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パチコン

【ぱちこん】

ジャンル パチンコシミュレーター
対応機種 ファミリーコンピュータ
発売元 東芝EMI
開発元 ベアーズ
発売日 ROM:1985年11月21日
DISK:1988年10月4日
定価 ROM:4,900円
DISK:500円(書換専用)
判定 クソゲー
ポイント あまりにも寂しい内容
ヤバい隠しメッセージ


概要

その名の通り、パチンコのゲームである。オリジナルは8ビットパソコン(MSX)用ゲームで、その移植作品。
本作はファミコン初のパチンコを題材にしたゲームである。

※おそらくテレビゲーム初のパチンコゲームは1983年のSG-1000用ソフト『パチンコ』(セガ)かアーケードゲーム『パチフィーバー』(三機電子)。 さらに1984年には本作に先駆けてPV-1000、PV-2000、MSXで『パチンコUFO』(カシオ計算機)も出ている。本作は知名度が謎に高いだけで、初のパチンコゲームではない。

間違えやすいがタイトルはパチコンである。


システム

  • 十字ボタンの左右(玉を打ちだす強さの調整)、Aボタン(玉を発射)で操作。
  • タイトル画面で選べるモードは「GAME A」「GAME B」「SELECT A」「SELECT B」の合計4モードある。ゲームモードは240台ある中から、プレイする台がランダムで選ばれ、セレクトモードは自分の好きな台を選ぶ。
    • AモードとBモード2通りの方法でハイスコアを目指す。

ゲームモード

  • Aモード
    • 100発から打ち始めて打ち止めの3000発に達すると終了(打ち切ってゼロになるとゲームオーバー)。3000発に達するまでのタイムを競う。
    • 3000個に達すると、ボーナスゲームに移行する。
      • ボーナスゲームは1分間の間に「中央左寄り」「中央右寄り」「左下」「右下」の4ヶ所の入賞口のうち1つにキャラが登場する。そのキャラがいる間に対象の入賞口に玉を入れるとクリアとなる。
        クリア時はボーナスゲームの残りタイム分が、上記の3000発までかかったタイムからマイナスされ、短い順に3位までハイスコアに記録される。このボーナスゲームでは大当りを引き当てても何の意味もない。
  • Bモード
    • 100発から打ち始めて10分間の間にどれだけ玉を増やせるか。10分間終了時のスコア(玉数)を競う。
    • 10分が終了して玉数が3000を超えていれば、ボーナスゲームに移行する。
      • ボーナスゲームは1分間の間に「中央左寄り」「中央右寄り」「左下」「右下」4ヶ所の入賞口のうち1つにフルーツが登場する。そのフルーツの出ている入賞口に玉を入れるとボーナスポイントが加算される。またいくら打っても持ち玉は減らない。
        つまり1分の間にいかに多くボーナスを取れるかがカギとなる。Aモード同様このボーナスゲームでは大当りを引き当てても何の意味もない。
      • ボーナスゲーム終了後、玉数の多い順に3位までハイスコアに記録される。

台の仕様

  • 台は全部で2機種各120台ずつ計240通りの台から1台を選ぶ
    • 240台なのに台番は001~370番なのは当時パチンコ店でよくあった4と9を飛ばす*1順列になっているため*2
    • 機種は下記の通り。
  • ブラボー10(001~180番台)
    • 俗に言う「デジパチのセブン機」でデジタルが揃うこと「大当り」または「小当り」となり盤面下部にある「アタッカー」が開き、それに玉を入れることで大量の出玉を得ることができる。特に「大当り」ならば一度に1000発以上の獲得ができる。
  • キングタイガー(181~370番台)
    • 俗に言う「羽根モノ」で、下部にある3つの「オープンチャッカー」に入れることで中央部役物の羽根が開く。
      • 羽根に拾われた玉が役物の中のVゾーンに入ることで「大当り」となり、しばらくの間羽根が連続開放する。
  • どちらの機種も左下と右下の入賞口がチューリップになっている。
    • これは実機でも見られる「メカチューリップ」で最初は閉じており玉が1つ入ればチューリップが開いて入りやすくなり開いた状態で入ると閉じるというもの。
  • ちなみに玉が釘等の間に引っかかって詰まってしまうとキャラを操作してはずしに行くモードになる。
    • よくあるパチンコ店で店員が行う作業のゲーム流アレンジだが子供からすればわけがわからないかも。

問題点

  • タイトル画面以外ではBGMが一切流れない。
    • パチンコ中は基本的に、「シャラシャラシャラシャラ」という玉が落ちる効果音と、フィーバー中の「ピュロピュロピュロピュロ」という効果音が流れるだけである。
      • とはいえファミコン初期の作品ではよくあることではあるし、そもそも当時の「軍艦マーチ」世代なパチンコはそういうものである*3。逆に言えば「軍艦マーチぐらい流せ」と言う意見もあるだろうが…。
  • デジパチのスロットが当たってもちょっと台の一部が光って効果音が鳴る程度の演出で盛り上がらない。
    • 尤もこちらも当時のパチンコを考えると当然と言える*4
  • 単調なゲーム性に加えて時間がかかる。
    • パチンコを題材にした都合上仕方ない一面もあるが規則的に飛んでいく玉を見ることと、その微調整ぐらいしかできないのにBモードの出玉トライアルは10分かかる。
    • Aモードの3000発タイムトライアルでも「ブラボー10」の方だとよほど運が良くない限り15分ほどかかる。比較的当たりやすい「キングタイガー」でも8分ほどを要する。

賛否両論点

  • 「ブラボー10」が現実のパチンコより当りやすいことはもちろんのこと、特に考えず適当に打っていてもそこそこ入って狙うべきところを狙っていれば大当りしなくても玉はジワジワ増えていく。
    • パチンコとしてはアマアマすぎて不自然な気がするがゲームとしては現実のようなバランスにしてしまうと主力のプレイヤーである子供からすれば「すぐに全部飲まれてばかりで以後ヤル気も出ず」ということにもなりかねないので、それなりにとっつきやすいバランスを維持できている。
      • 反面、意図的に自滅を狙わないと全部飲まれることがないようでは、いくら子供からしても張り合いがなく感じられるかも。
    • また上記の通り3000発までのタイムトライアルを用いるなどゲームとしては、それを活かすルールでカバーもできている。
  • パッケージでは「台の種類は全240種類!」と謳っているが、実際は台の色と一部の模様と釘の配置を変えたデジパチと羽根モノがそれぞれ120台ずつあるだけである。
    • まるで240機種あるとも思わせぶりな謳い文句は詐欺まがいだと思いたくなる一方、初のパチンコゲームでこれだけ豊富な釘パターンを用意されているのは褒めるべきかもしれない。

評価点

  • 目立って妙な挙動は特になくパチンコシミュレーターとしては成立している。

総評

定価4,900円する本作は、ゲームというよりはパチンコシミュレーターの感が強い。
「ファミコン初のパチンコゲーム」という意義はあるが主に子供が触れるファミコンのゲームとして見るとほぼ確実に出る前提とはいえどちらかといえば退屈な部類に入る。
「パチンコ大好きなお父さんのためのゲーム」みたいな戦略にしても、金のかかっていないパチンコなんぞ当った所で喜びも何もなく虚無感しかないため到底受け入れられるはずもなかった。


余談

  • ゲーム内のデータを見てみると開発スタッフによるものと思われる愚痴その他がローマ字で書かれている。
    • その文章量はデータ全体の5%にもおよぶ。
    • これによれば開発スタッフ自身、発売元の提示した仕様に疑問を抱きつつ不本意な仕上がりで世に出すことになってしまったらしく、このストレスがなければ、もっといいゲームになったのかもしれない。
+ その愚痴の内容(日本語訳)

※メッセージ内に電話番号と思われる数列があるが、念の為伏字にさせていただく。

ここから先は言いたい放題!!
企画のJPMのMr.ゴウハラは何にもしないクセに色々言いやがってうるさい野郎だバカ!

"T"社のDEG/NANA/KOYA
てめいらは前に言った事と違う事ばっかり言うなアホ。
てめいらが言ったから徹夜して作ったのに「前の方がよかった」なんて言うんじゃない!
こんなつまらないボーナスステージ&玉ずまりを誰がやると思ってるんだ!
セレクトでJOYを右にすればふつうは+1されるんだバーカ!
音の会社のクセに変な音ばかりを入れようとしてパチンコの音を無視するな!
玉の音が聞こえないのがそんなにいいのか!
前の音も残してあるので聞きたいなら直してね。
HEXアドレスのAFFCをデータ1FAFに、AFC4をデータE0EEにすればマシな音になります。(Tiger_V & Kugi)
"T"社のアホとGOUのバカ!良い音は誰でも分かるんだい!

"N"社さんは"I"社の「PRO580」で開発しているのかな?
よくあんな変なマシン(3"FD)で作るよな!
お絵かきも穴をなぞって描くのかな?
穴をなぞるのが嫌な方、Bear'sのお絵かきマシン(ROM)&デバッガーを500万円で売りますよ・・・・
Tel XX-XXX-XXXX 綺麗な絵のためなら安いもんだ!!!

なんで6502のデシマルモードを抜いたの?
デシマルコンピューターなのに・・・・・マスクの切り間違いじゃない?

もしもこれを見た人は"H"!
MSXのパチコンにもメッセージがあります・・・・・
"H"な人は買ってみてね!ただし琉球方言ですよ!
見たのは内緒にしてね!
by Y.S

  • この文章内に書かれている通りにメモリエディットを行うと、上記で「問題点」とされていた釘音とタイガーのフィーバー音のSEが変化(旧仕様)する。
    • 文中によるとこちらが開発者の意図した音とのことで、試せる環境があるのであれば試してみるのも良いかもしれない。
  • 文章内で触れられている"JPM no Mr.GOUHARA"は、のちのココナッツジャパン社長と同一人物と思われる。
  • 前述のサイトによるとクレジットも没データとして存在しており、本作の制作者は10人にも満たない様子。
  • ちなみにMSX版にも違う内容の愚痴が収められているとの事だが、内容はHな擬音+琉球民謡+標準語でのゴウハラへの愚痴+琉球方言での愚痴で構成されている。
  • 時を隔てた1997年、『パチコン』はアルゼ(現・ユニバーサルエンタテインメント)グループのパチンコ機*5の通称として用いられることになる。語源こそ「パチンコ+コンピュータ」で同じだが、このゲームとは一切関連はない。
  • ゲーム同様この当時はパチンコ店で台番号に縁起の悪い数字である4と9を飛ばした順列が恒例だった。
    • 他にマンションの部屋番号や駐車場の区画番号でも同様の方式が取られていた(ただしマンションでは階数ではやむなく4や9が使われていた)。
    • だが平成中期以降はあまり気にされなくなり、反対に正確な数が把握しにくい不便さが気にされるようになり現在ではほとんどなくなった。
  • 「240台あってたった2機種だけ?」などと思う人もいるかもしれないが後の2000年代初期のパチンコは「CR海物語」シリーズの独壇場でパチスロはいろいろ設置していても何百台もあるパチンコが「CR海物語」オンリーという店も珍しくなかった。

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最終更新:2024年01月27日 14:19
添付ファイル

*1 4は「し」と呼称できるため「死」、9は「く」と呼称できるため「苦」と、それぞれに通ずることから「忌み番」とされているため。

*2 「001」→「002」→「003」→「005」………「037」→「038」→「050」→「051」という順列なので見た目の数字で100あたり36の欠番が存在することになる。

*3 当時のパチンコ店では店内放送で軍艦マーチが流れているのが一般的で、逆にパチンコ台自体に音源は存在しなかった。

*4 フルカラー液晶による当たり演出が始まったのは1991年の『麻雀物語』から。

*5 代表機種「CR乙姫」「CRラブラブカップル」等