遊☆戯☆王 デュエルターミナル

【ゆうぎおう でゅえるたーみなる】

ジャンル トレーディングカードアーケードゲーム
販売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
稼働開始日 2008年3月15日
判定 良作
ポイント 遊戯王OCG初のアーケードゲーム
原作再現&フルボイスで多くのファンを魅了
強弱が激しい隠しデッキとミニゲーム
排出カードはOCGでも使用可能
故にカードの自販機扱いされやすい不遇な面も
遊☆戯☆王 関連作品リンク

シリーズリスト

第1弾~第11弾までは『遊☆戯☆王5D's デュエルターミナル』、第12弾以降は『遊☆戯☆王ZEXAL デュエルターミナル』。
クロニクルは旧弾の再録となっており、クロニクル以降は排出カードの入れ替えのみでゲームデータには更新はない。

弾数 サブタイトル 稼働開始月 弾数 サブタイトル 稼働開始月
第1弾 シンクロ覚醒!! 2008年3月 第2弾 ワームの侵攻!! 2008年7月
第3弾 反撃のジャスティス!! 2008年10月 第4弾 魔轟神復活!! 2008年12月
第5弾 混沌の覇者!! 2009年4月 第6弾 疾風のドラグニティ!! 2009年7月
第7弾 ジェネクスの進撃!! 2009年10月 第8弾 トリシューラの鼓動!! 2010年1月
第9弾 ヴァイロン降臨!! 2010年4月 第10弾 インヴェルズの侵略!! 2010年8月
第11弾 オメガの裁き!! 2010年12月 第12弾 エクシーズ始動!! 2011年4月
第13弾 星の騎士団 セイクリッド!! 2011年10月 第14弾 破滅の邪龍 ウロボロス!! 2012年1月
クロニクルI 覚醒の章 2012年06月 クロニクルII 混沌の章 2012年08月
クロニクルIII 破滅の章 2012年11月 クロニクルIV 対極の章 2013年02月


概要

世界的に有名なトレーディングカードゲーム(TCG)「遊☆戯☆王ゼアル オフィシャルカードゲーム」(以下、遊戯王OCG)をアーケードゲーム化した作品。通称「DT」。
遊戯王OCGの世界観を元にしたミニゲーム「アクションデュエル」と、OCGのルールを簡略化したカードゲーム「スピードデュエル」の二つのゲームモードが選べる。
2010年からはインターネットに繋いで遊ぶことが可能になった『遊☆戯☆王 デュエルターミナルNEXT』が2010年4月から稼動開始された。
「デュエリストカードキー」を使うことでプレイヤーのデッキ・データ、アバターなど記録することが出来る。これはNEXTの設置店のみ販売されている(2013年3月末にサービス終了)。

1プレイ100円で、スキャンしてゲーム内で使用できるカードが1枚排出される。このカードは通常のOCGカードとしても使用できる(違いについては後述)。
筐体はタッチパネル式のスクリーンと、各モードで使用するボタンが一つ、カードスキャン用装置から成る。

当記事では本作品の魅力を紹介していくわけだが、本作は遊戯王OCGのプレイヤーや、原作漫画・アニメのファン向けの作品となっている。
以下の内容にも原作・OCGを踏まえた記述を取らなければならない部分がどうしても存在するため、その点はご容赦願いたい。
また、OCGの環境については特筆しない限り本ゲーム稼働時のものに順序している(2008年3月~2013年2月まで)。


本作の魅力

徹底した原作リスペクト

本シリーズを語る上で外せないのは、原作漫画やアニメ作品に対する徹底したリスペクト・原作再現だろう。
本作はタイトルこそ『ZEXAL(ゼアル)』だが、過去シリーズの『デュエルモンスターズ』と『GX』、『5D's』のキャラクターも登場するオールスター的な作品となっている。新旧それぞれのキャラクターにはしっかりと原作を意識した(しすぎた)演出・デッキ・戦術が用意されている。

  • 武藤遊戯の《ブラック・マジシャン》、遊城十代の「E・HERO」、不動遊星の「シンクロン」など、登場キャラクターはいずれも原作で使用したカードを軸にしたデッキを使用する。これらのデッキはスピードデュエル仕様に調整されており、原作では使っていなかったサポートカードも適度に加えられ、思いがけない強さを持っている。
    • ちなみに例外として、作中でデュエルモンスターズの創始者という設定を持つペガサス・J・クロフォードは「トゥーン」や《サクリファイス》に加え、DTで新規収録されたそれぞれのシリーズカードのデッキを使用する。
  • デュエリスト達の「魂のカード」に関する演出もしっかりしている。通常は「モンスターを特殊召喚!」「手札から、魔法発動だ!」などの汎用台詞が使われるのだが、特定カードの発動時には追加でカードの名前を宣言する。さらに一部のカードでは原作の名台詞を喋り、原作イメージと合致したオリジナル台詞も用意されている。
    • 主たる例は城之内克也・バクラ・万丈目準の三人だろう。
      • 城之内の迷台詞として強い印象を残す「城之内ファイヤー」は、発動条件も含めて完全再現されている。
      • 万丈目にはTV版での相棒カード「おジャマ」に加え、漫画版でのエースカード《光と闇の竜》に関する台詞が新規収録されており、漫画版のファンを感激させた*1
      • バクラは原作で主役を演じていた「TRPG編」をイメージしたカード《闇の支配者-ゾーク》を投入したデッキを使い、TRPG用語の「スーパークリティカル!!」も言ってくれるなど、古参のファンを唸らせた。
  • その他、プレイヤーのプレイに反応した台詞も用意されている。
    • 海馬瀬人は魂のカードである《青眼の白龍》を破壊されると一時呆然とし、HERO使いのエド・フェニックスはE・HEROが召喚されると「新たなE・HEROを呼んだか!」とこちらを挑発する。
  • ゲームの仕様上再現できない台詞も小ネタ的に仕込まれている。
    • 十六夜アキのカード《ブラック・ガーデン》はこの作品では使用できないのだが、アキの名乗り口上にその名残がある。
    • リストバンドにカードを仕込むイカサマを行ったバンデット・キースは、デュエル敗北時に「リストバンドでもつけて出直してこい!」という罵声を発する。
  • 弾を重ねるにつれて参戦キャラクターも増強され、レギュラーからサブまで余すことなく登場している。
+ 登場キャラクター一覧
弾数 対戦相手 アシスタント専用
第1弾 闇遊戯(DM) 海馬瀬人(DM) 城之内克也(DM) 遊城十代(GX) カイザー亮(GX) 万丈目準(GX)
第2弾 孔雀舞(DM) ヨハン・アンデルセン(GX) 不動遊星(5D's) ジャック・アトラス(5D's) 牛尾(5D's)
第3弾 ペガサス・J・クロフォード(DM) バンデット・キース(DM) 丸藤翔(GX) 龍亞(5D's)
第4弾 闇バクラ(DM) ティラノ剣山(GX) 十六夜アキ(5D's)
第5弾 闇マリク(DM) クロノス・デ・メディチ(GX) クロウ・ホーガン(5D's) カーリー渚(5D's)
第6弾 インセクター羽蛾(DM) エド・フェニックス(GX) 龍可(5D's) 天上院明日香(GX)
第7弾 海馬モクバ(DM) 天上院明日香(GX/昇格) イェーガー(5D's) 真崎杏子(DM)
第8弾 天上院吹雪(GX) 鬼柳京介(5D's)
第9弾 ユベル(GX) ボマー(5D's)
第10弾 イシズ・イシュタール(DM) オースチン・オブライエン(GX) ディヴァイン(5D's)
第11弾 斎王琢磨(GX) シェリー・ルブラン(5D's) 大徳寺先生(GX) ブルーノ(5D's)
第12弾 リシド(DM) アムナエル(GX) アンチノミー(5D's) 九十九遊馬(ZEXAL) 神代凌牙(ZEXAL) アストラル(ZEXAL)
第13弾 早乙女レイ(GX) アポリア(5D's) 天城カイト(ZEXAL)
第14弾 武田鉄男(ZEXAL) エスパー・ロビン(ZEXAL) 観月小鳥(ZEXAL)

多彩なミニゲーム

また、遊戯王OCGの雰囲気を生かしたミニゲームにも定評がある。

  • 各ミニゲームはいずれも、OCGカードのイラストやシリーズカード、アニメのキャラクターを元ネタとしている。
    • 大抵のトレーディングカードゲームではそれぞれのカードに、カードに描かれた物や土地の簡単な設定文、人物の台詞が記述されている(所謂フレイバー・テキスト)。しかし、遊戯王OCGではそうしたフレイバー・テキストが記されたカードは少なく、代わりにイラストで物語を語るという手法が採られている。
    • 宇宙からの侵略者、溶岩地帯の原住民族、巨大怪鳥を駆る湿地帯の美少女、団結した諸勢力の手による殲滅兵器、など、他のTCGではまずお目にかかれない節操のないラインナップが遊戯王OCGの特徴。ほか、そうしたモンスターをサポートする魔法・罠カードのイラストも、それ単体でおおまかなストーリーが理解できるものが多い。
      • こうしたイラストはユーザーになじみ深く、(強さは別にして)イラストに人気のあるカードも数多い。アクションデュエルはそうしたOCGの世界観をうまくとらえ、独立したミニゲームに昇華させている。
      • 元々「遊戯王」はカードゲームの漫画ではなく、様々な闇のゲーム(敗者に罰を与えるゲーム)で敵を成敗する漫画だったので、こういったミニゲームはその影響もあるのかもしれない。

オリジナルストーリー

上記の「遊戯王OCGの世界観」に連なる形で、本シリーズで展開される「デュエルターミナル独自の世界観」も見どころ。

  • これまでも書籍で裏設定的に各カードの設定・つながりが示される事があったが、DTではデモ画面において、大まかなストーリーが語られるようになっている。DT出身シリーズカードの隠しデッキ(後述)の紹介画面ではさらに細かいストーリーが記されており、これを探す楽しみもある。
    • 現在のところ、区切りとなる弾でストーリーは2つに分かれている。
    • 第1部は第8弾まで。異界からの侵略者ワームの脅威に、原住種族は軍事同盟A・O・Jを設立して対抗する。しかしA・O・Jは1枚岩とはいかず、更に悪しき神々魔轟神が復活し各地で攻撃を開始。ワームは第6弾で滅ぼされるものの、戦いは果てしなく続き、その果てに解放された「氷結界の龍」が終末を呼ぶ……。
    • 第2部は第9弾から。各地でおこる原住民族の争いに介入する「ヴァイロン」と、かつてヴァイロンに敗れた「インヴェルズ」の再興と侵略。様々な思惑が折り重なった戦いは各勢力を疲弊させていき、インヴェルズの邪念たる「ヴェルズ」が世界を覆い始める―
  • これらのストーリーは、カードコレクターや原作ファンにも好評を得る要因となっている。

各モードの紹介

アクションデュエル

  • ミニゲームを行ってモンスターのパワーを溜め、溜まったパワーを使って相手とバトルを行うモード。第12弾にてアクションデュエルクロスとして仕様変更がなされた。
    • ミニゲームとバトルを1セット、合計3回バトルが行われる。2本先取で勝利。勝利した場合は「エクストラステージ」に突入し、通常よりも強い相手とバトルすることが可能。
    • 「アクションデュエルクロス」ではモンスター毎にコマンドが設定され、タイミングとコマンドを織り交ぜて行うバトルになっている。
    • 特定カードをスキャンした場合、強力なコンボを発動可能。
  • 「DUEL TERMINAL NEXT」では「アドベンチャーモード」が存在し、『5D's』のステージやデュエルターミナルのストーリーに合わせたステージを進み、『5D's』のキャラクターやDUEL TERMINAL出身のモンスター達と戦うことができる。
    • 第13弾からは『ZEXAL』のストーリーのステージが追加され、『ZEXAL』のキャラクターと対戦することも可能となった。
    • また、アクションデュエルで勝利すると、対戦したキャラクターと関連のあるモンスターカードを「すけっとモンスター」として入手できる。それがエクストラデッキに入るモンスターだった場合、「デスティニースキャン」時にスキャンせず、タッチするだけで使用可能となる。
  • なお、これらミニゲームには実況役のMCが用意されている。第11弾までのMCは「5D's」に登場する、ベルナール・アッカ氏が演じるリーゼントMCだったが、第12弾からはオリジナルのMCに変更された。
+ ミニゲーム一覧

現在16種類。5弾から弾が進むごとに1~3個追加されている。
これらのミニゲームには「星」がよく登場する。OCGのモンスターカードのレベル表示と同じデザインをしたもので、同デザインに加えて色違い2種の3種類が存在。

  • 第1弾から登場
    • 星集め:画面に出てくる星をタッチして集める。青い星は何度かタッチしないと手に入らない。
  • 5弾から
    • 突進:《突進》に描かれているイノシシが主役。突進するイノシシをジャンプさせ、進路の星を集めていく。
    • ドーピング:《ドーピング》に描かれたあやしげな薬瓶に、溢れないように薬を垂らしていく。
  • 6弾から
    • ハンマーシュート:《ハンマーシュート》のイラストで《ゴブリン突撃部隊》が叩き潰されていることをモチーフにしたゲーム。穴から出てくるゴブリンを叩くモグラ叩きゲー。
    • サルベージ:墓地から水属性モンスターを回収する《サルベージ》がモチーフ。海底から宝物を引き上げる。
    • 闇の量産工場:謎のモンスター《もけもけ》が作られている《闇の量産工場》。工場のベルトコンペアを流れてくるもけもけを監視し、さながらお刺身のタンポポ置きのように向きを整えていく。
  • 7弾から
    • イエーガーのピンボール:『5D's』の登場人物・イェーガーと、彼が使用するモンスター「ジェスター」シリーズを模したピンボール。
    • 遊星GO!:『5D's』の主人公・不動遊星の乗るD・ホイール(バイク)を操作し、障害物をかわしつつ星を集める。進路には遊星と対立したセキュリティ(作品中での警察組織)隊員・牛尾哲の使用した「ポリスモンスター」が現れ、妨害を仕掛けてくる。
      • ちなみにゲーム名は遊星のD・ホイール「遊星号」とかけたシャレ。
  • この弾からカードだけではなく特定のデュエリストをテーマにしたミニゲームも登場するように。
  • 8弾から
    • エネミーコントローラー:『デュエルモンスターズ』の登場人物・海馬瀬人が使用した《エネミーコントローラー》がモチーフ。海馬に指示されたコマンドを入力していく。恒例のコナミコマンド(↑↑↓↓←→←→BA)もしっかり搭載。
      • 成功すると海馬の台詞が流れ(「全速前進だ!」など、MAD作品で有名なデュエル以外の台詞まで存在)、好成績だとMCも「スゴイぞー! カッコいいぞー!!」と、遊戯王ファンならおなじみの原作初期の海馬の迷台詞を叫ぶ。
  • 9弾から
    • おジャマ・ジャンピング:『GX』の登場人物・万丈目準のエースモンスター「おジャマ」達を、《おジャマ・キング》の出す衝撃波に合わせてジャンプさせる。
    • 進め! ラヴァル隊!:本作で新登場した「ラヴァル」シリーズのモンスターの進路をタイミングに合わせて作り、星を集める。
  • 10弾から
    • ぴちぴち魚釣り:うきを投げ込み、魚族モンスターを次々と釣り上げる。
    • ふわふわガスタ!:本作で新登場した「ガスタ」シリーズのモンスター《ダイガスタ・ガルドス》を操作し、星を集めていく。
  • 11弾から
    • ジェムナイト★フィーバー:宝石を集めて本作で新登場した「ジェムナイト」シリーズのモンスターを召喚していく、落ちゲーを彷彿とさせるミニゲーム。
    • オメガの裁き!!:本作で新登場したモンスター《ヴァイロン・オメガ》を操作し、「ヴァイロン」と敵対する「インヴェルズ」シリーズのモンスターを撃退するSTG。
  • 12弾から
    • エクシーズ召喚!:次々と現れる同じレベルのモンスターをタッチして、モンスター・エクシーズを召喚していく。
  • 13弾から
    • かっとび箱!!:『ZEXAL』の主人公、九十九遊馬を操作して高い跳び箱を一気に飛び越える。

最初こそ星をタッチしていくだけのシンプルなものだったが、弾が進むにつれてご覧のように「誰がここまでやれと言った」と言いたくなる凝った物も増えていった。

スピードデュエル

原作に登場したキャラクターたちとデュエル(カードゲーム対戦)を行うモード。
OCGルールを知らない初心者向けの「はじめて」、OCGルールを知っている初級者向けの「かんたん」、中~上級者向けの「むずかしい」から難易度を選べる。

OCGルールの再調整

  • 回転率が重視されるアーケードゲームである以上、OCGと同じルールを実装することは困難である*2
    そのため、本作ではOCGの雰囲気を極力壊さぬよう、短期決戦用に簡略化された独自のルールが採用されている。
+ OCGとスピードデュエルの相違点
変更点 OCG DT
デッキ枚数 メイン:40~60枚+エクストラ:15枚以内 メイン:10枚+エクストラ:3枚以内
初期ライフ 8000 4000(第4弾までは3000だった)
初期手札 5枚 4枚(第4弾までは3枚だった)
カードゾーン モンスター5+魔法・罠5+フィールド魔法1 モンスター3+魔法・罠3
  • フェイズ:OCGでは1ターンが「ドローフェイズ」「スタンバイフェイズ」「メインフェイズ1」「バトルフェイズ」「メインフェイズ2」「エンドフェイズ」に分かれている。DTではこのうち、バトルフェイズ後のメインフェイズ2が省略され、行動の幅が狭められている。
  • これらの相違点により、OCGとは異なる戦術が求められるようになっている。
    • 「デッキからドロー出来なくなると敗北」というルールが変更され、「デッキからドローできなくなるとデュエル終了、その時点でライフが多いほうが勝ち」となる。そのためデッキ切れでドローできなくなっても勝利できる可能性がある。
    • 初期ライフの関係上、ライフポイントに直接ダメージを与えるバーンカードや反射系罠カード、貫通能力やダイレクトアタック能力を持ったモンスターはOCG以上に活躍を見込むことができる。
    • 手札・カードゾーンが少ない事により、多くの手札コストを必要とするカードは使いづらく、手札破壊カードの脅威も上がっている。さらにフィールドが狭い事でよりプレイングに慎重さが求められる。
    • メインフェイズ2が存在しないため、バトルを行った後の「後出し」が出来ない。攻撃反応型のカードが多い遊戯王OCGでは後出しも一種の基本になっているのだが、これが出来ない事で攻撃のリスクが高まっている。
  • このDTルールにより、一部のカードは弱体化ないし運用が非常に困難となっている。一方でDTという環境ゆえに「化ける」カードも多く、そうしたカードを探し出すという楽しみ方も出来た。

デッキ構成

  • スピードデュエルモードでは、あらかじめ複数のデッキが用意されている。このデッキはメインデッキの7枚しかカードが入っておらず、プレイヤーの行動によって最終的なデッキが決定する。
    • 最初に任意のDTカードを3枚までスキャン出来る。この3枚がメインデッキの穴を埋めることになり、更にスキャンしたカードに応じて候補となるデッキが決められる。
    • デッキ決定後、エクストラデッキ用のDTカードを3枚までスキャンできる。メイン・エクストラ双方ともスキャンカードが3枚に満たない場合、ランダムにカードが補充される。
  • スキャンカードの種類・組み合わせによっては、原作キャラのキーカードやDT出身のシリーズカードを用いたスペシャルデッキが使用可能になる。例を上げると……
    • 《黄金の天道虫》=「無死虫ピョー!」(インセクター羽蛾デッキ)
      《グレイブ・スクワーマー》+《ヘイト・バスター》=「悪夢の苦痛(ナイトメア・ペイン)」(ユベルデッキ)
      《クレボンス》+《マジカル・アンドロイド》+《メンタルスフィア・デーモン》=「サイキック・アルカディア」(ディヴァインデッキ)
      《ブラック・マジシャン》+《E・HERO ネオス》+《スターダスト・ドラゴン》=「超融合! 時空を超えた絆」(劇場版アニメ「超融合! 時空を超えた絆」のイメージデッキ。スキャンするのは主人公3人の切り札)
    • スペシャルデッキは60数種類存在している。さまざまな組み合わせを見つけるのことも楽しみの一つ。

デュエル!!

  • 対戦相手は『デュエルモンスターズ』『GX』『5D's』『ZEXAL』それぞれの作品群から選択できる。
    • また、自分のパートナーキャラがランダムに選出される。パートナーは基本的にデュエルの役には立たないが、様々な台詞で盛り上げてくれる。特に敗北時にかけてくれる言葉は、原作のイメージを捉えた名台詞が多い。真崎杏子、大徳寺、カーリー渚などのパートナー専用キャラも存在。
    • デュエルはフルボイスで、極一部を除いて担当声優もアニメ準拠。前述したように収録された台詞の内容も多彩で、カード発動やダメージ時などにはカットインが入るが、このイラストのクオリティも高い。
  • 本作の特徴の一つとして、デュエル中は全てのモンスターがクオリティの高いフルポリゴンで描かれている点が挙げられる。もちろん召喚から攻撃・被破壊モーションまで完備している。
    • モーションの作り込みも細かく、例えば《風霊使いウィン》の攻撃モーションは使い魔のプチリュウを体当たりさせるというものだが、その際にはウィン自身の表情も変化していたりと、手の込んだ演出も見られる。
    • ただし、《No.17 リバイス・ドラゴン》や《銀河眼の光子竜》など、アニメではブレス攻撃だったのに本作では物理攻撃になっているといった違いが見られることも。
  • 前述したとおり、CPUは原作で使っていたデッキに近いデッキを使用し、原作で披露したコンボも披露する。
    • AIはなかなかに優秀で、例えば「プレイヤーのモンスターを奪い、そのモンスターの効果を発動して自分の☆を減らしシンクロ召喚の素材を揃える」といった高度なプレイングも行う。原作当時では未登場だった、自分のデッキにあったサポートカードを投入していることも多く、こちらのデッキの制約と合わせて現在の目から見ても侮れなくなっている。
  • 「むずかしい」モードで28000点以上のスコアを獲得して勝利すると、アクションデュエル同様「エクストラステージ」に突入できる。
    • エクストラステージでは、第1戦で戦ったキャラの作品から更に1人が選出され、よりパワーアップしたデッキとデュエルすることになる。この時BGMも変化し、アニメ作品ごとの劇伴が流れるようになる。ここもアニメファンには嬉しいところ。
    • エクストラステージのデッキには、OCGでは禁止・制限指定がかけられているカードがルールを無視して投入されている事がある(ボマーの《ダーク・ダイブ・ボンバー》、牛尾哲の《ゴヨウ・ガーディアン》など)。
      • こちらの選択できるデッキにも禁止・制限を無視したデッキがあったり、サービス終了時点(2013/03/01改訂)で禁止カードである《ゴヨウ・ガーディアン》《洗脳-ブレインコントロール》《王宮の弾圧》はスキャンすることで使えたりするので、基本的にスピードデュエルでは禁止・制限リストは度外視されているらしい。
    • 『ZEXAL』のキャラクターたちには各キャラそれぞれのテーマ曲がかかるが、『デュエルモンスターズ』は「熱き決闘者達」、『GX』は「十代のテーマ」、『5D's』は「遊星テーマ」で固定されている。ただしそのなかでも一部キャラには、要所でのBGM演出が用意されている。
  • 『NEXT』では勝利すると、対戦相手とアドバイザーごとに設定されたカードが均等に混ざったルーレットで当たったカード、またはスキャンしたカードが保存され、サポートカードとして使用できる。
    • 入手したサポートカードはデッキを選ぶ際に、デッキ内の同種のカードと入れ替えることができるようになり、モンスター・魔法・罠は一枚を交換、エクストラデッキにもカードを一枚追加できるため、デッキの強化が図れる。

排出カードについて

  • DT専用カードは、普通のOCGのデッキに組み込み公式大会で使用することも可能である。しかしその逆、通常のOCGカードをスキャンすることは出来ない。
    • DT専用カードは表側に小さく「DUEL TERMINAL」のロゴがあり、裏側の遊戯王OCGのロゴがやや青みがかかった色調となっている等、パックで販売されているOCGとは細かい違いがある。
      • 裏側はよく見ないと判らないものの、大会等ではマーキング行為*3として扱われてしまうことも有る為、メインデッキ(とサイドデッキ)に投入するカードは裏面が透けない不透明な柄のスリーブを使う必要がある。
        + DUEL TERMINALロゴ
      • ちなみに強い光を当ててすかして見ると、通常の光源では見えないデータ読み取り用のQRコードが確認できる。
    • また、DTカードにはそのレアリティを問わず、全てにパラレルレア相当のパラレル加工(カード表面のプリズム模様)が施されている。
      • このパラレルシートは耐久性が低く、消しゴムや指で強くこすると消えてしまうこともある。
        模様が消えると「カードの加工、改造」とみなされて公認大会等で使用できなくなる恐れがありるので、やはり遊ぶ時にはスリーブの使用を徹底したい。
  • 1つの弾につき、50種類のカードが収録されている。その内訳はDT独自世界観にのっとった新規シリーズカードが30種類と、過去のカードパックに収録されていた、絶版となったカードの再録分が20種類。
    • 14弾から再録カードが10枚に減り、アニメで登場したカードのOCG初登場枠10枚が加わった。
    • DTシリーズカードはテーマデッキ(特定テーマにのっとったデッキ)を強く意識しており、それぞれが強い統一性を持つ。イラスト面での評価も高い。
      + シリーズカードとストーリー紹介。第一部編
    • X-セイバー:《総剣司令 ガトムズ》を長とする10人の戦士たち。後にカードパックで上位版である「XX(ダブルエックス)-セイバー」が登場した。
      • 展開力に優れ、確実にアドバンテージを稼いでいく安定性の高いスタイルが魅力。《ガトムズの緊急指令》による一斉攻撃やは決まった時の爆発力が凄まじい。
    • ワーム:光属性・爬虫類族で構成される異界からの侵略者。アルファベットをイニシャルとした26種類のモンスターが存在。
      • 伏せ状態で効果を発揮するものが多く、多彩なリバース効果で相手を翻弄する。多数のワームの融合体である《ワーム・ゼロ》(Z)のインパクトは圧巻。
      • 6弾でA・O・Jとの最終決戦が行われ、その結果滅亡した。
    • A・O・J(アーリー・オブ・ジャスティス):ワームに対抗すべく原住種族が手を組んで生み出した兵器群。
      • ワームの対策となる光属性やセットカードを意識した効果が特徴。特に《A・O・J カタストル》は傑出した高評価を受けている。
      • 7弾では下記のジェネクスとの融合を果たした。
    • ジェネクス:ワームに対抗する機械集団。A・O・Jと協力して生み出した対魔轟神・魔轟神獣用兵器「A・ジェネクス」や、「レアル・ジェネクス」といった亜種も存在。
      • 多彩なサーチ能力を持ち、手札に狙ったカードを集めやすい。豊富な機械族サポートカードの恩恵も受けられる。
    • 氷結界:雪に閉ざされた「氷結界」で、封印された竜を長年守護してきた一族。イラスト面での評価が高い。
      • 単体では貧弱だが、同族カードと組み合わせることで相手の行動を制限する効果を持つ。一方でシンクロモンスターには汎用性に優れた強力なカードが多く、時には「シンクロが強いテーマ」と揶揄されることも。
      • ちなみに第8弾「トリシューラの鼓動!!」は《氷結界の龍 トリシューラ》のことを指す。単独モンスターがサブタイトルを飾ったのはこれが初。この8弾は早期に絶版となってしまったため、(例によって)高性能だった《トリシューラ》は高額で取引されていた。ストーリー上、この《トリシューラ》の暴走によって第8弾までの世界は滅亡してしまったのだが、OCGにおいてもその性能の高さから環境を荒らし回った事を考えると皮肉である。
    • 霞の谷(ミスト・バレー):風属性で統一された、霞の谷の原住種族。「A・O・J」にも深く関わっている。
      • バウンス(カードを手札に戻す効果)に関連するカードが多く、相手を一方的に拘束する嫌らしい攻め方を実現できる。
      • カード毎に見れば強力なカードも少なくないが、「DTで不遇のシリーズは何か?」という話題になると必ず挙がるのがこのテーマ。属するカードが少なく、どうしてもテーマ外のカードと複合する必要がある。
    • フレムベル:その全てが激しい炎に身を包まれている、炎属性で統一されたシリーズ。後に亜種ともいえる「ネオフレムベル」も登場した。
      • ほとんどのモンスターに共通する点は「元々の守備力が200」。ピンポイントなサポートカードを駆使することで、柔軟性と爆発力を兼ね備える高い対応性を発揮する。
    • ナチュル:植物をモチーフとしたテーマ。絵本の様な愛らしい下級モンスターが魅力だが、シンクロモンスターは一転して強面。
      • 相手の行動に対応した誘発効果で戦線を維持し、相手をコントロールしていく。魔法をカウンターする《ナチュル・ビースト》は特に優秀。
    • 魔轟神:対ワーム戦に揺れる世界に混沌をもたらす、太古の眠りから復活した悪魔達。「魔轟神獣」を使役し、第三勢力を形成する。
      • 手札を捨てる、手札の枚数を参照するなど、手札に対応した独特の効果を持つ。悪魔族が主体ながら、光属性で統一されているのも特徴。
      • プレイングの自由度が高いが、その分難易度もまた高い。更に主要カードは軒並みレアリティが高く、本格的にデッキを組もうとするとかなりの出費を覚悟する必要があった。使いこなせれば非常に強力な上級者向けのシリーズ。
    • ジュラック:炎属性・恐竜族で統一されたシリーズ。非常にカラフルな恐竜たち。
      • 戦闘を介する事で効果を発揮するものが多い攻撃的なシリーズ。フレムベルとの混合型も用いられる。
      • 魔轟神との闘いの末《ジュラック・メテオ》へと姿を変え、自らと共に魔轟神達を焼き払った。
    • ドラグニティ:霞の谷に突如現れた、ドラゴン族・鳥獣族の混合となる伝説の竜戦士達。神話に登場する武器の名を冠するモンスターが多い。
      • 同族モンスターを"装備"して戦う、幾分テクニカルなテーマ。サポートカード《竜の渓谷》を起点とした墓地利用戦術がカギ。
      • 第6弾からの登場ではあるが、そのカード数は第1弾から存在する「霞の谷」を大きく上回っている。設定的には霞の谷と繋がりがあるのだが、そちらよりも大きく優遇されているシリーズ(そもそも彼らは霞の谷の居候の筈なのに《竜の渓谷》というのはなんとも……)。
    • + シリーズカードとストーリー紹介。第2部編
    • ガスタ:霞の谷と氷結界に挟まれたミストバレー湿地帯に生きる民。豊かな大地を信仰し、原住生物と共闘することで土地を守ってきた。
      • 破壊された場合にガスタを特殊召喚する効果を持つカードが多い。粘り強く堅実にアドバンテージを稼いでいく戦い方が特徴。
      • 「氷結界」と同じくイラスト面での人気も高い。《ガスタの賢者 ウィンダール》《ガスタの巫女 ウィンダ》の親娘、カーム姉さんこと《ガスタの静寂 カーム》にはファン多し。
    • リチュア:氷結界の一族から分派した、「儀水鏡」を用いる悪しき儀式集団。勢力拡大を狙いガスタへ侵攻する。
      • 儀式召喚をメインとした戦術が特徴。《リチュアの儀水鏡》はリチュアを代表するキーカード。
      • 第2部の陰の主役とでもいうべき悪役集団。ガスタに《猛毒の風》をばらまいたりラヴァルをまるまる生け贄にしたりとその悪行は枚挙に暇がない。が、インヴェルズの亡骸に手を出したことで精神を浸食されてしまった。
    • ラヴァル:炎樹海の広がる溶岩地帯を本拠地とする戦闘民族。戦いを求め、隣接するジェムナイト勢力に攻撃を仕掛けている。
      • フィールド・墓地・そして除外ゾーンをフル活用するシリーズ。うまくカードが回った時の快感が素晴らしい。《炎熱伝導場》を筆頭に墓地を肥やす速度に優れている。
      • ヴァイロンとの戦いで疲弊したところをリチュアに付け込まれ、儀式の生贄とされてしまい全滅。
    • ジェムナイト:宝石をモチーフとしたモンスターが特徴。平穏を望みラヴァルとの戦いにも消極的だったが、自衛の為遂に決起する。
      • 軽いコストで墓地から回収できる《ジェムナイト・フュージョン》を使った融合召喚を軸としたスタイルで押していく。多数の専用融合カードに加えてOCG史上初の罠カードの融合カードも保有している。
      • バニラモンスターのフレイバー・テキストは一見の価値あり。特徴でもある《融合》でガスタやセイクリッドを救援しておりリチュアとは対照的に正義を体現した集団である。
    • インヴェルズ:かつてヴァイロンに敗れ、封印された種族。地上世界の混乱に乗じて復活し、復讐の前準備としてミストバレー湿地帯への侵略を開始する。
      • アドバンス召喚(生け贄召喚)によって効果を発揮する闇属性モンスター群。「インヴェルズの侵略!!」のサブタイトルに違わず、「侵略」と名のつくサポートカードが多数存在する。
      • 《ヴァイロン・オメガ》が地上に降臨したことによって滅ぼされる。しかし、彼らの思念はヴェルズとなり…
    • ヴァイロン:この世界に於いて神にも等しい頂上存在。復活したインヴェルズに対抗すべく、地上勢力をまとめた連合軍を設立する。
      • 装備カードを駆使した展開がメインのトリッキーな戦術。《ヴァイロン・シグマ》の爆発力は特筆に値する。
      • ちなみに第11弾「オメガの裁き!!」は《ヴァイロン・オメガ》のこと。《氷結界の龍 トリシューラ》には汎用性で劣るものの、ヴァイロンの切り札に恥じない性能を持っている。
      • インヴェルズを全滅させるが、インヴェルズの思念に影響を受け過剰統制を開始。管理世界を構築しようとしたため、団結した連合軍に撃退された。
    • ヴェルズ:インヴェルズから生み出された邪念で、《氷結界の龍 ブリューナク》をはじめとするかつてのDT世界のモンスターを模した姿をしている。
      • 闇属性のテーマで、《侵略の侵蝕感染》からのサーチで状況に応じて柔軟に戦術を変え、場を制圧するのを得意とする。エクシーズモンスターは制圧力が高いカードが多く、特に《ヴェルズ・オピオン》は本作稼働終了以降ながら制限カード経験もあるほど。
    • セイクリッド:世界の終わりが迫った時、世界を救うために星から遣わされるという正義の騎士団。
      • モンスターの大半がサーチ・手札からの特殊召喚効果を持っており、強力なエクシーズモンスターを次々に出するのを得意とする。
      • DTで初登場したテーマの関連カードが、その後通常のカードパックで販売されたり、収録されていたカードの再販が行われることも多い。特に「X-セイバー」は海外で強力なカードが多数登場し、「ドラグニティ」は構築済みデッキも発売された。
    • 再録カードは、特に汎用性が高い一線級のカードが選択されることが多い。新たな入手方法が出来るだけでなく、高騰するシングル価格*4も幾分緩和されることになるため、OCGプレイヤーから好意的な評価を得ている。
  • なお、ゲームを行わずにカードだけを入手する「カードだけゲット」という選択肢も存在する。

問題点

  • デッキ枚数が少ないスピードデュエルでは必殺コンボのキーカードが早々に手札に揃いやすい。初期ライフポイントが少ないこともあり、(特にエクストラデュエルでは)こちらの対応が間に合わないまま瞬殺される、あるいは逆にこちらが瞬殺する場面も多くなる。元から遊戯王OCGはパワーインフレが激しいゲームであり、それをアーケードゲームという触体で再現する以上、この辺りはやむを得ないところであろう。
    • 前述したとおり、第4弾までは初期ライフがたった3000しかなく、その後4000に引き上げられた経緯がある。4000という数字はアニメと共通であり、結果的に原作の再現性と安定性が高まる結果になった。
  • AIは他の遊戯王ゲームと比べると確かに優秀だが、隙が無いわけではない。
  • スピードデュエルで1戦目の対戦相手は指定できるのだが、パートナーと2戦目の対戦相手はランダムで決まるので狙ったキャラと組む・戦うことでルーレットでカード入手を狙ったり、ハイスコアをとろうとするのは容易ではなく、しかも弾を重ねるごとにさらに厳しくなっている(キャラが増えるので1キャラあたりの確率も下がる)。
    • 不動遊星や丸藤翔等かなり嫌らしい妨害力や抑止力を持つキャラの点数が平均に満たない程低く、反対に海馬瀬人やバンデット・キース等の所謂「事故れば楽勝」というキャラの点数が非常に高いといった、強さと得点が割に合っていない点も指摘される。
  • TCAGの宿命だが、ボタンの調子やタッチの感度、稀にカードがスキャンできなくなっているなどの不調で思うように遊べない状態になっていることがある。
  • ゲームの面白さに直接影響する訳ではないのだが、ほぼ全てのキャラクターにアニメ(DM以降)と同じ声優が声を当てている中、武藤遊戯のみ声優が代役に変更されている(キャストは非公表)。他の面でのファンサービス要素が充実しているだけに非常に惜しまれる。
    • 声優変更の理由は公表されていないが、担当声優の風間俊介氏がジャニーズ事務所所属であり、一般的な声優と権利関係が異なることが要因と推測される。
      契約の関係で出演できる作品に制限があるのか、基本的に映像作品以外の作品には出演していない*5

総評

「OCGの雰囲気を崩さずに、原作の様々なキャラクターとデュエルできる」というコンセプトを見事に実現した作品。
OCGプレイヤーが求める「歯ごたえのあるデュエル」、原作ファンが求める「原作再現」のどちらも高水準で満たした本作は、幅広い層からの支持を得るに至った。
本作で確立された「スピードデュエル」は、後のゲーム・アニメでも採用され、さらにOCGの正式なルールとして認められるほどの存在になっている。

一方で、本作から登場した多彩なシリーズカードはテーマデッキ派のOCGプレイヤーを熱くさせ、それにまつわるストーリー設定も、設定派のOCGプレイヤーを満足させている。
これはゲームキューブでリリースされた『フォルスバウンドキングダム』、原作アニメでの『デュエルモンスターズの精霊世界』を彷彿とさせる作風であることもプラス評価に繋がっている。
現在はほぼ稼働を終了しており、新カードのリリースこそ途絶えたものの、本作由来のテーマに関連したカードは定期的に登場しており、今尚多くのプレイヤーが注目している。

「カードの自販機」と揶揄される側面こそあれど、一介のアーケードゲームに留まらない、高い完成度と影響力を持った遊戯王シリーズの一作と言えるだろう。


余談

  • 本作に絡んだ要素がアニメ・OCGの両方に登場している。
    • アニメ『遊戯王5D's』第93話にて、ネオ童実野シティ治安維持局メインルームに置かれているカード解析コンピューターが描かれるのだが、その見た目はデュエルターミナルの筐体そっくりだった。
    • OCGカードの一つに《端末世界(ターミナルワールド)》という永続魔法カードが存在する。効果は「このカードが場にある限りメインフェイズ2をスキップする」という、本作のスピードデュエルを意識したもの。ちなみにカードイラストには、やはりデュエルターミナルの筐体が描かれている。
      • 後に《端末世界NEXT》も登場。効果は「お互いにモンスターと魔法・罠を3枚までしか置けなくなる」というもの。スピードデュエルのルールを疑似再現したものだが、スピードデュエルにはなかったフィールド魔法やペンデュラムゾーンが使用可能なため完全再現とは言い難い効果となっている。
    • 本作の展開終了後に開始したアニメシリーズ『ARC-V』には本作のシリーズカードの使い手キャラクターが登場。使用するカードも本作のようなホログラム加工がされるなど徹底されていた。
    • アニメシリーズ『VRAINS』では、今作とほぼ同じルールのスピードデュエルがアニメ世界でも行われるようになった。
      • 新マスタールール準拠のEXモンスターゾーンや、デュエリスト毎の「スキル」といった独自要素はあるが、それ以外のルールは今作とほぼ同一である。
  • 本作で登場したスピードデュエルは、後のゲームにも採用され、2016年からはOCGのルールとしても掲載されるようになった。
  • 後に3DSで配信された『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 最強カードバトル!』は、初心者向けとして前述のスピードデュエルを基本ルールに採用している。
    • さらにデュエル中の演出には、本作のモンスターのモデリングを流用している。収録カードの都合から未収録となったモンスターもいるものの、ペンデュラムをはじめとした一部モンスターの演出は新規に製作されている。
      • 3DSの特長である立体視にも対応しており、どこでもお手軽かつ無料でプレイできるので、本作のモンスター演出の一端を堪能したい場合にオススメ。
  • 後に稼働を開始した『ぼくのでんしゃ』では、本作の筐体を流用して稼動されている。
  • かつては東京都庁の最上階にある土産屋で何故かこの筐体が稼動していた。観光客が景色を楽しむ中で、デュエルターミナルの音楽が響き渡るという、あまりお目にかかれない組み合わせを見ることができた。
  • キッズ向けTCAGの多くはメーカーからの貸与という形であるため、稼動終了すると回収されることが多いが、本作は珍しく筐体が販売されていたため、最終弾から数年経っても多くの施設で設置されたままとなっている。扱いに困った施設では、本作の筐体がユーザーへ直接販売されているということも。
    • 本作の設置場所は多くがカードショップなど、『遊戯王OCG』を扱っている店舗で、ゲームセンターへの設置は殆どなかった。このため、現在では買い取ったものの状態が悪く販売しづらい中古カードを装填して稼働していることも多い。もちろん、排出されたカードをスキャンして遊べる可能性は極めて低いだろう。

カード販売機として

本作のカードがOCGでも使用できた事は好評を博した一方で、無視できない問題点を抱えていたのも事実であった。

  • 通常のOCGカードパックが5枚入り150円(実質1枚30円)であることを考えると、1枚100円かかるDTでのカード入手は金銭的な負担が大きい。
    OCGプレイヤーが筐体に100円を投入し続ける様から、「デュエルターミナルはコナミの貯金箱」と揶揄された*6
    • DT出身のカードは単価の高さや流通量の少なさから、シングル価格が高額になりやすく、シングル買いで揃える事も一筋縄ではいかなかった。人気カードは、数千円から、中には一万円を超える価格で取引されているカードも存在していた。
      特に第8弾の目玉カード《氷結界の龍 トリシューラ》は非常に強力で汎用性も高い効果を持つことから、8弾は売り切れが続出。
      • この人気を受けてか、真偽の程は定かではないものの「このカードを当てた子供から、全力で奪い取る大人(当然ながら犯罪である)」「大会でこのカードを盗まれたプレイヤーが「トリシューラ! トリシューラ!」と叫びながら警察に駆け込んだ(盗まれた本人はたまったものではないが)」「はっふん!」などの奇談が2chの遊戯王スレに書き込まれた。
  • 遊戯王OCGにはプレイヤー間で「ノーマルレア」と呼ばれるレアリティのカードがあるが、単価が高い本作にもそれに当たるカードは存在している。
    • 「表記上のレアリティはノーマル(一番出やすいレアリティ)でありながら、ボックスへの封入率が極端に低い(1箱に0~1枚)カード」がそれに当たる。KONAMIはノーマルレアの存在を認めてはいないが、実際問題としてそれは存在している。
    • ノーマルレアの枠には、5弾から《E・HERO プリズマー》《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》などの入手の難しい上に強力なカードが収録(再録)されたため、入手が容易になる事を期待したプレイヤーを大いに落胆させた。
      さらに、8弾では1種類だったノーマルレアを2種類に増やすという暴挙に出た。
      • ちなみにデュエルターミナルのカード補充用の箱は一箱200枚であり、9弾までの封入率は1/400(2箱で1枚出るか)。シークレットレア(1箱に1枚しか入ってないウルトラレアカードの特殊加工版)よりも遥かに出ない。
    • やはり不評だったのか、10弾よりノーマルレアの封入率が1/100となり、1箱にノーマルレアが確実に2枚封入されるようになった。そして13弾ではノーマルレアが1種類に減り、14弾ではノーマルレアそのものが廃止された。
  • ちなみにDTカードの未開封ボックスは設置店にのみ卸されており、個人で未開封ボックスの購入は出来ない。絶版になったのか(現に全ての弾は絶版になっている)、まだ卸先には残っているのかといったことの判断も非常にし辛くなっている。
    • 新弾が稼働している時期でも、POPは新弾のものなのにカードは旧弾のままである、ということもある。確認は怠らないように。
    • なお、ごく稀にオークションなどでDTカードの未開封ボックス(補充用ボックス)が売りに出されていることがあるが、これはショップによる横流しでれっきとした違法行為である。
  • このゲームに入っているカードはレアカードの入っている位置(排列)が決まっているらしく、レアカードが出るまでコインを投入し続ける「掘り師」及びレアカードが排出されるタイミングで割り込むハイエナ行為等のマナー違反が問題になっていた。
    • 特に「掘り師」の方は、半ば黙認されている地域もあり、プレイまでに長時間並ばされる事も珍しくなかった。
  • 宿命的な問題として、悪質なカードショップが有用カードを抜き取ってシングル販売に回しているという懸念もある(このゲームでは排出カードはむき出しのまま装填されるため、余計に疑惑を抱かせている)。心配ならばスーパーやデパート、家電量販店などのシングル販売を行っていない店舗で遊ぶといいだろう。
  • どのカード販売型アーケードゲームにも言えることだが、シャークトレード(価値の釣り合わない交換)や窃盗、恐喝等のトラブルに巻き込まれないように注意。 もし、被害にあってしまったら、然るべき機関に連絡を。
    • 特にカードの価値に疎い初心者や子供は注意する事。
+ あれ、三沢君いたの?

ちなみに筐体に装填されたカードが無くなると「おみせのひとをよんでね」という画面が表示されるが、この画面には『GX』の登場人物・三沢大地が登場する。
さらにその瞬間になると、丸藤翔と三沢の「あれ、三沢君いたの?」「ずっといた!!」と、原作にあったあのやり取りを聞く事が出来る。
三沢は中期以降、そういったやり取りが頻繁になされてしまうような「空気」扱いを受けているキャラクター。
『TAG FORCE』シリーズではネタ的に優遇や冷遇をされることが多いが、本作での登場はこの画面だけである。

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最終更新:2023年06月24日 14:33

*1 『GX』以降のコミカライズは基本的な設定やキャラクターのみ共通し、使用カードやストーリーはアニメとは大きく異なっている。

*2 1プレイが長くなる上に、処理が過度に複雑化する為。

*3 カードを裏側から判別できるようにする行為。当然、反則行為である。

*4 カードの中古販売の価格。店舗ごとに差はあるが、カード毎にある程度の相場は決まっている。

*5 ただし、2002年及び2016年以降に販売・配信されたゲームでは、風間氏が遊戯役を担当しているものもある。

*6 実際にはコナミの直接的の利益になる訳ではないのだが……。