遊☆戯☆王デュエルモンスターズ7 決闘都市伝説

【ゆうぎおうでゅえるもんすたーずせぶん でゅえるしてぃれじぇんと】

ジャンル カードバトルRPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
メディア 128MbitROMカートリッジ
発売元 コナミ
開発元 コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(EAST)
発売日 2002年7月4日
定価 4,800円(税別)
判定 クソゲー
ポイント ヌル過ぎるゲームバランス
ゲームシステムの(文字どおりの)退化
少ないボリューム
カードのおまけ
ある意味『激突DC』の先駆けかも
遊☆戯☆王 関連作品リンク

概要

遊戯王デュエルモンスターズシリーズのナンバリングタイトル7作目。クソゲーだった『4』の後、プラットフォームがGBAに移った事でようやくOCGのルールが再現された。『5』は微妙だったものの、続く『6』では当時の発売カードをほぼ全て美麗グラフィックで収録し、インターフェースも快適になったため今も評価が高い。こうしてファンを惹きつけた遊☆戯☆王シリーズだったが、本作より再び迷走を始めることに……。

問題点

ルールがOCGでなく『4』準拠のものに戻った。プレイヤーレベル、デッキキャパシティによるデッキ構築の際の制限や「召喚魔族」と呼ばれるモンスターカードの属性相性システムが復活しているが、4までにはあった重要なシステムであった「融合」にいたっては全削除。明らかに前作より、いや下手をすれば『4』よりもゲーム性が退化してしまっている。

  • 融合はデュエル中に2枚のカードを組み合わせて新しいカードを誕生させるという、1作目から存在していたルールである。このシステムが排除されたため、弱いモンスターは役に立たなくなり低コストのデッキは大きく弱体化してしまった。原作でも数々の名シーンを生み出してきた絶対に外せない要素であったにもかかわらず、である。
  • 前作では1111種類あったカードも900種類に減ってしまった。『4』からカードを何種類か新規カードと入れ換えただけである。
    さらに入れ換えで追加された新規カードのうち何枚かは既存のカードのイラスト違いという有様。つまり、実質の収録数は減っている
    • なお一部の絵違いカードも1種類としてカウントされており、両方3枚積み(デッキに同じ名前のカードは3枚まで)可能。
  • 持っていないカードも一覧に表示されてしまう。持っているカードを優先して表示するため邪魔にはならないが、カードをコレクションする意欲は失われる。
  • 主な購買層である小学生への配慮になると勘違いしてか、漢字の使用量が激減。「まほうカード」「消めつする」「やみのゲーム」など頻出する漢字もひらがなで書かれているためかえって読みづらい。神のカードですら《オシリスの天空りゅう》《オベリスクのきょ神兵》《ラーのよく神りゅう》という有様。
    • 前作では全て漢字表記されているのはもちろん、カード名はルビまで振られていた。
  • なんと通信プレイができない。通信ケーブルを利用した対戦、カード交換は対戦型カードバトルゲームでは必須ともいうべき機能であり、初代から存在している。
    • もちろんTCGのゲーム再現としては失格と言ってもいい仕様であり、翌々作からOCGに戻り未来永劫こんなことは起こらないと思われていたが…… 本作は「デュエルRPG」を標榜し、マップを移動してデュエリストと戦いながらストーリーを進めていく方式を取っている。勝つとデッキキャパシティ(経験値)とお金(単位ドミノ)、アンティ(賭け)カードを獲得でき、それらを使用してデッキを強化できる仕組みになっている。しかし殆どの要素がRPGを名乗るにはお粗末で、ゲームバランスがヌルい方向に崩壊している
  • 今作ではじめてカードの売買が可能になったが、獲得できるドミノがカードの値段に比べ格段に多い。
    • 在庫に応じて売値、買取値が変動するシステムも導入されているが、1枚につき1ドミノ程度の変化しかなく殆ど意味を成していない。
  • OCGカードに記載されたパスワードを入力することでそのカードを店の在庫に追加できるが、何枚でも追加できるしペナルティもない。パスワードをインターネット等で検索してくれば、追加できない一部のカードをのぞき買い放題である。
    • ちなみに以前の作品では1種類につき1枚だけ、貯めたポイントを消費などの制限・ペナルティがあった。
  • レベル・デッキキャパシティ(以下DC)もすぐに上がっていく。レベルを1上げるのに必要なDCが3ポイントなのに対し、獲得できるDCは5ポイント。さらにボスになると30、再度ボスと戦うときも10も獲得できる。
    • 『4』準拠なため攻撃力、防御力の高いモンスターのコストがとんでもないことになっているが、
      序盤から連戦出来る弱いボスと戦いまくってDCを稼げるためさほど問題はなかった。もちろんそれで楽しいかどうかは別問題だが……。
      DC稼ぎの連戦ついでにドミノや店の在庫も増えるためデッキ強化で苦労することはまずない。
  • 敵のデッキは進行度に比べて弱く、伏せカードを全く警戒しないなど思考パターンもお粗末。シナリオを進めるのに必要な敵だけ倒していっても簡単にクリアできる。序盤の敵など、デッキを一切いじらなくても勝利できる。
  • 原作の設定にならい「アンティ」ルールが追加されたが、ゲームボーイ版の「勝利したらカードを1枚もらえる」を面倒にしただけに過ぎない。負けると当然賭けたカードはなくなる。
    • 相手が賭けてくるカードを知ることはできない。というか賭けになっていない。
    • もらえるカードは相手により決まっているので、価値の不均衡が発生する。要するにこちらがアンティに出すカードの種類はほぼ関係がない。関係あるのは下記の弱すぎるカードかどうかだけ。強いカードや貴重なカードをアンティに出す意味は無い。
    • 弱すぎるカードを賭けると警告が表示され、無視すると相手の賭けカードも弱くなる。
    • アンティでしか手に入らないカードもあるがごく少数なので、アンティでデッキ強化をする必要はほとんどない。
  • ストーリーは原作「バトルシティ編」を再現したものだが、短くほぼ一本道。ゲームバランスの甘さも手伝って3時間かからない。
    • 発売当時はストーリーが完結していなかったため、ストーリー後半はオリジナル展開となる。
    • またバクラとは表人格と一回だけ戦えるのみで、城之内の妹・静香、遊戯の友人・御伽にいたっては登場すらしない。
    • また杏子は登場するものの、デュエルは出来ない。(続編の『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神』でも同様にデュエル出来ない)。杏子とは過去のGBシリーズでもデュエルできなかったが、『5』以降はデュエリストとして登場するようになっており、アニメDMでもデュエルシーンがでてきた時期だっただけに悔やむ声もある*1
    • エンディングを迎えた後はただ電源を切るだけである。この時代のソフトとしては物足りない。以前の作品にはもちろんクリア後のオマケは用意されていたというか、クリアしてからが本番だった。
      • つまり、クリア後のイベントなど何もなし。 そして電源を切るとまたラスボスを倒すはめになる。意味がない。
      • ちなみにラスボス以外も戦えるキャラはいるが、そのキャラ数は数えるほどしかいない。前に戦ったキャラだし、弱いし……
  • 3枚の「神のカード」のうちの1枚《ラーの翼神竜》はプレイヤーが使うことはできない。このカードはラスボス・闇マリクが所持しており、彼を倒すとエンディングとなってしまうからである。
  • 演出も「他人のデュエルシーンはモンスターが出現して体当たりするだけ」などチープなもの。
    • アニメ声優を使用したボイス演出が一部に使われているが、「俺のターン」「行け○○(切り札名)」ぐらいしかない。イベント中のボイスは「城之内くん大好きだ!」「あなたにこの神のカード…オベリスクの巨神兵を託します」の2箇所だけ。
  • 倒れているキャラクターに話しかけると、メッセージ送りの効果音が鳴るだけ。
  • 会話中はどのボタンを押しても決定扱いになる。キャンセルしようとBを押しても決定されてしまう。
  • 一部のボスは選択肢を間違えると2度と戦えない。
  • ゲーム後半、悪のデュエリスト集団「グールズ」が街を占拠するが、彼らは倒してマップから追い出しても、画面を切り替えるとすぐ復活し何事もなかったかのようにデュエルを挑んでくる。
  • 特定の選択肢を選ぶまでストーリーが進まない、いわゆるいいえループが2箇所存在。理不尽なゲームオーバーになるよりはマシだがループの内容がある意味酷い。
    • 1つは洗脳された城之内に海に突き落とされた遊戯を助けるかどうか選択する場面。「助けない」を選ぶたびに「海のもくずだ!」と嘲る城之内と、無言の杏子(こちらも洗脳されている)が表示されるかなりシュールな場面。
    • もう一つはラストバトル後、神のカードを返すかどうか選択する場面である。無論断り続ける限りエンディングは来ない。
  • エンディングのスタッフロールでは、スクロールに合わせて作中の登場キャラ達が映るのだが、何故かメインキャラの本田だけがいない(サブキャラも出ているにも拘らず)。

賛否両論点

  • 登場キャラクターのイラストタッチの変更。
    • 前作での登場キャラクターのイラストはアニメ基準の物が採用されていたが、本作ではGB版同様の原作漫画基準の物に戻っている。
    • これについては、「原点回帰でむしろ良い」という好意的な意見や、「アニメ声優によるボイスとかみ合ってない」という否定的な意見がある事から、賛否が分かれている。

評価点

  • 原作の神のカードの強さが再現された。カードの効果で破壊・コントロール奪取することはできず、コストも0である。
    • 当時はOCGで使用可能カード化されていなかったうえ、以前に神が使えた『4』は耐性の無いただの効果モンスターと変わらない扱いだった。現在では全ての神をOCGで使うことが可能(原作にくらべかなり弱体化されているが)。
    • とは言ったものの上記の通り全部が使えるわけでは無いので、評価点と言えるかどうか……
    • 続編『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神』では、全部使える。 全部使えるようになったのは8が初である。
  • 今までのナンバリング作品ではキャラクターの喋り方がおかしかったりしたが、今作はそのようなことはない。
    • またアニメでたった1回しか出ていないにも拘らず数回戦える(マリクに操られた)キースと、舞が大好きな忍者デッキ使いのマグナムも戦える。*2 ここも評価点に入れてもいいだろう。ただしどちらもアニメDMのオリジナルであり、原作には登場しない。
  • キャラクターのボイス演出は本作が初である。デュエル中のフルボイス演出はPSPの『タッグフォース』まで実現しなかった。
    • あるパスワードを入力すると、遊戯がタイトルコールしてくれる。
    • 遊戯が出ていてボイスありのゲームは、これと『カプセルモンスター』*3と『8』と『TAG FORCE SPECIAL』*4と『遊戯王デュエルリンクス』と『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 最強カードバトル!』ぐらいである。
    • ちなみにボイスがあるキャラは、今作は(表)遊戯、城之内、闇遊戯、海馬、闇マリク。『8』では海馬、闇マリク、骨塚、梶木、羽蛾、竜崎、絽場、舞、ペガサス、キース、(ビッグ5編の所で出てきた、本田から変わったあのサルロボ)、デュエル中では無い…というか出来ないが本田の愛犬のラッキーである。
      • こちらではもう一人イシズ・イシュタールの台詞(と言っても、上記の神のカードを渡す時だけだが)もあるので、ファンには嬉しいと言えば嬉しい……か?
      • ただし、上記の『TAG FORCE SPECIAL』でイシズと舞のデュエル中ボイスが追加されている。
      • さらに「遊戯王デュエルリンクス」では、それに加え表遊戯、城之内、梶木、羽蛾、竜崎、ペガサス、キース、闇獏良、リシド、杏子、迷宮兄弟、パンドラのボイスが追加されている*5
  • グラフィック、BGMは同時期のソフトと比較しても高水準。ただし前作でOCGカードのグラフィックは枠のデザイン含めてほぼそのまま再現されており、それと比べると召喚魔族や種族のアイコンが表示される関係上劣化してしまっている。また本作独自で書き下ろされたイラストのカードも存在する。
  • デュエルフィールド上のカードにも縮小されたカードイラストが表示される。OCG準拠のGBA作品では『エキスパート2006』まで実現しなかった。
  • バグ・カード効果の処理ミスがほとんどない。
  • シリーズ恒例の隠しパスワードが本作にも存在する。上記のタイトルコールのほか、お金、デッキキャパシティが増えるパスワードの合計3種類。
  • 原作漫画でデュエル描写があったにも拘らずGB版シリーズで未登場になっていたゴースト骨塚とデュエル出来る。
  • 絽場の弟二人*6、骨塚と一緒にいた三人ともデュエル出来ること。
    • ただし一緒にいた三人のうち一人しか戦えず、他の二人と戦うには最初からにするしかない(絽場の弟二人は一回だけだか戦える)
  • 本作までに5作発売されたバトルシティ編最後のゲーム化と言ったところか。

……という肝心のデュエルに関しては「バグが無い」、「ボイスがある」以外は褒めるところがない、さらに言えばゲームとしては、どうでもいいところばかりが評価点である。

総評

本作はシリーズ髄一の内容の薄さを誇る。ゲームとして成立してはいるがルールが退化した上バランスが非常に甘く、OCG版を再現していた前作に比べるとどうしても見劣りする。ここまでくると、完全にカードのおまけと言われても仕方がない出来。
ただ、原作キャラクターの特徴は掴んでいるため、原作ファンでもあまり違和感なくストーリーに入れるはずである……おそらく。
もしも、このゲームにバグがあった場合は内容によるがファンでなくても、ファンだとしてもクソゲーになっていただろう。もっとも、どちらの人もクソゲー扱いしている人もいるのは事実だが。
ストーリーの薄さ、通信がないことなどの問題は残るが、『6』のシステムをそのまま使用していればここまで貶されることはなかったとも言える作品でもある*7

余談

  • 初回封入特典の《F・G・D》は強力なカードで、現在も高額な取引がされている。
    • とはいえ、3年後に登場した《龍の鏡》などで強化されたのであって、当時から強かったわけではない。
  • だが付録カードにも疑問点がある。付録の1枚である《万力魔神バイサー・デス》は、既にヴァリュアブルブック4(OCGのリスト本、800円。現在も新品購入可能)の付録として収録されたもののイラスト変更による再収録である。確かに原作で目立ってはいたものの『強いザコ』という立ち位置のカードで、人気も実用性も派手さも際立って高いわけではないのだが、何故敢えてこのカードを再録したのであろうか。当然こちらは先述の《F・G・D》とは対照的に酷い値崩れを起こしている。