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スーパーロボット大戦K

【すーぱーろぼっとたいせん けー】

ジャンル シミュレーションRPG
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 エーアイ
発売日 2009年3月20日
価格 5,800円(税別)
判定 シリーズファンから不評
ポイント スパロボ史上最低のオリジナル主人公「ミスト・レックス」
ファフナーを筆頭に、原作から改悪された版権シナリオが多い
有名なゲームからBGMを盗用
本作では調整不足ながらも、後のシリーズに引き継がれた戦闘システム
ある意味シリーズのターニングポイントかもしれない作品
スーパーロボット大戦シリーズリンク


概要

DSにおけるスーパーロボット大戦の2作目。バンプレストのバンダイナムコゲームス合併に伴い同レーベル最後の作品となった。
タイトルの「K」は、「携帯機」から取られたもの。

プロデューサー・寺田貴信氏の意向で、主に2000年代の作品を集めている他、特に版権の問題から不可能と思われていたゾイド*1の参戦が大きなサプライズとなった。
システム面では小隊システムをアレンジした「パートナーバトルシステム」が目玉となっている。

しかしながら、キャラゲーの命ともいうべきキャラクター・シナリオ方面でのマイナス要素が大きく目立つ内容となっていたため、評価を大きく落とすことになった。


参戦作品一覧

+ ...

★マークは新規参戦、☆マークは携帯機初参戦。

  • マジンガーZ
  • 破邪大星ダンガイオー
  • ☆OVERMAN キングゲイナー
  • 機動戦士ガンダムSEED
  • ☆機動戦士ガンダムSEED DESTINY
  • ★機動戦士ガンダムSEED C.E.73 STARGAZER
  • 電脳戦機バーチャロン マーズ
  • ☆神魂合体ゴーダンナー!!
  • ☆神魂合体ゴーダンナー!! SECOND SEASON
  • ★蒼穹のファフナー
  • ★機獣創世記ゾイドジェネシス
  • ★ガン×ソード
  • ★ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU
  • ★鋼鉄神ジーグ
  • バンプレストオリジナル

前述のように2000年代の作品が中心で*2、それ以外は『マジンガーZ』(1972年)『ダンガイオー』(1987年)の2作品のみ。1990年代の作品は無し。


システム・特徴

パートナーバトルシステム

  • OGsのツインユニットのような形で2機で1つのパートナーユニット(以下、PU)を編成する。
    • PUでは移動はメインユニットの移動方法が参照される。
      • サポートユニットが空を飛べなくても、メインユニットが空を飛べれば空を飛んで移動ができる。
    • 援護攻撃・防御はPU時限定の要素に変更。
      • サポートユニットが援護攻撃・防御を行う。
      • ただし地形適応はサブ側の実行状況に依存する為、攻撃可能な地形は変化しない。
      • この変更に伴い、主役機以外は概ねレベル1の時点で援護攻撃・防御共に技能レベル1を所持しており、PUを組めるパイロットは全て援護技能を習得する。
        主役機同士で組ませる事による火力を抑える為か、主役機の援護攻撃技能習得は少し遅め。
      • 援護攻撃を行った側も同時に行動終了になるため、援護攻撃のレベルは使用回数ではなく攻撃力と命中率に掛かる。
    • 一部の精神コマンドはPUの両機体に効果がある。
    • サポートユニットが修理・補給機能を持っている場合、HP(EN)回復(小)の効果が付く。
    • 一方でシングルユニット(以下、SU)はアタックコンボが使用可能で、気力も上がりやすくなる。
      • アタックコンボは従来の「隣接する敵ユニットを上限数まで連続で攻撃」という形から、「攻撃可能範囲内から上限数まで選択して攻撃(隣接は問わない)」という形に変更された。
      • 加えて、後続の敵へはダメージが減少するシステムも削除された。

連続ターゲット補正の強化

  • シリーズ作品の一部で採用されているシステムで、敵の攻撃を回避するたびに回避率が下がるというもの。
    • 初出はPSPの『スパロボAP』で、「回避力と反撃に使用する武器を強化して敵陣に突っ込み、反撃で次々に敵を倒す」というスパロボのセオリーに対するカウンターとして考案された要素。
    • 本作ではダメージを受けても補正が解除されないうえ、自軍フェイズから補正が継続される。
    • また、補正値が-200%を切ると切り払いなどの回避系スキルが発動しなくなる。
      • カウンターは含まれないため、この技能の重要性が増した。

撃墜数ボーナス

  • 撃墜数100機毎に全能力値が10上昇する。

問題点

ストーリー関連

  • 本作の問題点は、特にストーリー面での批判が多い。テキストの文章が稚拙で、その割にシナリオデモが長いため、読み飛ばした方がいいと考えるプレイヤーもいる。
    • 中でも主人公と一部の作品の扱いはスパロボ史上最低クラスと評されている。

オリジナル主人公:ミスト・レックス

  • 本作の主人公にして、シナリオの酷さを体現する人物。母星アトリームを滅ぼされ、地球に漂着してきた宇宙人という、スパロボでは珍しい設定の主人公。
+ オリジナル主人公関連のネタバレ
  • しかし、アトリームの価値観を絶対視して地球人同士の戦争を批判するという行動に出る。
    地球人同士の争いに辟易するキャラなどは従来の作品でも珍しくなく、主に敵対する異星人たちによく言われていることだが、
    ミストは誰もいない場所にヒロインと共に出向いては、ことあるごとに愚痴をこぼす。
    その度合いは中盤に差し掛かるごとにエスカレートしていき、しまいには「こんな星、守る価値なんかない!俺はもう地球人のために戦いたくない!戦うなら勝手にやってくれ! 俺は艦を降りる!」などと、共に戦った仲間たちさえ否定するような主人公にあるまじき発言を行い、ヒロインからも呆れられる。
    また彼の語るアトリームの社会は設定が不明瞭で、武力支配のディストピア説を主張するユーザーがいるほど。
    • 「2000年間戦争がなかった」という説明や上記の戦争行為を見下しきった態度だけなら、アトリームは争い事を好まない人たちが住む平和な惑星だったと思いたいのだが、ミスト自身が「防衛隊の新人だが暴徒鎮圧に慣れている(=入隊後すぐに暴徒鎮圧が何度もあった)と発言」するうえ、所属の防衛隊の規模も「(戦争が何度も続いている)地球とは比較にならないほど大きい」という*3
      「頻繁に暴動が発生」し「軍備増強をしている」のに、「戦争は起きて無い」と言うのなら、防衛軍が一方的に反政府勢力をつぶす内戦にもならないような戦闘が頻発しているとしか思えないというわけである。
      ミストは防衛隊を中心とした権力構造の中枢にいたため、アトリームの実態に全く気づかなかったという悪い推測が否定できない。
      • ただし、悪意が集まった精神生命体であるラスボスをアトリーム人の先祖が倒した際、その欠片が宇宙中に飛び散っておりアトリーム人の体内にも欠片が宿っていた。そしてラスボス組織がアトリームを侵略する前に欠片を活性化させておりその影響が出ていたというような話は終盤に一応出てくる。
      • また参戦作品に登場するような敵となる宇宙人や宇宙生物が存在する世界観である。
  • 故郷を2度*4も滅ぼされているにもかかわらず、性格は異常に陽気(一応、物語開始当初は絶望で戦いを放棄しているが)。
    故郷を滅ぼされた件を「2連敗」と表現する驚きの軽さなうえ、死んだ家族や友人等を偲ぶような場面もない。
    • 「空気を読めない」という公式設定のあるシェルディア(後述)よりも空気を読めていない。
      オーバーデビル戦終盤でオーバーデビルが突然消えて、皆がその行方を案じている中で「いやあ…オーバーデビルは強敵でしたね」とのたまうなど。
  • オリジナル敵キャラが出現すると怒りをあらわにし、脇目もふらずに突撃し窮地に陥るという行為を何度も繰り返す。
    しかも本人は反省はするも度々繰り返す(それを踏まえた自虐的なアドバイスをしたりもするが)。
    • というより、紆余曲折を経て他人との良好な関係を築いたりといった成長要素がまったくない。欠点の指摘・叱正はされるものの学習しないため「三つ子の魂百まで」と作中でも評されている。
      後述する最終話の総士の件も、ミストから総士への心証がいつ改善したのか描写がない状態でのイベントだったので余計に批判が集中した。
  • また、ミストの発言は、先述した愚痴がほぼ半分を占めており、その影響から版権キャラクターとの絡みが非常に薄くなっている。絡んでいるあいだも言動に多くの問題が見られたこともあいまって批判の対象となっている。
    • 前作「スーパーロボット大戦W」の主人公であるカズマは、多くの版権キャラと密接に関わり、強い信頼を結んでいたので、この落差からミストを非難するファンも多く見られた。要するに、オリジナル主人公の役割の一つであるクロスオーバーの先導者という面がまるごと抜け落ちているのである。
+ オリジナルヒロイン関連のネタバレ
  • アンジェリカとシェルディアという2人のヒロインがおり、最終的に結ばれたヒロインと後継機に同乗するというラブコメ的要素がある。
    しかしミスト自身の性格が酷すぎることや、ヒロインの性格描写が雑すぎる面があり、受け入れられたとは言いがたい。
  • 2人は終始ミストを巡って痴話喧嘩を繰り返す。
    • ミストほど酷くないが、どちらもミストの事となるとヒステリックになる傾向がある。
      • またこれらの描写のおかげで同じく三角関係が軸の『ゴーダンナー』勢が食われてしまっている。
  • シェルディアは特殊な能力を持つ妹・レムが原因で、出身星・ベザードでは迫害されていた。しかも周りからは「(レムを)殺せ」という非常に物騒な単語を掛けられていた事実が明らかになる。しかし「ベザードは平和だった」「(戦争に比べれば)迫害はささいな事」と発言したりする。「殺せ」と言われたことも嫌がらせ程度にしか認識していない。
    ミストも「差別や迫害はどこでもありふれた事で、今は重要ではない」と返す。
    • 戦争に比べれば、という注釈付きではある。
      地球人同士での戦争まっただ中での会話なので言いたいことは分かるが、時に戦争の原因にもなりえる差別や迫害を「ささいな事」と片付けるその言動を肯定的に捉えられる人はまずいないだろう。
      • 本作の大戦であるナチュラルとコーディネーターの争いも、その発端は差別や迫害によるものである。
    • 空気が読めないキャラという公式設定の彼女だが、序盤以降はある程度改善することや他二人の描写の酷さから、三人の中で最もまともなキャラという評価を受けている。なんとも皮肉な話である。
  • 好感度の変動によってはエピローグで三角関係が継続する「優柔不断エンディング」を見ることが出来るという、誰も得をしない要素が盛り込まれている。
    • シェルディアルートだと、アンジェリカの父・エルリックが防衛隊隊長という職権を濫用して、シェルディアを訓練のためと称してミストから引き離して、なおかつミストの家にアンジェリカを押しかけさせ、寝取らせようと画策する*5
    • さらに言うなら、優柔不断エンドになるとファフナー勢のバッドエンドが確定する。ますます誰得……という以前に原作ファンの神経を逆なでするような扱いである。
  • オリジナル敵幹部最後の1人・ガズムはエルリックかレムの身体を乗っ取って登場する(どちらの身体を使うかは選ばれたヒロインによって決まる)が、版権キャラは最初から彼・彼女を犠牲に敵を倒す前提で話を進める。
    しかもミストもそれに同調し、抗議したヒロインに手をあげる。
  • スパロボ初の宇宙人主人公*6設定等、材料としては光る部分があるものの、肝心のシナリオ内描写が酷く、やることなすこと全てがプレイヤーをイラつかせるという最低のキャラクターになってしまった。
    そういった意味では彼もライターの犠牲者と言えるかもしれない。前述のとおり材料自体は良いため、スパロボオリジナルキャラクターが共演する『OGシリーズ』での補正を願う声も少なくない。*7
    • 実際、中盤以降はメアリー・スーとまで言われた序盤の出しゃばりっぷりが嘘のように版権キャラ(サコン先生除く)と会話をしなくなり、ストーリー上で何かイベントが起きても会話に参加することも稀になって行き、終いには最終面なのにゴオしかミストを評価せず、そのゴオからもエピローグで理不尽な八つ当たりをされており、調子の良い事を言ってカガリから「成長していない…」と呆れられるのが版権キャラとの最後の会話だったりと、とてもスパロボの主人公とは思えない描写だらけである。
      • ライターもミストの言動でプレイヤーが苛立つのを見越していた節があり、それを解消させるためか彼と版権キャラの会話は、ミストが突っ込まれる・怒られる・ダメだしが殆どである。
    • 発売後まもなくスパロボ最底辺のオリジナルキャラクターとしての評価が確定し、2ch各所でネタキャラ(もちろん悪い意味で)扱いされるようになった。
      ネタキャラとなったミストは「ミストさん」という呼称が一般的だが、さん付けで呼ぶのは敬意からではなく怒りを通り越してどうでも良くなった結果であると言われている。*8

版権作品について

  • 前作『W』と比較するとクロスオーバーの密度が大幅に低下しており、改悪された原作シーンばかりが目立つ。
    • 版権キャラクターの短所を誇張してフォローしなかったり、シナリオの都合によって別人化するほどに魅力を削がれたキャラが散見される。従来のスパロボでも見られた傾向だが、本作では比較的多め。
  • 『ガン×ソード』のジョシュア・ラングレンは、空気の読めない発言ばかりピックアップされ、兄思いな性格や、終盤における「幸せの時計画」の阻止などといった活躍の描写だけがほぼ削られ、原作の駄目な一面ばかりクローズアップされてしまっており、単なる空気の読めないキャラに変貌してしまっている。
    • また、主人公のヴァンが、エルドラVのパーツを投げつける際に、原作では無言なのだが状況の解説の為か「あんた達の心意気に打たれたぜ!」と発言している。無言で投げた事の解釈は間違ってるとは言えないが、少なくともヴァンはこんな事を口に出すキャラではない。他にも、ヴァンが初登場するシナリオのタイトルが「タキシードは風に舞う」から「タキシードを着たボンクラ野郎」になっているなど、明らかに余計な変更がなされている。
    • ライバルのレイ・ラングレンは、ヴァン同様に妻のかたきを討つためカギ爪の男を追っているはずなのだが、何故か唐突に「強いやつと戦いたい」と言い出したり、終盤の活躍をほぼまるごとカットされたり、「ゾイド」のギャグ担当である「無敵団」に無理やり恩を着せられるなど、原作の格好よさを潰すシーンばかりが目立っている。
    • ヒロインの一人であるプリシラは、原作におけるヴァンとの出会いのきっかけとなったヨロイバトルが、よりによってミストとの対戦に変更されてしまっている。このため、ヴァンに対して好意を抱くこともないどころか絡みが非常に薄くなっており、あろうことかミストとの絡みの方が多くなってしまった。
  • 『ガンダムSEED DESTINY』のシン・アスカは、「オーブが滅びる様子を見られないのが残念」という暴言を吐いている。
    • オーブという国に対して思い入れがあるからこそ、嫌っているアスハ家に好き勝手されることを嫌っての発言というのも理解できなくはないが*9、滅びる様子を見たがるのはさすがに悪趣味かつ、キャラにそぐわない。
  • 『キングゲイナー』は、ヤッサバをスパロボ補正で生き残らせた結果、ヒューズ・ガウリに酷いしわ寄せがきてしまっている。後に相思相愛の仲になるアデット・キスラーは生きていたヤッサバとよりを戻してしまい、さらには『鋼鉄神ジーグ』の早乙女門子*10に恋人扱いされるという誰得な展開が待ち受けている。
  • 『ゾイドジェネシス』は途中のイベントを中途半端に端折っているため、ルージの成長過程が省略されてしまっている。その結果、最終的にはディガルドへの反乱組織を束ねるリーダーとしての描写もほぼラ・カンに奪われてしまっている。 ほかにも、ガラガがただの空気の読めない馬鹿になっているなど、ほとんどが原作より悪化している。原作終盤となるイベントも以下の通り、目を覆いたくなる惨状となっている。
  • そして、これらに輪をかけて酷いと言われるのが初参戦作品の一つである『蒼穹のファフナー』関連のシナリオである。
+ その内容(ネタバレ注意)
  • 苦しくも希望のある終わり方だった『ファフナー』の後日談を、全員助からないというバッドエンドに改変。
    • それも、同化現象(ファフナーに乗ることで負う後遺症)の治療がうまくいかず、全員が口々に諦めの言葉を呟く…という後味の悪いもので、主人公である真壁一騎は会話中に同化現象による激しい頭痛に襲われ、医務室に運ばれてしまう。原作にはそんなシーンはない。ちなみに原作の後日談では助かったことになっている*11
    • しかも本作が他作品とのクロスオーバーが薄めな事もあってか、他作品の科学者キャラの一人は助ける素振りを見せるどころか、「若い連中に任せたら暇になっちゃってねぇ」などと語って一人でバカンスを満喫していたりする。暇なら手伝ってやれ。
    • 『ファフナー』生存フラグを立てればこの展開は回避されるが、原作より酷い展開にした上で、条件を満たせばそれを回避と、スパロボ補正がいつもとは逆に働いている。せめて条件を満たせば原作よりさらに救われる展開に出来なかったものか。
      • 加えて、条件達成時の助かる展開も助けたキャラクターの原作における描写を知らない人には唐突で無理やりな展開に感じられやすい*12
    • その達成条件も、フラグが複数の分岐上にある関係上、ルート分岐を4回強制され、その内容も序盤に超強力なフェストゥム・スフィンクスC型を2ターン以内に翔子一人で撃墜、特定の間、剣司・咲良・衛・道生・カノンの5人を毎回出撃が必須*13と、非常に厳しい。フラグをすべて立てれば全員が生存、しなければ全員死亡+バッドエンド確定という極端な要素も問題視されている。
      また、フラグを立てても、最終決戦で死亡(厳密には違うが)する皆城総士だけはどうやっても救えない*14
      さらに死亡原因も原作と異なる。「人を助ける為に力を使い果たして死ぬ」という展開自体は分からなくもない物だが、本来死亡する箇所で生き残る上、その助ける対象がよりにもよって上記の通りに嫌われたミスト(とヒロイン)であった為に、余計に救われなく思った原作ファンもいる。
      • 「総士がどの道長くは存在してはいられなかった」「ミストが犠牲になる方法ではラスボスが再び復活する可能性がある」という理由はあるものの、版権キャラがオリジナルキャラの身代わりになった事に変わりはない。
        プレイヤーは前述のようなミストの言動・行動のせいで「総士はこんな奴の身代わりにされた」という気持ちにされてしまった*15
  • ちなみに、本作では同化現象は参戦作品の1つである『ゴーダンナー』にて登場する病気「ラビッドシンドローム(早い話がパイロットが凶暴化するというもの)」と酷似しているという設定があり、同化現象の研究データを応用することによってラビッドシンドロームの治療法があっさりと見つかる
    • それなら同様に同化現象の治療法が確立されても良かったんじゃないだろうか。
  • 動画アリ(ネタバレ&BGM編集注意)

その他シナリオの問題点

  • ルート分岐収束後の会話で、別ルートの話を補足するというフォローがない。
    • そのせいで「敵組織の士官だったはずのキャラがいつの間にか自軍におり、女風呂を覗こうとした甲児たちを注意している」といった意味不明なシーンを見せられる場合も。
    • 酷いところでは同一の話の中ですら整合性が取れていない。
    • ガイキング、ゾイドジェネシス、ファフナーは、新規参戦にもかかわらず、分岐先での決着となるため、下手をすると「わけが分からないまま原作が終了した」と思われがち。また、隠し機体を優先すると、フラグの関係でガイキングの決着ルートに行きづらくなる。
  • 序盤から中盤にかけて、プレイヤー部隊の意志に反してあちこちにワープさせられる。
    • 4話終了後に唐突にもう一つの地球へ飛ばされ、9話が終了すると今度はダリウス界に飛ばされ、12話終了後にまた元の地球に戻される。いずれも前触れもなく唐突に飛ばされるため、ぶつ切り感が強いものとなっている。
  • イベント戦闘の乱発(特に主人公関連のイベントで顕著)。
    • 「独断で敵に突っ込んで返り討ち」「因縁の相手にとどめ」のような場面で多用される。使用武器にバリエーションを持たせる等の工夫もない。中でも問題視されているのが、『ゾイドジェネシス』の最終シナリオである。
+ 『ゾイドジェネシス』の最終決戦についてネタバレ注意
  • 『ゾイドジェネシス』のラスボス・バイオティラノとの戦闘イベントが間抜けに見える演出になっている。
    • バイオティラノは原作では味方勢の多くを瞬時に敗北に追いやる程の強敵であり、本作でもそれを再現した演出ではあるのだが、実際にゲーム中に見る内容としては「味方7機が次々にボスに突っ込み、全機返り討ち」という物。
      • さらに戦闘アニメもそれぞれが立て続けに流れるため(カットすればいいものの)テンポも悪い。
    • 上記に加え、燃費に問題を抱えている上に復活イベントでENと残弾までは回復しないというゲーム上の性能も合わせてネタにされがち。
  • 世界観やオリジナルロボに関する設定のほとんどが活かされておらず無駄に終わる。
    • 「2つの地球」という舞台*16に関しても納得のいく説明はなされていない。
      文化や国家関係のすり合わせを放棄するために地球を2つ作った疑惑すら持ち上がる。
    • 一応攻略本では本編で語られなかったフォロー要素としての設定などが判明している。

システム関連

パートナーバトルシステムの調整不足

  • パートナーユニットには、援護可能、移動を補助しやすい、一部精神コマンドの共有、回復・補給ユニットによる毎ターン回復等など、システム上の恩恵は多いが、後述する制約の所為で使いづらく、シングルユニットは恩恵自体は少ないが、その恩恵が強すぎる。
  • シングルユニット時に使えるアタックコンボが強すぎる。
    • 最大3ユニット(6機)を同時攻撃できるうえ、援護防御を無視できる為、より実用的なマップ兵器になってしまっている。
      • 本作のザコはほとんどパートナーを組んでくる上、レベルが上がると援護防御を使い出すので、アタックコンボの有無で殲滅速度に大きな差がつく。
    • コンボが使用できるのは一部の武器のみに限定されているが、改造すれば十分な攻撃力を確保できるため、実質デメリットは武器によってはとどめ演出が見られないくらいである。
      • 100機撃墜ごとの能力値ボーナスの面で見てもアタックコンボで撃墜数を増やせるシングルユニットが有利。
  • 一方、パートナーユニットには以下の制約の所為で非常に使いづらくなってしまっている。
    • サブユニットの攻撃が援護攻撃に限定されるため、援護技能の習得が遅めに設定されている主役機同士で組ませるとスキルのない序盤はサブが案山子になりやすい。
      • 移動補助の為に飛べないユニットを飛行ユニットと組み合わせると地形適応の関係で援護がしづらい。
    • パートナーユニットはシングルユニットと比べ経験値は0.75倍に減少、気力の上昇も減少、運動性も5減少など制限がさらに増える。
      • 特に痛いのが気力の上がりづらさ。気力の上がりづらい所為でメインユニットも援護ユニットも強力な武器が使いづらくなっている。また、合体攻撃は対象ユニットを組ませる事で使い勝手は良くなっているが、ここでも気力の上がりづらさが足を引っ張る。
    • 過去作のようなマップ上での合流や解散が出来ない為、移動時と殲滅時でパートナーユニットを変えるといった柔軟な対応もできない。
    • また、前述した通り中盤以降は敵が援護防御をしてくるが、アタックコンボがないツインユニットではこれに対応する事ができないため、敵の撃墜が非常に難しくなってしまう。
  • これらの点から、味方がアタックコンボを、敵が援護防御を修得する中盤以降はPUで出撃させる意味はほぼなく、SUでの出撃が強く推奨される。

連続ターゲット補正の強化

  • 仕様の変更でリアル系ユニットの運用が厳しくなった。
    • アタックコンボの仕様や撃墜数ボーナスへの対処もあってか、過去作以上に補正が厳しくなっているが、その結果、回避も耐久もそれほど高くないリアル系二軍ユニットへしわ寄せが来てしまっている。
      • 本作ではそういった二軍ユニットには大抵修理装置や補給装置等のサポート能力が搭載されている為、サポートユニットとしてはきちんと使い道はある。
        とはいえ、前述の通りシングルユニットが強すぎる為に出撃枠を減らされてしまう事も多いが…。
    • リアル系は回避力の高さを活かした反撃による手数の多さで、一発が重いスーパー系と攻撃面で差別化がされている事が多いが、本作はこの補正の所為で多数のターゲットを受ける使い道はかなり厳しい。
    • シナリオに連続ターゲット補正の影響を考慮していない部分も。
      • 敵が無限湧きするステージでキングゲイナーが敵に囲まれて孤立したり、ムラサメ*17に乗った自軍ゲストが囮を引き受けることを提案したりするが、これらの場面ではこの補正がきつい。

地形適応の問題

  • 宇宙戦のなかった作品が多かったためか、作品ごと宇宙適応がBになっているという、『F』を彷彿とさせる地形適応設定が目立つ。
    • 簡単に言えばスポット参戦のコスモダイバー(宇宙で戦う機会がない)を除いたゴーダンナー系・キングゲイナー系・サウダーデ(隠しユニット)を除いたガン×ソード系*18・レインボージャークウィンドとバイオプテラ(隠しユニット)を除いたゾイド系・強化後のマジンガーZを除いたマジンガー系は全て宇宙Bである。
    • しかもこれらの機体は7割方序盤参入。本格的な宇宙ステージは中盤からだが、その頃には宇宙適応の良い機体が多数参入してくる。
    • 月面ステージは序盤でも2ステージあるのだが、宇宙・地上という適性のせいでとあるユニットは飛んでても地べたを這っていても能力低下という酷い状態になる。
  • 本作は地形適応の影響が大きいうえ(一段階違うだけで「集中」と同じくらいの差が出る)、『F』とは違いA適応の上位にS適応が存在するためさらに辛い。
    • Z』も適応に関して似たような部分があったが、あちらと違いこちらではバザーが無いため、「スラスターモジュール」や「Aアダプター」などといった宇宙適応を強化するパーツを意図的に多く入手できず、パーツの足りない1周目はフル改造ボーナスで適応を上げる、または出撃ユニットを絞るか性能ダウンを覚悟で使うしかない*19

その他

  • 携帯スパロボ伝統の武器名変更システムと敵の改造段階変更システムの削除。
    • 前者は主人公の武装の都合*20、後者はユニット改造の引継ぎが改造費払い戻し方式に変更されたためと推測されている。
    • どちらも気にしない人は気にしない要素とはいえ、比較的好評な要素だっただけに削除は残念である。
  • 前作にあった機体購入システムの削除。
    • 趣味ユニットが多いとはいえ十分一軍として使える機体もあり、特にSEEDキャラでデフォルト機体がそこまで強くないキャラはこれに助けられていた為、継続して欲しかったプレイヤーも多い。特にブルデュエルやヴェルデバスターを使いたかったという声が多く聞かれた。

バグ

  • 前作にもあった精神コマンドを無限に使用できるバグは形を変えたものの残っている。

賛否両論点

撃墜数ボーナス

  • 100機ごとの撃墜数ボーナスのおかげで、撃墜数さえ上げればサポートユニットですら最前線で無双が可能。
    • 「愛着のあるキャラで無双できるのは爽快感があって良い」という意見もあるが、「ぬるくなり過ぎるので好きなキャラを好きなように使えない」という意見もあり賛否両論。
    • ただし意識して育てない場合には、強いキャラが加速度的に強くなっていきやすく、強いキャラが全て持って行く事になりやすい。
      • その為、きちんと育成を考えないと部隊全体の平均レベルが上がりにくい。下手をすると「最終話なのにほぼ全員精神コマンドが揃っていない」ということすらある。

シナリオ面

  • 『ガンダムSEED』のカガリが感情に流されない達観した有能な指導者キャラクターに改変されている。原作とのあまりのキャラ性の違いにシナリオの粗とみる向きもあるが、一方で「『K』の良心」と言われるくいらいにとても好感度の高いキャラになっているので良い意味でのスパロボ補正と受け取る意見も多数ある。
    • カガリは『K』よりも前の作品では空気を読めず迷言をよく放つなど原作での未熟な部分が強調され、負の方向でスパロボ補正がかけられるキャラクターにされがちだったので、今回のカガリは今までとは明らかに別人という意味合いで「Kガリ」という愛称がファンからは付けられた。
      • ただ、本作でもEDで総士が死ぬ場面に立ち会っていたにもかかわらず、その直後に宴会を企画したガラガに賛同したばかりか「支払いはオーブのツケでいいぞ」などと語る場面があるが、まぁ、あのシーンはカガリに限らず全体的にやっている事がおかしい。総士の事がなければ特に目立たなかっただろう。
    • また、原作では途中で死亡したユウナも、最後まで生存するだけでなく原作以上に有能になっている。
  • 『ガイキング』の登場人物の一人であるサコン先生ことサコン・シロウが、原作では引きこもり気味だったにもかかわらずありとあらゆる場面で便利屋として大活躍している。ファンには嬉しい展開だが、他のキャラの見せ場を奪ったり、オリジナルの尻ぬぐいという面も見受けられ、賛否両論となっている。
  • オリジナル敵キャラに関しては設定だけなら歴代スパロボの中でも強い方だが、間抜けな描写が目立ち、言われるほどの凶悪さは微塵も感じられない。
    • しかし仲良しな描写が目立つために妙な愛着を覚えたプレイヤーもいた模様。
      • オリジナル敵幹部その1であるイスペイルは反逆を画策しており「くだらん! 何が仲間だ! 虫酸が走る!」という発言もある。しかし敵幹部その2のヴェリニーは叛心を知らないままなのでイスペイルを殺したミストを普通に仲間の仇と見なし*21、敵幹部その3のガズムとラスボスはイディクスの実態*22を知っているので野心による行動のせいでイスペイルが自滅したと惜しむだけで怒りを向けることもなく、組織内の波風0。
      • イスペイルは仲間想いではないが、中間管理職な立場、運命に抗おうとする目的、マッドサイエンティストな性格、間の抜けた部分もある人間臭いどこか憎めない言動などから特に愛着を覚えるプレイヤーもいてファンから「イスペイル様」と親しまれるほど。

その他

  • ガイキング・ザ・グレートの仕様について
    • 本機体はスパロボシリーズでも前例のない「合体後にメイン機以外のパイロットがいなくなってしまう機体」である。それが原作通りなのでそれで良いという意見もあるが、パイロットについては「戦場にいるのだから精神コマンドだけでも使わせてほしい」という声もあった。

評価点

戦闘シーン関連

  • 戦闘アニメーション
    • 前作は『J』からの流用が多かったが、本作はほとんどが初参戦作品(またはかなり久々)のため『ガンダムSEED』の一部のユニットを除く全てが新規アニメーション。
      • 前作と比較してさらに滑らかに動き、携帯機としては驚くほどのクオリティを誇る。
      • 撃破時にのみ流れるアニメ「とどめ演出」の大幅追加、カットインがアニメーションするなど大幅に進化した。
    • オリジナル主人公も上記のように問題だらけだが、主人公機の戦闘アニメは良く出来ている。
      • 後継機の必殺武器等は携帯機でここまでやるかと言えるほどに力が入っている。
    • 初参戦の『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』は、最終形態であるガイキング・ザ・グレートの最終決戦アニメを完全再現している。
    • ボスボロット・ジェットストリームアタックなどネタに走ったアニメが多いのも特徴。
    • 演出面のテンポの悪さやチョイスセンスの悪さを指摘されているものもあるが、この点は演出の強化された昨今のスパロボでは毎度のことである。
  • BGMも前作『W』の選曲が微妙だったこともあり、盗作のものを除けば本作の曲の評価は高い物が多い。
    • 主に『ゾイドジェネシス』OP「夜鷹の夢」、ガイキング系、SEED系の評価が高い。
    • 特に「夜鷹の夢」と「STARGAZER ~星の扉~」は原曲があまりスパロボ向けではないにもかかわらずうまく仕上がっており、また選曲面も同じ作曲者による似た曲(「サイキック・斬」と「紅蓮の戦闘領域」)といったネタ方面、シンに当てられている「Zips」*23を選曲したことや、アレンジの評価はされている。
  • また、戦闘中の台詞はおおむね原作通りで、作品の枠を超えた台詞も存在している。
  • 携帯機では今まで65535だったダメージ上限が撤廃されているため、一部のユニットは養成次第で10万以上の(極限までやり込めばラスボスも一撃で撃破可能の)ダメージを与えることが可能になった。

難易度

  • 難易度は前作より少々上がっている
    • 前作『W』が温すぎると評価されていた為、アタックコンボが使えない1周目序盤はそれなりに歯ごたえもあって楽しめる。
      • とはいえ、やはりスパロボの常ではあるが、主役機が揃いアタックコンボもガンガン使える後半はかなり温くなる。
  • 敵の増援が少な目
    • 本作は敵の増援が少なめでその点ではプレイテンポは良い。
      • 恐らくPUにより実質2倍の敵が初期配置されているからだろう。これでいつものように増援が多数来れば、その分資金も非常に多く入手出来てしまう。

一部作品の原作再現

  • キャラクター描写は改変や改悪が多々あるものの、新規参戦作品の大筋は原作通り扱われており、シナリオが全く描かれていなかったり、中途半端に終わっているわけではない。また、以下の二つに関しては、おおむね高い評価を受けている。
  • 初参戦作品ではゲスト出演的な扱いだった『バーチャロン』が、ほぼ原作通りの設定で参戦した。
    • 基本的なバーチャロイドはもちろん、ジグラットやヤガランデ、ダイモンなどの強敵も多数参戦している。シナリオも特に破綻はしておらず、クレジットに亙重郎氏(『バーチャロン』の生みの親とでも言うべき人物)の名があるため、彼の功績である可能性が高い。
      • ちなみに味方に加入するバーチャロイドは『第3次α』同様オリジナルの人格が割り当てられている。さらに、白虹騎士団のクリアリア・バイアステンが新たに参戦しており、こちらの人格も好評を博している。
    • 欠点を上げるならせいぜい原作では凶悪な存在である「シャドウ」が雑魚敵として出てくることくらい*24だが、「『マーズ』には他に雑魚扱いできる機体が無い*25」ため、さほど問題視されていない。
  • 『ガイキング LEGEND OF DAIKU-MARYU』は、大事な場面が一通り再現されており、改悪された面も少ない。
    • ガイキング・ザ・グレートについても各種必殺技から演出までしっかりと原作再現されており、EN消費は激しいが「究極の炎の巨人」に相応しい非常に強力な性能になっている。
    • 主人公のツワブキ・ダイヤは、ゲームオリジナル出典のクリスタル・ハートを使えたり、『キングゲイナー』におけるオーバーフリーズを解除するほどの炎の力を発揮したりと、クロスオーバー方面でも活躍を見せる。
      • なお、前述のサコンをはじめ、オリジナルキャラと関わることが他と比べると比較的多く、「あいつらと関わらなければもっとよかったのに」という声も聞かれた。

バグの少なさ

  • PU関連で細かいバグはあるが、ゲーム性に悪影響を与えるようなバグは少ない。
    • 本来それが当たり前ではあるが、スパロボシリーズでは何だかんだバグも多いので、シリーズ内で見るとこの点は良好な方。

隠し要素

  • 本作でもスパロボ補正が良い方向に入った改変もあり、ミハエルやファサリナなど原作で敵対したキャラや、フェルミやハイネなど、最後まで共にいられなかったキャラを加入させられる隠し要素等が存在する。

総評

未調整な新システム等に多少の問題はあれど、バグも少なく、前作と比較して歯ごたえある難易度など、システム面のみならば概ねいつも通りのスパロボレベルに仕上がっている。
また、シナリオ面も突っ込みどころは多いが、『ガイアセイバー』のように根本的に破綻したレベルにまでは至っていない為、全体を総合してクソゲーと断じられるべきレベルにまで達しているというわけではない。

しかしながら、スパロボシリーズは元よりキャラゲーの側面が強いシリーズであるため、『ファフナー』に代表される版権ストーリーの改悪を原作ファンが許容できるはずもなく、EDが原作より悪化しているようでは評価が底打ちするのもやむを得ないだろう。
オリジナル陣営もシリーズ最低と評されている上に、シナリオにおける比重も高いため余計に悪目立ちする結果となりプレイヤーの心情を逆なでしてしまっている。

これらの要素に加え、BGMの盗作などといったゲーム外の騒動も相まって、シリーズファンからの評価は最低となってしまった。


BGM盗作問題

  • 発売後、マップBGMの一部に盗作の疑惑が発生した。
    • 盗用元とされていたのは、タイトー『エストポリス伝記II』の「地上を救うもの」と、旧スクウェア『クロノ・トリガー』の「魔王決戦」。
      • それ以外にも、『クロノ・トリガー』からの盗用とされた曲の序盤には『デジタル・デビル物語 女神転生II』からの盗用と疑われる箇所も存在する(こちらに関してはあくまで疑惑どまりではある…)。
      • 盗作問題を語る場合、「似てる」「いや似てない」と毀誉褒貶が激しくなるのが常だが、この例に限っては「聴けば一発」のレベルであったといえる。
        どちらの作品も名作であり、盗用元はその中でも人気のある曲であるため、なぜこれほど知名度のある曲を盗用したのか理解に苦しむ所である。無論、上記の作品のファンの心証を大きく損ねている。
    • 最終的にメーカー側は類似性を認め、2009年8月19日に公式に謝罪した。→「スーパーロボット大戦K」楽曲使用に関するお詫びとお知らせ
    • 問題のBGMを担当した末村謙之輔氏は、前作『W』でも担当曲の中に盗作と疑われる物があり、過去にも盗作絡みで関係者が謝罪~商品回収にまで至る騒動を起こしていた。
      • 本作発売から約8年が経過した2017年9月15日、自らのブログで(本作のタイトルは明示していないが)BGM盗作に対する謝罪文を掲載した。

余談

  • 本作の初回限定版には特典として参戦作品の紹介や原作アニメ関係者からのメッセージが載せられた小冊子が付属する。
    が、ここまで述べてきた数々の問題点のせいでスパロボ参戦を喜ぶ文章が逆に涙を誘う結果になってしまった。
    • この小冊子自体の出来はかなり良かったため、各参戦作品のファンからは「ファンブックを買ったら出来の悪いゲームがおまけとして付いてきた」と言われることも。
    • そして前述の亙氏からのコメントが掲載されているページのみ、明らかに他作品スタッフからのコメントページと雰囲気が違い「シナリオ監修で寺田プロデューサーとモツ鍋」とでもいうべき内容になっている。
      • アニメからの参戦でないとはいえ、原作についてではなく今回の監修時の様子をネタにしている・そしてゲーム内では原作者によって監修を受けた部分だけがマトモだった…という辺りが何か感じさせるものがある。
  • 本作の主人公ミストを元に「ミストさん」というアスキーアートが作られ、彼の本作における数々の迷言やツッコミどころ満載の行動を皮肉る意味でネットユーザー達に楽しまれる事になった。
    • ただし、彼の作中の迷言を、スパロボとは無関係の掲示板や、ニコニコ動画などの動画配信サイトで使っている者も居り、特にネタを知らない人からは、「荒らしと変わらない」と難色を示されることも多い。
    • 現在ではダメ主人公の代名詞的存在となり、「ミストさん並み」という表現がまかり通る事態となっている。もっとも、ミストレベルに酷い主人公は、10年経った現在もスパロボには現れたことがないため、こういった風潮は鳴りを潜めつつある*27
      • シナリオに関しても同様で、シナリオがダメな作品に対して「スパロボK並み」という表現が良く使われている。
+ ミストさんのセリフに関するデマについて
  • 発売当初、ミストが総士の死に対して「総士君がいなくなってしまったからな…」と他人事のように語るシーンがあると噂になっていた。
    • まず先に説明するが、上記のような台詞は実際のゲーム中に存在しない。当初はこの台詞は『ファフナー』のフラグの成立に関係があり、フラグ立てに失敗するとこの台詞を喋ると言われていたが、実際のゲームではフラグに関係無くこの台詞を喋ることは一切無い。捏造もしくは勘違いが原因と思われ、実際のゲーム中では「総士君がいなかったら、俺達はル=コボルに勝てなかった…」と述べており、最初の6文字分だけ実際の台詞と一致している事から勘違い説が強い。
      • このデマは数ヶ月に渡って本当の事だと誤認されていたため非常に認知度が高い。*28
    • ちなみに実際のEDでは、このような無神経な発言ではなく「彼に対する感謝は言葉では言い尽くせない」と大分まともな事を言っている。総士が犠牲になったことは変わらない上、その直前に「楽しい宴会でしたね…」などとやはり他人事のように語っているが*29
    • なお、続編である『蒼穹のファフナーEXODUS』が放送された現在では、結果的にだが『EXODUS』の一部展開を先取りしてしまった事で一部で話題となった。
  • 本作のメインシナリオライターである小峰徳司氏は、本作以降悪い意味でその名が知れ渡るようになった。スパロボの新作が発表されるたびに「シナリオ担当が誰か」を気にするファンも多く、新作が発表されるたびに「シナリオは小峰」という嘘バレも出回るのが恒例となっている。
    • 幸いながら、この作品以降で彼がシナリオを担当した事はない。
  • 初週売り上げが『W』から4割近く下がっており、本作自体の評価の悪さも相まって、中古価格も早期から値下がりし、1、2ヶ月ほどで前作『W』の値段を下回った。
  • 本作は上記のような評価から、本wikiの記事作成においても色々と荒れることになった。
    • 一時期1ページに不満点が収まりきらなくなったこともあり、個別ページまで作成された。(後に簡潔化され削除)
    • 当初ガッカリゲー判定*30であった本作は協議の末クソゲー判定となった。
      • その後、再度の議論の結果、当時は存在しなかった黒歴史判定へと変更された。
      • そして「黒歴史」が「シリーズファンから不評」へと名称変更され現在に至る*31
  • 本作は続編が発売された現在でもネット上でスパロボ負の遺産の一つとして、ミストとともに度々名前を出される。
    • 前述したようにタイトルの「K」は「携帯機」の頭文字を意味するものだが、数々の問題点から「黒歴史の『K』」「クソゲーの『K』」「小峰の『K』」などと呼ばれることが多い。
  • スパロボは発売後数ヶ月も経てば評価も安定し議論も落ち着いてくるのが普通だが、本作は悪い意味での話題が絶えず、総評で記述した通り、現在でもシリーズ最低という評価を受けている。
    • 本作で新規参戦した作品は後発作品に再び参戦をした際に「新規参戦」と皮肉られたことがある。特に、出来がよかった『UX』のファフナーと『T』のガン×ソードで顕著だったが、現在では未参戦作品がスターゲイザーのみという事もあり、こういった風潮は落ち着きつつある。
    • 2014年3月にはTwitterのスパロボ公式アカウントで本作の発売5周年にちなんだ呟きがされたが、ここでもミストの台詞が「以下「楽しい宴会でしたね…」禁止ィ」という自虐ネタとして使われてしまった。→参考リンク
    • 公式ネットラジオ『スパロボOGラジオ うますぎWAVE』のパーソナリティである杉田智和氏もミストの台詞をネタにしたり、別のラジオにて「あのキャラ像は誰が考えたんだろう」「OGに早くでないかな、味方から敵になったりして」といった趣旨の発言をした事がある。
    • PS3用のゲーム『超次元ゲイム ネプテューヌmk2』にはミストのパロディキャラクターである「ミスオ」が登場し、台詞もミストのパロディになっている。
    • のちのシリーズ作品においてもオリジナルキャラクターたちの性格や行動理念などに「ミストを彷彿とさせる」「ミストのアンチテーゼになっている」と評されることが多く見られており、スタッフ側からもオリジナルキャラの反面教師として定着している様子。
    • こういった評価もあってか、『うますぎWAVE』第776回にて寺田貴信Pが出演しOGシリーズに出演するとしたらという話題の際に、ついに自ら森住さんのキャラよりも扱いが難しい」「『K』のままで行った方がいいのか、改変した方がいいのか、最早僕に判断できない」 と弱気な発言を吐露していた。
      • ちなみに同ラジオにて「シナリオをそんなに読まれていないとデータにあったのでライトな感じで行った。その結果、『 ライト過ぎるわ 』と言われた」「(『地球を守りたくなくなっちまうよ』というセリフに対して)すげぇ事言うなコイツと思った」といった事も語っている。そりゃそうだ
      • 4gamerにおける『スーパーロボット大戦30』のインタビューにおいてもほぼ同様の発言が見られている。
      • また「 伝説のミスト・レックスさん 」と呼ぶなど、上記の杉田氏共々「ミストさん」の呼び名を把握している様子。杉田氏も 「彼は地球の扱いが軽い」「感覚が地球人と違う」「お前日常的に暴徒鎮圧してたってどういう事?」「ゲームをクリアしても彼の事がわからなかった」 とぶっちゃけている。

最終更新:2022年01月13日 21:36

*1 バンダイグループのライバル企業であるトミー(現:タカラトミー)が版権元のため。

*2 『ジーグ』『ガイキング』はリメイク作品ではあるが。

*3 戦争がなくても軍隊があること自体はおかしくはないが、常識的に考えれば軍縮が進み規模は小さくなるものである。

*4 アトリームと、アトリーム滅亡後漂着した惑星べザード。

*5 ちなみにアンジェリカルートの場合は三角関係の持続に対して「俺は知らん」と無視を決め込む。

*6 一応、以前にも第3次αのクォヴレーがいるが、彼はミストと違って本当に記憶を失った状態で仲間になり、さらにその結果地球人とほぼ同じメンタルを獲得するため、宇宙人という印象は薄い。Jの紫雲統夜も厳密にはフューリーと地球人の混血児である。

*7 尤も、ミストを含むK勢の参戦を本気で嫌う声もかなり多く、余談の項での杉田氏のようにネタ枠としての参戦を期待する声すらも存在する。

*8 「呼び捨てにするほどの親しみを感じない」との声もある。

*9 もっともこの頃はアスハではなくセイランによって牛耳られているが

*10 元ネタが永井豪の漫画「ガクエン退屈男」の主人公、早乙女門土(もちろん男)なので、いわゆるダイナミック顔の筋肉女であり、女性としての魅力はアデットとは月とスッポンである。

*11 原作では劇場版で身体機能はほぼ回復し、続編『蒼穹のファフナーTHE BEYOND』にて余命問題も解決している。

*12 具体的に言えば、『ファフナー』の舞台とは異なる「もう1つの地球」に居るはずのキャラに全員救助されるというもの。ただし、救助者は元々原作でも突飛な言動で人気が出たキャラであり、隠し条件を満たして登場する際のセリフ「だから生き残ってもいいんじゃないかって思った」はこのキャラらしい台詞である。

*13 ただし、信頼値と呼ばれる数値を上昇し終えた2周目以降なら、出撃しなくても良く、必須のルート分岐も3回で良くなる。

*14 一応原作では続編の劇場版で肉体を取り戻して復活し、その続編の『EXODUS』にも登場している。

*15 一応フォローすると、総士が犠牲になる事を知っていたのは彼自身とサコン先生だけでありミストはその事を知らされていなかったので、一概にミストを責められるものでは無いのだが…。

*16 「もう1つの地球」は『キングゲイナー』『ガン×ソード』『ゾイドジェネシス』の舞台。特に後者の2作品は、原作では地球とは異なる惑星が舞台となっていた。

*17 『SEEDDESTINY』に登場するオーブの量産MS。『ゾイドジェネシス』のムラサメライガーではない。

*18 通常のヨロイはともかく『ガン×ソード』は終盤、ダンとサウダーデが宇宙で戦闘したので、両方宇宙適応Aで良いという意見もある。なお、後に『ガン×ソード』が再参戦した『T』では、ヨロイではダンのみ宇宙適応Aに引き上げられている。

*19 2周目以降は強化パーツの購入が可能になるので1度クリアすれば気にならなくなる。

*20 剣と銃が一体になった武器があり、コマンド上は武装が2つ分存在するが、ステータス画面で確認するとその2つの武装の正式名称がどちらも同じ。

*21 ただし、中盤でとある版権キャラの裏切りに遭い、あろうことかその最中にミストが「何だっていい!奴にとどめを刺すチャンスだ!」と言いながら本当にとどめを刺してしまっている。主人公のやる事ではない。

*22 ラスボスも幹部も元は1つの精神生命体群体であり各人格はそれぞれを形成する無数の精神生命体の総意。なのでラスボスの一人称も「我ら」。イスペイルは精神生命体の量が少ないので自覚しておらず「欠片」を同族ではなくパワーアップアイテム程度に思っていたが、死なずに欠片を順調に増やしていればそのうち自覚して、やがてラスボスに吸収される運命であることを上下や主従でもない1つの総意になると正しく理解して自ら同化を望むようになる筈であった。

*23 もともとはSEED MSVの曲だが、スペシャルエディションにも使われた。

*24 一応、雑魚敵の中では厄介な部類。

*25 voxLEEや、10/80などいないこともないが。

*26 無論それ以前にマスターアップはされており、実際は1週間程度の前倒しでは、実際ゲーム内容には何の影響も与えることはできない

*27 スパロボ以外では使われる事もなくはないが、その頻度は稀。

*28 『エルヴァンディアストーリー』における「エルヴァンディアゴー!」に通ずるものがある。

*29 この場面ではミスト以外にも、総士が死んだ直後であるにもかかわらず宴会を企画したガラガや、そのガラガと共に裸踊りをするゴオなど、他の版権キャラも原作のキャラクター性を逸脱した常識を疑いたくなるような描写がされていた。

*30 実際KOTYでは「システムは普通だしクソゲーというほどではない」といった意見が多かったため、ガッカリゲー判定で記事が立てられた模様。

*31 実際、スパロボシリーズ自体や参戦作品のファンであるほどクソゲー扱いされることが多い傾向にある