機動武闘伝Gガンダム

【きどうぶとうでんじーがんだむ】

ジャンル 格闘ゲーム
対応機種 スーパーファミコン
メディア 16MbitROMカートリッジ
発売元 バンダイ
開発元 パンドラボックス
発売日 1994年12月27日
定価 9,800円
判定 クソゲー
ポイント こんな必殺技が命中するわけがない
あんまりな作中説明
ゴッドガンダムがベンチウォーマー
機体グラフィックは良好
ガンダムゲームリンク


概要

ガンダムシリーズの中でも異色作といえる作品『機動武闘伝Gガンダム』のゲーム化作品。前年に発売された『Vガンダム』同様放送中に発売された。
SFCにおけるガンダム格ゲーの代表といえば『新機動戦記ガンダムW ENDLESS DUEL』が隠れた名作として知られているが、本作はその一年前に出た事を考慮しても酷い。 システムとしては、攻撃に4ボタン、LとRで実行できるスライド移動(任意に発動・終了可能だが、特に派生できる動作などはない)、体力減少で出せる超必殺技等が存在する。


問題点

肝心の格ゲーとしての出来があまりよくない。

  • 超必殺技の隙が長すぎる
    • それぞれのガンダムには必殺技が設定されているのだが、主人公機シャイニングガンダムのシャイニングフィンガーソードは「必殺技を出されたら抵抗しない」というアニメのお約束を対戦相手が守ってくれない限り当てようがないくらいの隙を誇る。
      • ガンダムファイターのセリフに合わせてゆっくり動いているのかと思えば、シャイニングやゴッドの必殺技は原作より短く叫んでいる*1。もっとも、原作通り叫んでいたら更に隙だらけになってしまうのだろうが。
  • ダウンが非常に多い反面、追撃やダウン回避といった独自の基軸は無く、単に時間を消耗させるだけになっている。
  • 本作では、ジャンプからの着地時、一瞬しゃがみ状態になる。このため、飛び込みからのコンボは二発目が必ず下段になり、プレイの幅が狭い。
    • もっとも、このゲームで連続技の研究をした者など日本に存在するかどうか……ある意味問題ないと言える。
  • 機体ごとの性能差もかなりひどい。格ゲーとしては致命的な問題点である。
    • 作品の性質上、飛び道具を持っている機体がほとんどないのだが、その飛び道具の有無や、拘束技の有無、リーチの長さなどが機体によってばらばらで、かつそれらについて性能調整が不十分。一例としてドラゴンガンダムは装甲が薄く必殺技をガードしてもガリガリ削れ、ライジングは超必殺技含む多くの技の出が非常に早い。
  • 格ゲーとしての出来を求めなかったとしても、基本的なエフェクトがしょぼく、バランスとか駆け引きとか以前に、敵に攻撃をあてる快感がそもそも無い。それがあればせめてキッズは楽しめただろうが、本作は子供の目から見てもつまらなかった。

中途半端な原作再現

  • 登場ユニットはシャイニング、ゴッドとシャッフル同盟(マックスター、ドラゴン、ローズ、ボルト)、ライジング、シュピーゲル、マスター、そしてデビルガンダム。マンダラガンダムやネロスガンダムといった敵役はまだしも、サブヒロインのノーベルガンダムが居ない等チョイスに若干疑問が残る。
  • 講談社発行のゲーム雑誌覇王でのゲームインタビューやガンダム特集号によると、デビル四天王を初めとした重要キャラも当初は入れていたが、ゲームデバッグの際にフリーズする等の障害を起こしていた為、やむを得ず削除したとの事。
  • ストーリーは原作におけるネオ新宿編辺りまでしか再現されていない。それだけなら他のゲームでも見られる問題だが、本作は独自にデビルガンダムとの決着をつける事が出来る。その際、ドモンが「兄さん…なぜ…」と呟くだけで終わっているのだ。 どっちかと言えばこっちのセリフである。
    • ただしそうでもしない限り「俺たちの戦いはこれからだ!」エンド以外の手段がないので、それはそれで問題。
    • キョウジは登場人物で唯一声がついていない。もっとも、シュバルツ役の堀氏に二役をやってもらうと原作のネタバレになってしまうので止むを得ないが。
      • シュバルツはシュバルツで何故かネオエジプトに現れる。原作通りギアナ高地でよかったのでは?
      • ちなみにシュバルツはネオドイツ所属のゲルマン忍者。ネオエジプト代表のファラオガンダムは登場しない。出ていなかった場所ではないが、何故エジプトを。
    • シャイニング→ゴッドの乗り換えも唐突で、ドモンが一枚絵の前で「今度はこのゴッドガンダムで戦うぞ!」と言うだけ。条件は一定回数の敗北であり、特にストーリーイベントになってるわけでもない。そして別にシャイニングに比べて強くない…。
    • 原作のBGMは一切登場しない。オリジナルの曲はそれぞれのコロニーの特性を活かしたものとなっているが、音質は悪い。
    • 必殺技のチョイスも微妙。シャイニング・マックスター・ローズは妥当な必殺技が設定されているが、ボルトガンダムは「メガグラビトン」というオリジナル技。どれだけ凄いのかと思えばグラビトンハンマーが少し派手になった程度である。ドラゴンガンダムに至っては基本武装のフェイロンフラッグ。「宝華教典・十絶陣」や「無影脚」は存在しない。ガンダムシュピーゲルも「シュトゥルム・ウント・ドランク」ではなく「爆炎陣」というオリジナル技に差し替えられているなどおかしな点が多い。
      • ボルトガンダムの武装はバルカン砲とグラビトンハンマーしかない為仕方がないかもしれない。そして本来の超必殺技である「ガイアクラッシャー」は発売時未登場だった。シュピーゲルも同様で、発売時点ではガンダムヘッドに対して使ったことはあったが名前は登場せず、必殺技的描写もなかった。これらはアニメのネタばれになってしまうためある程度やむを得ないと言える。もっとも、ドラゴンガンダムは本来の超必殺技「真・流星胡蝶剣」が発売時原作未登場であったにしても擁護不可能。

賛否両論点

  • 2Pカラーのセンスが微妙
    • 格ゲーにつきものの2Pカラーだが、本作は当時連載されていた『コミックボンボン』の読者にカラーリングをお任せしたために一部微妙な機体がある。オレンジやピンクが多用された色合いはお世辞にもセンスがいいとは言えない。
      • 「プロのイラストレーターではなく小学生が書いたものなのでそこまで目くじらを立てる事ではない」「自分のデザインしたガンダムが作中で使えるのは嬉しいはずだ」といった意見もある。
  • 対戦モードではデビルガンダム以外の全てのユニットで乗り換えが出来る。
    • 中にはオリジナル必殺技が出る組み合わせもある…のだが、いかんせんキャラクターが少なすぎてすぐに飽きが来てしまう。オリジナル技は技名を叫ぶわけではないのもマイナス。
    • 超必殺技が封印されるのも、キャラゲーとして意味が解らなくはないが余計なお世話という感がある。

評価点

  • キャラクターはキョウジを除き全員がフルボイス。翌年発売された『ENDLESS DUEL』では声が出ていないため、この点は勝っているといえる。
    • ただし、BGM同様声が篭っていて聞き取りづらい。ストーカー役の秋元羊介氏が「○○(キャラクター名)・ウィン!」と言う場面は淡々としすぎている。また、レインや東方不敗の声は(声優は同じなのに)全く似ていない。
      • もっとも、SFCのデータ及びメモリ容量を考えれば低質で短いボイスになるのは必然である。そもそもボイスを入れること自体が困難な時代であった。
  • 機体ドットは良質。機体ごとの特徴をよく表現している。
    • ただし人間の顔はかなり微妙。正直全然似ていない。
  • デビルガンダムのデザインはオリジナルだが出来が良い。
    • 本作では最終回に先駆け下半身のついたデビルガンダムが登場。カトキハジメ氏自らがデザインを手がけている。このデザインはなかなか格好よく、『ホビージャパン』でも原形師の手により立体化された。

総評

ストーリーの再現不足は「この時代のゲームとしてはよくあること」であり、本放送中の発売である以上ネタばれを回避しなければならないという制約からやむを得ない部分も多いのだが、肝心の格闘パートの出来がとにかく悪い。キャラクターの動きがもっさりしすぎてマニアは勿論、当時数多くの格ゲーをプレイしてきたメインターゲット層の子ども達にも歯ごたえが無い作品となってしまった。
ありていにいえば、キャラだけガンダムで内容は有名格ゲーの単なる劣化版であり「とりあえずキャラクターだけを揃えて、肝心の内容はおざなり」という、キャラゲー失敗作の典型的なタイプであると言える。
本作の問題点の数々は『ENDLESS DUEL』で改善されているため、「Gガンダムでなければ嫌」という人でない限りはそちらをプレイしたほうがいいだろう。



余談

本作で披露されたマスターガンダムの必殺技・デッドリーウェイブは本編でも「酔舞・再現江湖デッドリーウェイブ」という技として再現された。これは監督の今川泰宏氏が「本編中にゲームの技を出せば、その場面を思い出してゲームをプレイしてくれるのではないか」という思いから生まれたもの。氏のお気に入りMFはマスターガンダムだったそうだ。