怪盗ワリオ・ザ・セブン
【かいとうわりお・ざ・せぶん】
ジャンル
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タッチペンアクション
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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512MbitDSカード
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発売元
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任天堂
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開発元
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朱雀
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発売日
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2007年1月18日
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定価
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4,800円(税5%込)
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配信
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【WiiU】バーチャルコンソール 2015年9月30日/950円(税8%込)
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判定
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バカゲー
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ポイント
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宝箱ミニゲームが… タッチペン誤爆 ワリオっぽさは健在
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ワリオシリーズリンク
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概要
初代『スーパーマリオランド3 ワリオランド』から数えて通算7作目になるワリオ主役のアクションゲーム。
お宝を求めてワリオがアニメ「怪盗紳士アルデンテ」の世界に飛びこむ、という設定のストーリー。
基本システム
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十字ボタン(又はABXYボタン)で移動を行い、タッチペン操作で変身やアクションを行う。ジャンプは十字ボタンの上かXボタンで行う。
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プレイしていくと「マスタージェム」というアイテムを入手し、変身できるバリエーションが増える。最終的に7種類に増える(怪盗ワリオを含めると8種類)。加えて一つの変身で出来る事も少しずつ増えていくため、最終的には非常に多彩なアクションが可能になる。
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マップ上には赤い宝箱(おたから=ハイスコア用アイテム)、紫の宝箱(全体マップ、又はストーリー進行用アイテム)、緑の宝箱(パワーアップアイテム、一度取れば他のステージでも有効)の3種類の宝箱があり、罠の解除に成功(=ミニゲームをクリア)すると中身が手に入る。
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ステージの最後にはボスが待ち構えている。変身能力を駆使し、弱点を突く事で倒せる。
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一度クリアしたステージは何度でもプレイでき、お宝の総額(ハイスコア)と最速クリアタイムが記録される。
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変身一覧
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怪盗ワリオ
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ワリオにチェックマークを描くと変身できる。いわゆる通常形態。
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攻撃はタックルしかない上、トゲのある敵は逆にダメージを受けるため、戦闘能力は低い。
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唯一ダッシュが出来る為、実質移動用のキャラクター。最も変身の機会が多いだろう。
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スペースワリオ
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ワリオの上に丸(ヘルメット)を描くと変身できる。宇宙飛行士型。
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好きな方向にタッチペンでビームを撃てる。ビームに反応する仕掛けもある。連発可能。
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性能が上がるとビームが壁で反射するようになる。
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グラフィティワリオ
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ワリオにキャンパス(チェックボックス?)を描くと変身できる。その場から動けなくなる。
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画面上の好きな場所にブロックを出現させられる。離れた場所のスイッチを押すのに有効。性能が上がると一度に3つまで出せる。
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ドアを描いて、最後にセーブしたポイントまで戻れたりもする。
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性能が上がると体力回復のハートを(無尽蔵に)作れるようになる。ただし描くには正確性が必要なので慌てやすいボス戦では逆にピンチになるかも…
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描き損じると足の生えたウンコがすっ飛んでいく。手間はかかるが実は全攻撃中最強の威力を誇り、作ったブロックをさっさと壊したい時やあるボス敵への攻撃に必要だったりするので割と重要。
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ドクターワリオ
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ワリオに虫眼鏡を描くと変身できる。白衣を着たワリオ。
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変身中は特殊なメガネを装着するため、普段は見えない物が見えるようになる。
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性能が上がるとマジックハンドでパンチを繰り出す。これでしか押せないスイッチや壊せない壁がある。
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ビリビリワリオ
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ワリオに稲妻を描くと変身できる。
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暗い所で宝箱やドアの開閉を可能にする。一瞬だけ周囲を明るくすることも可能。電気で動く仕掛けを作動させたりもする。
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性能が上がると、周囲に電撃を飛ばせるようになる。
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この変身だけ、全てのボス戦で使う事が一度も無い。ただでさえ使用機会が限定されている為非常に影が薄い。
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キャプテンワリオ
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ワリオの前に船を描くと変身できる。水中専用。
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他のワリオだと水中に沈んでしまうが、このワリオなら浮き上がり、しかも水面を素早く移動できる。水流にも負けない。
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性能が上がると潜水艦に変形して水中を自由に動けるようになる。魚雷も発射できる。
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ダイナソーワリオ
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ワリオの後ろに尾を描くと変身できる。横移動・ジャンプ力が最低になる。
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恐竜と言うより怪獣になり、炎を吐くことができるようになる。文字通り火力は高く、植物敵に大ダメージを与えたり、炎でしか壊せないブロックを破壊できたりする。
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性能が上がると炎が青色になり、壊せるブロックの種類が増える。
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薄い床に乗ると落ちる、氷の床でも滑らない、耐熱スーツが無くてもマグマでダメージを受けない等、足は遅いが移動用としての側面もある。
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フライングワリオ
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ワリオの後ろに翼を描くと変身できる。
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マイクに息を吹きかけると上昇する。最初は上昇するだけだが、性能が上がれば空中で左右に移動できる。
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一部のステージの難易度が下がるためか、加入タイミングが非常に遅い。逆に言えばタイムアタックではこれを利用したショートカットが必須である。
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唯一、直接的な攻撃性能を持たない変身でもある。
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評価点
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単純にボリュームが多い。
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普通にクリアするだけでも相当な時間を要する。
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やり込み要素が実は結構多い。お宝図鑑、敵図鑑、宝箱の罠ミニゲーム図鑑、そして各ステージのハイスコアと、そこそこ充実している。
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しかし後述するように、お宝やミニゲームは集めきるのがかなりの苦行となる。
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各ステージにはいくつかセーブポイント(他のゲームで言う中間地点・再開地点に当たる)があるが、そのうち1つは必ずボス部屋の近く(さすがに目の前ではないが)に設置されているため、負けてもやり直すのは苦にならない。
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キャラクターが個性豊かで、変な動きをする物が多く見ていて飽きない。そういう意味でバカゲーとしての側面も強い。
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ドット絵で表現されるキャラクターの挙動は無駄に細かく、バカっぽい。ワリオならではの魅力が詰まっている。
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倒すとリアルタッチの動物になって逃げていくというシュールな性質を持つ敵が多い。
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倒した敵キャラはデータベースに登録される。一つ一つおバカな説明が用意されている。
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敵のネーミングはかなりぶっ飛んでいる。ラフレシアがモチーフの「
ラブ
レシア」、何故かキリスト教っぽくなった「ツタン
アーメン
」など比較的真っ当なものから、某怪盗ダイブのごとくパンツ一枚の猿「モンキーパンツ」、やたら子孫を残したがるオス植物「タネキンそう」、揚句に中の人らしき描写が存在する大型ネズミ「ヒッキーマウス」など枚挙に暇がない。
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音楽は総じて良質。メニュー画面や序盤ステージの音楽はいつものワリオシリーズらしくユルい雰囲気なものになっているが、後半ステージの音楽ほどシリアスながらもカッコいい曲調のものが増えていく。
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特に最終ステージや各ボス戦の曲は他のワリオシリーズの雰囲気からは考えられないほど熱くカッコいい曲になっており、ファンからの評判も上々である。
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ワリオシリーズとしては濃いストーリー性。
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ストーリーは全体的にワリオシリーズらしいエッセンスが入っていながらも
基本は王道かつシリアス
。カッコいいワリオを見たい人にはオススメ。
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「ウィッシュストーン」を5つ集めて願いを叶えることが最大の目標なのだが、このウィッシュストーンにはある秘密が隠されており、全て集めた時にその秘密が明かされる。
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最初はかすれていて読めなかった部分が最後に読めるようになるのだが、この文章が日本語としてはやや不自然なため、強引な展開っぽく感じる人もいるかもしれない。一応見返せばそれなりに伏線が張ってあったりするが。
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今までのワリオシリーズではゲーム中での台詞がほとんどなかったワリオがかなり積極的に喋っている。説明書で喋りまくるのとはまた違う趣がある。
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もちろん他のキャラクターもワリオに負けず劣らず喋ってくれる。いずれのキャラクターも個性が強く描かれており、幕間の掛け合いも見ていて飽きない。
賛否両論点
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タッチペン操作。
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誤爆しやすい。特に、「グラフィティワリオ」「ドクターワリオ」の変身が間違いやすい。落ち着いて描けば問題は無いのだが…。
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素早い変身が可能である分、焦れば焦るほど失敗しやすい。
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宝箱のミニゲームは強制。
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ほとんどのミニゲームは簡単なので苦にはならないが、次第に作業感が強くなっていく。
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どのミニゲームが選ばれるかはランダム。1分近くかかるものもあれば、1秒でクリアできるものまである。最速タイムに響いてくる。
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ラストステージ、長丁場なのにセーブポイントが1ヶ所しか無い。
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しかも、ラスボス部屋の入口扉がある最初のエリアから中途半端にやや離れた、クリアには無関係な部屋にあるため、プレイ次第では気づかない可能性も…。
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ラスボス、形態によって強さが違い過ぎる。
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第一~第二はそこそこやっかいなものの、第三は安全地帯があるため、攻撃→安全地帯へ…を繰り返すだけで、あまりにもあっさりと勝ててしまう。
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クリア後、超高難易度のやりこみステージが5つも出現する。ステージの構造は一緒で、制限時間内に指定された場所の宝箱を順番に開けていくというもの。
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最初から全ての変身が使えるためある程度楽だが、タイムが非常に厳しい為何度も時間切れを経験する羽目になる。
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最後の変身「フライングワリオ」。
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空を飛べるのだが、上昇に必要なのがマイク操作。かなりしんどい。
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マップの構造的にもいざという時だけしか使わないので多用する事はないが。
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変身できるようになるのは、全10話中9話目。遅すぎるのでは?
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他の変身は4話で一通り揃う。
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実質チート性能なので、仕方がないと言えば仕方がない。
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「しょうごう」を得るのに必要な合計金額が高過ぎる。
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普通にプレイしたのでは、クリアしても下から2番目の「かいとうもどき」どまりになってしまう。
問題点
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マップの難易度が高い。
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異様に広く、複雑で迷いやすい。移動に時間もかかる。
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次に何をすればいいかは仕掛けで察しがつくが、「何処に行けばいいか」はノーヒント。ダンジョンを虱潰しに探していくしかない。
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仕掛けは多くが単純だが、迷路のようになっているマップも多く一筋縄ではいかない。
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以前のワリオシリーズにも同じ特徴はあるが、本作はタッチペン操作のためテンポが悪く、余計に浮き彫りになってしまっている。
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最初のステージの時点でこの難易度なので、最終ステージの仕掛けは本気で殺しにかかってくる。
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大体一つのステージをクリアするのに20~30分、ひどいと1時間かかる。
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これに対して、戦闘の難易度は緩い。
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大体のザコ敵は最初の最初に手に入る変身「スペースワリオ」で遠距離からあっさり倒せる(効かない敵も多いが)。
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ボス戦では左下に変身のヒントが表示されるため分からなくて詰むことはまず無い。
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もっともこのヒントがなかったら相当難しくなるのは目に見えているが。
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一見難易度の高いスピード勝負も、相手の進路にブロックを設置して足止めをするといった鬼畜戦法であっさり勝つことが出来る。ルートが分かっていればそんな手を使わなくても勝てるが、初見ではまずクリアは難しい。流石ワリオ。
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第4話で体力を無尽蔵に回復する手段が手に入るため、フィールドの敵も恐るるに足らず。
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ハイスコア及び、収集要素における最大の敵「ミミック」。
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いくつかのステージでは、赤い宝箱のどれかがランダムでミミックにすり替わっている。
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コイツ自体は大して強くないが、本来そこにあるはずだった宝が(その周回では)入手できなくなってしまう。10000や20000といった高価な宝がミミックになっていると、最終スコアがそれだけ減ってしまうことになる。
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また、収集要素としてもカウントされないため、2周プレイは必然となる。
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一応、ステージを途中離脱しても宝物は登録されるので、収集要素としてはそこまで凶悪な仕様ではない。
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セーブポイントの位置がマップに表示されないため、どこにあるのかわからなくなることがある。
総評
タッチペン操作の不自由さ、周回プレイを強いる宝箱の仕様、迷路のようなフィールドといったストレス要素が積み重なり
豪快さ・爽快さがウリのワリオシリーズらしからぬ、かなりイライラするゲーム構成になってしまっている。
しかし良質な音楽、豊富なアクション、そこかしこに敷き詰められたネタ要素は間違いなくワリオシリーズの7作目を飾る物として相応しい出来であろう。
ワリオのファンなら手に取っておいても損はない作品である。
余談
最終更新:2022年10月02日 18:41