爆転シュート ベイブレード ベイバトルトーナメント

【ばくてんしゅーと べいぶれーど べいばとるとーなめんと】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション
発売元 タカラ
開発元 ウェイヴエイジ
発売日 2001年12月13日
定価 5,040円(税込)
判定 クソゲー
ポイント キャラゲーのくせにストーリー皆無
アクションとしてもダメ
ブレーダーDJ仕事しろ
普通にベイブレードをやった方が良い
コロコロコミックシリーズリンク


概要

人気ホビー『ベイブレード*1』の人気絶頂期に発売されたキャラゲー。
過去に『トランスフォーマー』など何本ものクソキャラゲーをファンの元に排出してきた実績があるタカラだけに、かなり先行き不安な作品だが…やはりというべきかシュートされたのは典型的なクソゲーであった。

  • そもそも、コロコロコミックの関連作品が任天堂系ハードではなく、ソニーハードで出ること自体が異例と言えば異例である*2

システム

  • まず、ゲージを○ボタンで止めてスピンパワー(SP)を決定する。
    • もちろん多ければ多いほど強い。SPは時間経過か敵への衝突で減少し、ゼロになると「スリープアウト(ベイ停止)」となる。
  • バトルでは方向キーでベイの操作ができる。
    • 敵に当たる瞬間に○ボタンを押すと敵のSPを多く削れ、同時に聖獣パワー(LP)が増える。
      • LPは必殺技、必殺シュートに用いる。前者は25必要で、受ける側は△ボタンで回避できる。後者はシュート時に△ボタンで発動し、攻撃力を上げることが出来る。ただし、20LP必要。
  • 他のパラメーターとしてはHPがある。
    • 敵に当たる度に削ることができ、ゼロになるとベイは分解してしまう。予備のベイがあれば継続可能だが、ない場合は無条件で負けになる。
      • トーナメントでは勝利してもHPが回復しない。キョウジュに応急処置してもらうことはできるが、この際いずれかのパラメーターが減少してしまう(トーナメント終了で元に戻る)。
  • 勝利条件は4ポイント先取。
    • 相手をリングアウトさせるか、HPをゼロにすると2ポイントゲット。相手のシュートミス、もしくはスリープアウトでの勝利では1ポイントゲットになる。
  • 勝利すると「経験値」と「ベイポイント(BP)」が手に入る。
    • 経験値が一定以上貯まるとレベルアップし、パラメーターが上がる。
    • BPはいわばお金。ショップでのアイテム購入に用いる。
    • また、ビットチップに宿る聖獣にもレベルがある。こちらは必殺技や必殺シュートを使用すると経験値が貯まる。

問題点

  • キャラゲーとしての質。
    • ストーリーモードはなく、ゲームモードは淡々とトーナメントを進めていくモードと対人戦しかない。
      • 一応台詞はあるが、台詞パターンは非常に少ない。
        台詞は「シュート時」「勝利時」「敗北時」の3つ。例えば男主人公なら「いっけー!」「やった!」「しまった!」だけである。
      • キャラゲーなら必須であろう掛け合いなども一切ない。ただ出てきてやられていくだけ。
    • そもそもアニメ版をベースにしているのにボイスがないというのも残念なところ。
      • 唯一実況のブレーダーDJだけはボイスあり。ただしこちらも台詞パターンが少なく、試合中は「おぉっと~!?」「さぁ~!!」「こ、これはぁ~!?」しか言わないのでハッキリ言ってウザい。これだったら音声なしの方がよかっただろう。
    • オリジナルのモブキャラが3人いるが、「ブレイダーA、B、C」と適当すぎる名前。それぐらい名前を付けても構わないだろうに……。
  • アクションとしてもかなり微妙。
    • 操作性がかなり悪い。現実のベイブレードは操作できないことを考えれば、あえて悪くしてるともいえるが…一切操作できないようにするという手はなかったのか。
    • タイプ格差がひどい。
      • ベイブレードには高速で動いて攻撃にすぐれる「アタックタイプ」、あまり動かずに中央で構える防御が強い「ディフェンスタイプ」、持久力が高い「スタミナタイプ」、それらの能力を平均的に持った「バランスタイプ」といった4つの種類があるが、この中でアタックタイプのベイが非常に弱い
        広かったり、リングアウトしないステージが存在しないので操作性の悪さと相まってリングアウトしやすいのである。つまり漫画原作のキャラゲーでありながら 主人公の木ノ宮タカオが操るドラグーンSが最弱ランク という残念なバランスになっている。
    • 子供向けとはいえ、出来ることも非常に少ない。ゲージをためてシュート→リングアウトしないように操作→敵に当たる瞬間○→ゲージが貯まったら△で必殺技。ほぼこれだけ。
      • シュート前のゲージは非常に簡単。まともにやってミスすることはほぼないだろう。
      • 必殺技は成功させたところで必殺技でのリングアウトは基本不可能。HPとSPを削るだけ。演出もさほど派手ではない割に飛ばせないので、テンポが悪い。
      • CPUに必殺技が当たるかは完全に運。能動的に当たる確率を増やすことは出来ない。
  • HPの存在意義が少ない。
    • 構成にもよるが、ベイのHPは大体150~200程度。一方、一回の勝負で削れるのはおよそ5~10
      • 前述の通り、多くても3~4回の戦いで決着は付くので、相手のHPを削りきるのはまず不可能。そもそも、そこまでHPを削っているなら大抵スリープアウトするか、リングアウトしている。
    • ほぼトーナメント専用の概念だが、そのトーナメントでもそこまで致命的なほど削られることはない。むしろ修理によるパラメーター減少の方が痛いので、無視した方がいいだろう。
  • BPの貯まる速度が遅く、なかなか新しいパーツを購入できない。
    • BPは相手の強さにかかわらず、勝利で10ポイント、敗北で5ポイント。一方パーツは最低ランクで30ポイントほど、高級な物なら100ポイントを超す。
      • 一見安そうに見えるが、そもそも一戦一戦が結構神経を使う長期戦なので、精神的な負担はかなり大きい。トーナメント優勝で100ポイント+パーツ一つがもらえるが、道のりは長い。
    • が、最初に支給される100ポイントで、いきなり最高級のシューター(ベイを回転させるパーツ)を購入すると、初期ベイでもSPが最大値の10000に到達してしまう。
      • ここまで回転力が上がると、ヒットしただけで相手を大きく弾けるので大分楽になる。それでも優勝までは遠いが。
  • そもそも方向性が怪しい。
    • この手のゲームは実際のホビーを忠実に再現するか、現実を完全に無視して漫画やアニメ版などに乗っ取った破天荒な展開にするかのどちらかであることが多いが、このゲームは聖獣や必殺技など現実離れした描写が多い一方、フィールドがデフォルトの一つだけだったり、タカオなどのベテランブレイダーがシュートミスをしたり、妙に現実的でもある。
      • 結果として、どちらの要素も再現しきれておらず中途半端な仕様になっているのは否めない。
    • 原作重視にするのであれば、普通のスタジアムではない大掛かりなフィールドやストーリーモードも用意する、ホビーの再現重視であれば、聖獣や必殺技をなしにすべきであっただろう。
    • フィールド1種類はあまりにも寂しい。せめてロケーションを変えるくらいの事はできなかったのだろうか?
  • オプションはステレオ、モノラルの切り替えしかない。まさかの簡易的なオプション
    • せめて勝利ポイント数の変更や、ボイスのON/OFF(DJを黙らせる)というオプションは用意できなかったのだろうか?
  • BGMも少ない
    • なんとバトル中のBGMも2曲しかない。雰囲気自体は良いのは救いか。

評価点

  • 一応カスタマイズ要素はそれなりに多く、ベイブレードらしさはある。
    • が、このゲームよりも本物のベイブレードを遊んだ方がはるかに良いだろう。
    • そのカスタマイズにしても、下手をするとカスタマイズ前よりも性能が下がる、パーツ購入時に性能が分からず買ってからでないと説明してくれないなど酷い部分はある。
  • ゲームの進行に悪影響を及ぼすバグは存在しない。所謂「ストロングスタイル」と言える。
  • ソースコードやデザインの盗用などの不法行為・倫理違反は行われていない。まぁデザインに関しては原作漫画があるので、盗用する余地がある方がおかしいのだが。

総評

目立って評価できるポイントは皆無。キャラゲーとしてもアクションゲームとしても問題点ばかりがポロポロと出てくる。
発売日からして、子供のクリスマスプレゼント代やお年玉の多くを闇に葬り去った罪深い作品でもある。
ベイブレード作品は他にも評価が低い物が多いが、その中でもかなり酷い部類に入る一本である。



余談

  • 同梱の全員サービス用応募ハガキを出し、代金を払う事で、原作の主人公タカオの愛機(当時)である「ドラグーンF(ファントム)」のガンメタバージョンが買うことが出来た。通販サイトやオークションでは高値で取引されている。
  • 本作の発売から1年後、本作の流れを汲んだ続編「爆転シュート ベイブレード2002 ベイバトルトーナメント2」が発売されている。

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最終更新:2023年04月18日 17:17

*1 端的に言うと「現代版ベーゴマ」。

*2 他に類例がないわけではなく、またSCEの看板作品の一つである『サルゲッチュ』はコロコロコミックにタイアップ漫画を掲載していたなど、決して当時の両者の仲が険悪であったわけではない。それでもコロコロ関連作品は任天堂ハードで発売された例が目立つ。