仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド

【かめんらいだーくらぶ げきとつしょっかーらんど】

ジャンル アクションRPG
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 バンダイ
開発元 トーセ
発売日 1988年2月3日
定価 5,500円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 長丁場ゲーなのにセーブもパスワードも無し
とにかくお金がなくてはどーにもならない
力と金の風車が(イカサマで)回る
脱力エンディング
仮面ライダーゲームリンク


概要

「仮面ライダー倶楽部」とは二頭身にデフォルメされた仮面ライダーキャラが登場する商品群の名称であり、仮面ライダー倶楽部の名を冠した様々な二頭身の仮面ライダーの玩具が発売されていた。
本作品はこの「仮面ライダー倶楽部」の版権を使用したゲームである。

移動画面はアクションゲーム風だが、戦闘シーンは『半熟英雄』シリーズの様なぶつかり合い式のものとなる。
横視点アクションとリアルタイム要素を持つ戦闘システムのRPGを融合させた、キャラゲーにしてはシステム面に工夫とオリジナリティのある力作。
……ではあるのだが。

ストーリー

仮面ライダーの活躍に嫉妬したショッカーは、「SD光線」で仮面ライダーを2頭身にしてしまおうと計画していた。
だが、SD光線は暴走し自分達までもが2頭身になってしまった!
このことに憤慨したライダー達はショッカー帝国へと乗り込むのであった……。

システム

  • プレイヤーは、まず1号・2号・V3の中から1人を選び、そのライダーで、各4ステージをプレイする。
    3人分のステージを全てクリアすると、3人1組となって最終面へと進んでゆく。
    • ステージのクリア条件は、一定額のお金を集めてゴールの門に行くこと。なお、門を開く前にはボス敵との戦闘を行わなければならない。
    • 各ステージでは、アマゾン・X・ストロンガーを有料で味方にできる。
      彼らは1号らより能力は高いのだが、それぞれのステージを4つクリアすると離脱する。
  • 登場する敵組織は1号・2号・V3各ステージではショッカー、三人が合流した後のステージはゲルショッカーの戦闘員と怪人が登場する。
  • アクションステージ中で敵シンボルと接触すると、戦闘シーンに突入。敵味方とも3人まで参加できるが、バトルは1対1で行う。
    • 画面左側にライダー勢、右側にショッカー勢が居並ぶ。
      戦う敵キャラクターを選ぶと互いに相手に向かって突進し、体当たりで相手を押し返す。早い話が押し相撲である。この際、Aボタンを連打する事でパワーの調節が可能。MAXパワーでぶつかるとパワーが0に戻るので、一歩手前を維持するのも一つの手である。
    • 押し返された時、画面端の壁に叩き付けられると一定ダメージを受ける。HPが0になるとそのキャラクターは死亡し、メンバー交代して仕切り直し。死亡時には所持金が半減される。
      いずれかの陣営のメンバーが全滅するまで、これを繰り返す。
    • 戦闘中はライダーキックなどの必殺技(技ポイントを消費する)やアイテムを使う事もできる。
      • 必殺技を当てると敵が少し後退する。必殺技を選んでバトルが始まった瞬間に技を出すと技ダメージ+後退しての壁ダメージを与えることができる。
        Lv1の1号と2号はこのテクニックを使わないと戦闘員3、4を倒すのが辛い。
    • 三人が合流時の並び順は1号>2号>V3の順番で固定されており戦闘時は操作しているライダーから順番の通りに戦うことになる。例えば2号の次に1号で戦うなど順番を選択することはできない。
    • 敵の中にはランダムで特殊攻撃を使ってくるものがいる。
      • ダメージ系の飛び道具を飛ばしてくるものが大半だが、一部のボス格の敵はこちらを一度壁にぶつかるまで動けなくする拘束技を使ってくる。拘束中は連打パワーがゼロになり、いくら連打しても復帰不可能で、ぶつかりバトル時、壁際にて強いパワーで押されると壁をぶち抜かれHPに関係なく即死してしまう仕様のため、どんなに強くなっても運次第で一撃死ということがままある。
  • アクションシーンではBボタンで下方向へパンチする
    • ブロック破壊や敵シンボルを戦闘シーンに入らず叩き潰すことが可能。
      • ただし、この方法で敵を倒すとお金が手に入る事はあっても経験値は手に入らない。
    • 地面に対してパンチすると痛がって少しの間動けなくなる。
  • アクションシーンで天井に頭をぶつけると一定時間、頭が潰れて横に広がってしまう。
    • この際、狭い場所では頭が挟まって動けなくなる。
    • 復帰方法はAボタン連打、または一定時間の経過。また潰れた頭部は通常より若干横に広がるため1キャラクター分が通れる幅にひっかかり動けなくなるが、この状態ではただ連打するより格段に少ないボタン押しで復帰できる。
    • V3のマウンテンスタート直後のような横に1キャラクター分の幅しかない地形で頭をぶつけると、「ぶつけた直後に幅に引っかかる→回復直後にまた頭が潰れる」の無限ループでハマリ状態になると思われがちだが、この無限ループは実は時間経過で回復した場合にしか発生しない。ボタン連打によって回復すると、無事に下に落ちることができる。
  • アクションシーンでは何かとAボタン連打を要求される。
    • ジャンプ中に連打すると落下をとどめることが出来る。
    • 足場の端でバランスを崩した時に連打すると落ちずに済む。
    • 壁に沿ってジャンプすると壁にしがみついて踏ん張り、この時に一定以上ボタン連打すると壁の上り下りができる。
  • レベル制
    • RPGのようにライダーにはレベルが設定されており、レベルを上げるとライフ(体力)、テクニック(必殺技用の消費ポイント)、アタック(攻撃力)が成長する。最大レベルは8。
      • スピード(移動速度)、パワー(パンチ力)、ジャンプ(ジャンプ力)は成長せず、ライダー毎に設定された固有値となる。
  • ショップ
    • マップ内には「¥」マークのブロックがあり、ここに入るとショップを利用できる。ランダムの物は一度出て入り直せばまたランダムで選ばれる。ショップの内容は以下の通り。
    • 自販機及び銀行(以下の4つからランダム)
      • 自動販売機:バトルモードで使うアイテムを購入可能。
      • 謎の自動販売機:600円均一だが何が出てくるかは不明。
      • 銀行:お金を一時的に預けておける。預けた金額はカードに入る。カードに入っている金額は全滅時の半減対象外。また、ステージクリア時に所持金は消えてしまうが、銀行に預けてあるお金は同じステージ内であれば引継ぎ可能。
        (ショッカーランドステージ1クリア後にステージ2では資金引継ぎ可能だが、ステージ4をクリアし、ショッカータウン等へ移る際には資金の引継ぎ不可能。)
      • カード専用自動販売機:カード内の所持金のみが使える自動販売機。
    • 質屋及びカジノ(以下の2つからランダム)
      • 質屋:不要なアイテムを売却可能。
      • カジノ:ルーレットに挑戦できる。当たれば所持金が2倍、外れれば半減。
    • 改造室(ここのみランダム要素なし)
      • 改造室:ライフとテクニックの回復、死んだ仲間の蘇生が可能。
  • 購入可能なアイテムは以下の通り
    • ナイフ:反撃を受けずにダメージを与える。
    • ダイナマイト:反撃を受けずにダメージを与える。
    • オイル:オイルで滑らせて動きを遅くさせる。
    • カプセルボール:相手をカプセル閉じ込めて動けなくさせる。(大ボスの拘束技と同様の効果)
      • 一定時間で効果が切れる他、後半ステージの強化後の怪人には効かなくなる。
    • バリケード:敵の前に壁を作ってそこから先へ来ないように出来る。一度体当たりすると効果は消える。
    • パワードリンク:使用すると体力全快。
    • 怪人図鑑:敵の数値データを確認出来る。
    • サイクロン号:戦闘中にサイクロン号に乗って攻撃可能。実質的には購入可能な追加必殺技。
    • お助けライダー:追加メンバーを加入させることが出来る。1号は「ライダーアマゾン」。2号は「ライダーX」。V3は「ストロンガー」。
    • ガガのうでわ、ライドルスティック、ちょうでんしダイナモ:お助けライダー用の追加必殺技。

問題点

普通にやると長時間プレイ必須なのに中断不可能

  • 1988年発売のゲームにもかかわらず、パスワードやセーブ機能といったものは無い。
    • ちなみにゲームクリアまでの想定されるプレイ時間は約30時間。ここまで続けてプレイできる人はほぼいないだろう。
      • 1987年12月にはバッテリーバックアップを採用したファイナルファンタジーが登場している。またパスワード形式のコンテニューを採用しているゲームはFC初期から存在していた。どちらも採用していない場合はステージ数を少なくする、ショートカットを作るなどの調整がされるものだが……
    • ルーレットで絶対勝つ事が可能な裏技が有名ではあったが、それを使ってもレベル上げやマップ探索でかなりの時間を取られるので、子供の一日の通常プレイ可能な時間でクリアまで行くのはかなり厳しい。
      • 攻略法の確立された現在ではルーレットの裏技や延々ブロックを壊し続けてお金を稼ぐ裏技を使ったRTAで1時間半ほど。RTAという突き詰めて時間を縮めたプレイでもクリアにはそれだけの時間がかかる。
  • 普通にやると資金集めが非常に時間がかかる。
    • ステージクリア条件を満たすにはステージ1~4で2万、4万、6万、10万(ジャングル4のみ12万)が必要。つまり一つのステージセットで合計22万(ジャングルのみ24万)が必要。これで90万。
      • 最後のショッカータワーはステージ7まで存在し、ステージ5で15万、6で20万必要だが、7のみ資金不要。なので、タワーのみで57万。合わせてクリアまでに最低でも147万を貯める必要がある。
    • 他にもお助けライダーが一人3万、改造室ではライフ回復に5千、テクニック回復に2千、蘇生に2万が必要。
      • 説明書にも「とにかくお金がなくてはどーにもならない」と書かれている程。
    • これだけ金額が必要なのに対し、戦闘で敵を倒して得られる金額は雀の涙(100円~1000円がせいぜい)。金集めにかなりの時間を取られる事になる。
      • 一応、マップ画面で倒せば戦闘を挟まずに資金を集める事は可能だが、その場合、経験値を得られないので今度はそちらの問題が出てくる。
    • また、上述の通り、戦闘でライダーが一人やられると持っているお金の半分がその場で没収される。その後、仲間が敵を全滅させても取られたお金は戻ってこない。
      • そして蘇生に高額を持って行かれる。
    • ブロックで運よく出てきた風車を除けば、体力回復方法にもお金が必要。
      • 安全に回復できる改造室では5000円と高額だが、戦闘中に使用する「パワードリンク」なら1000円なのでそこそこお手頃。とはいえ、入手金額が上記の通りなので、ポンポン買いまくるのはきつい。
      • また改造室への道が罠だらけになっているステージもある。行きも帰りもダメージを負う危険性があるという嫌がらせ仕様。
      • ちなみに風車をどう使うかは説明書には書いていない。取った時に2コンのマイクを吹くと風車が回って体力が全快するのだが、説明書には「どーしたらそーなるのかは教えてあ・げ・な・い!」と書かれている。*1
    • 資金に関して手っ取り早く攻略するにはルーレット賭博の裏技で金を増やすのが基本という、ヒーローにあるまじき作業をする羽目になる。
  • レベル上げにも時間がかかる
    • レベルアップに必要な経験値はライダー毎に異なるがレベル1から2にするので20~40必要。その後は大体1レベルにつき100以上求められる。
      • それに対し、雑魚敵の経験値は1~5(終盤の雑魚は2~12)程度。しかも雑魚の中でも強い雑魚にはレベル1では勝てない。怪人なら数十手に入りボスなら100以上貰えるが、当然それらに勝つにはレベル上げが必要。
    • 結局、弱い雑魚のみを狙ってレベル上げをしつつ、倒せるようになったら強めの雑魚や怪人を倒していってレベルアップを図るというRPGによくあるプレイを求められる。それ自体が悪いわけではないが、前述の通り、中断不可能である。
  • 全滅するとゲームオーバー。
    • コンティニューは一応できるが裏技扱い。コンティニューしてもやられたステージの情報はリセットされる。
      • たとえば1号クリア後2号がステージ4でイカデビルにやられたとすると、1号はクリアした状態になっているが2号はまた初期状態&最初のステージから再開する事になる。この仕様の為、コンティニュー方法を知っていたとしても、更にプレイ時間は延びる。
  • 上記のような仕様の為、マップ探索をしつつひたすら雑魚戦を繰り返して資金と経験値を稼ぐ必要がある。
    • クリアまでの想定時間が30時間にもなるのも分かるだろう。

アクションゲームとしての問題点

  • アクション面の操作性に癖がある。
    • 左右どちらかの移動から逆方向へ急な振り向きをするとライダーがその場で慌てて数秒間操作できなくなる。コミカルさを出すための演出としては悪くないが、操作ミスにつながりやすい。
    • 垂直ジャンプや自由落下してしまうと、ほとんど空中制御がきかないので、前述のAボタン連打で踏ん張りながらほんのちょっとずつ横移動して対応するしかない。ただし2号のみ制御が非常に効く為、連射器があれば空中浮遊で移動できてしまう。
    • ショッカータワーはジャンプが苦手な1号のみが生存している状況では他二人の蘇生も出来ず詰んでしまう箇所がある。
      • 1~3号揃って挑戦するステージなので特性に合わせて切り替えが必要な点までは仕方ないと言えるが、1号のみでも入れる改造室を用意する等、復帰手段は用意してほしかったところ。
  • 戦闘時の各種パラメーターがゲージしか表示されないため、細かい数値が判断しにくい。
    • 必殺技の消費テクニックも戦闘前後のテクニックの数値を比較しないとわからず、あと何発撃てるのか等をしっかり把握しようと思うと、それぞれ使ってみて自前で数値をメモっておくしかない。
  • 戦闘モード時に戦う相手選択まで進むとキャンセルすることができない。
    • 使用するアイテムや必殺技選択はキャンセルすることはできるが一度決定する、あるいは間違えて「戦う」を選択してしまったのをキャンセルし必殺技などを選択することができない。時間経過による戦闘終了が唐突な為次キャラクターが間違って「戦う」を選択してしまうケースをカバーできない。
      • おそらく「逃げる」に失敗した時戦う相手選択になる為、ここでキャンセルできると成功するまで逃げるコマンドをやり続けることが可能になるためだろう。
  • ランダムショップが単純に不便
    • 改造室以外は利用したいショップが現れるまで何度も出入りする必要がある。
    • 狙ったショップに入れた場合でも、お助けライダーと専用アイテム込みで最高10種類の商品があるが、店に並ぶのは6種類まで。時間経過でアイテムリストが一個ずつ上にずれていく仕様のため、欲しいものが並んでいないときはしばらく待ってから入りなおす必要がある。
    • 最終エリアのショッカータワーではショップの入り口にフタがされており少し離れたスイッチを叩くことで一定時間フタがなくなる仕様なので、狙った店に入りたい時に運が悪いとかなり時間と手間がかかる。
  • 理不尽な即死要素が存在する
    • 拘束技を使ってくるのは2号のショッカータウンのボスであるイカデビル、V3のショッカーマウンテンで雑魚に交じって出てくるクモ男、同じマウンテンのボスであるガラガランダと、大ボスではあるがそれなりに数が多く、合流後のタワーでは変身後の姿で雑魚として頻繁に登場する。(イカデビルとガラガランダは変身前の死神博士と地獄大使がステージ中でも雑魚に交じって出てくるのを変身させなければボスとしてのみの登場で済む。)
      • 通常ならレベル4程度で勝てる相手のはずが全員最高レベルでも全滅する危険があり、ものすごい時間をかけてお金を稼いでも一瞬でふいになる可能性がある。
      • さらには、こちらのレベルが高くなるほど一回のぶつかりバトル中に特殊能力を使ってくる最大回数が増える。*2そのため一撃死の可能性が最大三回に跳ね上がる。
      • 突然のレベル格差戦闘や特殊攻撃といった理不尽な理由でゲームオーバーになってしまうリスクを少しでも減らすためには、最初にフィールド画面で時間をかけてお金を稼いで仲間ライダーやアイテムを購入しておくことが必要。ただ、ここまでしても運が悪いとその努力は無駄になってしまう。
  • 敵シンボルとの接触判定が曖昧で分かりづらい
    • 基本的には大きく接触するとダメージになり、小さく接触すると戦闘になるのだが、正面衝突した場合でも8割ダメージで2割戦闘と、接触判定がどちらになるのか分かりづらい。
      • 前述のパンチも、有効射程で繰り出したつもりでいたらエンカウントが優先されてしまう事も。
    • その為、こういった事態を避けたい場合には敵に当たってもダメージ・戦闘は一切発生しない上にノーリスクで敵シンボルを殴り倒せる分身を2コンで操作できる「分身アイテム」が非常に有用になってくる。
  • いくつかバグも存在する
    • 戦闘時のぶつかるパワーが最大の時、パワー0でぶつかった判定になるバグがある。割と発生するバグだが、怪人相手では命取りになりやすい。
    • 壁の近くで斜めジャンプをすると無効になることがある。この場合はひっつきも何も発生しない。
    • ルート選択をミスると前ステージに戻されるトラップが存在するのだが、前のステージでゴールの判定ポイントが反応しなくなるバグが存在する。
      • 一応フィールドでライダーを殺しステージ最初に戻されるか、既定のお金を持って部屋に行きランダムで出てくるボス(ブラック将軍)を逃がせば判定ポイントが反応するので進むことはできる。
      • ステージのラストでゴールがどこにあるか探しているうちにループに入ってしまいまたステージの最初からやりなおしになるなどということもある。
    • あるステージの特定の場所でパンチを行うと隙間に埋もれて完全に引っかかって取れなくなり完全に詰みとなる場所が存在する。
  • エンディングが寂しすぎる
    • クリアすると、ライダー6人がポーズを決め「仮面ライダー全員集合!おめでとう!」と表示されるだけでおしまい。スタッフロールも無い。大変な思いをしてクリアしてこれしかないのはやはり寂しい物がある。

仮面ライダーとしての問題点

  • Xライダーの扱いが悪い。
    • アマゾンはガガの腕輪、ストロンガーは超電子ダイナモを購入し使うことで最強技のスーパー大切断、超電稲妻キックを使うことができるが、Xライダー用アイテムのライドルスティックで使えるライドル脳天割りは初期から使えるXキックの次に弱い威力。
      • そもそもライドルスティックはXライダーの標準装備なのでライドルスティックを買わなくてもレベルで覚える必殺技でいいはず。
      • アマゾン・ストロンガーの二人はレベル4の時点で使える必殺技は3つ、専用アイテム使用の最強技を含めて4つだが、Xのみレベル4でやっと二つ目の技であるX二段キックを覚える。ライドル脳天割りの威力は前述の通りX二段キックより弱い。
      • さらに最強技の真空地獄車を覚えるのは最高レベルの8なのでタウンの4面しか参戦しない、しかもレベル3でボスと対等に戦えるXライダーをそこまで育てる人はなかなかいないだろう。
      • 原作ではマーキュリー回路を搭載することで使えるようになった技なので他の二人と同じようにマーキュリー回路を購入、使用することで最強技が使えるほうが自然だったのではないだろうか。
  • 初期状態のライダーは、V3を除き泣けるほどに弱い。
    V3以外の二人はLV1の状態で戦闘を行う際、怪人はおろか戦闘員3・4(雑魚)とも長期戦が避けられない。
    • たとえパワーで勝っていてもスピードで負けていると普通に押し負ける事もある。
    • こちらのレベルに見合わないほど強い敵も、ごく普通に出てくる。
      エンカウントはランダムのため、出会ったが最後、逃げる事ができなければそのままゲームオーバーになる事も。
    • 押し合いパワーの都合上、スピードの遅い1号2号ではアイテム・必殺技を使わない限りレベルMAXでも絶対に勝つことができない敵が数種類存在する。
  • アイテム「サイクロン号」を買う意味がない。
    • 「サイクロン号」を使うことで出せる1号・2号の必殺技「サイクロンたいあたり」が1号はレベル1、2号ならレベル2で使える「ライダーキック」と消費・威力が同じであるため、見た目で楽しむ以外に買う必要がない。
      • 原作ではライダーキックが効かないゲバコンドルを倒した技なのだが。
  • ボス怪人の扱いが悪い。
    • ショッカーランドのボスである狼男が、本来ゾル大佐が変身する金色の狼男ではなく、灰色の実験体狼男。前述のガラガランダは名前がガラガンダとなっている*3
    • 外見や名前がおかしいのはこの二体だけなので、よりによってボス怪人だけ間違っていることになる。
      • 厳密に言うなら旧一号もクラッシャー(アゴ)の部分は顔より明るい緑色だが本作では白。ただし、1キャラで使える色がドット無表示の黒を含め4色のため、これはやむをえないところだろう
    • 最終面では、ラスボスであるはずの「ゲルショッカー首領」がザコキャラとして毎戦闘ごとに出現する。
      • ここまで来られるだけの強さがあればさして脅威でもないが、HPだけはやたら高く壁抜きが無効になっている*4ので、ひたすら鬱陶しい。そしていちいち登場する意味がさっぱり分からない。
    • ゲルショッカー首領は一つ目顔のみで、その前の姿の蛇頭は登場しない。
      • 雑魚として頻繁に出るくらいなら、他ボスと同様に一つ目顔は弱く、倒すとパワーアップして蛇頭になる、という演出がよかったのでは。
  • ライダーマンだけ影も形もない
    • 本作の登場ライダーはストロンガーまでなのだが、その中でライダーマンだけが飛ばされてしまっている。
      • おそらくは各作品の主人公のみ集めた(2号は1号不在時の主人公で1号復帰後もW主人公だった。)という事だとは思うが、ライダーマンは公式に仮面ライダー4号である為、省かれてしまったのはやはり残念。
      • 当時のCMでも「1号、2号、V3、X、アマゾン、ストロンガー!」と彼だけが名前を飛ばされ、CM用に作られたアニメからも除外されている。
    • 因みにスカイ・スーパー1・ZX、更には当時放送中だった最新ライダーであるBLACKも全く出てこない。
      • これは「1号~ストロンガーまでに登場したすべての敵組織の首領は同一」という原作設定を考慮したためと思われる。
  • V3以降も登場するゲームなのに1号・2号が所謂旧1号・旧2号になっている。サイクロン号も同様に旧サイクロンのみ。
    • 1号と2号を見分けやすくしたかったという可能性もあるが、2号を客演時によく使われた青みの強いカラーにする方法もあるし、顔だけ表示の時は必ず横に名前が書いてあるのでそれほど問題があったとも思えない。
    • また、パッケージには新2号・新サイクロンが書かれている為、軽くパッケージ詐欺にもなっている。

評価点

  • キャラクターのグラフィックがよくできている。
    • ディフォルメされたライダーはコミカルで可愛らしい。動き回るたびにちょこまかするアクションも面白さにつながっていない点が残念だが、よく作り込まれている。
    • ライダー・戦闘員・怪人で45人(戦闘員のランク違い、にせライダー除く)ものキャラが登場するが、ディフォルメされていながらもしっかり特徴を捉えて描かれているため、一目で誰なのかがわかる。
      • ただし、にせライダーは本作の1号・2号と同じ外見で登場するため、原作のショッカーライダー1~6号と異なる。
    • 1号ステージの戦闘員は初期を意識して顔を出してベレー帽、2号・V3ステージは覆面だが額のマークが違うなど芸が細かい。
      • ただ、ゲルショッカー戦闘員はアクションステージでは青い全身タイツに赤い顔としっかり原作通りのカラーリングになっているが、戦闘シーンでは白いタイツに緑の顔という謎のカラーリングになってしまう。
  • 育成型探索アクションRPGとしての出来は割と良い
    • 育成や資金集めに必要な時間も単純にそういう要素があるゲームとして見れば割と妥当な時間。もちろん中断機能があればではあるが。
    • マップ上での雑魚敵の撃破、マップ探索、ブロック破壊によるアイテム探索と、マップに変化を付けつつ飽きない程度には楽しめる。
  • BGMは良い
    • どことなく牧歌的なステージBGMはSDキャラクターの世界観によく合っている。
    • 戦闘時のBGMや頭部がツブれてしまったときに流れるBGMは良曲とは違うが独特なクセがあり印象に残りやすい。

総評

通しで普通にクリアする事を考えているとは思えないゲームバランスや、何故か金集めをメインとしてしまったゲームデザイン等、突っ込みどころは多い。
一方でパワーの溜め具合等で付け入る余地のあるぶつかりバトルや、壁昇りなどを駆使しつつ広いマップを探索する要素などは悪くなく、ちょこまかと一生懸命なSDキャラクターの挙動はかわいらしい事等から、意外と本作のファンも存在する。
育成要素もありクリアに時間がかかるのに中断機能を用意しなかった事が悪評の一番の原因と言えるゲーム。
何かしら中断方法があれば理不尽なボス戦や不意のミスでゲームオーバーになってしまった際のリカバリも隠しコンティニューに頼る事なく対応できたと思われ、もしそうなら佳作~良作になれたかもしれない。

余談

  • 「仮面ライダー倶楽部」の版権を使用したゲームは、本作品以外に「仮面ライダー倶楽部 バトルレーサー」がある。
    • またコンパチヒーローシリーズも「仮面ライダー倶楽部」の版権を使用しており、著作権表記にも「©石森プロ・東映 (仮面ライダー倶楽部を使用)」などと書かれている。(コンパチは「仮面ライダーSD」の版権は使用していない。)
      • 「仮面ライダーSD」とは1991年に仮面ライダー20周年企画として登場した、二頭身にデフォルメされた仮面ライダーキャラを使った新企画である。魔神大首領が復活させたRXまでの歴代幹部8人に率いられた悪の組織グランショッカーとの戦いを描くというバックストーリーが特徴。「仮面ライダーSD」の登場によって「仮面ライダー倶楽部」の商品展開は縮小していった。

+ タグ編集
  • タグ:
  • バンダイ
  • 仮面ライダー

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年01月06日 00:37

*1 ここだけがこんなノリではなく、全体的にSDという事でふざけている。

*2 すべての特殊攻撃を使う敵にあてはまる。

*3 倒した時の説明等は正しく「ガラガランダ」と表記されている。

*4 他のステージに出てくる変身前のボス(ゾル大佐、死神博士、地獄大使、ブラック将軍)も壁抜き無効。