アンシャントロマン ~Power of Dark Side~

【あんしゃんとろまん ぱわーおぶだーくさいど】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション
発売元 日本システム
開発元 風雅システム
発売日 1998年4月23日
定価 6,800円(税抜)
判定 クソゲー
ポイント 全要素にわたって凄まじいクソ
PS初期レベルにも及ばないグラフィック
理不尽にも不親切な表示類
戦略不要に等しい戦闘
超展開&電波&スカスカ三重苦のストーリー
「屁が鳴るぜぇ」
「これを買って」「ケチ!」

概要

大ヒットした『ファイナルファンタジーVII』(1997/1/31発売)を真似てみたが、何もかもが本家に遥かに及ばなかったというRPG。
いやそれどころか、とてもプロが作ったゲームとは思えない次元の代物である。
98年発売のRPGなのにムービー・グラフィックはPS初期レベル以下。人らしき物体がカクカク動いているようにしか見えない。
プレステオフィシャルサイトのソフトウェアカタログではいかにも面白そうに紹介されている。さ、最高レベル…?
その他の要素も、悉くクソばかりである。下記以外にも、細かな突っ込みどころは書いたらきりがない。


特徴(というかほぼ問題点しか存在しない)

本作タイトルについて

  • まず、英語を少しかじった人間ならわかると思うが、タイトルの「アンシャント」は完全にミス
    • パッケージ画像にもある通り、「古代の」などの意味を指す英単語「ancient」のことだが、日本語では普通「エンシェント」「エインシャント」と表記される単語である。
    • 少なくとも「A」の部分は「ア」とは読まないので、カタカナの起こし方の違いというレベルではなく誤表記そのものである *1
    • 英語を元にした架空言語とするにも、本編にそういった内容が見られない以上考えられないだろう。

ムービー

ゲームを開始するとムービーが始まり、まず最初にプロローグが現れるのだが、その文章からして既にヤバい雰囲気を漂わせている。
しかも主人公の出自をネタバレしている

+ プロローグ

ここより遥かな時空
永遠に続くと思われた
ある文明が
理不尽にも吹き飛んだ

幾年月も虚空をさまよった
いわれもなき憎悪が、
十七年前のあの日
ハインローグの地に
襲いかかった。

カイよ、
幼い時より全てを失いし
哀しき王子よ、
平和を、愛を、
そして自分自身を取り戻せ。

少年の冒険が、
今、始まる。

概要で書いたとおり、劇中に挿入されるムービーは本当にヤバい。本当にPSのものかどうか疑わしいほどのクオリティ

  • 先述したOPの後の映像は、ホラーゲームと間違えそうなカオスなもの。
    • まず、何故か太陽のような星が紫色に変色し、そこから放たれた光が地球に降り注ぎ…唐突に人類は滅亡する
    • その際の村が破壊されるシーンだが、その時のおっさんが木っ端微塵になるという演出はある意味トラウマもの。
    • なお、この出来事について本編で言及される事はぼぼない。字幕での説明文も無い為、ただただ謎のムービーと化している。
      + 閲覧注意?
    • ちなみに破壊時に多数のポリゴン片になって飛ぶという演出は、PS初期の手法である。
    • そして間髪を容れずに「1000年の時が過ぎ」、城下町破壊シーン。破壊後は原爆投下後のようなむごい状態に。
      • 城(旧ハインローグ城)はムービー上では粉々にされたはずだが、ゲーム中に行くときちんと原形をとどめている。しかもラストダンジョン「魔王の城」とほぼ同じ構造
    • その次の王妃が襲われて子供が奪われるシーンでは、魔物がドアを突き破る際にドアはゴムのように伸び縮みする。さらに、王妃は終始微笑んでいるような表情のまま。少しはリアクションさせようとは思わなかったのか。

他グラフィック・表示

  • フィールド上ではデフォルメされたポリゴンキャラが、戦闘では等身大のキャラが表示される。
    • ゲーム画面は『FF7』と言うよりは同年発売の『レガイア伝説』の方が近い。言うまでもなく出来は雲泥の差だが。
  • 町やダンジョンは一画面分の見下ろし画面で表示される。一切スクロールしない。場所によっては、広い範囲が無理矢理一画面分に収められている
    • このような時はキャラクターが豆粒のように小さくなり *2 、どんなキャラなのかすら分からなくなる。
      • ポリゴンの出来が壊滅的であるため、建物の中にいる普通の大きさのキャラでさえ、性別も分からないことはよくあることだが。
    • また、その建物がどのような建物なのかは、外見ではまず分からない。看板が掛かっていてもほとんど判別不能。しかも店の種類は無駄に多い。
      • あるダンジョンで、木の幹の穴からエルフの集落に向かうイベントがあるのだが、穴自体どう見ても普通の人間には入れそうにない小さな黒いソレがぽつんと開いているだけ。穴自体も木のポリゴンの上に強引に貼り付けたようなやっつけっぶり。
    • 建物に入る際の画面切り替えの判定が不安定で、入口にめり込んだまま画面が切り替わらずにキャラが足踏みをし続けるという光景が度々発生する。
      • 敵が出るマップでは、足踏みしている最中にもエンカウントする。
    • マップ上では3~4頭身にデフォルメされたキャラが表示されるのだが、これもまた低品質でモーションも壊滅的。常に首の運動をしているNPCが居たり、シリアスな話をしている最中にいい大人が両手をバタつかせることなど日常茶飯事。
      • 細かな動作が実現できなかったのか、ベッドから降りたと思われる動作もベッドの上からワープしたかのように表現されていたり、「ぴと(バークが杖に触れた音)」「ぼこ(バークが杖を殴った音)」とわざわざ説明文で表現するなど、純粋に見苦しいシーンもちらほら。
  • フィールドマップは双六のような表示形式で、行き先を指定するタイプなのだが、町などのシンボルは全て黄色い円形という手抜き。駒に該当する主人公のドット絵を移動させるまで、何か全く分からない。しかもこの画面でもスクロールは一切無し。
    • 主人公のドット絵はグラフィックも動きもSFC時代のドラクエの劣化版のようなクオリティで、到底PSのものとは思えない出来。
  • 戦闘シーンは、グラフィックは小さくカクカクで、エフェクトもショボく、加えてテンポまで非常に悪い。
    • 背景画面が数種類しかない。森で戦っているはずが、平原のようなグラフィックが表示される等、移動マップとバトルフィールドがまるで一致しない場面が非常に多い。
      • ダンジョンでの戦闘背景は更に酷く、ブロック塀・石畳と言った同じようなものしか無い。
  • ポリゴンも酷いの一言。
    • キャラはポリゴンでも武器を持っているのだが、何を装備しても武器のグラフィックが変わらない。主人公であるカイ(一番大きく描かれてる青年)は終始刀身が緑色の剣を持っているし、バーク(パッケ絵右端のオッサン)はたとえナイフを装備しても画面上では斧を持っている。更に刃にトゲのような出っ張った部分が2つあるという意味の分からないオリジナリティを発揮している。
    • 敵キャラに至っては「紙工作」「折り紙」のようにしか見えないものが多数
    • 角度を変えて見ることができるが、あのグラフィックで見たいという人はまずいないだろう。これと同じくらい誰得。
  • 戦闘での攻撃時に斬撃の効果音をいちいち読み込むため、1秒程画面が硬直してしまう。
    • 各キャラが攻撃する度に毎回敵の前で一時停止するわけで、テンポが悪いなどと言うレベルではなく、ただうっとうしいばかり。
    • 別に、キャラクターによって効果音が違ったりする訳でもない。たとえそうであってもこの読み込み時間はおかしいが
    • 戦闘不能になったキャラは、敵味方問わず回転しながらダメージ数字ごと斜め上方に吹っ飛んでいく。その後爆発音が鳴る。
      • あまりにシュールな演出でギャグとしか思えない。なお、この直前にも効果音を読み込む為か画面は硬直する。
      • 変な効果音と共に吹っ飛んでいく死亡演出は『里見の謎』に通じるものがある。が、本作はそれを3D画面で、しかも敵味方問わずやっているのである。
    • ある程度背丈のある敵は、上半身がステータスウインドウに隠れてしまう。
    • キャラが行動し出すと自動的に視点を変えるのだが、明らかにおかしな視点に切り替わることがある。
    • 味方のクリティカルはボイスが出るので判るが、敵のクリティカルは何の表示もされない。
      • 実はダメージを与える直前に、金属音のようなのがわずかに鳴る。そんなものわかるか。
    • 魔法のエフェクトもかなりショボく、爽快感など微塵も無い。
      • しかも効果音も攻撃とズレており、その効果音の出来も…。
    • 石化の状態異常があるのだが、体色が変わったりしないどころか普通に動いており、見た目が通常状態と何ら変わりない。
      • そもそも状態異常の表示が一切無いので、次のターンに行動しないことでようやくステータス異常を疑うことができる。後述する同じ点でも言えるが、FC時代のRPGでさえ普通に出来ていた事が何故出来ないのか。
    • キャラクターのモーション自体も非常に不自然かつカクカク。当時の技術力やハードのスペック等を考慮してもかなり低水準。
  • キャラの顔の造形でさえ非常に低質で不細工。出来が非常に悪いことで評判の『10101』よりも明らかに酷い。
    • パッケージなどに描かれているイラストはまともで、絵柄的にも当時としては至って健全なものである。…が、実際はこれとは全く似ても似つかない不細工な顔を見せつけられるのである。
    • メニュー画面や戦闘時の顔グラフィックにもよりによってこの不細工モデリングが使われている。イラストを表示するなどいくらでも方法はあったはず。
    • 特にピクシーのファラ(パッケージのロゴの上に描かれているキャラ)の原画と作中のモデリングの落差は爆笑もの。
  • 文章にひらがなが多く、しかも中途半端に漢字と混ざっているため読み辛い。
    • ごりん終」などと書いてあるかと思えば、「親戚」は漢字で書いてあったりして基準が曖昧。
    • 果ては「物見山」のように妙な混在がなされてる場合もあり、テキストがかなり読みづらい。
    • 使用頻度の低い漢字を敢えて使わないことで容量を節約するという手法はあるが、それは精々SFCやGBAといった容量の厳しい媒体を使用するハードでの話で、大容量のCD-ROMを使うPSでやるような事ではない。
    • かの『FF7』でも簡単な漢字が一部ひらがな表示になっている部分があったが、少なくとも一つの単語を中途半端に漢字とひらがなに分けるような事はなかった。
  • 店で商品を買おうとしても、その効果が分からない。拾ったアイテムも同様である。分かるのは装備可能者だけ。わけが分からない商品だらけだというのに。この時期のゲームでこれはない。
    • 「ほしがき」「ぎゅうにゅう」がMP回復アイテムで、「おんせんたまご」や「オムレツまん」(!?)がステータス上昇のアイテムだと、初見でわかるプレイヤーが何人いるのだろう
    • 装備品も「誰が装備できるか」しか表示されておらず、どのステータスが、どれくらい上昇するのか全く分からない。
      • 一応、「高いのを買うほど性能が良い」というところは最低限守ってはいるが、下記のようなわけの分からない装備品は、買って装着してみるまで分かりようがない。
    • それ以上に無茶苦茶なのが「かざり」(サブ装備品)。
      • 「ももひき」「ブルマ」「セーラー服」「スクール水着」などがある。世界観無視もいい所である。
      • 近年のファンタジーRPGでは類例も見られるようになったが、装備がグラフィックに反映されないのにそれをやられても…… *3
      • しかも、「かざり」は複数装備できるので、やろうと思えば「スク水三枚重ね」「ももひき三枚重ね」が普通にできてしまう。さらにその上からキャラクターは防具類を装備するわけで…。
    • 買い物自体とは関係ないが、「ガメ」というやたらダサい名称の貨幣単位もツッコミ所として見逃せない *4
  • アイテムを使おうとしても、効果や残り個数が表示されない *5 。使うまで分からない。魔法も同様(後述)。

誰得で不快な要素

  • 買い物時、「これを買ってくれないか?」「これ欲しいなぁ」などとプレイヤーキャラが声付きで催促しだし、何も買わずにキャンセルすると「ケチ!」と文句を言われる
    • たとえその通りに買ってやったとしても喜ぶセリフが聞ける以外、何らメリットはないし、催促される商品はランダムのようでそれ自体に全く意味はない。
    • その時点の所持金も当然のように考慮されておらず、そもそも資金的に買えないものを催促され罵られることもよくある。理不尽である。
    • しかも、このボイスがプレイヤーが操作出来る全キャラ(短期間参加のキャラ2名を含む)に用意されている上、バリエーションもそれなりにある。誰得。
      • こんなものを無駄に拘ってプレイヤーをおちょくる暇があるなら、その前に商品として最低限やるべき所が山ほどあっただろうと突っ込みたくなる事請け合い。

ゲームバランス

何もかも劣悪。

  • 戦闘は瞬殺するかされるかで、戦略性もほとんどない。
    • 攻撃のミスという概念がないことに加え、補助効果が使い辛く実感しにくいこともあって非常に戦闘内容が大味である。
    • かなり痛いダメージを食らう敵でも、通常攻撃でほとんど強行突破できてしまう。戦闘不能キャラが出ても、戦闘終了後にすぐHP1で復活している。
    • 全く歯が立たない敵も、戦略を練る暇があるくらいなら、少しレベルを上げれば瞬殺できるようになる。レベルはせいぜい5回も戦闘すると上がる
    • 中ボスと思しき敵でも、ザコとほとんど変わらない労力で簡単に勝ってしまう。時々攻撃力が高い敵がいるくらい。
    • ラスボスは多少マシであるが、それでも普通に進めてれば10ターンはまずかからないだろう。レベルが高ければ、2ターン程度で終了する。
  • 他にもLVUPに必要な経験値のテーブルやダメージ計算式が不可解だったりと、調整不足な箇所は探せばきりがない。
  • ダメ過ぎる魔法
    • まず第一にシステム自体非常に不親切であり、その時点で魔法を使う気が削がれる。
      • 店で買おうとしても、使おうとしても、効果も必要MPも表示されない。しかも説明書にも記述なし。たまに魔法屋などで、ごく一部について効果の説明をする台詞があるだけ。
      • 「ヘカル」「ヴァルガ」などとFFとDQを足して割り切れていない無駄に珍妙なネーミングのものが半数以上を占めており、大半の魔法は名前で効果を推察することすらできない。
      • 味方・敵とも魔法を使った際に表示されるデータは、ダメージ・回復数値のみ。魔法名やどのような魔法かさえ表示されず、何をしているのかされているのか分からない
      • MPの足りない魔法は表示されない。従って、買ったのにどこにも表示されないことが起こりうる。
    • 一度何らかの方法で入手したら、MPさえ足りていれば誰でも使用できる(一人一人持つ必要がない)。だが、店で売っているものが直後のイベントで入手できてしまったりする。
    • 攻撃魔法は最初のうちは役立つが、通常攻撃の威力が著しく上がるのですぐに役立たなくなる。
      • 何より、燃費が非常に悪い。やたらにいろいろな属性があるが、そんなことを考えるくらいなら殴った方が早い。
      • ただし、魔法にもクリティカルがあり、敵の攻撃魔法で一撃死することは時々ある(なお、即死系と言われる魔法は存在しない)。
    • 一応終盤でも通用する攻撃魔法もあるが、魔術師系のキャラでさえMPの大半を持っていかれるほどMP消費が大きい上、それに見合う威力なんかない。
      • ラスト近くだと、MP回復アイテムを大量に買えるくらいの金は手に入るので、MP回復は容易ではあるが、そんな手間をかけるくらいなら殴った方が(ry
    • すぐ戦闘が終わるので、補助魔法はあっても意味がない。そんなことをしてる暇があるのなら殴った方が(ry また、使っても何が起こったのか分からない。
    • 回復魔法はこれらよりはましであるが、HP小回復にMP7、中回復にMP20などとやはり燃費が悪い。
      • 強力な回復魔法もアイテムで代用できるものが多く、終盤はあまりに金が入るので、それらを買いまくれるという有様。
    • よって、能力値に魔力とMPぐらいしか見所がない魔法系キャラであるヒロインのミシリアは、初期に回復魔法しか使えないのもあって早々にお荷物になる。
  • パーティーが最大6人と多く装備も大量にできるが、序盤~中盤は手に入る金が少なすぎてろくに買うことができない。
    • このゲームでは経験値稼ぎがあまり必要なく(必要になっても短時間で済む)、その部分だけは一見バランスが良いように見える。しかし経験値と金のバランスは全く取れていない。
    • 一方終盤の終盤になると、上述のように異常なくらいに金が入るので、高価な商品も苦労せず買えてしまうようになる。
  • ダンジョンは、1画面かそれ以下の小さなマップが数層あるだけのものばかり。分岐も少なく迷いようがない。
    • ギミックなども当然なし。宝箱などの探索ポイントも少ない。
    • どこでもセーブできるが、ダンジョンはこのような体たらくで、フィールドは双六のように瞬間移動できるこのゲームでの恩恵は、大してないと思われる。
      • なお、データはメモリカード1枚につき1つしか保存できない。

ストーリー

全編を通して超展開と電波で構成されているような代物
登場した設定や人物、場面に対する説明や描写というものがどこをとってもロクにされておらず、その場面に感情移入するどころか、最低限の理解すらままならないシーンも多く、それでいてキャラ達は当たり前のように(程度はあるが)理解把握しており半ばツーカーな会話や行動を繰り広げる為、プレイヤーは置いてけぼりのままどんどん展開が進んでゆく。
突っ込みどころ云々を問う以前に、真面目に向き合い、突っ込む事自体馬鹿馬鹿しくなるレベルに達している。もはや比較的まともな場面の方が貴重な程…と言えば、その崩壊具合を少しは想像いただけるだろうか?

  • 例を挙げると、当初奴隷の状態から始まる主人公の出自が分かるのはペンダントを落とすことがきっかけだが、それまでにペンダントをしているという描写は無い
    • ストーリーの流れで、魔術師や学者、隠者といった立場の人物を尋ねることになるのだが、悉くやたらと偏屈かつ不快感を煽る言動をとる。
      • 怪我で寝込んでいて主人公らに薬を買わせた挙句、下記する怪物になる病について「治せる訳がない」とのたまい、ハインローグ城に入る際は自分の名前を出せと言っておいて実際は全く通用しないホラ吹き同然のマール、いちいち高圧的&人の神経を逆撫でする態度をとる上満足な情報すら持たないレイヨンなど、悪辣な態度に見合う実力や見せ場があるワケでもなく、単に主人公達をたらいまわしにする要員にしかなってない不愉快なキャラばかりである。
    • 他にも、今迄一文字たりとも出てこなかったばかりか、それを匂わせる描写すら無かった新設定を当然のように喋り出し、他キャラもそれが作中で十分に描写されていたかのように会話を広げるという、プレイヤーの存在を全く考えていない展開も全編通して当たり前のように出てくる。
    • シナリオの進行も主人公達のちょっとした思いつきや、唐突なお使いやほぼ説明無しの超展開によるものが殆どで、行き当たりばったりなんて次元を超越しており、主体性などを全く感じられない。
    • 他にも「海に魔物が出てるので船が出せない」状況で船を出してくれる船乗りの仲間が居るのだが、海上で魔物に襲われるイベントなども無いまま、普通に上記のマップで次の目的地に移動出来るようになるだけという驚きの肩透かし。
    • それ以外にもフィクションだという事を考慮しても物理的に無理矢理過ぎる提案を行い、それに全員何ら疑問も持たず賛同する流れなど、不自然極まりない点も数多く見られる。
      + ネタバレ
    • 終盤、あるダンジョンを解放する為に関を破壊しなければならず、それによって下流にある町が洪水に晒されてしまう事になる。事前に住民を避難させようとするが、動けない老人が居る為迅速な避難が不可能である事が明かされる。その時、仲間の1人が「口に含めば水の中でも呼吸が出来る実を住人に食べさせる」という衝撃的な提案をする。
      • 言うまでもないだろうが、仮にそれで呼吸が解決したとしても、洪水に呑まれれば圧倒的な水圧や漂流物への激突による二次災害で普通に死に至る。現実での津波や洪水被害における死因はこれらによるものも多い。
      • そしてその提案以降、パーティ全員が「村人を洪水に晒す」前提で物事を考えているのがまた常軌を逸している。オマケに住民側も一切反対せず、満場一致で事が進むのだ…。普通に考えれば、時間をかけてでも主人公達総出で住民の避難を率先するなり、そもそも街を洪水に晒さない別の手段を模索したりするものだが…。
        しかも、態々その実を取りに向かうのだが、そんな暇があるなら住民を避難させた方が遥かに安全かつ合理的なのも言うまでも無い。
      • そして実際に関が破壊され、街も住民ごと洪水に呑まれた…のだが、家屋1つ被害を受けてないどころか、まるで何事も無かったかのように変化自体が全くないのである。住人の台詞から洪水に呑まれたが木の実のお陰で助かったという事は分かるが、フォローの役割を全く果たしていないのは言うまでもない。…ここまで来ると真面目に考察する事自体馬鹿馬鹿しくなり、なあなあで受け流し淡々と次に進めたくなる事請け合いである。
    • 他にも、カイが「関をよじ登って越える」という国家犯罪級の提案をしれっと出したりもする。彼の出自が判明している後なので、彼の立場ならば尚更冗談でも口に出してはいけない程の行為の筈なのだが。こちらはその矢先に「隊長」というボスが唐突に出現し、倒してみると例の如く何者なのかすら明かされないまま意味深な遺言を遺し、上記の村に向かう事にになる為未遂に終わっている。
  • あらすじは、ヒロイン・主人公ゆかりの土地に向かう途中「怪物になる病気」の存在を知り、出自が分かった後はそれを解決する手段を探す旅に出る…のだが、手段が見つからず文字通りのたらい回しにされているうちに、いつの間にか試練や強力な武器を探すのが主体となり、その過程で唐突にラスボスの名前や居場所を知り倒しに行くというもの。これに付け足すことも見当たらないような、スカスカのストーリーである。
    • 超展開以前にイベント描写や設定が悉く場当たり的な上に、主人公達の思考や目的、展開も意味無くあさっての方向に二転三転する事も日常茶飯事なので、ストーリーの繋がりはおろかシナリオの主題すら見えてこない。その為『どういうシナリオなのか』を一言で言い表すのはある意味難しい。
    • 「神の力」によって得られる強力な武器の成り立ち、その『神々』について、禁呪が隠されているバーシスの廃墟 *6 等、シナリオ的に意味深な舞台や設定が多く出てくるが、これらの真相を掘り下げる展開等は一切用意されていない。大体が該当イベントでぼっと出てそれで終了。他イベントで繋がりが伺えるような描写も殆ど無い。
      • シナリオ上訪れる場所は非常に多いが、町や村はイベントが希薄すぎて、ダンジョンは先述のような有様な為、非常に印象に残りづらい。
      • ゲームが後半に差し掛かると主人公たちは「神の力」を集めようとする……のだが、特にそれを求めなければならない程切迫した状況だという描写もほとんど無いので、「神の力」を求める必然性が乏しい。見ようによっては「神の力に主人公達が振り回されている」ようにも見える。
      • それ故、主人公達に「過ぎたる力は害になるだけ」と諭す隠者の台詞が、このテのポジションとしては珍しいぐうの音も出ない正論となっている。だがそれに対して仲間の1人が「これだから頭の硬い奴は…」と吐き捨てた上に、ヒロインの「強い心があれば力には振り回されない」という根拠も無く論点もズレまくりな説得をされた挙句、彼らをあっさりと認めてしまうのだが…。
    • 中盤までの主目的であった「怪物になる病気」の根絶については後半に唐突に「ラスボスが起こした」と説明され、そのままラスボス討伐に纏められてしまう
      • それ以降は病気の「び」の字も出てこないまま話が進み、最後まで説明されることなく放り投げられる。エンディングになっても顛末すら語られない。
    • ラスボス自体もぼっと出の域を出ない。存在を匂わせる描写や情報も全く無く、唐突にその存在と名前が明かされる為全くそれっぽい気がしない。
      • そもそも何の為に行動しているのかよくわからない。側近らしきキャラクターを放っているが彼らもよく解らないうちに退場するので、そこから推察する事も出来ない。加えて上述したように数ターンであっさり倒れるという有様なので、ラスボスとしての威厳どころか、ラスボスである必要性自体危うくなっている始末。
      • また、ラストバトル前(正確には前哨戦前)に主人公達と信念をぶつけ合うと言う本来なら熱いであろうシーンがあるのだが、論点がズレまくりでただシュールなやり取りにしかなっていない。

このように全編満遍なく創作の基礎レベルの問題まみれで、シナリオとしての体すらまともに保てていない。ここまで支離滅裂なシナリオは、シナリオ面でクソゲー判定を受けてる作品ですらそうそうお目にかかれず、最後までそれが徹底している分、「創作初心者がやりがちな失敗」と言う表現すら生ぬるい。
思わせぶりに出てきた敵キャラや設定は真相に触れる事すら無く瞬く間にフェードアウト。大体がその場の数合わせ要員にしかなっていない。メンバーも多いが夫々のエピソードや見せ場等も殆ど無く、大抵のキャラが主人公のオマケと化している。上っ面もまともに飾れてない出来損ないのハリボテまみれな世界を漠然と『歩かされる』だけで終わってしまう。
ちなみに、シナリオライターの名前はスタッフロールに載っていない。シナリオ専属のライターが居らず、他のスタッフ達が合間合間で作り上げたのだろうか?だとしても少しはおかしいと思いそうなものだが…。

  • よく解らないバカ要素(?)が多数用意されている。
    • イベントになると、プレイヤーキャラがおバカなやり取りをするのが定番。
    • 先述したような、『摩訶摩訶』を彷彿させるトンデモアイテムや買い物時のキャラボイスもちろんそう。
    • 他に店の名前や店員がおかしかったり *7 、神殿などの建物が理解不能な外見だったり、塔の聖者がありえない格好で戦ったり。
    • ストーリー内容が無さすぎるの補うためのものとしか思えない。しかし悉くスベっているのは言うまでもない
      • その為か、本作はバカゲーという評価は殆どされない。
  • 脱力もののエンディング
    + 大まかな構成・内容。多少ネタバレ。
  • 構成は、あまり長くないエピローグ的なムービー→スタッフロール→短いムービー。
    内容は主人公が王に、ヒロインが王妃になったということと *8 、他のメンバー同士が組んでその後の日々を過ごしている…と思われるシーンが、音声や字幕による説明も一切なく夫々淡々と流れるのみという、無いよりかはマシとしか言えない寂しいもの。
    • その中でも例によって色々唐突で掴みがたいシーンが散見されるが、相変わらずのメンバー間の中でのみで終始されるツーカーな会話のみであり、それに対する説明は何一つ無い。恐らく、此処までプレイ出来た人ならば「あーはいはい」と言わんばかりに受け流せるだろうが…。
    • さらに、その中の一組においては本編中で全く接点が無いペアである。ペアになるような描写どころか、まともな会話すらしていないのにも関わらず。
    • その後のスタッフロールは真っ暗な背景に文字が表示されるだけ。BGMはエルフランドと言う町の曲の使い回し。曲自体、エンディングに合っていない上に質も低い。
      • 最後のムービーに至っては、スタッフロールの中で表示させれば済むような極小ボリュームと、明らかな水増し感が否めない。最後のその一瞬まで、その香ばしさは衰えることは無い。確かにスタッフロール後にエピローグを映す演出は他のゲームでも見受けられるが、本作の場合は酷いムービーと淡々とした演出により、とても余韻に浸る事などできない。

その他

  • ご丁寧な事に、クソゲー最後の砦として機能する事の多いBGMのクオリティも半壊気味。まともに聴けるのは一部の街中の曲くらい *9 。ダンジョン中の曲に至っては、素人が適当に打ち込んだのかと邪推を禁じえない程に酷い。オマケに音源も悪く、耳に障らない分無音でプレイした方がマシなものも少なくない。
    • 選曲やバリエーションも乏しく、魔物に占領されている町が解放されて正常に機能するようになってもBGMが変わらなかったり、エンディング曲すらも上記の通り使い回しだったり等。
    • ボス戦用のBGMはあるのだが、中ボスと思わしき敵でも余程の重要局面(例:旧ハインローグ城での剣士戦)で無いと使用されない。
  • 声優の演技も全体的に拙く、お世辞にも良いとは言えない。
    • ほぼ全員が無名、または新人声優。
      • サリナ役の中島沙樹女史 *10 はそこそこ聞けるし、カイ役の高橋直純氏も後に『遥かなる時空の中で』などで活躍するだけあり、新人時代と考えればそこまで酷くは無い。ミシリア役の中山真奈美(現:中山さら)女史 *11 は(発売当時時点での)唯一と言ってもいいプロ声優なので言わずもがな。…が、あとの大半は棒読みである
    • よく槍玉に挙がるのが序盤から行動を共にする重戦士系キャラのバークで、『声の質は悪い(明らかにキャラと合ってない)・滑舌は悪い(クリティカル発生時のセリフ「腕が鳴るぜ」→「屁が鳴るぜ」)・棒読み』と悪い意味で三拍子揃っている。もっとひどいものとして、前述のバークですら可愛く見える女エルフのミーナというキャラがおり、その棒読みのひどさは演技力を問う以前のレベルで凄まじい
      • ボイスが良ければ、FF7には無い評価点になった筈なのだが………
  • 戦闘時以外は効果音がほとんど鳴らない。宿に泊まった時や扉をこじ開けた時、HPを回復した時でさえ
    • 一方で戦闘時は、攻撃がヒットした時の音や、負けたキャラが吹っ飛んだあとの爆発音などが鳴るが、どれも質が悪くやかましいだけ。
  • (この出来で)ディスク2枚組なのだが、ゲーム中にディスクを切り替えることができない。
    • 要するに、ディスク変更の指示が出た際は一旦セーブしてからリセットして電源を入れ直し、ディスク2を入れ直さなければならないのである。
    • さほど面倒なわけではないが、技術力不足もはなはだしい。
  • ムービーと移動時、戦闘時でキャラの肌の色が変わるなど、ポリゴンの造形以前の問題がある。
    • 仲間キャラの一人のファラはピクシー(妖精)と言う事もあり、主人公の肩に乗れるぐらいの大きさなのだが、マップ上では明らかに巨大化しており、戦闘中は人間サイズになっている。それに関する説明などもちろん無い。他の技術的な拙さを見る限り、ピクシーのサイズにポリゴンを縮小する技術が無かったのだろう。

評価点

無い

  • 繰り返すが、本作はRPGどころか、まっとうなゲーム作品においても突出した長所はおろか、まともな点すら殆ど見つからない。RPGとしてのストーリー性や戦闘バランスは悉く壊滅、基本的な操作性やUIも劣悪、その他BGM等のビジュアルも直視に耐えない…等、ゲームとして評価出来る箇所がほぼ水準に達していない。どう贔屓目に見てもこう断ずる他無い出来栄えである。
    • 出来そのものは劣悪でも、他の作品には無い斬新な試みや独自のシステム等で僅かながらも評価を得ているクソゲーも多いが、本作にはそういった要素すら無い。
      • 強いて言うなら、上述した買い物時のボイスが他作品には無いシステム…と言えばそうかもしれないが、元から(プレイヤーの心証的な意味で)プラスに働いているとは到底思えない要素故、これを評価点とする事は不可能であろう。
    • 本サイトでも「評価点なし」あっても「評価点(?)」な扱いなゲームは幾つか存在するが、特筆すべき点は、評価をどん底まで落としている理由が作品全土に渡るパクリ疑惑超弩級の原作レイプ等といったプレイヤーの反感を買うような事情では無く、純粋な出来の悪さに集約されているという事である。そういう意味では本作はまだマシ…という見方は出来なくもない…かもしれない。
    • ゲーム以外で強引に評価点を作るとするなら、冒頭でも述べた通りパッケージのイラストは時代を考えるとまともであり、それなりに味は出している。無理に3Dにせずドット絵やイラスト等を用いてこれを再現出来ていれば、ある程度は評価もマシだったかもしれない。

総評

あらゆる点が『FF7』どころか企業の手がける商業作品としての最低水準にすら達していない有様。
これで、あの名作と肩を並べようとしていたとはおこがましい事この上ない。
スターオーシャン セカンドストーリー』や『ゼノギアス』と言った傑作RPGと同じ年に発売された事が不思議でならない、まるでクソゲー愛好家を狙ったかのような超級クソゲーである。
しかし、クソゲー以前にゲームとしての知名度自体がかなり低く、クソゲー愛好家にとっては非常に魅力的(香ばしいとも言う)な内容に反して、『里見の謎』『黄昏のオード』といった有名なクソRPGの影に隠れがちで、存在を知らないクソゲーハンターは意外と多いと思われる。


追記

  • 97年に行われた東京ゲームショウの日本システムブースに出展。声優を招いてスタッフとのトークイベントなどを行っていた。しかし、この出来で何を話すことが(ry
  • 別のイベントでは体験版も配布された。戦闘開始時のカットインなど、製品版との違いもチラホラみられる。
  • なんとサウンドトラックドラマCDが発売されている。誰得…なのだが…。
    • もっとも、どちらも本編ほど出来は悪くなく、サントラ中の音源はゲーム中に比べてある程度マシなものにはなっている。
    • ドラマCDの内容は本編前日談。本編では少なかった声優の演技力が輝き、普通に楽しめるものになっているらしい。
  • キャラクターデザインは楓牙氏。現在成人向け漫画家として現役活動中。

参考動画

+ 体験版。木っ端微塵シーンに注意 http://www.nicovideo.jp/watch/sm187980
+ 製品版。アンシャントロマンのイベント集 http://www.nicovideo.jp/watch/sm26589817

添付ファイル

*1 もしくは英語の「ancient」と仏語の「ancien」(一般にアンシャンと表記される)を混同というかないまぜにした結果かもしれない。

*2 『MOTHER2』の地底大陸のようなフィールド表示、と言ったら分かりやすいか。しかし、あれは広大なフィールドと巨大な敵シンボルを表現する為の演出手法だが。

*3 もっとも、それらのRPGでも大概「異文化の代物」等相応の説明があった上で取り扱っているが、本作ではそのような説明は一切無い。なのでファンタジー世界に現代モノをねじ込まれてる違和感しか無い。

*4 ただし有名TRPG『ソードワールド』の貨幣単位が「ガメル」である(この影響で掲載誌『ドラゴンマガジン』初期の読者ポイントもガメルであった(『ファミ通』で言うところの「ガバス」))。おそらくは「がめつい」「がめる(こっそり盗む)」から来ているのだろうが。

*5 移動時に限っては、なぜか残り個数は表示される

*6 1000年前理不尽にも吹き飛んだ文明。普通こう言うのは「遺跡」と言うのだが…。

*7 イベントで訪れる薬屋の店主が脈略も無く「金じゃねぇー!誠意だ!誠意を見せろ!」と言ってきたり。

*8 これについても例の如く本編中に両者が関係を深めるような描写やイベントが殆ど無く、ラスボスを倒したら結婚しよう…的な伏線も一切無い。

*9 但し、それでもお世辞にも良曲とは言えないクオリティだが

*10 後に『東京ミュウミュウ』『LORD of VERMILION』などで主演。本作の出演声優では一番大成した。

*11 『電車でGO!』の鉄ちゃんなど。後に『ゆめりあ』『グリーングリーン』などにも出演。