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実況パワフルプロ野球14

【じっきょうぱわふるぷろやきゅうじゅうよん】

ジャンル スポーツゲーム(野球)
対応機種 プレイステーション2
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 コナミデジタルエンタテインメント
(パワプロプロダクション)
発売日 2007年7月19日
定価 7,329円(税込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし
ポイント ストレートが速すぎる
サクセスが1つしかない上に1年と短い
黒歴史と化したライバル「鈴本」
新モード「栄冠ナイン」は粗削りだが中毒性は高い
7から続いたサクセスの話は本作で完結
意欲的な要素がことごとく裏目に出ている作品
実況パワフルプロ野球シリーズリンク

概要

言わずと知れた人気野球ゲームの14作目。後述の『実況パワフルプロ野球Wii』とは内容が同じ。
前作『13』の開幕版はインターフェイス変更とそれに伴うストレートの弱体化によってファンからの反発が非常に大きかった。
その中でなんとか持ち直そうとしたのだが、結果的には『13』以上に賛否が分かれる作品となってしまった。

野球部分

操作システム

  • 『13決定版』と同様、オプションでキャッチャーウインドウのアリ、ナシを選択可能。
    • ただし、『13』以降のサクセスモードは「投球カーソル非表示」が基本であり、対戦をアリでやってもあまり意味がない。

投球部分

  • ストレートの体感速度が『12』以前よりさらに速い。『13』が「遅い」と言われている分、極端から極端に変化している。
  • 変化球、特にスライダー、フォーク、シュート系のキレが良くなった。岩瀬仁紀(当時中日)のHスライダー7などは一瞬カーソルが止まって見えるレベル。
    一応「球の軌道」は速球かそれ以外かでだいぶ違うものの、ストレートが速い分見極めは困難。
    ただしフォーク系でもチェンジアップはキレが悪い。

打撃部分

  • 「狙い打ち」*1が非常に強い。速球を狙いピッタリで強振した場合、あまりパワーの高くない打者でもピンポン玉を打ち返したような速度で打球が飛んでいく。
    • ただし変化球を「待った」場合ミートカーソルは黄色いまま。「変化球のカーソルを追いかけて」打たないと狙い打ちとみなされない模様。

COM

  • COMレベルが「ふつう」でも速球を四隅に散らすなど、投球術はそれなり。ただし「ふつう」では投球カーソルのフェイントを行わなくなった。
  • 打撃は早打ち傾向で三振が取りづらい。「COMが嫌いなコース」があるらしく、そこに投げないと狙い球を外してもバットに当てて来る。

サクセスモード

プロ野球スター街道編

  • 今回のサクセスは『10』から登場した新球団*2が、プロ野球三つ巴構想に賛同して集まった「レボリューション・リーグ」(レ・リーグ)が舞台。
    プレイヤーはリーグの新球団「津々家バルカンズ」の1期生ながら鳴かず飛ばずの二軍選手となり、最後の望みをかけて生き残りを目指す。
  • 時間軸としては『10』の後。とあるイベント*3で分かるが、『11』や『12』とは繋がっていない。
  • 古株レギュラーの中で阿畑やすしは既に引退済み、猪狩進は渡米しているため、登場しているのは猪狩守と早川あおいのみ。
    また『10』からの友沢亮と橘みずきが1学年上の高卒先輩として登場し、『13』の東條小次郎や猛田慶次、六道聖が大卒入団の同学年キャラ(聖だけは何故かさんづけするが)、聖の昔馴染みらしきモブが新チーム「シャイニングバスターズ」のエース「鈴本大輔」として設定しなおされた。
  • 『10』に出た半田小鉄や福家花男らはセリフの無いモブキャラとして登場。
  • チームを選ぶことは出来ずバルカンズ固定である。
    • 敵チームとの試合に勝つと固有キャラをトレードで引き抜くことが出来る*4。なお、引き抜けるのは最大2人で、バスターズの鈴本のみ絶対にトレードできない。
    • 固有キャラと友情を結んだ場合、友情タッグに加えプレイヤーの選択次第でゲームに特殊なシステム*5が追加される「スターダムシステム」を発動できる。こちらも最大2人まで。
    • また、特定の選手とスターダムシステムがある場合、その選手との特別なイベントが発生し、因縁の相手と優勝を争う展開となる(一応、上記の不自然なトレードが成立した事情も明かされる)。
  • ゲーム期間は11月から翌年のシーズン終了まで。
    • 長くても1年の上、伝統の「1週=1ターン」のためターン数に余裕がない。
    • 4位以下であった場合は9月の試合で終わりだが、3位以上であればプレーオフに進出、それを勝ち抜けば他リーグとの日本一決定戦に進める。

新サクセス『栄冠ナイン』

  • 本作から『15』『2009』まで導入された独自サクセス。DSの『熱闘!パワフル甲子園』は本モードの独自移植である。
  • 高校野球部の監督になって甲子園を目指すモード。
    • 試合操作などは行えず、プレイヤーは練習メニューを決めたり、試合中の一部場面の戦術を指示する事が出来る。
    • そのため負ける時はあっさり負ける。しかし選手の信頼度を上げたり器材やグラウンドを整備して練習効率を上げるなど勝率を高めることは出来る。
    • そして一度甲子園を優勝しても次の新入生を育てていく事になるためやろうと思えば数百年から数千年も遊び続けることが出来る。
  • 通常は練習内容と日数の書かれたカードを選んで進んでいく。
    • パネルはマイナスイベントやプラスイベントがあり考えて止まらなければいけない。
      • 卒業生やスター街道編で創ったキャラがランダムで登場して恩恵を与えて来ることもあり、やりこみがいがある。
    • 勿論スカウト評価が高ければプロ入りして選手登録も可能。
      • 狙ったキャラを作るのには向いていないが、キャラに思い入れを持てると気にならなくなってくる。
  • リセット時のペナルティは非常に重い。
    • せっかく積み上げた評判が「学校の不祥事」という体でガタ落ちし、練習機材やグラウンドの質も悪化してしまう。
    • 停電やフリーズなどが起きた時の絶望感は大きい。

マイライフモード

  • 二軍戦用のBGMが収録された。
    • 道場は道場主との会話で(回数制限はあるが)増やすことができ、交流戦や日本一後のアジアカップに賞金が用意される、といった変更点がなされている。

引退の花道

  • プレイングマネージャーに代わって実装されたプレイモード。
  • 引退間近のベテラン選手となり、現役最後の年に一花咲かせることを目標とする。
    • ベテランなので日を追うごとにどんどん能力が落ちる。この状態で優勝や記録達成を目指すというかなりのハードモードである。
  • 新庄剛志が2006年に日本ハムで引退宣言、するとチームは勢いづき、優勝そして日本一…という事件にかなり影響を受けている(攻略本のインタビューより)。

評価点

  • 「栄冠ナイン」の中毒性。
    • シミュレーションゲームのような趣であり、固有ストーリーがないため生徒に対して思い入れをどれだけ持てるかで変わってくる。
    • しかし一旦ハマれば中毒性が非常に高いサクセスモードである。敗退しても、新入生が入学したり、次の世代が育ってくると試合で試したくなるという部分が高い中毒性をもたらしている。
    • サクセスにはないチームの育成という新しい戦略性と育成がオリジナリティがある。
    • ただ強い選手を作っても勝てず、選手との信頼関係の構築、学業の両立、メンタルの調整なども行うという部分も高校野球の再現度が高い。
    • またただ強い選手を作っても試合には勝てない。4番が満塁で犠牲フライ失敗や送りバント失敗など未成年の高校生らしい未熟なプレイになることもあり、簡単に勝てない中毒を高めてくれる。
    • 育成部分も勝ち続ければ強い選手が作れる。
  • 天才の出る確率が高い
    • サクセスより一度に最高7人が入部するので天才が出やすい。
  • スター街道編は単体の作品として見ればそれなりに出来は良い。
    • 今作は特に第二世代のストーリーに前作『13』との矛盾などが目立ち批判されているが、単体の作品として見れば各キャラの造形はそこまで悪いわけではない。
    • 猪狩の後輩としての友沢や女子プロ2号のみずきといった「『10』の後輩キャラ」としての彼らにスポットが当たった点は特に評価されている。

賛否両論点

  • 前作が極端な打高と批判されたことを受けて今作は投高化したが、反動的なバランスの取り方に賛否が割れた。
  • サクセスでの試合BGMが短く、1種類しかない。20秒程度でAメロとBメロしかないような曲。
    • スター街道編の一軍では操作画面になると鳴り物応援に切り替わるものの、栄冠ナイン編の地方大会や練習試合ではずっと流れ続ける。

スター街道編

  • 継承システムがややこしく、「栄冠ナインで作った選手、もしくは栄冠ナインで就職したキャラ」でないと継承キャラとして出て来ない。
    • ではスター街道で作ったキャラはと言うと、高校のOBとして出て来るのだが、ゲームオーバーになったキャラや「あきらめた」キャラは愚痴で練習効率を下げるお邪魔キャラになるため鬱陶しい。
  • バルカンズしか選べないことについて「手抜き」という声が多い。
    • 実際はスターダムシステムやトレードによりゲームに変化をもたらすことは出来るものの、劇的とは言い難い。
    • しかもスターダムの格差も大きい。パワフルズから引き抜ける東條の「最適能力」はランダムで「特定の能力に必要な経験点が割引」という有用なものだが、やんきーズから引き抜ける堂城川の「財テク」はランダム判定の株取引のため金策としてまったく安定しない。
    • 1年しかプレイ出来ないのに主人公のキャリアは4年目のため、主人公やリーグ会長が持つ「レ・リーグへの思い」について描写不足で共感しづらい。
  • 何かの補正でもかかっているのかと思わせるほど、サクセスの自動試合はロースコアゲームが多発する。2点以上差が開くとほぼ点が動かない。
    • 主人公が4点取ったのに味方が5点取られる、というような理不尽な負けが過去のサクセスではしばしばあったが、本作では稀。
    • 逆に言うと1点差以内の場合はその限りではないため、2点ビハインドで主人公が3ランを打って1点リードになった結果、壮絶な点取り合戦が起こった末に11-9というスコアになる可能性もなくはない。
    • 主人公がホームランを打てれば大体勝てるので評価点と言えなくもないが、打撃が難しいこともあって、ありがた迷惑な場合もある。
    • 投手プレイの場合、2失点した瞬間に味方打線に見捨てられてしまうため、デメリットのほうが大きめである。
      しかも先発は得点圏にランナーを背負うと手動に切り替わるのだが、そのせいで「ランナー1塁で自動的にホームランを打たれて負け確」という、また別の理不尽な事態もたまに起こる。
    • なお、マイライフやペナントにこの仕様はないようである。
  • 鈴本のキャラクター性
    • ライバルキャラとして用意されているはずであり、ゲーム中散々警戒されているにもかかわらず、普通にプレイすると最大でも二度*6試合をしたっきりで殆ど絡まなくなる。チームメイトにすることも出来ない。
      • ちなみに何もしないとバルカンズと優勝を争うのはパワフルズで、2位争いの相手はランダム(バスターズかカイザースの可能性はやや高い)になるのだが、本作では中堅扱いという設定のため少々違和感がある。
    • 話に絡ませるには聖のイベントか、東條をパワフルズから移籍させて彼のイベントを進める必要があり、単独では空気で終わる。
    • 一応、東條関連のイベントでは、東條と共に主人公を「バルカンズを引っ張る存在」と意識する発言をする。この点に関しては下記の『決定版』で掘り下げられている。
    • 鈴本本人は個人成績よりチームの勝利を優先する性質で、自分も相手もベストパフォーマンスで戦うのを理想とする爽やかかつ謙虚で礼儀正しく、良くも悪くも隙のない性格。猪狩や友沢とはまた違うタイプである。
      • ライバルキャラにしては不自然な爽やか系で、謙虚すぎてかえってイヤミに見えたり主人公に「何か引っ掛かる」と思われたりするものの、ただのミスリードであるらしい。
    • こういった評価に加えて下記の強すぎる選手能力も悪目立ちしたため、彼はライバルキャラとして定着・大成することはなかった。
      • 『13』の伏線*7から考察すると恐らく鈴本はパワプロ君のメタファーだったと思われるが、正直言って前作で影の薄いモブの彼が急に目立っても感情移入はしづらい上、主人公と似た存在をわざわざライバルとして出す必要性がないという点で問題は変わっていない。
  • 六道聖のイベント進行の難易度、そしてその後の内容
    • 聖のイベントを進めるには、聖と練習した時に確率で課せられる3種類の特訓を、8月までに全てクリアしなければならない。
      • 特訓には「ランダムで投げてくる球を投球カーソル無しで内外に打ち分ける」という、凶悪な物も含まれていて非常に難しい。
    • 更にクリアすると鈴本に好意を抱いていたらしい聖と、それを知りつつも聖のためにならないと思い遠ざけようとする鈴本とのメロドラマを見せられる羽目になるため聖のファンからは誰得とも批判された。一応前作から伏線はあったのだが....
    • この辺りの展開も、聖のキャラ人気の高さからプレイヤーの反応は芳しくなく以降の作品では因縁そのものがなかったことになっている。
  • ルート次第で存在する友沢とみずきの絡みに色々と矛盾や問題点がある。
    • 本作の友沢とみずきがライバル関係という設定は一応『12』でその過程が描かれていたため何も知らないプレイヤーからはおかしくないように見えるが、この作品は正史の時系列には繋がらないパラレルという設定がある。
    • 第二世代の正史を時系列順に並べると『13』、『10』、『14』となっており、この『10』と『13』ではろくに会話シーンがなかったためにパラレルを含めない場合正史の友沢とみずきがどこでライバル関係になったのかが全くの謎になってしまっている。
    • 製作者側はそこまで考えていないといったフォローをしようにも本作のみずきルートでは『10』や『13』の繋がりが示されており、旧作の主人公も登場するなど正史の時系列を意識した展開となっている。そのためなおさら本作の展開の雑さが目立ってしまう。
    • 一応、公式のホームページなどで正史とされている『10』『13』と違い『14』は特に何も語られていないため本作は極めて正史に近いパラレルという可能性もあり得なくはない。
    • 更に言うとこの『12』からの友沢とみずきのライバル要素が2人のキャラの理解を妨げる要因であること、それを抜きにしても『12』の2人の対立から和解の流れが非常に消化不良で明らかに不要な要素と化しているなどの根本的な問題点もあってあまりファンからの評価が芳しくない。
    • また本作のみずきルートでは下記のようなシリアスな失恋話が挟まる事も相まって、友沢自体が特に悪い訳ではないのだが彼の距離の近さなどが両者のファンの争いの火種になる事に。なお実際は特にそういったシーンはなく*8、単にそう思わせてしまうストーリーの出来の粗さに問題があるのだが....
  • 本作の橘みずきのキャラクター性も賛否両論。
    • 従来のおてんば少女のキャラから大きく雰囲気が変わって、大人のお姉さん系キャラに変化している点
      • これに関して「もはや別人過ぎて彼女らしさがない」といった意見や「いつもの子どもっぽい感じが消えて好印象」とファンから大きく賛否がある。
    • また恋愛面では相変わらず不遇。
      • 本作の橘みずきは13主人公の事を忘れられないまま独身となっていて、性格も少し大人しい。逆に早川あおいは彼氏(9主人公と言われている)と幸せに過ごしている事が分かるシーンがあり、明らかに扱いの差がある。
      • 前作の『13』では聖タチバナ主人公への想いをあえて隠し人として成長したかに見えた彼女だが、本作では未練が残り過ぎてむしろ悪化しているような一面もあるため「あのラストの展開が無駄になっている」「これなら前作主人公にしっかり告白した方が良かったのでは」と余計モヤモヤを感じさせやすい。
      • シナリオ次第ではその聖タチバナ主人公と対決をする展開になるが、これもまた賛否がある。
      • 話自体は『13』で綺麗に終わっていたため、またこの展開を蒸し返すのがやや蛇足に感じる。更に話の流れではみずきが主人公への想いに完全に区切りをつけた(ようにも見える)描写*9がされたため、『13』の2人の恋愛が好きだったユーザーを余計に落ち込ませる事に。
      • 一応このみずきのシナリオは彼女をバルカンズに加入させないと発生しないため、プレイ次第では回避することも可能。
      • 本作の悪評が原因かは不明だが以降のみずきはまたいつものキャラに戻り、不遇な扱いも比較的改善されてきている。
  • 優勝決定戦イベント持ちのキャラが堂城川以外全員過去キャラである。
    • スターダムを発動したキャラと因縁の深いチームと優勝を争うことになるのだが、猛田(パワフルズ)と聖(バスターズ)以外はトレード組。元々のチームメイトである芦谷、勇村、上野、フルには用意されていない。また古株レギュラーであるにもかかわらず矢部にもない。
    • 結果として新キャラの掘り下げが半端になってしまった。
  • 主人公が目立たない。
    • 友情タッグやスターダムシステムのために、チームメイトに刺激を与える存在として描かれることはあるものの、優勝を争う相手が仲の良いチームメイトに依存するという仕様上、1対1でライバルキャラと張り合うことは殆どない。
      鈴本との掛け合いは聖か東條と一緒で、東條との掛け合いは猛田と一緒で…という具合になってしまう。
    • 誰とも仲が良くないか優勝争いと無関係なキャラとしか仲良くない場合、オーナーに対して「レ・リーグ」への熱い思いを語るので、全く空気なわけでもないのだが…。
  • 栄冠ナイン
  • 性格が「内気」の生徒が持つ「○○の魔物*10」の効果が強すぎる。
    • ある条件が成立すると相手選手全員がエラーを連発するというとんでもない代物。
    • しかし、後述の理不尽な炎上や采配もあり、魔物を使用しなくてはとても甲子園優勝まで辿りつけないことも事実である。
    • 加えてプロでもない精神不安定な未成年の選手達が満員の球場で本来の実力を出せないのは現実でも起こりうることであり、高校野球の再現としても正しい。

問題点

  • サクセス
  • 野球部分の問題もあってスター街道が極めて難しい。
    • 一見オーソドックスなサクセスに見えて、実際は攻略本でスタッフが発言したとおりシリーズファンの上級者向けである。
    • クリアだけなら監督の目の前で練習し続けるだけでOKである*11が、育成において試合の比重が大きく、試合が巧くなかったりルーキーのおまもりを使ったりすると有力な選手は出来ない。
    • 野手では相手の固有投手がことごとく強く、打ち崩すのは至難の業。パワフルズの館西や、キャットハンズの先発などのモブを打ち崩せる技量があってもかなりキツい。
      • 特に鈴本は見切りづらいスライダーとシュートに、体感速度が遅いうえに揺れながら落ちるため痛打しづらいナックル持ちである。
        おまけに投球フォームに違いがなくなる「リリース〇」とボールの着弾点が一瞬遅く表示される「球持ち〇」を同時に持っており鬼畜。
        ポストシーズンで2位以下だと出てきやすいため、彼に優勝を阻まれたプレイヤーは数知れず。前述のようにキャラとして掴みどころがない上に強すぎることもあって「不愉快」と叩かれてしまいがちであった。
      • 他にも猪狩はオリジナルストレートを「ノビ5*12」で、堂城川は160km/h近い豪速球を「球持ち〇」で投げてくるため、プレイヤーによっては鈴本より苦手意識を持たれていることも。
    • かといって投手でも、狙い球と狙いコースを両方外さないと空振りを奪えなかったり、3球勝負を嫌って早打ちに出て来たりするCPUの思考や、2点差がつくと見捨ててくる味方打線のせいでかなり難しい。
  • ゲームオーバーや「あきらめる」ほどスター街道で天才型が出やすくなる仕様があるのだが、メモリーカードのある操作をすると、天才型の出現確率が元に戻らず、天才型を無限に出せてしまう。
    • これ自体は仕様の穴を突いた悪質な裏技であるのだが、そもそも育成の難しさから必須とみなす意見も。
  • マイライフ
    • 初代女子アナは時間経過で必ず引退するのだが、場合によっては初代女子アナと結婚していても消えるというバグがある。
    • 初代女子アナが引退時に出て来る2代目の女子アナが、仮に主人公が既婚でも「○○さんは先輩が引退して落ち込んでいるに違いない!慰めなきゃ!」という意味不明な理屈でいきなり恋に落ちてくる。おそらくこれもバグである。
  • 栄冠ナイン
    • 理不尽な炎上が多い。特に9回以降の炎上が非常に多かった。
    • 勝手に選手を変えられてしまうことがあり、特に能力の低い投手を勝手に登板させて、炎上するケースが多い。 そもそも監督に無許可で降板するな
    • 『15』『2009』『2014』の栄冠ナインに比べると難易度は最も高く安定して甲子園連覇を目指すのは至難の業となっている。
    • 続投となる栄冠ナインの問題点
    • 一ヶ月一回しかし練習変更ができない。特に弾道は一つ上がると自動で「おまかせ」になるため、すぐに弾道が上がったらおまかせ部分の練習がもったいない。
    • フォーム変更、左右打席変更などは練習でしか変えられず、再現選手などは少々難しい。
    • 特殊能力が覚えにくく、能力本も回数が決まっている。

総評

『13』での不評が尾を引きつつも、新しい道を模索しようとしていた一作といえよう。投高の傾向は正にそれそのものである。
しかしサクセスの短縮はかなりの改悪で、内容も結果的に見ると本作のレ・リーグの試みが『10』のオリジナル球団を潰してしまった事もあり、また新世代も成功したとは言い難い。
ストーリーも鈴本の問題やキャラの扱いの悪さが目立つ点や評価された13の話を否定しかねない部分もあり、とても綺麗に完結したとは言えない出来。
新たに登場した「栄冠ナイン」は好評だが、バランスとしては厳しめであり今からストレスなく遊ぶなら『15』『2009』『2014』の方が遊びやすいだろう。
パワプロの時系列上では一番未来の話であり、サクセスのキャラが成長した姿が見れるという点では唯一であり貴重な作品と言えるかもしれない。

余談

  • 『2016』以降のパワフェスモードなど、現在は過去キャラをゲスト出演させやすい環境となっているのだが、残念ながら本作の新キャラは鈴本以外誰一人再登場していない。
    • パワプロ2022でバルカンズが再登場し解決。
    • その鈴本も本作以降しばらく登場機会がなく、『2013』で再登場した時には、前述のように聖との因縁がなかったことにされていた。また、この変更のためかは不明だが、『15』の聖は一度野球の道をあきらめてしまっている。
    • ただし、再登場以降の鈴本は味方として頼れることや、「少々天然の気がある」「他人の心情が理解できず、その点について本人も悩んでいる」といった人間味のある欠点も描写され、評価も相応に持ち直している。
  • また、これ以降オリジナルプロ野球球団のサクセスも無くなってしまった(2010で12球団編のサクセスはある)。「3つ目のリーグ」という試み自体は良かったと言うファンも多く、このまま黒歴史化させるのは惜しいという意見もある。
    • パワプロ2024-25の未来編サクセスでは、カイザースVが登場。実在球団の50年後を描けない為の措置と思われる。



実況パワフルプロ野球Wii

【じっきょうぱわふるぷろやきゅううぃー】

ジャンル スポーツゲーム(野球)
対応機種 Wii
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 コナミデジタルエンタテインメント
(パワプロプロダクション)
発売日 2007年7月19日
定価 7,329円(税込)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 なし

概要(Wii)

  • 『Wii』とついているが内容は実質『Wii版14』である。内容はほぼ同じ。
    • ゲームキューブのコントローラやクラシックコントローラ、ヌンチャクで遊ぶこともできる。
    • ワイド表示(16:9)には対応しているが、不完全な部分も多い。
    • PS系列のオリジナル選手(PS2パワプロ14や「ポータブル2」)は送り込めず、また任天堂系列の『パワポケ9』や『あつまれ!パワプロクンのDS甲子園』とも互換性はない。
      • なおWii決定版では『パワポケ10』とのパスワード互換性がある。
  • WiiリモコンとMiiを利用した「リモパワ」モードを搭載している。
    • Wiiリモコンを振って試合をするモード。あくまでモードの一つでありサクセスをリモパワで遊んだりする事は出来ない。
    • 正直『WiiSports』の野球ゲームとの差はあまりない。だが、サクセスで作った選手やMii選手にランダムでパワプロ風ステータスが付け加えられるのは特徴的ではある。
    • 球を非常に打ちやすくガチで対戦するとホームランによる乱打戦になりがち。だがそれはそれで爽快感があると言えるかもしれない。
  • Wiiという媒体上、メモリーカードにセーブデータを移す事がやりにくく友人の家で育てた選手を持っていくなどはPS2に比べてやりにくい所がある。
    • 当然ながら、媒体の関係で天才型を増やせない。

総評(Wii)

Wii版パワプロ14であり、内容も同じ。
当時のWiiのサードパーティソフトにありがちだった「リモコンを生かしきれてない系」のモードではあったのも事実だが、一モードとして体を動かしながら遊ぶにはもってこい。
しかし売り上げはPS2版の3分の1であり、Wii版パワプロの苦戦を感じさせてしまう。

その後の展開

  • 2007年12月20日に『14』『Wii』双方の「決定版」が発売されている。
    • 「スター街道編」「栄冠ナイン」に加えて「ドリームJAPAN~世界の頂点へ~」という新モードが追加された。日本代表監督に就任した主人公がプロ野球12球団から好きな選手を選抜してドリームチームを結成して世界一を目指すモード。ストーリーはほとんどない。
    • 打低投高気味だったバランスは多少投手が弱体化。体感スピードが若干遅くなり、打ちやすくなった。
      • これに伴い鈴本が若干弱体化。スター街道編の難易度が下がりクリアしやすくなった。
      • ただし人によっては誤差の範囲ではないかという意見もある。
      • また、東條と鈴本の絡みで大学時代の因縁も追加されたほか、鈴本が主人公を意識した発言を基本的にしないのは「無視したフリ」であること*13も一応明かされた。
      • もっとも、次作が社会人編だった上に「東條や猛田の世代における大学野球編」は現在でも出ていないため、因縁の詳細は明かされていない。
    • 「栄冠ナイン」も開幕版に比べると理不尽な炎上・敗北が減った。
    • Wii決定版は「パワポケ」との互換性が復活。『パワポケ10』の選手を送り込める。
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最終更新:2024年04月12日 10:33

*1 ミートカーソルと投球カーソルが近いほど、ミートカーソルが赤色に近くなり、打球のパワーが高くなる仕様。

*2 頑張パワフルズ、キャットハンズ、猪狩カイザース、極亜久やんきーズの4チーム。

*3 みずきのクレッセントムーンを習得する低確率イベントのこと。

*4 ちなみにこのトレード、自チームのモブと他チームの中心人物との1対1というかなり不自然な形である。

*5 練習メニューやプライベートコマンドの追加

*6 ポストシーズンにバルカンズが2位か3位ならバスターズと2試合目が発生する場合があるが、1位だと何もない。

*7 六道聖が聖タチバナ学園の主人公について鈴本と似ているという発言をしている。

*8 本作の彼女の恋愛描写は、下記の聖タチバナ主人公以外では14主人公に惚れかけるシーンが多少ある程度である。

*9 後の作品のパワスタにおいて本作のバルカンズ所属のみずきが同主人公に照れるカードがあり、これを見ると完全に関係が終わった訳ではないとも考えられる。

*10 強豪とされているはずのチームや選手が、何かに取りつかれたかのように実力を発揮出来なくなる現象を「魔物」と呼ぶことがある。

*11 クリア基準は監督評価と「プレーオフに進出したかどうか」のみ。最大値であれば、仮にシーズン最終戦で全打席三振や大炎上を喫して最下位終了でもクリアラインを割らない。

*12 ちなみにノビ5は現役では藤川球児しか持っていない。確かに2006~2007年辺りは全盛期と言えたが…。

*13 決定版の追加イベントでは東條を褒め殺しにする発言を連発して、バルカンズ自体はノーマークであるように見せかけていたが、実際は主人公や矢部も含むバルカンズ生え抜きのこともかなり意識していた。しかし東條にまで火がつくことは全く予想外だった…と、リーグ優勝した時に教えてくれる。