クイズマジックアカデミーVI
【くいずまじっくあかでみーしっくす】
ジャンル
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クイズ
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対応機種
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アーケード
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販売・開発元
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コナミデジタルエンタテインメント
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稼働開始日
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2009年3月11日 (Extra 2009年7月25日)
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判定
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なし
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ポイント
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個人用レッスンモード 昇格試験廃止と魔力ポイント 出題形式やゲームシステムの変更 一部のカットイン・イベント絵
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クイズマジックアカデミーシリーズリンク
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概要
人気シリーズクイズマジックアカデミーの第6作目。
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前作QMA5で復活したサツキが教師になり、ジャンルが8つに、レッスンモードやニュースクイズの実装などシステムにかなりの変更が加えられている。
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長らくプレーヤーキャラとしての登場が熱望されていたリエルが万難を排して登場。
前作からの変更点
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従来6つまでだったジャンルが8つに増え、「雑学」が「ライフスタイル」と「社会」、「学問」が「文型学問」と「理系学問」に分割され、他のジャンルについても内容によってジャンル間移動を行うという大幅なジャンル改変を実施した。
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前作までの形式が大幅に統合され、「○×」「四択」「連想」「画像タッチ(前作のビジュアルの一部)」が「セレクト」、「並べ替え」「文字パネル(前作までの四文字)」「スロット」が「パネル」、「タイピング」「ビジュアル(キューブ、エフェクト)」が「タイピング」、「順番当て」「一問多答」「線結び」が「マルチセレクト」になった。
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「全国オンライントーナメント」で前作までの予選3回戦→決勝戦の構成が見直され、予選前半戦と後半戦→準決勝→決勝戦という流れになった。これにより予選落ちするプレーヤーの数も従来の16→12→8→4の4人ずつから16→10→4の6人ずつとなった。賢者の扉までこの流れが受け継がれることになる。
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検定試験の代わりに「レッスンモード」が実装された。これは予習3回をこなした後に前作の検定試験から問題数を減らしたような内容の「実力テスト」を行うもの。
評価点
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好きなジャンルのみプレーできるレッスンモード
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今までは対人トーナメントが主体モードであり、1回戦に苦手ジャンルが来て即終了ということも多かったが、このモードでは個人で好きなジャンルの予習+実力テストを受けることが出来る。
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このモードでも検定同様に魔法石(昇格に必要な経験値のような物)がもらえるため、プレーヤー全体の階級が低く稼ぎが悪い稼動初期はこのモードで賢者を目指すプレーヤーも多かった。
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3の時にも個人授業モードは存在したが、当時は昇級用経験値は貰えず、ナビゲーター(先生)解禁のためのおまけモードという側面が強かった。
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4以降であれば予習の合格回数によって先生は解禁できるようになっている。
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このモードを遊ばせるためか、トーナメントを選択すると予習は1回しか出来なかった(過去作は店側で設定できた)。
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好評にもかかわらず、次回作では協力モードと入れ替わりで廃止される。個人用モードの充実は対人モードの過疎と表裏一体だからだろうか。
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昇格試験の撤廃
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前作で多くのプレーヤーに絶望を与えた昇格試験は廃止され、4と同じくプレーすればいくらでも昇級していく仕様に戻った。
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バランスをとるためか大賢者以上の必要魔法石は増加し、逆にトーナメントで強者から貰える魔法石は減少した。
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この仕様において階級(魔法石ランキング)はプレー量にほぼ比例するので実力の指標とはならず、そのため新たに魔力ポイントの表示が登場したが…(下記問題点参照)
賛否両論点
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ジャンルの再編成について
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「歴史が得意だが化学は苦手」といったプレーヤーには歓迎されたが、分割されていない他3つのジャンルとは問題数で差が大きくなり「アニメ・ゲーム、スポーツ、芸能を使うプレーヤーがさらに有利になった」との声も。
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その一方で分割された学問、雑学が苦手なプレーヤーからは「予選で苦手ジャンルを引く確率が高くなった」という不満も出た。
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それまで予選でのジャンル選出はノンジャンルを除けば5ジャンルで各ジャンルの選出率は20%ずつと均等に選出されていたものが、ジャンル分割により5まで学問、雑学だった2ジャンルだけで選出率50%以上を占め(7ジャンル中学問、雑学関連が4ジャンル)、偏りが生まれるようになったため、プレーヤーにとって学問と雑学は避けて通れぬ道になってしまった。
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予選の方式が変わったため、幾分はマシなものの、文系→理系のコンボが来たら学問不得手プレーヤー涙目である。無論雑学不得手プレーヤーにも同じ事が言え、両方が不得手なプレーヤーは悲惨というしかない。それでも旧学問ジャンルは上位クラスでも義務教育出題範囲内の問題も多数出題されるだけにまだ対策は採りやすい。旧作では予選のジャンルが重複することもありえた。
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結果として学問、雑学方面を苦手とするプレーヤーの多くをQMAから離す大きな要因となった。
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もっとも、事実や記録の更新だけでなく地域格差(深夜アニメで顕著な未放送地域の問題やプロ野球球団や公営ギャンブル施設の有無等)、趣味としての側面が強い左辺ジャンルが飛んできて5問しか解けないうちに終了していたことを由としないプレーヤーからは歓迎の声が上がった。
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準決勝のジャンルはノンジャンルで固定された。(Extraで修正)
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前述の形式統合とトーナメントのシステム変更により、いきなり苦手ジャンルが来て即終了ということは少なくなったが、今まで以上にあらゆる状況に対応できる総合力がプレーヤーに求められるようになった。
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この仕様変更により、前作までにあったプレーヤー間投票による出題形式選択やルート選択がといったものがなくなった。これについては「苦手な出題形式の回避ができなくなった」、「相手の得意な土俵に引きずり込まれることがなくなった」と賛否両論である。
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ルート選択がなくなった代わりに、予選や準決勝通過者の平均点数によって戦う舞台が変わるようになっている。
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形式統合について
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全般的に難易度が高めだったマルチセレクト形式の問題は選択肢を減らすといった形で難易度が下げられた。
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ランダム形式のサブジャンルについても見直しがされ1ジャンル4つから3つになった。元々2つあったサブジャンルが1つに統合されたり、他のサブジャンルに分散されたりしている。
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一度に多くの形式が楽しめるようになったと歓迎する意見がある一方で、1つの出題形式を極めてトーナメント決勝戦で「武器」として使用していたプレーヤーや、「並べ替えは好きだけど文字パネルはちょっと…」といったプレーヤーからは不評を買った。
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リエルのプレーヤーキャラ化
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購買部店員として登場していたリエルは声優人気(後藤邑子)も相まって多くのファンからプレーヤーキャラ化を熱望されていた。当然多くのプレーヤーが彼女を選択することになった。
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ただし前作から引き継いだ場合キャラの再選択はできず、新規カードを用意する必要があった。そのため初心者向けの組にてベテランプレーヤーのリエルが大半を占める状況も見受けられた。
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そのような状態で彼女が予選1位をとった時の甲高い声がしょっちゅう聞こえ、うんざりだという声もあった。
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なお引き継ぎでもキャラ再選択が可能になるのはキャラ削除を強行した次回作からである。
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キャラクタークエストの内容
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優勝絵などが廃止され、キャラクター一人一人の個性は希薄なものになったかと思われたが、後から実装された教師・生徒クエストはこれを払拭するものだった。
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クエスト達成後にはそのキャラに関するテキストとキャラクターデザインの吉岡英一による一枚絵が表示され、一部のキャラクターではゲームセンターのゲームの限界に挑戦したイラストが表示され、ファンを狂喜させた。一方で明らかに手を抜いたと思われるキャラの存在やファンの認識と乖離している節があるテキストの内容、過激なイラスト群に「流石にやりすぎ」と疑問を呈する声もあるのも事実である。
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なおクエストの達成課題は先生キャラ-担当ジャンルの実力テストでSを獲得する、生徒キャラ-トーナメント15回で3回該当キャラを倒す(COM除く)である。先生は苦手ジャンルだと少し厳しい、生徒はマイナーキャラだと対戦相手に出てこない、といった難しさがあった。
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ちびキャラ押し出し
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競合作品であるセガの「Answer×Answer」シリーズを意識してか、キャラクターカスタマイズの要素が前作以上に強化され、ちびキャラを前面に押し出すようになった。
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これにより前作でアニメ風に新調された立ち絵は単独正解や連続正解を決めたとき、後述のクエストクリア時、リザルト画面に表示されるのみとなった。教師陣のイラスト風の立ち絵とリエル、ユウの立ち絵、トーナメントで区間賞を取ったときのアニメーションは新規で作成されている。
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このアニメ風の立ち絵の出来自体にも賛否あったため、QMA7で立ち絵が復活したときには議論が再発することに...
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前述のようにキャラクターカスタマイズが強化されたのはいいのだが、一部のキャラクターの髪型を変えるアイテムのデザインがアレだったり(最たる例はスト2のガイルやブロッコリーと揶揄されたラスクの髪型バリエーション1)、ちびキャラの表示や挙動がおかしいことになったり(主に筐体側のトラブルであることが多い)と、詰めの甘さも指摘されている。
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カスタマイズの機能を活かして、クリスマスシーズンや猫の日(2月22日)等に教師陣のちびキャラの服装がそれに応じたものに変わるというサプライズが行われた。これ自体の出来は好評だったのだが、次回作での生徒キャラリストラ騒動が吹き荒れる中での実施となったため、「そんな余裕があるなら次回作にキャラを出せ」と反発を招く結果に終わった。
問題点
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キャライラストの大幅減少(Extraで修正)
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過去作では生徒ごとに用意されたトーナメント優勝時に表示されるイラスト、昇格試験や賢者昇格後のEDは廃止され、EDは全員集合したイラストが表示されるだけの簡素なものになった。これには主にQMA4以降から入ったプレーヤーから「せっかく優勝したり賢者になったのに達成感が無い。」「前作より明らかにボリュームが減った感じがある。」という意見が出た。
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特にトーナメント優勝時のイラストに関しては、ロケテストの時点では(QMA5の使い回しとはいえ)実装されていた。当然本稼働でも優勝した時のお楽しみ要素として実装されているものと思うプレーヤーも多かったのだが、優勝絵イラストはおろかそれに代替する要素が実装されておらず、稼働直後から多くのプレーヤーが「ロケテでは優勝絵イラストが実装されていたのに、なぜなくしたのか?」といった不満が出る結果となった。
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実力の指数として難のある魔力ポイント
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通常トーナメント連続50戦で稼いだ魔法石合計が魔力ポイントとして表示されるのだが、この数字は最高値表示ではなく51戦以上プレーすると過去の分は押し出されて消えていく。
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したがって過疎時間帯にプレーして対戦相手がCOMだらけになった場合あっという間に下がることになるし、そうでなくても対戦相手次第では優勝しても問答無用で減らされてしまう。
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ランキングにも掲載される要素なのに実力外で下げられるのは嬉しいものではない。他のモードでは集計対象外になっていたため通常トーナメントのプレーを控えるプレーヤーが散見された。
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トーナメントそのままの全国大会
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今までのシリーズでは期間限定の全国大会は独自ルールで対戦するものだったが、今作では単に無差別マッチになっただけの全国オンライントーナメント使いまわしであった。
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無差別級ではあるものの魔法石は通常組の2倍もらえ、上記魔力ポイントの問題点もあったので期間中は通常トーナメントはほぼ過疎となった。
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日本テレビの人気番組「高校生クイズ」とのコラボを行い、同番組の過去の問題を期間限定で出題した。
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ゲーム中で過去問が出題されたのはセレクトクイズとタイピングクイズの2形式のみ、番組の内容によっては一問多答といった前述の2形式以外のクイズもあったが出題されていない。
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しかしながら、人間が正誤を判断する前提で作られた問題データを、機械が正誤を判断するゲームにそのままもってきてしまったためか、タイピング系の問題では表記ゆれやQMAの仕様に合わせたといった配慮が足りず不評であった。
「QMA6 Extra」の投入
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このように数々の変更をもって稼動開始したQMA6であったが、変更要素自体に賛否両論が多く、前作のQMA5に比べてもボリューム不足な点が目立ってきたことから、登録プレーヤーの総数もGWを境に低下の一途をたどり、インカムも期待されていたほどのものではなくなっていた。そこでプレーヤーから特に要望が多かった要素の数々を実装したQMA6 Extraと称するシリーズ初のマイナーアップデートが実施されることになった。
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準決勝もノンジャンル以外からも出題されるようになった。
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この変更により予選でノンジャンルが出現するようになった。
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しかし、苦手ジャンルが来た場合でも8問もやらされることになるため、賛否両論であったために次回作以降では準決勝も前半後半の2ジャンル制に改善されている。
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トーナメント優勝時のイラストの追加。(復活)
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しかし、ユウとリエルのもの以外はQMA5の使いまわしであり、ウリの1つであった衣装違い(水着系のカスタマイズアイテム装備時に絵が水着を着たものに変わる)の優勝絵もほぼ女子生徒のみのものでユウ以外の男子生徒には実装されなかった。男子生徒は代わりにQMA3か5の優勝絵がランダムで表示されるようになっている。
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トーナメント前の予習の回数を店側である程度自由に設定できるようになった。
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「検定試験」の実装(復活)。試験内容を変更した以外は前作のものとの違いは無い。
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左辺ジャンル使いをより戻そうと、声優検定、アニメソング検定、アイドル検定など左辺ジャンルの検定が多く実施された。反面、理系学問のジャンルはゼロであるなど明らかな偏りが見られた。
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この2つの変更によりレッスンモードの存在意義はバージョンアップ前より低下したが、「トーナメントの勝敗による組の昇降を気にせず予習できる」「ゆっくりと購買部やマイルームを閲覧できる」「実力テストでしか受けられない試験内容がある」「特定のサブジャンルだけで予習と実力テスト合わせて36問出題される」とアドバンテージが無いわけではない。
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2009年11月辺りにジャンルの偏りの調整の為か一部のクイズのジャンル移動があった。(神話関係が社会から文系学問、アニマル関係がライフスタイルから理系学問)
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ジャンル移動は新作が出るたびに一部であったが同作品内でジャンル移動を行ったのは初である。
総評
前作の問題点だった昇格試験は廃止され、レッスンモードで好きなジャンルの問題に挑戦できる点などは好評であった。
さらに本作のシステムを元にダンジョン攻略などいくつかの新要素を加えたQMADS2が高い評価を受け、個別形式が復活したQMA7でも統合形式が残っていることからも、そのポテンシャルは十分であったと言える。決してクソゲーという訳ではない。
しかし、改革を急ぎすぎたことや、それに伴う数々の調整不足が一部プレーヤーとはかみ合わず、良作とも言い切れない中途半端さを残す結果となった。とはいえ次回作では今作以上のさらなる大改革という大嵐が吹き荒れるため、それと比べてしまえば所詮さざ波程度ではあったのだが。
余談
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卒業間近であった親友のサツキとリエルが先生と生徒の関係になった理由は上記クエスト内で語られている。簡単に言えば時間を戻す魔法を使用したため。
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プレイアブルキャラの1人であるマラリヤはトーナメントや全国大会のマッチング画面で「…この後何人か消えます」、敗退で「まさか、私が消えるとは…」という台詞であったのでメタキャラとして人気を集めていたが、意図してか次回作(QMA7)で本当に消されることになる。
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トーナメント中に校内を走って移動中の生徒のちびキャラにタライを落とすことが出来るが、本当に落とすだけなのでゲーム中で落とした相手に有利になったりする訳では無い。ちなみにカスタマイズアイテムのヘルメット等で防御可能。
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初代からずっとプレーヤーの傍らにいたマジックペットは今作ではなんとステータスウィンドウに押し込められてしまう。ただ次回作では廃止されてしまうので最後の抵抗といったところか。
最終更新:2022年08月07日 14:24