ポップンミュージック

【ぽっぷんみゅーじっく】

ジャンル 音楽シミュレーション
対応機種 Wii
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
発売日 2009年8月6日
定価 5,800円(税5%込)
判定 クソゲー
シリーズファンから不評
ポイント ポップンミュージックのような何か
キャラデザ大幅変更
操作性悪すぎ&超誰得
ヌルすぎる難易度
収録曲数が40曲と明らかにボリューム不足
ポップンミュージックシリーズリンク


概要

アーケードで根強い人気の音楽ゲーム『ポップンミュージック』シリーズの任天堂の据え置き機初のソフト。
しかし、Wiiのリモコン操作でAC/PS版と同様の操作をする事は不可能であり、基本的なゲームルールはそのままに、「Wiiリモコンとヌンチャクを振って画面の中のキャラクターがボタンを押す」というWii向けのチューニングがされ、5ボタン形式になっている。

特徴

  • Wiiに合わせ、Wiiリモコンとヌンチャクを使った操作形式に変化している。
    • ポップンのボタン配置に見立ててリモコン/ヌンチャクを振るという操作方法である。ボタン配置は「緑青赤青緑」となっているが、落ちてくるポップ君に合わせて、両端の緑はそれぞれ左右の外側、青は対応する側の下側、中央の赤は内側(左右どちらを使ってもOK)へ振るというもの。成功すれば画面の中のキャラクターが対応するボタンを押す。
  • Wi-Fi機能により、曲・譜面を追加できるサービスが存在する(2曲セットで100円)。

問題点

音楽ゲームとしての問題点

  • 明らかに収録曲が少なすぎる。デフォルトで全40曲しかなく、隠し曲も存在しない。
    • PS2シリーズではほぼ必要最低限の曲しか入っていないにもかかわらず平均101曲*1を収録しており、メディア容量の制約が大きく、かつ楽曲自体が少なかったPS/DCシリーズを含めての比較でも、40曲という数字は歴代ワースト2位に相当する。
    • 他の音楽ゲームと比較しても、同じWiiで1年前に発売された『太鼓の達人Wii』が70曲、ソフトの容量が桁違いに少ない『めっちゃ! 太鼓の達人DS 7つの島の大冒険』ですら50曲…と、現環境では据置機はおろか携帯機ですら40曲は少ない。
    • さらに、その内訳は版権曲(J-POPやアニソン等の有名曲)が30曲、ポップンオリジナル曲は10曲
      • 版権曲はほとんどが新規収録であるが、オリジナル曲は全て過去の作品からの再収録であり、スタッフロールなどのシステムBGMを除いて本作オリジナルの楽曲は無い
    • その新規収録された版権曲も、ラインナップの大半が『太鼓の達人』と重複してしまっている。
      • 同社に同じく版権曲が多い音ゲーにアーケードの『jubeat』があるが、こちらは収録する版権曲の傾向をある程度ずらしており、『太鼓の達人シリーズ』との差別化を図っている。
  • DLCの問題点
    • 有料追加曲自体はDLCとしては妥当だが、元の曲数が少ない状態での有料配信だったため批判が強い。
      • しかも本体には最大10曲(5セット)までしか保存できない(購入済み楽曲の再ダウンロードは無料で可能)。
    • DLC曲は全てポップンオリジナル曲だが、こちらも過去のポップンシリーズからの再録のみである。いっその事、最初から入れておいて欲しかった。
      • しかも一部の曲は曲名を誤植されている(「ポップミュージック論」→「ポップミュージック論」など。この曲に限って言えばファンの間でも間違われやすくはあるが、公式でやらかすのはいかがなものか)。
  • 譜面の少なさ
    • 1曲あたりの譜面(ステージ内容)が、2つ(スタンダード、チャレンジ)しか存在せず、恐ろしく中身が薄くなっている。本家は原則として1曲あたり6譜面(5ボタンorEASY、NORMAL、HYPER、EX+BATTLE譜面2種類)が用意されており、同じ曲でも様々なステージが楽しめた。
      • チャレンジ譜面はスタンダード譜面を100点クリアすると出現する隠し譜面…なのだが、「100点クリア=ゲージ満タンでクリア」なので簡単に出現する。
  • 難易度の異常な低さ
    • 音楽ゲーム初心者でも余裕でクリアできるヌルい難易度で、ほぼすべての楽曲の尺を3分の2以上すっぽかしてもクリアできるという、やりがいも何も無い超ゆとり仕様。
      難易度「むずかしい」の曲ですらあくびが出そうな低レベルぶりで、「お手軽」を通り越して「虚しい」だけである。
    • だが、後述の操作性により譜面の難易度とは裏腹に思ったようにプレーできないストレス感がある。
  • リモコン操作の劣悪さ
    • リモコン/ヌンチャクを大きく振っても反応しない(=BAD判定)、振っても誤反応が起こる(例:右に振ったのに、上や左に振ったことになる)など、リモコンの感度の悪さが大きなストレスとなり、プレーヤーを苛立たせること必至。
      • リモコン操作を諦めてクラシックコントローラでの操作に切り替えたいところだが、なんとクラシックコントローラ未対応。そのため反応するかどうかもわからないリモコン操作を強要される事になる。
    • ちなみに無理にリモコン操作限定にこだわった本作に対し、『太鼓の達人Wii』はリモコン横持ちもクラシックコントローラも対応、更にPS2版のように太鼓の形をした専用コントローラもきちんと用意した上でヒットしている。果たして、リモコン操作にこだわる必要はあったのだろうか…。

シリーズ作品としての問題点

  • キャラクターのデザインが豹変している。
    • 棒状の胴体に楕円形の大きな頭部がくっつき、腕の無い手が浮かんでいるデザインで、まるでコケシのような造詣。パワプロのキャラクターを想像して頂ければわかりやすいか。
      • イラストのタッチも本家と大きく異なっており、なじみ難い。
    • また、キャラクターの数も14人と本家に比べるとあまりに少ない。
  • ボタンで音楽を奏でるのではなく、音楽に合わせてクラップ音を重ねるだけ。
    • 本家ではボタンを押すとキー音が鳴り、それで音楽を演奏するというスタイルだった。しかし、本作は完成された音楽に合わせてボタンを押すだけの内容になっている。
      • いわゆる『太鼓の達人』シリーズ等と同様の形式となっているため、本家のプレーヤーからすると物足りないものとなっている。
    • 一応、ボタンを押した時の音色は「手拍子」「スネアドラム」「ホイッスル」「ティンパニー」など様々に選択でき、さらにプレー回数に応じて音色の種類が徐々に解禁されていく(最終的に全18種類)。
  • 選曲画面も曲名と文字表記の難易度(かんたん・ふつう・むずかしい)のみの寂しいデザイン。
    • 出典表記のあるクラシック曲以外は単に曲名のみで説明文などはないため、知らないと出典が何の曲なのかも分かりづらい。一応、楽曲を選択するとプレビューは流れる。
    • コナミオリジナル曲も混ざって配置されており、本家のようなジャンル名も当然無い。
    • 一応、アニメやJ-ポップ、オリジナルなどの傾向によって曲名の枠の色が分かれているのだが、具体的な表記はないためなんとなくで判別するしかない。
  • 設定できるオプションは前述の「ねいろ」、ハイスピード設定の「ポップ君のはやさ」、譜面種類選択の「ゲームのタイプ」だけ。
    • ポップ君のはやさは「ふつう」「はやい」「すごくはやい」の3段階なのだが、具体的な数値設定やBPM表記などは一切無いため少し分かりづらい。

総評

Wiiリモコン強制の割にはWiiリモコンへの最適化もされておらず、曲数も少なく、単純に音ゲーとしての出来が悪い。
過去の家庭用ポップンの出来の良さや、AC15以降家庭用移植が途絶えてしまったことからくる期待感との落差にシリーズファンは非常に落胆させられる事になった。


余談

  • 家庭用ポップンシリーズは2007年発売のPS2版『ポップンミュージック14 FEVER!』が出た後、2008年にWindows PC向け『ポップンミュージック Be-Mouse』、Xbox 360向け『Beat'n Groovy』などの本編からややずれた派生作品を連発していたため、Wiiという新たなハードで『ポップンミュージック』の名を冠して発売される本作に過分な期待が掛かってしまったことも、ユーザーからの落胆の原因とも言える。
  • 発売後、長らく本作について公式で触れられることが無かったが、『クイズマジックアカデミー 賢者の扉』内の「BEMANI検定」で本作の名前が出たため、一応は存在がなかったことにされている訳ではないらしい。

その後の展開

  • 本作の海外展開
    • 2009年11月にアメリカでは初の『pop'n music』としても発売された(これ以前にXBLAでポップン風のゲーム『Beat'n Groovy』も出ていたが、ポップンミュージックというタイトルとしては初)。
      • こちらは日本版と収録曲が大きく入れ替わり、洋楽版権や、日本版では未配信のポップンオリジナル曲、さらにはオリジナル新曲1曲(先述のスタッフロールBGMをプレイアブル楽曲化した「S-S-PM&R」*2)も収録されている。
      • ただしデフォルトの曲数は日本と同様に40曲しかなく、ゲームにおける問題点は日本版と同様。
      • その他の変更点として、ポエットの天使の輪が消えている。恐らくは宗教的配慮による修正だろう。
      • ちなみにアメリカでの販売本数は累計約19000本。散々な結果に終わった日本版よりはマシかもしれない。しかし、向こうのBEMANIファンからは「なぜ従来のポップンを移植しなかったのか」という不満の声も。
      • またこちらのDLCはスロット方式が撤廃されひとまとめになったものの、全部入りだとデータが1000ブロック近くになり今度は本体容量を圧迫するという問題がある。*3
    • さらに、2010年にはヨーロッパのWiiでも『pop'n rhythm』として発売。
      • 収録曲は欧州向けに入れ替えられたが曲数は40曲のままな上に、こちらはDLCそのものが廃止されているため、日本版・アメリカ版以上に物足りない。
  • 後に欧米初のアーケードとして『POP'N MUSIC』が進出したが、その絵柄、操作が4ボタン、譜面もヌルいものが多かったりとWii版に似ている点が多く、海外からも「見えている地雷」と危ぶまれていた。
  • 発売当時のポップンシリーズは本作を含む外伝作品を連発していたが、本家アーケード版の流れを汲む作品としては、2010年に実質AC15のアレンジ移植といえるPSP版『ポップンミュージック ポータブル』がようやく登場している。

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最終更新:2024年03月20日 00:24

*1 CD-ROM媒体で収録曲数が55曲しかなかった『Best Hits!』を含めてこの数字である。

*2 「SHAKE'N SWING'N POP'N MUSIC( & RHYTHM)!」の略で、本家『4』の「スペシャルエンディング / Tap'n! Slap'n! Pop'n Music!」の流れを汲む楽曲。作曲も同じ村井聖夜。

*3 WiiのDLCは本体ストレージ上に存在しないとゲームに反映されず、SDカードにコピーしていても一時退避用にしかならないため。