エキサイティングベースボール

【えきさいてぃんぐべーすぼーる】

ジャンル スポーツ
対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム
発売・開発元 コナミ
発売日
()は書換開始日
1987年12月8日(1988年1月19日)
定価 2,980円(書き換え:500円)
判定 クソゲー
ポイント バカ過ぎるCPU
デッドボールで試合終了
ゲームバランス完全崩壊
エキサイティングシリーズ
バスケット / ビリヤード / ベースボール / ボクシング / サッカー


概要

  • 今や『実況パワフルプロ野球』『プロ野球スピリッツ』等、野球ゲームの雄となったコナミの野球ゲーム第一弾。
    • ディスクシステムの野球ゲームでは『ベースボール(ROM版からの移植)』があったものの、ディスクシステムのオリジナル作品としても初めてのゲームとなった。
  • 当時は『プロ野球ファミリースタジアム』のヒットにより、『燃えろ!!プロ野球』等の様々な野球ゲームが発売されていた時期でもあった。
  • なお、『エキサイティング』はエキサイティングビリヤードなど、コナミのディスクシステムにおけるスポーツゲームの冠名的なものである(ジャレコの『燃えろ』シリーズのような形)。

問題点

  • CPUがバカ過ぎる。
    • 例えばCPUが平凡なゴロを打った場合、すぐに捕らずに目の前で待っているとCPUのランナーはひたすら走り続け、ついにはホームにまで走ってしまう。なので適当なタイミングでボールを捕って投げれば簡単にアウトが取れてしまうのだ。
    • ぶっちゃけ、ホームラン以外は全部アウトに出来てしまうようなもの。
      • というか、Bボタンを押したまま投球すると何故かCPUはバントをしてボテボテのゴロを打って、簡単にアウトに出来るという裏技までも存在するという……。
    • 守備の面でもあまりにもやる気が無いようにしか思えず、バントでランニングホームランが出来てしまう有様であった。50点差で勝っても嬉しくない野球ゲームって一体……。
      • ショートとセンターの間にボールが止まった場合、進塁中はセンターがボールを取りに行き、帰塁中はショートがボールを取りにいく(センターはボールから遠ざかる)といったような行動を取るので、フライ以外はほぼセーフにすることが可能。
      • 得点差によるコールドゲームは採用されていないので我慢して9回を消化しなければならない。100点以上取ることも可能。
  • ルール崩壊のバグ。
    • ランナーを出した状態で「スタート・A・B」と繰り返して入力すると、ランナーのリードがどんどん広がっていき、しまいにはホームインしてしまう。無論CPUは全然気づかない。
    • 9回でデッドボールを出すと、何故かその時点で試合が終了してしまう。
    • 第3アウトがフォースアウトでも点が入る。2アウト3塁で内野ゴロの時、1塁に送球が到達する前に3塁ランナーがホームインすれば点が入る。
  • 分身魔球。
    • ジョイスティックを接続し、ジョイスティックとコントローラーで分けて上下ボタンを押しながら投げると、超高速で上下に移動する魔球が投げられる。
    • ちなみに攻撃の時、ジョイスティックとコントローラーで分けて上下ボタンを押しながらBボタンを押すとバッターがデッドボールの格好をする。但し一塁には行けない。
  • 売りであるチームエディットも、20チームあるオリジナルチーム(フルーツや寿司の名前の選手が羅列)から3勝、つまり60勝してさらにプロの12チームから2勝、合計24勝しなければ優勝できないという長丁場。
    • しかも前述のようにCPUがバカ過ぎるので非常にかったるい。
  • エディットチームを育成する事ができるのだが、尋常ではない能力になってしまう。
    • バットに当たれば確実にフェンス直撃のライナー、つまり外野フライでアウトにはならない。果てしなくヒットを打ち続ける事ができ、一回表ワンアウトも取られず99点入れることも楽々可能。逆に言えば凡打を打つ事が不可能になるため、大量リードした後わざとアウトになって試合展開を早めようとしても見逃し三振以外にアウトになる手段がない。しかし、なぜかホームランは出づらく、「外野フライでもなくホームランでもない、フェンス直撃のライナー」ばかりが繰り返される。
    • 守備時の野手の歩行速度が打球や送球と同等の速度になり、相手バッターが打った打球をピッチャーが追いかけて外野でキャッチし(常識的にはセンターフライの位置)、そこから送球ではなく歩いて戻っても内野までボールが届く時間は送球と変わらない。打球が飛ぶ位置は内野・外野の様々な場所に飛んでいくのに、全てピッチャーがさばく事が可能。……というか、打席画面からフィールド画面に切り替わった時、画面中央にいるのはピッチャーなので、ピッチャーが全部やるのが一番手っ取り早い。
  • 球の変化率と球速のパラメータが共用のため、速球派の投手が超変化球を投げられる(逆もまたしかり)。
  • ピッチャー交代画面で空欄にカーソルを移動させることが出来、そこを選択すると何故か代打の選手がピッチャーとしてマウンドに立つ。
    • 当然防御率は悪く、球速も非常に遅い。

評価点

  • ディスクシステムのメリットを活かして、野球ゲーム史上初となる「チームエディット」機能が搭載され、オリジナルチームをセーブしたり他のディスクと選手のトレードをすることが可能であった。
    • これらの要素は、後に出た『激突ペナントレース』(MSX)シリーズや『実況パワフルプロ野球』シリーズの源流と言えなくもない。

総評

  • チームエディット等、新しい野球ゲームを作ろうとした姿勢は評価できるが、いかんせんバランスが完全に崩壊している。
    • 特にCPUのバカさ加減は致命的で、攻撃では簡単にアウトに出来てしまい、守備でもバットさえ振れば簡単に点が取れるという有様であった。
    • 対人戦であればほぼ問題なく遊べる。ディスクを持ち寄ってオリジナルチーム同士で対戦も可能。
  • 現在のコナミからは想像できないほどのクソ野球ゲームであり、今や黒歴史と化していると言えよう。
    • 同時期の『ファミスタ』『燃えプロ』『究極ハリキリスタジアム』等は続編が発売されたが、このゲームは続編が出ることは無かった。まあ、この有様なら出なくても仕方が無いと言えるが。

余談

  • 徳間書店のファミリーコンピュータマガジン1988年16号別冊付録「ファミコン野球㊙テクニックブック」では『ファミスタ('86・'87)』『燃えプロ'88決定版』『ハリスタ』『ベストプレープロ野球』更にはあの『スーパーリアルベースボール '88』までも取り上げられ、本作は初代『燃えプロ』と同じく裏技だけが2ページで紹介されていた。
    • 巻末のレビューでも「50点差で勝ってもうれしくない」「野球ゲームとは思えないほど単調な守備」などと痛烈に批判していた。
  • 複数のランナーがいる場合、Aボタンですべてのランナーを一度に進塁させることが出来る。Bボタンでは全てのランナーを一度に帰塁させることが可能。
  • 10点以上の大差をつけて勝敗すると、試合結果が「ボロカチ」「ボロマケ」になる。
  • 当時、「週刊少年ジャンプ」誌上で、「キム皇」こと木村初氏がこのゲームを「これはゲームではない」と痛烈批判している*1。人気少年誌上でのゲーム批判は物議を醸した。

参考動画

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  • コナミ
  • クソゲー

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最終更新:2024年01月24日 23:39

*1 同様に『スーパーリアルベースボール '88』も「最低の野球ゲーム」と痛烈批判していた。