百鬼夜行

【ひゃっきやぎょう】

ジャンル RPG
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売・開発元 ユース
発売日 1989年2月23日
定価 6,200円
配信 プロジェクトEGG:2019年8月20日/500円(税別)
判定 クソゲー
ポイント 8割が作業ゲー
クリアさせる気のない3Dダンジョン
ひゃっきだいおおさま
支離滅裂なラスボス
あんのじょう


ストーリー

ある夜、巨大な火の玉が闇を切り裂くように降ってきたのを見た者がいた。火の玉は不気味な光を放ちながら木々を薙ぎ倒し、大地を大きく揺らしたという。
そしてさらに、邪悪なものどもを封じ込めていた結界をも破ってしまったのだ。
結界の中で永い眠りについていた魔ものたちが町に解き放たれ、情け容赦のない破壊と略奪が始まった。
平和だった町は、瞬く間に魔ものたちがうろつく町に…。

参勤交代を終え、城に戻ってきた城主が見たものは、荒れ果てた町と魔ものたちに服従している町民の姿。
危険を察知した城主は山中の寺に身を隠し、一人の忍者に命令を与えた。
『人々を苦しめている魔ものたちを封じ込め、町に平和を取り戻してくれ。しかと頼んだぞ』
その忍者こそ、キミだ。キミの命をかけた壮絶な戦いが、いま始まる。

概要

ユース制作の3DダンジョンRPG。魑魅魍魎が蔓延る様になった町を舞台に、主人公の忍者が情報収集をしつつ仲間を集めて鬼の親玉である百鬼大王を倒すという和風の世界観となっている。

システム

  • 時間サイクルがあり、朝→昼→夕→夜→朝と一定時間ごとに変化する。
    • 店や神社は夜になるとしまってしまう。また夕方のみ仲間を加えることが可能。
  • 仲間は夕方に勧誘する必要があり、「泥棒」「商人」「武士」「浪人」「僧侶」「山伏」の6種がおり、その中から4人を選択してパーティを組む。
  • また世界観に合わせるためか妙に凝ったシステムがある。
    • 主人公がいかにもな忍者スタイルの怪しげな黒装束姿であるためか、普通に町人に話しても会話を拒否されてしまう。情報を収集するためには「野宿」コマンドから「変装」を選びおかっぴきに変装して行う必要がある。
    • 「道具屋」などで購入できるものは仲間が居るかで変わる。忍者一人の場合は火薬やまきびしと言った忍具が中心だが仲間が居ると違うものが並ぶ。
    • 戦闘はシンボルエンカウント方式。夜の時間は町民が消え町には妖怪が蔓延る。夜の町を魑魅魍魎が跋扈する様は百鬼夜行の世界観が再現されているともいえる。
      • ダンジョン内もマップに敵は表示されないが実質的にシンボルエンカウント方式。特定のマスに固定の敵が配置されており、そこを通ると敵が出現する。
    • 井戸などの抜け道を使うには「縄」を、ふすまを開けるには「釘抜き」と言った道具を使う必要がある。
  • 忍者の体力が0になる(死亡する)とゲームオーバー。最後に記録した所から再開するかゲームを終了するかを選べる。

問題点

  • 時間サイクルの問題
    • このゲームには朝→昼→夕→夜→朝と一定時間毎に時間のサイクルがあるのだが、宿屋以外は夜に入る事が出来ない。その上夜だけ異様に長い。
    • 逆に夕方は異様に短く、そのくせ何故か町を闊歩する仲間を加えられるのは夕方だけ。概ね出現場所は固定されているので、目当ての仲間が現れるまで張る事となる。
  • 仲間の格差問題。
    • 術が強い本作では術が使える忍者(主人公)・回復術が使える僧侶・攻撃&補助術が使える山伏などは優遇されているが、商人と泥棒の使い道はない。
    • 一応、商人はそろばん(道具)を持たせることで道具を高く売れるのだが下記の問題点と相まって使われない事が殆ど。
    • 泥棒は器用さが高いだけで攻撃力防御力共に水準以下。装備も貧弱。
      • 説明書には「泥棒がいないと開かない扉がある」とあるが忍者でも開けられる。しかも泥棒が使う扉開け道具は使うごとに一定確率で壊れるが、忍者専用の扉開け道具は壊れることが無い。つまり泥棒はあらゆる面で忍者の下位互換である。救いようがない。
      • 一応、器用さの高さを活かしてレベルさえ上げれば敵の術以外の攻撃に当たらなくなるので生存率は忍者と並んで最高になるが、それだけである。
    • 攻撃力が高いものの器用さが低く術が使えない浪人・武士も不遇。
      • 防具は一つを除いて武士専用なので浪人は耐久面で武士に大きく劣る。ただレベルが上がってくると器用度の影響で浪人の方が僅かに有利。
  • 戦闘バランスの問題
    • 術士以外に人権無しと、言い切って良いぐらい物理職が不遇。
      • 本作では命中率が「器用さ」に依存するため器用さが低いうちはまともに攻撃が命中しない。一方で術は防御無視の必中攻撃なので攻撃の術が使える忍者と山伏以外はまともな攻撃性能は期待できない。
      • 器用さが高いのは忍者と泥棒の2人だが泥棒はまともな武器が無く攻撃性能が低く、武器が強力で攻撃が高い武士と浪人は器用さが低めでまともに命中しないのどちらかになりがち。
      • LVが上がってくれば攻撃もまともに命中するようにはなるが、そこまで行くと今度は敵の守備が非常に高くなり武士や浪人でもまともにダメージが入らなくなる為、攻略は終始術頼みとなる。
    • また器用さは逃走成功確率にも影響をしており、敵との差があると絶対に逃走できない
      • 前述したように器用さが低いと敵に攻撃が当たらないため、本作は格上と接触した時点で詰み確定である。幸い、町中では「野宿」コマンドから自由にセーブできるのでこまめにセーブできるのは救いか…
      • しかし、夜に徘徊する敵は初期レベルでは歯が立たないぐらい強いので開始地点である程度レベルを上げないと町で夜を迎えた時点で詰む可能性がある。
    • 忍者の術で敵を麻痺させる術「かげぬい」が異常に強い。敵の耐性が全体的にザルなので中ボスはおろかラスボスにすら有効で、うまくはまればハメ殺すことも可能。敵全体を即死させる「こがらし」もラスボスに有効なのでますます物理職の立場が無い。
    • ラストダンジョンで手に入るアイテム「かみなりだいこ」は防御無視必中の全体攻撃かつ何度でも使用可能。ますます物理職のry
      • 一応攻撃アイテムは「使用者の攻撃力」で威力が決まるので術が使えないが攻撃が高い武士や浪人が使う事でアタッカーを任せることも可能。刀を携えておいて延々と太鼓を鳴らす姿を想像すると物悲しくなるが…
    • 回復の術も効果が両極端。初期に覚える「かいげんりっきょう」は消費3に対しHP回復量はたったの1桁。すぐ3桁になるこのゲームにおいて使う意味はほぼない。一方で僧侶が後に覚える「かんのんきょう」は消費35とはいえ全回復である。もう少し中間を用意できなかったものか…。
      • 最後に覚える「そせい」も消費60でHP1での復活である。下記の通り蘇生手段が少ない本作においては非常に重要な術なのでこれでもあるだけマシではあるがやはり不便さはぬぐえない。
  • 敵の強さと報酬が釣り合わない
    • 後半の敵はHPも高くなりかなり倒すのが厄介になるのだが、それに対して倒しても経験値もお金も少なくただただ面倒くさい敵が多く出て来る。
  • 育成の問題
    • 本作は『ドラゴンクエストIII』のように経験値分配式なのだが、敵から貰える経験値が全体的に低めで最大の5人パーティではレベル上げに非常に時間がかかる。格上に挑んでも絶対に勝てない都合上、基本はレベル相当の敵を安全に狩る事が前提になるためこのゲームの8割近くはレベル上げに費やされる事になる。
    • 敵の強さは忍者のレベルに依存するので忍者一人だけレベルを上げてしまうとすぐに敵が強くなり、低レベルの仲間は一撃で殺されてしまい全く育成できなくなってしまう。
    • 重要なステータス「器用さ」と術を使うのに必要な「神通力」はレベルを上げても増えないため、ただレベルを上げただけではいつまでたっても攻撃は当たらず、敵から逃げられない。これらの能力を上げるには広大な町中にある神社に寄付をすることでレベル相当の数値にしてもらう必要がある。
      • しかも上げるたびに寄付料として「忍者のレベル×25両」が必要。しかも個人ごとに。そのため5人パーティで進める場合能力を上げるだけでもかなり出費がかさむ事になる。一回でレベル相当になるためある程度レベルが上がってから来ることで節約することは可能。
      • 器用度が上がらない状態で寄付すると「ありがとうございます」の記述とともにガメられてしまう。
  • 道具の問題。
    • 役に立たない道具が多い。例えば泥棒が使うことで3Dダンジョンの扉を開ける事が出来る道具があるのだがこれだけで「きり」「やすり」「はりがね」「やっとこ」と4種類もある。しかもこれらは全て一定確率ですぐ壊れる。忍者専用で使っても壊れない上位互換の「くぎぬき」の影に隠れてしまっている。値段も100両程しか変わらないので「くぎぬき」以外買う必要が無い。
      • 針金や釘抜きはまだわかるが、鑢で扉を開けるというのはイメージ的にもかなり不自然である。
    • 「ほうこうじしゃく」は3Dダンジョンで今向いている方角が分かるのだが、地図が見れない状況においては方向だけが分かっても役立つ事が少なく、地図が見れる状況では地図の向きは変わらない(地図上で上が北)為、わざわざアイテムを使うまでもなくすぐに方角は分かる。
    • HP回復アイテムである「むようそう」はHP10回復。ゲーム開始時の忍者のHPは50で、少しレベルを上げるとすぐ100に近くなる。雀の涙もいいところである。
    • 特に武器は攻撃力と価格の設定が滅茶苦茶。
      • 武士と浪人が装備出来る武器「むらさめ」は攻撃力35で25000両もするのに対し、全員が装備可能で攻撃力がむらさめと同値の「ろっかくぼう」は6500両である。つまりむらさめは買う必要が全くない。
      • 「かたな」(5000両)、「きづち」(800両)、「なた」(800両)、「しのびくまで」(1500両)、「ゆみ」(4500両)の5つは攻撃力が同値である。しかも一番安いきづちとなたは全員が装備可能。他3つは何の為に用意された武器なのか…*1
  • 拠点となる町が異常なまでに広い。
    • 画面数にして脅威の108画面分もある。施設があるエリアに限っても48画面という広大さ。
      • この広さなのに、町の施設には一切看板などの表示が無いので、どの家がどの施設なのか丸暗記する必要がある。
      • 更に体を回復する「休憩処」神を回復する「酒屋」寄付することで様々な効果がある「神社」の3施設は利用料すら表示されない
      • アイテムの売却方法が特定の店でBボタンを押すという裏技みたいな方法。しかも説明書にも記述が無い。
      • 仲間を蘇生することが出来る寺が異常に遠い。主要な施設なのにこれだけ堀で遮られている区画の更に奥の町はずれの森の中にありたどり着くころにはとっぷり日が暮れている。しかも蘇生時のHPは1。当然帰り道に敵に捕まろうものなら再び蘇生しに長い道のりを戻るハメになる。
    • 上記に加え説明書には施設の説明がない(器用度の説明に「ある寺で修行すると上がる」という記述があるくらい)ので事前にどんな施設があるかわからず、蘇生可能な寺の場所が上記の通りなので仲間の蘇生施設はないと勘違いした人もいた。
  • システム面の問題
    • 状態異常・毒を治す方法がアイテムと僧侶の術のみ。僧侶不在で毒消しが無い状況では死ぬしかないが、ご丁寧に開始位置から毒を入れてくる敵がいる。そいつに捕まり毒を入れられたら最初からやり直しである。
      • また、毒状態でマップ上を歩くとHPが減少していくのだが本作では歩行時のHP減少の演出すらない。戦闘中に毒を入れられた事を忘れていると気づいた時には「にんじゃは しんでしまった」という事もあり得る。
    • 「たんどく」コマンドを選択する事でその場で仲間と別れられ忍者一人になれるが選択した時点で強制的に一人にさせられる為、うっかり選択してしまうと大変。
      • アイテムの「のろし」を使う事で別れた仲間といつでも再会できるが、仲間が死亡状態で「たんどく」行動を選んでしまうと仲間はロストしてしまう。同じ職業を再び加えれば元のレベルで加わるなんて親切設計等など無い。再び育成のやり直しである。装備も案の定返ってこない
    • 死亡状態の仲間と別れ、同じ仲間を再度勧誘するとなんと死亡状態で加入する。さっきまでその辺歩いていたはずなのに…。
  • 物価が異常に高い
    • 敵から入手できるお金が全体的に少ないのに物価は異常に高い。
    • 序盤は精々1匹あたり10~50両しかもらえないのに毒消しだけでも170両もするため気軽に買えない。前述したように能力を上げる寄付だけでも馬鹿にならないお金がかかるというのに…幸い「あくとくしょうにん」が弱い割に1000両もの大金を持っているので金策には困らないが、それでも店売り最強の武器は6500両。忍者で8000両。武士と浪人に至っては35000両もするので悪徳商人による金策を知らないと武器はもちろん回復アイテムすらまともに購入できない。
  • ストーリーの中心である主観視点型の3Dダンジョンも異常なまでに広い。
    • 長方形の約1500マスにも及ぶまさに迷路と呼ぶに相応しい超難関ダンジョン。救済処置である「ちず(今自分のいる場所がわかる)」と「にんい(ちずと同様の効果を持つ術)」は数歩歩くとすぐに効果が切れるのであまり役に立たない。さらにちずはこのダンジョン内でしか入手できない。
    • 3Dダンジョンの移動時にアニメーションが無く紙芝居のように絵が切り替わるだけなので進んだのか向きを変えたのか分からなくなる
      • ウィザードリィ』のように移動するとMAPがちらつくといったような表現が無いので直線通路などは何歩進んだか覚えておかないとすぐに現在位置が分からなくなる。
    • 泥棒か忍者が扉明けの道具を持っていないと扉すら開けられない。
    • 入口は複数箇所あるので何かあった時に脱出しやすい(?)のが唯一の救いかも知れない。
  • 一部グラフィックのバグ
    • オープニングで祠を破壊する流星は見た目がバグっており、よく見ると忍者のグラフィックの一部が使用されている。
    • 南方の森に敵の「きんかしゃ」のシンボルが出てくる時期になった時に「しのびぶね」でこのエリアに入るときんかしゃの表示が乱れてしまう。
  • テキストが雑。
    • 「しにいそぐとこはなかろう」「ひゃっきだいおさまのかおをおがんでからしんだらどうじゃ」など、誤字や衍字*2がやたら多い。
    • また、ふすま扉を開けた時に「たいりょくが こわれた」という謎の文章が表示される事がある。
  • 支離滅裂でこちらに責任転嫁してくるラスボス
    • ラスボスの百鬼大王の戦闘前台詞が
      「なぜ我々の仲間を殺すのだ。我々は何もしてないではないか。それなのにお前達は我々の姿を見ると有無を言わさず襲いかかってくる。
      わしは争いを好まぬ。だが今となっては手遅れじゃ。このままでは部下に示しが付かん。殺された仲間たちにも。悪く思わんでくれ
      • これだけ見れば、あたかも人間側が悪いかのような言い分で、しかもこちらの事を慮っているようなそぶりですらある。だがストーリー上では一方的に攻撃してきたのは妖怪側であり、人間側は完全な被害者。「何もしてない」とは言い逃れにしても酷すぎる。
      • 妖怪を封じ込めていたほこらが倒壊してしまったのは流星という自然現象・偶然によるものだったのであり、少なくとも人間が悪意をもって起こした事では無い。「なぜ我々の仲間を殺すのだ。我々は何もしてないではないか。それなのにお前達は我々の姿を見ると有無を言わさず襲いかかってくる」とは人間の側が百鬼大王に向けて言うべき言葉である。
      • しかもこの百鬼大王は人間の城主の城を乗っ取っているのである。何もしていないとは明らかに言えない。相手に責任転嫁をして悪びれもしない(本気で自分が悪いと認識していない)人物なのか。
      • あるいは、彼自身は部下に人間を襲えとは命じてはおらず、部下の妖怪達が勝手に暴れ回った結果、本人の与り知らぬところで双方の被害が拡大して行き、もはや大王としても戦いを選ばねばならなくなった……という流れなのかも知れないが、それならそれで責任は百鬼大王の統率力不足にある。
      • いずれにしても「大王の重責にありながら自分の責任を全く自覚せず、相手のせいにして自分は被害者面をする、しかもそれが本心からそう思い込んでいる*3」というとんでもない人物である。
        こんな人物に率いられる(が統率力もあまり無かった)妖怪たちが暴れ回ったというストーリーよりも、まだ明確に人間への害意や侵略の意図をもって攻めてくる、よくあるタイプの大魔王の方がよっぽどマシでは無かったろうか。
      • 可能な限り弁護するとすれば、「人間の方にも問題はあったのだ」というストーリーにしたかったのかも知れないが、そんな描写は作中には一切存在せず、このラスボス戦で唐突に語られるだけなのである。
      • エンディングでは「この事件もやがて月日と共に忘れられてしまうのだろう」と言う内容のモノローグの後、封印の石碑が再び壊れて終わる。伝記ものにありがちな、いかにも悲劇の再来を予感させる後味の悪い締め方であるが、百鬼大王の言い分を信じるのならもう封印が解かれても鬼達は襲っては来ないはずである。モノローグで語られる通り「古い言い伝えがある石碑が壊れたけど結局何も起きなかった。やっぱり昔話なんて本当の事じゃ無かったんだ」と思われて忘れ去られていくのか、それとも再度の襲撃が起きて「百鬼大王の言った事は全部嘘だった」と言う事になるのか。どちらにせよ、「この話はいったい何だったのか」という未来しか待っていないのである。

評価点

  • BGMは割りと良い。
    • 特に夜の森はゲームに相応しい明るくも暗い曲になっている。
    • 3Dダンジョンも、音楽は思わず体を揺らしてしまうような軽快な曲に仕上がっている。
    • 戦闘曲も和テイストながらもテンポが良く評価が高い。
      • ボス戦の曲などないので戦闘曲は1つだけという事もあって謎の中毒性がある。
  • パーティの編成は自由なので好きな組み合わせでプレイできるなどの最低限の自由度はある。
    • イベントの大半をすっ飛ばせる事に加え、「器用さ」の仕様と「術」の強さ、ラスボスを含むすべての敵に「即死」術が有効などシステム面を理解していれば忍者一人のレベルを上げるだけでクリアまでこぎつけられるため早解きを目指す人には好まれる…かもしれない?

総評

昼夜のシステムで出る敵が切り替わるというシステムや和風の世界観を3DダンジョンRPGに取り込むなど、アイデアはそれなりに光っているが、肝心の出来は雑にもほどがある。
ゲームで出来る殆どが戦闘とレベル上げのみで退屈。そのくせ経験値分配システムの調整が甘く劣悪な戦闘バランスが合わさり戦闘はストレスフル仕様なのですぐに投げたくなってくるだろう。「毒」というRPGでは定番な状態異常すら予備知識がないと回復する道具が買えず治療できる施設すらない、仲間を蘇生する施設が異常に遠いと不親切な設計ばかりが目立ち、術が使えない仲間は育てたところでまともに戦えない、中ボスはおろかラスボスにすら即死魔法が有効などとにかく調整の甘さが目立つ。
肝心のダンジョンも到底突破させる気もないような無意味なだだっ広さでただただストレスだけが溜まっていく。

ボリュームに注力するあまりに肝心の出来がおろそかになってしまった、典型的なクソゲーである。
苦痛度ではFCのRPGでも頂点を争う水準と言えよう。


余談

  • 戦闘に勝利した時のメッセージは、経験値は「にんじゃ は 〇〇 の けいけん を つんだ。」と普通だが、
    何故かお金に関しては「あんのじょう ×× は おかねを 〇〇 りょう もっていた。」となっている。
    「案の定」とは「予想通り」という意味の言葉であり、確かにRPGで倒した敵が現金を落とすのは最早恒例ではあるが、それはプレイヤー目線の話である。
    メッセージとして出る以上、倒した敵が現金を落とすことをゲーム内のキャラクターが予想できるということになるが…。
    • なお、敵がアイテムドロップした場合は「なぜか ×× は 〇〇を もっていた。」と表示される。アイテムは予想できなかったらしい。
  • ゲームとして独特なワードなのに加え、某動画サイトの有名RTAプレイヤーが本作に挑んだ事もあり、RTA動画(及び視聴者)界隈で 案の定 「あんのじょう」というワードが使われている。
    コアなプレイヤーは「案の定」という言葉を見聞きするだけで本作を思い出すとか。
  • 2019年8月20日にプロジェクトEGGで配信が開始された。
    • 紹介動画の説明文では「誰もが気楽にプレイすることができるでしょう。」という本作の内容を考えると突っ込み所な一文が掲載されている。
  • シンボルエンカウントの敵に話しかけると「ぐおおー」という咆哮が聞けるのだが、何故か悪徳商人も前述の台詞を発して吠える。
    • 一応「悪霊や魑魅魍魎に憑りつかれた人間」という解釈は出来る。

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最終更新:2023年12月07日 17:20

*1 一応「かたな」は「むしゃぼうれい」のドロップアイテムとして設定されているので金策には役立つ。

*2 えんじ。語句の中に余計に混じってしまった文字のこと

*3 敗れて死ぬ時の台詞は「これでいいのかも知れない。無益な戦いはもう終わりじゃ。わしの部下もすぐに消え去るだろう。できれば今度は平和な世界に生まれたいものじゃ。お互いにな」と、最後まで自分は被害者だと信じて疑わなかった。