絶体絶命都市2 -凍てついた記憶たち-

【ぜったいぜつめいとしつー いてついたきおくたち】

ジャンル サバイバル・アクションアドベンチャー
対応機種 プレイステーション2
メディア DVD-ROM 1枚
発売・開発元 アイレムソフトウェアエンジニアリング
グランゼーラ(ゲームアーカイブス版)
発売日 2006年3月30日
定価 7,140円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:15才以上対象
廉価版 アイレムコレクション
2008年2月7日/2,800円(税込)
配信 ゲームアーカイブス
2015年2月18日/1,000円
判定 なし
ポイント 水害で沈みゆく街の群像劇
グラフィックや表現は○
豊富な選択肢
頻発する処理落ち
絶体絶命都市シリーズ : 1 - 2 - 3 - 4Plus


概要

アイレムが送り出したサバイバルアクションゲーム『絶体絶命都市』シリーズの第2作となる作品。
災害を生き延びるコンセプトは同様だが、「地震」を扱っていた前作に対し、今作は大雨による洪水や濁流と言った「水害」をテーマとしている。
それに伴って舞台も初夏の島から真冬の地下都市へと移っており、基本システムは踏襲しつつもゲーム性は大きく変化している。
また、今作では複数主人公制を採用しており、立場の異なる主人公の視点を描く群像劇の構成となっている。


あらすじ

首都島の壊滅から数年。
失われた第3首都の座は空席のまま、都市開発の波は激しさを増し、様々な都市に及んでいた。
ここ、富坂市もその一つ。

四方を山と海に囲まれた地方都市、富坂市。
この街を変えたのが、限られた土地を有効かつ計画的に開発する地下都市開発計画「ジオフロンティア計画」。
この計画は、富坂市に飛躍的な発展をもたらした。
今もなお、その勢いは留まるところを知らない。

そして2010年12月、ジオフロンティア計画の第1期工事が完了する。
この日から、富坂市は地上と地下を融合させた都市「ジオシティ」として本格的に歩み始める。

折しもこの日はクリスマスイブ。
季節外れの大雨は祝福の雨か、それとも…
(説明書より抜粋)


特徴

  • 今作の舞台は前作から5年後、真冬の地方都市「富坂市」が舞台。都市開発競争が進む中、限られた土地を有効活用するべく発案された「ジオフロンティア計画」によって、地上と地下を融合させた人口約118万人に及ぶ巨大都市「ジオシティ」に発展した。
    • しかし連日降り続いた豪雨によって市内を流れる川が決壊。大規模な浸水によって地下都市の陥没事故が多発し、ジオシティは崩壊・水没していく。
    • 今作はこの大水害に見舞われた絶体絶命の富坂市にて生き延びることを目的とするが、必ずしも「都市からの脱出」を目指すとは限らない。
  • 今作では主人公が5名(+隠しキャラ1名)存在し、それぞれが全く異なる立場・視点から同じ災害の中で生き抜いていくオムニバス方式となっている。
    • 主人公はプレイヤーが任意に選ぶのではなく、予め決められた順番でプレイしていく。
    • 一度エンディングを迎えた後は任意のシナリオのみをプレイする「フリーゲーム」が追加される。
+ シナリオ紹介(後半のネタバレ含みます)
  • 第一話「篠原一弥」
    • ジオフロンティア計画の完成祝賀記念式典のパーティー会場でウェイターのアルバイトをするため街に来ていた、大学生の篠原。仕事を行っている最中に、チーフウェイターから大雨で市内を流れる羽代川が決壊したとの情報を告げられる。
    • チーフの命令で客の誘導に奔走している最中、大規模な水害が発生。同じくアルバイトをしていた藤宮春香と共に更衣室に取り残されてしまう。篠原は藤宮と共に地下からの脱出を図る。
    • 第一話ではあるが、最も長いシナリオ。災害から逃げ回って脱出を目指すオーソドックスな内容であり、回る場所は非常に多くその分災害に巻き込まれやすいため死亡ポイントはかなり多い。ただし、中盤で街から脱出することも可能。
    • また、他のキャラと絡む場面が多く、篠原の取った行動が後の主人公の攻略時に大きく影響することも多い。
    • 特殊技能は「暖めあう」で、同行者である藤宮と暖めあうことでTPを回復できる。ちなみにこの時の反応は藤宮の好感度によって変化する。
      • 厳密には藤宮とTPを平均化する。そのため、藤宮のTPが低い場合は逆にTPを奪われる。本作の同行者はTPがゼロになる事は無いので、使い所次第ではただデメリットしか無い場合もある。
  • 第二話「佐伯優子」
    • 会社の人間からの書き付けで兄である佐伯聡のマンションを訪れた優子。しかし、そこで目にしたのは殺害された兄の姿だった。さらに、突然駆けつけた警察に殺人の罪を着せられ逮捕されてしまう。
    • しかしその後、災害で収監された警察署が崩壊し、脱走に成功する。佐伯は自らの無実を証明するため、偶然出会った田辺知事の秘書である青山透と共に水没しつつある街を探索する。
    • 第一話に次いで長いシナリオだが、第一話に比べ死亡ポイントは少なめ。ただし、佐伯は凶悪犯として扱われているため、市民の誘導に当たっている警官に見つかると即座にゲームオーバーとなるという制限がある。
    • なお、警官に見つかった場合でもゲームオーバー画面で消息不明となるのは本来ツッコミどころだが、とある人物の言動を考えるとむしろ納得である(後述)。
    • 冒頭で手錠を填められてしまうため、ぶら下がりができないと言った一部制限がある。ただし、着替えは可能である。どうやって着替えているのかなどと突っ込んではいけない。*1
    • 特殊技能は「出来心」。使用することで街にいるキャラからアイテムを盗む事が出来る。本当の犯罪者になります。と、説明にあるが別にペナルティは無い。この方法でしか手に入らないアイテムもある。
  • 第三話「柘植明」
    • タクシー運転手の柘植はコンビニでいつものように立ち読みをして暇つぶしをしていた。業務に戻り、偶然コンビニで乗せた作業員風の客を韮沢ジオセクションまで送り届けると、今度は記者の本多涼子が乗り込んでくる。
    • 本多は持ち合わせがないにもかかわらず「着払いで払う」と言い張り、結局連れて行くことになる。その後、事件の調査に半ば無理やり協力させられ、様々な場所を巡らされることになる。
    • 運転手という職業柄、移動はタクシーを使うことになる。探索シーンは少なく、主にタクシーによる移動がメイン。山道や川を突き抜けたり、建物内をタクシーで走り回って水害から逃げる迫力のあるシーンもある。
    • タクシーに乗っていれば雨風は防げるし、ヒーターを使っていつでも回復が可能。一見、楽なプレイが出来そうだが、壁などにぶつける度にタクシーは壊れていき、走行不能に陥ることこそ無いものの最終的には窓が割れて雨風が入り込むようになる上に回復も不可能になってしまう。こうなるとアイテムを使って補強するか、非常に目立たない場所にある修理屋に行かなければならない。
    • 特殊技能は「カーラジオ」。固有の移動手段であるタクシーに乗っている時のみ使用可能で、災害情報とバラエティの2種類を聞くことができる。
      • どちらも時間帯によって放送されている番組が異なる。
  • 第四話「西崎佳奈」
    • 富坂商業高校に通っている西崎は内向的な性格のせいか、同級生の桜坂綾乃に毎日のようにいじめられていた。災害が起き、避難勧告が出ている日も例外ではなく、綾乃たちに掃除用具入れに閉じ込められ、避難しそびれてしまう。掃除用具入れから出た時*2には既に大半の生徒が脱出した後。西崎は残って生徒を探していた教育実習生の比嘉夏海と共に避難場所である体育館へと進む。
    • 最終話を除けば最も短いシナリオ。死亡ポイントもほとんどなく、難易度はかなり低い。
    • 特殊技能は「おもいで」で、特定の場所に来たり物を調べると西崎の思い出が蘇えり、このコマンドを使うとこれらをいつでも回想できる。
      • ちなみに、思い出の内容は「トイレにいたらバケツの水をかけられた挙句学校に来るなと罵られた」「貴女の存在自体がイライラすると罵られた」「何もしていないのに土下座を強要された」など。思い出と言うよりトラウマに近い。
  • 第五話「速水裕司」
    • 災害の渦中*3、目覚めた青年。彼は災害によって負った頭の傷のせいなのか、記憶を完璧に忘れてしまっていた。自身を「速水裕司」と呼ぶ成瀬沙耶と一緒に、記憶を取り戻すため思い当たる場所を巡ることになる。
    • ある程度災害が広がっている状況から始まるためか、エアベッドやゴムボートなどを使った移動シーンが多い。また、他のシナリオに比べあたたまりポイントや回復アイテムが少ないため、難易度は若干高い。
    • 特殊技能は「記憶を思い出す」で、様々なイベントで手に入る記憶の欠片を繋ぎ合わせて、自分の名前や性格など色々なことを思い出せる。後半ではこれを行うことが必須となる。
      • パチプロ風雲録4 ~銀玉殺人事件~』に登場した推理エディタを簡略化したようなものである。あちらは起点から結論までをピースで繋ぎ合わせるものだったが、本作は全てのスペースをピースで埋める形となる。
      • 記憶の欠片にはネタ要素もあり、繋ぎ合わせる情報によっては全然違う記憶が完成することもある。それは思い出すというより自分で記憶を作っているというのではないだろうか…?*4
  • 最終話「篠原一弥・須藤真幸」
    • 第一話で篠原が富坂駅まで辿りついているかどうかによって主人公が変わり、篠原が途中で街から脱出していた場合、前作主人公の須藤が操作キャラになる。
    • 詳細は隠すが、目的はどちらも同じで「水没する駅からビルに逃げ込み、メディアタワーの頂上にたどり着く」だが、須藤の場合、足を負傷しており移動速度が非常に遅いというデメリットを負っている。なお、水没のスピードも空気を読んで遅くなるので難易度が大きく変わるということはない*5
    • 須藤の特殊技能は「解き明かす」で、様々な情報を集めそれを繋ぎ合わせて謎を解き明かすというもの。ただし、やることは速水と同じである。これをやったか否かで結末が変わるが、完成させるには条件がある*6
  • 主人公がとった行動が別の主人公のシナリオに影響を与える「主人公相互干渉効果」というシステムを搭載しており、主人公同士の思いと行動が交錯する様を描き出している。
    • 例を挙げれば、「スプリンクラーを作動させてしまった事で警官が出現し、その場に居る別の主人公の行動に制限がかかる」「主人公が他の主人公に手を貸すことで、もう一方の主人公の攻略が楽になる」など。
    • 中にはかなり後になって干渉効果が発覚する物や、攻略・他主人公のエンディング条件に直結するような物もある。
  • 不要なアイテムをゴミ箱や「回収おじさん」という謎の人物に預けておくと、後に別の主人公がそれを回収することもできる。
    • ゴミ箱は当然入れたそのゴミ箱からしか回収できず、他の主人公がそこを訪れるかどうかもその時点では分からないので、受け渡し目的で利用するのは得策ではない。以降の主人公にアイテムを渡したい時は回収おじさんを頼るべき。
      • 但し、回収おじさんの登場頻度は決して多くは無く、1シナリオにつき1~2回がいい所。見掛けたら要件は全て済ましておこう。
  • 前作の「喉の渇き(QP)」に代わり、今作では「体調(TP)」を管理する事が重要となる。
    • 舞台は真冬の都市であり、その上雨や水しぶきなど服や体が濡れる要素がそこかしこに存在している。体が濡れた状態で放置しておいたり、雪が降っているような寒い場所にいるとTPが減少(体調が悪化)して動きは緩慢に、視界も悪くなっていき、TPが尽きると「行き倒れ」てしまいゲームオーバーとなる。
    • 濡れの度合いは水滴のアイコンで表示される。水滴が多いほど濡れている事になり、TPの減少が早くなる。乾燥時は「DRY」と表示される。また、主人公達の服や髪などの外見にも反映される。
      • 前作同様、揺れが起きた際に踏ん張らないと転倒してダメージを受けるのだが、今回は濡れた場所で倒れると一気にびしょ濡れになってしまうため、前作以上に転倒には気を付ける必要がある。
      • 傘、雨ガッパといったアイテムを装備すれば濡れを抑える事ができる。ただし、これらを装備したまま飛び降りたりジャンプしたりと激しい行動を取り続けると壊れてしまう。
    • 前作のような体力ゲージ(HP)は存在せず、転倒や落下でダメージを受けるとTPが直に減少する。TPがそのままHPの役割も果たしているため、本作は「主人公の状態に応じてHPが徐々に減少する」ゲームという解釈で良い。簡単に言えば、居るだけでどんどん毒が悪化していくフィールドを探索するようなものである。
    • 体調は使い捨てカイロや救急セットで回復/維持できる他、ストーブや焚き火などの「あたたまりポイント」で暖まる事で服の乾燥と体調回復が一度にできる。厨房のコンロすらもあたたまりポイントになり得る。
    • あたたまりポイントはセーブポイントも兼ねているため、要所要所に設置されている。
      • 鍋やフライパンなどの調理器具を持っていれば「食事」も可能で、カップラーメンやレトルトカレーなどの食料アイテムを消費してTP自動回復の効果を一定時間得ることができる。水道の無い所では雨水でも使っているのだろうか?
      • しかし、中には濡れて使い物にならなくなっていたり、燃料切れのため燃料を探してこなければならない物も存在している。
    • アイテムの中でも「カセットコンロ」や衣装を解体した「可燃ゴミ」は使い捨てのあたたまりポイントとして利用可能。但し、前者はガスボンベが、後者はライターが必要。
  • 前作同様、深い水に落ちてしまったり、高所から落下してしまうなどすると即ゲームオーバーとなる。これらは少しの操作ミスで落ちることも多々あるので、気を抜かずプレイする必要がある。
    • 急に足場が崩れる・物が上から降ってくるなどの初見殺しも多いため、何度も死にながら進めることになるだろう。
  • エンディングは、選択肢や行動によって変化するマルチエンディング方式。エンディングによっては、主人公が死亡ないし消息不明となることもある。生還しても逮捕されてしまう、なんて結末も。
    • また、どのようなエンディングを迎えたかによって他の主人公のエンディングが変化したり、新たな主人公が出現する事もある。そのため、隠し要素の開放のためにはベストエンド以外のエンディングを迎える必要があることも。
    • シナリオを一つクリアする度、今クリアしたシナリオのまとめが、主人公またはその同行者のモノローグという形で挿入される。
    • これは本作サブタイトルにもなっている「凍てついた記憶たち」としてシナリオ毎に5つまで保存可能であり、スタートメニューから自由に閲覧できる。
      • ネタ選択肢もちゃんと拾うので、時には抱腹絶倒ものの回想になる事も。
  • 前作同様、チュートリアルモードも搭載されているが今回はストーリー仕立てになっており、「富坂市民災害センター」という施設で災害の疑似体験をするという設定になっている。操作キャラは第一話と同様に篠原*7
    • 5つの部屋を(最初以外)好きな順番で巡るが、どの部屋も最奥部にいるマスコットキャラのジオくん(CV:阿澄佳奈)に話しかける事でクリアとなる。
    • すべての部屋をクリアすると部屋ごとの成績が集計され、成績に応じて称号が与えられる。また、初めてチュートリアルをクリアした際には「市民災害センターコンパス」というコンパスを入手できる。
    • 操作に失敗してダメージを受けたか否か以外にも、クリアまでのタイムも成績に反映されている。最高評価を出すにはかなり急ぐ必要がある。
      • なお、各部屋の成績は部屋前で観察している男性の台詞から大凡分かるようになっている。最高点を出せていれば「僕が見た中で一番○○だったよ」と評される。

評価点

  • 被災地の表現。前作よりもグラフィックが進化している事もあり、常に緊張感に満ちたプレイとなる。
    • 前作ではゲーム開始時には既に街はほぼゴーストタウンと化していたが、本作は災害発生時のパニックや避難する人々の様子などをよりリアルに描いている。
    • BGMもかかる場所が少なく、多くの場所では雨音や足音といった効果音のみが響き渡る。これも被災地の緊張感を再現する事に一役買っている。
    • 突然の鉄砲水や濁流など、ダイナミックなアクションシーンも多数存在する。こう言った場面ではしっかりBGMが流れてプレイヤーに緊迫感を与える。
    • キャラのポリゴンも進化。2006年のPS2ソフトしてはあまり高品質とは言えないが、それでも前作よりは格段に良くなっている。今回はちゃんと口パクもある。
  • 操作性の向上。
    • 一部の場所を除いて右スティックによる視点操作が可能になり、周囲を見渡しやすくなった。また、ぶら下がり状態から下に飛び降りることも可能になり、探索しやすくなった*8
    • 走る際もスティックを軽く倒すと駆け足、大きく倒すと全力疾走になり、使い分けが可能に。災害から逃げるシーンでは緊迫感も出る。
    • ふんばり状態で移動する事で、四つん這いでの移動も任意に可能になった(前作では必要な場面で自動で行っていた)。
      • ロープや手すりなどの傍で「ふんばる」ことで掴まるのは前作同様だが、今作では突然の急流で吹き飛ばされる箇所や激しい水流の中を進むシーンも多いので重要なアクションとなっている。
    • 「叫ぶ」もストーリー上で必須の場面が幾つか存在する。時にはただ叫ぶだけでは駄目な場合も。
    • 泳ぎは不可能になったが、水に身を浸す事自体が命取りな今回の設定を考えると妥当だろう。
  • テーマとシステムの上手い絡め方。
    • 前作の地震と渇きというオーソドックスな題材に対して今作は水害と体調という変化球を攻めており、その上で濡れ、着替え、食事など、舞台設定を上手く活かしたシステムとなっている。
    • 「あたたまりポイント」は、暖を取っただけで瞬時に服が乾く、前作の水道に比べると配置が自然ではない*9など、リアリティ面では前作に劣るゲーム的な都合の大きいシステムではあるが、水害という珍しいテーマをシステムに落とし込んだ稀有な例である事は確かである。
    • 前作ではHPの重要性が低かったが、今回はTPと一纏めにした事で常に減少の危険性に晒されるため即死ばかりに気を付ければ良い訳ではなくなり、新たな緊張感が生まれた。
  • 豊富な収集要素。
    • マップのあちこちに収集要素がちりばめられており、災害という危機的状況ながら隅々まで探すのが楽しい。
    • 前作同様に「コンパス」が存在し、まさにコンパスといった普通の物からゲーム内容にちなんだ物、ネタに走った物、さらにはアイレムに関係する別ゲーネタまで幅広くカバーしている。
      • リストの最後に入るコンパスはなんと「絶体絶命都市3のコンパス」である。製作陣の次回作に対する熱意が窺える*10
    • 今作では「装備品」の収集要素もある。こちらも雨ガッパやコート、ゴム長靴、婦警服*11など実用的な物もあれば、サンタ服やナース服、はたまたネコ耳やアフロヘアーなどのネタ装備品までかなりの数が存在する。
      • もちろん、そういったネタ装備品を装備していてもゲームは普通に進行し、シリアスなシーンではふざけた格好のままシリアスに進む。それがたとえ、黒幕との直接対決の真っただ中であろうとも…。
      • 装備のカテゴリも、上下で個別に設定できるのはもちろん、頭・顔・手・足・と、非常に細かく装備できる。次回作以降は種類の豊富さと引き換えに、上下や靴がセットになって自由度が下がっているので、本作ならではの要素である。
      • 同行者に渡して着せる事も可能。鼻眼鏡だろうがネコ耳だろうが装備可能な品であれば喜んで装備してくれる。
      • なお、装備品は基本的に装備することで寒さに強くなるため、ネタ装備でも決して何の役にも立たないわけではない。ふざけた外見だがサンタ服は見かけ通り防寒性能が高いなどの利点もある。
      • その他、「解体」することで可燃ゴミにすることも可能で、ライターさえあれば燃やしてTPを回復&乾燥もできるため、ゲームを進めて行く上でも装備品の収集は重要になる。
      • クリア後は一度でも入手した装備品はゴミ箱から無制限に取り出すことができる。好きに着替えられるのはもちろん、回復アイテムが無限に手に入るということでもあるので取り逃した要素の探索もしやすくなる。
    • 隠しアイテム的要素の「宝石」もある。これは前作から引き続き登場の宝石女*12こと竹辺幸にアイテムを渡したり会話したりすることで入手でき、5人の主人公で5つ全て集めるとささやかなご褒美がある。
  • ストーリー性の向上。
    • オムニバス形式になったことで、様々な思惑が交錯する複雑なストーリーが描けている。
    • 個々のシナリオの密度は前作より下がっているものの、あるキャラの行動の理由が別の主人公で明らかになったり、前のシナリオでの出来事が意外な所に繋がったりと、群像劇ならではの物語構成が魅力。2周目のプレイでは新たな発見もあるだろう。
    • また、シナリオが増えたことでボリューム自体も増加。総合的には前作よりも長いストーリーとなっている。
  • 選択肢の高い自由度。
    • 前年に発売された同社の『ポンコツ浪漫大活劇バンピートロット』の特徴を継承しており、明確に主人公のキャラクターが固まっていた前作と違って本作の主人公達の振る舞いのほとんどは選択肢に委ねられる。その中に明らかにその場の雰囲気や展開にそぐわない、いわゆる「ネタ選択肢」が大量に存在する。
    • 「娘(春香)に代わってくれ」という電話に対し「私が春香よ」と返答する(この時の主人公は男性)、今まさに命の危険にさらされている人物からの救助要請に対し「チップを弾むなら」と言い放つ、何故兄を殺したと言う刑事の問いかけに「兄の財産目当てよ!」と言い放つなど、言動が外道そのものな選択肢も多い。
    • 台詞以外にも、客に届ける冷水を雨漏りの水と入れ替える、高架橋からぶら下がっているコック長からコック帽子を取り上げる、足が挟まって動けない教育実習生にサラダ油を塗ったくるなど、明らかに常軌を逸した行動も取れたりする。
      • こういったネタ選択肢を選ぶと、担当声優の熱演・怪演が聞ける。通常プレイに飽きたらどうぞ。
    • 特に、いじめを受けていた主人公の1人「西崎 佳奈」が、命の危機に瀕しているいじめの首謀者を前にして言い放つセリフは必聴。「すぐに助ける」「今までのことを謝るなら助ける」「冷やかに見下ろす」「拒む」と言った中に「罵る」があり、その選択肢が異様に多い。その内容も「いつまでもそこで寝転んでるがいいわ!」「遺言があるなら、聞いてあげますよ」「もうすぐ私に会わなくなるから嬉しいでしょう?」など、半端ではない。
      • 助けるか見捨てるか罵るかの選択は二度あるのだが、一度目に罵る時には個別に選択するのが面倒な人のために「まとめて罵る」(すべてのセリフを1回ずつ言う)という選択肢もある。公式が病気である。
      • そして、最後はこのいじめの首謀者の生死はプレイヤーに委ねられる。「許さないが見捨てもしない」という王道プレイの他、「散々罵った挙句見捨てる」という鬼畜プレイも、「すべて許して命を助ける」聖人プレイも、散々罵倒しておいて最後の最後で度量の広さを見せて許すといったツンデレプレイもできる。
      • ただし、最後の場面で見捨ても助けもしないでいつまでも罵り続けると、逆に主人公が報いを受ける羽目になる。珍しい因果応報である。
    • 通常の選択肢でも、例えば何か依頼を受ける時にもそれを使命感を持って引き受けるのか、嫌々引き受けるのか、敢えて断るのかと言ったように細かい態度を選べたりもする。
+ さらにはクライマックスでも…(少々ネタバレ)
  • 終盤、黒幕と対峙するシーンでは銃を突きつけられ、殺人ウイルスを渡すように迫られるのだが…。
    • ここでもはっきり拒む主人公らしい選択肢の他に、「快諾してあっさりと返してしまう」「返す代わりに見返りを要求する」などといった外道分たっぷりの選択肢や、「自分だけの物という理由で引き渡しを拒む」というマッドサイエンティストのような返答、さらには「仕方がないので返す」と最後の最後でヘタレる選択肢まである。当然これらの選択肢を選ぶと、それに応じてストーリーが進行し、選択肢によってはそのままエンディングを迎える。
      • さらには、黒幕の動機を聞いた後には「黒幕の思想に同調し、忠誠を誓う」という選択肢まである。「むしろ悪役に同情したくなる」という人向けの選択肢まであるとは…恐るべし。
    • ちなみに、黒幕が正体を現した際にはその人物の名前を選ぶ選択肢が出てくるが、ここで登場する選択肢には正解のほかに名ありの男性キャラの名前がほぼ全て出現している。正解以外を選んでもゲームは進行するが、全力で別人の名前を叫ぶ主人公と冷静にツッコミを入れる黒幕の図はもはやコントにしか見えない。
  • この特徴は本シリーズの他、パチパラシリーズ収録の『パチプロ風雲録』や『R-TYPE TACTICS II』など、以降の九条一馬プロデューサーが関わるアイレム作品、およびその後身であるグランゼーラ作品へと更に継承されて行った。
    • 主人公の振る舞いは大半が選択肢に委ねられるので、本編での主人公自身のキャラクター性は薄めだが、オブジェクトを調べた際にはなかなかに個性的なコメントを返してくれる場合もある。第3主人公の「柘植 明」は特にユニーク。

バカゲー要素

  • 前述の選択肢やコスチュームに加えて展開や演出もバカゲー要素が高い。
  • 上述したチュートリアルは、操作やシステムの説明が主だが、この時点で既にツッコミ所満載である。
    • 「主人公の全力ジャンプでやっと崖の淵につかまれる程度の幅と、数mはあろうという高さのある谷間を飛び越えさせる*13」「肘ぐらいの高さのフェンスがあるにもかかわらず「手が滑った」とバケツの水を主人公に降り注がせる清掃のおばちゃん」「梯子を上ったり、細い足場をつたってようやくたどり着けるような場所に平然と移動しているジオくん」など、中々にツッコミどころに溢れた仕上がりとなっている。
    • というか、4部屋目以降の部屋は失敗すれば普通に負傷、運が悪ければ命を落としかねないような構造である。リアルな災害を体験するという意味では決して間違っていないのかもしれないが、安全面には大いに問題があると言わざるを得ない。
    • 評価を教えてくれる男性は、上述のおばちゃんに水を掛けられる部屋で最高評価を出すと「僕が見た中で一番(水を)被っていたよ」と言う。それは成績に関係あるのだろうか…?
  • メイン主人公の篠原は女性を担ぎながら手だけで綱を渡ったり対岸にジャンプするなど単なるバイトの学生なのにレンジャー部隊か自衛隊並で、笑えるほどの体力の持ち主である。さらに、篠原と同じように壊れた高速道路から落ちた料理長が息子の写真を見て死んだ後、篠原は一人で高速道路の柱にロープなしで登り、汗もかかずに頂上にたどり着く。なんという身体能力...。
    • 西崎も篠原ほどではないが、気弱ないじめられっ子は演技だったのかと思えるような「SASUKE」ばりの行動を取ることもある。
    • ただのタクシー運転手のはずの柘植も、時にはアクション映画顔負けのカースタントを披露する。
    • 主人公以外にも、土砂崩れや鉄砲水に巻き込まれても何事も無かったかのように現れる秋本刑事、ダム決壊による濁流に呑まれても(場合によっては車に撥ねられても)平然と復活する辺見先生など、驚異的な生命力の持ち主がちらほら存在する*14
  • 篠原編ヒロインの藤宮春香には主人公への好感度とある人物への感情度が設定されており、それに応じて一部の展開が変化する。
    • 途中、篠原が高架から転落するシーンがあるのだが、ここで好感度が高いと「私のが!」と叫ぶ。水害発生まで篠原とはただのバイト仲間だったはずだが、ほんの数時間で急接近し過ぎ(或いは本人だけがその気になっているのか)である。吊り橋効果、恐るべし…。
  • 全体で見ると数は多くはないが、ネタに満ちたサブイベントも用意されている。
    • 特に篠原編冒頭のアルバイトは迷子を助けたり、○○を持ってきて欲しいという依頼を受けたり、ジオくんの着ぐるみを着られたり*15と、かなりきめ細かく作られており、大いに遊ぶ事が出来る。会場内でふざけた行動を取ると即座にチーフが飛んできて怒られるのも面白い。
    • なお、厨房にいるコックの中には更衣室の壁に穴を空けて女子更衣室を覗こうとしている男*16や、コック長(中年男性)の写真を大事にロッカーにしまっている男も居たりする。何なんだこの職場…。
  • ゲームプレイ面で。柘植編では、タクシーを運転しながらアイテムを入手することができる。どんなタクシー運転手だ…。

賛否両論点

  • ストーリー性が高まったのは良いのだが、その分「災害を生き延びる」という要素が薄い展開が増えた。
    • 「襲い来る災害からの逃亡・脱出」に重きを置いているのは第一話の篠原編だけで、他は「無実を証明する」「不正の証拠を掴む」「テロを阻止する」と言った目的のために被災地を駆け回る事になるため、災害から逃げるという点については副次的な要素になりがち。
      • 第四話はそういった大掛かりな目的こそないものの、後述するようにシナリオが短く、内容も「辛い思い出に浸りながら避難する」というものなので、緊迫感やサバイバル要素は薄い。
      • 敵に襲われるシチュエーションではほぼ毎回災害に助けられる*17ため、まるで恐怖の対象であるはずの災害を味方に付けているようなシナリオ運びも見受けられる。特に第二話が顕著。
    • また、前作でも陰謀渦巻く展開で風呂敷を広げ過ぎた事に対する批判はあったが、本作の被災地もまた大掛かりな陰謀が渦巻いている。上述した主人公達の目的もこの陰謀に関連した事である。
      • しかし前作が陰謀自体が災害に関係していたのに対し、今回は災害によって陰謀に狂いが生じたという形になっており、前作とは趣が異なっている。
    • これらにより、「災害から逃げるサバイバルアクション」としてのコンセプトが前作よりも薄まってしまった点は否めない。反面、展開に多様性を持たせて各シナリオを差別化出来ているのも確かなので、一長一短と言った所か。
  • 上述したネタ、バカゲー要素も「雰囲気を壊す」「重くなりすぎず楽しめる」などと賛否両論な面も。前作はバカゲー要素が少なかったので尚更である。
    • 『バンピートロット』や『パチプロ風雲録』のような作品ならともかく、大災害の渦中でこういう事をやるのは不謹慎ではないかと言う意見も、こういう状況だからこそ娯楽が必要という意見も、どちらも然りである。
    • ただ、これでも悪ノリが加速する次回作以降に比べれば、まだ健全な方である。以降が暴走し過ぎとも言えるが…。
    • それを別としても、選択肢が多い割には実質的には「すごく優等生」か「すごく鬼畜」の2択だったり、方向性が鬼畜に傾倒していたりなど、バランスの悪さが散見される。
      • 例えば、ヒロインが逃げ遅れた身内の心配をしているシーンで4択が出るのだが…
+ あなたはどれを選びますか?

「それは心配だね」

こんな状況じゃ助からないよね

「さっさと逃げればよかったのにね いい気味だ!

「他人のことなんか心配してられないよ!」

  • 中間など無い両極端ぶりに加え、一番目以外は犬畜生ものの返答である。一つ入れるのは分かるが、4分の3もぶち込む意味は一体…。
  • シナリオ紹介で前述した通り、篠原が途中で脱出すると最終話の主人公が前作の須藤に変わる。
    • 本来ならある場所を目指す藤宮に付き添い、それによって篠原は富坂市水没寸前まで街に残ることになって最終話へと続いていく流れなのだが、途中で篠原が街を去ることで最終話の操作キャラがいなくなるため、須藤が登場することなる。内容も事件を解き明かして脱出するというトゥルールート的なものなのだが…。
      + ネタバレ
    • 篠原編のストーリーが消化不良のまま終わるのは仕方ないとしても、篠原が脱出するには藤宮にボロクソに言って無理矢理ヘリに乗せる*18か、或いは藤宮を被災地に置き去りにする*19かしなければならない。
      • この「パートナーを見捨てて自分だけ脱出」エンドは前作から恒例であり、エンディングの一種としてはあって悪いものではないのだが、須藤編をプレイするためにこのような鬼畜選択肢を必ず選ばなければならないのは好みが分かれるだろう。
    • また、須藤が解き明かす黒幕の動機も、前話の速水編で黒幕自身から既に明かされている。謎を解くと言うよりは情報を整理するようなものであり、プレイヤーからすれば今更と思えてしまう。
    • そしてスタッフロールも、専用のED曲があった篠原の時と違い、何故か速水編のテーマである悲劇的なBGMが流れる。バッドエンドならともかくグッドエンドでも同じであり、カタルシスが感じられない。

問題点

  • 処理落ちが酷い。屋内は比較的症状が軽いが、屋外だとかなりの頻度で処理落ちが起きる。
    • 特に、雨の降っている場所は顕著。メニューを開いたり、アイテムを拾ったりするだけで数秒かかることも多い。
    • 須藤編は上述の通り主人公の移動速度が遅いのだが、これと処理落ちとの相乗効果でとにかく時間の掛かるシナリオになってしまっている。
    • PS3ゲームアーカイブス版でもこれは変わらない。
  • 後半になるにつれどんどん存在感が薄くなる相互干渉システム。
    • 干渉する/される人物に偏りがあり、その上後半になるにつれ「なくても構わない」程度の干渉しか存在しなくなる。後述のように本作のシナリオは尻すぼみ感があるため、必然的に後半での存在感が無くなっていく。
    • 第1主人公である「篠原 一弥」と、第2主人公である「佐伯 優子」の二名がほとんどの主人公と関わるのに対し、第3主人公の「柘植 明」と、第4主人公の「西崎 佳奈」はシナリオ中わずか2回しか他の主人公とかかわるポイントがない。
    • しかも、後者2名の干渉ポイントはシナリオに大きな影響を与えるものではなく、攻略難度に直結したりもしない。言ってしまえば存在しなくても何も問題がない。
      • 公式コンプリートガイドのスタッフインタビューでは「影響の少ない干渉ポイントを入れたのはどのポイントが大きく影響するか分からないという駆け引き感を出したかったから」という旨が語られているのだが、それにしても影響の大小が偏っていると言わざるを得ない。
  • 主人公毎にシナリオの長さのばらつきがある。
    • 特に第四話の西崎編は非常に短い。主人公の西崎自体も本筋のシナリオには全くと言って良い程絡まない、まるでおまけのようなシナリオである。
      • 最終話を除けば、他は作中時間で2日以上あるのだが、この第四話は一日(しかも昼過ぎから日没までの僅か数時間)で終わってしまう。舞台も学校の中だけで、他のシナリオとは比較にならないほど狭い。
      • 前半に発生する辺見先生とのチェイスだけは初見殺しだが、肝心の災害に襲われるシーンも極めて少なく、(チェイスイベントを除けば)自分で高所から飛び下りたりでもしない限りゲームオーバーになることはほとんど無い。結局、人間が一番怖いのか…。
      • 前作のサブヒロインだった比嘉夏海がパートナーということになっているが、彼女と行動を共にする場面自体ほぼ皆無で、西崎に追随するシーンすら無く、パートナーと呼んでいいかも怪しい扱いになっている。寧ろ、いじめっ子である桜坂綾乃の方が終盤で共に屋上を目指す分、よほどパートナーらしい。
      • ストーリー上の位置付けは第五話でキーとなるコンテナが舞台の高校に流れ着いていたという程度の関わりしか無く、また、空気を読まずいじめ関連の回想ばかりするので、災害についてもかなりおざなりになっている。寧ろ、女子高生を出したかっただけではなかろうか*20
    • 柘植編も西崎編ほどではないが短い。マップが広く、探索要素があるお陰で初見ではそれなりに掛かるものの、クリア手順を知っていると急がなくても1~2時間程度で終わってしまう。
    • 一番長いのが最初の篠原編で、以降は佐伯編、柘植編、西崎編とシナリオを進めるにつれて短くなっていくため、尻すぼみな感覚が否めない。
      • 第五話の速水編が佐伯編に次ぐ長さなのが救いだが、既に街の崩壊が進んでいるのと展開の都合もあって自由度は低く、サクサクと進んでしまう。
  • 作中で明かされない謎や消化不良な箇所がある。
    • 冤罪を着せられた佐伯を災害の中で追い続ける秋本刑事。彼は優子が犯人だと確信しているが、鉄砲水に流されようが土砂に飲まれようが執拗に優子を追い続け、逮捕どころか射殺までしようとするが、なぜ彼がそこまでして優子を逮捕もしくは殺害したかったのかは明かされないまま話が終わる。
      • 一応「今の刑法は生ぬるい」「この檻がなければ俺がこの手で」と発言するなど、優子と言うより犯罪者という存在に対して強い憎悪を抱いている事は早いうちに判明する。しかし、肝心の「なぜそのような考えを持つに至ったのか」という点は何ら明かされないまま退場してしまうので、強烈な行動の割にはキャラが浅い印象を受けてしまう。
      • このような言動のせいで警官に見つかってゲームオーバーになった際に、消息不明と表示されることに妙な説得力が生まれている。秋本刑事に消された*21のだろう。
    • 様々な主人公にかかわったある人物が、終盤に瀕死の重傷を負った状態で現れるのだが、こちらも全ての真実は明かされずじまいで終わる。
      • その人物と別れた際、見覚えのある人物がその後を追うかのように歩いていく演出があるが、これに関しても思わせぶりなだけで何も語られない。
    • あるサブイベントで「命より書類が大事」と周りの制止を振り切って橋を渡った挙句、そのまま橋が崩れて行方不明になるモブの女性がいるのだが、この人物に関しては何の説明も無い。このイベントで何かアイテムが手に入る訳でもない。
      • この女性を追って橋を渡ろうとした場合、橋が崩壊して渡れなくなる上にこの後のエリアが面倒なことになるため、警告のようなイベントに近いか。少々思わせぶりが過ぎるが。
    • いじめっ子の筆頭である綾乃は、西崎の存在を否定するほど酷いいじめをしており、水害発生時には彼女をロッカーに閉じ込めたり避難所の体育館の扉に鍵を掛けるなど、西崎の命を脅かしかねない真似すら行なっている。
    • しかし、これに関してもそこまでする動機などは明かされず、後に体調を崩してあっさり西崎に今までのことを謝罪して助けを求める。
      • 「いじめに大した理由なんか無い」「所詮は小物」ということかもしれないがこれも秋本刑事同様、過激な行動の割にキャラの浅さを感じざるを得ない。
      • しかも西崎が転落死するエンディングを迎えると、落ちていく西崎を眺めながら意味深な笑みを浮かべるという演出がある*22
      • また、西崎編に登場する辺見先生も、普段はいい先生のように振舞って実は変態教師という強烈なキャラながら掘り下げ自体はほぼ無く、ポッと出の域を出ない。秋本刑事と同じく、鉄砲水に流されようが執拗に西崎を追い続けるがそこまで(ry
    • 前作の主人公である須藤は足が不自由になっているのだが、その理由は語られない。
      • 前作終盤で銃撃を受けているシーンはあるが、撃たれた部分は腕であって歩けなくなるような目には遭っていない。後に九条Pは「(足が不自由な理由は)別の機会で語る予定」と述べているのでやはり無関係の模様。
    • 佐伯編でキーになり、エンディング直前で主人公に託されるディスク。そしてそれに関連するウイルスの感染者と思しき高校生や教師達などに関しても触れられることなく終わる。
    • 黒幕に関しても、悪事は明らかになるのだがその後どうなったのかは一切語られない。
      • 九条Pは「悪役がいつまでも生き残っていると後味の悪さを残すが、それも悪役の存在意義」という持論を語っており、次回作でも「去就が語られない殺人者」「他人を復讐に利用しながら咎めを受けないキャラ」が登場する。これもかなり人を選ぶスタンスである。
  • 豊富なコスチュームが存在するが、キャラ毎の装備制限が結構ある。
    • キャラによって装備出来るものと出来ないものが決められているのである。性別毎の制限ならともかく、別に着用しても何ら不自然は無いような服が着られなかったりと、結構装備制限が厳しい。服装のカスタマイズの自由度は決して低くは無いが、高いとも言えない。
    • 帽子、手袋、靴、バッグ辺りは制限が極めて緩い*23一方、肝心のトップス、ボトムス、上着はキャラ毎にせいぜい2~3種類が良い所である。
    • 例えば各主人公の初期装備は本人以外はまず着る事ができないため、キャラ間の衣装を入れ替えるような楽しみは存在しない。高校の制服を西崎以外が着られない事に不満を持つプレイヤーも居たとか。
      • パートナーでも、藤宮が最初に着ているウェイトレス服は上下とも個別のアイテムとして存在し、道中で拾える。しかし装備可能なのは藤宮と本多だけであり、藤宮は初期装備、本多には別にウェイトレス服を着るイベントが存在するので、アイテムとして存在する意味は殆ど無い。
      • 高校生の西崎が女子用ジャージを着られないなどの意味の分からない制限もある。
    • 比嘉は一応パートナーに含まれるにもかかわらず、上述の通り同行するシーンがほぼ皆無のためか全装備が装備不可*24ますますパートナーとしての立場を無くしている。
      • 須藤編は衣装が1つも無く、ゴミ箱も無く、そもそも須藤操作中はメニュー画面から装備変更を選択することすらできない。比嘉と言い、前作キャラは着替えてはいけないのだろうか。
  • 転倒したりしゃがんだりして顔が水中にある状態で一定時間が経過すると溺死する。というシステムがあるが、ほぼ死にシステムとなっている。
    • 転倒すればすぐに起き上がるし、長時間水に潜っていなければいけないようなシチュエーションも特に無い。溺死までにもかなり時間的余裕があり、わざとやらない限り死ぬことはまず無い。
      • 一方で水に顔を付けられる場所では例外無く機能しており、わざとやると災害発生前の平和なパーティ会場の噴水で溺死というシュールな事すらも可能。
    • 後年の続編のように永遠に息を止めていられるよりかは、リアリティがあって良いかもしれないが…。
    • にも拘わらず、溺死時の死亡演出は(深い水に落ちた時とは別に)しっかり個別で作られている。「辺見先生に棒立ちで抱きつかれる」「致命傷を受けて倒れた後に悲鳴を上げる」など他の死亡演出は適当なものが幾つもあるのに何故かここは凝っている。ならば、もっと活かせば良かったのではないだろうか。
  • 前作同様に同行者にもパラメーターが存在し、TP減少に伴って動きが鈍くなったり濡れ演出もあるし、アイテムを渡して回復させることもできるのだが、やはり同行者は不死身なので意味が無い。
    • 前作ではアイテムを渡すことで好感度が変動し、エンディングにも影響したので全く意味が無い訳ではなかったのだが、今作ではそう言った要素は皆無。
    • 篠原編なら同行者の藤宮の好感度に影響したり、TPで藤宮の反応も変わったり、特殊技能の「暖めあう」にも関係しているのだが、他のシナリオとなると本当に意味が無い。
    • 食事を行う際にも「1人で全部食べる」「2人で食べる」「同行者に全部食べさせる」から選べるが、これも1人で食べる以外にメリットが無い。
      • 直接は関係ないが、速水編で食事をすると同行者の成瀬が「女性」と表示される。当然速水は名前を知っているのだが、ミスだろうか?
  • 速水編の「思い出す」もシナリオ進行に必須の項目以外は思い出そうが思い出すまいがストーリーに影響は無い。
    • 自分の職業を「エアベッドの研究者」や「変質者」にする事もできるが、何の意味も無いので面白みは薄い。
    • そもそも特徴で触れた通り、手に入れた情報を繋ぎ合わせて推察しているのであって、厳密には思い出している訳ではない。
  • 佐伯編のシナリオ終盤、あるアイテムを取るために梯子を昇降するのだが、その際に手錠の鎖が伸縮する。
    • ゲームの進行上、梯子が使えないのでは先に進めないので仕方無くはあるが、なんともシュールな光景である。無理に梯子を使う場面を入れなくても良かったのではないだろうか。
      • そのアイテムは敵対者に奪われないように隠されてあるものなのだが、そこは風雨に晒される場所でどう考えても隠し場所には相応しくない。
      • そもそもアイテム自体隠されてすらおらず野晒しで置かれている。もっと説得力のある場所に隠して梯子も使わなくていいようにするなど、他にやりようはありそうなものだが。
    • そもそも手錠を付けているのに着替えやバッグに袖を通したり、どんな相手にも気付かれずアイテムをスったりと、手錠に関してはかなり自由に動いている。ゲーム的な都合もあるとは言え、この開き直りぶりは「リアリティが無い」と気になる人もいるだろう。
  • あるアイテムに関する嫌らしい表示。
    • ゲーム内でとあるアイテムを使った際に「このアイテムはもう必要ないようだ、このアイテムを捨てますか?」という『バイオハザード』を彷彿とさせる選択肢が表示される場面があるのだが、あるアイテムに限り、後々にそのアイテムを使用する機会がある。しかも複数回。
    • 選択肢に従って捨ててしまうと一部のアイテムが入手出来なくなる。そこまで大きな要素ではないがかなり悪質なトラップである。前述の『バイオハザード』シリーズを経験しているプレイヤーなら尚更引っかかるであろう。
    • そのアイテムは使用ブロック数も多いので、後々必要であることが分かっていなければ空きスペース確保のためにまず手放してしまうはずである。
  • ゲーム中は出会ったキャラが人物リストに追加されていくのだが、そのキャラと最後に出会った主人公の視点での情報で更新されるため、一部のキャラは最終的に変な形で登録されてしまう。
    • 特に西崎は最後の登場は速水編で遭遇した際なのだが、この時の主人公である速水にとって西崎は名前も知らない女子高生に過ぎないため、最終的にリスト上にて「西崎佳奈」ではなく「女子高生」という名称で確定されてしまう。
    • 仮にも主人公の一人にこの扱いは酷いのではないだろうか…。確かに本筋のストーリーからすれば関わりの無いただの女子高生に過ぎない訳だが。
    • 黒幕は当初は本名だが、黒幕であることが判明するとコードネームで確定される。その後に更新されるイベントを起こせば元に戻せるのだが、そのままということもある。何というか、シュール。
    • 須藤に至ってはしっかり作中で名前が出ているにもかかわらず、何故か人物リスト上の名称は終始「ジャーナリスト」である。初代主人公になんという仕打ちだろうか…。もちろん、最終話で須藤を操作しても変わらない。
  • 真冬の水害の中、寒さと戦いながら生き抜くコンセプトなのだが、作中のキャラの多くは防寒をしていない。一般人は季節相応の服装をしている一方、ストーリー上のキャラはスーツ姿などで殆ど防寒せず被災地を駆け回っている。
    • 主人公達はそんな暇すらないほど急に災害に巻き込まれるので不自然さは無いのだが、余裕があったであろうキャラですら全く防寒着を着ないで行動している場合が多く、違和感がある。
    • 特に速水編の同行者の成瀬沙耶はワンピースにカーディガンを羽織っただけという、どう考えても寒さに耐えられなさそうな服装をしており、災害が無かったとしてもこの時期に外を出歩く恰好ではない。足元もこれまた寒そうである(参照)。
      • 着替え可能なキャラなので、衣装を渡せば防寒させられる。しかしそれまではこんな状態で丸一日速水を探して街を彷徨っていたらしく、実際に速水との合流後は体調を崩して一度倒れている。
      • 成瀬は主人公達と違い、避難勧告に背いて自らの意志で街に留まっているキャラである。相応の準備をする余裕はあったと思われるが…。
  • 一部演出の劣化
    • 揺れた際にふんばらないと転倒するのは前作と同じだが、前作では走っている最中に転倒すると前に転がり、静止中だと尻餅をつくという感じに分けられていたのに対し、本作ではどんな場合でも「後ろに倒れる」で固定で少々不自然になった。
      • これは吹っ飛ばされた時やイベントも同様で、一部例外を除けば必ず仰向けに倒れるので状況によってはかなり不自然になる場合も*25
    • 前作ではストーリー進行に応じて主人公や同行者の服が破れたり包帯が巻かれる演出があったが、今作では濡れの演出がある程度で前作に比べると危機感が薄れた。服装が自由に変えられる関係上、仕方ない話ではあるが。

総評

前作の正当進化と言えるゲームであり、前作よりも大きく進化した要素が多い。
災害シミュレーターとしては水害という新しい災害をテーマとし、前作とはまた違うサバイバル体験や防災知識を得ることができる。
ゲームとしてもオムニバス形式のシナリオで多角的な物語を楽しむことができ、さらには豊富な収集要素やバカゲー的な選択肢によって、プレイする毎に違ったスタイルでプレイできる自由度の高さが魅力である。

しかし、頻発する処理落ちや一部主人公の妙に短いシナリオなど、詰めが甘い所も多く見受けられる。
また、開き直ったバカゲー要素がシリアスな雰囲気を壊すという見方が出来るの事実で、人を選ぶ部分も出て来た。
決して悪いゲームではないが、良作とも言い難いゲームである。

それでも次回作以降はボリュームが少ない、ネタに走り過ぎ、胸糞シナリオ、単純に出来が悪いと言った様々な問題を抱えているため
総合的に考えて本作がシリーズ最高傑作だというファンも少なくない。


余談

  • 以下の動画は上記のいじめっ子のシーンの部分である。選んでいる選択肢はもちろん、他の選択肢も要注目。よくここまで用意できるものである。
    + さようなら 綾乃さん
  • 本作の公式サイトからは、妙に凝った作りの「富坂市公式サイト」に行くことができた( (インターネットアーカイブ)。
    • 当然ながら富坂市は架空の都市なのだが、このサイトは本当に富坂市が存在するかのような作り込みになっており、且つこの製作陣らしい小ネタも随所に仕込まれている。おしらせ欄でアイレムゲーの宣伝をする市があるか。
  • 実在の企業であるコロンビア・スポーツウェアとコラボしており、作中に製品を模した大型バックパックが登場する。
    • 大量の荷物を持ち運べる便利なアイテムだが、次回作ほど露骨な宣伝は入らない。説明書を読まなければ気付かないレベルである。
  • 前作と同じく、説明書には「災害対策マニュアル」という、ゲーム本編とは特に関係のない情報が書かれている。
    • なお、前作のマニュアルは主に地震災害に対応していた内容だったが、今作のマニュアルは水害に対応したものとなっている。
  • 本作に登場した不死身の刑事秋本は『パチパラ14 ~風と雲とスーパー海IN沖縄~』収録の『パチプロ風雲録6 ~情熱編~』にも登場している。
    • 同作でも殺人容疑が掛けられたヒロインを逮捕するという役割で冤罪逮捕は相変わらずだが、本作の横暴ぶりが嘘のような誠実な刑事になっている。
  • 本作を含む『絶体絶命都市』シリーズは、2011年3月に全作品が販売終了、廃盤となった。
    • しかし後に九条Pを始めとするアイレムのゲーム部門主要スタッフが設立した会社「グランゼーラ」が本シリーズの版権を取得。今後は既存タイトルの配信開始と、続編の復活に向けて活動すると発表され、2018年には新作が発売された。
      • 現在では『3』までの過去作が全て配信で入手可能である。
  • 本作は以降のシリーズ作との関連は薄めだが、本作に登場したキャラの一部は次回作以降に出演することもある。
    • 柘植編パートナーの本多は『3』の本編に登場する唯一の『2』キャラである。また、柘植もマルチプレイのステージのみだが続投している。
      • 本多は初代主人公であり先輩である須藤と共に『4』の後日談にも登場。相変わらずの強引な取材方法で同作主人公を振り回す(と言うか主人公が自分から振り回されに行く)。
    • メインヒロインの藤宮は『4』の後日談にさりげなく登場し、本作についてもほんの少しだが触れられている。
    • また、グランゼーラ開発の『巨影都市』には絶体絶命都市シリーズのキャラがゲスト出演しており、本作からは篠原、佐伯、青山、柘植、速水、秋本、辺見先生と、特に多く登場している。主人公が1人足りない?気の所為でしょ?
      • いずれも原作をプレイ済みならニヤリとする登場の仕方であり、特に篠原はバイト中に怒られてしょんぼりする演出まで再現されている。
      • 余談だが、『巨影都市』では着せ替え可能且つ、本作には無かった服の破損演出がある。しかし、着せ替えの自由度が高い本作で、しかもハードの性能的に同じものを求めるのは酷だろう。
    • 藤宮春香(ジオフロ春香)が、『どきどきすいこでん』のパロディ版「はれ ときどきすいこでん」のエイプリルフール用アイレムサイト「EXIDNA」(架空のゲーム機)に登場。このゲーム機は新富薬局が作ったのだろうか、その名前からして...。
    • 2006年のアイレムのエイプリルフールサイトで、佐伯聡が謎の生物の目撃者の一人であることは言うまでもない。本作に物語が始まる前に殺された聡はどうやって生き返ったのだろう...。
  • 本作でもヘリコプターによる救助活動が描かれるが、第一話では主人公が乗るはずのヘリが墜落するシーンがある。二度も。
    • 1機目は主人公含む避難民を迎えに来るが、着陸に失敗して即座に爆発炎上。2機目は着陸はするが主人公が来るや否や地面が陥没を始め、そのまま水に呑まれてしまう。
    • 主人公の疫病神不運ぶりも然ることながら、その見事な落ちっぷりから「安心と信頼のカプコン製ヘリ*26で来てしまった」などとネタにされる事も。
    • 本作以外のシリーズ作品ではヘリコプターこそ何度も登場するが、墜落することは基本的に無く*27、こんなにあっさり落ちるのは本作の第一話のみである(本作もこれ以外は落ちない)。普段ならアイレム製ヘリは信頼できるはずなのだが…。ここだけカプコン製を使ったのか。
  • 作中ではジオ君の着ぐるみはすぐ脱ぐ訳だが、仮に着たまま行動したらどうなるのか?というネタが当時のアイレム公式サイトの四コマで描かれていた(その1その2その3)。とりあえずゲームでの判断が賢明だったのは確かのようだ。
  • 前作は海外で『Disaster Report』及び『SOS The Final Escape』というタイトルで発売していたが、本作の海外版タイトルは『Raw Danger!』となっている。
    • 舞台が海外に変更されて主人公達の髪の色なども変わっているのは前作と同じ。パッケージは前作では完全に欧米人に直された主人公とヒロインが描かれていたが、今作では欧米チックな絵柄は変わらないもののデザイン自体はオリジナルに忠実になっている。
    • パッケージの背景には洪水が描かれているが、周囲には黒と黄色の警告枠に(某ゲームではなく本来の意味の)バイオハザードの記号ドクロマークも描かれている。「Raw Danger」というタイトルと言い、水害よりも後半から出てくる殺人ウイルスの方が注目されていたようである。
  • 『巨影都市』の早期予約特典には本作メイン主人公&ヒロインである篠原と藤宮の衣装(ウェイターとウェイトレスの制服)が収録されていた。
    • また、同じくグランゼーラ開発の『マンガ・カ・ケール』では本シリーズ関連の素材がDLCで配信されている。本作からは篠原&藤宮の衣装の他、ジオくんジオくんコンパスがチョイスされている。
+ タグ編集
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  • 2006年
  • PS2
  • AADV
  • アイレムソフトウェアエンジニアリング
  • グランゼーラ
  • 絶体絶命都市

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最終更新:2024年02月23日 00:22

*1 上着は肩の上から羽織る形になるが、服は一体どうやっているのか普通に袖を通す。

*2 既に水害発生二日目の昼であり、丸一日掃除用具入れの中で気を失っていたことになる。どんな状態だ…。

*3 それまでのあるシナリオでの行動によって当初の境遇とスタート位置が変わる。

*4 例えば性格には正解が無く、ストーリーにも影響が無いため好きな性格に設定できる。また、「正義感が強い」「義理堅い」という情報を得る事もあるが、過去のメールや日記を見る限りとてもそうだったとは思えない。

*5 移動に時間がかかるためTPが減少しやすい程度。

*6 第三話において特定の条件を満たさないと情報が足りず完成させることができない。

*7 チュートリアルでは名前は出ないが、外見、ボイス、装備は全て篠原のもの。

*8 前作ではぶら下がり状態からは必ずよじ登らなければならなかった。

*9 変な所に都合良く焚き火があったり、雨の中でも炎が燃え盛っていたり、停電の中でストーブが付いていたりなど。

*10 『3』では案の定、「絶体絶命都市4のコンパス」が登場した。

*11 佐伯編ではこれで警官の目を欺ける場面がある。ただし、普通の警察官の制服なので防寒性能は極めて低い。

*12 ちなみに、この呼び名は公式公認である。

*13 なお、該当する部屋をクリアした後に部屋の内部を主観視点で覗くと、別の利用者が「飛ぶべきか迷うように右往左往した挙句ジャンプを敢行するも、結局対岸に飛び移れず落下する」という場面を見ることができる。ゲーム中で彼のその後には一切触れられないが、果たして無事なのだろうか?

*14 しかし、この2人のどちらも最終的には災害に呑まれて消息不明(恐らく死亡)になる。いかに超人でも自然災害には勝てないのだ…。

*15 残念ながらすぐに脱ぐ。

*16 実際にこの覗き穴は主人公も覗くことができ、ヒロインの姿をチラっと見る事ができる(着替え中ではないので期待しないように)が、いざ災害が起きた後に女子更衣室にいるヒロインの安否を確かめようと覗いても、暗くて見えず役に立たない。所詮はエロ目的の穴か…。

*17 追いつめられると地震や濁流が起こり、追っ手だけが巻き込まれる。というワンパターンな展開が続く。

*18 藤宮の決意が固いため生半可な説得では動かせないというのもあるが、それにしてもこのシーンの篠原はとにかくデリカシーの無い説得しかせず、藤宮にも「酷いです…」と言われる。

*19 置き去りにされた藤宮はその後は登場せず、そもそもかなり体調を崩していたため、目的地に辿り着くこと無く死亡したと思われる。

*20 本シリーズは『1』から『4』まで必ず女子高生がストーリーに絡んでくる。ただ、九条Pは「女子高生が好きなのか」という質問に「大人の女性の方が好き」と答えているが…。

*21 実際、災害が発生し警察署から避難する際に「なぜ凶悪犯の命を助けなけりゃならんのだ!」と故意に優子を牢に閉じ込めている。

*22 西崎がぶら下がっている綾乃を助けず罵り続けた結果、地響きで自分が転落してしまったという状況。直前まで必死に助けを求めていたのだが、西崎が落ちるや否やこのような表情になる。

*23 性別さえ合っていれば装備可能。或いは男女兼用。

*24 まず西崎編では全くと言って良いほど装備品が手に入らず、2周目のゴミ箱を利用した所で何を渡しても「装備出来ない」と返される。装備制限の無い手袋や靴ですらも。

*25 例えば佐伯編序盤で優子が走って逃げるシーンでは、バナナの皮でも踏んだかのように急に後ろに転倒し、しかし直後に視点が切り替わると前に屈みこんでいる。

*26 『バイオハザード』シリーズを始めとするカプコン作品に登場するヘリの墜落率が非常に高い事を皮肉ったネタ。

*27 『1』では落ちていたが、救助ヘリではなく敵勢力のヘリである。