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学園ヘタリア Portable

【がくえんへたりあ ぽーたぶる】

学園ヘタリア DS

【がくえんへたりあ でぃーえす】

ジャンル 交流アドベンチャー

対応機種 プレイステーション・ポータブル、ニンテンドーDS
メディア 【PSP】UMD1枚
【DS】204MbitDSカード
発売・開発元 オトメイト(アイディアファクトリー)
発売日 【PSP】2011年3月24日
【DS】2012年3月8日
定価 【PSP】通常版:6,090円/限定版:8,190円
【DS】通常版:5,040円/限定版:7,140円
判定 クソゲー
ポイント キャラゲーとしてはありえないキャラ崩壊
二次創作参考疑惑
オトメイト作品としてはありえないCGのクオリティ
ボリュームがない上に自由度も低い
ただし、システム面とシナリオ自体の完成度は低くない
一部ファンには待望の作品


概要

第一・二次世界大戦下の各国を擬人化し、アニメにもなった人気webコミック『Axis Powers ヘタリア』のゲーム版。
正確には『Axis Powers ヘタリア』の本編ではなく、LiveMakerを用いて原作者自らが制作したPC向けシミュレーションゲーム『学園ヘタリア』を元にしている。
ちなみに「ヘタリア」とは「ヘタレなイタリア」の略であり、元々は歴史上におけるイタリア軍の頼りない面(ヘタレ)を揶揄する際に使われる軍オタ用語である。
いわゆる「乙女作品」であり、コアなファンを数多く持っている。それがコンシューマ向けタイトルになるというので、各層から期待されたのだが…。

ストーリー

世界のどこかにあるという「W学園」 ひと癖もふた癖もあるという様々なキャラが通っているこの学園に転入することになった女の子のセーシェル*1
セーシェルはそれまで、小さな島で暮らしてきたため、はじめて見る外の世界にドギマギ。でも、学園生活の中でイタリアやドイツといった学園の友人たちと交流を深めていきます。

さらに、転校早々セーシェルは「クロスナショナル・パーティー」の実行委員に選ばれてしまいます。
このパーティーは年に一度学園で行われるパーティーで、学園のみんなが交流を深める大事なパーティーです。
パーティーの実行委員はアメリカ、イギリス、フランス、日本といった学園の中心人物たち。
しかし、実行委員のメンバーの思惑はみんなバラバラ。なかなか思うようにパーティの準備は進みません。

そんな最中に重要な役に就いてしまったセーシェル。
果たしてセーシェルは学園の友人たちと交流を深め、無事にパーティーを成功させることができるのでしょうか!?
(公式サイトより引用)


主な登場人物

セーシェル(CV:無し)
本作の主人公で天真爛漫な女の子。
やや世間知らず。フランスとイギリスとは小さい頃からの知り合い。
興奮すると変な喋り方になる。

イタリア(CV:浪川大輔)
タイトルの「ヘタリア」を象徴するパスタとピザと女の子が大好きな青年。
ドイツと仲が良く、フランスを兄のように慕う。

フランス(CV:小野坂昌也)
美しいものなら何でも好きな博愛主義者。
イギリスとはなんでも張り合い喧嘩を繰り返す腐れ縁。
イタリアと同じくらいに女の子が好きで口説くのを嗜みとしている。

イギリス(CV:杉山紀彰)
マナーを重んじる紳士(自称)。実際は元ヤン。
皮肉屋かつ根が寂しがり屋のため、言動はもはやお手本のようなツンデレぶり。
幼い頃のセーシェルを知る兄貴分でフランスとは喧嘩仲間。

ドイツ(CV:安元洋貴)
屈強な見た目と裏腹に几帳面で綺麗好きな青年。
規律に厳しく、規則やマニュアルにこだわる。

リヒテンシュタイン(CV:釘宮理恵)
見た目は小さいが礼儀正しく、自分の意見ははっきり言う女の子。
本作では数少ない女性キャラの1人。

システム

  • 愛しのヒロインルート&麗しのアミーコルート
    • 愛しのヒロインルート(以下ヒロインルート)は主人公自身が特定のキャラクターと親交を深めるルートであり、一般の乙女ゲーにおけるキャラクターの個別ルートに当たる。
      • 攻略対象はパーティーの実行委員であるイタリア・ドイツ・日本・アメリカ・イギリス・フランス・中国・ロシアの8人。
      • また、後述のパーティシステムには絡まないおまけ的な扱いではあるものの、オーストリアにも個別エンディングが用意されている。
      • ただし、一般的な乙女ゲーのように共通ルートから個別ルートに分岐していくタイプではなく、キャラクターの好感度や、特定の日時に発生するキャラクター個別のイベントをいくつ見たかなどの条件を満たすことで、対象キャラクターのヒロインルートエンディングに到達できる仕組みになっている。
    • 麗しのアミーコルート(以下、アミーコルート)は、主人公以外の特定の2人が親交を深めたり騒動を起こす様子を主人公が見守るルートで、ヒロインルートの条件を満たさなかった場合は基本的にアミーコルートのエンディングとなる。
      • キャラクターの組み合わせによって複数のエンディングがあり、こちらも好感度やイベントの回収状況などの条件によってどのエンディングに到達するかが決まる。
  • パーティシステム
    • 実行委員8人の中から「司会」「料理」「音楽」「外装」の責任者を決める。
    • パーティ当日は、会場内を歩いて参加者の感想を聞くことができ、最後にはパーティーの評価が発表される。
      • 「誰に」「どんな仕事を」任せたかで会場の内装やBGMなどパーティーに変化が現れるが、各キャラクターには苦手分野が設定されており、最高ランク(S)を取るためには適切な役割分担が必要となる。
      • ただし、特定キャラクターのヒロインルートの条件を満たした場合はそのキャラクターが全ての分野を担当することとなる*2
      • スイスやリヒテンシュタインなど、実行委員以外にも好感度を上げることのできるキャラクターが何人かおり、好感度を最高まで上げるとパーティに参加してくれる。実行委員以外の参加人数が多いほど評価が高くなり、全員参加でSランクを取得できる。
  • 友好協定
    • 1周目で上げた友好度を2周目にも引き継ぐシステム。
    • 友好協定を結んだ場合、協定を結んだキャラクターの個別ルートに進むためのイベントが発生しなくなるので注意する必要がある。
  • ヘタリア小劇場
    • ゲーム中に登録したボイスを使って自分だけのイベントを作成出来るシステム。
    • ボイスだけでなく、服装や表情、背景を自由に設定することが可能。
    • DS版では通信機能を使い、作成したイベントを送れるようになった。
  • 以下はDS版での新規要素。
  • 世界の談話室
    • 室内を歩いてキャラクター達と会話するモードで時間帯によって台詞が変わったり、後述のクイズで貯めたポイントでカスタマイズが出来る。
  • Wクイズ
    • 談話室でスイスに話しかけると始まるミニゲーム。
    • 世界史や世界文化に関するクイズを4つの選択肢から選んで答える。
  • ワールドクロック
    • DS本体の内蔵時計とリンクした機能。
    • 世界各国の現在の時間を知ることが出来る……が、上述通りDS本体の時計を参照するため、設定時間が不正確だとワールドクロックの時間もリンクしなくなる。

問題点

  • 原作付なのに原作のキャラ設定を無視している部分がある
    一応、『学園ヘタリア(通称:学ヘタ)』の世界観自体が『ヘタリア』本編とはパラレルワールドとなっているのだが、それでも本編の設定から大きく逸脱することはなかったPC版と比べると違和感を覚える描写が目立つ。
    • 本作では、『ヘタリア』の根幹であるはずの「登場キャラクターは擬人化された『国』である」という設定がぼかされており、明言されない*3。そのため、「だったら『ヘタリア』じゃなくてもいいじゃないか」と方々から文句が集中。
      • 『ヘタリア』に関しては、アニメ化の際に韓国の設定*4が侮辱的だとして韓国の国会で取り上げられる騒ぎになり、テレビ放送が急遽中止されネット配信のみとなるという出来事*5があったため、スタッフも慎重にならざるを得なかったのだろうが、配慮した結果ヘタリアである意味が薄らぐくらいならばそもそもゲーム化に踏み切らなくてもよかったのではないだろうか。
    • キャラクター設定はゲームスタッフによって学園編向けに作り直されているのだが、これに関しても不満が大きい。
      • 例として、『ヘタリア』本編では「年齢(歴史)を重ねているため体の柔軟性がない」という設定の中国が「体が柔らかい」という設定になっており、「鮫のように泳ぎが早い」アメリカが「泳ぎが得意ではなく、最近水泳で日本に勝てないことを気にしている」という設定になっているなど。
      • それぞれ「中国=中国雑技団の軟体芸というイメージ」「オリンピックの水泳競技で、一時は表彰台を独占していたアメリカ合衆国選手のメダル獲得数が2000年代以降かなり減っており、日本の北島康介選手に勝てないことが多かった」という元ネタがあり間違いではないが、いくらパラレルとはいえ原作と真逆の設定にしてしまっている点が問題である*6
      • 『ヘタリア』本編に関係する小ネタもきちんとあるのだが、一方で上述のように「実在国家の情報を踏まえた描写が、結果として原作の設定と食い違ってしまっている」という部分がいくつかあるため、「シナリオ担当者の中に原作を知らない人間が混じっており、実在の国家に関する情報と原作設定とのすり合わせが不十分だったのでは」という指摘もされた。
    • 二次創作にありがちなネタがちらほら見られるため、「製作スタッフが二次創作をゲーム作りの参考にした」「参考のために同人誌を購入した」という真偽不明の情報が乱れ飛ぶ騒ぎとなった。
      • 日本が「薄くて高い本(=同人誌)」を校内で読むほど重度のオタクで、初対面の人間とは上手く話せないほどの人見知りだったり*7、セーシェルに「~っす」という原作にはない口癖があったり*8など。
      • しかも基本の基本であるはずの一人称の間違いが数ヶ所ある*9
  • キャラクターの絵柄が、原作ファンからの不評が多いアニメ版(旧シリーズ)をベースとしており、立ち絵・イベントCGともに作画が非常に不安定。
    • 原作ファンからは、旧アニメ版の絵柄について「原作の魅力を再現できていない」との批判が根強く*10、原作調のCGを期待した層からは不満の声が上がった。
      • 本作の開発を手掛けたオトメイト(アイディアファクトリー)のゲームは、「テキストやシステムには難があるがCGは高クオリティ」という評価を受けた作品が多かったため、アニメ版作画の悪い点を見事に取り入れてしまったCGを見たファンのショックと落胆は余計に大きかった。
      • 更に、イタリアの兄であるロマーノ(南イタリア*11の擬人化)がイタリアのフリをして登場するシーンがあるのだが、イタリアの立ち絵がそのまま使い回されている*12
      • ちなみに背景のクオリティは安定しており、キャラクターの立ち絵よりも背景の方に力が入っているように見えるほどである。
  • 主人公「セーシェル」の言動が独特で感情移入がしにくい。
    • 「様々な国の言語が混ざった独特の言葉を話す」という設定のため話し方が独特で、他キャラの口癖や名台詞を使ったりとこれまた原作ファンを悪い意味で刺激してしまった。
      • ただし、「変わった話し方をする」という設定自体はゲームオリジナルというわけではなく、原作のセーシェルにも「様々な国の言葉が混ざった謎の言葉を話す」という設定がある。
      • 実在のセーシェル共和国では、フランス語から発展した「セーシェル・クレオール語」という独特の言語が公用語の1つとして使われており、それを踏まえた設定となっている。
    • パーティを成功させようとがんばる姿には好感を持つプレイヤーもいるが、それ以上に独特な言動が目立ち、不快に感じるプレイヤーも多い。
  • 恋愛要素が薄く、乙女ゲーなのかBLゲーなのか判別しかねる。
    • ヒロインルートは薄っすらと恋愛要素が入る程度*13であり、アミーコルートは上述のように特定の2キャラ(男同士)が親交を深める様子を主人公が見守るような形になっている。
      • ただし、恋愛要素の薄さについては原作となる『学ヘタ』自体が真面目な乙女ゲーではなかった*14ため、「恋愛要素の強い乙女ゲーじゃなくて安心した」という声もあり、一概に問題点とは言えない面もある。
    • ユーザーが被りがちとはいえ、乙女ゲーとBLゲーは一緒にされることを頑なに拒む人もいるジャンルである。しかも本作のストーリーは乙女ゲーとしてもBLゲーとしてもあまりに中途半端であり、狙いをどちらかに絞るか一般ゲーにするべきだったという意見が多数出た。
  • ゲーム自体も薄い、というより自由度が低い。
    • 基本的には、複数の移動場所候補から一か所を選んで移動し、そこに居るキャラクターと会話するという流れを繰り返すのみである。
      • 選択肢が出現してキャラクターの好感度を上げることができたり、キャラクターの好感度によってイベントが発生したりすることはあるが、移動場所の候補は平日と休日でそれぞれ固定。
      • 一応、出現条件が複雑なイベントも用意されているが、各キャラクターの個別エンディングを見るだけならば対象キャラクターをひたすら追いかけるだけで十分なため、どうしても攻略が作業になりがちである。
    • DS版では追加要素があるが、その内容は上述のようなミニゲーム・アプリケーションのみ。ベタ移植を避けたという点は評価できるにしろ、正直言ってフリーソフトレベルのものである。追加要素を入れるならシナリオを加筆修正した方が良かったのではないのだろうか。
  • OP・ED曲のクオリティ。
    • 今作のOP曲は、使用されている楽器がリードギター・ベース・ドラムのみでエフェクトも一切かけられていないという非常に薄っぺらく聞こえる仕上がりになっている。
    • これは、OP曲が「枢軸(イタリア・ドイツ・日本)がパーティーの出し物としてバンドを組んで歌う曲」という設定になっているためであり、一言で言うなら素人学生バンドの演奏が忠実に再現されているのである。これは、連合(アメリカ・中国・ロシア・イギリス・フランス)の出し物という設定のED曲も同じである*15
      • 『ヘタリア』はキャラクターソングが最高でオリコン3位を記録するなど音楽面での評価も高い作品であったため、本作のOP・ED曲の評価は著しく低いものとなっている。
      • 設定に合わせて素人バンドの演奏を再現した点は理解できるにしても、OP・ED用にアレンジを加えた別バージョンを作るなどの対策は取れなかったのだろうか。

評価点

  • ようやくの「完成版」
    • PC版の『学ヘタ』は「体験版」でストップしたまま公開停止してしまったため、「ようやく続きが見られる」という安堵の声も上がった。
      • とはいえ、本作と「体験版」にはストーリーの繋がりが全くないため、原作者の制作した続きを期待する声はいまだにある。
  • 主人公以外はアニメ版の声優によるフルボイス。
    • 声優によるシステムボイスも種類が豊富に用意されており、それぞれ各キャラの特徴を踏まえた言い回しになっている*16
      • しかし、システムボイスのオン・オフの設定はない(スキップできるのでそれほど気にはならないが)。
  • シナリオ単体としての完成度は低くない。
    • 原作を読み込んでいると違和感のある描写はあるものの、文章が読みにくかったり、シナリオが破綻していたりということはない。
    • 特にヒロインルートでは、実力はあるはずなのに本気を出せないイタリア、自分自身の堅物過ぎる性格に悩むドイツ、自分の意見をなかなかはっきり言えない日本など、各キャラが主人公との交流を通じてそれぞれの欠点と向き合い改善していく様子が描かれたりと、キャラクターの特徴を活かした差別化がきちんとされており、青春モノとして無難な仕上がりになっている。
      • その違和感のある描写という点が大問題なわけだが*17。そこを改善することができていれば評価は大幅に変わっていただろう。
  • システム面は充実している。
    • 周回プレイに配慮したスキップ機能がきちんとあり、キャラクターごとにストーリーにおけるボイスのオン・オフを設定することができるなど、システム面には気が使われている。
    • ギャラリーでは、CGを見るだけではなくエンディングやCG付きのサブイベントの内容を見返すことができるシーン再生機能もある(もちろんイベント中の選択肢も再現される)。
  • BGMはアニメ版のものが使用されている。
    • アニメから入った人には馴染みやすく、音楽に関してはそこそこの評価。

総評

原作を知らないと分からない部分が多く、かといって原作を深く知っていると違和感があるという典型的クソキャラゲー。「国の擬人化」を明らかに履き違えている要素多数。

ただし、評価点で挙げた通り、幸いなことにシステムやシナリオ自体の完成度は低くないので、違和感のある言動をパラレル設定だと割り切ることができる人ならばそれなりには楽しめるだろう。
また現在入手できるヘタリア関連のゲームは本作のみなので、「どうしてもヘタリアが遊びたい」という人は購入してみてもいいかもしれない。

「ゲームとして致命的につまらないわけでもシナリオが破綻しているわけでもないのに、原作付きキャラゲーとして肝心な部分(絵とキャラクターの原作再現度)がことごとくファンの求めるものからズレていた」という点では、ある意味稀有な作品と言えるのかもしれない。

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最終更新:2023年11月18日 16:00

*1 一見するとヘタリアと関係無さそうな名前だが、「セーシェル共和国」という国家が実在する。インド洋に浮かぶ島国で、イギリス連邦加盟国であり、首都はヴィクトリア。

*2 苦手分野の評価はそのままのため、総合ランクは自動的にAとなる。

*3 原作の『学ヘタ』では、本編同様にはっきりとキャラクターを「国」として扱っている。

*4 思いつきで「○○の起源は俺(韓国)」と主張する悪癖がある。

*5 そのため、アニメでは韓国というキャラクターと関連する話は封印状態であり、1期のエンディング映像にデフォルメ状態で一瞬だけ映り込んでいるのみである。

*6 そもそも、原作は国としての性質を人間的な特徴に置き換えているのであって、外見を除けば人間的な能力を元にしているわけではない。国民の象徴化ならともかく、国の擬人化としては明らかに間違いである。

*7 『ヘタリア』本編の日本には引きこもり(鎖国)の過去があり、原作者制作のミニゲーム「おそうじプロイセンさん」でメイドカフェ訪問が判明するなど確かにオタクでもあるが、基本的には対人関係に支障をきたすほど内向的ではなく、「オタクなので自分の世界に閉じこもりがち」というのは二次創作特有の極端な誇張・捏造表現である。

*8 原作に「~っす」という表現が全くないわけではないが、口癖と呼べるほどの回数ではない。「~っす」を多用する話し方は、二次創作作品におけるセーシェルによく見られるもの。

*9 一人称を除く呼称関係で特に批判的な意見が多かったのは、イタリアがハンガリーを一貫して「ハンガリーちゃん」と呼んでいる点(原作ではイタリアにとってお姉さん的存在であるため「ハンガリーさん」と呼んでいる)。もっとも、それについては呼称が一貫しているため「ミスではなくキャラクター設定が変更された影響」とも解釈できるが。

*10 原作のカラーイラストの特徴である「ピンクがかった影の色」「円を重ねたような独特のハイライト」を再現しようとした結果、「影の色が不自然」「肌や髪と服の質感が同じに見えてしまい気持ち悪い」と批判されるなど、原作のイラストを上手くアニメ調にアレンジできていない。あまりに不評だったためか、本作発売後に制作されたアニメ新シリーズではスタッフが入れ替わり、キャラクターデザインがリニューアルされた。

*11 イタリアは南北が別々に統治されていた時代があり、文化も大きく違うため別キャラクター扱いとなっている。

*12 ちなみに、原作ではイタリア(ヴェネチアーノ)とロマーノは髪の色などが微妙に違っており、瓜二つというわけではない。

*13 対象キャラクターのセーシェルに対する好意を匂わせる描写はあるが、どのキャラクターのエンディングにおいても友達以上恋人未満の関係を超えることはない。

*14 入学直後のセーシェルがイギリスにいきなり植民地宣言されるシーンから始まるなど、乙女ゲーのパロディと言った方が正しく、恋愛要素よりコメディ要素の方が強い。

*15 人数の関係で使用楽器が5つに増えているためOP曲よりは豪華な仕上がりになっているが。

*16 例えば、「一見純朴そうだが、時折子供のような無邪気な残酷さを垣間見せて周囲を恐怖させる」という設定のロシアは、セーブデータの読み込み時に「ふふふ、セーブが消えてないといいね…?」と言ってくる。

*17 いくらキャラクターの特徴を活かしたストーリーと言っても、ベースとなる「キャラクターの特徴」の時点でファンの認識とズレが生じていれば高評価は得られないのである。