黄金の絆

【おうごんのきずな】

ジャンル アクションRPG
対応機種 Wii
発売元 ジャレコ
開発元 タウンファクトリー
発売日 2009年5月28日
定価 6,800円(税別)
レーティング CERO:B(12才以上対象)
アイコン:暴力
判定 クソゲー
ポイント 2009年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門次点
発売前から地雷臭
ゲームバランス適当すぎ
長すぎるロード時間
ボスの骨組みが使いまわし
開発期間3年、開発費4億円
なのに売上2,000本
メーカー社長がクソゲーと認める
ファミ通レビューで17点、更に特集で吊るし上げ
う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん゛
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧


概要

「絆」をテーマにした(らしい)3DアクションRPG。
通称「オゴーナ」「キズーナ*1オギャー*2など。2009年KOTY四天王の一つである。

一度に最大数十匹クラスの大量の敵を殲滅する、いわゆる無双系の要素が含まれており、主人公より遙かに巨大なボスと戦うシーンもある。
「ペンシルシェーディング」と呼ばれる柔らかタッチの描画も特徴。
依頼された戦闘クエストや「絆クエスト」と呼ばれるイベントクエストをクリアすることで、本編のストーリーに挑戦できる形式になっている。


問題点

システムについて

  • 異常に長いロード時間
    • 最も長くかかるのが全体マップからダンジョンに入る際のロードで、最大40秒強。メニュー画面を呼び出すだけでも数秒読み込む。
    • 町に入る際のロードは15秒程度なのだが、読み込みが完了しておらず、町人が遅れてポツポツと出現してくるなんてことが起こる。
  • メニュー画面は街でしか開けない。このため、戦闘中は使用アイテムの入れ替えや装備の変更ができない。
    • 要するにダンジョン内で回復アイテムなどを拾ったとしても、街へ戻ってセットして来なければ使えないということである。
    • 後戻りできないラストダンジョンでは、セットする機会がなくなってしまうためアイテムを獲得しても役に立たない。お金も同様。

ゲーム内容について

  • 戦闘は極めて単調で、しかもそれが最初から最後まで続く。攻撃の当たり判定も大雑把。
    • レベルという概念がなく、成長はステータス上昇アイテムの購入と武具の装備のみで行う。
    • それだけなら他のRPGでもよくあるのだが、それ以外の技の習得や強化といった要素が一切なく、成長の楽しみが薄い。
    • かと言って元から取れる行動が充実しているかというと全然そうではなく、攻撃はパターンが少ない上に他にできることはガードとアイテムの使用程度。
    • 武器を変えても攻撃モーションは全く一緒。武器種ごとの必殺技はあるが、実用性のあるものがほとんどないので意味は薄い。
      • 具体的に決め技を説明すると、コンボ中にBボタンで発動できる5段階のフィニッシュ技と、ゲージを消費してA+Bボタンで発動する武器ごとの必殺技がある。フィニッシュ技は4段階目(5コンボ後にB)の広範囲技が強くて他が霞んでいるし、武器必殺技はゲージを消費する割にフィニッシュ技と威力が変わらないので使う意味はない。
    • 敵は消費系のアイテムしか落とさないので、レアアイテム収集などの楽しみも湧かない。
    • 雑魚敵は大量に出現するが、動きがとても悪く攻撃頻度が低い。一度に攻撃してくるのはわずかな数の敵だけで、大半の敵はほとんど棒立ちと言っていい状態。恐らく複数の敵の動作を処理する技量が無かったのだろう。
      • 画面に雑魚敵が増えてくると、表示し切れない分が一時的に透明になって消えてしまう。処理落ちよりはマシかもしれないが、五十歩百歩である。
      • バリエーションがある訳でもなく、行動に特徴があるような雑魚敵は碌に出てこない。一応、ボスは飛び道具やワープなどを使ってきたりはする。
  • ゲームバランスが悪く、シナリオ進行に合わせ敵の攻撃力が極端に向上する。
    • さらに、最初のダンジョンで雑魚にHP全快の状態から一撃で倒されたという報告もある。調査によると、敵の中には他の雑魚と全く同じ姿でありながら、3倍くらいの攻撃力(≠3倍のダメージ*3)を持つものが紛れ込むことがあるらしい。「無双シリーズ」の「真・三國無双」で例えるなら「一般兵の中に、全く同じ姿で呂布が潜んでいた」と言えば一発で分かるだろう。
    • 主人公がダメージを受けたときの無敵時間がないため、一撃で死なずともかの『クロスソード』や『デスクリムゾン』のように不条理なタコ殴りを受けて死亡することも。なんなんだこのゲーム
  • 攻撃などの戦闘エフェクトが大変ショボい
    • 特にひどいのが効果音で、とにかく臨場感というものがろくに感じられない
    • 剣撃の音は「ジャキンジャキン」とうるさいだけで当たった感触が全く感じられず、迫力は皆無。おまけに当てても外しても音が全く変わらない。それくらいの差分は制作するべきなのだが。
      • そのお陰で、ヒット確認がしづらい。一応、ヒット時に火花のようなエフェクトが出るようにはなっているが。
      • 既に述べた通り当たり判定自体が大雑把な上に相手の体力を示す指標もほとんどないので、攻撃が効いているのが実感できない虚しさの中、ただただ機械的に攻撃を続けることになる。
    • 売りである巨大ボスが踏みつけてきた際の地響きの音も、木造家屋で歩く人の足音程度の短く軽い「ドスッ」という音が鳴るだけ。
  • ラスボスと隠しボスを含め「巨大ボス」が5体登場するが、骨組みの部分が完全に使い回されており、攻撃モーションなど基本的な造形がどれも全く一緒。
    • 倒し方は「足を攻撃して転倒させ、手をついたところを攻撃。手へのダメージが蓄積すると相手に一段階ダメージ」という流れなのだが、基本的にひたすら足を斬り刻む時間が大半を占めるため、戦闘が非常に作業的。
    • 巨大ボス側からの攻撃も、踏みつけやパンチといった地味なものが大半。効果音のしょぼさも相まってどうしようもない。
      • 巨大ボスが手足を振り上げた際も、こちらの攻撃の当たり判定は元々手や足があった空間にあるという露骨な手抜き。
    • おまけに後半の巨大ボスは体力が無駄に高く、足を斬り続けるという作業を20分近く続けさせられる。
  • ボイス付きのムービーや通常時の3Dグラフィックはそこそこの出来だが、問題はメインシナリオ内の一般会話シーンで、演出のチープさが目も当てられない
    • 画面下のテキストの上で、3Dキャラクターが人形劇のように動くだけというもので、これが実際に見ると非常にしょぼい。
    • おまけにボイスもない上、キャラクターのモーションも貧相であるため人形劇どころか「動く絵本」レベルである。
      • 具体的に言うと、テキストでは「相手に掴みかかる」「突如斬り掛かる」などの緊迫したアクションが行われているのに、3Dグラフィックでは棒立ちだったり、「横にスライド移動して戻る」だけだったりするなど、一部におけるテキスト内容とキャラクターの動き・演出の乖離が余りにも酷い。本当に4億円もかけたのか?
      • キャラクターは口パクさえしないし、目線もろくに合っていない。これなら2Dの立ち絵会話の方がよっぽどマシと言えよう。
    • オープニングやエンディングを含め、ストーリー上重要な会話でもムービー以外はこの会話形式である。
  • その他妙な演出も多々。
    • 街中で町人に話しかけると、視点が急に大きくズームアップして、話が終わるとズームアウトして元に戻る。誰かに話しかける度にいちいちこれを繰り返すためテンポが悪く、視覚的にも非常に鬱陶しい。
    • 「サディアス」という魔王の息子が度々登場し、中盤~後半にかけて何度も戦闘することになる。キザな言動の優男なのだが、攻撃のコンボフィニッシュで吹き飛ばすたびに「う゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん」という奇声じみた叫び声を上げて倒れる*4。笑わせにかかっているとしか思えないレベル。
      • そのあまりにブッとんだ叫び方は酷評を通り越してネタとして扱われ、「4億の叫び*5」という名前まで付けられてしまうことに。
        + 参考動画
  • こんな出来にもかかわらず価格は6,800円とフルプライス。

評価点

  • 声優の演技に関しては、おおむね問題ない。
    • 名前はスタッフロールで確認できるが、全員専門学校生や舞台役者であるらしく、検索してもほとんど情報は出てこない。
      • 前述の「サディアス」も、ボイスの使い所がおかしいだけで、演技は問題ない。なお、彼を担当しているのは専門学生時代の古川慎*6であり、奇しくもこの作品がデビュー作である。
  • 上述の通り、処理落ちはない、ボイス付きのムービーや通常時の3Dグラフィックはまずまずの出来、声優の演技は頑張っているなど、細かい部分における評価点は無いこともない。

総評

3年の開発期間・4億円の開発費という大掛りとは裏腹に、その10分の1のコストや情熱も感じられない問題だらけの作品となってしまった。誇張抜きでこの100分の1以下のコストで製作される昨今の3D同人ゲームの方が遥かに上質と言い切れる程。
ロード時間の長さ、演出、アクションなどのクオリティの低さなどはファミ通のクロスレビューでさえ指摘されている事項である。
単調ではあるが、バランス崩壊するほどの敵が存在するため悪い意味で気が抜けないゲームバランスも擁護のしようがない。
メーカーの広報についても問題点が多く、ゲームと直接の関係性はないにせよ、プレイヤーの度肝を抜いたことは間違いない。
ゲーム、広報戦略どちらをとっても問題点が多く、2009年のKOTYではSSαにクソ度を肉薄させ、見事に次点入りとなった問題作である。


広報などにおける問題

  • トレーラーでのコピー曰く「Wii史上初、本格派ARPG登場」。まさに(笑)である。
  • 公式サイトでは一時期ソース内に無関係の他社ゲームの名称を混ぜて検索に引っ掛けようとしており、それを知ったネットユーザーに悪印象を残した。
    • そもそも近年は検索サイトのシステムも洗練されており、このような浅知恵を使ってもほとんど効果はないのだが。
      それどころか、こういった小細工を施すことはSEO*7上の明確なルール違反行為であり、「検索結果から除外される」というペナルティをサーチエンジンの運営側から科されることすらある。
    • 他にも自己主張の激しい開発者紹介欄や改行のおかしい文など、仮にもコンシューマーゲームの公式サイトとしてどうかという点が多い。
    • さらに公式サイトでは、ストーリーやキャラの紹介よりもスタッフ紹介が上にきている。
      • 普通は各種項目の最後に置くものだが、よほどスタッフに自信があったのだろうか。
  • 公式掲示板が、なぜか5ちゃんねるやしたらばなどで使われている、いわゆる「2ch型」のスレッド掲示板。
    • 当然の如く、愉快犯が多数流入して単発スレッドが多数建てられるなど大荒れ(所謂「祭り」)状態になり、公式掲示板として全く機能していなかった
    • 掲示板の表題としてトップに書いてあった「黄金の絆に関することがらです」という文言も微妙におかしい。
  • さらに、TVCMはスタッフの正気を疑うほど飛びぬけたもので、悪い意味でインパクトを残してしまった。
    • 問題のCM(うち後半のCM未公開)
    • ちなみに未公開となったCMのうち、一つは非常にまともな出来である。公式サイトでも閲覧できたのだが、現在は公開終了。なぜこちらのCMを未公開にしたのか理解できない処置である。
      • もう一つのほうはあまりに意味不明すぎて、未公開にして当然の処置ではあるが。
      • ちなみにCMに使われている曲は、ドラマ主題歌として知られる「ぼくたちの失敗*8のカバーバージョンである。
        歌そのものはゲーム内容に全然関係ないが、曲名が作品の出来を見事に表しているのがなんとも皮肉である。
  • 通販サイトAmazonでは1ヵ月で価格が大暴落した。評価はほとんど★1しか付いていない
    • 数少ない高評価も殆どは賞賛の体を成した嫌味だったり的外れな擁護だったり、低評価へのやっかみ(中傷行為)ばかりと悪質なものばかりである。

その後の展開

  • 崩壊へのカウントダウンなる冗談じゃないキャッチの謎企画が始まる。そして…。
  • 「the rpg(仮)」なる、ユーザーからのアイディア・デザインを募りそれをゲームに盛り込むという企画を発動。『WiZmans World』(ワイズマンズワールド)と改名し、最終的に2010年2月25日にニンテンドーDSソフトとして発売。
    • 本作とは一転してそれなり…どころか当Wikiで良作判定となる程しっかりした作りだったが、色々あって全く期待されていなかったとか。詳細は↑クリック。

余談

  • 開発費4億円という部分について
    • 金額自体は大層な数字のように聞こえるが、実際のところゲーム開発の人件費は資材など含めて「1人につき月100万円」と言われており、それをそのまま当てはめると10人で3年がかり+その他外部委託費や広告費や諸経費、と言った塩梅であり、大げさに喧伝するほどの数字ではなかったりする。
  • こんな出来ではあるが、無料配布されたチラシは非常に熱が入っており、これだけ見れば良作に見える程の出来栄えであった。
  • ジャレコの加藤貴康社長は「3年の開発期間と4億の開発費をかけた」と述べていたが、ブログに寄せられた「黄金の絆のクオリティに関して満足しとるんですか?」というコメントに対し、「満足してるわけねーだろ!あのクソ開発会社め!」と返して開発会社をこき下ろした。
    • 付記しておくと多分にネタを交えたブログのコメント返し上での発言である。他の批判コメントに対して「私の監督不行き届きでした。ごめんなさい。」とも書いてはいる。
  • ファミ通のレビューでは17点(5/4/4/4)という相当な低評価*9を受け、発売後は特集「あのゲームが失敗した理由」にも載った。
    • なおそのインタビューではエグゼクティブプロデューサーの星直樹氏の発言が掲載されたが、「あれが精一杯だった」「データ量が増えロード時間を増やさざるを得なかった」「次回は教訓を活かしたい」などと言い訳臭い要点を避けたコメントが続き、挙句の果てに「バトルシステムについてはなかなかうまくできたと思っている」などといった発言も。
    • ちなみに、この特集では、クソ格ゲーの代表『ウィンディ×ウィンダム』や、2009年KOTY据置機部門次点作『戦国天下統一』なども挙げられている。