愛戦士ニコル

【あいせんしにこる】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム
発売・開発元 コナミ
発売日
()は書換開始日
1987年4月24日(1987年6月12日)
定価 2,839円(税別)
判定 良作


概要・特徴

  • 一言で言うと、「SFチックな『ゼルダの伝説』」。画面は上下左右切り換え式のトップビューアクション。
    • ゼルダと違う点を挙げると、RPG的な成長要素が控えめでアクション性重視のつくりになっている点。
  • プレイヤーは天才少年科学者ニコルとなり、ステージのどこかに隠された三つのクリスタルダイヤモンドを見つけ出す。全7面。

ストーリー

遠い未来の地球のお話。
NEO TOKYOに住む14歳の天才少年科学者ニコルは、ガールフレンドのステラと共に、異次元空間移動装置を研究していたんだ。
ところが、地球からはるかかなたにあるダイラス星に住む牛魔王ってやつが、装置を売れっていうから大変!! だってダイラス星は軍事帝国で、牛魔王は、帝国の独裁者なんだから。おまけに牛魔王は、星の住人や動物をバイオモンスターとよばれる怪物に改造し、宇宙征服をたくらんでいるらしい。
こんな悪いやつに装置を渡したら、平和な宇宙はメチャメチャになってしまう、と考えたニコルは、牛魔王の要求をことわった(当然だね)。
しかし、こんなことであきらめる牛魔王ではない!! 手下を地球に送り込み、デート中のニコルとステラを襲わせた。ニコルは必死に応戦したが、なにせ相手はバイオモンスター! ついにステラを連れ去られてしまった。傷ついたニコルが研究所に帰ると、装置がない。牛魔王の別の手下が、留守の間に忍びこんだのだ…。
とほうにくれるニコル。しかしまだチャンスはある。装置は未完成で、ニコルのもっている1個のパーツをとりつけないと作動しないからだ。
案の定、牛魔王はパーツとステラの交換を要求してきた。
牛魔王が、あっさりステラを帰すわけがないと考えたニコルは、単身ダイラス星へのりこんでいった!
怒った牛魔王は異次元空間移動装置を3つに分解し、それぞれをクリスタルダイヤモンドの中にいれ、7つの大陸に隠してしまった。それぞれの大陸で3つのパーツをそろえ、装置を作動させて、ステラを救い出すんだ。ニコル!

システム

  • トップビューのアクションゲーム。
    • 8方向の移動の上にジャンプもできる。ジャンプ中でも方向を変えられる。
    • 基本攻撃は銃。この銃には射程がある。他にはアイテム「コスモボール」を使った全体攻撃のみ。
    • ライフ制。エネルギーメーター(ライフバー)が空になるとゲームオーバーとなり、ステージの最初からやり直しとなる。
  • 方々に落ちているアイテムでパワーアップ。
    • 速度を増したり、防御力を上げたり、攻撃力を上げたり、射程を延ばしたりと様々。
    • これらのアイテムは初めから見えているものだけでなく、隠されているものもかなりあり、特定位置にショットを当てることにより出現する。これらを合わせると、マップ内にあるアイテム数は相当な数になる。
    • この他に、敵を倒していくと時々落とす「エネルギーりんご」がある。これでHPを回復させる。他にも落ちている回復アイテムがあり、その名も「ラブポイント」。
  • マップは『ゼルダの伝説』と同じく、上下左右の画面端まで移動すると隣のエリアに切り替わる方式。一部、縦長の部屋があり、そこでは上下に任意スクロールする。
  • マップ内のどこかにある、クリスタルダイヤを三つ手に入れるとステージクリア。
    • ステージは全部で7面。
  • ディスクシステムのため、セーブ機能がある。

評価点

  • とにかく探索が楽しい
    • マップは平面だけではなく、地下に一旦下がって上がるような繋がりも見せる。この道筋を見出す楽しさがある。さらに、ワザとミスをするような展開もある。
    • 画面単位でのスクロールのため、同一画面内に壁で仕切られ、別画面から回り道しないと到達できないエリアも見えている。そこにアイテムが置かれていることもあり、探索意欲をかき立てられる。
    • 空中を動く板、破壊できる障害物、破壊できない移動する光球、などのギミックにどう対処するかが頭の捻り処。
      • アイテムをどう使うかではなく、ギミックの配置に対してどう動くか、どの障害物を破壊するか破壊しないか、という方向性の作りになっている。
  • 隠しアイテムを探す楽しさ
    • あちこちに隠しアイテムがある。いかにもな場所から道の真ん中という場所も。次々と見つかるため、集め甲斐がある。
    • だからと言って、ステータスがあっという間に限界に達し、アイテム集めに意味がなくなるという訳ではない。
      中でも防御系アイテムは消費が激しく、できればあるだけ欲しいからだ。さらにステージをクリアすると、リセットされてしまうステータスもあるのでなおさら。
  • 飽きない多彩な敵との戦い。
    • 同じ体当たりでも動きは様々。もちろん弾を撃ってくるものもいる。その撃ち方もいろいろ。さらに後半になると中ボスクラスの敵も現れる。これらの敵との戦いはなかなか楽しい。
  • 薙ぎ倒していく面白さ
    • 最強クラスまでパワーアップすると、かなり強い。高威力、長射程、高連射力と、連打しているだけでザコなら次々と倒せてしまう。しかし耐久力が高い敵もいるので、全部が全部、簡単に倒せるという訳でもないのが本作のいい所。
  • 良質なBGM
    • さすがのコナミサウンドというべきか、ディスクシステム音源をふんだんに使ったBGMは聞き心地がいい。ゲーム開始のテンションを盛り上げてくれる明るい曲調の1面、おどろおどろしさを漂わせる地底世界、
      ハイテンポに展開していくボス戦、といった具合にバラエティに富む。後の悪魔城伝説にも似た力強さがある。
    • なおエンディングでもスタッフクレジットは表示されないため、誰がサウンドを手がけたかは不明である。
  • 難易度は低め
    • ライフ回復手段が豊富で、そう簡単には倒れない。落とし穴に落ちても救済手段があるので、ミスで一発死という事はない。
    • さらに初心者向けの救済要素として「コスモボール」があり、セレクトでこのアイテムを使うと画面内の敵を一掃できる。一部ボスも数発撃てば倒せる程の威力がある。
  • エンディングのデモは、ファミコンにしてはなかなか凝っている。長い戦いの後ではホッとするもの。
    • 本作はループ制を採用しており、エンディング後はステージ1に戻る。

問題点

  • 探索が楽しい反面、ヒントはゲーム中には一切ない。
  • 問題点というほどのものではないが、オープニングのデモはどこかシュール。

移植

携帯電話(ガラケー)アプリで移植されたのが唯一であり、2023年時点のコンソール機での移植は実現されていない。

総評

ステージはとても広く、世界を巡って冒険をする「考えるアクションゲーム」と言える。復刻はあまりされていないとはいえ、あのワクワク感はそう簡単に忘れられない。

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最終更新:2023年07月02日 21:22