【だらいあすばーすと】
ジャンル | 横スクロールシューティング | |
対応機種 | プレイステーション・ポータブル | |
発売元 | タイトー/スクウェア・エニックス | |
開発元 | ピラミッド | |
発売日 | 2009年12月24日 | |
定価 |
パッケージ:5,040円 ダウンロード:4,000円 |
|
判定 | 良作 | |
ダライアスシリーズリンク |
幾多の英雄の戦いによって紡がれ、広がっていったダライアスの文明と歴史は、ベルサーのネットワーク攻撃により再び壊滅の危機に瀕していた。
唯一残ったのはバースト機関により難を逃れた新兵器・シルバーホークバーストの二機、そしてそのパイロットとなるTi2とリーガ・プラティカの二名だけだった。
死中に活を求め、2人は敵母星に向けて反撃を開始する。それはさながら伝説を蘇らせんとするように。
1985年に第1作がリリースされ、美しい背景と独創的なサウンドが組み合った演出がシューターを魅了した、タイトーの人気STG『ダライアス』シリーズ。
本作は1997年の『Gダライアス』以来、12年ぶりの完全新作となったシリーズ本編第5作(*1)の作品である。
当時のタイトーの混乱や長い間隔を経たうえでの新作・2009TGSではデモ映像のみの出典・「魔物が潜む(クソゲー率が高い)」と言われる年末の発売・シリーズの顔であったメインコンポーザー変更に対する古参ファンの反発・直近に発売された経緯の似た他社STGと絡めてのネガティブな意見…などといった不安要素が積み重なっており、発売前の期待度はお世辞にも高いとは言えなかった。
しかし、発売後は予想以上の丁寧な作り込みにより、往年の作品ほどの熱狂こそなかったものの徐々に評価を伸ばしていくことになる。
メカデザインに『機動戦士ガンダム00』の海老川兼武氏と柳瀬敬之氏を、主人公「Ti2」と「リーガ・プラティカ」のキャラクターデザインに『スカイガールズ』『ストライクウィッチーズ』の島田フミカネ氏を起用している。
本作はこのバースト、とりわけ設置バーストの使用を前提としたゲームバランスが組まれており、
如何に設置バーストの自由度を生かした攻略パターンを編み出すかという楽しみが生まれている。
シリーズおなじみの機体「シルバーホーク」は『ダライアスフォース』以来となる3種類が用意されている。
ただし、初期状態ではレジェンドのみが開放されており、ネクストはアーケードモードを条件問わず1ルートクリア、オリジンはバーストモードをクリアすることで、ミッションモード以外でも使用可能となる。
レジェンドとネクスト。どちらが向くかは個人差があるが、扱いやすいほうを選択することで相対的に難易度を低下させられるのがポイント。
上記の機体では難易度が物足りなくなった人には「ノーバースト縛り」のオリジンという選択肢も存在する。
+ | おさかな天国 |
歴代のダライアスと比べると、演出面の地味さや、ステージ数の少なさが目立ってしまうのは否めない。
しかし「それ以外の面はどれも水準以上の質であり、単体のSTGとしてみれば十分な良作である」というのが大方の見解である。
モードを含めた難易度調整の幅は広めであり、さらにバーストシステムやアームの仕様を含めた防弾性能が大幅に強化されたことによって、ダライアスシリーズ内外問わず初心者でも遊びやすいSTGと言える。
スクウェア・エニックスに吸収されたばかりのタイトーの状況を鑑みると、この完成度の作品をよくリリースしてくれたと言うべきなのかもしれない。
「STG冬の時代」と評される時代の中、実に13年ぶり…専用筐体としては21年ぶりとなるアーケード作品『アナザークロニクル』リリースへの足がかりを築いたという面でも本作には相応の評価が与えられてしかるべきだろう。
*1 過去の家庭用向け作品を含まず、正式な時系列に組み込まれた作品。
*2 見た目が似たようなビームでも、「発射前に合図がない」「色が赤くない」「弾速が遅め」のいずれかに当てはまるものは大抵バーストビームではないのでカウンターできない。またバーストビームをぶつけることでゲージを回復できる敵ビームもあるが、これも敵バーストとは別。
*3 機体の外見は『初代』での準備稿時のシルバーホークのデザインをモチーフとしている。なお、シリーズ内での設定では「かつてダライアス空軍で配備されていた護衛用戦闘機」となっており、『外伝』ではコンティニュー時に画面を横切りながらアイテムをばら撒く機体として登場していた。
*4 旧フロムソフトウェア所属。『METAL WOLF CHAOS』などを手がけていた。
*5 別名義COSIO。 スペースインベーダーエクストリームなどを手がけた。2015年にタイトーを退社しフリーランスとなる。
*6 過去の家庭用向けの作品でも小倉氏以外の作曲家がBGMを担当した作品は存在するが、それらの作品は本編ではなかった。
*7 編曲は小塩氏が担当。曲名は「DARIUS-LEGEND-」のアナグラムになっている。
*8 別名義ばび~。 メタルブラックやダライアス外伝の効果音製作などを手がけた。現在もZUNTATAの中心メンバーとして籍をおいている。
*9 「The world of spirit」は本来なら1面で使われる予定だったのだが、別のスタッフの提案で構成を変更し最終面向けにアレンジされたという逸話がある。なお、「Good-bye my earth」にもThe world of spiritのフレーズは使われている
*10 ちなみに他の非海洋生物モチーフのボスは『II』の「マザーホーク」と「バイオストロング」等が挙げられる。
*11 ただしこれまでは1Pの赤機体が男性・2Pの青機体が女性キャラに割り振られていたが、今作では配役が入れ替わりとなった。
*12 これらのペナルティは他STGでは当たり前の物である。
*13 開発中のサンプルROMでは自機選択画面でもイラストが表示されていたのだが、何故か製品版では無くなっている。
*14 とある同人誌でのインタビューでは、某政党への皮肉が込められているという旨の発言もしていた為、トリプルミーニングと言える。
*15 原曲に携わった土屋昇平・小塩広和や小倉久佳に加え、渡部恭久、岡素世、菊田裕樹、坂本英城、桜庭統、下村陽子、鈴木光人、関美奈子、並木学、なるけみちこ、日比野則彦、Baiyon、光田康典、TECHNOuchi、Ryu☆が参加。
*16 時系列的にはPSP版以前のストーリーであり、それぞれ試作機という設定。機体名も「レジェンドシルバーホークバーストZERO」、「ネクストシルバーホークバーストZERO」と表記されている。
*17 アルカベーダーにおいて、オペレーターのナティアやTi2の他、小夜ちゃんやパトラ子等歴代タイトーヒロインをほとんど担当している。