スペクトラルタワー

【すぺくとらるたわー】

ジャンル RPG
対応機種 プレイステーション
発売元 アイディアファクトリー
発売日 1996年10月4日
定価 5,800円(税抜)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
※ゲームアーカイブスで付与されたレーティングで記載
配信 ゲームアーカイブス
2007年5月31日/600円(税込)
判定 クソゲー
ポイント ひたすら塔を登る
戦闘は運ゲー
セーブポイントも運ゲー
ネバーランドシリーズ


概要

後にコアなファンを作る事になる『ネバーランドシリーズ』の記念すべき第1作。
数多く展開されるシリーズの中では外伝的作品だが、シリーズ世界観の基礎はこの頃から出来ている。
本作はシレンシリーズのようなダンジョン探索型RPG(ただし地形はランダム生成ではなく全て決まっている)で、特に有名なのが、最後に登る事になる10000階の塔『最後の塔』である。
比喩ではなく、真面目に(アイテムでいくつか階層をスキップ出来るが)1万階を登らされる。


特徴

  • 登る塔は最初10階、20階、100階から選択出来、それをクリアすることで1000階、さらにクリアする事で10000階の最後の塔が攻略可能になる。
  • 戦闘はサイコロを振ることで行われる。
    • 出目によりヒット、ミス、クリティカルと結果が変わり、能力が上がるとヒットの出目が増える(1~2だったのが1~5になる等)。
    • 最終的に能力値が上がり全出目でヒットとなると、戦闘が省略され、敵にぶつかるだけで勝利となる。
  • プレイヤーには職業があり、番号を入力する事で転職出来る。
    • 基本職(10種類)の数字は、ゲーム中で記されたパピルスが手に入る。
    • 上級職は基本職の番号を組み合わせることで転職可能。
      • 例として旅人(95-4300)の番号を二つ組み合わせる(190-8600)事で、案内人になる、等。

問題点

とにかく退屈。このゲームの問題点は概ねこの一言に集約される。

  • 敵とは接触しない限り戦闘が発生せず、また成長要素が低い為、とにかく雑魚を避けてひたすら次の階への鍵を探すゲームになりやすい。
    • 成長したらしたで、敵とぶつかっても即勝利となる為、やはりひたすら歩き回るだけのゲームになる。
  • 戦闘自体もサイコロを使った運ゲーであり、必殺技も成功するかどうかは運次第。
    • 戦略性が低い為、戦闘になったとしてもひたすら退屈な上、敵の攻撃は良く当たる。
    • ちなみにサイコロ運が絡む為、運が悪いとゲーム開始直後に何も出来ずに殺されて終わる事も普通に起こる。
    • 特技もサイコロこそ表示されないものの、発動するかどうかは運任せ。アイテムを神に捧げて祈る(1個失う)技に至っては、どのアイテムを捧げるか自分で選ぶこともできず、さらに一定の確率でただアイテムを失うだけで何も起こらない。
  • 戦闘中にアイテムを使用できない。その為、回復技が使える職業でない限りは、回復アイテムを持っていても戦闘中に回復が出来ない。
  • 戦闘に勝ってもほとんど成長しない。
    • 正確にはレベルアップもするし、能力値も上がるのだが、いざ戦闘に入ってもサイコロに成長がほぼ見られない。
    • 基本的にはメダルによる能力アップか上級職を目指す事で成長させていく事になるが、敵はどんどん強くなっていくので、成長が追いつかない事が多い。
  • セーブポイントがランダム
    • ランダムに出現するセーブの像が出ない限りはセーブが出来ない。
      • その為、運が悪いと1時間以上もセーブできない事も。
      • さらに、間違ってセーブをキャンセルしてしまうとやり直し不可能で、像は消えてしまう。
  • RPGでは基本中の基本である「出発前の準備」らしきものが不可能。弱い武器等の余ったアイテムを店に売る・作り変えるといった低リスクの有効活用システムも存在しない。
  • 説明書には最低限の事柄しか書かれておらず、あとはゲーム中の会話で解説される。

評価点

  • シリーズ全般に言える長所だが、裏設定は凝っている。
    • 後の『スペクトラルフォース』に本作のプレイヤーキャラの職業を思わせる登場人物が多数存在する、ボスキャラにもプロフィールが設定されている等。
  • プレイを重ねて解禁されていく職業は豊富で個性豊か。凝った衣装のものも多い。
    • かつて『ゲーメスト』の関連書籍でゲームキャラのコスプレ特集の本が出た時、数ページにわたり本作のコーナー(様々な職業のコスプレ)があった。そこだけ見ればゲーム本編に純粋に興味を持ってしまいそうになる程。

総評

結局は運ゲーになるので戦闘を楽しめない上、戦闘以外の攻略を楽しもうにもひたすら退屈。
さらに、100階ですらきついのに、それをクリアしたら1000階の塔、そして最後に10000階の塔と、苦行者や登塔者でもない限りはまともに最後までプレイすることすら厳しいゲーム。
実はシナリオ的にはそれで正しかったりするのだが、それをゲームにする事自体にスタッフは疑問を感じなかったのだろうか?
『10000階の塔をただひたすら登るゲーム』として、ある方面では有名なゲームだが、うかつに手を出すと時間の無駄遣いというものを実感する事になる。
何故か PlayStation®Networkで配信されているが、軽い気持ちでやるなら「100階の塔をクリアできればいい」程度のつもりでやった方がいいだろう。


余談

  • ソフト予約特典として「英雄のピンズ」というものが貰えた。またダンジョン「1000階建ての塔」をクリアしてその画面を写真に撮って送ると、先着順で「超戦士のピンズ」が貰えた。さらに「10000階建ての塔」のクリア画面の写真を送ると、「天空戦神のピンズ」が貰えた。
    • この3つのピンズを組み合わせると「エンブレム」と呼ばれる1つのバッジが完成する。このエンブレムの裏面には、ゲーム攻略の上で重要となる情報が書かれているというのだが…。
      • このストレスの溜まるゲームで、1万階のダンジョンをクリアしようとする人がいるだろうか?
      • さらにそこまでやり込んだ人なら、大抵の情報は知っているのでは?
    • なおこのピンズ、3つ揃った状態でネットで売られていたりするが、社員が横流ししたのか、それとも本当にクリアした人がいたのだろうか…。
  • およそ二年後には続編『スペクトラルタワーII』が発売されるが、その内容は…
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最終更新:2021年07月21日 16:14
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