SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.13 THE 悪魔ハンターズ ヱクソシスター

【しんぷるにせんごひゃくしりーず ぽーたぶる ぼりゅーむじゅうさん ざ あくまはんたーず ゑくそしすたー】

ジャンル セクシー・マルチプレイオンライン・アクションゲーム
対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 D3パブリッシャー
開発元 タムソフト
発売日 2009年12月23日
定価 UMD版:2,500円(税抜)
ダウンロード版:2,000円
判定 なし
ポイント 慣れれば軽快でアクション自体はそこそこ良好
カメラワークが極悪で取っつきは悪い
バランスやバリエーションもイマイチ
キャラグラのパッケージ詐欺
SIMPLE2500シリーズ Portable!!


概要

4人のシスターを操作して悪魔を掃討するアクションゲーム。
低価格ソフトシリーズ『SIMPLE2500シリーズ Portable!!』の13作目にして最後の作品。
元々『エクソシスター』としてフルプライス発売される予定だったのだが、SIMPLEシリーズの廉価作品に変更された。
タイトルも『THE 悪魔ハンターズ クソシスター』と変わっているが、実際はもっぱら「エクソシスター」と表記される。
最大4人での協力プレイも可能。

ゲーム内容

  • ミッション形式の3Dアクションゲーム。
    • 各ミッションのクリア条件は目的地への到達、特定モンスターの撃破、モンスターの一定数撃破といったところ。
      • MAPのところどころがバリアで閉ざされており、近場にいる中ボス格のモンスターを倒すことでルートが開通する。ザコ・中ボス共に多く登場する。
  • ゲーム全体は5ステージに分かれており、1ステージにつき8ミッションあるので計40面ある計算になる。ボリュームはなかなかのもの。
    • ステージの最後には巨大なボスモンスターが登場するミッションもある。
      • 巨大モンスターと戦う際は悪魔版『モンスターハンター』といったような雰囲気になるが、ゲーム全体を通してみると主にザコ集団を蹴散らしていく作品となっており、共闘型ゲームとしてはやや異色。
  • 4人のシスターはそれぞれ「闘剣(剣)」「機銃(銃)」「戦斧(斧)」「バーストランス(槍)」を装備しており、それぞれで特性が異なる。レベル等の成長要素はない。
    • 「剣」はオーソドックス、「銃」は攻撃力が低いが遠距離攻撃可能、「斧」は重いが攻撃力が高い、「槍」はやや重め+攻撃力高めと基本的にはイメージ通り。
      • 「槍」は、バーストランスというネーミングからも分かる通り、槍というよりは明らかに『モンスターハンター』のガンランスだが…。
    • 一部には、属性や追加効果の付いた武器もある。敵の属性は色合いで判断可能。
    • 防具は「頭」「胸」「腰」「足」の4部位それぞれに装着する。
    • 補助装備として、遠距離攻撃や回復などの効果を持つ「ロザリオ」も1つだけ装備できる。
    • ミッションによっては、特定キャラクターでしか挑戦できないものもある。
  • ほとんどの敵は体力が尽きてもダウンするだけで消滅しない。さらにダウン後に一定時間が経過すると体力を少量回復し、何度でも復活する。最序盤のザコですらこの特性を持つ。
    • 完全に倒すには「レクイエムスペル」という攻撃で、敵の「魔体力」を0にする必要がある。
    • レクイエムスペルは通常の攻撃とは別物扱い。ダウン中の対象に近づいてボタンでゲージを溜め、ボタンを離すことで発動。対象にレーザーが飛んで行く
      • 自動照準なので狙う必要はないが、溜めている間に攻撃を喰らうとキャンセルされることも。対象が画面内に入っていないとゲージは貯められない。
    • レクイエムスペルは1体に集中攻撃用のものと複数体に一斉攻撃用のものがあり、戦闘中任意に切り替えられる。
  • 敵は倒すと素材を落とす。素材を集め、お金とともに店で引き換えることで強い装備やアイテムを手に入れることが可能。
    • 最近ではよく見られる『モンスターハンター』系のシステムだが、「剥ぎ取り」「拾う」などの手間はかからずテンポは削がれない。
    • お金は障害物を壊すことでも入手できるが、基本的には素材の売却収入がメインになる。
    • 体力が尽きたりリタイアしたりでミッションが失敗になっても、素材は持ち帰れる。
  • オンラインに対応しており、先述の通り最大4人で協力プレイも可能。
    • ステージの構成自体はオフライン版と変わらないが、獲得できる素材が異なり、敵のステータスが強化される。特にボス勢の強化は凄まじく、通常時とカラーも異なる。
      • オンラインモードを1人でプレイすることもできる。クリア達成率はオフライン・オンラインの総計で計算されるので、フルコンプには計80面クリアしなければならない。

評価点

  • 攻撃手段の少なさから最初は□ボタン連打のゴリ押しゲーになりがちだが、慣れるとそれなりの奥深さが出てくる。
    • ジャンプ中は攻撃前に攻撃を受けると大ダウンしてしまう代わりに攻撃の隙が少なくなるなど、単純な操作ながらテクニックや駆け引きは存在する。
    • 慣れるとロックオンや緊急回避を交えて攻撃と回避をうまく繋げられるようになり、最初の印象とは裏腹に意外な楽しさが生まれてくる。
  • ロード時間がさほどなくキャラクターの移動速度も速めなので、全体的なテンポは良い。
  • 攻撃力のインフレが比較的速く、ダメージの増えていく様が楽しい。
    • 序盤は10前後のダメージが珍しくないが、ゲーム終了間近では1000前後のダメージが乱れ飛ぶ。
      • 稼ぎがてら以前のステージを遊び直すと成長を良く実感できる。
  • ほとんどの敵がレクイエムスペルを撃たないとトドメを刺せないので、敵をダウンさせても気が抜けない。
    • しかしレクイエムスペル自体は非常に派手な技で、シューティングゲームを彷彿させるほど。
      • ゲーム上で面倒くさそうな行為を、悪魔討伐という題材にうまく絡めている他、協力プレイでは他のゲームと違った達成感が得られる。
  • 装備品や素材に独特のセンスがある。
    • 素材は「光る目玉」「太いチューブ」などの何となくそれっぽいものから、「カンニング用紙」「萌えフィギャー」「死霊の腸」などの謎アイテムやパロディアイテムもある。
    • 装備品には「学生服」「メイド服」などが揃っており、キャラクターにコスプレさせることも可能。
      • あまり「萌える」系の3Dではないので、コスプレさせても若干微妙なところではあるが…。
    • 装備品にはそれぞれ説明文が付いており、小ネタも入れられている。
      • SIMPLEシリーズなど、D3P他作品ネタも入っている。「メイド服」シリーズはどう見ても『ドリームクラブ』の制服。
      • ジャンルが近いからか、全体的に『お姉チャンバラ』シリーズネタが多め。強力な武器の多くがお姉チャンバラネタとなっている。
  • キャラクターの3Dグラフィックは後述の通りはっきり言って可愛くないが、周囲の背景などはかなり良く描きこまれている。
    • 巨大なオーガや悪魔の取りついたバイクなど、ボスモンスターのデザインもどれも悪くない。ゲームの雰囲気はある程度活かされている。

問題点

  • カメラワークが非常に悪い。
    • 慣れないうちは、一旦逃げた後振り向いて敵にカメラを合わせ直すだけでも一苦労する。レーダーなどのフォロー的システムもないため周囲の状況を掴みづらい。
    • 特に壁際が最悪で、モンスターに向くようにカメラを直しているうちに攻撃を受けまくるということがやたらとある。
    • 更に悪いことに、最初のステージは教会が舞台であり、戦闘シーンは狭い廊下や部屋ばかりと、このゲームの操作感の悪い部分を見せつけるような作り。
  • チュートリアルがなく、基本戦術が学びにくい。
    • 最初のミッションで「敵は体力を0にした後レクイエムスペルを使わないと倒せない」と最低限進行に必要なことを教えてくれるが、あとは全て手探り。
    • 説明書にも操作方法以上の説明は無い。評価点で挙げたようなアクションの工夫は自分でする必要がある。
  • バランスにもいくらか欠点はある。
    • 緊急回避の無敵時間が長く、タイミング良く緊急回避を連発していればダメージは一切受けない。ヌルゲーになっている訳ではないが、かなりバランスの取り方が荒削り。
    • 同様に、ゲージを消費するものの時間さえ置けば無制限に使える回復系ロザリオの存在もややバランスブレイカー。
    • 映画『シザーハンズ』を彷彿とさせる切り裂き悪魔のザコ敵が妙に強い。行動が速い、攻撃力も高い、飛び道具持ちと危険度が段違いである。
  • キャラクターの初期状態が弱い。
    • 「剣」の場合、一番弱い砲台系の敵でも4~5発、普通のゾンビを倒すのに10発、それ以上の敵だと3~40発ほど必要。これが一度に2体~4体は出てくる。
    • 「銃」はもっと悲惨。100や200ある体力を3とか4とかでちまちま削らないといけないため、最初のミッションでも苦行になること必至。
    • 強化による成長が大きいので序盤を越えればこのようなことはなくなるが、上記の問題と併せてゲームの取っつき辛さに拍車が掛かる。
  • 装備品がキャラ間で着回しできないため、細かい武具を買うにも資金を浪費させられる。
    • 前述の通り特定キャラ強制出撃のミッションがあるため、普段使わないキャラを使おうとするとまた武具が買い直しになる。
    • 各キャラ獲物が異なる点で武器が流用できないのは妥協するとしても、せめて防具はある程度着回しさせて欲しかったところである。
  • 装備品のグラフィックが使い回し。
    • 武器は色違いが多いが、ネーミングや説明文のネタがそれぞれ異なるので許せるレベルではある。
    • 問題は防具。「バニー服」系であれば、「バニー服・闘」「バニー服・弐」「バニー服・電」……これらは完全な色違いで説明文もまったく一緒。
      • 「200種類以上の装備アイテム」と謳われているが、結局武器も防具も各10パターン少々で、後は全て色違いである。
  • キャラクターに、やたらとタッチの異なる2種類のイラストが存在する。
    • パッケージには萌え系、またはかわいい系の「女の子」達が描かれているが、ゲーム内では無骨で萌え要素には乏しい「女性」イラストである*1
    • 発表当時はゲーム内イラストのパッケージであったが、発売中止とSIMPLEシリーズへの変更発表と同時に現在のイラストのパッケージに差し替えられた。
      • 当初の絵では売れないと思ったのかもしれないが、モデリングはそのままでありパッケージ詐欺寸前である。しかもモデリングはどちらのイラストにも似ていない。
  • セーブ確認が鬱陶しい。ミッションの終了時はともかく、ミッション選択のキャンセル時、ショップや装備変更から戻ってきた時などにもいちいち聞かれる。
    • ゲーム開始時にオートセーブ対応の表示が出るが、オートセーブに対応しているのはオプション設定だけである。
  • オンラインモードは、ボスの体力や攻撃力が増えているぐらいで基本的にオフラインモードの使い回し。

総評

少し触っただけではただの連打ゲーにしか思えない点、序盤のきつさなど強いとっつき辛さがどうしても目につく。
SIMPLEシリーズとしては珍しく体験版も配信されているが、正直なところ購買意欲を削がれたプレイヤーの方がずっと多かっただろう(実際そのようなコメントが散見される)。

ゲームに慣れると、モンハン系作品のフォロワーらしき部分は見えるがある程度やりたかったことは伝わる作品である。
もっさり感などはなく、カメラの問題を別にすれば軽快な動きは魅力でストレスはさほど溜まらないのはアクション作品として有り難いところだろう。
ただそこまで行くまでに萎えてしまう可能性が高いのも確かであり、可愛くないキャラグラ、取ってつけたストーリー、使い回しの衣装など他の欠点も多々指摘される。
クソゲーと断じるほどではないが、やや単調な作りもあって価格相応とは言い難い。

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最終更新:2022年12月22日 19:48

*1 公式サイトのキャラクター紹介ページではカーソルを合わせるとゲーム内イラストが表示される。