1943 ミッドウェイ海戦

【いちきゅうよんさんみっどうぇいかいせん】

ジャンル シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 カプコン
稼動開始日 1987年6月
プレイ人数 1~2人
判定 良作
ポイント 即死制からエネルギー制へと変化
武器かエネルギーか? 戦略性の高いシューティング
攻撃目標 大日本帝国海軍艦隊 健闘ヲ祈ル
数多くのシューターを沈めて伝説となった最強戦艦
カプコン19シリーズ


概要

1942』を大幅にグレードアップした縦スクロールシューティング。
大日本帝国海軍の急襲により被弾した空母ヨークタウンから飛び立ったP-38ライトニングを操り単機で大艦隊に挑んでゆく。

前作は飛行機を撃つだけで変わり映えがしなかったのに対し、今作品では空中戦の後に艦隊戦が追加されバリエーションが豊かになった。
また2人同時プレイも可能で、15面までは途中参加やコンティニューも可能となっている。
全16面の1周エンド。

主なルール

  • 8方向レバーで自機P-38を操作、他にショットボタンとメガクラッシュボタンを使用。
    • ショットボタンで弾を発射。ちなみに空中・地上(艦隊の砲台)の区別無く当てられる。
    • メガクラッシュボタンを押すことによりエネルギーを若干消費し、超自然現象を発生させて広範囲に攻撃できる。状況や敵との相対位置によって雷やカマイタチ、津波と変化し、威力も変わる。
    • ショットボタンとメガクラッシュボタンを同時に押すことによって、前作にもあった宙返り(攻撃回避)が使用可能。但し前作同様、回数制限あり。宙返り完了後に敵弾をかき消す効果があり。
  • 自機の耐久度はエネルギー制。(ちなみに前作は即ミス制)
    • 時間経過でも徐々にエネルギーが減少し、メガクラッシュ使用もしくは敵の攻撃を喰らうと大幅に減少する。敵の攻撃により0以下になると撃墜され、ゲームオーバーとなる。
      • 時間経過によりエネルギーがなくなっても即座に撃墜はせず、攻撃に当たる事ではじめてゲームオーバーになる。回避の腕があれば持ち直すことは可能。
      • 敵との衝突ダメージは大型機よりも中型機の方が多く(大型機は撃墜ではなく1段階ダメージを与える分、こちらが受けるダメージも控えめになる)、1度でも中型機とぶつかるとエネルギーのほとんどを失い、一気に持ち直しが厳しくなる。
      • なお、ボスの亜也虎と衝突した際は自機は即死するが、ボスにも1段階分のダメージを与えることが出来る。
      • 後述のPowアイテム等を取ることにより回復できるが、パワーアップアイテムとの選択を迫られるため計画的に補給しないといけない。
    • 後半の面になるにつれて、敵の速度と自機の速度が上昇していく。14面以降に最高になり、おびただしい弾幕をハイスピードで掻い潜るスリルを味わえる。
  • 各面は、前半の空中戦→後半のボス戦という構成。
    • ボスは実在した重巡洋艦、空母、戦艦が登場し、これらとの戦いは艦隊戦となる(後述)。
    • 一部の面では飛行機がボスなので、これらと戦う時は空中戦のまま。
    • 前作にも登場したオリジナルの巨大飛行機「亜也虎」との対戦や、次々現れる中型戦闘機「飛龍」を墜としていくというものもある。
      • 「飛龍」を打ち落とす「大飛龍」ステージは大型機を除く敵が弾を打ってこず、難易度が低く、前作における「ポイントアップステージ」を踏襲した形となっている*1

アイテム

赤い敵機(赤水)の編隊を全滅させるとPowアイテムが出現。
Pow取得によりエネルギーを回復できる。
また、Powの中にはショットを撃ち込むことにより様々なアイテムに切り替わるものがある(撃ちこんでも変化しない場合もある)。

+ Powと変化アイテム詳細
  • Pow:取るとエネルギー回復(小)。ちなみに前作のような「色違いPow」は出ない。
    • エネルギータンク:Powアイテムよりも多くエネルギーを回復する。アイテム変化を2巡させた場合、最終的にこれに変化する。
  • 武器アイテム:どれも時間制限があり、制限時間を過ぎると通常ショットに戻る。但し、続けてパワーアップを取ることにより最大64秒まで伸ばすことが可能。
    • ショットガン:敵弾を相殺出来るショットを前方広範囲に撃つ。
      • しかし、画面内に1発しか撃てず、連射が利かない上に射程が短すぎる為、結果的にマイナスアイテムと化している。
      • 重ねてもう1個取るとパワーアップし射程が改善される。だが依然として連射は利かず、扱いづらさと火力不足に変わりはない。
      • 特に艦隊戦でうっかりショットガンを取ってしまうと火力のなさから旗艦を撃沈できずにゲームオーバー確定とまで言われる羽目に…
      • Powを撃って最初に変化する武器である事や使用頻度が高い3WAYに挟まれているので間違って取られる事が多く、性能の悪さが目立つ結果になってしまったと言える。
    • 3WAY:前方と左右斜めの3方向に同時にショットが撃てるようになる。
      • 連射の利きやすさ及び攻撃範囲が広く非常に使いやすい。基本的にこれを使っていく形となる。
      • 艦隊戦では若干威力不足な事と後述の「サイドファイター」による射程強化の恩恵が得られないというマイナス点もある。
    • オート(マシンガン):ショットを一定時間ものすごい勢いで連射できるようになる。
      • ボタンを長押しするだけで超連射。連射装置が一般的ではなかった時代ゆえのアイテムとも言える。
      • 今で言う「セミオート連射」だが、弾の横幅が結構大きく弾速自体は通常弾に比べて速いので、連射付きの環境下でも侮れない代物だったりする。
      • 艦隊戦においては3WAYよりも直線攻撃力が高く、シェルのような明確な弱点もない為、こちらを装備した方が優位に立ち回れる事が多い。
    • シェル:前方に強力な貫通弾を連射。
      • 通常ショットの倍の威力を誇る。
      • 一方、弾速や攻撃判定の幅に劣り、威力の高さから雑魚を貫通してしまう*2為に弾切れを起こしやすく、雑魚が多い場面ではかえって不利になる場合も。
      • とはいえ後述の「サイドファイター」で幅の狭さはある程度カバーも可能。主にボスに対して威力を発揮する。
  • それ以外:上記の武器とは別に固定アイテムが出現する事もある。
    • サイドファイター:自機の左右に援護機がつく。
      • 前作では援護機それぞれに判定があったが、本作では自機と同じ判定でダメージを受け、耐久力がなくなると同時に破壊される。
      • 援護機は2発までダメージを肩代わりでき、装着中は一部の武器を除いて攻撃範囲が強化される。但し自機の当たり判定も大きくなり、宙返りも使用できなくなる。
      • ダメージを受けると援護機は赤く点滅し、次のダメージで消滅するが、それまでの間にサイドファイターのアイテムを取ると、援護機のダメージを回復できる。
    • 弥七:エネルギーが全快する。
    • 佐吉:武器使用時間が最大になる。
    • 招き猫:特定のステージのみ、ランダムで出現。画面中を不規則に出現し、接触する事で隠し武器「レーザー」が装備される。威力は絶大で、ほぼ全ての敵を一撃で破壊し貫通力も高い*3が、次のステージに持ち越す事が出来ない。

また特定の地点には隠しキャラがある。ハイスコアを狙う場合はこれらが出現する位置を覚えておく事が重要になる。

  • タケノコ:『ソンソン』と同様に特定の地点を通過する事により出現。
  • イチゴ:空中戦にのみ特定の地点にショットを撃ち込むと出現。
  • ウシ:艦隊戦にのみ特定の地点にショットを撃ち込むと出現、何故か空母の甲板に隠されていることがある。
  • タル:艦隊戦のみ特定の地点にショットを撃ち込むと出現。取得スコアが多い為、必ずとっておきたい。

艦隊戦

  • 駆逐艦や巡洋艦で編成された護衛艦隊を潜り抜けた後、旗艦が登場する。
    • 各艦には破壊可能な構造物が多数あり、旗艦の構造物を全て破壊するか、やり過ごしても一定以上の破壊率*4があれば「撃沈」となりステージクリアとなる。
      • 破壊率は高いほどステージクリア時のボーナスが上昇し、エネルギーも多く回復するため、出来る限り100%を狙っていきたい。
    • 破壊率が一定以下の場合はもう一度だけ艦隊戦を挑める(3度目は無い)。ただしエネルギーを消費した状態での再戦となるためかなり絶望的な状況。
    • 旗艦の全ての構造物を破壊すると艦橋の爆発し、飛び散る破片を撃つことで1万点のボーナスが入る。また、まれに爆発にまぎれてモビちゃんが飛び出る事があり、これを破壊すると10万点ボーナスが入る。
      • 但し破片にも当たり判定があるので、撃沈したからと言って油断してはいけない
        破片の接触ダメージは中型機並みに大きく、エネルギーに余裕がないと相打ちになってゲームオーバーになる事も…。
+ ラスボスについて(ネタバレ有り) 
  • 最終面のラスボスは超弩級戦艦「大和」であり、ハリネズミのように重装備した対空砲と主砲を放ってくる。当然これらは脅威であり、特に主砲は一撃で倒されるほど(正確には中型機との接触ダメージと同じだが、ここまでたどり着くまでには耐えられるほどのエネルギーが残っていない事の方が多い)。
  • そして大和がカリスマとなりえた理由は最終面に限りコンティニュー不可能ということである。つまり大和への敗北はステージ1からやり直しと同義であり、上級プレイヤーのやる気を注いだ。
    • 正確には大和の護衛艦隊が辛く、全方位からの絶え間ない攻撃に加え、中型機の体当たり等であっという間にエネルギーが底をつく。大和まで一定のエネルギーを持っていけばメガクラッシュ2発でかなり楽になるのだが、慣れてないと大和の時点でエネルギーが底をついたり、そもそも大和が見えてくる前に撃墜されることも。
      • 大和と戦う際も絶え間なく全方向から敵機が飛んでくるため、対空砲や敵機を回避している最中に主砲の餌食になる事もよくある。
    • 販促チラシには「きみに大和が破壊できるか」と書かれており、大和の強さはまさにカプコンからの挑戦状である。
    • 大和の強さゆえに、本作は初心者でも長く遊べる「STGの教科書」として薦められる反面、上級者でもなかなかクリア出来ないという面を持っている。
      • 大和の空中戦までならば難しめではあるものの弥七等のフォローが多くあるので慣れれば辿り着く事自体は難しくない。
        艦隊戦と大和だけでランクをはね上げていると言える。
    • 一部移植版および海外版では「コンティニューが可能」となっており、この場合はごり押しでクリアが可能。
  • なお、プロデューサーである岡本吉起氏は「最終面は理論上クリアは可能だが、僕はクリアできていない。今正直に言うと難易度を5%下げるべきだったというミスをしていると思う」と語っている。(ソース)

評価点

  • エネルギー制の導入により、多少の被弾が許されるようになった。シューティングが上手でなくてもそれなりに進めることができる。
  • ステージ構成もよく練られており、Powを集中して取らなければ息切れするステージ、激しい敵の攻撃の直前(後)に弥七(エネルギー全快アイテム)が出現するといった配慮がされている。
    • スコア稼ぎに運が絡むが、それ以外はパターン化できる内容であり、やりこめばそれだけ進めるようになる。
  • 2人同時プレイが可能なので、1人では厳しい局面も乗り切れる場合がある。
    • 2人同時プレイでは自機同士を重ねる事で互いのエネルギーを平均化する事が出来、相手をサポート出来る。
    • 1人プレイでは使いづらいショットガンも片方のプレイヤーの補助に回る形で役に立てることがある。
  • 演出が良い。
    • ステージ開始時に「攻撃目標 ○○(敵旗艦名称) 健闘ヲ祈ル」と打電されてから自機が出撃する。
      空中戦を最後まで進むと、敵艦影を発見し、「ワレ敵艦隊発見セリ コレヨリ攻撃ニウツル」と打電し艦隊戦に突入し、
      見事、旗艦の撃沈に成功すると、燃え盛る敵艦を背後に自機がどアップで現れ、「作戦成功 ○○ 撃沈 破壊率 ○○%」と表示される*5
    • この一連の演出が非常に格好良く、「健闘ヲ祈ル」と「撃沈」は後のシリーズでも伝統として採用された。
      • プレイヤーはアメリカ軍なのになんでこんな所が日本的なのかというツッコミも入るが……。
    • 史実とは異なるものの、伊勢が「航空戦艦」として登場し、艦載機をバンバン飛ばしてきたり*6、戦艦陸奥・長門と戦える*7、雲霞の如く援護機を引き連れた大和*8など、ロマンを感じる部分も多々ある。
      • 『1943改』では飛龍と蒼龍が削除されてしまったため、4大空母の全てと戦えるのは本作のみとなっている。
  • サウンドも良好。
    • 前作と比べ曲数も増え、空中戦、艦隊戦、亜也虎戦など、いずれも良曲揃いでゲームを盛り上げてくれる。
    • 敵の爆発音もかなり派手な音なので非常に爽快感がある。

問題点

  • パワーアップが難しい。 Powに弾を打ち込むことでパワーアップ効果を変えなくてはならないため、プレイヤーは敵や敵弾に注意しつつ集中して弾を打ち込まねばならず忙しい。しっかりパターンを組まないと、弾を連射しすぎて欲しい効果を取り損ねてしまい、思った通りのパワーアップを取る事はできない。
  • 中型機に体当たりされた時のダメージが極めて大きい。 上述のように、1度でも中型機とぶつかるとエネルギーのほとんどを失い、一気に持ち直しが厳しくなる。ステージによっては横や後ろから敵機が体当たりしてくる局面もあるので、そのような場面は出現パターンを覚えていないとあっという間にゲームオーバーになってしまう。
  • アイテムは1人プレイを前提にした配置をされており、2人プレイ時には絶対的に足りなくなる。(2P時にはアイテムを落とす赤水編隊の出現数が増えるが、増えない個所もある)
    • 相手の誤射などで、取得しようとしたアイテムを勝手に切り替えられてしまうこともある。特に片方が3WAYを使用している場合は顕著。
  • 宙返りが空気。ショットボタンとメガクラッシュボタンの同時押しである為に、メガクラッシュを使おうとして暴発する事が多々ある、さらにはメガクラッシュに勝る点もほとんど無い為、意図的に使う場面は少ない。
    • 最終ボス戦では宙返りも駆使しなければ非常に厳しい為、全く必要ないわけでもない。
  • メガクラッシュが強過ぎる。
    • 特に艦隊戦で発生する「津波」は一定時間スクロールと敵の攻撃を止め、その間に一方的に攻撃を加える事が出来る為、2回ほどメガクラッシュを使用するだけで、どのボスもほぼ確実に撃沈できる。
    • エネルギーの消費量は敵弾に接触した際の減少量と同じであり、弾に当たるぐらいならメガクラッシュを使用した方がお得。
    • 一方、敵弾が接近している時に発動する「カマイタチ」はエネルギー消費量が少ないものの弾消しのみでダメージがない、残念な効果となっている。
  • ショットガンがあまりにも貧弱すぎる。「取るとゲームオーバー確定」扱いされるほど。
    • なお事実上のバージョンアップ版『1943改』では、ショットガンがあまりにも強化されすぎて「取るとクリア確定」扱いされるようになってしまった。極端すぎる。
  • モビちゃんの存在故にスコアアタックが運ゲーになっている
    • パターンゲームであるがために突き詰めたプレイヤーの唯一の差となるのはモビちゃんが出るか出ないかであり、またそのスコアも10万点と非常に多いため、ハイスコアアタックが完全に運ゲーと化している。
  • 前作に引き続き、考証に誤りがある。 P-38が空母から飛び立って着艦する*9とか軍艦の形が違う*10とか史実のミッドウェイ海戦は1942年である。本来なら1942-IIとなるところだろう。
    • ちなみにP-38に関しては後述の通り、岡本吉起氏が前作の時点で「ファンタジー色を強調させる為」という確信犯的に採用していた事がYouTubeの動画で語られている。
    • 「飛龍」と「蒼龍」に限らず、「扶桑型(扶桑・山城)」や「長門型(長門・陸奥)」など同型艦が存在する艦船に関しては基本的に外見に差異がない。昔のゲーム故に細かい部分にこだわれる程の容量が無かったのかもしれない。
      • その「扶」は4面の攻撃目標だが、名称が「扶」となっている。
    • なお、ゲーム開始時に爆撃されて傾いた空母はミッドウェイ海戦で失われたアメリカ空母『ヨークタウン』。プレイヤー機はステージをクリアする度に傾いた空母に着艦して補給を受けている*11

総評

若干アラがあるが初心者でも上級者でも遊びやすく、またラスボスのカリスマ性などシューティング史上に残る名作である。
FC版はスペックなどから大幅に改変されているが、PS・SSのカプコンジェネレーションではオリジナル版を忠実に移植されたものとなっており、また実際の艦船について説明もされているなど内容が濃い。
後に敵をドイツ軍や架空の敵部隊とされた続編が登場したが、本作をシリーズ最高傑作として挙げる人も多い。


余談

  • ステージ開始時に特定のコマンドを入れておく事により、ステージによって決められた武器を最大まで所持した状態で開始される。
    • 「亜也虎」ステージでは使用時間無限の「レーザー」となっており、普段のプレイでは強固な「亜也虎」を一瞬で落とす事が出来る。
      • コマンドはゲームセンターや攻略本などで紹介されており、本作の中ではわりと有名な技でもある。
      • 「亜也虎」は普通に倒すと破壊率100%を達成する事は非常に困難なので*12ハイスコアを目指すプレイヤーは必ずこの技を使ってレーザー装備にするのが常だった。
  • 自機がアメリカ軍で敵が日本軍ということで反日ゲームと間違われる事もあった。
    アメリカ国歌をBGMに星条旗が掲揚されるエンディングは日本のゲームとは思えない清々しさ。
    • なお、FC版ではボスの名前が三国志の武将の名前に差し替えられている。
    • 本作のプロデューサーである岡本吉起氏は自身のYouTubeチャンネル(世界の岡本吉起ch)で開発に関する裏話を述べている。
      + 内容
    • そもそも本作の開発がある程度進んでいた中で部下の若手プランナーがギブアップしてしまい、一時頓挫したことで社内からも懇願されたことから開発を岡本氏が引き継ぐことになった。そのため2週間会社の個室に籠り、他の仕事もストップして外部連絡も絶った中で企画や仕様の練り直しをしていた。ただし、既存のプログラムからは大きく変えられないので可能な範囲で一部のグラフィックを変えるなどでプログラマーにも仕様を伝えたりしていたことを述べている。
    • その後、仕様通りに出来上がっていく中で敵の出現マップやゲームの最終調整を当時後輩だった船水紀孝氏に任せることに決めたのだが、その時間が2週間しかなく、やむを得ず船水氏もその2週間は会社に泊まり込みの状態で作業をしていたとのこと。その結果、岡本氏の想定した以上のものが出来上がったことで彼の才能を開花させることにも成功した*13
    • サブタイトルに「ミッドウェイ海戦」とあるように「旧日本海軍をアメリカ機でなんとなく攻撃して日本の空母や駆逐艦を倒し、最後は大和を撃沈させる」というファンタジー色の強いものとして作っていた*14のだが、出荷後に右翼団体からのクレームが来るという異様な事態が起きた。
      • 岡本氏曰く「海外市場でも売りたい場合「戦争では勝利者が敗者をやっつけるゲームのほうがウケが良い」というので、もし太平洋戦争で日本が勝利してたら米軍をやっつける内容でも問題はなかった。だが史実は既知の通りだったので「米軍が正義側」という内容になった。だが、あのクレームが来たのは結構重かった。今にしてみれば当時の自分には「日本軍をやっつけるゲームを日本人がわざわざ作るのはどうなんだ?」「靖国に眠る英霊たちにどんな声をかけるんだ?」といった方に考えが及ばなかった。」旨を述べている。

移植作

  • ファミコン版(1988年6月20日発売 カプコン)
    • スペックの関係から大幅にアレンジが加えられた作品となるが完成度は高め。詳細はリンク先頁にて。
  • SS/PS『カプコンジェネレーション~第1集 撃墜王の時代~』
    • 『1942』『1943改』と共に、本作のAC版を収録。
    • 最大の特徴として、本作で出現する敵艦と説明をギャラリーモードで閲覧する事が出来る。
    • 移植内容自体は原作に忠実だが、ゲーム仕様が若干変更されている事から厳密にはAC版の完全移植では無い。以下の仕様は同時収録の『1943改』と共通。
      • 空中ボス戦では大飛龍の出現パターン及び画面内の最大出現数が変更された。また直前の道中で出現させた佐吉等のアイテムがスクロールに流される様になりアーケード版では可能だった「あらかじめ佐吉を画面内に出現させた状態でボスに突入し、撃破したら回収して武器制限時間を最大にした状態で次のステージを始める」というテクニックが出来なくなった。
      • 大和が登場する16面がコンティニュー可能になったため、EDを見るだけなら誰でもクリア出来る仕様になっている。

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最終更新:2024年02月02日 10:27

*1 前作同様に筐体難易度設定が高い場合は全ての敵が弾を打ってくる。

*2 このゲームではショットの攻撃力が敵の耐久力分を上回っていた場合、攻撃力を減らしつつ貫通する。シェルの場合は攻撃力が2ある為、雑魚1機を貫通し、2機目に当たった際に消滅する仕様となる。

*3 レーザーもシェルと同様に攻撃力を持つ武器だが、設定されている攻撃力が桁違いに高い為、1発撃つだけであらゆる敵を貫通してしまう。亜矢虎や、大型機等、段階的にダメージを与える敵には数発必要になるが

*4 旗艦の構造物を破壊した数に応じて増加、基本的に70%を超えればクリアだが、筐体の難易度設定によって変動する。

*5 亜矢虎や大飛竜の場合は「撃墜」となる。

*6 史実ではミッドウェイ海戦の直前に起きた姉妹艦の事故がきっかけで航空戦艦に改造される。しかし、戦況の悪化により、艦載機が搭載される事はなかった。

*7 史実では温存され、活躍の場を得る事なく、それぞれ謎の爆沈事故と戦後の核実験で沈没。

*8 史実では最後は一切の援護機無しで水上特攻に使用された。

*9 P-38はそもそも海軍機でなく陸軍機。また現実のミッドウェイ海戦でアメリカ側の空母が被弾したのは米軍が先制攻撃に成功して日本側空母3隻が行動不能になった後、残った飛龍の反撃によるもの。

*10 利根と書かれている艦が最上型、飛龍に至っては蒼龍(一応同型艦だが、艦橋の位置が左右逆)のグラフィックの流用。

*11 ただし、史実でもヨークタウンは飛龍の艦爆隊から攻撃を受けて大破したものの伊168の雷撃を受けるまで持ち堪えていた。

*12 特に二度目以降はサイドファイターを維持しつつシェルを巧みに使わなければほぼ不可能。

*13 ただ、これは当時岡本氏が抱えていた別のメイン仕事に支障が出ていたこともあり、そちらも止めたままにするわけにもいかなかったという事情から船水氏を抜擢する形で最終調整を任せるしかなかった。

*14 自機が前作と同じ陸軍機の「P-38ライトニング」だったり実際には出てこなかった戦艦も登場するなどの要素から完全にファンタジーとして作っていた。