遊☆戯☆王 真デュエルモンスターズ ~封印されし記憶~

【ゆうぎおう しんでゅえるもんすたーず ふういんされしきおく】

ジャンル 対戦型カードバトル(アドベンチャーRPG)
対応機種 プレイステーション
発売元 コナミ
発売日 1999年12月9日
定価 通常版:5,800円
限定版:9,800円(共に税別)
※限定版は特製ポケットステーション&ストラップ付き
廉価版 コナミ ザ・ベスト:2000年7月13日/2,800円
PS one Books:2002年3月28日/1,800円
※廉価版には特典カードは封入されていない
判定 クソゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント インフレが激しい
ポケステがあっても終盤は高難易度
封印されし黒歴史
BGMは高評価
カードのおまけ
遊☆戯☆王 関連作品リンク


概要

ゲームボーイで発売されていた遊戯王デュエルモンスターズシリーズのプレイステーション版。
3Dによる迫力のモンスターバトルや、当時漫画でも明かされていなかった闇遊戯の過去が明かされるということが本作のウリであった。

折しも、当時は国内の遊戯王人気が最盛期と言ってもいい状態にある時期で、据置版としては初めての「デュエルモンスターズ」という事、
例によってクリスマス商戦を直撃した販売日も相まって、実に50万本を超える売上を出した。
……が、その実態は……


システム

召喚守護星システム

  • DM2』以降、数作に渡って存在した召喚魔族システム*1に代わって導入された新システム。
    • モンスターの召喚時に、モンスター毎に決められた2つの守護星のうち1つを選んで召喚する。この守護星には優劣があり、相性が良い相手だと攻撃力・守備力が500UPする。
      ちなみに、守護星は太陽系の惑星に準えて*2設定されており、名称こそ変わったものの、実際の所は、従来の「召喚魔族」の属性がまるっきり当て嵌められるようにはなっている。

クイック融合システム(仮称)

  • 本作では、1ターンに手札を何枚でも掛け合わせることができ、同年代のデュエルモンスターズのゲーム作品と同じく《融合》の魔法カードも必要としない。
    融合自体も、一部を除いて実際のOCGのルールとは異なり、「○○族+○○族」「女性系モンスター+○○族」といったように、かなりざっくりとした括りで融合が可能。思い付きで組み合わせても、案外なにかしらのパターンが成立する事が多い。
    • 本作には三体以上のカードを選択する融合は存在していない*3為、複数カードを選んだ場合は、融合結果が次のカードとの融合に引き継がれる。
      これにより、「プチリュウ+エレキッズ(=サンダー・ドラゴン)+ベビードラゴン=双頭の雷龍*4」といった、2段階以上の融合も1ターンで行える。
    • また、融合が成立しない場合でも選択を却下される事は無く、融合に失敗した場合は、前者のカードを墓地へ送って融合処理が続行され、最終的に残ったカードの処遇を決める。
      なおかつ、ドローフェイズでは必ず手札が5枚になるようドローできる為、不要なカードを融合失敗という形で処理し、次のターンにその分ドローして、デッキの回転を早めることもでき、プレイヤー有利の重要な要素となっている。
  • 更に、一風変わった要素として魔法と魔法魔法とモンスター等、本作独自の融合が多数存在する。
    • 強化魔法やダメージ魔法、回復魔法など、有用な魔法カードはほとんど作り出す事が可能。こちらもモンスター融合同様、何となくの組み合わせで通る事もしばしば。
      「海+神の息吹=ポセイドンの力」など、大体は想像がつきやすいが、魔法とモンスターの場合は「炎の剣士+海=伝説の剣」だの「『羽の生えた』天使族or女性系+見えないピアノ線=ハーピィの羽根帚」等、連想ゲームじみたシュールなものも見られる。
      • ただし、この融合で作った魔法は即時発動扱いとなり、設置することや対象を指定することが不可能なため、発動直後に効果を発揮する魔法以外はさらに融合を繋げるか同時に出したモンスターカードを強化するなどしなければ、発動はするが何の効果も起こらずに墓地に送られてしまうことになる。
  • なお、この仕様は本作独自の物であり、同年代の作品では魔法融合や二段階融合はできなくなっている*5

デュエル評価システム&パスワード

  • デュエル終了後、プレイヤーの行動や結果に応じて、そのデュエルの内容がどうであったかを「剛・柔(各S~D)」の5段階×2で評価される。
    自身のLPを減らさずに、少ないターン数で素早く倒すと「剛SやA」、魔法カードや罠カードを駆使し、長いターン粘ると「柔SやA」という評価になる。逆に、中途半端に時間がかかると各B~Dの評価になる。
    • 原則として、ドロップテーブルは剛SA・柔SA・それ以外の3種類となっており、基本的に剛SA及び柔SAのドロップテーブルの方が強力なカードがもらえる確率が高く、同時にパスワードによってカードを入手するのに必要なスターチップもS>A>B>C>Dの順に多くもらえる。
      獲得したスターチップは、現実のOCGのカードに記載されている8桁のパスワードを入力することで、一定のスターチップと引換えにそのカードを1度だけ手に入れることができる。

ポケットステーションとの連動機能

  • 特定のカードをトレードするとトレード先で別の強力なカードに変化する通信融合と、赤外線受信機能を使ってテレビのリモコンからの赤外線を受信してランダムにカードをゲットできる機能が使用可能になる。
    • 「リモコン1つで1枚」ではなく、「リモコンのボタン1つずつで異なるカードが1枚」手に入る為、家中のリモコンをかき集める事で相当数のカードが入手可能。また、入手カードに制限が無く、合致すれば最強クラスのカードもあっさり手に入る。
      後述するが、今作はこの連動機能ありきでゲームバランスが設定されていると言われるほど難易度が高く、発売から15年近くポケステによって超強力カードを入手できなければクリアはほぼ不可能と思われていた程である。

評価点

BGMは良い

  • 特にデュエル中のBGMは非常に良質なものがズラリと並んでおり、ストーリーや対戦相手に応じて多様なBGMが用意されているのも好評である。
    • 一部のBGMは後発作の『DM3』、『DM4』、『DM5』などでもアレンジ版が使用されている。

デュエルの基本ルールはそこそこ

  • 特徴欄に記載の通り、ざっくりとした種族分けや見た目で融合のパターンが分けられている為、特定のモンスターに限っても、融合パターンは豊富に存在。初期のデッキでも容易に攻撃力2000前後のモンスターを作り出すことができる。
    特に、最序盤以外は徹底的な稼ぎを行わない限り、単体での戦闘力が相手を下回っているデッキで戦い続けることになるため、「いかに素早く融合素材が揃うデッキ内配分にするか」を考えたり、「今ある手札どう組み合わせて、いかに強力な融合カードを捻りだすか」「どのように強化して相手のカードを上回るか」「どの相手とデュエルしてどのカードを稼ぐのか」等を考え出すのは、実にカードゲームらしい楽しさを感じさせてくれる。
    • 融合の方法が分からなくても、「デュエルマスターK*6」と戦えば、どんな立ち回りをすればいいのかわかるのも嬉しい所。もっとも、隠しキャラの様にデュエリスト一覧の一番右下にいるので、肝心の序盤にはそもそも存在に気づかない人の方が多いが。
      とはいえ説明書に「選択画面右下隅にいて指導デュエルを行ってくれる」とちゃんと書いてあるので、読まないのが悪いと言えばそれまでである。
    • カードゲームの常として、いわゆる「手札事故」が起こる可能性は十二分にあるものの、本作ではOCGルールと異なり、クイック融合を利用したカードの処分が可能。
      本作のゲームバランス的に、一度手札事故を起こしてしまうとそのまま決着するパターンが多いが、勝利の鍵となるカードを引っ張り出すための重要な要素となっているため、悪くない追加ルールだったと言える。
  • 加えて、守護星システムも序盤から中々悪くない働きをしてくれる。序盤では500という数値は非常に大きく、中盤以降でも500の強化が決定打となる事は多々ある。
    • 敵CPUは守護星を必ず、そのモンスターの一つ目の守護星にする他、フィールドに出てさえいれば、例え伏せられていても守護星だけは確認できる為、慣れてくると大まかに相手カードの見当が付くようになる。
      中盤からは相手が有利になる守護星を避ける立ち回りが求められるようになり、終盤は守護星有利を取ってようやく勝てるような敵モンスターが増え、「攻撃力3000以上のモンスターは守備表示にしない」というCPUのルーチンや第一守護星から、敵のカードを読み切る力も必要になる。

一部カードの性能調整

  • GB版ではあまり使えなかった《偽物のわな》や《ハーピィの羽根帚》といった一部のカード効果に調整が掛けられている。
    • 例として、《偽物のわな》はOCGの性能*7そのままではスピード決着が基本の本作に付いて来れない為か、本作では一発限りの対モンスター用身代わりカードに変更。この効果は後に《メサイアの蟻地獄》というカードが引き継ぐことになった*8
    • 《ハーピィの羽根帚》はGB版のゲームデザイン上、使いにくいのは仕方は無い部分もあった*9が、逆に本作では相手が伏せている魔法・罠カードを全て破壊する効果となり、存分に真価を発揮できるように。
    • 《シャイン・キャッスル》はGB版では白魔族でしか装備できなかったが、本作では全モンスターが装備出来るようになり、入手相手が限られる最強の強化魔法である《巨大化》*10の下位互換に変更されている。
      スターチップ800個で1枚購入可能であることも含めて非常に優秀。
    • 儀式魔法カード関連の不具合と呼んでいい仕様についても改善され、儀式召喚を行っても儀式魔法カードは消滅しなくなった。もっとも、運用自体が非常に困難であるため、実用性がないことに変わりはないが……
  • 逆に、本作ではいわゆる「効果モンスター」の効果は例外なく《封印されしエクゾディア》を除き削除されており、モンスターは全て通常モンスター=価値は単純に攻撃力と守備力次第になっている。
    • 当時はまだ戦局を動かす程の効果を持つモンスターは多くなかったが、《グレート・モス》の様にカードとしてのアイデンティティが失われたものや、単純に弱体化しているものも少なくない。

いわゆる不具合の類がほとんど存在しない

  • 本作には、「仕様の穴」と呼べるようなテクニックこそ存在しているが、カードの説明文を含めた各種テキストに誤字・脱字の類は一切見受けられず、
    同様にして、あからさまなバグや動作不良を起こす事はほとんど無いと言っていい。その点については非常に優秀。
    • そんな中、こちらのライフが1000以下になった時に敵がこちらの強化段階を0とみなして勝てない相手に攻撃を仕掛ける不具合が存在する。基本的に相手の自爆特攻となるため、圧倒的にこちらに有利な不具合だが、瀕死の状態でかろうじて出した同攻撃力のカードが相打ちで倒され、別のモンスターの攻撃によって敗北するという事態も起こる。
      またクイック融合時にグラフィックがおかしくなるバグも時々見受けられる。
    • 特にテキストに関しては、モンスターや魔法・罠カードの説明文によってRPGにも匹敵する膨大な量となっている為、ここはしっかりとチェックが行われていた事が窺える。
      また、モンスターごとに融合の可不可や装備カードも細かく定めてあるのも特徴的。
      しかしそこまでチェックできていたのなら、柔勝ちの手間暇やマスクしすぎた多数のデータ、やたらシビアなドロップテーブルなどに対して製作者は何も疑問に思わなかったのだろうか? そうした意味では、「ゲームバランスの調整が不具合」と言いたくなる。

それなりの完成度を誇るモンスターのポリゴン

  • デュエル中にモンスターを攻撃する際に□ボタンを押すことで、3Dポリゴンによるモンスターバトルが見られる。きちんと全モンスター分用意されているのは素直に評価できる。
    • とはいえ、任意で見られるムービーということでわざわざ見る機会は少ない。せっかく全モンスター分作ってあるのだから、ストーリーの演出に使うなどすれば印象に残ったのだが。
  • 平均で見るとPSにしてはモンスターのポリゴンも作り込んであり、《カオス・ソルジャー》などはよく出来ていて格好いい。
    • さらに、同じモンスターでも守護星によって攻撃方法が変わる。中にはあまり変化がないモンスターもいるが、収録モンスターの総数を考えれば十分な作り込みと言える。
      《闇魔界の覇王》を例に挙げると、月ならば原作でも使った必殺技「魔導波」、冥王星ならば口から吐くブレスと変化する。逆に有名なモンスターである《真紅眼の黒竜》は月でも海王星でも原作の必殺技「黒炎弾」で、微妙に演出が違うだけ。
    • 一度入手したモンスターカードは、ライブラリーからいつでも3Dポリゴンを閲覧可能。中には《ヤマタノドラゴン絵巻》の様な一発ネタも。

問題点

ストーリーの短さとインフレの速さ

  • 何度もデュエルをすることになるので忘れがちになるが、本作のストーリー部分はもの凄く短い
    • スムーズに進むことができれば2時間ほどで終わってしまう。スムーズに行ければの話だが……。ちなみに、乱数調整アリのRTAでは「稼ぎ時間を含めて」1時間を切って本作をクリアした記録も残っている。
    • 終盤のラスボス関連は展開自体がやや強引。ラスボスを呼び出すのに千年アイテムを消費する必要があったのにラスボスは「千年アイテムがなければ従わない」と言い張り、その一方で現代編にて独自に千年アイテムを揃えていた主人公にも従わなかったりと支離滅裂。その後の主人公とのデュエルに敗北しても負けを認めず、真の姿となって泣きの一回再びデュエルをする流れになる。
  • 古代編に至っては最速1戦で終わってしまい、現代編では2戦目以降1戦ごとに敵のデッキが強力になっていくため、下手するとゲームシステムすらよく理解しないままインフレの波に揉まれてゲームを投げ出すことになる。
    • ダイナソー竜崎が初期デッキでも勝てるほど弱い上にドロップのバランスが非常に良いなどの救済要素と思われる部分もあるのだが、普通にプレイしてもそこまでは気付かないだろう。
      これらを越えていくためにはフリーデュエルによるカード稼ぎ・デッキ強化と強力な融合の把握が必要になってくる。
      • にもかかわらず融合やドロップテーブルなどの情報はマスクされており、自力でこの情報を十分に集めるのはとても現実的ではなく、その姿は賽の河原の石積のような苦行そのもの。そんな状況が打破されたのは2013年になってからである。
+ 「具体的には」
  • 本作にて、プレイヤーが「ポケステ無しで現実的に使用できる」カードで、総合的に最強と思われるのが、攻撃力2800の《双頭の雷龍》*11
    入手には運と試行回数が絡む上、現実的な確率での勝率とドロップ率の相手が出てくるのが中盤を過ぎたあたりになるが、攻撃力3500の《メテオ・ブラック・ドラゴン》も、ポケステ無しでドロップする可能性がある。また、同じくどちらもドロップ可能な《メテオ・ドラゴン》と《真紅眼の黒龍》の融合で作り出すことも可能。
    • それに対し、現代編の中盤から敵のデッキに攻撃力2000以上のカードが入るようになり、高確率で1回以上使用してくる。
      上記の融合などを駆使しても攻撃力2000を超えるモンスターカードは少ないにもかかわらず、相手は攻撃力や守備力が2000オーバーのモンスターを次々と召喚してくる。
      • 例えば、現代編の半ばで相手となる「闇獏良」戦では、相手の素のカードの最大攻撃力こそ2000だが、守備力3000の《千年の盾》《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》といった、最強クラスの壁役カードを出してくる上に《六芒星の呪縛》で攻撃力を下げたり、《あまのじゃくの呪い》で強化魔法を反転してくるためデッキ切れの危険がある。
    • 更に、終盤に差し掛かるとフィールド補正も相まって攻撃力2500以上が珍しくなくなり、最終盤ともなれば初手3000オーバーが日常茶飯事に。
      相手の1ターン目に当時のOCGでは切り札中の切り札である、攻撃力3000の《青眼の白龍》が出てくると、相手のデッキが事故ってラッキーだと思うようになる修羅の世界である。
+ 「やめてくださいおうじがしんでしまいます」
  • このゲームの展開を大きく分けると古代編1(最低1戦/最大8戦)→現代編(全9戦)→古代編2(最低18戦/最大21戦)という流れ。敵の強さとしては「古代編1~現代編前半→現代編後半~古代編2前半→古代編2後半」という形で分けられる。
    • 最初のシモン・ムーランとの会話シーンの選択肢で、「そのまま話を聞く」を選び続けるか、一度逃げてからデュエル場に寄らずに王宮に戻り、「部屋に戻る」を選択すると、前述の通り共通の負けバトルを挟んでいきなり現代編に飛ばされる。
  • 古代編1は序盤という事もあって普通。素で攻撃力2000を超えるのはセトの《暗黒騎士ガイア》と村人2の《地雷蜘蛛》だけだが、アンズ以外は融合で強力なカードを出してくる。
    • 村人2・3やセト相手には劣勢を強いられることも多いが、逆に守護星システムとクイック融合が良い味を出しており、一発逆転の駆け引きが楽しめる。
  • 現代編になると徐々に戦闘力が上昇、2戦目インセクター羽蛾を境目に敵のデッキが強力になり、こちらは《双頭の雷龍》頼みの場面が増える。そのためそういった方向性でのデッキの強化が求められるようになる。
    • 先程、例として現代編6戦目の闇獏良を挙げたが、実際にはキースからして《デビルゾア》(攻撃力2600)がデッキに入っている。比較的出てくる確率は低いので見かけないことが多い。
    • 7人目のペガサスは攻撃力2300の《デビル・ボックス》を高確率で召喚。この上、強化魔法《シャイン・キャッスル》に、最強の除去魔法《サンダー・ボルト》《万能地雷グレイモヤ》も使用してくるため、後手に回るとあっという間に押し切られる。
      低確率で出す《メテオ・ブラック・ドラゴン》にこの時点で勝利するのは極めて難しい。
    • 8人目の石津*12はフィールドカード《海》がデッキに入っており、発動されると、彼女のモンスターのほとんどが強化される上、前戦同様、準エース級のカードも押し並べて攻撃力2000を超えるモンスターがズラリと並ぶ。
      更に切り札として、攻撃力3200の《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》もデッキに入っている他、こちらが攻めあぐねると《光の護封剣》*13《六芒星の呪縛》*14といった補助も使う。
      一方で守護星が「海王星」に偏っているため、有利を取れる守護星「冥王星」の有力なカードを融合で出せば勝利は難しくない。
    • 現代編のラストである海馬は、当然ながら彼の代名詞《青眼の白龍》(攻撃力3000)を出してくる。おまけに原作通り最大で3枚デッキに入っており、しかも後述の仕様によって、かなりの高確率でデュエルに顔を出す。また《千年の盾》《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》も使用するという闇獏良の上位互換となっている。
    • 《青眼の白龍》は壁役と違って攻撃力が3000の為、無強化の《双頭の雷龍》が突破できないどころか撃破されてしまい、この上《ウイルスカード》*15や《ブラックホール》及び《光の護封剣》といった厄介な魔法も使う。
    • 一応キース・ペガサス・石津は切り札のカードを出す確率が低く、一人倒すごとにセーブも出来るので何度も挑戦すればそのうち突破できる。
    • 最後の壁である海馬も、強化魔法は使わないので、例によって《双頭の雷龍》を召喚、守護星・冥王星で出すか、《砂の魔女:サンド・ウィッチ》を守護星・水星で出し、そのうえで強化できれば非常に有利に戦える。とはいえ《千年の盾》《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》を出す場合もあるので装備カードによる強化だと長期戦になることもある。
      • 最大の問題は強化カードの入手手段の情報が普通にプレイしてもわかりにくく、セーブ&ロードと攻撃力2000程度の融合で適当に勝ち進んできても、初期カードやB勝利で偶然《荒野》や《海》、《エルフの光》《ドラゴンの秘宝》《猛獣の歯》等が手に入っていなければ相手のデッキ事故か、わずか1枚の除去カードに賭けて試行回数で殴るしかなくなってしまうことである。
  • 続く古代編2では、手始めに5つの神殿の大神官を倒す事が目的となる。神殿には「神官兵」と「大神官」の二名がおり、前者を倒してから後者とのデュエルとなる。
    一旦仕切り直されはするものの、それぞれ二名と連戦しなければならず、神官兵撃破後に大神官を倒さずその場を後にすると、神官兵が復活してしまう。
    とはいえ各神殿の神官兵は良いカードをドロップすることがあるので、帰ってセーブできるこの仕様は悪いことばかりではない。
    • そして、このあたりから本格的に難易度が高くなり無強化の《双頭の雷龍》がやられることが増えて来る。そのためフィールド魔法や装備魔法、モンスター除去魔法の重要性が高くなってくる。
      ポケステ無し、事前の情報収集及び初期デッキ厳選無しでここまで突破してきたデュエリスト達が叩き潰され、心が折れるのがこの辺だと思われる。
+ 大神官一覧

なお記載されている数値はフィールドによる補正(+500)前の数値である
キャンペーンモードの各神殿の神官および大神官はフィールドが変更された状態で開始する為、ほとんどのカードは記載した数値+500となる。

神殿 名前 要注意モンスター 備考
大神官セクメトン 《クラブ・タートル》(攻:2550) 大神官の中では最も弱い。フィールド魔法《海》を軸に組まれたデッキの為、こちらの《双頭の雷龍》も強化され、守護星「冥王星」が猛威を振るう。しかし《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》や《千年の盾》を出してくることがあるので、守護星は「月」にした方が良い。
大神官アヌビシウス 《完全究極態・グレート・モス》*16(攻:3500) ヤバい相手その1。攻撃力3500を結構な確率で1ターン目に出してくる。《メテオ・ブラック・ドラゴン》を守護星「火星」で出すのが一番楽な対処法だが、相手も強化魔法でさらに強化してくることがあるので油断は出来ない。
大神官アテンツァ 《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》(攻:3200)
《メテオ・ブラック・ドラゴン》(攻:3500)
《青眼の究極竜》、《青眼の白龍》以外の強いドラゴンは大体出てくる。…が《双頭の雷龍》も強化される事と、《ブラック・デーモンズ・ドラゴン》はともかく《メテオ・ブラック・ドラゴン》は滅多に出してこないため、そこまで苦戦する相手ではない。
砂漠 大神官マアティス 《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》(守:3000) 攻撃力の高いモンスターが比較的少なく*17、その上、海か山にフィールドを変更すれば相手が弱体化する上《双頭の雷龍》がパワーアップするのでさらに楽に。相手がパワーアップする闇に変更するのは止めよう。無強化の《双頭の雷龍》で倒せないのは《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》だけ。神官兵にも言えることだが、《双頭の雷龍》の守護星は「月」にすることが推奨される。たまに《治療の神 ディアン・ケト》+《治療の神 ディアン・ケト》=《巨大化》を繰り出してきたり、《覚醒》で強化もしてくる。
草原 大神官ケプリア 《ゲート・ガーディアン》(攻:3750) 最強の大神官にしてヤバい相手その2。攻撃力3750はこのゲーム中2番目に高い数値で、それを大体1ターン目に出し、更に強化までしてくるのでとにかく強い。フィールド変更と装備で2段階強化+相手を弱体化した状態の《双頭の雷龍》で倒すか、フィールド変更もしくは強化した《メテオ・ブラック・ドラゴン》で倒すか、除去カードを使うかといった感じで最終盤の相手と同等の強さがある。ただし《ゲート・ガーディアン》以外は1段強化の《双頭の雷龍》で勝てる相手なので、試行回数で何とかなる範囲ではある。
  • 要注意モンスターはフィールド効果で能力が+500される為、大神官のうち3人が攻撃力4000持ち、ケプリアに至っては攻撃力4250、さらにアヌビシウスとケプリアは、初手に出してくる確率が高いというとんでもない状態である。
    こちらも他のフィールド魔法で上書きすることも可能だが、デッキ自体にもフィールド魔法は投入されている為、それすら上書きして戻してくることがある。
    さらに相手の攻撃力の高さからフィールド変更してる間にこちらのライフが0になるなど珍しくもない。
    • 神殿は「神殿兵→大神官」の2連戦のため、運ゲーで勝とうとすると時間がかかる上、一度神殿を出ると神官兵は復活してしまうのも辛いところ。
  • なお、大神官を2人倒して旧デュエル場へ行くとイベントが発生し、迷路神官兵とセト2戦目と戦うことになる。このイベント自体はデュエル場へ立ち寄らない事でスルーする事も可能。
    • スルーしてしまうと、フリーデュエルのデュエリスト一覧にてセト2戦目が埋まらない他、迷路神官兵が後発の連戦に加わる事になるため、倒しておきたい。
      ただし、その時点でデュエル場へ向かう必要性は無く、目的もはっきりしている以上、意図的に寄り道しなければ戦えない為、セト2戦目は隠しボス的な存在といっていいかもしれない。
      • で、そのセト2戦目の強さはというと、《青眼の白龍》や《カオス・ソルジャー》(攻撃力3000)に加え、それに近い攻撃力を持ったカードや魔法・罠をボンボン出してくる終盤らしいデッキ。
        たまに《ゲート・ガーディアン》まで出してくるが、フィールド魔法による補正がない分まだマシと言ったところ。《メテオ・ブラック・ドラゴン》を守護星「太陽」で出すか《双頭の雷龍》を2段階強化できれば勝機アリ。
      • 一方の迷路神官兵は、原作やアニメで出ていた迷宮兄弟を彷彿とさせる見た目とデッキ。切り札の《ゲート・ガーディアン》や三魔神(サンガ・ヒューガ・スーガ)を筆頭に、《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》《ウォール・シャドウ》《迷宮の魔戦車》《双頭の雷龍》を融合なしで出してくる。
        下記のセト二戦目と同様、《メテオ・ブラック・ドラゴン》を守護星「太陽」で出せれば消化試合。
        《ゲート・ガーディアン》以外は《双頭の雷龍》以下のカードばかりなので《ゲート・ガーディアン》が出てこなければあっさり勝てることも多い、のだが、壁役モンスターへの対処も同時に必要になる。
        また直前の「右、左」を当てる迷路を間違えると、何度でも戦う羽目になるので注意。
  • 大神官5人を全員倒すとラスボスの神殿に乗り込む。が、ここからはセーブ無しで6連戦、前述のセト2戦目をこなしてなければセーブ無しの7連戦しなければならない。
    • この連戦はRTAに熱心な海外勢をして「ファッ〇ン6」と呼ばれる程の苦行。特にヘイシーン以降の4戦は極めて強力で、余程強化されたデッキでない限り、 デッキの引きが悪いだけで簡単に負けてしまう。
      1戦1戦、運に任せてセーブ&ロードで勝ち進むということができないため、極まった強力デッキで挑む、もしくは主力カードを強化しつつ、勝てない相手は的確に除去カードで除去していけないとクリアは難しい。
    • 特にセト3戦目は《青眼の究極竜》(攻撃力4500)を、あろうことか3回に2回の確率で初手に出し、加えて隙あらばこちらの主力や罠カードを除去カードで消し飛ばしていく。その強さは間違いなくこのゲーム最強の敵である。
    • 肝心のラスボスは「本作に登場するモンスターを攻撃力が高い順に入れていっただけ」という脳筋デッキの上当たりはずれが激しく、あっさり勝てることもあるが、押しつぶされて連戦やりなおしとなることも珍しくない。
  • この圧倒的な攻撃力の差を埋めるには、除去魔法・罠や強化魔法を使うのが筋なのだが……。
    • 除去系の魔法・罠で汎用性に優れる《サンダー・ボルト》や《万能地雷グレイモヤ》等はドロップする相手、方法が限られている上、多くの場合必要になる柔勝ちの方法が非常に難解なのが問題となり、普通にやってるとまず手に入らない。
      《サンダー・ボルト》や《ブラック・ホール》は初期デッキに必ず1枚入っているため、サブデータからの通信交換を駆使すれば比較的簡単に収集可能ではあるが、メモリーカードの複数所持が前提となる。
    • 強化魔法はモンスターの種族等で使えるカードが違ってくる。そもそも、素体として後半に通用するカードも限られているので、対抗できるモンスターに対応している強化魔法を集めるのも一苦労。
      そのため《双頭の雷龍》といくつかの装備が共用できて守護星も強い《デビルゾア》と《スカルビショップ》及び誰にでも有効な《巨大化》と《シャインキャッスル》を手に入れることがクリアへの有力な筋道となる。
      問題は上昇値は1000UPの《巨大化》を除き一律500UPのため、《青眼の究極竜》には《双頭の雷龍》を3段階強化してもまだ勝てない。一部の相手はこちらより強力なモンスターをさらに強化魔法で強化してきたりする。
    • なお、守備力重視のモンスターはさらに使いにくい。この時期だと最強クラスでも《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》と《千年の盾》で、守備力3000が限度。スターチップ200枚で手に入るとはいえ、かなり厳しい
      とはいえ《迷宮壁-ラビリンス・ウォール-》だけを強化する《迷宮変化》はスターチップ10枚で買える上にペガサスがドロップする。さらに《荒野》や《覚醒》でも強化されるため揃うと役に立つこともある。
      問題は守る事が出来たとしても、相手のモンスターカードを排除する事が出来なければ、結局相手に除去魔法や弱体化を使われて消えてしまうことがほとんどなのである。
      ただし強化も除去も持っていないラスボスはそれで勝てたりするのだが、他で役立つことは少ない。
  • これらを見ていくとデッキに《メテオ・ブラック・ドラゴン》が欲しくなるが、このカードが手に入る確率は最も確率の高い相手でも0.976%止まり。もちろん剛S〜Aを毎回取れる前提で、運が悪いと何百戦とデュエルを繰り返すことになる。
    • 最も確率の高い草原神官兵を狙う場合、相手の使用する《千年の盾》や《草原》で強化されるモンスター群に対応できるデッキが必要になる。
  • 序盤こそは融合などを使いこなして、戦略的なカードバトルを楽しめるが、シナリオが進むにつれ、インフレが進むため、効率的な稼ぎによるデッキの強化が必須となり、クリアまでの大半の時間はフリーデュエルに費やされることとなる。
    • 終盤になれば攻撃力3000を超えるモンスターを当たり前のように使ってくるため、あの《青眼の白龍》ですら最終盤では与しやすい部類に入る。
      しかも、しかも強い相手に限って、《サンダー・ボルト》などの強力魔法もガンガン使ってくるため、インフレ感が酷く、並のデッキではまともに太刀打ちすることができない。
    • 上述の通り、通常プレイで手に入るモンスターの最高攻撃力は3500の《メテオ・ブラック・ドラゴン》に対し、敵はそれを上回るモンスターを数名が使用してくる。
      攻撃力3750の《ゲート・ガーディアン》は守護星で対抗できるが、攻撃力4500の《青眼の究極竜》に対しては強化カードも一緒に引けなければ意味がない。
      《サンダー・ボルト》や《ブラック・ホール》といった除去魔法でこじ開けた一瞬の穴をどう突くか、そもそも穴をこじ開ける事ができるかどうか、そのためにどのようにカードを収集し、デッキをどう構築していくかというのが後半のインフレと戦っていく主な要素であり、この部分がこのゲームの楽しみでもあると言える。
    • このゲームの攻略本にはキャラ毎に「引きの良さ」という一見不可解な項目があるが、本作はキャラによって何とデュエル開始時のドロー時に特定のカードを引く確率が変化するという仕様がある。
      正確には「こちらの場に表側表示モンスターが存在してCPUの場にモンスターが存在しない時に、CPUの手札の戦力が一定のラインを下回っていた場合、一定確率でドローカードが変化する」というもので、この「引きの良さ」が高いほど変化する確率が上がる。
      すなわち後のシャイニング・ドローである
      • ちなみに先に挙げたセト3戦目の初手究極竜は体感的に多いというものではなく、この「引きの良さ」のパラメータが5段階中最高の「5」に設定されているためで、彼が初手に究極竜を引く確率は脅威の約67%である。
      • また、本作の相手デュエリストのデッキは固定の40枚が設定されているわけではなく、デュエリスト毎に設定されたカードプールの中からランダムに抽選される方式となっていたりする。相手によっては40種を超える種類が設定されていることもあるが、上記の「引きの良さ」の存在からどちらにせよ強力なカードは高確率で手札に引き込まれる。
  • 以上の理由から、 当時はポケステが無ければクリアはまず不可能とまで言われていた。
    • 逆にポケステで上手い事カードが集めても、「序盤はひたすら消化試合、後半は相手が先か自分が先かの運ゲー」となるだけで、分け隔てなく使えたからと言って面白いかいうと微妙な所ではある。
    • セト(3戦目)やラスボスに安定して勝とうと思ったら、かなりの時間をかけてモンスター・魔法とも強力なカードを揃える必要がある。
    • 各種情報が無い状態の厳しさは、これまで記載している通り。
      デュエリスト一人ずつのドロップテーブルに載っているカード数が尋常ではなく、ドロップ率5%を超えるカードは雑魚カードでも滅多に無い。
      一部のカードはドロップ率は1%を切るほどで、単純に見れば100戦こなして1枚も手に入らないかもしれないという歪すぎる設定である。
      ひたすら同じ相手にフリーデュエルをこなすゲームであるため、目当てのカードがドロップしたかや、デッキが強化されていくことを楽しめるかが、このゲームを楽しめるかどうかを分ける境目となる。
      • 最大の問題は、強力な魔法カードや罠カードは、「柔S、A」で勝たなければほとんど手に入らないこと。この評価の獲得がまた厳しく、そのためのデッキ構築と十分な知識が必要となる。
        さらに一度のデュエルにも時間が非常にかかる。
  • これらを楽にする手段が2つあり、一つがポケステを利用したカード収集なのだが、何分ランダムであるが故、家にあるリモコンを総動員しても強いカードが手に入らないこともある。
    メーカーごとに周波数を変えられるリモコンでは同じボタンでも違うカードが貰えるが、家になければそれまでである。つまり、運が悪いとまともにデッキが強化されない。
    • またポケステとGBCの赤外線通信機能を利用し、『DM2』のカードを本作に転送することができるのだが、条件はゲームをクリアしている事。今更貰っても嬉しくもなんともない。
      なお、ポケステ側では本作のかばんのデータが上書きされる為、事前に他のメモリーカードを使ってバックアップを取る必要がある。
    • また、同じくクリア後の特典として、IDナンバーを使った宝くじモードもある。しかしこの事は攻略本には載っておらず、当時のVジャンプにのみ掲載。
      しかも比較的強いカードも手に入るが、Vジャンプにのみ掲載そもそもポケステ自体が「はずれ」の場合もある「比較的」強いのでクリア後には需要が薄いと、ほとんど意味のない状態になっている。
  • もう一つがメモリーカードを複数枚使用したカード増殖であり、2枚あれば初期デッキに入る可能性のあるカードをいくらでも、3枚あれば一度手に入れたカード及び溜まったスターチップで購入可能なカードを増殖することができる。
    この方法を使用するかどうかはプレイする人がどれだけこのゲームを楽しみたいかによる。

その他の問題点

  • 本作においてはプレイヤー=闇遊戯であるため、闇遊戯の台詞が一切用意されていない。厳密には、古代編2突入直後に「戻ってきたのか………」というテキストがあり、これが台詞と思しき唯一の物である。
    • そのため、表遊戯と闇遊戯が心の世界で対話するシーンも、表遊戯がわざわざ「話をしないといけない」と心の世界へ出向いたにもかかわらず、
      いざ実際に対面すると「言葉にしなくても僕にはわかるよ……」と、対話をぶん投げて勝手に目的を把握しだす。
    • そもそもゲーム中での台詞が無い割には、原作同様に闇遊戯自身も表に出て喋っている設定のようなので、非常に違和感を感じる展開になっている。
      「プレイヤーの分身である喋らない系の主人公」として見ようにも、上記のテキストの存在からいまいち統一感がない。
  • 5か月早く発売された『DM2』と比較すると、カード枚数はたった2枚しか増えていない。
    • さらに一部カードの歯抜けもある。代表例としては原作でキースの使用した《リボルバー・ドラゴン》など。ただし、これについては評価点にあるポリゴンの作成も絡んでいるので致し方ないか。
  • 前述したように、パスワードの入力でスターチップと引き換えにカードを入手できるシステムもあるのだが、モンスター・魔法・罠問わず強力なカードの大半は要求スターチップ数999999に設定されている。これらのカードは実質的にパスワード使用不可と言ってよい。
    • しかも、999999個のスターチップを要求されるのは強力なカードだけではない。攻撃力が最低クラスの《聖なる魔術師》や、遊戯が使った《砦を守る翼竜》など、原作で出番があったカードの多くは性能問わず同じ個数を要求される。
      その他、このゲームで唯一の効果モンスターである《封印されしエクゾディア》の効果発動に必要な《封印されし者の左足》と《封印されし者の右足》も同様。
    • カード収集がポケステのリモコン機能ありきであり、それでもフルコンプは難しい。救いなのは「リモコン限定」のカードは総じて大して強くないこと。クリア目的であればなくても何ら問題はない。
    • ちなみに1回のデュエルで獲得できるスターチップの数は最大で5個。仮に999999貯めるには最低でも200000回のデュエルをこなさなければならない*18これは完全に調整ミスと言わざるを得ない
  • ゲーム中には「カード屋」が登場するのにもかかわらず、カードを売ってくれず、買い取ってもくれない。カード屋とは一体……。
    • ここで出来るのは、「セーブ」「デッキ編集」「タイトルに戻る」「戻る(前の場面に戻る)」だけ。スタートボタンを押せば済むような機能しかない。
    • こうした場所でカードを買い取ったりしてくれない為、雑魚カードは処分することもできず無駄に溜まっていくだけになる。
      ここでカードの入手やスターチップの稼ぎなどができれば、カード集めも少しは楽になったのだが……。
  • シリーズ恒例のデータ間での通信融合についても問題がある。
    • 今作にはトレード手段として本体ソフト上でカードを交換するか、ポケステの機能で無線通信を行って交換するかの2通りが用意されているが、通信融合を行えるのはポケステを使ってのトレードのみ
    • よって、友人がポケステを持っていてその上このゲームをやっているという状況でもなければ自分でポケステを2台用意しないと通信融合を行えないことになる。
      通信融合で作れるカードには、今作最強カードの《青眼の究極竜》と次点の《ゲート・ガーディアン》が入っていることもプレイヤー泣かせの要素である。
  • メモカorポケステが2枚あれば2P対戦ができる。しかし据置機という制約上画面を共有することになる。
    • そのため画面に表示されるカードは数字で暗号化されているのだが、自分にも何かわからなくなるため、メモが必要になる。まさかのブラインドデュエル。
    • もっとも、こればかりは画面が一つしかない据え置き機ではやむを得ない措置と言っていいだろう。何より、そもそも戦略性皆無のルールなので他人と対戦しても面白くないという大問題も抱えているが……
    • ちなみに対人戦で勝ってもスターチップはもらえない。まぁ上記のあり様なのでもらえても「だからなに?」って感じだが……
  • なお、オプションは、ポケットステーション用のゲームデータの書き出しとサウンドの切り替えの他、対戦用オプションには最大ライフ増減設定や上記の手札表示設定もある。
  • ポリゴンの問題
    • 全モンスター分作られているものの、その出来には差が大きく、酷いモンスターはとことん酷い。人気モンスターだからといってよくできているわけではないので、期待しすぎるとがっかりする事も。
    • ゲームでよく見ることになる《ゲート・ガーディアン》や《双頭の雷龍》*19はかなりしょぼい。さらに下を見ると《グラップラー》などはかなり残念な出来栄えとなっている。

総評

ゲームバランスが不安定。
PSなのに収録カード数はGB作品からほとんど変わっておらず、さらに効果モンスターがほぼおらず、攻撃力が高いモンスターを出せば勝てるという単純なシステムまで踏襲してしまったため、その分強力なカードが手に入りにくいよう調整されたと思われる。

そのため難易度が極端に上がってしまい、何の情報もない当時の購入者が阿鼻叫喚の末「クソゲー」との評価が連呼される結果となったことは想像に難くない。
ポケステで強力なカードを揃えると大味なバランスになってしまうのも褒められた点ではない。

ポケステ無しでもクリアは可能であるが、そこに至るまでの知識面のハードルが極端に高く、ポケステ無しではクリア不可能とまで言われたのも仕方がない面がある。
誰がどのカードをどんな確率で落とすか、スターチップ何枚でどのカードが手に入るか、デュエル評価の条件といった内容がゲーム内で確認できた上で、なおかつ入手率などのバランスが整えられていれば、また違う評価を得られたであろう。

一方でGBにおける次回作『DM3』は、携帯機でありながらOCGの要素とゲームオリジナルの要素を同時に盛り込んでおり、そちらより見劣りするのも否めない。

ただし十分な知識が広まった現在では、良質なBGMをバックにテンポの良いデュエルをこなしてカード収集・デッキを強化できるゲームとしてみなし、プレイスタイルも最速クリアを目指すものや、特定のカードをメインに据えたり融合やフリーデュエルを封じるなどの縛りプレイ、入手可能な全カードを図鑑に載せるといった様々な楽しみ方が見出され、再評価された面もある。
毎ターン5枚ドローや守護星システムなどの本作独自のルールも、賛否両論あれども戦略性を高める要素として機能しており、後の作品に引き継がれた部分もあるなど、悪くない発想だったと言える。

総じて本作は人を選ぶ、合う人には楽しめるゲームであると同時に、合わない人には『遊☆戯☆王』の「カードのおまけ」と評価されるゲームだろう。


余談

  • 原作者がシナリオに関わっており、「闇遊戯の過去が明かされる」との触れ込みだったが、漫画本編にはこのゲームオリジナルの設定はほとんど反映されていない。
    ただし、完全になかったこと扱いというわけではなく、下記のいくつかのポイントは引き継がれている。
    • 「主人公が大会に出て過去を取り戻す切っ掛けを手に入れる」、「過去に戻って、悪役が古代を滅ぼすという過去を改変する」等、大筋そのものは同じ。
    • 当時の漫画では千年アイテムとその所有者がすべて登場していなかったため、ゲーム中では何故か海馬が千年ロッドを所有しているが、
      原作漫画でも、このゲームよりかなり後に描かれた通称「記憶編」にて、海馬の前世らしき神官「セト」が千年ロッドを所有している事が描写されている。
      加えて、原作漫画で描かれた過去世界も「現代人の脚色の入った『推測された物語』」という設定があり、一応本ゲームへの配慮を感じさせる。
  • こんなゲームだが海外でも『Yu-Gi-Oh! Forbidden Memories』のタイトルで販売されている。
    • 一部のカードイラスト変更やポケットステーション関連機能が削除されたため、通信融合がポケステなしでも出来るようになり、ポケステでしか入手出来ないカードもドロップ出来るようになった。
    • 2014年頃から何故か海外勢によるRTAが非常に盛り上がり、全世界で60名以上のプレイヤーが確認。一時期は不正行為*20をしてまでトップを獲得したプレイヤーも現れ、一部で話題となった。
      また、100%(=ポケステ限定カードまで含めた全カードのコンプリート)に挑む猛者も確認されている。
    • 同様にして、RTA勢の研究により、流石に「ポケステなしではクリア困難」という評価は過剰過ぎる、と評価が変遷しつつあることも付記しておく。RTAユーザーのようにがっつり情報収集をすることが前提であるため、一般ユーザーにとって困難であることに変わりはないが。
    • 2016年11月現在、メモリーカード2枚とトレード機能を使い初期デッキから《サンダー・ボルト》3枚と《双頭の雷龍》の融合素材カード・強化魔法カードを可能な限り抜き出す方法でのキャンペーンクリアワールドレコードは約1時間半(うち30分程度がデータ作成時間)となっている。
    • そして2019年…それらを覆す『1時間11分32秒』という記録が誕生した。《双頭の雷龍》を融合で生み出すという正攻法はそのままに、メモリーカード複数によるカードの複製やトレードを一切使用せずにこの記録は生み出された。
      その方法はいたって明解、ポケステなどを使用せずに得られる最強モンスター《メテオ・ブラック・ドラゴン》で殴り倒すというもの。
      じゃあその《メテオ・ブラック・ドラゴン》はどうやって手に入れるの? と思われるが、なんと『人力』でドロップ調整を行い確実に手に入れるというものだった。
      相手は早い段階で戦えるが負けイベントの相手となる「ヘイシーン」である。初期デッキではまず勝てない相手に特定のタイミングで特定の手順を踏むことでお互いの手札を固定し、またCPUの思考ルーチンも固定化することで《双頭の雷龍》を初手に融合し、攻撃力2800以下のモンスターを出してもらい、そして次ターンでも《双頭の雷龍》を融合して殴り倒し…そして得られる戦利品で《メテオ・ブラック・ドラゴン》にする。
      それを繰り返して3枚入手したらあとは本編を淡々とクリアするだけである。もちろんこのストーリーを進めている段階でも初手に《メテオ・ブラック・ドラゴン》が手札に来るように調整している。
      決定ボタンなどを押すタイミングが狂えば全てが崩れるため、非常に繊細な時間間隔を求められ、いわゆる『人力TAS』といえるレベルの記録であることは間違いない。
  • 続編である『遊☆戯☆王 真デュエルモンスターズII 継承されし記憶』では出来にかかわらず、全てのモンスターのポリゴンが作り直されている。
    ゲーム性は本作はもちろん、本来のOCGとも全く異なるが、美しい3Dのモンスターを見たいなら続編をプレイする事をお勧めする。ただし、本作と異なり攻撃方法は1つだけとなっている。
  • 後発作の『DM7』と『DM8』ではカード単体を売買出来るようになり、『IN2』では双六のお店でパックも買えるようになった。
    • ただし、そちらはそちらで問題がゴロゴロ転がっており、結局、まともなバランスにはならなかった。
  • 本作の登場人物、ヘイシーンとシモン・ムーランにはそれぞれ名前の由来となった人物が存在する。
    • 説明書のプロローグにも似た名前の人物がこのゲームの関係者として登場しており、そのことをペガサスが説明している。
    • ヘイシーンは原作漫画『遊☆戯☆王』の担当編集者であった瓶子 吉久氏がモデルとされる。
      残念ながら原作への登場は叶わなかったが、悪の神官として同名のキャラクターが『DM3』、『真DM2』、『フォルスバウンドキングダム』にも登場している。
      ちなみに瓶子氏はその後出世し、2011年には『週刊少年ジャンプ』の編集長となった。
    • シモン・ムーランはゲーム版のプロデューサーである下村 聡氏に由来する。
      こちらは後に原作・アニメの両方に登場しているが、肌の色などの外見や一部設定が異なっている。
    • これに因んでか、『DM1』では両名の読み仮名の「ヘイシヨシヒサ」と「シモムラサトシ」が隠しカードを貰うためのパスワードの一つとなっていた。
  • 本作の付属カードはウルトラレア3種とシークレットレア2種、計5種類からランダムで3枚付属する。
    • シークレットレア仕様の2種類(《メタル・デビルゾア》と《レッドアイズ・ブラックメタルドラゴン》)の封入率は著しく低いものとなっている。デュエルでの実用性は皆無なものの希少価値は高く、数万円超えの値段で取引されることもある。
    • 付属カードのうち《メタル化・魔法反射装甲》は2022年になって【ラビュリンス】への投入が検討されるようになり、再評価された。
  • 特徴で述べた本作独自のルールである「ドローフェイズでは手札が5枚になるようにドローできる」という要素は、2020年より開始した遊戯王の新シリーズ『遊☆戯☆王 ラッシュデュエル』の基本ルールとして採用されている。
    シャイニング・ドローといい、時代を先取りしすぎである
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  • 1999年
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  • ADV
  • コナミ
  • 遊☆戯☆王

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最終更新:2023年11月27日 20:07

*1 モンスター毎に「属性」に相当するステータスが存在するというもの。優劣関係にあるモンスターに攻撃されると攻撃力に関係なく破壊されてしまう

*2 「水金火木土海」という、地球を除いた惑星群と、「月」と「太陽」、更に当時はまだ惑星扱いだった「冥王星」が存在している

*3 1+1を順番に行っていく関係上の問題。《青眼の究極竜》は本来3体融合だが、本作では《究極竜の儀式》というオリジナルの儀式カードが代用品として追加されており、融合召喚は不可能。

*4 ドラゴン族+雷族かつ、片方が攻撃力が1600を超えたモンスターである事が条件。3体のモンスターはいずれもこれに該当しないが、先に《プチリュウ》と《エレキッズ》を融合する事で《サンダー・ドラゴン》を作り出し、この条件を満たしている。

*5 二段階融合は後の真DMⅡでも可能。

*6 必ずプレイヤーと同じデッキを使う、いわゆるミラーマッチ用のキャラ。フリーデュエルのデュエリスト一覧に最初から登録されている。続編でも登場しており、元ネタはおそらく原作者の高橋 和希氏(和希のK)と思われる。

*7 相手が発動した、こちらの伏せた罠カードを除去する効果の身代わりになる。

*8 このカードも、OCGでは「召喚・反転召喚したレベル3以下のモンスターを破壊する」という全くの別物の効果である。

*9 GB版で場に伏せる事ができるのは罠カードのみな上、スペース上の問題で罠はお互いに1枚しか場に伏せる事が出来なかった為、除去効果のある効果モンスターでも十分代用できた。

*10 対象モンスターを二段階強化=攻・守ともに1000アップする。

*11 特徴欄に記載されているが、ドラゴン+雷族かつ、どちらかの攻撃が1600を超えるモンスターの融合で召喚できる

*12 GB版「2」では隠しキャラ。名前や持っている千年アイテムなどから、程なく原作に登場したイシズ・イシュタールのプロトタイプ的存在だと思われる

*13 お互いのターンで4ターン、相手側から見て3ターンの間、こちらのモンスターは攻撃が不可能になる。発動されたら、除去する事は不可能。

*14 相手フィールド上のモンスターの攻撃力と守備力を一律で500ダウンさせる

*15 相手の場に存在する攻撃力1500以上のモンスターを全滅させる

*16 OCGでは《究極完全態・グレート・モス》と、微妙にカード名が異なる。

*17 そもそも当時の岩石系モンスターの最大値が低く、《荒野》による+500込みで《金色の魔象》(2700)・《砂の魔女》(2600)・《ストーン・ドラゴン》(2500)などと、強化有りでも微妙な攻撃力のものしかいない。

*18 「対戦相手選択→準備画面スキップ→デュエル開始→リザルトスキップ」の流れを常に3分で終えるとしても、計60万分、約416日間ぶっ通しでデュエルし続けなければならない。

*19 知っている人は知っているが、そもそもが雑魚モンスター《二つの口を持つ闇の支配者》の色替え。

*20 いわゆるROM抽出及び書き出しによるカードドロップ率の改ざん。生配信中に「カードナンバー000」というバグカードをドロップした事から判明に至った