Hotel MARIO

【ほてる まりお】

ジャンル パズルアクション
対応機種 CD-i
メディア CD-ROM
発売元 フィリップス インタラクティブメディア
開発元 フィリップス ファンタジーファクトリー
発売日 1994年4月5日
プレイ人数 1~2人
備考 日本未発売
判定 クソゲー
シリーズファンから不評
ポイント 海外における史上最悪のクソマリオ
ショボすぎるゲーム内容
作画の酷いアニメーションムービー
マリオシリーズ・関連作品リンク


概要

フィリップスが 任天堂の許諾を得て アメリカで製作・発売した、マリオシリーズの外伝作品。
対応ハードは世界で4番目に売れていない「CD-i」。そんな状況だったため本作も海外限定で、日本では発売されていない。
海外のゲームサイトでは、しばしば「史上最悪のマリオゲーム」として紹介されることが多い。


ストーリー

マリオとルイージはピーチ姫からピクニックの誘いを受けてキノコ王国へと向かった。
しかし、キノコ王国はクッパに乗っ取られており、「クラブクッパリゾート」というホテルリゾートに作り変えられてしまっていた。
クッパ達はピーチ姫を「客」として閉じ込めるべく各ホテルに連れ去り、マリオとルイージは助けに行く事になる。


内容

  • 敵をかわしつつホテル(ステージ)のドアをすべて閉める事でクリアとなる。
    • 時間が経つと敵が閉めたドアを開けてしまう。すべてのドアが開かれたり時間切れになると1ミスとなるため、いかに早くすべてのドアを閉めるかが攻略のカギとなる。
    • 上の階、下の階へ移動する際はエレベーターを使用する。
      • エレベーターや開いているドアの中に留まることで敵をやり過ごすことも可能である。
  • 各ステージの最後にボスであるコクッパ7人衆が待ち構えている。攻略方法は普通のステージと同じ。今作の登場順は、モートン→ロイ→ラリー→レミー→ルドウィッグ→ウェンディ→イギー(クッパ)。イギーはクッパのホテルでクッパの前座として登場している。
    • 2回踏むことでボスを倒すこともできるが、ドアをすべて閉めない限り何度でも復活してくる。
    • エレベーター等に留まっている際にボスと鉢合わせしてしまうと、 マリオがボスに喰われて 1ミスとなる。
  • 特定のドアに入ると、ステージギミックを解除したりワープすることもできる。
    • ただし、ワープするステージはランダムであり、プレイヤーがワープしたいステージを決めることは不可能となる。
  • 残機はあるものの、コンテニューは無制限にできる。

問題点

  • 「ピーチ姫がクッパによってホテルに連れ去られたため、マリオとルイージが助けに行く」という怪しい雰囲気満載のストーリー。
    • ステージとなるホテルも木の中にあったり雲の上だったりと、ホテルと設定する必要性をまるで感じさせない代物*1。尤も、ホテルを舞台にする時点でそもそも間違えているのだが…。
  • OP、ステージ開始時やボス戦後にアニメーションムービーが挿入されるのだが、このアニメの質がおぞましいほどに低い。
    • マリオが本家以上に太って見えたり、演出がショボかったり、ピーチ姫がさらわれてもマリオ達が冷静すぎて緊張感が全くなかったり、ピーチ姫がブサイクで声優もすさまじく棒読みだったりといろいろ酷い。
  • 単調すぎる上に調整不足なゲームシステム。
    • 前述のようにドアをすべて閉めることでクリアだが、画面はすべて固定。ステージごとにギミックがあることを考慮してもショボさを感じざるを得ない。
      • このゲームの約4年前にはすでに「スーパーマリオワールド」が発売されており、余計にショボさが際立ってしまっている。
    • さらに後半のステージになると、敵の挙動や数が厳しくなっていく。階層及びマリオの位置を問わずガンガン飛び交うパタパタやキラー、大量に降ってくるボム兵等、明らかに調整不足な理不尽さが牙をむき単調なゲームシステムと相まってストレスが溜まる。
  • 攻撃手段はおなじみのジャンプだが、敵を踏んづけた後のバウンドでなぜか上階の敵に接触してミスになってしまうことが珍しくない。そうでなくてもタイミング次第で上の敵に接触してしまうこともある。
    • 当たり判定も大味で、踏んだと思ったら1ミスしてしまった…なんてこともしばしば。
      • しかもジャンプの挙動も妙にもっさりしており、本家のマリオのように気持ちよく敵を倒すのも難しい。
  • エレベーターに入るには矢印に関わらず↑で入り、↓で出る。それだけならまだいいのだが、たまにエレベーターの繋がり方が無茶苦茶なときがある。

評価点

  • 敵キャラのバリエーションは豊か
    • ハナチャンやカロンなど、ザコキャラのバリエーションは無駄に豊富。ボスのコクッパ7人衆も全員登場している。7人全員の攻撃の個性もよく出ている。
    • ムービーの作画はともかく、ドット絵の方はそこそこのクオリティを保っている。
  • 致命的なバグなどはなく、システムの単調さを我慢すればアクションパズルとしてそこそこ遊べる。
    • もっとも、ゲーム自体が単調かつ前述のとおりステージを進めば進むほど理不尽な仕様が大きく目立つため、すぐに投げ出してしまいやすいが。

総評

酷いアニメーションムービー、アレなストーリー、単調なゲーム内容、雑過ぎる難易度調整…と、任天堂は一切ノータッチとはいえ、マリオシリーズ屈指の低クオリティ。
序盤をプレイするだけならそこそこ楽しめるが、進めていくうちに単調さに飽きて二度とプレイしなくなるか、中盤以降の滅茶苦茶なゲームバランスに耐え切れずにコントローラーを投げ出すかのどちらかだろう。
当たり前ではあるが公式の「スーパーマリオ」系列からは外されている。


余談

+ 参考動画
ゲーム中のアニメムービー
プレイ動画
  • 日本での発売は一切無く、超マイナーハードでリリースされたソフトゆえに、日本での知名度はあまり高くない。
    • しかし、海外ではやはりこれもネタとして有名。特にOPムービーでのマリオとルイージのやりとりが有名である。
      • マリオがルイージを「ゲイ」と呼んだ(ように空耳で聞こえた)り、その直後にルイージが「スパゲッティたくさんあるかな」とイタリア人のステレオタイプを安直に用いたセリフがよくネタにされる。
    • 作画の酷いアニメムービーも、ネタとして見ればシュールで面白く、別の意味で人気が高い。
      • ネット上でこのアニメ部分のみが取り上げられて独り歩きして有名となってしまったためか、ゲームとは気づかなかった人もいるとか。
    • 英語圏にて本作のルイージの空耳と『Mario is Missing!』のルイージのグラフィックを元にした「Weegee」というキャラがネットミームとして伝搬している。詳細は同作の項目を参照。
  • ムービーでマリオが土管に入る場面があるがこのときの効果音はスーパーマリオ64』(当時未発売)で土管に入る際に流れるものと全く同じである。
  • パッケージ奥に映っている謎のグラサン男は実はクリボー。英名は「Rhinestone Goomba」で、通常のクリボーの強化版となっている。
    • 耳が生えていたりとどうやってもクリボーには見えないが、ゲーム本編ではきちんとクリボーの頭身で描写されている。開発中にデザインが変更されたのかもしれない。
  • フィリップスは同じくマリオを題材にしたCD-iソフト「Super Mario's Wacky Worlds」も開発していたが、CD-iの売上不振からか結局開発途中でお蔵入りとなった。
    • こちらは本作とは異なり、オーソドックスな2Dアクションゲームとなる予定だった模様。開発途中のROMが流出しているらしく、動画サイト等でいくつかプレイ動画がアップロードされている。
  • 2014年、フィリップスはWiiリモコンのコントロールシステムが自社の特許を侵害したとして裁判を起こしていた。そのため一時期任天堂との関係が拗れていたが、後に両社それぞれの特許に関するクロスライセンス契約で合意し和解に至っている。
    • このため両社の関係性は回復しているのだが、今後本作が配信・移植等されることはおそらくこれからも無いだろう。誰か望んでいるのかはともかく。
  • 今作とは関係ないが『HOTEL MARIO』というホテルは実在し、ググると割と上位でヒットしていた。どうやら大人が『ご休憩』するためのホテルのようだ……。
  • 2019年10月31日に発売された『ルイージマンション3』の舞台もホテルである。「ホテルに幽閉されたマリオ達をルイージが助けに行く」と、ストーリーもルイージ類似している。

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最終更新:2024年03月18日 11:36

*1 ドアを開閉するゲームを最初に思いつき、「ドアが廊下にいくつも並んでいてもおかしくない建物」として「ホテル」という設定にした可能性はある。もっともシリーズには『レッキングクルー』で「ビル」として扉がいくつもあるステージがすでにあるので、ホテルにこだわる必要は薄いが。