花のスター街道

【はなのすたーかいどう】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 1Mbit+64kRAMROMカートリッジ
発売元 ビクター音楽産業
発売日 1987年3月17日
定価 5,300円(税別)
判定 クソゲー
ポイント 独自システムが悉く失敗
ゲーム難易度も高い
探索が苦痛


概要

ビクター音楽産業からリリースされた横スクロールアクションゲーム。
芸能界を舞台としており、発売元がビクターなためかアイドル歌手を夢見る二人が主人公。2人のキャラを1人で同時操作するというシステムを搭載している。

ストーリー

博多出身の「ハタノモエタ」、広島出身の「トヨタゴロー」、意気投合した2人はスターになる夢を叶えるため、コンビを組んで上京するのだった。

特徴

  • 横スクロールのアクションゲーム
    • 当時よくあった、内容によらずにとりあえず横スクにしとけというゲームの一本。
  • 全5ステージ+隠し1ステージ構成
    • 各ステージ複数のエリアに分かれている。
      • 歩道橋や地下道などを利用してエリアを移動可能。
  • 二人のキャラ(モエタとゴロー)を同時に操作する
    • 十字ボタンの上下でモエタとゴローの間の距離を変えられる。
    • 一人で操作する為、二人のキャラはそれぞれの場所で同じ挙動をする。
  • Bボタンで「カリスマ波」(正式名称)という音符状の飛び道具を飛ばす。
    • 1回当てると敵の動きが止まり、もう1回当てると仕留める。
  • 残機制の一撃死ルール
    • 敵や敵の弾に触れれば即死する。
    • モエタとゴローの両方に残機数が設定されており、どちらかが0になるとその時点でゲームオーバーである。
      • 穴に落ちて死ぬ時は、ぴったり同時でない限りは先に落ちた方が死ぬので、二人とも落下した場合は同時でない限り一人分のミスで済む。
    • モエタとゴローのどちらかが死ぬと、2人とも上空から降って来る形でその場復活し、周りに敵がいた場合は消える。
      • なお、その死に方は「ゲゲというセリフと共にのけぞって両手を上げ舌を突き出し飛び上がり、倒れて画面下に落っこちていく」という、コミカルなずっこけ方を意図したようだが見づらいため、頭が無くなって潰れたように見えてしまうという悲惨な代物である。
    • 下記、アイテムを入手している場合、それが残機の代わりとなって消費される。
      • 強化アイテム、ゴールドディスクの順に残機の代わりに減っていく。
  • 時間制限あり
    • 画面上部のハートマークは時間制限になっており、時間とともに減っていく。ビルに入ると全快する。
  • 各ステージで探索とアイテム集めが必要
    • がんばれゴエモン! からくり道中』などのように隠しアイテムをそろえないとゴールにたどり着けない方式となっている。
    • カリスマ波で固まった敵を2人で挟むとビデオテープやゴールドディスクが手に入る。ゴールドディスクは特定のポイント通過でも手に入り、クリアにはこれが一定数必要。
    • 各ステージの第2ステージとなるビルにはゴールドディスクが一定数ないと入る事が出来ず、さらにステージクリアには入場時以上の規定の数が必要となる。
      • ビルはステージ端にあるわけではないので、探索も必要。
      • ビル内は縦にも広い迷路になっており、上下移動しながらゴールを探す必要がある。
      • ディスク一定数とスペシャルアイテムを持った状態でゴール(車)の上に二人で乗るとステージクリア。不足しているとビル外に追い出される。
  • 各アイテムの説明は以下の通り。
    • ビデオテープ等のスペシャルアイテムは、カリスマ波を連発できるようになる。ライフ代わりの消費では最優先で消費される。
    • ゴールドディスクは集めやすいが数が必要。一定数集めるとビルに入れるようになり、さらにステージクリアには一定数(入場より上)必要。スペシャルアイテムをなくした後にライフ代わりに消費される。
    • 各ステージに隠しアイテムが存在しており、1ドット分はみ出した黒線で一応表示されている。
      • ここにカリスマ波を10発当てると隠しアイテムが手に入り、これを4ステージまでの3ステージ(1ステージは取らなくてOK)で集めると5ステージクリア後に隠しステージへと進むことができる。
      • 入手すると3方向にカリスマ波を連射できるようになる。
      • また、入手した状態で次ステージへ進むと操作キャラの衣装が入手したアイテムに合わせて変化する。
    • 楽器アイテムは無敵アイテム。これを取ると一定時間無敵になる。

問題点

  • 二人を一人で操作というのが非常に煩わしい
    • 一定距離以上は離れられず重なれないため、片方が地形に引っ掛かると先に進めなくなる。もし引っ掛かった場合はいちいちジャンプして外してやらなければならない。
    • こっちは2人もキャラがいて重なる事もできないのに、移動するリフトやら穴ぼこだらけの道や、1キャラ分しか幅のないブロックがあちこちに点在しており、癖のあるキャラの動きとあいまって難易度は相当な高さ。
      • 地形に引っ掛かった後ろの奴に引きずられて前の奴が穴に落ちる、どちらかが着地に失敗して溝にはまる、など1人であれば起こりえないミスが起こりがちである。
      • 加えて復活地点がしっかりと考慮されていないせいで、リフトなどを渡っていた途中でミスった場合、復活した途端着地に失敗し、穴にはまってもう1回ミスるなど理不尽な死に方が発生することがある。
    • 空から降ってくるアイテムによる被弾もこの操作のせいでどちらかが食らってしまいやすい。特にビル内は狭くて動きづらく、段差ジャンプに手間取って少し足を止めたりすると降ってくるアイテムに被弾してしまいやすい。
    • ビル内では上下移動があり、登りは片方が引っ掛かって登れないのが面倒だが、これはまだマシ。下りは慎重に操作しないと一人が上に残ってしまい、もう一人が下の足場が表示されずに落下死なんて事がざら。
  • 最初から雑魚敵の挙動がきつい
    • 敵は大半が人間型でその動きもどうということはないのだが、暴走バイクや自動車はいきなり猛スピードで突っ込んでくる上、画面端につくと消えずに折り返し、たまに排気のような弾を吐き、耐久力もべらぼうに高いという極めて厄介な存在である。
      • そしてそんなバイクが最初の面の最初の敵として出迎えてくるのでなお堪らない。上記の復活仕様になっているのもこの難易度からだろう。
    • 雑魚敵の中にはおかめ顔の女学生もいるのだが、この敵は止めて挟むとこちらが死亡する
  • 探索が単調できつい
    • ゲームとしてはひたすら敵を止めて挟んでアイテム入手、一定ポイントの隠しアイテムを入手、その上で当たりとなるビルを探して中へ、さらにビルの中の迷路を探索してゴールを探す。
      • さらにビルはエリアごとに1つずつある為、どれが本物でどれがニセゴールかはビルをくまなく探さないと分からない仕様。しかも当たりか外れかは隅々までくまなく探してみないと分からず、それも迷路状になっている為隅々まで探したかどうかがわかりづらい。
    • スペシャルアイテム優先でアイテム消費する仕様もきつい。
      • 数を溜めて置けるゴールドディスクではなく、一つしか所持できないスペシャルアイテム優先で消費するので、後の回収の手間を考えると実質的にはやはり被弾できない。ビル内でも敵はいくらでも出てくるので再入手は出来るが、時間制限もあるのでそこまで猶予はない。
    • 面が進むごとに要求されるディスクの枚数はどんどん増えていく。ビルの中でも結局やることが同じなので、先へ進むほど作業感が強烈に発揮される。
  • 達成感がない
    • 隠しステージのニューヨーク・マジソンスクウェア(マディソン?)は隠しステージだからなのか、横に進むのみ、ディスク1枚でクリア可能、敵は空から降ってくるという非常に単調なステージ。
      • しかもクリアメッセージが表示されている中でも空から敵アイテムが落ちてくるわ、時間表示のライフは減っていくわと作りが雑。
    • クリアメッセージ自体もカンマとピリオドの区別がなくて読みづらい英語文で書かれたお祝いのメッセージだけである。
  • 「1メガの大容量」と販促チラシや外箱にあるが、通りとビルとの二段構えステージや上下左右スクロールなどのシステムに使い果たしたようで、BGMや画面効果は大したことがない。
    新宿の空は緑色なうえ、BGMは聞けば聞くほど不安になってくる出来。

評価点

  • 敵はアイドルっぽい人やミュージシャンやジャンボマイク等内容に即した雰囲気がよく出ている。
    • 敵弾が上から突然降って来る謎の物、カメラマンのフラッシュ、ヤクザのドスなのが、笑えると言えなくもない。
  • OPだけは無駄に出来がいい
    • 画面いっぱいに表示されるグラフィック、ポップで可愛い二人の主人公、ワクワクさせる音楽と二人の紹介。当時のFCとしてはかなり良い出来。むしろOPで力尽きた等とも言われてるが。

総評

この時代にノーヒントで謎解きや隠しの発見を強要してくるゲームは珍しくない。単にゲームとしてみると単調なくせに難しく時折ヘンなミスが発生するものの、慣れれば何とかなる。
だが、キャラが2人いるという新機軸を持て余して足かせの要素が目立ちすぎでやっていて非常につらい。
探索の面でも時間制限ありでやるにはなかなかきつい物があり、ステージ1をクリアするだけでもきつい物がある。
やっていて面倒でしかない独自仕様のアクション、理不尽な敵の攻撃、面倒なクリアアイテムの仕様、と、何から何まで楽しめないゲームである。

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  • 1987年
  • ビクター音楽産業
  • アクション

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最終更新:2023年07月08日 17:22
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