このページでは本体『A列車で行こう9』と『Ver.5.0』までのPC版追加パックを取り扱っています。
(移植版である『A列車で行こうExp.』と同DLCに関しては割愛)



A列車で行こう9

【えーれっしゃでいこうないん】

ジャンル コンプリート 都市開発鉄道シミュレーション


アディショナル A9バージョンアップキットセット
最新Ver.単品 A9バージョンアップキット
対応機種 Windows7/8.1/10(※64bitのみ)
発売元 Ver1.0~2.0 サイバーフロント
Ver3.0以降 アートディンク
開発元 全作
発売日 Ver.1.0本体 2010年2月11日
JR東海パック 2015年12月11日
現行最新Ver. 2018年9月6日
定価(税別) コンプリート 16,800円
アディショナル 10,800円
最新Ver.単品 5,800円
Ver.1.0単品 6,800円
判定 Ver.1.0 賛否両論
シリーズファンから不評
Ver.2.0以降 改善
賛否両論
スルメゲー
ポイント 共通 (良くも悪くも)「世界、一新。」
過去作からの進歩に乏しい
常識はずれの要求スペック
ややこし過ぎるバージョン商法
暴利な価格設定
劣悪でいい加減な経営SLG要素
シリーズ屈指のグラフィック
ver.2.0以降 進化した箱庭SLG要素
多様になった収録車種
徐々に改善はされていった
備考 製品詳細はバージョン一覧を参照
初回プレー時は要コンプリートパック
A列車で行こうシリーズ


世界、一新。



概要

経営SLGと箱庭SLGがこれ1本で楽しめる事で熱狂的なユーザーを獲得した、『A列車で行こう』シリーズの9作品目。
発売前情報から綺麗なグラフィックの景色がファンを期待させ、自由度の高さがアピールされていた。
当初は問題点が目立って自由度が高くなかった面もあったが、度重なるバージョンアップで現在では箱庭SLG要素に限れば見違える程には改善された。

これからゼロの状態から始める際は、ゲーム自体が起動しなくなることを防ぐため、必ず『コンプリートパック』を購入しよう。


バージョン一覧

まず新しく買う人にも、これからバージョンアップする人にも最初に注意するべき点がある。

既存ユーザーにメジャーアップデートが無償で提供されることはなく、バージョンアップごとに「バージョンアップキット」を買わなければならないため、バージョンが進むたびにラインナップがややこしいことになっている。また、追加パックも必須となる。
つまりは、『A列車で行こう9』+『建物キット』+『建物キット2nd』+『JR東海パック』+『Version2.0以降のアディショナルパック』を全部揃えたものが『Version5.0 ファイナル コンプリートパック』とイコールになっている。
マイナーアップデート(修正パッチ)は「Version.○.0 Build ○○」の形でバージョンごとに提供される。
因みに現在は『Ver.1.0本体』『JR東海パック』を除いて単品での販売は終了している。

+ 一覧
製品名 発売日(初版) 定価(税別) 概要 プレイに必須
A列車で行こう9
A列車で行こう9(本体) 2010年2月11日 12,390円
(→9,240円→6,800円)
なし
A列車で行こう9 建物キット 2010年10月8日 3,990円 A9用建物データ集 本体
A列車で行こう9 建物キット2nd 2011年12月23日 3,990円 A9用建物データ集 本体
A列車で行こう9 with 建物キット 2010年10月8日 本体+建物キット1 なし
A列車で行こう9 完全版 2011年12月23日 本体+建物キット1,2 なし
A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル
A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル 完全版 2012年12月7日 17,800円 本体+建物キット1,2+Ver.2.0 なし
A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル アディショナルパック 10,800円 建物キット1,2+Ver.2.0 本体
A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル 6,800円 Ver.2.0のみ 本体+建物キット1,2
A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル with プロフェッショナル公式ガイド 19,000円 Ver.2.0+公式ガイド 本体+建物キット1,2
A列車で行こう9 Version3.0 プレミアム
A列車で行こう9 Version3.0 プレミアム コンプリートパック 2014年6月27日 16,800円 本体+建物キット1,2+Ver.2.0+Ver.3.0 なし
A列車で行こう9 Version3.0 プレミアム アディショナルパック 10,800円 建物キット1,2+Ver.2.0+Ver.3.0 本体
A列車で行こう9 Version3.0 プレミアム 5,800円 Ver.3.0のみ 本体+建物キット1,2+Ver.2.0
A列車で行こう9 Version4.0 マスターズ
A列車で行こう9 Version4.0 マスターズ コンプリートパック 2015年6月17日 16,800円 本体+建物キット1,2+Ver.2.0+Ver.3.0+Ver.4.0 なし
A列車で行こう9 Version4.0 マスターズ アディショナルパック 2015年6月19日 10,800円 建物キット1,2+Ver.2.0+Ver.3.0+Ver.4.0 本体
A列車で行こう9 Version4.0 マスターズ 5,800円 Ver.4.0のみ 本体+建物キット1,2+Ver.2.0+Ver.3.0
A列車で行こう9 Version5.0 ファイナル
A列車で行こう9 Version5.0 ファイナル コンプリートパック 2018年9月6日 16,800円 本体+建物キット1,2+Ver.2.0+Ver.3.0+Ver.4.0+JR東海パック+Ver.5.0 なし
A列車で行こう9 Version5.0 ファイナル アディショナルパック 10,800円 建物キット1,2+Ver.2.0+Ver.3.0+Ver.4.0+JR東海パック+Ver.5.0 本体
A列車で行こう9 Version5.0 ファイナル 5,800円 Ver.5.0+JR東海パック 本体+建物キット1,2+Ver.2.0+Ver.3.0+Ver.4.0

本体(Ver.1.0)

評価点(共通)

環境面の表現

  • グラフィックがシリーズ最高峰。波打つ水の表現、太陽の光、影の表現等は特筆に値するレベル。
    • テクスチャの綺麗さでローポリゴンをカバー出来ている所も及第点。もしポリゴンも綺麗なら、より高い推奨スペックが要求されるであろう。
      • 前作の『A列車で行こう8』(AHX)のように、一部汚いモデルがあるという事も無い。
  • SEの芸が細かい。水の音や、遊園地のジェットコースターの絶叫、ロケットの発射カウントらしき音等、挙げればキリが無い程。
  • グラフィックが動く建物が存在する。観覧車や遊園地の乗り物、風車や潮力発電、芸が細かい。
  • 車窓モードにおけるグラフィックも非常に綺麗。乗っているような気分が味わえ、かつ横を見ながら走ることも出来るようになった。
    • スペックの良いPCでないと出来ないことだが、早送りにしながら車窓モードにすると、非常に酔いやすいので注意。

最多の収録車種

  • 登場車両が過去最大。何とVer.1.0の時点で223車種。
    • 後述の列車を含めると224車種。
  • A列車で行こうDS』(ADS)にあった列車の後退速度が本格的に貨車列車主体に採用された。ただ、公式では「今作が初」と紹介してしまうミスもしてしまっている。
    • 列車種別によって同じ最高速でも加速性能の違いもある。これも今作が初。

UI関連

  • UIはA8のものを踏襲しており、見易く使い易い。
  • グリッドの制約を受ける事無く、より細かな線路・道路の敷接が可能になり、自由度も増した。
  • ポイント・交差点・駅保有数等が大幅に増大。従来は2、3桁だったのが4桁となり、より入り組んだマップが作れるように。
    • しかし後述の問題点の通り、それでも足りない人には足りない。
  • ダイヤも『A列車で行こう6』程では無いにしてもかなり細かくダイヤを組める。
  • マップコンストラクションの使い勝手が良い。一部の建築物の除き、自由に建設やダイヤ組込等が出来る。
  • マップコンストラクションモードにおいて、リアルな地形を作れるようになった。地形の自動生成機能も存在する。

列車関連

  • 行き止まり駅舎が初登場した。これで行き止まりターミナルの雰囲気が出せるようになった。
    • 同時にホームが7番線まで拡張された。
  • 列車が10両編成までになり、ローカル線、近郊区域と分けるようによりリアルな車両運送が出来るようになった。
    • 車両によっては2階部分があったり、4+4な感じになっていたりとリアルになっている。

その他

  • 子会社も豊富。色々な建物を建てて街づくりが出来る幅がより広がった。
  • 経営要素は散々だが(後述)経営レポートはより細かくなった。

問題点(共通)

ゲーム内容以前の問題点

激しい使いまわしゆえの弊害

  • 発売からかれこれ10年経過しているが、追加パックの形のため既存のデータの流用が多く、グラフィックに関しては現行水準では最早時代遅れと言えるほどに低くなっている。
    そもそも、10年以上前のゲームでいつまで有料の追加パック出すつもりだ、という意見もそれなりにある。
    • 「4K」解像度対応を謳っているが、既存のテクスチャの高解像度化が行われているわけではなく、ぼやけている部分が目立つ。

2010年当時としては要求スペックが高い

  • まず要求スペックの時点で『ファイナルファンタジーXIV』程では無いにしろ、当時の最先端スペックのPCレベルでなければまともに動かし難い。
    • ファンタシースターオンライン2』の推奨スペックよりも高いと考えればその異常な要求スペックがわかるだろう。
    • ただし普通に動かしている分には推奨スペックよりワンランク下でも十分に動く。あくまで推奨スペックは、早送り機能も考慮した場合という代物。
      • だが、それでも発売当初に高品質で快適に動かせた人はどれ位いたのだろうか、と言う程ハードルが高い。
  • 上記のような高い要求スペックを持つにもかかわらず、当初は64bitに対応していなかった。32bitではメモリの制約があるのに*1
    • ちなみにXPとVistaでは現在でも32bitでしか遊べないので注意。
      • WIndows 7までのOSは既にサポートを終了しているので(セキュリティの観点から今利用するのはおすすめできない)、この点においては大きな問題ではないと思われる。ちなみに、Windows 7/8からWindows 10への無料アップグレードは2020年現在でも可能。
    • ノートPCでプレイする場合、Intel HD Graphics 4200以上、NVIDIA GeForce 820M以上は必要。

暴利過ぎる価格設定とややこしいバージョン商法

  • 定価12,390円と、PC版エヴァ『鋼鉄のガールフレンド』や『RPGツクールVX Ace』に匹敵する高さ。
    • かつてのA列車シリーズは1万超えが当たり前だったとはいえ、それはパソコンソフトどころかコンシューマソフトが全体的に今より高価だった90年代の話。現在でもPCゲームで1万を越すゲームはあまり無い。
    • 現在は9,240円に値下がったものの、それでも並のエロゲーと肩を並べる位高いのに変わり無い。
      • そして、現在に至るまでもその高額な価格設定とバージョン商法は健在で、全くのゼロからプレイ必須品全て揃えるだけでも合計何と18,690円。幾らなんでも高過ぎるのではないだろうか…。
      • 更に追加パックが幾度となく発売されたため、Ver1からリアルタイムでプレイしていた人は4万円、消費税も含めると5万円近くも払ったことになる。

致命的なバグ(修正済み)

  • 現在は修正済みだが、ゲーム開始時にフリーズなど洒落にならないものもあった。
    + クリックで開閉
  • 拡張パックの建物キット2ndが発売された当初は、インストールするとゲーム開始時に確実にフリーズするバグがあった。最早商品失格
    • 起動出来たとしても、十分スペックがあっても動作が物凄く不安定になってしまう
      • 現在はBuild 185により修正されているのでご安心を。
  • 『A列車で行こう9 特別限定セット』の209系 A列車トレインも鉄道博物館の完成対象に含まれる為、それを持っていなければ鉄道博物館を完成する事が出来ない。
    • これにより、鉄道博物館のクリア条件が達成出来ない為、注意。仮にミスだとしても悪質と言わざるを得ない。
      • 2012/8/24のBuild 190により、修正された。公式によれば、Build 160の頃から発生していた模様。
  • Microsoft Office IMEのままで起動・アクティベーションをする事が出来ない。 公式サイトにも掲載されているので忘れずに。
    • しかしこれは他のソフトウェアでも起こっている問題でもある為、IME側のバグだと思われる。
      • Ver2.0で起動時に強制的にMicrosoft IMEに変わる形で解消。
  • Windows8で関して不具合があった。
    • アンインストールした筈なのにアイコンが復活していたり、建物キット2がインストール出来ないと言う物。この系統のバグはすぐに修正された。

致命的なバグ(未修正)

  • 線路や建物等の撤去を繰り返していると、データのゴミが溜まり、結果的にその場所が地下建築物や建物が無いのに地形編集禁止エリアになってしまう。
    • この状態で更に編集し続けると強制終了してしまう
      • 対策は、発生したらすぐにセーブをしてロードし直す事。再び発生しても再度セーブロードすれば良い。

ゲーム自体の問題点

システム関連

  • 土地代が高すぎる。未開の土地でもそれなりに高く、ましてや都会の開発をするとなったら…。
  • 資材があればAIが光の如く資材周辺を建物(+道路)で埋め尽くす。今作では道路も建設するので、資材を確保したい人にとっては迷惑この上無い。
    • Ver.2.0の調整区域指定によって、景観に関しては一応問題無くなった。
  • 地下にバス停を置く方法が紛らわしい。地下エリアにバス停のカーソルを持って行くとようやく地下仕様になる。駅は地下駅と地上駅で独立しているのに。
  • スキー場が無くなってしまった。マップをリアルに作れる弊害かもしれない。
  • 画面を非アクティブにしている時は、何故か効果音が消える。

乗り物、建物関連

  • 建物キット2ndで追加される本社ビルの車両工場が詐欺同然の仕様
    • PVではあたかも車両が入れるように見せかけて、実はPVの車両工場のモデルとまったく同じ張りぼてだった。つまり、列車は入れない。正に無駄遣い。
  • 鉄道会社ごとの主力列車は大体収録されてはいる(一部はカラーバリエーションが豊富)ものの、一部主力列車が何故か未収録(例:JR九州キハ200系)。
  • 評価点にもある自由なレールの半径調整の副作用で、「フレキシブルレール*2によってポイントが作れない」「線路をくっつけ難い」等面倒な事になってしまっている。
    • 更に、初期の頃は、複線を作る事だけでも一苦労した。現在は線路に吸着する仕様になった為、解消されている。
      • …が、今度は僅かな隙間を作りたい人にとっては迷惑な仕様変更と言う結果に。オンオフが出来れば双方から受け入れられたのに…。
    • それと同時に勾配の敷接もかなりやりにくくなっている。
    • この問題点により仮設は出来るものの、暴発して予算を無駄に削られやすいのがなんとも。
  • 些細な所だが、密着連結器の車両も連結されている時は何故か自動連結器のグラフィックになっている。
  • 道路の黄色信号の時間指定が出来ない。
  • 道路の立体交差は高さを指定出来ない。

その他

  • リアルな地形を作れる分、山岳鉄道を作る人も多いが、その場合木の保有本数40万本制限に引っかかりやすい。
  • マップコンストラクションでプロジェクトを実行出来ない。その為、幾つかの弊害が出てしまっている(後述)。

過去作から劣化・退化した要素

システム関連

  • 仕様上仕方が無いかもしれないが、2Dモードの廃止。これにより、建物を建設する時は2Dで…といったやり方が出来なくなってしまった。
    • グリッドを無視して建設出来るシステムの弊害なのかもしれない。
      • グリッドを無視出来る分、微妙に隙間が出来る等、道路や線路に隣接して建物を建てづらいという副作用もある。
  • 何故かゴルフ場・空港がプロジェクト扱い。過去作は子会社で建設出来た上、一部過去作品で複数建設出来たのだが…。しかし撤去は出来る為、下記の誘致よりはまだマシか。
  • 地下やトンネルに鉄道を作る際は、単線トンネルにしかならない。今は敷接の際に線路に吸着する仕様があるのだから尚更。
  • 車両・駅・子会社リストの並べ替えが出来ない。子会社ならまだ種類別で見れる機能があるものの、車両を整理したい人にとっては不親切極まりない。
  • マップが広くなったわりに、車窓モードにおいて駅名表示がないため、(特に地下鉄を走行するときや、人からもらったデータを見るときに)どこにいるかがわかりづらい。A21・ADSでは丁寧に表示されてたのに。
    • 厳密に言えばターゲット表示で表示する事は出来るのだが、車窓モードでも知りたい所にカーソルをやらないとわからない。車窓モードだけでも今いる所は表示して欲しかった所。

乗り物関連

  • 『A列車で行こう The 21st Century』(A21)や『A列車で行こうDS』にあった現実的な乗降が導入されず、昔のような停車駅で乗客が全員乗降する形に劣化。
    • これにより緩急接続をしても自己満足でしかないし、何よりリアリティに欠けてしまう。
      • 更に駅ごとに乗客数の上限値が設定されており、同時に2編成以上の列車が発車すると乗客が0人の列車が出てくる。そのため6線ホームの駅を1つ設置するよりも3線ホームの駅を2つ設置した方が利益が上がるというおかしなことが起きる。
  • 駅舎の位置が変更出来ない。
  • 車両がホームより長い時(有効長3両のホームに4両の列車など)は一律通過扱い。何両かだけドアを開ける「ドアカット」等での停車が出来ない。
    • Ver5.0より追加された連結機能を使った場合のみ、2編成両方ともホーム有効長以下の両数だった時に限り、ホームから大きくはみ出した状態で停車できるようになった。
  • ホームの最低有効長は基本は3両まで。Ver2から追加された駅の一部は例外だがこれも問題点有(前述)。
  • Ver3.0以前は地下駅のホームが偶数でしか設置出来なかった(2.4.6番線のみ*3)。
    • Ver3.0より1線のみの地下ホームを設置できるようになったが、3線、5線の奇数ホームは相変わらず設置できない。
  • パッチにより駅の増設(同じ駅で番線を増やす)をすることが出来るようになったのは良いが、その駅とくっついている線路次第では建替える事すら出来ない。もっと言えば過去作では線路に関係無く単にホーム増設設定で番線・有効長を増やせたので、評価点でも何でも無いどころかむしろ劣化している
    • 駅舎の大きさが変わる仕様なのか、違う駅舎にしたい場合は建替えないといけない。
  • 敷接の自由度が増した所がある一方で、技術的な問題なのか、劣化した所もある。
    • カーブ中に分岐が作れなくなってしまった。これだけでも痛い。ADSですら一応出来たのに。
  • 船の航路を自由に設定できない。その上船の寄港頻度の設定も出来ない(資材の積み降ろしの設定も)。更に船がマップ外で衝突して動けなくなる事も
  • ADSとは逆に橋上から隣町へ行けるようになったが、地下・トンネル内から隣町へ敷けなくなってしまった
  • 道路敷接も問題点山積み。交差点や踏切の前後に一旦停車をするスペースが必要な為、連続して交差点が敷けない、線路に直行する踏切が作れないという欠陥も。こればかりは過去作全体から完全に劣化しているといっても過言では無い。
    • 過去作でも一旦停止をするスペースはあったが、状況に応じてそのスペースが変わるので、上記の現象は発生しない。
      • また交差点の進路設定で「時間帯によって曲がる方向を変える」機能が道路にはない。鉄道では設定できるのに……。
  • 旅客機の巡航速度が物凄くありえない(4:16辺り参照・ニコニコ動画)。見えたかと思ったらすぐに画面から消える様はまるでミサイルのよう。受け狙いなら面白いかもしれないが、純粋なSLGとしては明らかにリアリティに欠け過ぎる。現実でも着陸する時ならもっと遅いはず。

過去作から改善されていない要素

システム関連

  • 相変わらず相対的に個数制限がキツイ所が残っている。具体的には…
    • 1000個までしか資材置き場を設置出来ない。
    • Ver4.0までは車両の保有制限がそれぞれ最大100しかなかった。駅数上限は1000駅もあるのに。
      • デフォルトは20で、40,100と変更可能。
    • Ver2で追加された1m四方の小さな建造物も1000個までしか建てられない。
  • 坂に張り付くような勾配が作れない。絶対に橋上勾配になる。まあこれは技術的に仕方が無いかもしれないが、せめて盛り土とかのように表現されていれば…。
    • 地形のせいかもしれないが、せめて勾配を変えれる機能があれば…。
  • A7で最大の不評点である地下鉄駅が地上の街の発展に全く寄与しないというシステムは全く改善されていない。これでは経営面だけで言えばぼったくり同然である。

乗り物関連

  • ホームの最大本数が7本と奇数になっており、待避線を作るときに地味に嫌らしい。複々線で上下線別々の待避線を入れたら線路が8本になる訳で…。
    • 好みの問題も半ば含まれるかもしれないが、せめて10番線辺りまでは設定出来るようにしたらそこまで問題にはならなかった筈。
  • ホームの制約。この駅舎で相対式or島式にしたいという時に限ってそれが無いと言う事が非常に多い。
  • 分岐器の自由度は相変わらず低く、片開き分岐器、渡り線、シーサス・クロッシング、ダイヤモンドクロッシング位しか出来ない。
    この通り、特に経営SLGとしては問題山積みである。そして、Ver2以降でも経営SLG面ではほぼそのままである。経営SLGとしてそれで良いのだろうか?

Ver1.0時点でパッチで改善された問題点

  • バスだけでも大きく発展する事が出来る。バスは当然だが列車よりも運行費用が少ない上、列車で行けない所をバスでカバーするやり方が出来る(公式サイトにもそう書かれている)のでヌルゲーになりかねない。そのうえ資材が近くにあれば道路を勝手に敷く事もあるので…。
    • 現在はパッチにより、バスだけでは列車も使うより発展しにくくなった。
  • 時間進行がやたらと早い。すぐ24時間経過する。マップが広過ぎるせいもあるが違和感バリバリ。なぜそういう所はA3~A5クオリティなのだろうか。
    • マップが広いこともあり、鉄道が端から端まで運行するのに1日かかるという状態であった。
    • パッチで変更出来るようになり改善された。
    • 標準が450倍で、120倍、60倍、30倍と変更可能。ちなみに60倍は1秒=1分である。
      • だが30倍でも60km/hで大体2km進むのに約15掛かる計算なので、それでも違和感を感じる人には感じてしまう。
  • 過去作同様に、株で稼ぎやすい。経営SLGとしては残念が要素が多いため、多くの人が株稼ぎにお世話になるであろう。
    • パッチにより売り手がつかないと売れなくなったため、稼ぎづらくはなった。

賛否両論点

電力供給システムが厄介

  • 列車は非常用電源で動く事も出来るので良いが、発電所が無いと街の発展が衰えてしまう。
    • 田舎はひっそりと、都会は力強く輝いているという公式HPの解説の通り、街を眺める分には良いかもしれないが、発電費で資金を圧迫されるという…。
      • しかし発電所はどこに置いてもマップ全体に電力が供給される為、場所に困らないのは救い。
    • そのため、ゲームをやや複雑にさせているだけのもの、という発想になりやすいのも確か。

消費税の存在

  • 消費税の概念がある為、毎月1日目に売上の5%が支払われる。
    • リアルとも言えば面倒だという意見もあるので問題点かどうかは微妙である。法人税が10%(その年が赤字なら支払わなくても良い)と他の作品よりも抑え目なので…。
      • だが、現実の企業経営における消費税の納税は、年単位で行っているので、どちらかといえば問題点か。

一般車の未登場

  • Ver4.0が出るまでは一般の自動車が一切登場しなかった。そう言う意味でのリアリティさが減ったと言われても仕方が無い。
    • 一般車によりダイヤが乱れるのを考慮していると擁護も出来る。一般車の登場をオンオフ出来るようにすれば良いだけだと言ってしまえばそれまでであるが。
      • これはバス・トラックが登場するシリーズでは慣例ではある。

A列車で行こう9 Version2.0 プロフェッショナル

【えーれっしゃでいこうないん ばーじょんにーてんれー ぷろふぇっしょなる】

評価点(Ver.2.0)

システム関連

  • ADSに隠し要素であった市街化調整区域指定システムの採用(少し仕組みが違うが)。これで町を発展しつつ、景観を保護する事が出来るようになる。
    • サテライトを直接クリックしてブロックを指定する感じである。勿論オフも可能。
  • 列車クリックで車窓or追跡の切替や、建物ワンクリックでひとっ飛び、指定している番線が光る等、幾つかUI・見た目が改善されている所も。
  • ダイヤグラムがより細かく設定出来るようになった。
  • ゲームモードでも地形編集が出来るようになった。「GEO」から出来る。

乗り物関連

  • 本当に列車が入れる車両基地の追加。又、操車場や田舎駅は建物無しが選択出来、電停は屋根の有無が選べる。
  • 架線柱を設置出来るようになる。A21と違い、設置しない事も可能。その上線路何本分か架線柱の広さも選択可能(最大7本分)。
    • ちなみに線路とは別々に敷けるので自分で間隔を決める事も出来る。
  • 列車を5km/hごとに30km/hまで巡航速度を減らして購入する事が可能になった。
  • 橋梁を選択可能。具体的には石造りや旧余部橋梁のような橋を線路を敷くのとは別に選択可能。これはシリーズ初
    • しかも地上にそれを敷く事も可能(今までは水上で無いと敷けなかった)。
  • 建物の追加。特に自動販売機や電話ボックスのような1m四方の小さな建造物から三角地帯を有効活用出来る建物は特筆する所だろう。ちなみに1m四方の建築物のカテゴリは「アイテム」。

ver1.0からの改善点

建物の比率

  • ver1.0では建築物の縮尺がおかしく、電車と建物の大きさの比率が2:1と、電車に対して建物が異様に小さかった。特に1戸立てと小型駅を比較したら一目瞭然だろう。
    • マップの広さゆえに再現マップを想定した遊び方を(公式からも)期待されているが、この仕様が弊害となっていた。
      • 1:1スケールモードの登場により改善された。公式によればどうやら遊びやすさを求めた結果のこと。しかし、遊びやすさの為に、好評だった部分を犠牲にしても良いと言う事なのだろうか。
    • あくまで車両とその関連施設(車両基地も)の大きさを変えるというもので、建物基準の大きさの寄港する船等の大きさはそのまま。又、グリッドが10m単位になる。
      • 既に作っているマップに関しては、地形や建物のみ変換可能。その際鉄道・道路関連は全て撤去される(地上なら跡地はくっきり残る)。
  • 今までそれなりに長かったロードが短くなった(特に開始時のロードは目に見える程)。

駅舎

  • 橋上駅舎、ビルを貫通するような駅舎、複数層で駅を建設出来ない。つまり、駅を無理矢理十字に重ねて立体交差駅を造る必要がある。
    • 建設出来ないのは初期の作品位な筈なのにこれが現在で出来ないのでは劣化以外の何物でも無い。その割には線路の上にまた線路or道路が容易に敷ける。橋脚が無くなってしまうが。
      • 複数層では無い等制限があるとは言え立体交差駅の追加で一応解決。

新幹線とリニア

  • 新幹線orリニア誘致をしないと新幹線・リニアが購入出来ない。しかも誘致した路線は撤去出来ない。因みに建設すると都市の景気が上昇する。
    • マップコンストラクションモードに限り、誘致無しでも購入&設置が出来るようになった。

問題点(Ver.2.0)

システム関連

  • 調整区域指定に指定しても何故か舗装は時間が経てばしていない時と同様、草地に変わる。景観を保護する為のシステムなのにそれでは矛盾しているのでは?
  • 1:1モードで鉄道関連の建物(交通公園と車両工場)が半分の大きさになったのは良いのだが、吸着判定が消滅している

乗り物関連

  • 田舎駅・電停・立体交差駅・車庫はホーム数を変える事が出来ない。
    • 特に田舎駅は建物無しがあるのにこれでは宝の持ち腐れである。
  • 評価点の巡航速度関係だが、逆に速度を上げて購入は出来ない。
  • 架線柱は駅構内、橋架上には設置出来ない(何も無いトラス橋を使って無理矢理するしか無い)。又、坂では決められた所しか設置出来ない。
  • 橋架を地上に敷けるのは線路のみで、道路は相変わらず指定不可能。

ver2.0時点でパッチで改善された問題点

ミス

  • 線路や道路関係の当たり判定がver1のまま。つまり、編集禁止エリアが線路周辺に無駄に広がっているせいで、崖ギリギリに敷いたはずなのに橋架が出来てしまったり、盛土を細かく作りにくい事に…。

新しいバグ

  • 配送センターで折り返し設定が無かったり、ポイントにおいて一方のみしか設定出来ないなど、明らかにおかしい所があった。
  • 建物無しの操車場の建設費用が異常(現在は適正な価格になっている)。

A列車で行こう9 Version3.0 プレミアム

【えーれっしゃでいこうないん ばーじょんさんてんれー ぷれみあむ】

概要(Ver.3.0)

本体発売から4年経った2014年6月29日に、追加パック『A列車で行こう9 Version3.0 プレミアム』が発売された。
列車のカスタム機能やパンタグラフの実装と、新規車両の追加にピクチャーインピクチャー機能や、A列車で行こうシリーズ初となる、「4K」解像度に完全対応。

評価点(ver.3.0)

自由度の高い列車カスタム機能

  • 列車の編成を自分自身で決める事が出来るシステム。だが、これが(良い意味で)カオス。
    • 先頭車両・中間車両をゲーム内の車両からほぼ自由に決める事が出来るのだが…
    • 115系3両編成を2つ繋げた6両編成や、221系+223系といった現実でも比較的多く見かける事の出来る編成から、E231系+223系や731系+813系等の違う会社同士の連結、果ては先頭車だけ500系で中間車は103系という現実ではまず間違いなく見られない奇抜な編成すら作る事が可能。
    • この機能で作られた列車の最高速度は左側の先頭車両を基準にする。例えば、左側を500系にして右側を103系すれば300キロで爆走する103系が誕生する。どんな技術だ。
      • ちなみに定員はそれぞれの車両で決まるため、先頭車を新幹線かリニアに、中間車を定員の多い通勤型車両にする事で、速度も定員数も優れた完璧な車両になる。ただし見た目はお察し。
    • 貨物列車をカスタマイズする事も可能で、機関車の重連やタンク車や有蓋車・無蓋車等を連結することも可能になった。
      • ただしコンテナ車以外では資材を運ぶ事はできず、景観としてしか使い道がない。
  • 非常に自由度の高い列車カスタム機能だが、ここまでカオスに弄れても速度を上げる方向での調整は相変わらず不可能。この点を不満に思うユーザーは少なくない。
    • 65キロしか出せない103系、70キロしか出せない201系、75キロしか出せない205系・115系等、現実より大きく性能が落とされている車両が多い。現実の路線を再現しようとすると、特急型車両や新型車両との速度差が大きすぎるため、複雑なダイヤを組む上ではどうしてもその点がネックになる。
  • パンタグラフを自由に付けられる機能が新たに追加された。
    • オーソドックスな菱形から、新型車両にはおなじみのシングルアーム、路面電車でおなじみのビューゲル型など、複数の形状から選んで設置することができる。前後の設置個所や向きまでカスタマイズすることが可能。ただし気動車など、元からパンタグラフを持たない車両には設置できない。

新規車両の追加

  • Ver.1から4年、ついにユーザーの悲願だった新規車両が追加された。
    • 追加されたのはE5系・E6系・E7系(JR東日本)・N700系(JR九州/JR西日本車両)*4・287系(JR西日本)・キハ185系(JR九州/A列車で行こう)・キハ40系(JR九州/いさぶろう・しんぺい)・36-100形(三陸鉄道)・IGR7000系(IGRいわて銀河鉄道)・青い森703系(青い森鉄道)・1000系(東京メトロ銀座線)・1000形(東京地下鉄道)の計10列車。
    • 人気の高い最新型の新幹線車両や、地方都市を彩るには最適な観光特急車両、中小私鉄車両が追加されユーザーから喜びの声が多く上がる一方、Ver1の時点で収録されなかったJR・大手私鉄の人気車両や、4年間の間に製造された新型在来線車両が収録されなかった点を惜しむ人も少なくない。
      • また青い森703系のベースであるE721系は何故か未収録。Ver5.0でもこれは未収録のままである。
  • その他、Y字分岐器・スリップスイッチの追加や建築物・駅の追加等が行われている。

A列車で行こう9 Version4.0 マスターズ

【えーれっしゃでいこうないん ばーじょんよんてんれー ますたーず】

評価点(ver.4.0)

速度制限標の導入

  • 線路脇に速度制限標を立てられるようになり、区間別に速度制限を設けることが出来るようになった。しかも設定速度は10~165km/hまで5km/h区切りで決められる。
    • 進行方向左側にある速度制限が有効となるため、単線でも上下で別々の速度制限も設定可能。
      • ただし分岐器の分岐側だけ制限を設けることはできない。
    • 発売当初は10~95km/hまでしか設定出来なかったが、パッチによって10~165km/hまでに緩和された。

車両保有枠拡大

  • かねてより要望が多かった車両保有枠が、従来の100編成から200編成と倍に拡張。
    • 勿論、列車200編成、自動車200台の、計400台の車両を動かせる。

列車の最高速度

  • 今回よりカスタム編成に限り、列車の最高速度を40~360km/hまで5km/h単位で自由に決められるようになった。
    • 実車に即した最高速度に設定したり、路面電車を360km/hで暴走させることも可能になった。

散策車両の登場

  • 散策車両として自家用車、水上クルーザーが登場。
    • 自家用車は後述の運転モードの他、車を購入してバスやトラックと同じように道路で走らせておくことも可能になった。
      • 水上散策クルーザーは水上なら何処でも自由に散策ができる。

運転モード機能

  • シリーズ初となる運転モードが搭載され、自家用車、鉄道車両を運転出来る。
    • 公式サイトにも「安全運行は自分自身で…。という趣旨ではございませんが」とある通り、電車でGO!等のような凝ったシミュレーションではなく、あくまでもそれっぽい雰囲気を味わえる程度。
      • 自家用車は道路上ならどこでも運転できるが、対向車線にはみ出すことはできない。また赤信号は強制的にブレーキがかかるため無視できない。
    • 鉄道車両は速度制限無視はできるが、停車駅を通過しようとする、もしくは先行列車に接近すると強制的にブレーキがかかるので、暴走はできない。

景観アップグレード

  • 鉄道関係のアクセサリーが非常に増えた。
    • その筆頭として鉄道信号も配置出来るようになった。メジャーな色灯式のほか、腕木式信号も設置可能。
      • 発売当初は進行信号と高速進行*5信号しか無かったが、パッチによって制限信号や停止信号も置けるようになった。
    • 他にも勾配標*6、逓減標*7、曲線標、距離標、汽笛吹鳴標識、転轍器標識、防護柵と、雰囲気作りとしては十分過ぎる数が追加された。
  • また鉄道アクセサリーだけでなく道路標識も幾つか追加されている。
    • 交差点ありや進入禁止等一般的な標識の他、カーブミラー、コインパーキング、ガードレールがある。
      • ただし道路標識の殆どは高架道路に配置不可。またコインパーキングはただの飾りであり、CPUの車をそこで駐車させることは不可。

賛否両論点(Ver.4.0)

時間軸

  • 今回の追加キットで「時間軸3倍」というのが登場した。
    • 鉄道ダイヤを重視する人からすれば、1日で運転出来る本数が増大したためその点では好評。
      • 反面、道路信号が赤から青に変わるのが遅い、ゲームモードでの発展速度が異常に早く感じるなど否定的な声もある。

問題点(Ver.4.0)

新規車両の追加

  • 今回も新規追加車両があったが、追加されたのは検測車3種だけ。しかもJR東日本管内のみで活躍する「East i」「East i-E」「East i-D」である。
    • East iより知名度が高いドクターイエローは未収録。追加は後述の車両パックを待つことになる。
    • 検測車なので勿論乗客も貨物も乗せられない。景観としては使えるが、ゲーム的には走らせるメリットが皆無。

鉄道信号

  • 鉄道信号の現示は変わることがない。列車が通過しても青信号で立てた信号は青のままであり、赤信号を無視することも出来る。
    • 尤も信号現示が変わるようにするとなると、本格的な信号システムのプログラムを組む必要があり、システムとの兼ね合いを考えると仕方がない。
  • 発売当初は青信号しか無かったが、パッチによって制限信号や停止信号も置けるようになった。ただし信号による速度制限は一切掛からない。
  • また信号機設置にも妙な制限がある。
    • 信号機はトンネル内には一切置けない。
      • 高架線路には分岐器直後以外に場内信号機・腕木式信号を置けない。
      • 高架線路で中継信号機を置く判定が非常にシビア。
      • 警戒信号が用意されていない。

車両保有枠制限

  • 車両保有枠が倍に緩和されたが、それでもダイヤを緻密に組むプレイヤーからすればまだ全く足りない。
    • 自動車に関してもバス・トラック・自家用車を合わせて200台までなので、緩和されても焼け石に水程度である。

運転モードによるダイヤ乱れ

  • 運転モードを使って列車を運転した場合、高確率で後続列車のダイヤが滅茶苦茶になる。
    • CPUが運転する列車は急加速、急減速が当たり前となっているため、少しでも乗り心地を意識してしまうと設定したダイヤ通りの運転がまず出来ないためである。
      • 対策としては運転モードを前提として余裕のあるダイヤを組むか、運転モード前にデータを保存しておき、運転モード後にデータをロードする。

A列車で行こう9 JR東海パック

【えーれっしゃでいこうないん じぇーあーるとうかいぱっく】

概要(車両パック)

Version4.0 マスターズ発売から僅か6ヶ月後の2015年12月11日にJR東海パックが発売された。 名前の通り、JR東海の車両が収録された車両パック。

特徴(車両パック)

  • JR東海の公式許諾による車両
    • JR東海は鉄道ゲームや車窓等に全く協力しないことで有名であったため、JR東海の車両が出ること自体に驚く鉄道ファンも多数いた。
      • JR東海の車両自体はA列車で行こう6にも収録されていたが、新幹線5車種、在来線10車種、検測車4車種と、ここまで多種多様にJR東海の車両が収録されるのはシリーズ初。
  • 高速鉄道用軌道
    • 公式サイトには「新幹線を走行させるための高速線軌道」とあるが、新幹線以外の車両も走行可能。また鉄道信号や速度制限も設置出来る。
    • この線路は正式な複線線路という認識になる。通常の線路はゲーム判定上では単線線路という扱い。
      • 因みにマップ端をこの線路を用いて接続すると、ちゃんと進入時とは逆の線路から戻ってくる。
      • また客車列車でこの線路で隣町へ行くと、推進運転状態で進入しても機関車が先頭となって戻ってくるため、ダイヤを組みやすくなった。
    • この線路では曲線を敷設すると通常の線路より曲線半径が大きいものを敷けるため、通常線路より違和感の無い敷設が可能となった。
  • 富士山表示機能
    • 背景に富士山を表示することができるようになり、東海道新幹線の沿線風景を再現することが可能となった。

問題点(車両パック)

  • 高速鉄道用軌道の妙な制限
    • この線路は直線と曲線が1種類づつのみであり、カーブ半径を自由に設定できない。
    • 分岐器やトンネルはこの線路で建設できない。通常線路と接続はできるものの、景観はどうしても悪くなってしまう。
    • この線路は架線柱も自動で建設されるが、モデルとなっている東海道新幹線には、このゲームに収録されている架線柱の形のものは立っていない。
  • 富士山表示機能の違和感
    • マップの端から端まで使っていると、富士山がどうしても違和感のある表示になってしまう。
      • 背景に表示されているのである意味必然だが、ビルの真後ろから富士山が生えてる、等のような形になってしまう。

A列車で行こう9 Version5.0 ファイナル

【えーれっしゃでいこうないん ばーじょんごーてんれー ふぁいなる】

概要(Ver5.0)

本体発売から8年も経った2018年12月31日に、追加パック『A列車で行こう9 Version5.0 ファイナル』が発売された。
JR東海パックや『A列車で行こうExp.』で追加された車両・建物に加えて幾つかの新規車両も追加され、総数も280車種以上にまで増えた。

特徴(Ver5.0)

連結機能搭載

  • 複雑なダイヤを組むユーザーからの要望が強かった連結機能が実装された。途中駅で列車を増結・切り離すといった運用の他、下記の追加要素と組み合わせてより幅広いダイヤ組成が可能となった。
    • これにより運行可能な列車の長さも最大20両になった。ホームの長さも最大20両まで伸びたため、首都圏の中距離電車の15両編成や、東北新幹線の17両編成がついに再現可能になった。
      • また保有可能な編成数も300まで拡張。自動車と列車とでそれぞれ300まで拡張されている。

鉄道情景パーツの充実

  • 転車台・扇形の機関庫併設の転車台が実装され、蒸気機関車でも現実的な運用が可能になった。1両の車両であれば、どんな車両でも転車することができる。
    • 機回し機能を実装。貨車を操車場に止めたまま機関車だけを付け替えられるようになった為、広大なデルタ線を用いずに貨物列車で機関車を常時先頭にして走らせることが可能になった。
      • 他にも給炭槽や給炭台、高脚クレーンに給水タンクといった蒸気機関車関連のアイテムに加えて車両洗浄装置も追加され、鉄道情景が一層映えるようになった。
  • 駅設備も幾つか追加された。ホームが無いタイプの操車場が設置出来るようになり、違和感のない信号場を作れるように。
    • 更にホームがない操車場は地下や高架に設置できるため、留置線の建設が容易になった。

問題点(Ver5.0)

  • 運行できる最大両数が倍になったが、1編成あたりの最大両数は10両のままなので、山手線の11両編成や東海道新幹線の16両編成など、11両以上の固定編成は相変わらず再現できない。
  • 新幹線を連結した時に連結カバーが開くギミックは無い。そのため連結カバーから連結器が生えるような形になるためやや不自然。
    • また連結器の位置や高さが違う車両を連結した時も、連結器の形が不自然になることがある。
  • IRいしかわ鉄道とあいの風とやま鉄道の521系が収録されたが、 ベースであるJR西日本の521系は未収録である。 2022年4月発売の拡張ソフト、車両キット2ndに収録された。

A列車で行こう9 Version5.0 車両キット

【えーれっしゃでいこうないん ばーじょんごーてんれー しゃりょうきっと】

概要(車両キット)

2021年9月17日に追加パックの『車両キット』、2022年4月22日に『車両キット 2nd』が発売された。
移植版である『A列車で行こうExp.』に収録された車両の他に、完全新規の車両も追加され、総収録車両数は325へ拡張された。
名前の通り車両が追加される以外の追加要素は一切ないものの、車両の品質が大幅に上がっており(描画クオリティが上がった他、屋根上に無線アンテナ等のパーツが追加されている車両も多い)、再現度は非常に高くなっている。

問題点(車両キット)

  • ディテールが細かくなった分、特にVer1.0の車両と比べるとクオリティの落差が激しくなっている。
    • 特に分かりやすいのがE233系。0・1000・3000番台と5000~8000番台は番台違いの同じ形式なのに、一目で違和感を覚える程度には違う車両に見えてしまう。

総評

良くも悪くも「世界、一新。」。
評価点はあるが、不満点が散見する事もある為、レビューサイトでは不評ばかりだった。
それもそのはず、主に経営SLGとしての問題点を見ると、半数近くが単に従来作からのシステム焼き直しに起因している感が強い。
スタッフは昔のA列車を今風に復元したかったのだろうが*8、ユーザーが望んでいるのは過去作のリスペクトでは無く、評判の良かった作品の詰め合わせを望んでいるのを忘れてはいけない。
それでも上記の評価点のおかげで箱庭SLGとして楽しむ分には問題無い出来になっているので、風景好きにはお勧め出来る。
経営SLGと関係無いように思えてしまうが、風景等を楽しむ箱庭SLG要素こそこのゲームのもう一つの顔であるのだ
そう言う意味でも惜しいゲームかもしれない。


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最終更新:2023年07月23日 12:11

*1 2の32乗の都合上、合計3.12GBまでしか使えない上、ソフトで使えるメモリも2GBまでになってしまうから。

*2 僅かに曲がっているレール。今作では地面敷接線路と道路以外では目印がある。

*3 現実に美佐島駅のような単線地下駅がある。

*4 ただし最高速度は240キロに設定されている

*5 青信号が2つ点灯することにより、在来線の最高速度130km/h以上の運転を許容する信号。現在は成田スカイアクセス線でのみ見ることが出来る

*6 「こうばいひょう」この先の線路が何‰の勾配となっているかを示す。ただしこのゲームの勾配線路は100‰で固定

*7 「ていげんひょう」カントが終了するところに設置される標、だがこのゲームではカント曲線は無い

*8 実際に初代のリメイクである『A列車で行こうZ』が存在しているがその出来はお察しの通り。