超攻合神サーディオン

【ちょうこうがっしんさーでぃおん】

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対応機種 スーパーファミコン
発売元 アスミック
開発元 ジョルダン
発売日 1992年3月20日
定価 8,800円
判定 クソゲー
ポイント 超もっさりアクション
自機形態の格差社会
レベリング必須
トラウマステージ
タイトル画面どこ?
音源の貧弱さ
ただし、ストーリーは秀逸


ストーリー

「あなたはどこにいるのですか? たった一人の私に、あなたは気がついてくれますか‥」
 太陽系第四惑星火球には、超科学・超精神・超自然の三文明が互いに対立しながら存在していた。ある時、二つの衛星を伴った謎の惑星が転移して表れる。謎の惑星は機械化惑星と名づけられ、そこから飛来する機械生命体が三文明を襲い、火球は滅亡の危機にせまられた。三文明は機械化惑星の脅威と戦うために手を組み、7体の超攻アーマー「サーディオン」を作り上げ、これに対抗した。しかし、サーディオンが機械化惑星に乗り込むと間もなく機械化惑星は空間転移を行い宙域から消滅。火球の三文明は機械化文明が持ってきた二つの衛星に空球・海球と名前をつけ、それぞれの文明がそれぞれを管理する事で一応の決着をつけた。
 それから8000年後……三文明はまた戦争を繰り返していたが、機械化惑星が再び空間転移で姿を現した。8000年前と比べると科学力の低下した三文明は瞬く間に危機に陥ったが、再び三文明は手に手を取り、三機の戦闘デバイスを建造する。戦闘デバイスは合体する事で三種類の超攻アーマーに変形する事ができる。それぞれの文明を代表する若者が戦闘デバイスに乗り込み、機械化惑星へ乗り込んでいった。


概要

小説・ゲームでマルチメディア展開を行ったロボット物アクションゲーム。
メカデザインに森木靖泰、カトキハジメを起用し、監修としてガイナックスが参加している。


システム

  • サイドビューのアクションゲーム。ライフ制を採用しており、RPG要素も取り入れている。
    • スタートボタンのメニュー画面で変形を行う
    • 操作はシンプルにジャンプ・ショットアクション。スタートボタンのメニュー画面でアイテムと特殊武器を装備する事ができ、任意のタイミングで使用する事ができる。
    • 一度クリアしたステージは任意のタイミングで再選択可能。アイテムを回収したり、経験値を積む為に利用する。
  • RPG要素
    • 敵を倒すごとに経験値が入り、それに応じてレベルアップ。最大ライフと攻撃力が上昇し、使用可能な特殊武器も増えていく。
  • 自機が破壊された際のペナルティが無い
    • 上記の通りRPG的な育成要素の為に各ステージを繰り返しプレイする事を前提にしている為か、破壊されると耐久力が全快に修復されて再びステージ開始地点から始まる。(破壊されたユニットのみ)
    • 上記に加え、ステージ中に自機の耐久力を回復する方法は少なく、ストックしておいた回復アイテムを使用する形が主となる。
      • 気軽に消費しづらい事に加え、上記の通りロスト時のペナルティが無い為、いっそ一度やられた方が手っ取り早い事が多い。

変形

  • サラマンダ・アルセイデス・レオパルドに変形する事ができる。三機はそれぞれ異なった特徴を持っている。
    • サラマンダ: ガンダム シンプルな二足歩行型ロボ。ショットを4方向に撃ち分ける事ができる。
    • アルセイデス:独特な頭部の形状の二足歩行型ロボット。至近距離に攻撃判定を出す鞭攻撃を得意とし、特殊武器は全画面攻撃が多い。
    • レオパルド:四速歩行の獣型ロボット。喰らい判定が縦に小さいのが特徴。
    • サーディオン:タイトルにもなっている二足歩行型ロボット。ステージが進む事で変形可能になる。

問題点

  • 非常にもっさりとしており、動きが遅くストレスフル。
    • どの形態になっても移動速度は変わらず遅い。ダッシュも無くジャンプ中も横移動速度は変わらないため、時間がかかる。
      • レオパルドはジャンプ中は高速回転している等、モーション自体は割と素早い動きを見せているだけに実際の挙動がもっさりしているのは余計不自然に見えてしまう。またジャンプ時のポーズもやや不自然。
  • 変形する意義が薄い。
    • 汎用性のサラマンダ、攻撃力のアルセイデス、回避のレオパルドとそれぞれ一長一短はあるが、敵は大抵上から出てくるので、上方向に攻撃できないレオパルドとアルセイデスの活躍の場が殆ど無い。
      • 特にレオパルドにいたっては判定は小さい分ショットの弾道まで低い影響もあってか敵を倒しにくく、経験値が稼ぎづらい。しかもサーディオンと交代で退場する為、育成する意味がほとんどない。後年発覚するが、出番がカットされた事もあって育成を無駄にさせない為に育てたくない性能にしたという事だが、いずれにしろ3機変形の1機が死んでいるのはウリを潰してしまっている。
    • サーディオン加入後は変形の意義がさらに薄れる。
      • 伝説の機体をピンチの状況で偶然発見したという展開は悪くないのだが、性能面でも相応に盛られている。
      • サーディオンはサラマンダと同じく4方向撃ち分けが可能な上に火力でもサラマンダより上なので、既存の2機が下位互換の弾避け・壁役に落ちぶれてしまう。
      • さらにはラスボスがサーディオンでなければ倒せない。演出と考えれば別に受け入れられないわけではないが、3機への変形がウリのゲームでやるのはいかがなものか。
      • 一応、それぞれライフが別管理になっているので、敵の攻撃が回避不可能と思ったらメニュー画面を開き、他の形態でやり過ごす「変形バリア」というテクニックを使えると考えれば、ゲーム的に不要な要素ではないが、数少ない魅力的な部分である3機変形というウリは潰れている。
  • ボス敵の耐久性の高さ、それによるプレイ時間の増長
    • レベルアップすると目に見えて攻撃力が上昇するため、適正レベルで無いと時間がかかり非常に面倒くさい。
      • 適正レベルに到達するためには経験値稼ぎ目的の雑魚狩りは必須。特に最初のステージはステージ選択ができないにも関らず、出現する敵を全て倒しても適正レベルに到達するまで経験値がたまらないため、何度か死んで繰り返しプレイしなければならない。
    • ラスボスは五段階変形。耐久は低いが攻撃が陰湿で回避が難しい第一段階、弱点が高所にあり時間がかかる第三段階、見極め困難な高威力攻撃を繰り返す第四段階と難所が続く。
      • 前記の通り、ラスボスはサーディオンでなければ攻撃が通らないため、他の2機はダメージを受ける時に変形してやり過ごすような使い方でしか役に立たない。
  • ステージクリア状況のリセットが特殊。
    • 本作はゲームの進行状況が自動セーブされるが、この影響で初回プレイ以外はタイトル画面が出現せず、2回目以降のプレイではステージセレクトからいきなり始まる。
      • データの初期化方法は取説に掲載されているが、中古で購入した場合は取説がない状態であることも少なくないため、タイトル画面もなしにいきなり全ステージが開放された状態で始まる上にリセット方法も分からないなんて事も起きる。
  • 効果音の貧弱さ
    • 同じロボットゲーの『重装機兵ヴァルケン』と比べても重量感が無く、軽い。
      • 破撃や被弾に至っては、擬音にすると「ブリュリュリュリュゥ ブギュゥゥ」といった感じ。なんだか汚い。
  • 必要以上に見る事になって邪魔なステージ演出
    • ステージ開始時やボス遭遇時等、特定の位置に到達時には演出としてパイロットの会話が入るのだが、演出が入る場所に移動すると何度でも会話が挿入される。
      • その為、アクションでミスって落下した場合等には登る度に同じセリフを何度も聞かされる羽目になる。
      • ステージ途中でやられる度に開始時の会話が挿入され、ボス挑戦の度に会話を聞かされる。短い場合はまだいいが、少し長めの場合等は何度も見るのはかなり邪魔に感じる。
      • レベリングをする場合にもステージ最初に同じ会話を何度も聞かされるのが邪魔くさい。
  • 会話が誰が誰かわからない
    • パイロットについては全く設定がなく、むしろあえて個性をなくしているようで、性格も皆してB級アクション映画のようなノリで話し、会話も誰が喋っているかの表示もない。
      • 誰が誰と話しているかわからなくても良い時はまだ良いが、意見がぶつかっている時等は見ていて混乱する。

評価点

  • ストーリーはシリアスで、誰も報われない、悲愴感溢れる展開は一部のファンに強く支持されている。
    • トラウマ要素もあり、STAGE8では、一見穏やかな光景が広がるが、実は擬態した怪物どもの闊歩する世界。しかも内部に進むと嫌悪感を煽る構造になっている。
    • BGMも、優しく穏やかな曲調から始まり虚無感のある音楽と、いかにもおどろおどろしい曲が流れて来て臨場感を煽ってくれる。
  • パッケージのサーディオンを初めとし、メカニカルデザインは評価が高い。
    • ゲーム中のグラフィックも良い。
  • BGM
    • 作曲は田中公平氏。ドラゴンボールやガオガイガーなどを手掛け、他にも『アランドラ』でも知られている。
    • 本作では振るわなかったものの、サントラCDが発売された。こちらの方はすこぶる評判が良い。
    • 特にメインテーマはTV番組「開運!なんでも鑑定団」の鑑定士紹介で長らく使用されていたため、ゲームを知らずとも聞き覚えのある人は少なくない。

総評

90年代初頭に流行した、陰湿で暗いストーリーのハードSFの世界観を持つゲーム。小説版とゲーム版の世界観は統一されており、8000年に及ぶ人類と機械生命の戦争の歴史は実に熱く、また哀しいものがある。
しかし当のゲーム部分の完成度が低く、プレイヤーの記憶にはクソゲーとして残る事になった。
それでも独特の世界観に魅せられたファンも存在し、彼らは皆「本当に勿体無い作品だった」と口を揃えている。


余談

  • 小説版も発売している。
    • 8000年前を舞台としており、決着にして世界観の謎である「機械化生命の真実」、少ないながらも熱い主人公達の台詞は深みがあって面白い。
    • 現在のところ、プレミアが付いて入手困難となっている。
  • 2020年初旬、本作のディレクターであるおかもとひろし氏がTwitterで当時の制作状況がどういう様子だったかを詳しく述べることがあった。下記に要約。
    • 役職はディレクターとあるが、実際はプロデュースの役割だった。
    • 元々の発想は「ドラクエのような一流スタッフによるロボットアクションゲーム」であり、堀井雄二氏のポジションにガイナックス、すぎやまこういち氏のポジションに田中公平氏を当てはめられたが、中村光一氏のポジションに相当する技術者を当てることが出来なかった。
    • ファイナルファイトのような大サイズのキャラによるベルトアクション風のゲームを想定していたが技術的に不可能だった。
    • 任天堂支給のサウンドドライバに癖があり音源を綺麗に鳴らせなかった。同時期・同社制作のレナス 古代機械の記憶でサウンドプログラムを担当した森彰彦氏に仕事を依頼していれば結果は変わっていた。
    • 全12ステージの予定だったが容量不足によりカットされた。ステージ間の演出や物語のテキストも同様にカット。
    • 残念な部分をやり直した続編を制作したかったが、営業から猛反対され断念。
    • レオパルドは意図的に出番がほとんど無いキャラになった*1
  • 海外版のテキスト翻訳はウィザードリィの作者の一人であるロバート・ウッドヘッド氏、ウルティマIVウィザードリィ#4・バーズテイルに携わったロー・アダムス3世氏が担当。海外版のスタッフロールにクレジットされている。物語はわずかに異なり、舞台は太陽系ではなく、OPのモノローグもステージ1直前までの状況説明ナレーションに差し替えられている。また、最終局面の展開にも脚色が加えられ、機械生命体たちが守っていたものやそれに関連した行動理念が少し異なるほか、自機パイロットたちの物語における最後のセリフが国内版と印象の大きく異なる、よりベターな終わりを連想させるものに変更されている。

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最終更新:2023年06月28日 16:32

*1 カットされたステージにいくつか出番があった。またシナリオ上永久離脱する為、低性能にして育成させる気にさせないように仕向けている。