超熱血高校くにおくん ドッジボール部

【ちょうねっけつこうこうくにおくん どっじぼーるぶ】

ジャンル スポーツ(ドッジボール)

対応機種 ニンテンドーDS
メディア 64MbitDSカード
発売元 アークシステムワークス
開発元 アクセス
ミリオン(ライセンス提供)
発売日 2008年3月19日
価格 3,800円(税別)
プレイ人数 1~8人
対抗試合モードは最大2人
放課後クラブ活動モードは最大8人
セーブデータ 遠征試合モード(育成チーム)データ3個
+部室モード(オリジナルチーム)データ3個
通信機能 DSワイヤレス通信、DSダウンロードプレイ対応
ニンテンドーWi-Fiコネクション非対応
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 クソゲー
ポイント イライラするレベルのもっさり感
リメイク元作品よりも大幅な劣化
ソフト単体で見ても手抜き・調整不足な個所が目立つ
新要素の暴力行為のせいでゲーム性が完全崩壊
くにおくんシリーズのファンにとっては黒歴史
くにおくんシリーズリンク

概要

1988年7月26日にファミリーコンピュータにアーケード版のアレンジ移植として発売された『熱血高校ドッジボール部』(以下基本的に「ファミコン版」と表記)のリメイク作品。
ゲームモードとしてはファミコン版からの流れを汲む、遠征試合モード対抗試合モード放課後クラブ活動モードの3つと、新たにオリジナルチームを作成出来る部室モードがある。
ファミコン版にはなかったチームの育成要素も用意されているので、育成したチーム同士での対戦も楽しめるようになっている。
育成要素の他に新要素として熱血バーストとアイテム、暴力行為が追加(詳細は「新要素」の項を参照)されており、他にもファミコン版では必殺シュートが10数種類だったものが総勢100種類程にも増えている。
大元の発売・開発元であったテクノスジャパンが倒産して以来、くにおくんシリーズの純粋な新作(途中でオムニバスソフトである『くにおくん熱血コレクション』などが出ているが)が出ていなかったこと、リメイク元の作品が高評価を得ていたこともあって期待を寄せるファンも多かった、のだが…。

なお、本作の立ち位置上、本文中で比較する場合の対象は主にファミコン版となり、同様にファミコン版のリメイクもしくはファミコン版をベースとしたリニューアルとして発売されたスーパーファミコン用ソフト『くにおくんのドッジボールだよ全員集合!』(以下「SFCドッジ」)の内容は考慮しない。
従ってSFCドッジで出来ていたことが出来なくなった、あるいはそれから退化した部分に関しては評価外としているので、そこは悪しからずご容赦願いたい。


ゲーム内容紹介

+ かなりの分量があるので注意

ゲームモード

遠征試合モード

  • オリジナルチームを含めたいずれかの参加チームを選んで世界最強を目指すモード。
    • 勝利すると経験値と賞金を獲得出来、経験値を一定量獲得するとチーム全体のレベルがアップする(最大20)。
  • 難易度は易しい・普通・難しいの3つがあり、難易度によって対戦チームのパラメータなどに補正がかかる。
  • 9試合(1~7回戦、準決勝、決勝)勝利すると優勝で、特定条件を満たしていればその後に最大で2つの隠しチームと特別戦として対戦が出来る。
    • なお、1回戦の相手は基本的に花園高校だが、花園高校でプレイしている場合は熱血高校に、同様に決勝戦の相手は基本的にアメリカだが、アメリカでプレイをしている場合はロシアが決勝戦の相手となる。
      • それ以外はある程度パターンがあるようだが、基本的にランダムで相手が選出される。

対抗試合モード

  • コンピューター(以下「COM」と表記)または友人などを相手に1試合だけの対戦プレイが出来るモード。
    • DSワイヤレス通信・DSダウンロードプレイに対応しており、遠征試合モードで育成したチーム同士での対戦も出来る。
  • このモードにも難易度設定があり、設定に応じてCOMチームに能力補正がかかるが、オリジナルおよび育成チームは例外となり、補正がかからない。

放課後クラブ活動モード

  • 最大8人でのバトルロイヤル。コートがないグラウンドでシュートはもちろん、後述の暴力行為やオブジェクトを駆使して最後まで生き残ったプレイヤーの勝利。DSワイヤレス通信、DSダウンロードプレイに対応している。
    • 8人に満たない部分はCOMが担当するが、COMのキャラクターは固定されているので変更不可能
      • このモードでは後述の熱血バーストは使用出来ない。
  • 対抗試合同様、COMには難易度設定に応じた補正がかかる。

部室モード

  • プレイヤーのオリジナルチームを作成することが出来るモード。

オプションモード

  • BGMとSEの音量の設定とBGMの試聴が出来るサウンドテストがある。

新要素

熱血バースト

本作ではボールを当てたり当てられたり、後述の暴力行為を受けたり、ボールを回避したりなどの行動でDS下画面上部の熱血ゲージが溜まり、これが最大になっているときに下画面をタッチすると一定時間自チームを強化出来る「熱血バースト」を発動出来る。
熱血バーストは4種類あり、試合開始前にプレイヤーが任意のものを選択することが出来る。
ちなみに種類によってゲージの溜まりやすさに差はなく、効果の続く時間がそれぞれ異なる。
COMとの対戦時はチームごとに設定されており、育成・オリジナルチームをCOMが使うときは使用する熱血バーストはチームごとに決まっているものではなく、4種類の中からランダムで決められる。

ちょうひっさつ(超必殺)

  • 発動中はチームメンバーが赤い光を放ち、投げるシュート全てが一撃必殺*1になる。さすがに強力な効果なので効果時間は4つの中で最も短い。
    • 貫通するタイプの必殺シュートは最初の1ヒット分だけ一撃必殺で残りは通常のダメージ…では無く、効果中は命中した全てが一撃必殺の対象になるので、場合によっては貫通特性シュート+超必殺の組み合わせで相手チームの内野メンバー4人まとめて倒してそのまま試合終了になってしまうこともある。

ハイパーアーマー

  • 発動中はチームメンバーが青い光を放ち、あらゆるシュートで受けるダメージを1で固定*2させ、貫通特性シュートの貫通効果を無効化する。
    • 超必殺の効果よりもハイパーアーマーの効果が優先されるため、相手が超必殺発動中でもこちらがハイパーアーマーを発動していれば一撃必殺を免れることが出来るが、防御面でかなり強力な効果であるため、効果時間は超必殺に次いで短い。

ハイダッシュジャンプ

  • 効果中はチームメンバーが赤い光を放ち、移動速度とジャンプ力が大幅にアップする。
    • 効果時間はかなり長く、驚異的な素早さとジャンプ力を得るが、先の2つに比べると得られる恩恵はあまり大きくはない。

スーパーキャッチドッジ

  • 効果中はチームメンバーが青い光を放ち、ボールキャッチとドッジ(しゃがみ)の有効時間が大幅に伸びる
    • 効果時間はかなり長く、ハイダッシュジャンプと違い防御に大きく絡むキャッチとドッジの有効時間が延びるので、キャッチに不慣れならばありと言ったところか。

暴力行為

ファミコン版では相手にダメージを与える手段はボールを相手に当てる以外はなかったのだが、本作ではXボタンでパンチ、Yボタンでキックを繰り出すことが出来、これによってもダメージを与えることが出来るようになった。
もちろんドッジボールなのでコートがある以上、主に使うのは中央ライン付近と内野へパスした直後の外野位である。
なお、試合前の設定で暴力行為の有無を選べ、なしにすれば一切暴力行為が出来なくなる。
しかし、くにおくんシリーズと言えばスポーツゲームに暴力行為などがくっついてくるのが多いとは言え、この暴力行為の存在がゲーム性を根底から否定しかねないものになってしまっており、発表当初から猛烈な批判を浴びた。
暴力行為で与えられるダメージは1で固定されているが、相手の残体力が1であった場合は例外としてダメージが0になる。
従って、暴力行為だけで相手を倒すことは出来ず、あくまでトドメはシュートを当てるか後述のオブジェクトを当てるかする必要がある。
パンチは当てても相手が怯むだけだが、隙が少ないので連続して当てることが出来る。
逆にキックは隙が大きく連発も出来ないが、当てれば相手を確実にふっ飛ばしてダウンを奪える。

アイテム

装備アイテム

本作では遠征試合モードで勝利すると経験値と一緒に賞金を獲得することが出来、この賞金を利用することでチームメンバーの強化に使える装備アイテムをショップで購入することが出来る。
この装備アイテムは単純に装備者のパラメーターを強化させるものもあれば、賞金や獲得経験値を増加させたり特殊な必殺シュートが使えるようになったりするようなものなどさまざま。
装備アイテムは1種類に付き1つしか所持出来ず、遠征試合モードを3つの難易度それぞれで完全に制覇しなければ全てのアイテムを集めることが出来ない。
チームレベルの他に特定難易度で所定のラウンドをクリアしないとショップに並ばないアイテムもあり、ショップに並ばないアイテムは入手も出来ない仕組みのためである。
装備アイテムは装備しているとランダムで破損し*3、破損した後でしばらく装備をしていると今度は完全に壊れてしまい、壊れたアイテムは再度ショップで購入するかしなければ再度装備することは出来ない。

オブジェクト

試合中にいずれかの内野メンバーが倒されると、そのメンバーが所属しているチームの内野コートにアイテムが数点降ってくる。
これがゲーム中では装備アイテムと区別して「オブジェクト」と呼ばれているアイテムである。
オブジェクトは投げつけて相手にダメージを与えるものが大半だが、中には食べたり飲んだりして体力を回復出来るものもあれば、蹴り飛ばすことが出来るものもある。
なお、一定時間コートに置きっぱなしになっているとオブジェクトは消滅してしまう。
基本的にBボタンでオブジェクトを拾ってBボタンで投げつけるが、Aボタンを押せば食べたり飲んだり、投げつけずにそのアイテムを使って殴ることも出来る。
一部の蹴り飛ばせるオブジェクトにキックを当てればそのオブジェクトを蹴り飛ばす。
また、操作権のあるキャラクターがオブジェクトを持っている間はそのキャラクターがボールを扱うことが出来ないので、代わりにCOM操作の他のチームメンバーがボールのキャッチやシュートを行う。
ただし、あくまでゲームが滞らないようにするためというニュアンスが強いためか、COM操作の味方キャラクターはあまり必殺シュートなどを使うことがない。
このオブジェクトも試合前の設定で暴力行為同様に有無を変更出来、なしにすればメンバーが倒されてもオブジェクトは降ってこなくなる。

オリジナルチーム作成

部室モードでプレイヤーのオリジナルチームを作成することが出来る。
パーツの種類は非常に豊富にあり、ダウンタウンシリーズのキャラクター・チーム(冷峰学園など)を作成することも出来る。
チームのフォーメーションからメンバーの詳細なパラメーターなども設定出来、必殺シュートは誕生日の設定で連動して決定される。
このオリジナルチームはもちろん各種モードで使用・育成することも出来る。
また、既存のキャラクターを引き抜く形でのオリジナルチームも作成することも出来*4、新規キャラクターと既存キャラクターの併用ももちろん可能。
最大3チームまで作成することが出来る。

参加チーム

本作はファミコン版から引き続きのチームの他にも多くのチームが追加されている。
参加チームとホームグラウンド(遠征試合モードで対戦相手として戦うときに使用されるコート)、大まかなチームの特徴、COM相手に対戦をする際にCOMが使用する熱血バーストを挙げる。
なお、表中の「強さ」は1~4の4段階で4がもっとも強い。

チーム名 強さ タイプ ホームグラウンド 使用熱血バースト チーム特色(ゲーム内説明)
熱血高校 2 バランス 日本 超必殺 くにおが率いる、バランスの良いチーム
アメリカ 4 バランス アメリカ 超必殺 パラメータがとても高い世界最強チーム
イギリス 1 バランス イギリス ハイダッシュジャンプ パラメータは低めだが、紳士的なチーム
ドイツ 3 パワー イギリス スーパーキャッチドッジ 遅いが威力が高いシュートを打つチーム
イタリア 3 キャッチ イギリス スーパーキャッチドッジ キャッチ力が高く、守りが強いチーム
フランス 2 テクニカル イギリス スーパーキャッチドッジ 華麗に避け、鮮やかなシュートを打つチーム
オランダ 2 ボールスピード イギリス スーパーキャッチドッジ 威力は低めだが、シュートが速いチーム
インド 1 打たれ強い インド ハイダッシュジャンプ 体力が少ないが、打たれ強いチーム
アラブ 1 パワー インド ハイダッシュジャンプ 能力は低めだが、球威が高いチーム
エジプト 2 テクニカル インド ハイダッシュジャンプ 変化球が得意で、打たれ強いチーム
ロシア 2 タフ ロシア ハイパーアーマー モルドフが率いる、規律の取れたチーム
カナダ 2 ボールスピード ロシア ハイパーアーマー 移動は遅いが、シュートが速いチーム
アイスランド 1 タフ アイスランド ハイパーアーマー ヘイルマンが率いる、体力の多いチーム
中国 2 ジャンプ 中国 スーパーキャッチドッジ ジャンプ力が高いアクロバティックなチーム
台湾 1 特殊 中国 スーパーキャッチドッジ パラメータは弱いが、良いシュートを持つチーム
ブラジル 3 スピード ケニア ハイダッシュジャンプ 素早さが高く、球速も高いチーム
メキシコ 2 スピード ケニア ハイダッシュジャンプ 素早さは高いが、打たれ弱いチーム
ケニア 1 スピード ケニア ハイダッシュジャンプ ンジョモが率いる、素早さが高いチーム
オーストラリア 2 特殊 ケニア ハイダッシュジャンプ 2種類の選手が混在するチーム
花園高校 1 テクニカル 日本 ハイパーアーマー りきが率いる、球のキレが良いチーム

以下の2つは隠しチームでプレイヤーは使用することが出来ないチームである。

チーム名 ホームグラウンド 使用熱血バースト チーム特色 出現条件
シャドウ プレイヤー使用チームのホーム
※オリジナルチームの場合は日本
※プレイヤーチームと同じ プレイヤーチームのコピー、ファミコン版で言う謎の軍団 難易度「普通」以上で1人も欠けずに勝ち進む
ドッジマスター スタジアム 超必殺 ステータスが異常に高く、プレイヤーチームの熱血バーストの超必殺の効果を無効化する 難易度「難しい」で1人も欠けずにシャドウ含めて勝ち進む

使用コート

※本作の遠征試合・対抗試合各モードで使用するコートについてまとめる。なお、ダウン時に追加ダメージを受けるコートの場合、その追加ダメージでキャラクターの体力が0になることはない。

コート 特色
追加効果
日本 標準的な土のコート。
アメリカ グリップの効いた特殊樹脂のコート。
イギリス 滑りやすい石畳のコート。
ダウン時に1の追加ダメージを受ける。
インド 水浸しの浅い池のコート。
中国 踏み込みの利く板張りのコート。
ジャンプ力が大きく上昇する。
ロシア ざくざくとした雪のコート。
足下が雪のせいか、ジャンプ力が大きく低下する。
ケニア 足を取られる沼のコート。
ファミコン版同様にダッシュの初速が大きく低下する。
アイスランド つるつる滑る氷のコート。
ダウン時に2の追加ダメージを受ける。
スタジアム 踏み込みの利かない芝のコート。

評価点

遠征試合モードで好きなチームを選んで挑むことが出来るようになった
対抗試合モードでCOM相手にも対戦プレイが出来るようになり、対戦コートも選べるようになった

  • ファミコン版では遠征試合モードは熱血高校でしかプレイすることが出来ず、他のチームは対抗試合でしか選べなかった。
  • 対抗試合もファミコン版ではプレイヤー同士でしか戦うことが出来ず、COM相手に対戦することは出来ないため、プレイヤーが1人しかいない時は結果的に熱血高校以外のチームでのプレイは出来なかった。
    • また、対戦するコートも強制的に本作で言うところのスタジアムのようなコートになっており、それ以外のコートでの対戦は出来なかった。
  • もっとも、上の2つに関しては比較対象が20年以上前のゲームであることを考えればこれくらいは出来てくれないと困る…というレベルではあるのだが。

遠征試合モードが試合ごとにオートセーブする仕様になった

  • 隠しチームと戦わなければ1プレイ20分位で優勝まで行けるが、隠しチーム(特にドッジマスター)との戦いを含めると一気にプレイ時間が増えるので途中で電源を切れるというのはメリットといえよう。
    • 隠しチームと戦うための条件が条件*5なので、この仕様のおかげで幾分か出しやすくはなっている*6

ダッシュしながらのボール拾い、ダッシュで相手コートに若干だが侵入出来るようになった

  • これにより、落ちているボールをダッシュしながら拾ってそのまま攻撃に転じることも出来るようになり、攻撃のバリエーションも広がった。
    • ファミコン版では相手コートに入ってしまうとそこで強制停止でボールを手放してしまっていたが、本作ではダッシュ中であれば若干だが相手コートに踏み込めるようになった。
      • これによって相手コートのライン際にあるボールを強奪したり、相手コートに侵入してからおもむろに攻撃を仕掛けるなどといった時間差攻撃なども可能になった。

ダウンロードプレイを含めた通信対戦が可能

  • これによって誰か1人が本ソフトを持っていれば放課後クラブ活動モードならば最大8人で対戦することが出来、対抗試合モードも1本のソフトで対戦プレイが出来る。
    • ただし、対抗試合モードも放課後クラブ活動モードもダウンロードプレイの場合は使用可能チームやキャラクターに制限がかかる。

熱血高校に「いちろう」が居る

  • ファミコン版以降、他のドッジボール部メンバーと違って何故か登場の機会を与えられなかったいちろうであったが、本作では再び熱血高校ドッジボール部の一員として共に戦うことが出来る。
    • ファミコン版のリメイクだから居るのは当然の事なのだが、長き時を経て『サッカー編』以降の容姿である熱血高校ドッジボール部メンバーと共に戦う光景は感慨深いものがある。

問題点

ゲーム全般(モード問わず問題になってくる点)

ゲームスピードが異常に遅く、ファミコン版と比べると尋常ではないレベル

  • ケニアやオリジナルチーム作成の際に素早さが重点的に上がるフォーメーションを選択した上でレベルを最大にすれば、多少はもっさり感は解消されるがそれでもファミコン版と比較するのもおこがましいほど。
    • そもそもそこまで行くまではもっさり感が凄まじく、ケニアはかなり弱く設定されており、暴力行為なしのまともなドッジボールをやろうとすれば通常シュート1発でアウトになるキャラクターもいたりするので詰むレベル。
      • ゲーム全体のもっさり感に加えて、歩いている速度とダッシュしている速度にほとんど差がないというのはいくらなんでも笑えない。

新要素の暴力行為がゲーム性そのものを否定しかねないものになってしまっている

  • 遠征試合モードや対抗試合モードにおいてはキックを食らった側はふっ飛ばされるため、先に中央ライン際の「ボール前」を確保した側が圧倒的に有利になってしまう。
    • 中央ライン際でボールを取らずに待ち構えておくことで相手が近づいた所にキックでふっ飛ばしてしまう戦法が成り立ち、これで体力を削ってトドメにボールを当ててしまえば倒せるので、もはやドッジボールでも何でもなくなっている。
      • 対人戦では、キックを出すタイミングをずらすなどで駆け引きが多少は生まれるだろうが…ドッジボールの駆け引きとは間違っても言える代物ではない。
  • 試合前の設定でなしにすることが出来るのだが、遠征試合モードにおいて一定条件下で出てくるドッジマスターに対してはこれがなければ無駄に長期戦になってしまう。
    • ドッジマスターのキャプテンであるキングドッジは防御力が桁外れに高く、ごく一部を除いてほとんどの攻撃でダメージが1しか与えられない*7上に、体力が100近くあるため、まともにボールをぶつけて倒そうとするととんでもない時間を食うことになる。
  • とはいえ、設定で一切出来なくすることが出来る点は評価するべき点であろうか。
    • ほとんどが否定的見方で固まっているが、「くにおくんと言えば暴力行為などのラフプレーがあってなんぼ」と好意的に見ている者もいることを記しておくのが公平か。

チーム間のバランスが不安定

  • 強さランクはそれ程当てにならないのが現実で、強さランクが低いにもかかわらず初期状態で始めてドッジマスターまで容易にクリア出来るチームもある*8。その反面、前述の通り通常シュート1発で瀕死、即死になるような選手が固まってしまっているチームもあったりする。
    • 後者のチームには正直ドッジボールをやらせる気がないのではないかと思いたくなる程。それこそ暴力行為を最大限に駆使しなければ、隠しチームを含めた完全制覇は絶望的。当然、放課後クラブ活動モード(特に対人戦)においてもこの能力差は何かと足を引っ張ってくる。

ボールのキャッチタイミングが解りづらく、どこかおかしい部分もある

  • 必殺シュートの種類によってはどこでキャッチ出来るか分かりにくいものがある。
    • 中でも、ボール自体が変形するタイプである「ピザシュート」や「パンダシュート」などといったシュートは特に顕著。
  • 更に、通常シュートでも取れるタイミングがおかしいときがある。
    • 普通なら取れるタイミングであってもキャッチが出来なかったり、それ以外にもコート際でボールを投げつけられるとキャッチタイミングがことさら厳しくなるのか、キャッチが極めて困難になる。

COMの投げるシュートにおかしな軌道修正がかかる

  • 相手が前方に投げるタイミングに併せてそのキャラクターの後方に飛び越したりすると、なぜか少し前に飛んだはずのボールが向きを急転回して全く逆方向にいるはずのターゲットに向かって飛んでいく。
    • 必殺シュートのうちの1つの「かっくんシュート」がボールが少し飛んだ後、いきなり急転回してターゲットめがけて飛んでいくというものだが、COMに限って言えばどんなボールも「かっくんシュート」状態と言っても過言ではないほど。
      • 似たようなシチュエーションで立場を逆にすると、当然ほとんど追尾などしてくれずにそのまま前方に飛んでいくだけ。

球を投げた後の方向調整がほとんど利かない

  • ファミコン版では球のキレが高い選手がシュートを放つと一部のシュート以外では大きく変化を掛けることが出来、それもまた戦術の1つ*9ではあったのだが、本作では育ててもファミコン版ほどに変化を掛けることが出来ない。
    • その為、変化球がウリになっているチームはゲーム自体に妨害されて本領発揮出来ないというあんまりな仕打ち。

必殺シュートの水増し

  • 100種類ほどある、としているがそのほとんどが既にあるシュートにエフェクトを追加・変更しただけという代物。
    • 例えば、上空にボールを打ち上げて相手の頭上に向けて急降下させる「もず落としシュート」というのがあるのだが…。

もず落としシュート+氷のエフェクト=大雪山シュート

もず落としシュート+爆発のエフェクト=爆竹シュート …といったような案配。

  • 使い回しそのものは仕方ないところでは確かにあるのだが、ここまでやる気の感じさせない水増しも、なかなかお目にかかれないのではなかろうか。

ニンテンドーWi-Fiコネクションを用いたオンラインマルチプレイに非対応

  • くにおくんシリーズは対戦が熱いシリーズで、本作でも最大8人*10でプレイ出来るようになっているにもかかわらず、ニンテンドーWi-Fiコネクションを利用しての対戦が出来ない。
    • 特に放課後クラブ活動はCOMの思考ルーチンに大きな問題があるので、これが無いのはかなり苦しい。

くにおくんシリーズっぽくないBGM

  • 権利問題なのか、ファミコン版で評価の高かった日本の「さくらさくら(日本歌曲)」、イギリスの「ゲット・バック」および「ハード・デイズ・ナイト」(共にザ・ビートルズ)、ソ連の「カチューシャ(ロシア歌曲)」それぞれのアレンジBGMはおろか、アメリカや謎の軍団、対抗試合の音楽など全てが総取っ替えになってしまっている。
    • 一応書いておくと、曲そのものは決して質が悪いわけではなく、中でも日本のBGMはファミコン版とは異なるとは言え、比較的高評価と言える。
  • 今までのくにおくんシリーズでかかっていた曲の雰囲気と大きく変わってしまっていること、そして比較対象にどうしても上がってしまうファミコン版の曲があまりにも出来過ぎているせいで槍玉に挙がってしまうと言うべきであろう。
    • それでもファミコン版のリメイクと明かされた時点でBGMに期待を寄せてしまうファン心理を考えれば、やはり曲自体がこれまでのシリーズ作品のそれと雰囲気が変わりすぎてしまっているため、劣化してしまっていると受け取られてしまうのもやむなしと言ったところか。
      • 相当批判を浴びたからなのか、それとも本作と違って曲の使用に問題がなかったからなのかは分からないが、以降の作品ではリメイク元のBGMのアレンジを使用している。
  • 余談になるが、本作では参加チームの増加により遠征試合・対抗試合の各モードではファミコン版のようにチーム毎にではなく、コート毎にBGMが設定されている*11。それとは別に遠征試合の決勝戦で専用の曲が存在する。
    • 前述したように、決勝戦の相手は基本的にアメリカでそのコートにて戦うことになるが、その際はアメリカコートのBGMではなく決勝戦の曲が優先される。従って、対抗試合モードをアメリカコートでプレイしないと本来のアメリカコートのBGMを聞くことが出来ないようになっている。
      • その辺を踏まえてかは解らないが、コートの雰囲気的に本来のアメリカコートのBGMでも決勝戦のBGMでもどちらでもマッチしたものになっている。曲調自体はまるで正反対なのだが。逆にアメリカでプレイした際の決勝戦の相手であるロシアのコートで決勝戦のBGMがかかるとコートの雰囲気的にも違和感があるが、ある種イレギュラーのようなもので仕方ないのかも知れない。

SE・演出がショボい上、力の入れどころがおかしい

  • ファミコン版と比べなくても爽快感の欠片もないショボさ。
    • 必殺シュートやナイスシュート*12の効果音の音量はやたら低く、音そのものが地味にもかかわらず、ダッシュの足音は異常に大きい*13
      • 世界一周*14して戻った後やもず落としシュートを喰らった後などに無駄に長く転がっていたりと、どこか力の入れどころがおかしい。

チーム・キャラクターの個性付けが弱すぎる

  • ファミコン版ではパラメータだけの個性付けではなく、行動パターンにも色々幅があった。
    • しかし、本作に関して言えば、ロシアとイギリスを除いてどのチームも似たり寄ったりの動きになっている。個性付けを制作者はしているつもりだったとしても、全くと言って良いほどにそれをプレイヤーに感じさせないのである。
      • ロシアの思考ルーチン、「メンバーはボールを取ったらキャプテンのモルドフにボールを集める」というところだけはファミコン版のソ連をしっかり再現している。また、イギリスも「紳士的なチーム」という設定を反映してか、暴力行為をほとんど行わない。全くの余談だが、隠しチームの1つのドッジマスターの思考ルーチンもロシア同様にキャプテンに優先的にボールを集めるというものになっている。
  • キャラクター的な意味でも個性がかなり弱い。元々個性らしい個性がほぼ皆無だったアーケード版に個性付けをしたのがファミコン版だが、そこでは強く印象に残る選手が多くいた。
    • 一部を除いては本作も出場しているが、前述通りチームの個性分けが弱いため、ファミコン版で印象を残している既存のキャラクターはともかく、新規参戦のキャラクターに関しては全くもって印象に残らない。このような事態も今までのシリーズでは考えられないことである。
      • まともにドッジボールの試合をやっていたら無駄に長期戦を強いられてしまうという点では、隠しチームの1つ、ドッジマスターのキャプテンであるキングドッジは印象に残るかもしれないが、言うまでもなくネガティブな意味合いである。
    • そもそも、本作ではファミコン版のように能力の個性付けがされていない。ファミコン版では力自慢のAタイプ(キャプテン)、打たれ強く粘り強いBタイプ、キャッチテクニックに優れるCタイプ、チーム一番の機動力を持つDタイプ、球のキレが鋭いEタイプ、シュートテクニックに秀でているFタイプ…とそれぞれ個性付けをされていた。
      • しかし、本作ではそういった個性付けはされておらず、ファミコン版で操作する機会が多かったであろう熱血高校で言えばくにおがA~Fタイプ全てを兼ねてしまっているような状態*15である。とは言え、他のチームもキャプテンへの能力一点集中の傾向は見られるものの、熱血高校も含めてキャプテン以外の他のメンバーに全く使い道がないという訳ではないが、個性付けとしてはアーケード版よろしく「キャプテンとその他大勢」に近い状態になってしまっているのは否めない*16

ひらがな表記が多すぎて読みづらい

  • もっともこれはファミコン版やSFCドッジなどからプレイしている者にとっては慣れていることなのではあるが、それでも本作で初めてくにおくんシリーズをプレイする者にとっては読み辛いことこの上ない。本ページ内では極力漢字やカタカナに置き換えているが、実際のゲーム内では人名や必殺シュートは一部を除いて外人であろうとほぼ全てひらがなで表記されている。
    • 本来ならばこれはリメイク元を尊重した結果として評価点に回してもいい要素ではあるのだが、そうなるとシャドウとドッジマスターだけメンバーがカタカナ+ローマ字表記という時点で浮いているし、そもそもの内容に問題がありすぎるため、力を入れる場所がおかしいという悪印象になってしまっている。

遠征試合・対抗試合モード関連

熱血バーストのバランス調整放棄っぷり

  • 余程のことがない限りは超必殺を選んでおけば問題がなく、むしろ上記のキャッチタイミングが出鱈目な点もあってスーパーキャッチドッジも実用性が薄い。
    • ハイダッシュジャンプは移動速度がアップするのでもっさり感は一時的に解消されるが、根本的な解決にはならずメリットがない。それどころかジャンプ力が大きく上昇してしまうせいでダッシュジャンプ必殺シュートのタイミングが取りづらくなってしまい、かえってデメリットが増えてしまうことすら。
      • 強いて超必殺以外を選ぶとすれば、遠征試合モードで超必殺を使うチームと戦う際に保険としてハイパーアーマーを選ぶくらいなものだろう。

プレイヤー操作権(操作可能キャラクター)の移行が不親切極まりない

  • ファミコン版ではボールに近いキャラクター・今プレイヤーが本当に動かしたいであろうキャラクターにちゃんと操作権が移行するので操作にストレスが感じられないようになっているが、本作ではボールが目の前に落ちているというのにそのキャラクターに操作権が移る事はほとんどなく、大抵の場合はなぜか一番遠いキャラクターに移行するのでストレスが溜まる作りになっている。
    • 特にライン際にあるボール目がけて近づき、あと少しの所まで来たところでいきなり操作権が後方のキャラクターに移行して、遅れてボールに近づいていた相手(COM)にボールを奪われるということがザラにある。一応ダッシュして近付けばいきなり操作権が移るということはないが、ダッシュ中は急停止出来ないため、拾った側から相手のコートに入ってボールを手放してしまうことも起こり得る。
      • ライン際で相手に狙われた際にとっさに暴力行為で反撃するにしても、ドッジしてやり過ごそうにも本当に直前でいきなり一番遠いキャラクターに操作権が移る。そうなると当然本来抵抗させたかったライン際のキャラクターはシュート直撃、関係ないキャラクターが格闘していたりしゃがんでいたりする光景も頻繁に見られる。
  • 相手のシュートを喰らって倒れているキャラクター、あるいは味方外野エリアの方にまでシュートを喰らって飛ばされているキャラクターに操作権が当たることも頻繁に起こる。
    • 当然倒れているキャラクターが動けるわけがないのでその間に後述の避けない非操作権キャラクターが狙われる(正しく言うなら勝手に当たりに行く)し、大きく飛ばされているキャラクターも自チームの内野に戻るまでは操作権があるのに操作を一切受け付けずにがむしゃらに自チームコートに戻ろうとするので、その間に集中砲火を浴びる事もある。内野のキャラクターに操作権が移行すれば格闘で妨害も出来るというのに…。
  • あれこれ書いたが早い話が「今本当に動かしたいキャラクターを動かせることはほとんどない」ということ。それも大抵がこちらの足を引っ張ろうという悪意を感じる程なので、余計ストレスに昇華されてしまうのである。

操作権のないキャラクターの扱い

  • ファミコン版では100%ではないにしても操作権のないキャラクターもシュートで狙われた時にはしゃがんで回避をすることがあったのだが、本作は操作権のないキャラクターは適当に動くことはあるものの回避をすることがない。
    • つまり操作権のあるキャラクターがしゃがみなどをして避けてしまった場合、流れ弾に当たってしまうということ。場合によってはこれが痛恨の一手になってしまうこともあり得る。
      • それだけならまだしも、酷いと上で少し触れたが非操作権のキャラクターが自分からボールを喰らいに行こうとさえする始末で、前述の不親切極まりない操作権の移行と相まって、プレイヤーのイライラをさらに増幅させてくれる。

COMのオブジェクトの使い方が嫌らしすぎる

  • ゲーム中は基本的にボールを中心に視点を移動させるのだが、COMはこれを利用して視点に入っていないプレイヤーチームの後方にいるキャラクターに向かって的確にオブジェクトを投げつけてくる。
    • 気が付いたら後方の選手が燃えていたり、感電していたり、氷漬けになっていたり…等々、酷いとこれによっていつの間にかメンバーがやられていた、なんて笑えないことも。
      • これまた自分から当たりに行ってるんじゃないか、と思いたくなるくらいの高確率でダメージを受けるので、これまたストレスの元になる。
    • アメリカコートではオブジェクトとして巨大爆弾が落下してくることがあり、これを投げつけるとコートほぼ全域に大爆発を起こして大ダメージを与える効果がある。
      • しかし、「コートほぼ全域」と書いたように、これは相手コートに投げつけても自分のチームの方にも爆発が起こり、そしてそれによるダメージもしっかり受ける。そして、これがどういう訳かプレイヤーが使うとプレイヤーチームは爆発に巻き込まれて壊滅的な被害を被る割にCOMチームはほとんどダメージを受けていないことが頻発し、更に立場を逆転しても結果が変わらず、投げつけられたプレイヤーチームは壊滅的な被害を被るが投げつけたCOMチームはほぼ無傷だったりする。
      • これが投げた位置が悪いとかそういう類のものであればまだ納得行くのだが、どこで投げてもほとんど違いがないと言うことが多い。そのためプレイヤーチームは味方が離脱したところに巨大爆弾など降ってこられてもかえって迷惑なのに、COMは嬉々として放り投げまくってくると言う理不尽極まりない状況になってしまう。これがCOMへの補正か何かによるものであったとしても、いくら何でも露骨すぎる。

こぼれ球・地面に転がっているボールのジャンプキャッチが出来なくなった

  • 相手コートに無理矢理ジャンプで入り込んでそのままバウンド中・あるいは地面に転がっているボールをキャッチする、などという芸当が出来なくなった。
    • 出来たところで結局は相手ボールになってしまうのだが、1つのお遊び要素であったため、それがなくなったことを残念がる声もある。
      • もちろん空中キャッチそのものは出来、パスカットなどは出来るので最低限の体は成しているが、お遊び要素を削除する理由もないと言えばないのである。

放課後クラブ活動モード関連

1人プレイではまったくゲームにならない

  • このモードの目的は他のキャラクターにボールを当てたり、オブジェクトや暴力行為などを駆使して自分が最後まで生き延びることなのだが、1人プレイだとどういうわけかCOM同士でボールに見向きすらせずにドツキ合っている。
    • ボールに見向きもしないでドツキ合っているだけならともかく、どういうわけかプレイヤーは積極的に絡もうとしない限り全くと言っていい程相手にされないため、ゲームとして成立すらしていない。
      • Wi-Fiコネクションに対応しているのならまだCOM戦がこれでもいいかもしれないが、Wi-Fiコネクション非対応でこの仕様はいくらなんでもあんまりである。

COMのキャラクターの変更が出来ない

  • 発表当初のスクリーンショットではグラウンド内に各国の選手が入り乱れているものがあった。これがまさかマルチプレイ限定の話になるとは予想もしなかったという意見がある。
    • 実際は熱血高校3人(ひろし・こうじ・いちろう)と花園高校4人(りき・あきら・とおる・まさひこ)にプレイヤー1人の8人対戦で、プレイヤーが増えればその分固定枠から入れ替わりという形になってしまった。

部室モード関連

無駄に誕生日と絡ませてしまった必殺シュート

  • 必殺シュートの組み合わせは2/29(閏年)を含めた366種類ということになるがこれを全て解析するのは骨で、自分が組み合わせたい必殺シュートの組み合わせを探すのも一苦労である。
    • これにより強力なシュートの組み合わせを優先するあまり、チームメンバー全員が全く同じ誕生日ということも起こりうるし、組み合わせたい必殺シュートの組み合わせがなければどちらかは妥協しなければいけなかったりすることになる。
      • 加えて、くにおのダッシュジャンプ必殺シュートでもある「ナッツシュート」など、組み合わせの中に1つも存在していないシュートもかなりの数に上るので、そもそもの選択肢もかなり狭めである。

パーツの増やし方が少々明後日向き

  • 俗に言うダウンタウンキャラクターのパーツが豊富にあるのだが、「プレイヤーに作らせるのではなく、最初からダウンタウンのチームも登録しておけばいい話では?」という批判を産むきっかけになってしまった。
    • ダウンタウンどうこうを抜きにしても需要がいまいち見えない、いわゆる「誰得」ともいえるパーツがかなり収録されている。
      • 個性的なキャラクターが作れるという見方もあるかもしれないが、どちらかというと「浮いてしまっている」感の方が強いのである。

総評

テクノスジャパンが倒産してからというもの、くにおくんシリーズの新作がもはや絶望的だったためにハードルも普段より上がってしまっていたところも確かにあった。
本作をきっかけにして過去作のリメイク、最終的には完全新作を出す足がかりになるかもしれないという期待を抱かせるものであったとも言え、その反動で余計にこのゲームの印象を悪くしているところも皆無ではない。

だが、そういったファン心理を抜きにしてもリメイク元の作品で出来ていたことが出来なくなっている・色々なところで散見される手抜きおよび調整不足など、リメイクとしてどうこうだけではなく、1つのゲームとしての完成度も正直言ってかなり低い。
本作の出来が出来だったので、くにおくんシリーズのファンからは強い落胆の声が上がり、「この程度ならむしろ出さないでくれたほうが思い出を穢されないだけマシ」「他の作品までこんな酷いリメイクされるのか?」「アークシステムワークスはくにおくんを金儲けの道具としか見ていない、愛情が全くない」などと散々にこき下ろされることになってしまった*17

また、このゲームの発売日に並行して公開された旧テクノスジャパンスタッフとくにおくんシリーズのファンで結成した「Miracle Kidz(ミラクルキッズ)*18」が作った『ダウンタウン ドッジボールだよ全員集合!!』の体験版*19が、リメイク元の作品で出来ていたことをしっかりフォローし、かつそこに戦略性を高める新要素を大幅に追加した正当進化と呼べるものだったため、こちらはむしろ『ダウンタウン ドッジボールだよ全員集合!!』のための当て馬とも呼べる状態になってしまった。


その後の展開

後にアークシステムワークスは、本作同様に旧作のリメイクを『超熱血』を冠してニンテンドーDS用ソフトとして発売している。
2010年2月4日には『ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会』のリメイク作品である『くにおくんの超熱血!大運動会』を発売した。
こちらは質の悪い3Dグラフィック・操作性の悪さ・何かと気の利かないオプション設定・ゲームバランスの不安定さなどを指摘する声があるが、原作からの一部改善点や女性キャラも作れる充実のエディットモードなどの長所もあり、満場一致に近いレベルでくにおくんシリーズファンからクソゲー・黒歴史とされた本作に比べればシリーズのファンからも好意的な意見も見られる。

また、同社は2010年5月27日には『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』のリメイク『くにおくんの超熱血!サッカーリーグぷらすワールド・ハイパー・カップ編』を発売した。

その後しばらく音沙汰がなかったが、2011年12月15日にニンテンドー3DS用ソフトとして『熱血硬派くにおくん すぺしゃる』を発売し、こちらはそれなりの評価を得ている模様で、それ以降もコンスタントにくにおくんシリーズの新作をリリースし続けている。


余談

  • 開発元のアクセスはこれ以前にSIMPLEシリーズにてドッジゲーを3本作っているものの、どれも評価は微妙だった。
  • 本作も海外向けに発売されており、北米版*20に加えて本作は韓国でも発売されている。
    • 発売元は北米版が「Aksys Games」で、韓国版が「Fujitsu Korea Limited」となっている。
      • なお、熱血高校ドッジボール部の北米版ではゲーム内容に若干の変更を加えていたが、本作の場合は表記をそれぞれの言語に変更した以外の差は基本的にない。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2022年07月17日 15:05
添付ファイル

*1 残体力を問わず一撃撃破が出来る。

*2 シュートによるダメージは1で固定出来るが、アイスランドコートでのダウン時に追加で入る2のダメージは軽減出来ず、そのままダメージを受ける。

*3 破損しても装備アイテムの効果が弱まったりはしない。

*4 例えば、各チームのキャプテンを集めたチームなんていうのももちろん可能。

*5 高難易度で1人も倒されずに勝ち進むこと。

*6 この仕様により、1人でもやられた時点でやり直せるため。

*7 必殺シュートの1つ、「デッドエンドシュート」で2のダメージを与えることが出来る。

*8 逆に強さランクが高いのに、ステータスに問題があるチームもある。

*9 バックで構えている選手を狙うなど。

*10 放課後クラブ活動モード。対抗試合は2人まで。

*11 その他、放課後クラブ活動モードの対戦中にも専用のBGMが流れる。

*12 特定の条件で出せる普通のシュートよりも強力なシュート。

*13 前述の通り歩いている速度とダッシュしている速度が変わらないため、恐らく見分けるためにダッシュの足音が異常に大きくなったものと思われる。

*14 ファミコン版において特定の必殺シュートを喰らって画面外にふっ飛ばされたキャラクターが反対側の画面端から戻ってくることが世界一周して戻ってくるように見えることからこう呼ばれていた。本作で正式にこの効果が「世界一周」と呼ばれるようになった。

*15 一応、くにお以外の熱血高校のメンバーも一部とは言えくにおよりも高い能力を持っているキャラクターもいる。しかし、くにおの能力はほとんどがチームトップか低くても上から2~3番目あたりとかなり高い。

*16 ちなみに、アーケード版の場合はキャプテンであるくにお以外の熱血高校のメンバーは能力も低く、光る所も無いという有様なため、くにおを守るための肉の壁以外の使い道がない状態だった。それすらもメンバーがいるせいで唐突に操作権がくにおから他のメンバーに移行してしまうせいで無防備の状態で敵に狙われてしまうこともあり、場合によっては役に立たないを通り越して完全に邪魔になってしまう事もあった。

*17 ついでに書いておくと、取説にはジャンプの仕方が書かれていないという基本的なチェックミスまでやらかしており、発売日に公式サイトでお詫び文とともに訂正をした。もっとも、近年では何かやらかしても謝罪すらしないというケースも少なくないため、しっかりとそのミスについて謝罪した上でネット上でとは言え訂正というフォローをしているだけマシということも出来るが。ちなみにジャンプはA+Bボタン同時押しで行うことが出来る。

*18 元は同人サークルとして立ち上げたが、現在は法人(株式会社)化している。

*19 PCソフト。のちに様々な追加要素とアレンジを加えてWiiware化。ゲームスピードの選択が可能で、最遅は「もっさり」(もっさりと言いつつ項目ソフトよりだいぶ快適)。真意はどうあれ、経緯を考えると皮肉にしか見えなくなってしまうのもやむなしだろう。

*20 タイトルは『SUPER DODGEBALL BRAWLERS』となっている。