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キョロちゃんランド

【きょろちゃんらんど】

ジャンル アクション

対応機種 ゲームボーイ
ファミリーコンピュータ
メディア GB ROMカートリッジ(容量不明)
FC 1MbitROMカートリッジ
発売元 ヒロ
開発元 Bits Studios
発売日 GB 1992年10月30日
FC 1992年12月11日
定価(税別) GB 3,980円
FC 5,800円
判定 クソゲー
ポイント ガワだけ版権ゲー
キャラゲーの皮をかぶった極悪難易度
キョロちゃんに謝れ


概要

森永製菓を代表する人気のチョコレート菓子「森永チョコボール」のマスコットキャラ、「キョロちゃん」を題材にしたゲーム(のはず)
パッケージイラストもチョコボールの外箱を模したものとなっている。

  • 本作パッケージイラストでのキョロちゃんは1972年~2004年まで採用されていた第二代デザインのものであるため、現在のものより体が細長く目も小さい。

ゲーム内容

「キョロちゃんランドにある日突然正体不明の塔が現れ、平和を取り戻すべくキョロちゃんが塔に登っていく」という設定のアクションゲーム。全8面。
十字ボタン+1ボタン(攻撃)で操作。ジャンプは方向キーとAボタンの同時押しで出る。左右ジャンプのみで、垂直ジャンプはない。
Bボタンでポーズをかけられる。敵避けのタイミングを測る時などは有効利用できる。
塔の周りに張り出している通路をエレベーターなどを使って進みつつ、制限時間内に特定の扉に入ればクリア。
コンティニューは2回まで可能で、パスワードコンティニューもある。
FC版では敵の動きが速くなるHEROモードもある(通常モードはNOVICE)。


問題点

タイトル画面では楽しげな音楽をバックに、ファミコンなりに巧く描かれているキョロちゃんが拝める。
しかし、スタートボタンを押すと「♪ディロディロディーン」という不気味なBGMとともに、 黒バックにピンク色の筆記体表記の英文が出てくる。
非常に不気味で、キョロちゃんのイメージには当然合致していない。

  • それもそのはず、本ゲームはNES(海外版ファミコン)で発売された『Castelian』の 主人公をキョロちゃんに変更しただけ のものである。
    • もともとは主人公を緑色の子豚のような不気味なキャラから甲冑を着たチビキャラ(参照)*1に変更して国内販売する予定であったが、どういうわけかキョロちゃんに差し替えられ、本作が販売される運びとなった。
    • ゲーム中の遠景もタイトル画面のような青空でなく、黒一色の暗黒の世界である(ボーナスステージの背景はタイトル画面同様青色だが)。ホラーゲームと言われても違和感のないおどろおどろしい雰囲気であり、はっきり言って怖い。
    • ゲーム中で日本語はタイトル画面のみ。それ以降はすべて英語のまま。せめて文字くらいはローカライズできなかったのか。
  • タイトル画面のキョロちゃんはFC版だと高い塔から飛び降りているように見え、GB版だと転んでいるように見える。
    • FC版とGB版の違いは塔が描かれているかだけなので、そもそもキョロちゃん自体を意味もなく傾けさせているのが変に見える最大の原因。
    • 更にゲーム中のキョロちゃんは目の焦点が合っておらず不気味。

ゲームの難易度は非常に高い。

  • ゲーム性は『Castelian』と全く同じで、タイアップゲームのはずなのに年齢層に合わせた難易度調整がされていない。敵の数を減らしたり、時間制限を長くするなどの方法はあったはず。
    • キョロちゃんの操作性は悪く、動きはガクガクしている。ジャンプのタイミングはシビア。
    • 見えない落とし穴も多数ある。1面スタート直後、右に行くといきなり見えない落とし穴がある有様で、これに引っかかってミスしたプレーヤーも多数いたであろう*2
    • キョロちゃんはチョコボールで攻撃することはできるが、倒せる敵は跳ねるボールのような敵1種類のみ。
      転がってくるボールに当てると動きを止める事ができる。点滅しているブロックを壊す事も可能。
    • 敵に当たると下のフロアへ落とされる。場所によってはこれを利用しないと進めない。
    • 制限時間が非常に短く、少し迷ったり操作ミスをするとすぐに時間切れとなってしまう。
    • ランダムで出現する原子のような見た目の無敵の敵が厄介。ジャンプでも飛び越えられないので基本無視するしかないが、出現位置によっては死亡が確定する。
    • 嘴の当たり判定が真空判定とでも言うべきシビアなものなので、常に神経を使う。
  • ゲーム中のBGMはステージクリア後のボーナスステージにしかなくそれ以外は効果音のみ。
    • 設定変更でBGMを流すことも可能だが、逆に効果音が消えてしまう。効果音が消えると攻略に支障が出るので非推奨。
    • 操作性の悪さ及び、不気味な色の塔の背景と併せもって、長時間プレイすると非常にストレスが溜まりかねない。

評価点

  • 原作の『Castelian』には存在しなかったパスワードコンティニューが追加されている。
    • 『Castelian』の方ではただでさえ高難易度なのにゲームオーバーになると無慈悲にも最初からとなっていたため、この点については本作の方が緩和されていることになる。
    • パスワードはステージクリア毎に取れる*3。なんとかステージクリアまでこぎつける事ができれば、前のステージの攻略パターンはもう必要なくなる。
  • グラフィックは良い。動きも細かく、操作はガタガタな癖にドットアニメは無駄にヌルヌル動く。
  • ステージは塔の外周だが、塔の回転する立体感が他のゲームでは見られない。
    • もちろん塔の動きに合わせて敵の位置も変わっていく。奥行きの表現は苦手とされるファミコンでここまでできる計算の細かさは後期ファミコンならではの魅力だろう。
      • GB版も若干のっぺりしているがかなり良く再現できており、素直に褒められる部分といえる。
    • 有名どころで言えば翌年に発売された『星のカービィ 夢の泉の物語』などがある。
  • ボーナスステージのBGM、雰囲気は良い。操作性、ゲーム性も本編より数段マシで、寧ろこの方向性をメインに売り出せばよかったのではないかという声もある。

総評

可愛らしいパッケージを見て買った子どもがいたら、トラウマになるかもしれない問題作。
この時代のタイアップ物のローカライズでは、ゲーム性を維持しつつタイアップ元に合わせて世界観とキャラクター全般を刷新することも多く行われていたのだが、本作はただ主人公を挿げ替えただけにすぎないため、結果としてゲーム内容、キャラクター、ターゲット層が致命的に噛み合っていないゲームになってしまった。

このような作品を売り出すためだけに利用されたキョロちゃんはご愁傷さまである。


余談

  • 本作の移植元となったNES版『Castelian』は、C64、Amiga向けに発売されたアクションゲーム『Nebulus』の移植版である。
    • こちらでは自機のデザインは原作同様だが、ボーナスステージの構成がNES版と異なり「小型の宇宙船のような乗り物に乗って海中を進んで次のステージへ向かう」という設定となっている。
    • また、パッケージデザインでは乗り物に乗った主人公のキャラクタが描かれているが、ゲーム中では緑の小型の豚のような生き物であるのに対し、2足歩行のカエルのようなデザインで描かれている。
      + 参考動画:(動画はAmiga版)
    • また、海外では『Neulus』の直接の続編としてAmigaで『Nebulus 2 Pogo a gogo』が発売されている。
  • キョロちゃんのゲームとしては本作の他に『ポケットキョロちゃん』『キョロちゃんのプリクラ大作戦』がある。
    • こちらは普通に遊べる出来でありファンからの評価も高い。…というか本作の雰囲気が異質すぎると言った方が正しいか。
  • FC/GB版共にプレミア化している。

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最終更新:2023年12月26日 07:46

*1 リンクを見れば分かるが、まだそれなりに(というかオリジナル以上に)世界観に合っている。

*2 こういう仕掛けもあるというチュートリアルとも言える。

*3 GB版はゲームオーバーになった時