このページでは、アーケードゲーム『デイトナUSA』と、そのPS3及びXbox360移植版について紹介しています。



デイトナUSA

【でいとなゆーえすえー】

ジャンル レース
対応機種 アーケード
使用基板 MODEL2
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
稼動開始日 1994年
判定 良作
豪快ながらも単純明快
革新的な歌うBGM
遊び心も満載
デイトナUSAシリーズ

概要

AM2研が1993年に開発、94年にテクスチャマッピング機能を搭載した新型3DCG基板「MODEL2」の第1弾タイトルとしてリリースした3Dレースゲーム。
事実上の前作である『バーチャレーシング』のフォーミュラカーから、アメリカではメジャーなストックカーレースを題材に変更している。

当時最高峰だったテクスチャ付3Dグラフィック・ボイス入りのBGM・大味ながらゲーム的に楽しい味付けが大いに受けヒット作となった。


特徴・システム

  • 自車はストックカーで、操作はハンドルとアクセル&ブレーキ、H型4速変速ギアで行う。
    • コース選択後にギアを初心者向けのオートマチック(AT、青/赤の車)・最高速度が10km/hほど高いが上級者向けのマニュアル(MT、黄/赤の車)かを選択する。
      • 因みにギアの段数の少なさは元ネタのNASCARと同じ段数で描写としては正しい。
    • また筐体には『バーチャレーシング』同様の4つの視点変更ボタンの「VRボタン」があり、これを押すと視点を切り替えることができる。
      視点の種類も同様の「コースだけが見えるバンパー視点」「ドライバー視点」「車体の後方からの視点」「鳥瞰視点」となっている。
  • またコースもオーバル*1の初級、若干複雑となった中級、ストップアンドゴーが多くなった上級と3つから選択できる。
    • スリーセブン・スピードウェイ(初級・デフォルト8周・40台)
      • 巨大カジノ街「ラスセガス」の森林に作られたという設定の爽快な青空の下を走るオーバルコース。
      • 主な難所はハンドルを全切りしないと接触しやすいピット合流地点先の第2ターンと最終ターン、基本的には初心者も走りやすい。
        バックストレートにはスロットマシンが設置されており、スタートボタンを押すと止める事が可能。ぞろ目を出すと制限時間が増える小ネタも。
    • ダイナソア・キャニオン(中級・デフォルト4周・20台)
      • その名の通り、恐竜の化石発掘現場となっている渓谷「ホリーキャニオン」を駆け抜けるコース。
      • レイアウトは序盤は登りながらの高速スラロームが主体で、中盤から高低差に加え、バンク有・バンク無の2つのタイトターンが待ち受ける。
    • シーサイド・ストリート・ギャラクシー(上級・デフォルト2周・30台)
      • レンガ造りの大きな橋やサンフランシスコ風の街並みのある、総じてアメリカンな海岸沿いの市街地「オリオンベイ」を巡るロングコース。
      • レイアウトは大小の中高速コーナーや急コーナーが次々と配置されており、高いドリフトコントロール技術が要求される。
  • 一周、およびチェックポイントを通過することによってプレイ時間が延長され、規定周回数走り終えるか時間が無くなるとゲーム終了となる。
    • 複数同時プレイも可能。コースは多数決で決まる。

筐体の種類

DX筐体

  • 94年4月の稼働初期に登場した大型筐体。大迫力の50型プロジェクションモニタ、プレイヤーカーのホーネットを模したキャビネットに加え、前後チルト機構式シートを採用。
    • 後述のツイン筐体とSP(スペシャル)筐体とは違い、スタートボタンとV.R.ボタンの配置が縦向きになっている。
    • 稼働初期はDX筐体のみのラインナップとなっており、基板のROMが通信対戦非対応の前期ROM。//*2となっていた。

ツイン筐体

  • 94年6月に登場した通信対応筐体。2基の29型ブラウン管モニタと前後チルト機構式シートを採用し、1台の筐体につき2人までの通信対戦が可能になった。

SP(スペシャル)筐体

  • 『バーチャフォーミュラ』の系譜を継ぐ、8台のDX筐体を連結して1台につき最大8人までの通信対戦に対応した、アトラクション用途向けの超大型筐体。
    同作から引き続き、カーブ時の横G表現を再現するエアバッグ可動式シート、各プレイヤーの顔を写すカメラ&筐体上部のテレビが採用されている。
    • 当然ながら異常にスペースを取る上に筐体価格も超高額だった為、国内での稼働店舗は一部のセガ直営店を始めとする大型の店舗に限られるなど極少数であった。

評価点

  • デフォルメと非常に分かりやすい操作による豪快さと爽快感
    • ハンドル操作だけでは曲がりきれないと思ったらブレーキ・もしくはギアを落とせば、リアが滑ってドリフトが始まりより曲げられるという豪快かつ単純な挙動。
    • ギアを、4速→一瞬2速→上のギアと入れると簡単にドリフトが可能。初級はこれさえできればどうにかなる。コースもゲームならではの高速パワードリフトを味わえるよう意図されている。ターンがきつければ2速に入れる時間を長くする、2速ではなく1速に入れる、安定させるため3速に入れる等のテクニックもある。
    • 敵車にぶつけてもOKでデメリットはない。どれだけ派手にクラッシュしても一時的に減速するだけ。横転したりコース外に飛んだりはしない。
      • むしろ壁との接触と違い当て方によっては殆ど減速しない為、あえて敵車を壁に使ってターンを行い、高速にコーナーを抜ける事も可能。
        他にも意図的に追突して強力なブレーキとしたり、逆に加速装置にしたり等も可能。
      • その多数の敵車は規則正しい走りをしており、ぶつけるのは多くともぶつけられるのは少ない。爽快感を阻害しないよう配慮されている。
  • グラフィック
    • MODEL2基板となりテクスチャマッピングが使えるようになった為、『バーチャレーシング』の欠点だった生ポリゴンで味気ない車から、本作では鮮やかにペイントされ大きくゼッケンナンバーも表示される。
      • またぶつけた時には車体がへこむ破損表現も健在で(これによって走りにくくなることはない)、ゲームの世界ならではのリアリティを表現した。
        もちろんコースもテクスチャによってディティールが明らかに進歩し、ネオンやジェフリー銅像等がコースを彩る。この様な描写を実現しながら処理落ちも無く約60fpsで動作する。
      • 『バーチャレーシング』で存在したピットインも健在。『バーチャレーシング』ではピット作業中のカメラワークの視点は固定だったが、本作からカメラが動くようになったので、あらゆる角度からピット作業を見ることができる。
    • 繰り返しになるが、MODEL2によるテクスチャ付3Dポリゴングラフィックは『当時最も美麗なグラフィックのレースゲーム』という点でも革新的であった。
  • 革新的な歌うOP&BGM
    • セガのサウンドクリエイター光吉猛修氏が熱唱するOP曲やBGMは、ゲームの爽快感と見事にマッチングしており非常に人気が高い。
      • 英語の歌詞だが英語が解らなくてもわかりやすい。OP&中級コースは「デイトーナ~、Let's Go Away!」と繰り返し、初級は「ロ~リングスターーート」という歌い始め、
        上級は「アイワナフラーイスカイハーイ」から始まり、「ブルーブルースカーイ、ブルーブルスカーイアイシー」と印象的なフレーズを繰り返す。ノリも非常に良く、豪快さと爽快感を更に増幅してくれる。
    • 何れもボイスサンプリングを切り張りして歌っているように表現されており、本作を代表する中級の曲「Let's Go Away」はもちろん、非常に爽快な疾走感溢れる曲ばかりであり、明らかに出来の低いBGMは1曲も無い。
      • ゲームオーバー時のBGMもしっかりと歌入りで、「ジー,エー,エム,イー,オー,ブイ,イー,アール,...」と"GAME OVER"のテロップのギミックに合わせて流れるというプレイヤーの笑いを誘う要素も。
    • 心斎橋GiGOで行われた光吉氏のライブイベントで自身が語ったところによると、レースゲームでは珍しかった「声入りBGM」は「ナムコの『リッジレーサー』を超えろ」という社命を受けた末の苦渋の案だったらしい。
      光吉氏は稼働開始年のクリスマスに筐体前で耳を傾けるギターを担いだファンを目撃し、そのファンが「これ世紀末じゃね?」と呟いたところで成功を確信した模様。それほどまでに当作のBGMは衝撃的だったのである。
      • 『リッジレーサー』サウンドチームの1人だったsanodgこと佐野信義氏も後年「当時の貧弱なPCM音源で歌わせるなんて出来るわけ無いと思ってたらやられて本当に悔しかった」と発言したほど*3
  • 遊び心も満載
    • 他の3Dドライブゲームでは見られない特徴の一つとして「逆走プレイを事実上容認している」というものがある。後年、頭文字Dなど一部のレースゲームで逆走コースを選択できるようになった要素の走りともいえるが、本作ではプレイ開始後にいきなり逆走して走り切るという形になっている。
      • これまでの3Dドライブゲームでは逆走をしても逆走していることを示す表示が出るだけで特にメリットはなかった。このゲームでも逆走を始めると画面真ん中に大きく「逆走」と表示された上でチーム無線からの音声で警告されるのだが…。
      • この警告を無視して、そのまま逆走し続けチェックポイントをくぐるとちゃんとタイム加算がされる。そして規定ラップ数を走りきるとゴールとなってしっかり記録が残る。*4
        警告表示も逆走をしてしばらくすると「逆走だぁー!」というボイスと共に「逆走」の文字が画面右下に移動。その後も「逆走してるって言ってるだろ!」の警告ボイスが二度発せられ*5、それでも逆走を続けるととうとう警告するのを諦めたのか、何も言ってこなくなる。
      • また中級では逆走して本来行く必要が全く無いピットロード先の行き止まりに行くと「おめでとう!たった今あなたはスポンサーを失った」(地の文は英文)というメッセージが書かれているという、スタッフの小憎い遊び心も。
      • なお、この逆走プレイはレースモード、タイムアタックモード共に全コースで完走可能になっているが、レースモードではこちらへ高速で向かってくる敵車を避ける必要がある(接触すれば当然クラッシュする)ため、タイムアタックモードよりも完走難易度は非常に高くなる。
    • この他にも初級コースの岩山に同社看板キャラ『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』、上級コースの銅像に『バーチャファイター』の「ジェフリー」と当時最新のセガキャラが出演していたり、
      ランクイン時のネームレジスト画面でセガの名作のイニシャルや略称を入れると、そのゲームに関わる曲が1フレーズ流れるというセガマニアにはたまらない演出もあった。
      • 『アウトラン』、『アフターバーナー』はもちろん、AM2研が手掛けたMD用RPG『ヴァーミリオン』や懐かしの『カルテット』『SDI』など有名所からマニアックなものまでバラエティに富んだフレーズが収録されている。

問題点

  • やはりと言うべきか当時のACレースゲームの例に漏れず、制限時間が短い。
    • その中でも本作を含む90年代のセガ製ACレースゲームの制限時間の短さは他社競合作品の比ではない。
      加えて全体的にCPU車のレベルが高めなこともあり、これが原因で一般的に「セガ製の90年代ACレースゲームは難易度が高い」と言われる所以となっている。
    • 前述の通りCPU車がすばしっこい上にエントリー数も19~39台と当時の競合作品と比べてかなり多い為、ただでさえ生半可な実力では完走すら難しいのに優勝を狙うとすれば飛躍的に難易度が上昇する。
  • 初級コースにピットインチェックポイントの隙間を突いたショートカットポイントがあり、これを知ってるか否かでタイムに雲泥の差が出る。
  • このショートカットは一種のチートっぽさがあったのだが、2011年に発売されたダウンロード専用のPS3/360版ではこのショートカットを練習するチャレンジまで設けられる始末。

総評

高価な大型筐体作品にもかかわらず国内外問わず売れ、特にNASCARの本場アメリカでは現在でも大多数が稼働している程の人気作となる等、間違いなく業務用&レースゲームの歴史に残る傑作。
一人でレースorタイムアタックに興じるも、多人数で盛り上がって遊ぶもありと、ストイックなプレイヤーでもカジュアルな人たちにも受け入れられた稀有の名作といえる。
セガはこの後も各レース団体から許諾を受けたレースゲームや、続編『デイトナUSA2』をリリースする事になり、それらを生み出す上でも本作は絶対に欠かす事の出来ないものである。


余談

  • AM2研開発の格闘ゲームキャラが集結したSSの格闘ゲーム『ファイターズメガミックス』に、本作の自車ホーネットがプレイヤーキャラクターとして出場している。
    直立した状態でタイヤを飛ばして攻撃する」、「『ファイティングバイパーズ』の仕様に合わせたアーマー制」という色々と前代未聞の光景が見られる。BGMもしっかり初級コースのボーカル入り。
  • 同じくセガのミニゲーム集『イチダントアール』では「デートなUFO」なるミニゲームが登場。ミニゲーム自体は特に一切関係無い内容だが、同作は光吉氏がタイトルボイスを担当している。
  • また、セガから発売されたSS用のアクションRPG『シャイニング・ウィズダム』にも、特定アイテムを持っているとゲーム内ミニゲームとしてトップビュースタイルのタイムアタック式レースゲーム「どいてなUSO」がプレイできる。
  • 発売から20年以上が経過した現在でも世界的に根強い人気を誇る本作であるが、2000年頃にセガは「デイトナ」の名称使用権利を米国の大手玩具メーカーであるハズブロ社に売却したのが起因で一切のリリースが途絶えていた。*6
    • その後2009年には基板に当時の汎用CGシステム基板「RINGWIDE」を使用した第1作目(アーケード版)のHDリメイク作品『SEGA RACING CLASSIC』のロケテストが、都内のゲームセンターで実施されていた。
      //このタイトルのリリース目的は単に『デイトナUSA』の復刻の他、欧米で今も稼働し続けている第1作目、2作目(何れもアーケード版)の筐体リプレイスである*7。 残念ながら海外向けの作品となっており、日本稼働はお蔵入りとなってしまい*8、日本のプレイヤー達は全国に細々と点在する数少ないオリジナル版の筐体に通い詰める日々を送る羽目になっていた。

移植

  • AM2研自らの手により、まずセガサターンに移植された
    • ハードの特性により、グラフィックはAC版と比べるのが酷なお話だが、操作感等のゲーム性はできるだけ損なわないようにしてある。
      またオリジナルモードが追加されており、自車は性能の異なる様々なホーネットだけでなく、上級コース背景の「馬」まで使える。
  • 2011年にはPS3とXbox360で配信。高画質対応、各種ハンコンにも対応し、比較的ACと近い感覚で遊ぶことができる。詳細は後述。

PS3・Xbox360版

ジャンル レース
発売・開発元 セガ・エンタープライゼス
対応機種 プレイステーション3(PSN)
Xbox360(XBLA)
発売日 2011年10月26日
定価 【PS3】900円(5%税込)
【Xbox360】800MSP
判定 良作

概要(PS3・Xbox360版)

  • アーケード版『デイトナUSA』の家庭用移植版。移植作品としては『デイトナUSA2001』以来11年振りとなる。
    • PS3版・Xbox360版ともにダウンロード専用で販売されている。
    • 360版は後方互換にも対応したためXboxOneなどでもプレイ可能。

評価点(PS3・Xbox360版)

  • HDリマスター化されグラフィックがAC版以上のレベルになっている。
    • 車の挙動もほぼ忠実に再現されているといってよい。GTフォースPro・ワイヤレスレーシングホイールなどのステアリングホイールにも対応しているので、アーケードのシートに乗ったような感覚でプレイすることが可能となっている。
    • アーケード版が稼動開始した1994年以来、実に17年越しの完全移植となった。
  • オンライン要素の追加。
    • 最大8人同時対戦が可能。
      • 車のカラーリングはAC版の通信プレイのように最大8色から各プレイヤーに振り分けられる。
      • 残り時間は1位がチェックポイントを通過した時に加算されるが、1位のプレイヤーがゴールすると無条件で残り時間が5秒になる。
    • 「スコアボード」機能が搭載。自己ベストタイムに挑戦する「タイムトライアルモード」と後述の「サバイバルモード」に対応している。
      • 自分のベストタイムを登録することで、世界のプレイヤーのうち自分がどの位置にいるかを知ることができる。
      • ランキング上位者のリプレイを好きな視点で再生することもできるので、走りの研究にも最適。
  • 「カラオケモード」が収録されている
    • なんと「Let's Go Away」のオリジナル版が歌詞つきでカラオケできてしまう。購入者を驚愕と爆笑の渦に巻き込んだことだろう。
    • サントラCDに収録されたアレンジ版ではなく、「To、Day、To、Day…」がしっかり表示される。そして最後まで聴くと、なんと銀トロフィーor実績が解除される。
    • そしてセガ公式チャンネルの販促動画で、話題となった歌うBGMの当のボーカル、光吉氏本人がこのモードで運転しながらノリノリで熱唱した
  • その他の追加要素。
    • さまざまな課題に挑戦する「チャレンジモード」。
      • デモプレイを見ながらドリフトやロケットスタートなどの基本操作を学ぶことができる。前述の通り、上級チャレンジとして初級ピットショートカットの練習コーナーも収録されている
    • 「タイムアタックモード」に巻き戻し機能が搭載。特定のコーナーを集中的に練習することができる。
    • ドリフトやオーバーテイクなどで残り時間を加算させていきながら、タイムアップまでの走行距離を競う「サバイバルモード」。
      • タイヤのグリップ力が徐々に無くなっていくうえピットイン中も容赦なく残り時間が減っていくので、的確なピット戦略が要求される。
  • トロフィー/実績のコンプリートが非常に簡単。ラストリベリオン』並と言えるか。
    • 後述の難易度は不問な為、やる気さえあれば1日もあればコンプリート可能なレベルな程取得条件が簡単である。

問題点(PS3・Xbox360版)

  • サバイバルモードのスコア(走行距離)がインフレ化。
    • 最大の原因は残り時間加算要素の一つ「ON THE EDGE」。コースの端に合わせて走行するだけで断続的に2秒ずつ加算される。
      • これを最大限活用することで残り時間が一向に減らず、半永久的に走り続けることができてしまう。
    • 一応初級は80周、中級は40周、上級は20周すれば強制的に走行距離計測が終了するが、ゴール直前でターンして逆走することでさらに走行距離を伸ばすことができるせいで、インフレ化の歯止めにはなっていない。
  • オンライン対戦追加の煽りを受けてか、SS版初代同様に画面分割ローカル対戦が収録されていない。
    • オンライン対戦追加と引き換えにローカル対戦がカットされるのは近年の家庭用ゲームではよくある現象だが、前述の通り現在ではオンライン対戦が過疎化している中で一人プレイで対戦台カラーのマシンが選べない上、ローカル対戦でも対人戦を楽しめるのに加え対戦台カラーのマシンを使用可能、といったフォローも無い。
  • アナコンでの操作に多少慣れを要する点。
    • V.R.ボタンやH型シフトゲートの割り当ても完全再現されているが、アクセルやブレーキ操作がL2・R2/LT・RTボタンで行う為、他のカジュアル系レースゲームに比べてやや特殊な操作を要求される。
      • ハンドル操作が左スティック固定にもかかわらず入力方式がデジタル固定でパッドでの操作性にて批判を浴びた同社の『頭文字D EXTREME STAGE』とは違い、本作ではきっちりとアナログ方式に対応し微調整が利く為、慣れてしまえば特に問題はない。
        とは言え、キーコンフィグで十字キーでも操作可能にするなど、左スティックでの操作に慣れないプレイヤーへのフォローは欲しかった所。
      • アクセルやブレーキがRT/LTへの割付になっているのも、XBOX系では「プロジェクトゴッサム」からスタートしたPGRシリーズを筆頭に、ストロークの長いトリガーに繊細な操作を要求されるアクセルブレーキを割付するというのがデフォルトになっていた。
        それを×アクセル□ブレーキがデフォルトのPS系プレイヤーを考慮せずに、そのままR2/L2に割り振ってしまったのが問題になる。
  • ボリュームが薄く、これと言った隠し要素も収録されていない。
    • そもそもアーケードのベタ移植+αであり値段を考えれば充分な内容ではあるものの、DLCで新コースやSS版のおまけ要素(性能の違う車を選択出来たり、UMAが使えたりetc)などを出して欲しかったという声も少なからずある。
  • その他の問題点
    • 現在においてはオンライン全国対戦が過疎化している一方で、今もなおオンでプレイしている数少ないプレイヤーは上位ランカーを始めとするかなりの上級者がほとんどである。
      • そのため最近になって購入したプレイヤーの場合「ある程度腕に自信がついたからオンライン対戦に挑戦」→「ライバルが思った以上にとてつもなく速すぎて連戦連敗」といったこともザラに起きる。

総評(PS3・Xbox360版)

長い年月を経てここに完全移植を果たした『デイトナUSA』のコンシューマー版。
900円(800MSP)と安価なこともあって、往来のファンを中心に非常に高い評価を得ている。
当時アーケードでプレイしていた人への歯ごたえはともかくとしても、初めてプレイしてみたい人にもお勧めできる作品である。
あの時アーケードで完走すらできなかった、エンディングが見られなかったという人も、達成できなかった目標にご家庭でもう一度挑戦してみてはいかがだろうか。

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最終更新:2022年12月10日 20:38

*1 元ネタのデイトナインターナショナルスピードウェイと同じ3つのコーナーの楕円上のコース。

*2 権利表記が©SEGA 1993となっている他、デモ画面やレーススタート時の視点、一部表記などが後期ROMと異なる。後期ROMの発売後に殆どの筐体が後期ROMに置き換えられ、現在では非常にレア度の高い「幻のバージョン」と呼ばれることが多い。

*3 同氏はそれに付け加えて「なので『マッハブレイカーズ』でタイトルコールを歌わせた」とも発言している。

*4 逆走ゴールをしてした場合、ランキング画面の記録で「R」のマークがつく

*5 2度目の警告時は1度目の時よりもボイスの音量がでかくなる

*6 DCにてリリースされた『デイトナUSA 2001』にハズブロ社のロゴや著作権表記が存在する理由がこれである。

*7 これは単に製造部品の打ち切りによるアフターサービス対応が困難になってきたほか、筐体自体の老朽化による安全面の対策も兼ねている。

*8 そもそも実際に国内のロケテで出展されていたのは英語表記の海外版ROMであった点から、初めから海外市場での稼働を前提に制作されていた可能性が高いと思われる。また日本市場で稼働させた場合、同社のアーケードRCG作品の主力である『頭文字D ARCADE STAGE』シリーズの客層を奪われるのは明白であり、これを防ぐべく稼働を見合わせたとの説もある。