ライザンバーII

【らいざんばーつー】

ジャンル シューティング
対応機種 PCエンジン CD-ROM2
メディア CD-ROM 1枚
発売・開発元 データウエスト
発売日 1991年6月7日
定価 6,800円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント オーバーブースト必至の超鬼畜難度
謎のタイトルコール
ライザンバーシリーズ
ライザンバー/ ライザンバーII /ライザンバーIII

概要

現在はゲーム事業から手を引いているデータウエスト社のPCE参入第一弾ソフトで、同社がFM TOWNSでリリースした横スクロールシューティングゲーム『ライザンバー』の続編となる作品。
「逆転確率7800万分の1」という冗談のようなキャッチフレーズを持つが、実際にプレイしてみると嘘でも何でもないゲームバランスである事を痛感させられる*1
一人プレイ専用、全6ステージ構成。

システム

操作系統

  • 十字キーにて自機の八方向移動。ボタンは2つのみで、IIはショット、Iはオーバーブーストに使用する。
    • ショットは溜め撃ちの関係上オート連射に対応していないので、連射パッドを使用しない限りは手動で連打する必要がある。
    • バックアップユニット(後述)を取得している状態で、ショットボタンを約1秒程押しっぱなしにして離すと溜め撃ちが可能。
  • オーバーブーストは、通常の倍のスピードで自機を移動させる事ができる特殊操作で、本作を進めていく上で絶対に外せないシステムとなる。
    • オーバーブーストを発生させると、画面下部に表示されている「リミットゲージ」が増加していく。ゲージが一定値を超えるとオーバーヒートを起こし、時間経過でゲージが冷却(減少)するまでは使えなくなってしまう。

バックアップユニットについて

  • 特定の敵を倒すと出現するアイテムを取得する事により、自機の上下に2つの補助オプションである「バックアップユニット」が付く。
    • バックアップユニットは3種類あるが、「自機の攻撃に合わせて専用のショットを放ってくれる」「溜め撃ちが使えるようになる」という点は共通で、ショットの特性のみが異なる。
      • アイスストーム(青)…攻撃範囲が広いメインショット。溜め撃ちは自機を中心に8方向への掃射攻撃。
      • ファイヤーボール(赤)…攻撃力が高いメインショット。溜め撃ちは敵を追尾する。
      • ライトニングボルト(緑)…敵貫通能力を持つメインショット。溜め撃ちは自機の周りをユニットが一回転(防御?)
    • 本作には重ねパワーアップという概念はなく、それ以外のアイテムも存在しないため、バックアップユニットを付けた時点で事実上の最強状態となる。
    • アイテムは出現後一定のタイミングで向きが変化し、取得した時の向きによってバックアップユニットの攻撃方向が変わる。
  • ちなみに前作ではライトニングボルトの溜め撃ちが猛威を振るったが、今回のそれは出すだけ損なゴミ性能である。

ミス条件について

  • 敵・敵弾・地形に触れる事による一撃ミスの残機制。ミス後は特定地点からの戻り復活となっている。
    • ミスすると取得していたバックアップユニットは消失し、初期状態に戻ってしまう。
  • コンティニューは無制限だが、そのステージの最初から挑まなければならない。

評価点

  • 描き込まれたグラフィックと疾走感。
    • グラフィックはしっかり描き込まれていて美しく、さらに多重スクロールやスクロールスピードの速さで疾走感を演出している場面が多い。
  • 良曲ぞろいのBGM。
    • CD音源による音質の良さはもちろんの事、ひたすらにシャープな格好良さで痺れるBGMがゲームを盛り上げてくれる。
    • 最終ステージのBGMはエンディング曲と聞き違える程に切なく、言葉にできない程の哀愁を醸し出しており、「物悲しげなラストバトル」という空間を演出している。
      • 最終ステージにおける切ないBGMと鳴らない効果音(バグではなくれっきとした仕様である)はシリーズの共通要素であり、続編の『ライザンバーIII』にも受け継がれている。
  • 適度なステージ構造。
    • 1ステージの構成は適度で、変な間延びは皆無である。
    • 過去ステージの敵の使い回しはほとんどなく、各ステージが個性を持った構造となっている。

問題点

  • 常軌を逸した鬼畜難度。
    • PCEのゲームは同期のハードの中でもシューティング率が高い事で知られるが、その中でも本作の難易度は頂点クラスに鬼畜である。どのくらいかというと、初見でステージ1をゲームオーバーにならずにクリアできたら誇っても良いと言えるほど。
    • 難度の方向性は主に「高速で突っ込んでくる敵及び敵弾」で、画面上の敵や敵弾の数はさほど多いわけでもない。
  • 難儀な自機の性能。
    • メインショットの威力が泣ける程低く、バックアップユニットを付けてようやく辛うじて生きられるというレベル。他シューティングと同じ感覚でいると雑魚敵相手でも簡単に押し負ける。
  • 溜め撃ち全般が弱すぎて全く役に立たない。
    • 結果メインショットの連射で応戦することになるのだが、連射パッドなしでは高橋名人ばりの超連打スキルが必要となる(当然、クリアまで休むことなくずっとである)。よって、本作は連射パッドを使わないとゲーム的にも体力的にも死ねる。
  • 優しさなどない理不尽さ。
    • 本作には「敵や弾の前兆を示す予備動作」はほとんどなく、初見殺しが非常に多い。敵が動き始めるよりも早く回避行動を取らなければならないため、アドリブでの攻略はまず無理と言える。よって、パターンを頭に叩き込んで攻略する必要がある。
    • 本作の最難関としてよく挙げられるのはステージ4道中。自機の体当たりで粘膜を破壊しながら突き進んでいくという内容なのだが・・・。
      • このステージ道中の各所に配置されている肉団子型のザコがかなりの曲者。動きそのものは粘膜や地形に当たると跳ね返るというものだが、スピードが速い上に耐久値も硬め。迂闊に手を出すとあっさりと体当たりされてやられるので、状況に応じて倒さずにスルーするか、倒す場合は粘膜の壁越しから攻撃するといった対策が必要になってくる。だが、肉団子が粘膜の判定をすり抜けてしまう事も珍しくないので、そういった肉団子を対処するアドリブ能力も要求される。
      • ステージ中盤からは肉団子に加えて高速で移動するヘビ型の大型敵と自機に目掛けて体当たりしてくる中型敵が出現し始める。これらの敵は自機を同じく粘膜を破壊し、勝手に穴を作ってしまう。そしてそれらのザコ敵が作った穴により肉団子が外に出て穴の中を跳ね返って・・・という状況になり、ただでさえ高い肉団子が厄介度が更に上昇。ヘビ型の大型敵や中型敵の猛攻を凌ぎながら跳ね返る肉団子をアドリブで対処しなければならず、作中でもずば抜けて難易度が高い場面となっている。
      • 幸いステージ4のボスやこの先のステージについてはステージ4道中のような理不尽さは見られないので、ここさえ抜けられればクリアは見えてくるかもしれない。とはいえ、難しい事には変わりない上にステージ6に関しては開始時に致命的なバグ(後述)が存在するので全く油断できない。
    • とどめとばかりに「難易度調整は一切無し」「ミス後は戻り復活なのでゴリ押しクリア不可」「コンティニューはステージ最初から」というスパルタ仕様。
  • オーバーブースト前提のゲームバランス。
    • 本作を攻略する上でオーバーブーストはなくてはならない存在となる。何故なら、オーバーブーストによる回避を前提とした敵配置や行動パターンが普通に存在するからである。
    • オーバーブーストは効果中の移動制御ができない上に無敵時間がないため、適当に出せばいいものではない。むしろ安易なオーバーブーストは確実に自機の寿命を縮める。使いこなすには何度も試行錯誤して慣れるしかない。
  • ひたすらに地味な外観。
    • グラフィック周りが綺麗なのは評価点で述べたが、それと同時に外観が地味になっている面もある。
    • 各ステージの背景は黒が多用され、多重スクロールなどを除けば派手な演出も少ない。悪くいえば終始地味さ加減の目立つシューティングである。
  • 致命的なバグの存在。
    • かなりやっかいな問題として、ステージ5をクリアすると高確率でフリーズするというバグがある。
      • こうなるとリセットして最初からやり直すしかなくなる。ここまで到達するのに半端ない苦労が必要なだけに、このバグが発動してしまった時の精神的ダメージはとても大きい。
    • これを回避するにはデータウエスト曰く、「ディスクのクリーニングを定期的に行えば大丈夫」との事だが、確証はない。しかも、今現在PCE実機で本作をプレイ事自体が極めて困難であり、ましてやディスクの状態すら危い現状では尚更危険である。

総評

ゲームそのものはきちんと作られた印象はあるものの、いかんせん難しすぎてクリアできたプレイヤーはほとんどいなかった。
鬼畜難度嗜好のシューターにとってはむしろ神ゲーに匹敵する出来ではあったが、流石にデータウエストもやりすぎたと思ったのか、その反動で続編『ライザンバーIII』は難易度がこれまた極端に落とされた。
難易度の面では落ち着いたと言えるが、本作のような鬼畜難度による続編を期待したプレイヤーにはやはり物足りなかったようである。


その他

  • 微小の救い要素。
    • 全編通して鬼畜難度の本作だが、「ミスしても劇的なパワーダウンはしない(バックアップユニットが消失するだけ)」「ボスの装甲が比較的薄い」「コンティニューができる回数に制限がない」という救いもある。
  • ゲームを立ち上げるとすぐにタイトルコールが聞けるのだが、やたら陽気な「らぁいざんばぁ~ ヒョ~!」という謎のボイスである。
    • 本作はSFとグロテスクが同居した、至ってシリアスな世界観を持つゲームである。間違ってもギャグゲーの類ではない。
  • ゲーム中のアイテム取得にもボイスが入るが、無機質で無感情な「あいす すとーむ↓」という機械音声であり、タイトルコールとの温度差がもの凄い(…というより、タイトルコールだけが飛び抜けて異質なのだが)。