者のMr.Xに奪われてしまう。
実はMr.XがDr.ワイリーを影で操っており、もうワイリーを使うまでもないとついに自ら世界征服に乗り出したのだ。
Mr.Xの野望を阻止するためまたもロックマンの戦いが始まる。


概要

ファミコン版『ロックマン』シリーズ最終作。

特徴

  • 基本システムは前作とほとんど変わっていない。チャージショットは前作が強すぎたためか今作ではちょっと弱体化しているが、それでも強力。
    • 雑魚敵に限り、攻撃を当てた後の無敵時間が5ほど長くはなくなり、4までと同様に連射が役立つ場面はある。
    • また、前作よりも使いやすい特殊武器が増え、前作とは違いチャージショット一辺倒のバランスではなくなった。
    • なお、今作の特殊武器は、雑魚敵や中ボスに対しては威力が武器ごとに固定となっている。
  • 前作に登場した「M缶」は廃止された。
  • ロックマンワールド4』に登場したアイテム「エネルギーバランサー」が登場。とあるステージの隠し部屋で入手できる。
  • 選択8ボスステージのうち、ボス部屋が2つ存在するステージが全部で4つある(ボスを倒してから再び挑んだ際に背景の色が変化するステージがそれに該当する)。どちらのルートでクリアしてもそのボスが持つ特殊武器は入手できるが、特定の方を倒すと「ビートプレート」(「B」「E」「A」「T」の4種類)のうち、いずれか1つを入手でき、4つ全て集めると前作にも登場したサポートメカ「ビート」が使えるようになる。
    • 基本的に雑魚を一撃で倒せるようになったが、前作では1撃につき2目盛りだったエネルギー消費量が雑魚の体力依存になり*1、ボス敵を攻撃しなくなった。しかしラストボスすら撃破できた前作のビートが調整不足であると言えるので、むしろ良調整である。
    • プレートを持たない側のボスを先に倒した場合、後で同ステージに再挑戦して改めてプレートを持つ側のボスを倒せば(ボスを2回倒さなければならないものの)、プレートは手に入る。これと逆の順序であれば、プレートを持たない側のボス部屋に突入した時点でステージクリア扱いとなる(つまりその部屋を含め、同ステージにはもうボスはいない→ボスを1回倒すだけでよい)。
      • ただ、「プレートなしのボスを先に撃破して、後で同ステージのプレート持ちのボスの部屋に突入」という順序でプレイするならば、「後者のボス部屋にビートプレートだけが置いてあり、それを取得することによってプレート獲得→ステージクリア」…などといった仕様にしてもよかったのではないか。そうでなければ「2つあるボス部屋をそれぞれ攻略する順序によって対戦するボスの数がなぜ変化するのか?」といった疑問が残る。
  • 今作の新システムとして、ラッシュコイル・ラッシュジェットと入れ替わる形で、サポートメカ「ラッシュ」との合体が追加。合体形態は2種類ある。
    • 1つは「パワーロックマン」。射程は犠牲になっているものの攻撃力が高く、チャージすれば特定のブロックを破壊できる。また一部の敵の防御を貫いてダメージを与えられる。
    • もう1つは「ジェットロックマン」。エネルギーの分だけ空を飛ぶ事ができる。そんなに長く遠くまで飛べるわけではないが、エネルギーは着地するたびに全回復する。
    • それぞれ特定のステージをクリアすると合体できるようになる。ちなみに合体中はスライディングができず、ジェットの時はチャージショットも撃てない。
  • 本作のボスキャラデザインコンテストは日本のみならず世界各国でも開かれた。
    • ナイトマンとウインドマンの2体は日本人以外がデザインしたものが採用されている。
    • そのためか本作は世界各地で戦うというワールドワイドなストーリーとなっている。ウインドマンなどはそのために原案にはなかった中華仕様の姿にアレンジされている。

評価点

  • 難易度に適切なメリハリがある。
    • 前作と違い特別な操作が必要とされるシーンもないのでロックマン自体のアクションを駆使して進めるのもポイント。勿論ロックマンシリーズにおいてなので初見では充分に手応えがあり、難易度にメリハリがある。
  • 特定武器、アイテム依存ポイントの配置
    • これまではラッシュや特定アイテムが無いと移動が不可能、困難なルートが多かったが今作では別ルートの分岐点や隠し通路に配置されるようになり、全体的に素のままでも(ビート、エネルギバランサーの入手を無視する場合は)8ボスに到達しやすくなった。
    • 今作の任意入手アイテムはないとクリアが困難になる程の物でも、入手する手間と効果が合わない様な物でもなく、最短クリア又はやり込み重視のプレイヤーにも適した物なので取捨選択がしやすく、ジレンマにもなりにくい。
  • 武器のバランス、使い勝手の良さ
    • チャージショットのマイルド調整と特殊武器の利便性アップにより、『4』に匹敵かそれ以上に両武器のバランスが良い*2
    • 前作のクセが強く、画面上に1発しか撃てない割に、画面上に長時間残り続けるような仕様の特殊武器は鳴りを潜め、ほとんどの武器が2連射以上が可能で、クセが少なく使いやすい武器が揃っている。
    • 高い位置の真上の敵を気軽に狙える武器が無くなってしまったことだけが惜しいが、この点は「ビート」を取得することで解消できてしまう。
    • 「ヤマトスピア」やパワーロックマンのチャージ攻撃など、敵のガードを崩す武器が追加されたことはゲームテンポ向上に繋がっており評価点となる。
  • BGMも高品質。特に今作は「世界各国から集まったロボットが敵」という設定から、特定の国を意識したBGMも多い。
    • 後付けで中華仕様にアレンジされたウインドマンのステージは特に中国を意識したものではなく、爽快な曲調のBGMになっている。ステージもパンダ型の敵や雷文模様があるくらいでそれほど中国的でもない。
    • ボスキャラ募集の参加賞として贈られたアレンジCDにはウインドマンステージのアレンジ版が収録されており、こちらはピアノメインのゆったりとした曲。
    • 余談だがオープニングのBGMは日本版と海外版で違う。後に発売されたファミコン版ロックマンのBGMをまとめたサウンドトラックに海外版BGMも収録されている。
    • ED曲は1のアレンジとなっている他、ゲームオーバーBGMは2のアレンジとなっている。

賛否両論点

  • Mr.Xの姿を見た瞬間に大半の人が気づいていたことだが、やっぱり黒幕はワ(ry 完璧な出オチである。
    • にも関らず変装に自信満々のMr.Xと、正体発覚時に驚いて飛び跳ねるロックマンは、そのありえなさからネタにされる事が多い。
      • と言うより世界ロボット連盟によるロボット選手権の主催者としてそれまで正体がばれずに行動できた点もおかしい。普通に考えてもそれほどの人物ならば誰かが身元を調べようとするはず。(Xシリーズのシグマもそうだが)ロックマンシリーズでは「情報交換」というものがほとんど行われていないのだろうか? 
      • また、エックスステージの最後で敗れたワイリーは「本物の私が負けたわけではない!」と言い出すが、手下に戦わせていたとかならまだしも、自らが造ったメカを操縦して負けておいて何を言っているのだろうか……?
    • ワイリーがラストボスであることはもはやお約束となっているので、マンネリ防止のため制作陣もネタに走っているきらいがある。案の定プレイヤー間でもネタにされたため全て含めて「お約束」と解釈すべきだろうか?
  • 特殊武器のエフェクトについて
    • 特殊武器が、その持ち主であるボスのと比べて大きく異なるものがある。旧作でもボスとこちらの武器が違うということはあったが、今作では似ても似つかないものが多い。
      • 特に顕著なのがケンタウロスフラッシュで、ボス側は「ノーダメージだが相手の動きを止め、その間に攻撃する。」という4のフラッシュストッパー風なのに、ロックマン側は「画面内の全敵にダメージを与える」という仕様。
      • さらにウインドストームもロックマンは竜巻を地面に沿って発射して敵を空中に舞い上げるのだが、ウインドマン自身はロックマンを吸い寄せたり、ファンを発射したりとまるで攻撃方法が違っている。
      • 他にも形は似ていてもボスの使うものと動きが異なるものがある。ロックマンの特徴の一つが「敵の武器を自分のものにできる点」だったはずなのだが…。

問題点

  • ゲーム自体は丁寧に作られているが、若干マンネリ気味で全体的に地味。
  • ゲームのテンポの悪さ。とりわけワイリーステージで顕著。
    • ジェットロックマンを使用しないと進めない地点が多く、即死トラップが多すぎる。
    • これに加えパワーロックマンで障害物を除去する地点も多く使い分けのためにテンポが遅くなる。
    • パワーロックマンは射程、ジェットロックマンは溜め撃ち不可とそれぞれに欠点があり、スライディングのためにノーマル状態も使い分けなければならない。これらの切り替えが頻繁に必要。
    • 合体形態になるにはいちいち演出が入り、ご丁寧に最初の方はスキップできないようになっている。その結果、ゲームの進行を止められることになり、テンポが削がれ煩わしい。
  • ラストボスはシリーズ最多の第3形態まであるものの、いまいち強くない。
    • 大型ボスは「特定の場所(コックピットや大砲部分など)を攻撃しないとダメージを与えられない」ことが多いが、今作のラストボスについては、どの部分に攻撃を当ててもダメージを与えることができる。その上大型なので、攻撃を当てる格好の的となってしまう(その分、こちらも接触を回避しづらいが)。
    • 加えて全ての形態で弱点となる特殊武器が同じなので、どうしても手抜き感を覚える。*3
  • 8ボスの動きが緩慢で緊張感に欠ける。
    • さらにゆっくりと大ジャンプをするボスが多いのでその下を潜り抜けて着地と同時に攻撃とワンパターンになりがちになる。
  • スライディングの改悪
    • 本作ではスライディング中にジャンプする事ができなくなった。更にスライディングの終わり際に一瞬の硬直時間が追加されている。
    • 上記の仕様変更により、従来の流れるように動ける操作性から、やや動きの硬い操作性になってしまった。
    • スライディング中にジャンプボタンを押した場合、その場で緊急停止するようになっているが、この緊急停止時にも一瞬の硬直が発生する。
  • ジャンプのレスポンスが悪く、上記のスライディング以外でもなぜか思うようにジャンプできないタイミングが存在する。
    • 「崖から足を踏み外しても数Fの間はジャンプできる」という、現代の2Dアクションで見られる親切設計を、この頃既に取り入れているのだが、その影響かジャンプや地形判定に微妙に怪しいところがある。
    • 今度は崖にギリギリで着地をした場合に従来よりも足を滑らせることが多くなってしまっており(『1』ほどではないが)、肝心の恩恵はあまりない。
  • チャージショット・特殊武器のサウンド演出の弱体化
    • 飛び道具の発射音が全て、溜めなしのロックバスターの射出音と同じで、今一つ迫力に欠ける。
    • 実はこれはバグなのだが、本来鳴るはずだった音も、5のチャージショットの音のような派手なものではない。*4

総評

マンネリ感もありシリーズファンには地味で印象が薄いと評されがちではあるが、ゲーム自体は真っ当に作られた良作。
難易度も低めなので前作同様ロックマンの初心者向け。



余談

  • 今作のエンディングにおいて、「ワイリーが逮捕された」という形でロックマンとワイリーの因縁に一度決着がつく。
    • もっとも、次回作のオープニングステージであっさりと再開するのだが。
    • ワイリーが逮捕された際の罪状が「世界征服の罪」というよく分からない謎の罪状であり、こちらもネタにされる事が多い。
    • 逮捕のニュースを知らせる新聞記事には「しかし獄中で脱獄用ロボットを作っているのかもしれない」という一文がある。……いや、どんだけ自由な刑務所なんだよ。*5
  • 今作でもブルースが登場。前述のエネルギーバランサーをくれる…が説明書によると何者かに盗まれたと記載されている。
    • まさかブルースが盗んだんじゃないよね? 盗んだのはワイリーで取り返してきてくれたんだよね? ……もっとも、そうならそうで「本来の持ち主へ返せよ」という別のツッコミどころが生まれてしまうのだが。
  • コミックボンボンで連載していた池原しげと氏によるコミカライズ版では、ケンタウロスマンがなんと女性として登場している。それに伴い兜の下は金髪のロングヘアーというオリジナルのデザインが施されている。
    • しかも、同じく本作に登場するナイトマンの恋人という設定付き。
      • が、名前にマンが付いているのでウーマンが登場した現在から見たら違和感を覚えるかも知れない。
      • ちなみにケンタウロスマンの弱点武器は、よりによって恋人の武器ナイトクラッシャーである。
      • なお、同漫画内ではビートプレートを持っていない方のボスは偽物で、本物を倒さないとステージクリアにならないという設定を作っており、ロックマンはケンタウロスマンとは二回戦っている。
    • さらに同漫画内ではフレイムブラストでサイバーガビョールを倒していると思しきシーンがあるが、実際のゲーム中ではサイバーガビョールに通用する武器はブリザードアタックとパワーロックマンの溜め撃ちである。
  • 有賀ヒトシ氏によるコミカライズ版では、ロックマンではなくロックマンコピーが戦っていた。
    • ロボット三原則を無視して生身のワイリーを攻撃した。
  • 本作では、ステージ開始のデモでボスのスペックが表示される。身長体重や機動力や重量、動力源などの細かい設定を知る事ができるのだが、やけに背が低い*6ボスが多い。
    • フレイムマンは名前通り火力発電。ケンタウロスマンはまさかの乾電池方式。
  • ロックマンワールド5に本作が選ばれていない
    • ワールド4』未使用の本家5ボスの特殊武器と、本作6ボスの特殊武器の特性が被ってしまっており、差別化が難しいことが原因と考えられる。

移植

  • 他のFCロックマンシリーズと共に、PSに移植されている。
    • ナビモードでは本作の曲がアーケード版でたったの1曲(ステージセレクト)しかアレンジされてなかったのか、ほぼ全曲新規アレンジとなっている。また、エンディング後のスタッフロールでは「風よ伝えて」が流れる。
      • 6からはプラントマンがアーケード2作品に出演しているが、使用曲はなぜかクラッシュマンステージのものである。2にのみ出演するケンタウロスマンの使用曲はジャンクマンステージのものになっている。
  • バーチャルコンソールではロックマン5までと異なりWiiには配信されなかった。しかし、Wii Uや3DSには前5作同様に配信されている。
    • Wiiで配信されなかった厳密な理由は不明だが、『5』や『X2』の配信時期(2011年)から察する限り、翌年のWii U発売でハードの世代交代が行われる関係で配信されなかった可能性が高い。