熱血高校ドッジボール部

【ねっけつこうこうどっじぼーるぶ】

ジャンル スポーツ(ドッジボール)
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 2MbitROMカートリッジ
発売・開発元 テクノスジャパン
発売日 1988年7月26日
定価 5,800円(税抜)
プレイ人数 1~4人*1
周辺機器 マルチタップ(クラブ活動のみ)
レーティング CERO:A(全年齢対象) ※VCにて付与
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2008年6月17日/514Wiiポイント
【3DS】2013年3月6日
【WiiU】2013年12月18日/上記共に476円(税別)
判定 良作
くにおくんシリーズ

概要

前年にアーケードで稼動開始した同名タイトルのアレンジ移植作品で「くにおくんシリーズ」の第2作目(の移植作品)にあたり、くにおくんシリーズ内における「スポーツシリーズ」の第1弾となる。
熱血高校ドッジボール部の面々を駆使してドッジボール世界一を目指す「遠征試合モード」、参加するチームを任意に選んで対戦することができる「対抗試合モード」、コートのない熱血高校のグラウンドでボールをぶつけ合い最後まで生き残った者が勝ちというサバイバル勝負(「めちゃぶつけ」とも称される)ができる「クラブ活動モード」が収録されている。

タイトルにある通り、本作はドッジボールのルールを基本としたゲームではあるが、様々なアレンジを施されているため、普通のドッジボールをゲーム化したものとは異なる。
例えば実際のドッジボールは外野(内野)同士でパスをしてはいけないなどの細かい禁止事項があるが、本作では相手コートに侵入するとボールを落としてしまう以外には一切の反則はない

加えて参加キャラクターには体力が設定されており、相手の内野のキャラクターにシュートがヒットすると、そのキャラクターは外野に出ずに体力値が減り、何度もシュートを当てられて体力が0になったキャラクターはそのまま天使となって脱落し相手チームの内野を全滅させたチームの勝ちとなる。

このように、実際のスポーツをモチーフにしながら、複雑なルールを極力排し、多彩な必殺シュートで見た目にも派手なハチャメチャなスポーツを演出した事で敷居が下がり、人気を博した。
この傾向は以後のシリーズにも継承され、『サッカー』『ホッケー』『バスケ』等、様々な「スポーツシリーズ」が発売される事になる。

なお、本作では基本的にすべてひらがなで表記されているが、本項においてはそれに倣うと読みにくくなってしまうため、キャラクター名のみひらがなで表記し、それ以外の用語はカタカナおよび漢字に置き換えられる部分は置き換えて表記することとする。


ゲーム内容

+ クリックで展開

参加チーム

チーム キャプテン 遠征試合モードにおける特徴
熱血高校 くにお
能力のバランスの取れた扱いやすいチーム。
クラブ活動以外でメンバーをコンピューターが操作することはない、実質的なプレイヤー専用チーム。
花園高校 りき
縦社会構造の強いチーム。キャプテンの「りき」をトップとして、強いキャラクターにパスを回して攻撃する。
ただし、時折自分より強いキャラクターがいてもそれを無視して攻撃を仕掛けてくることもある(説明書では「ぬけがけシュート」とされている)。能力は高くないが、球のキレが鋭い。
イギリス じえむす
基本に忠実な無駄のない動きのチーム。体力はそれなりにあるが、非常に打たれ弱い。
シュートテクに秀でている。
インド らはまあん
動きがちゃらんぽらんすぎて読めない。パスかと思えばシュート、シュートが来ると思えばパスを回したり。
体力は低いものの非常に打たれ強く、特に「むはまど」の打たれ強さは桁外れで、どんなシュートでも3以上のダメージを受けない。
試合前のポジション設定でキャプテンである「らはまあん」を希に外野に回すことがある。
アイスランド へいるまん
高い体力とボールパワーに物を言わせた力押し主体のチーム。
反面、素早さが低い上、技術面や防御面では不安が残る。
中国 らおちぇん
ジャンプパスを多用した機械的な立ち回りのチーム。
キャッチテクが高いが、イギリスに次いで打たれ弱い。
ソ連 もるどふ
キャプテンのワンマンチーム。「もるどふ」による小細工抜きのダッシュジャンプシュート一点勝負。
メンバーはボールを拾うと漏れなく「もるどふ」にボールを回し*2、ディフェンスの際は体を張って「もるどふ」を守る肉の壁と化す。
アイスランド並に素早さが低いもののボールパワーが高く、「もるどふ」のそれは全参加キャラクター中ナンバーワンの高さ。
アフリカ んじょも
野生の勘が身上の素早さが高いチーム。ボールを取ったらすぐにシュート。
迂闊にパスをすると容赦なくパスカットしてくる。
インド同様に試合前のポジション設定でキャプテンの「んじょも」を希に外野に回すことがある。
アメリカ ういりあむ
能力が全体的に高い世界最強クラスのチーム。
欠点としては素早さにやや欠けることと、パワーが高く、それ主体のために他の能力に比べてシュートテクと球のキレがやや低い事があげられる。

能力について

パラメータ 概要 秀でている
キャラクターのタイプ
体力 内野に入ったときの耐久力。0になると脱落。
外野の時は無視され、いくらボールが当たっても脱落しない。
A
ボールパワー シュートの攻撃力。
数字の基準は平均的な打たれ強さの相手に対してダッシュジャンプシュートしたときのダメージ。
必殺シュートの攻撃力は別に固有に設定されているので、ボールパワーは影響しない*3
シュートテク 必殺シュートとは異なる強力な特殊シュートである「ナイスシュート」を使う上で必要になる。
高いほどに扱えるナイスシュートのバリエーションが増える。
F
球のキレ 高いほどにボールを投げたあとに十字キーの入力で大きく変化をかけることが出来る。
一部の必殺・ナイスシュートは球のキレの能力が高くても変化をかけられない。
E
素早さ 高いほどに素早く移動出来るほか、ダッシュ必殺・ナイス各シュートを打つ際の必要な助走距離*4に影響を及ぼす。
この値が高いほどより多くの助走距離が必要となるため、素早さナンバーワンのアフリカの「もっきい」は対抗試合においてはコート端からダッシュする位でないとダッシュ必殺シュートが使えない。
D
キャッチテク 高いほどにキャッチタイミングがゆるくなり、ボールキャッチしやすくなる。 C
打たれ強さ ボールに当たったときのダメージに影響し、高いほどにダメージが軽減される。
ボールパワーの数値はこれが7~9のキャラクターに当てたときのものとなっている。
B

※Aタイプのキャプテン以外はユニフォームや肌の色の違いこそあれ、タイプ事にベースの顔グラフィックは全て共通となっている。
 キャプテンの顔グラフィックに関しては上記チーム紹介を参照のこと。


評価点

インド、ソ連、謎の軍団の追加

  • インドは体力は低いものの驚異的な打たれ強さを誇るチームとして、ソ連はキャプテン・「もるどふ」のワンマンチームとして個性付けをされ、謎の軍団は熱血高校のコピーで一定条件を満たした上でアメリカに勝利すると戦える隠しチーム。

必殺シュートが全てのキャラクターに用意され、その種類も豊富になった

  • 中でも、熱血高校では「しんいち」がダッシュジャンプから使うことが出来る必殺シュートの圧縮シュート*5は喰らった相手が画面外に吹っ飛んで反対側の画面端から出てくるという演出効果から「世界一周シュート」等とも呼ばれる。
    • 演出だけではなく、動き方次第では喰らった相手を世界一周後に自軍のコートにダウンさせることも可能なので、使いこなせれば無防備となった所に追撃を仕掛けることも出来、強力な効果を発揮する。
    • 実際は圧縮シュート以外にほえほえシュート*6・ブーメランシュート*7も世界一周効果があるが、主に扱うことになる熱血高校メンバーで使える者がいないため、圧縮シュートの代名詞的扱いになっているところもある。

キャラクターの個性付け

  • アーケード版では「くにお」以外は必殺シュートを持たず、他の熱血高校メンバーはあくまで「くにお」を守る肉の壁以上の価値を与えられなかったが、ファミコン版ではキャラクターそれぞれに名前の設定だけではなく、必殺シュートと個性的な能力が与えられ、一強他弱ではなくなった。
    • 体力とボールパワーに優れるキャプテンが頼りになるのはアーケード版譲りではあるが、各キャラクターの得意とするパラメーターや必殺シュートの組み合わせによってはキャプテンを外野に回す方が有利に立ち回れる場合がある等、ほとんどのキャラクターが何かしら光る部分を持つようになった。
  • キャラクター面ではA~Fタイプとしてそれぞれ得意とするジャンルが設定されている。
    • Aタイプは各チームのキャプテンが該当し、先述の通り力自慢で体力とボールパワーが高く、Eタイプは球のキレの能力が高くて変化球が得意、Fタイプはシュートテクに優れ、ナイスシュートが使える者が多い*8*9等。
      • 個性付けとしては特に強烈なのが花園高校の「なりたか」。打たれ強いBタイプのキャラクターで打たれ強さ以外は軒並み能力が低くなっているが、ダッシュ必殺シュートが従来のダッシュ7歩目で出せるワープシュート*10の他に、ダッシュ1歩目で円輪シュート*11が出せ、これは「なりたか」のみが使える必殺シュート*12。更にダッシュジャンプから出せる必殺シュートが設定されていない代わりに、ジャンプの頂点でボールを投げると他のほとんどのキャラクターはジャンプナイスシュートを繰り出すなか、唯一必殺シュートのぶよぶよシュート*13を繰り出す。このため、「なりたか」はボールパワー自体は全キャラクター中最低だが、本来必殺シュートが使えない外野でも唯一必殺シュートが使えるキャラクターとなっている。
      • それ以外にも能力的な面を含めた個性付けが奏功しプレイヤーに強烈な印象を残すことに成功した。だいたいは1PではCPUのロジックで見られないものが多く発見する楽しみにもなった*14
  • 参加するチームも今まではせいぜい参加キャラクターの外見や数で位しか差別化を図れていなかったが、能力や行動パターン等でそれぞれのチームにも個性が生まれた。
    • ソ連には上で紹介した他に「もるどふ」を先に脱落させると残ったメンバーは揃いも揃って次期キャプテンの座を狙い出すため、個人プレイに走って団結力が皆無になるという設定もあり、絶対に味方にパスしなくなるという形でメンバーの挙動に反映されている。
      • また、取り巻き全員がボールパワーがあるキャプテン(「もるどふ」)にパスを回し、キャプテンを守る肉の壁となる姿はAC版でプレイヤーがならざるを得なかったプレイスタイルを再現したものとなっている。
    • 謎の軍団は前述した通り熱血高校のコピーだが、能力は体力と扱う必殺シュートこそ熱血高校と同じものの、それ以外の能力がアメリカと同じとなっている。
      • 「アメリカと同じ」というのは一例をあげれば、謎の軍団の「くにお」(Aタイプ)の能力はアメリカのAタイプの「ういりあむ」の体力と使用する必殺シュート以外の能力が上書きされるということ。それとは別に、謎の軍団戦に限り熱血高校側もボールパワーがアメリカのそれに強化される。
      • 行動パターン・思考も遠征試合で対戦するチームの中からランダムで決定される。

体力の可視化

  • アーケード版では画面上のゲージはチームの生き残りの人数という意味であり、さらにキャプテン格以外は一撃で死ぬことも多かったのであまり意味のないものだった。
    • しかし、個性付けに伴ってキャラクターの名前と残り体力ゲージが表示されるように変更されたため、どのキャラクターがどの程度の攻撃に耐えられるかが判断しやすくなった。
  • 個性化による能力の上昇に伴って各キャラクターの体力も上昇し、キャプテンのシュート一撃で死ぬといったことはほぼ起こらなくなった*15
    • 1メモリにつき体力4とわかりやすく、残体力が15以下になるとダウンから起き上がった際にアーケード版で見られた息切れ演出が加わるようになる。
    • 加えてボールをぶつけた際のダメージも数字として表示されるようになったため、シュートの強弱がわかりやすく、戦略を組み立てやすくなった。

質の高いサウンド

  • BGMの評判も全般的に良く、特にソ連戦のロシア歌謡「カチューシャ」のアレンジである「対ソ連・チームのテーマ」や謎の軍団戦の「対謎・チームのテーマ」、アメリカ戦の「対アメリカ・チームのテーマ」等々はお気に入りの曲の話題になると挙げられることもある。
    • 「対アメリカ・チームのテーマ」はAC版から大きくイントロが変更されている。
    • なお、ここで表記した曲名は2008年11月21日にウェーブマスターより発売されている「熱血硬派くにおくん音楽集」のトラックリスト上の曲目を表記している。
      • 余談になるが、トラックリスト上でゲームタイトルを『熱血高校ドッ“”ボール部』と誤記している。
  • SEも同様に質が高い。特に必殺シュートとヒットの音のインパクトと爽快感は格別であり、以後のシリーズでも使用され続け、シリーズを象徴する効果音となっている。
    • AC版に比べ、グラフィックが縮小されてしまったが、効果音の質が高まった為に迫力や爽快感は損なわれていない。

アーケード版でのコンピューター戦におけるプレイヤーが一方的に不利になる要素の撤廃

  • アーケード版では(インカム等の都合上仕方ない所もあるのだが)様々な点でプレイヤーは不利な条件下でコンピューターとの対戦を要求されていたが、ファミコン版ではそれらが撤廃された。
  • 試合時間撤廃
    • アーケード版では試合に制限時間があり、それが0になる前に倒せないと問答無用で負けにされてしまっていたが、ファミコン版ではそれがなくなった。
      • 同様にボールキープにも制限時間が設定されており、こちらも0になると問答無用で相手ボールになってしまっていたもので、こちらも撤廃された。
      • もっとも、日本スーパードッジ連盟や日本ドッジボール協会での公式ルールではボールキープやパス回数に制限が加えられており、無闇に試合時間を引き延ばしかねない本作でのルールはドッジボールのルールとしては一般的ではないのだが。
  • 補充要員の撤廃
    • アーケード版では花園高校を除いた相手チームは1人内野メンバーを倒しても時間差で「ゴリラ顔」「怪物」「巨大」等とも呼ばれる強力なメンバーが最大2名補充されていた(もちろんプレイヤーの熱血高校は「くにお」以外は役立たずの条件で補充なし)が、ファミコン版ではそれが撤廃された。
  • シュートの仕様変更
    • アーケード版にてコンピューターの一部キャラクターが投げるシュートは通常のシュートだけでなく、ボールを空高く飛ばせて対象の頭上に急降下させるシュートとボールが巨大化するシュートがあり、後者の巨大化するシュートはキャッチができず、避けるしかなかった。
      • プレイヤー(熱血高校)側も「くにお」の必殺シュート(今で言うナッツシュート)もキャッチが不能な強力なものだったが、「くにお」しか使用できなかったこと等もあり不公平感はどうしても否めなかった。
    • 本作で仕様変更されたことにより、どんなシュートもタイミングさえ合えばノーダメージでキャッチ出来るようになったことで、結果的に対戦におけるゲームバランスを優れたものとする一因となった。

マルチタップを使用しての4人対戦が可能

  • クラブ活動モード限定になるが、マルチタップを使用して最大4人で対戦すること(メンバーは6人いる関係上、少なくとも2名コンピューターが参加することになるが)ができ、当時としてはあまり数は多くなかった対戦ツールとしても十分な機能を果たしていた。

チーム間の能力バランスが秀逸

  • もちろん強弱の差はあるのだが、弱いとされるチームでも技量次第で十分に強いチームを食えるゲームバランスになっている。
    • そのため、純粋に使いたいチームで対戦を楽しむことができ、対戦ツールとしても極めて優れたものと呼べるソフトであった。

遠征試合モードの難易度設定のバランスが良好

  • 「易しい」だと余程のことがなければ相手はボールをキャッチ出来ず、逆にプレイヤーはかなりキャッチタイミングが緩くなるために初心者のプレイはもちろん、ゲームの演出と相まってストレス発散でプレイする者もいた。
    • 逆に「難しい」だと相手はボールを的確にキャッチするようになり、プレイヤーはキャッチタイミングがかなり厳しくなる上に、相手の思考ルーチンも強化されるため手応えのある難易度となる。
      • キャッチタイミングの他にも必殺シュートやナイスシュートの出やすさにも差があり、「易しい」だと多少歩数やタイミングがずれていても必殺シュートやナイスシュートを打てるが、「難しい」だと歩数やタイミングをきっちり合わせないと必殺シュートやナイスシュートを打つことが出来ない。

問題点

スペック起因の問題

  • キャラクターの激しすぎる点滅、スプライト欠け等が頻発。
    • マシンスペック上仕方ないとは言え、やはり目に悪く、見ていて疲れるのもあってこの点は良く不満点としてあげられる。
  • 内野メンバーの減少。
    • これまたスペック上仕方ないというフォローも出来るのだが、アーケード版や後に出た『熱血高校ドッジボール部 PC番外編』では内野が4人だったのだが、ファミコン版では3人になっている。
    • ただしアーケード版は前述の通り「くにお」以外は役立たずであるし、『PC番外編』はポジションチェンジが無いので内野メンバーがほぼ固定化されてしまっており*16、必ずしもファミコン版が劣っているとは言えない。

必殺シュートの性能差が一部顕著

  • 使いものにならない必殺シュート筆頭に上がるのは、ダッシュジャンプから繰り出す必殺シュートの稲妻シュートなのだが、威力が低い上に相手に当てづらく、しかも弾道の性質上相手コート端まで飛ばないこともザラという、目も当てられない性能になっている。
    • これにより稲妻シュートを持っている熱血高校の「こうじ」はもう1つのダッシュから繰り出すスクリューシュートも威力が低く*17、能力もキャッチ特化な為に「不動の外野要員」「クラブ活動のハンデ要員」などという散々な汚名を着せられることもある。
    • 逆に稲妻シュート同様にダッシュジャンプから繰り出すもず落としシュートはアーケード版でコンピューターが使ったボールを高く打ち上げてから急降下してくるシュートを必殺シュート化したものだが、追尾性能がアーケード版以上に強化されたことでそう簡単に逃げられなくなった上に、しゃがんで回避してもお構いなしにヒットすることがある(当たらないこともあるが)挙げ句、落下してくるタイミングもまちまちなのでキャッチも難しく、威力もそこそこにあるというもので非常に凶悪な性能を誇るシュートである。
      • 流石に強力すぎると判断したのか、『PC番外編』では弱体化されて追尾性能が大幅に低下し、しゃがめば確実に回避出来るようになった。

対戦関連

  • 対抗試合はコンピューター相手に対戦することができず、対人戦しかできない。
    • これによって対戦相手がいないときは、熱血高校以外のチームを使うことができなかった。
      • 遠征試合モードは熱血高校で固定な上、クラブ活動モードもあくまで熱血高校のクラブ活動という扱いな為か、熱血高校メンバーの中からしか選べなかったためである。
      • しかしながら、このクラブ活動の仕様は「せっかく各チームに個性的なメンバーを用意したのにもったいない」という見方も少なからずあった。
  • 対人の対戦バランスも突き詰めるとそれほど良くはない。
    • 前述の試合時間の撤廃やキャッチ周りの仕様など、良くも悪くもプレイヤースキル次第でどんなシュートもキャッチできてしまうため、上級者同士の対戦プレイでは延々と試合が続いてしまう。
      • これにより、ゲーム本来のところとは別にルールを設けて対戦せざるを得なかったというのも少なからずあった。
    • 上記の原因で、揺さぶりやキャッチ困難な戦略を用いる事のできるチームとそうでないチームで強弱が開いてしまう。
      • 各チームには特色があり、それそれの長所を生かす事である程度までは良好なバランスになるが、対人戦ではオーダー次第で崩しもステータスにも隙のない布陣のソ連・アメリカが強力な一方、イギリスは極端に弱く冷遇されている。
      • 上位チームはまだプレイヤーのスタイルで触れ幅があるが、最弱となれば間違いなくイギリスが常連に挙がるほど。

バグ・設定ミス

  • 対抗試合において特定の組み合わせでキャプテンの顔が変わる等は可愛いものだが、相手外野にナッツシュートを当ててしまうと当たった外野キャラクターは吹っ飛ばされたままいつまで経っても戻ってこない上、試合が終わらない(どちらかの内野メンバーが全滅しても勝利演出に移行しない)というバグ*18もあり、こちらはリセットで対処するしかなく、ある意味致命的*19とも言える。
  • 他にもポジション設定に移行する前の画面でセレクトボタンを押すと両チームのキャラクターのステータスが見られるが、データ解析により体力とボールパワー以外は全て実際の数値と異なっていることが判明している。
    • それ程大きな影響は出ていないのだが、中国の「たあうぇい」は本来打たれ強さに秀でているBタイプとしてはやや低い打たれ強さの表示に対してやたら打たれ強くなっている*20、イギリスのキャプテン「じえむす」は本来ダッシュジャンプナイスシュートを使えるシュートテクの値となっているのだが、実際には使用できない*21といった差異が生じている。

その他

  • 評価点と一部重なるが、息切れの演出は体力の初期値(最大値)に対する割合ではなく、「15以下」という絶対量に基づいている。
    • そのため、打たれ強い面々が揃うインドチーム相手でその中でも一番硬い「むはまど」が1人残りやすく、最大でも2ダメージしか与えられず毎度毎度息切れが発生するためテンポが一気に悪くなる。
      • ちなみに、インドチームの最大体力はキャプテンの「らはまあん」が20、「むはまど」を含めた他のメンバーは16となっているため、「らはまあん」以外のメンバーは何らかのシュートに当たってしまうと息切れが発生するようになる。しかし「むはまど」以外はナッツシュートや圧縮シュート、加速シュートといった高威力の必殺シュートを当てさえすれば7~8程のダメージが与えられるのでそこまでグダグダ感を感じさせないようになっているが、前述の「むはまど」はこれらのシュートでも2のダメージとなってしまうため、余計にグダグダした試合展開の印象が強まってしまうのである。
      • そのため、ポジション設定画面でコンピューターが「むはまど」を外野に回すチョイスをするまで何度もやり直す*22というプレイヤーもいたのではないだろうか。
        それでもコンピューターは高確率で「らはまあん」・「むはまど」・「さったある」の3人を内野にするので、十数回レベルでのやり直しは当たり前にさせられる。

総評

近年のように完全移植+αが当たり前という時代とは異なり、完全移植さえも難しい条件において、敢えてアーケード版とは異なった大きなアレンジを加えることで結果として名作になった例であると言える。

アーケード版からメンバーが一人減り、グラフィックの縮小、ボイスもカットされてしまったが、個性的なキャラクターとチームの増加、絶妙なゲームバランス、対戦モード、クラブ活動と失ったものを補って余りある様々な要素が加わり、アーケード版を凌ぐ完成度を誇る力作である。
特にアーケード版は仕様上どうしてもハードルが高かったが、本作は難易度調整の追加や理不尽な仕様を一切廃したことで多くのユーザーを受け入れられる間口の広さを獲得することに成功し、ファミコンの対戦ツールの1つとしての地位を獲得することができた。

細かい不満点(流石に激しすぎる点滅や試合が終わらなくなるバグなどは細かいと流すのは問題はあるが)は散見されるものの、それらさえも吹き飛ばせるだけの魅力を持ったソフトと言える。


余談

海外版について

本作は海外向けにも『SUPER DODGE BALL(スーパードッジボール)』のタイトルで発売されている。
プレイヤーチームはアメリカ*23となり、最初のステージがアメリカステージでプロオールスターズ*24と対戦するものとなっており、準決勝戦の相手は日本*25、決勝戦の相手はソ連*26となっている。
従って、条件を満たしたときに乱入する謎の軍団とはソ連ステージで戦うことになるが、この謎の軍団も大幅に強化されており、特に防御面はインドの「むはまど」にこそ劣るが、必殺シュートを用いても2桁のダメージが出ないほどとなっている。
大陸ぐるみで参加しているとネタにされることもあったアフリカ*27は具体的にケニアと設定され、以降のシリーズ(日本発売のものも含む)においてもケニアとして扱われている。
日本版にはなかった国旗が追加され、これまた日本版ではモードセレクト画面でセレクトボタンでキャラクターとチームの名前を変えることができたが、海外版ではできなくなっており、これは文字数制限の関係や謎の軍団戦のBGMがネタバレになる恐れがある為である。
クラブ活動モードではまだ当時はNES用マルチタップが発売されていなかった為、プレイヤー側は2人までになっている。

また、文字数制限などの絡みからかキャラクター名が大幅に変わっている*28
下記で触れるが、後に発売された本作のリメイクである『超熱血高校くにおくん ドッジボール部』の北米版ではキャラクターの名前が基本的に日本版と同じものになっている*29

キャラクター名について

本作のキャラクター名は「ー(長音)」と中国メンバーを例外として拗音のア行が使えないこと、加えて濁点と半濁点が1文字としてカウントされていることと相まって、文字数の制限(5文字まで)の影響で違和感が強烈なものになっているキャラクターもいる。
特にイギリスは強烈でキャプテンの「じぇーむす(ジェームス)」なら「じえむす」、「ろばーと(ロバート)」は「ろばあと」、「はわーど(ハワード)」は「はわあど」、「りちゃーど(リチャード)」は「りちあど」、「じょーじ(ジョージ)」に至っては「じおじ」となっている。
同様の理由によるもので花園高校は本来は「はな のこうこう」と読むが、本作では「はな のこうこう」と表記されている。
なお、以降の作品では長音などが使えるようになり、濁点と半濁点が1文字として別にカウントされなくなったことで、このような無理矢理な名前表示はされなくなっている。

また、これらとは別にアフリカキャプテンである「んじょも(ンジョモ)」はその名前のインパクトからキャラクターの詳細は覚えてないが名前だけは覚えているというプレイヤーも少なくない。

+ 「ん」から始まる名称の詳細

このような「ん」から始まる人名、地名などはアフリカ広域で使われるスワヒリ語では標準的なものだが、我々日本人が発音する場合「ん」からの発音は存在しないため、基本的には前の単語の終わりに「ん」を付ける、前の単語がなく「ん」が先頭の単語から始まるならば最初の「ん」は発音しないが一般的である。
例・「アフリカのキャプテンは、んじょも」→「アフリカのキャプテンはん、じょも」 「んじょものブーメランシュート」→「じょものブーメランシュート」
しかし日本人でゲームをプレイするぐらいの年齢層では「うんじょも」と呼称することが圧倒的に多かった。
実際地名の「ンジャメナ」にしてもニュースキャスターなどは上記の基本に乗っ取るが、一般人などは「ウンジャメナ」と発音することが多い*30
中には「う」と発音すまいと過度に意識するあまり「うじょも」「ぬじょも」といった具合に肝心の「ん」が抜けておかしな発音になった例もある。

細かい余談としてキャラクター名がついたことで前作のNPCである「ひろし」がメンバー入りしていたり、開発スタッフの名前(「みつひろ」「なりたか」等)がメンバーに使用されているといったお遊びがある。
また、花園高校の「とおる」「あきら」は前作のステージ1(「りき」ステージ)に登場する雑魚と同じ名前(とおるは素手の不良、あきらは棒を持ったスキンヘッド)なので、デフォルトのメンバーで開始した場合、前作のステージ1の再現になるという憎い演出がある。

キャラクターについて

本作とアーケード版の違いは多くあれど、やはりキャラクターそれぞれに強い個性が与えられたことが挙げられるだろう。
このことに関して元テクノスジャパン所属の開発スタッフで、現「Miracle Kidz(ミラクルキッズ)*31」代表の吉田 晄浩 (みつひろ)氏が本作を手掛けた時のお話として、Miracle Kidzの公式ツイッターアカウントでキャラクターにまつわる製作秘話が公開されている。
それによると、本作では吉田氏のキャラクターを出来るだけ多く出したいと言う意向から、キャラクターの身体の主要パーツは使い回して顔の輪郭部分を変えていく手法をとっていったのだとか。
実際、本作の頭身であれば顔より下を使い回してもさして違和感は無く、事実、結果としてその手法をとったことで、本作はおろか、後の作品でも愛されるような印象に残るキャラクター達*32が生まれたのだから、この試みは大成功であったと言えるだろう。

※ツイート1

miracle_kidz ミラクルキッズ!公式アカウント
FC版とAC版の違い。
それはキャラクターですよね。
FC版は吉田がキャラクターを極力たくさん出したいという意向から体のパーツは使いまわして顔の輪郭だけ変えていくという手法を取ったそうです。
キャラクター一人一人に個性を持たせたいという吉田の想いからだったようですねー。

※ツイート2

miracle_kidz ミラクルキッズ!公式アカウント
AC版はくにおとその他という感じでキャラクターがいて、
それはそれでくにおの存在感が圧倒的でとても魅力的なのですが、
吉田のFC版はひろしやこうじなど一人一人に必殺シュートや個性が備わっていて戦略が考えられる、と。
FCならではの楽しみを考えてゲームデザインをされてたんですね。

本作の仕様に関連した事柄

  • モードの1つであるクラブ活動モードは難易度設定によって背景が変化する仕掛けが用意されていた。(易しい:昼、普通:夕、難しい:夜)
  • 本作は珍しくファミコンマイクを使用する要素がある。
    • モードセレクト画面でうさぎ跳びをして疲れている「くにお」に対してマイクで呼びかけるとこっちを向いてくれるというものと、「くにお」が画面の端に消えた瞬間にマイクに叫ぶと画面上からビックリしながら降ってくるもの、クラブ活動で筋トレ中の「くにお」がこちらを振り向くものがある。
      • 3DSで発売された『熱血コンプリートファミコン編』ではこの仕様が再現されており、3DSのマイクに息を吹きかける事でこれらの動作を見る事が出来る。
  • また、一度でも試合を行った後にリセットを押すとタイトル画面がスキップされる代わりにAC版を彷彿とさせる「なめんなよ!」ボイスを聞く事が出来る。
    • 当時の子供たちの中ではリセットを連打しまくってなめなめなめなめなめ…(ryといった遊びが行われる事もあった。

『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』内の本作に関連する事柄について

『花園高校ドッジボール部』について
2018年12月20日にPS4/Switch/XbOneで発売された『くにおくん ザ・ワールド クラシックスコレクション』の早期購入特典として、本作の主人公チームを花園高校に置き換えたアレンジ作品である『花園高校ドッジボール部』が付属している。
当然ながらクラブ活動も花園高校の6人から選ぶようになっているが、何よりもこれまではプレイヤー専用チームだった熱血高校がこちらでは遠征試合モードにおける初戦の相手になる。
コンピューターの操作する熱血高校は「くにお」、「みつひろ」、「しんいち」の3人を内野に入れて攻撃の主軸としつつ、「ひろし」がパス偏重の気があるものの基本的には個人プレイの傾向が見られる。
また、内野メンバーの選出はいくつかのパターンをどのチームも持っており、先述したようにパターンによってはキャプテンをあえて外野に回すオーダーをするチームもあるが、熱血高校の場合は「くにお」は内野固定となるが、やや低い確率で「みつひろ」と「しんいち」を外野に回して「ひろし」と「いちろう」を内野に入れる場合がある。
熱血高校の内野選出パターンはこの2パターンのみであるため、「こうじ」はデフォルトの並び順により機械的に内野に振られている状態*33以外では外野に回される選出パターンしかないため、熱血高校戦においてポジションチェンジをしないで試合開始しない限りは確実に外野に回される事になる。
プレイヤー間で「不動の外野要員」などと言われていた訳だが、まさか公式にそのような扱いをされることになるとは…*34
クオリティアップ版について
この作品にはファミコン版の移植のオリジナル版の他に、クオリティアップ版としてリメイクを施しているバージョンも収録されている。
先述の海外版も収録されているが、こちらのクオリティアップ版の改良点は下記の通り。

+ クオリティアップ版での改良点(SUPER DODGE BALL)
BEAN BALL(クラブ活動)で全てのチームが使用可能
BEAN BALLで3~4人で同時プレイが可能
ちらつきや処理落ちの軽減
バグを修正

一方、日本版に関してはかなり大がかりな改修が施されている。

+ クオリティアップ版での改良点(熱血高校ドッジボール部)
クラブ活動で全てのチームが使用可能
キャラクターのシュートテクで使用可能なシュートの変更
シュートテク7以上:ダッシュナイスシュートが使用可能
シュートテク10以上:ダッシュジャンプナイスシュートが使用可能
シュートテク12以上:その場ジャンプからスーパーナイスシュートが使用可能
シュートテク15以上:ダッシュスーパーナイスシュート・ダッシュジャンプスーパーナイスシュートが使用可能
ダッシュナイスシュートのタイミングを変更(ダッシュ9歩目→ダッシュ5歩目)
花園高校「なりたか」のその場ジャンプからの必殺シュートがエフェクトはぶよぶよシュートのままながら、圧縮シュートの攻撃力と世界一周効果が付与されて強化
花園高校「あきら」と「まさひこ」の2名はダッシュジャンプ必殺シュートがその場ジャンプからでも出せるようになった
ちらつきや処理落ちの軽減
バグを修正

バグ修正により、中国チームの中で一人だけやたらと打たれ強くなっていた「たあうぇい」は打たれ強さの数値相応の能力に修正された(=打たれ弱くなった)ことで弱体化。
イギリスの「じえむす」も待望のダッシュジャンプナイスシュートを獲得したが、これはバグ修正によるものよりもナイスシュートそのものの仕様変更による影響が大きい。

花園高校がクオリティアップ版での改良点の影響を受けて大きく強化されており、ジャンプナイスシュートが使えなかった「あきら」と「まさひこ」が「なりたか」同様にジャンプナイスシュートの操作で強力な必殺シュート*35が繰り出せるようになったことで、外野に回しても必殺シュートを繰り出せるという強み*36を得られ、元々ジャンプナイスシュートの操作でぶよぶよシュートを繰り出せた「なりたか」も前述の通り強化されている。

イギリスも改良点のうちのナイスシュートの仕様変更の恩恵を最大限に受けることになり、イギリスは全てのキャラクターが最低でもダッシュジャンプナイスシュートが使えるようになり、「はわあど(Fタイプ)」に至っては全キャラクター中で唯一追加された3種類全てのスーパーナイスシュートが使えるという長所も生まれ、中でもダッシュジャンプスーパーナイスシュートはキャプテンクラスのキャラクターでも瀕死に、最大体力次第では一撃死させうる程の桁外れな威力*37である。
これら改良点の影響により、花園高校とイギリスもかなりのパワーアップを遂げたと言える*38

なお、海外版も日本版もクラブ活動で全てのチームが使用可能になったが、これは6人がそれぞれ好きなキャラクターを選べるようになったという訳ではなく、あくまでクラブ活動で対戦をするチームが熱血高校固定だったものが他のチームでも行えるようになった、と言うものなので最初に使うチームを選んだ後はそのチームの6人の中から使うキャラクターを選ぶ仕様になっている。

その後の展開

  • その後「くにお」と仲間たちはサッカー・アイスホッケー・ストリートバスケット・野球など様々なスポーツに挑戦していくことになり、熱血高校ドッジボール部のメンバーは必然的にどのスポーツも万能にこなせるという設定が後付けされることになる。
    • しかしながら「いちろう(スキンヘッドのキャラクター)」は後のシリーズに登場しておらず、『アイスホッケー部』EDの集合写真に彼らしき人物がちらりと写るのみである。
      • 『超熱血高校くにおくん ドッジボール部』で再び熱血高校のメンバーとして登場しているが、こちらは本作のリメイクである。新作での再登場は2013年の『熱血硬派くにおくんSP 乱闘協奏曲』までの長い年月を待つ事となる。
  • 先に軽く触れたが、2008年3月19日にはニンテンドーDSに『超熱血高校くにおくん ドッジボール部』というタイトルでリメイクされたが、結果としてファンを大きく落胆させることになってしまった。詳細は該当ページを参照頂きたい。

Windows移植版について

対応機種 Windows 98~XP
※(非公式)64bitのVista以降でも動作可*39

ウルトラシリーズ版


遊遊シリーズ版
メディア CD-ROM 1枚
発売元 メディアカイト
開発元 ミリオン
発売日 ウルトラ:2003年10月17日
遊遊:2004年2月19日
定価 ウルトラ:2,000円
遊遊:1,980円
※表示価格は全て税別
周辺機器 DirectX7.0a以降に対応したゲームパッド・コンバーター対応
ディスクレス起動 可能
備考 ファミコン版と内容を同じくする項目は省略している
判定 良作

Windows版概要

2003年10月17日にミリオン開発、メディアカイト発売の形で本作にゲームバランス追加機能を追加してWindowsPC向けに「ウルトラシリーズ」の内の1つとして移植されている。
なお、上の概要には「ウルトラシリーズ」と「遊遊シリーズ」の二つの表記があるが、本作に関してはウルトラシリーズで出したものの廉価版が遊遊シリーズでのタイトルとなっており、内容に違いはない。

Windows版の追加要素

基本的にはファミコン版のバグやら設定ミスも含めた忠実な完全移植であり、ゲーム内容そのものに対しての追加要素*40は存在しない。
その代わり、ゲームバランスを弄ることの出来るゲームバランス調整機能が追加されている。

設定できる要素はキャラクターの体力、移動速度、ボールのスピード、COMの必殺シュート使用頻度の4つでそれぞれを増減させることで、ファミコン版とはまた違ったバランスでのプレイを楽しむことができる。
特に、体力を増加させた状態でのアメリカの体力ゲージ量は圧巻の一言。

+ 体力設定の違い。熱血高校(左)vs.アメリカ(右)
設定 パラメータ
(※1メモリ=体力4)
低い
標準
高い

Windows版をプレイする上での注意点

前述の記載にもあるように、Windows Vista以降でも動作させることは(非公式ながら一応)可能だが、ウィンドウサイズ、解像度が設定ごと(フルスクリーン・ウィンドウ小・ウィンドウの3種類)に完全に固定されており、その解像度も1024×768程の解像度のディスプレイを前提としているためか、近年のフルHDや4K解像度のディスプレイでプレイするとあまりにもウィンドウサイズが小さくなってしまい*41、フルスクリーンもアスペクト比は4:3を前提としており、多くの部分が真っ黒となってしまう。

また、同様に近年では家庭用ゲーム機用のコントローラーがPC用に流用できるようになっているが、本作はハットスイッチに非対応である。
一例としてPS3用のサードメーカー製のワイヤードコントローラーではほぼ十字キーがハットスイッチに当てられてしまうため、そのままでは十字キーに移動関連の操作を当てることが出来ない。
解像度も含めて当時のPCの仕様を基準にしているため、近年のPC環境でプレイするのが難しくなってしまうのは致し方ないと言えよう。


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最終更新:2024年02月04日 08:17

*1 遠征試合は1人プレイ専用、対抗試合は2人プレイ専用、クラブ活動は最大4人同時プレイ。

*2 ただし、「もるどふ」がダウンなどしていてパスを回せない状況の時はそのままシュートを打ってくる。

*3 一例として、ボールパワーが8の熱血高校の「しんいち」とボールパワーが16のソ連の「もるどふ」は共にダッシュジャンプ必殺シュートとして圧縮シュートが設定されている。通常のダッシュジャンプシュートを打たれ強さ7~9の相手に当てた場合は「しんいち」は8、「もるどふ」は16のダメージを与えられる。相手の条件が同じで圧縮シュートを使った場合、ボールパワーでは倍の差があるが、どちらも同じ21のダメージを与える。

*4 あくまで助走の「距離」であり、それぞれダッシュ必殺シュートはダッシュ7歩目、ダッシュナイスシュートはダッシュ9歩目で打つことに変わりは無い。つまり、「素早さが高い=歩幅が大きい」ということも出来る。

*5 圧縮して小さくなったボールを投げつける必殺シュート。ぶよぶよシュートにも似るが、圧縮シュートと違いぶよぶよシュートはボールが小さくなるのではなく、逆に膨張したり元のサイズに戻ったりする状態で投げつける。

*6 助走などを付けずに投げた通常シュートよりも遥かに遅い球速のボールを投げる必殺シュート。聞くだけなら「球速が遅いなら、相手にキャッチされやすくなって使いものにならないのでは?」と思われるかも知れないが、実際は球速がぱっと見でボールが動いているのかどうかわからないというくらいに遅いため、逆にキャッチタイミングが計り辛い。威力も全ての必殺シュートの中で最強を誇る。

*7 一度自チームの外野の方へ高くボールを放り投げる。その後、ボールが短時間の滞空をした後、ターゲットに向けて急転回して切り込んでくる。しかしファミコン版では追尾性能が低いので、多少動けば簡単に回避できてしまう。

*8 ナイスシュートはその場ジャンプ、バウンドボール等への飛び付き、ダッシュ、ダッシュジャンプから出すことができ、シュートテクの値に応じてその場ジャンプ→飛び付き→ダッシュ→ダッシュジャンプと使えるナイスシュートのバリエーションが増える。

*9 基本的にFタイプは一番威力の高いダッシュジャンプナイスシュートまで使えるのだが、花園高校の「とおる」・インドの「するたあん」・アメリカの「すていぶ」の3人はFタイプではあるが、ダッシュジャンプナイスシュートが使えない。逆にイギリスはシュートテクに秀でているというチーム特色を受けて、Eタイプの「じおじ」もダッシュジャンプナイスシュートが使える。

*10 どちらかと言うとワープよりは「消える魔球」と言った方が近い。途中で投げたボールが見えなくなる必殺シュート。

*11 地面に対して水平に大きく円を描くような軌道で触れた相手を薙ぎ倒す必殺シュート。貫通特性を持ち、軌道の性質上キャッチがしづらいが、威力は全ての必殺シュートの中で最も低くなっている。

*12 実際は熱血高校の「みつひろ」も円輪シュートが使える。ただし、その条件が「難易度が普通以上の時にダッシュ17歩目で投げる」というもので、コートのないクラブ活動モード以外ではダッシュの歩数の問題で使うことが出来ないためほとんど実用性がなく、実戦運用出来うると言う意味では「なりたか」が唯一の使い手と言える。

*13 膨張したり戻ったりを繰り返すボールを投げつける必殺シュート。

*14 球のキレが高いEタイプと相性抜群なほえほえシュートを操る「しんたろう」(花園高校)や貫通シュートを操る「ふろすきい」(ソ連)など。

*15 ただし、花園高校の「あきら」がナッツシュートで一撃必殺など、即死する事自体は起こりうる。

*16 クエストモードでは各国のキャプテンを自チームに加えるという要素があるものの、仲間に加えると「くにお」以外の内野キャラクターの誰かをチームから手放さなければならず、メンバーチェンジ枠も「くにお」以外の内野キャラクター3名分のみ。

*17 それでも稲妻シュートのように弾道のせいでまず当たらない、そもそも相手に届かないというわけではないだけまだマシにはなっているのだが…。

*18 正確にはバグと言うよりも、ナッツシュートを喰らうと無制限に吹っ飛ばされ続けるという設定になってしまっているのが原因。内野キャラクターは端にある見えない壁に跳ね返ってくるので問題ないが、外野には適用されずにいつまでも飛ばされたままダウンしないので、内部処理で試合が続行しているものと扱われてしまうため、勝利演出に移行しない。

*19 ファミコン版では相手外野に向けては必殺シュートは通常打てず、その前のアクションなどでプレイヤーコートサイドに相手内野キャラクターが吹っ飛ばされていないと必殺シュートは出ないので、普通に遊んでいる分にはあまりお目に掛かれないのではあるが…。

*20 表示上の打たれ強さは9で、これはBタイプの「ひろし」を除く熱血高校の面々とほぼ同程度の打たれ強さ。実際は12~14相当でBタイプらしい能力ではあるが、打たれ弱いという中国の特色を考えると浮いてしまっている。

*21 ダッシュジャンプナイスシュートを使うには、シュートテクの値が12以上必要。「じえむす」の表示上のシュートテクは12なのだが、使うことが出来ない。

*22 ポジションチェンジを選択したあと、誰にもポジションを割り当てていない状態(誰かしらに割り当てている時はBボタンで選択した逆順で割り当てていない状態に戻せる)でBボタンを押すことでポジションチェンジをするかの選択に戻ることが出来る(コンピューターがポジションの設定をしていた場合も強制的に無効にしてポジション変更前に戻させる)。この際、コンピューターはポジションチェンジを行うと選択した時点でポジション設定のパターンを再抽選しているようで、別の割り当てを行うことがあるため、インドチームの場合は唯一「むはまど」が外野にまわるパターンである「らはまあん」・「あふだら」・「するたあん」の3名を内野に選択するまでポジション設定をやり直しすることで、無理矢理内野から「むはまど」を排除することが出来るのである。

*23 能力は日本版の熱血高校の、グラフィックとキャラクター名はアメリカのものだが、キャプテンの名前は「SAM」でグラフィックは「くにお」風、「まいける」はそのままでは「MICHAEL」で7文字必要となり、名前の5文字制限を超過してしまうため「MIKE」となっている。キャプテンの名前が「まいける」と違って日本版の名残もない名前になっているのは、文字数制限(「ういりあむ(ウィリアム)」は「WILLIAM」で7文字必要になる)に加え、「ウィリアム」の短縮形である「びる(ビル)」が既にアメリカチームにいるからだと推測される。

*24 能力や思考は日本版の花園高校のもの。さらにはキャプテンの名前が前作海外版の『Renegade』のボス「JACK」と同じになっている。

*25 能力は日本版のソ連のもので、思考もソ連同様にキャプテン至上主義で先にキャプテンを脱落させるとやはりチームワークが皆無になる。グラフィックは日本版の熱血高校のものだがキャプテンの「FUJI」が「へいるまん」風になっており、日本人として見ると違和感を強く覚えさせるものになっている。

*26 能力や思考は日本版のアメリカのもの。

*27 南アフリカ共和国はあるが、アフリカという国はない。アフリカは大陸を指す。ちなみに、アーケード版(これも海外では『SUPER DODGE BALL』として出ている)では対戦前に対戦カードの表示がされるが、アフリカはアフリカ大陸全域が表示されているため、ネタにされていると言うよりも実際に大陸ぐるみで参加していると言える。

*28 一例を挙げると、ソ連キャプテン「もるどふ」は「BORIS」になり、アイスランドキャプテン「へいるまん」は「HELGI」となっている。

*29 熱血高校の「Mitsuhiro(みつひろ)」は名前が「Mitsuro(「みつろう」か?)」になっており、こちらは文字数制限の問題と思われる。またドイツのキャプテン「はいんりひ」が「Heinri」となっている。本来の「ハインリヒ」のスペルが「Heinrich/Hainrich」で他にも8文字のキャラクターがおり、こちらはみつひろと違って文字数制限という理由は考え辛く、このようになっている理由は不明。

*30 俗にいう「んじゃまたね」も発音では無意識のうちに「うんじゃまたね」になっている。

*31 元テクノスジャパン所属の開発スタッフやくにおくんシリーズのファンなどによって結成された同人サークル。なお、2008年より現在は同名で株式会社化している。

*32 主だった所で『くにおくんの時代劇だよ全員集合!』に本作中国キャプテンの「らおちぇん」やアイスランドキャプテンの「へいるまん」が登場しており、「へいるまん」に至ってはドラマ『熱血硬派くにおくん』のドッジボール編(およびその後の話)でも登場している。

*33 上から3人が内野に、そのあとの3人が外野に振られている。熱血高校は上から「くにお」・「ひろし」・「こうじ」・「いちろう」・「しんいち」・「みつひろ」の順に並んでいるため、デフォルトの状態のままポジションチェンジをしなければ内野に入れるが、一度でもポジションチェンジをしてしまうと、一度アプリケーションを終了しない限りはゲームクリアおよびそのゲームを終了しても変更したポジションが記録されてしまっているため、「こうじ」は内野に配置されなくなる。

*34 更に、遠征試合の対戦相手は6人いる選手のうち、イギリスは「じえむす」1人だけだが、他のチームは2人が地上か空中の必殺シュートを使うように設定されているのだが、よりによって熱血高校は「こうじ」がスクリューシュートを使うように設定されている。ちなみにもう1人は「くにお」のナッツシュートになっている。

*35 「あきら」がナッツシュート、「まさひこ」が加速シュートを使用出来る。

*36 特に「あきら」は先の注脚にある通り、ナッツシュートの直撃で即死してしまう打たれ弱さが泣き所だったが、外野に回して運用することが出来るようになり、この問題も緩和されることになる。

*37 そんな「はわあど」のダッシュジャンプスーパーナイスシュートの直撃を受けてもインドの「むはまど」は2のダメージしか受けない。もはや人間をやめた化け物か何かである。

*38 元々イギリスは全員の打たれ強さが最低クラスなので、ナイスシュートによる強火力と最弱の紙装甲を併せ持つピーキーなチームになったとも言える。

*39 あくまで公式な動作環境はWindows 98~XPまでであり、こちらは「編集者の環境に於いては」動作したという程度に過ぎないものであることを留意願いたい。

*40 この場合は更なる追加チームや追加モードなどの意味合いで用いている。

*41 「ウィンドウ小」にしようものなら、ディスプレイの解像度次第では何が起きているかをろくに把握することは出来ない事も十分にありうる。