本記事では、SFC版である『ロマンシング サ・ガ2』と、
移植・リマスター版であるPSV/PS4/Switch/One/Steam版『ロマンシング サガ2』を解説する。
判定はいずれも スルメゲー / 不安定



ロマンシング サ・ガ2

【ろまんしんぐ さがつー】

ジャンル RPG
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対応機種 スーパーファミコン
メディア 16MbitROMカートリッジ
発売・開発元 スクウェア
発売日 1993年12月10日
定価 9,900円(税抜)
配信 バーチャルコンソール
【Wii】2010年3月23日/800Wiiポイント
【WiiU】2014年1月22日/800円
【New3DS】2017年8月23日/823円(税8%込)
レーティング CERO:B(12才以上対象)
アイコン:麻薬等薬物
※バーチャルコンソール版のみ
判定 スルメゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント 千年を超える戦いを描いた歴史ドラマ的RPG
高い自由度と魅力的なボスキャラ・BGM
敵の攻撃力が異常に高く、難易度はかなり高い
システム面にも不具合や粗が目立つ
サガシリーズ


「ここに始まるは、遥かなる戦いの詩」



概要

数々の斬新なシステムを売りにするも、その酷いバグ振りで良くも悪くも話題となった『ロマンシング サ・ガ』に続くシリーズ第2弾。
システム的には前作から発展させつつ、更に斬新なシステムを多く盛り込んでいる。


ストーリー

古代、七英雄と呼ばれる集団は数多くの悪しき魔物を倒し、いずこかへ消えた。
いつの日か、七英雄は戻ってきて世界を救うのだという。
世界が乱れるたびに人々は伝説を語り、七英雄が戻ってくることを願った。
平和な時代が訪れると七英雄の伝説は忘れられたが、人の世の興亡は繰り返す。
安定した国々による平和な時代が終わり、分裂と闘争の時代が始まった。
七英雄の名は再び語られ始め、そして、彼らは帰ってきた。だが…
 
千年の歴史を持ち、かつては世界中を傘下に収めたと伝説に語られるバレンヌ帝国も、
今や支配圏は北バレンヌ地方の一部だけになっていた。
バレンヌ帝国の皇帝レオンは領内に跋扈するモンスター鎮圧に次男ジェラールを連れて駆け回っていたが、
帝都アバロンの東の港町ソーモンを占拠した七英雄の1人クジンシーによる、
突然の帝都襲撃によって、留守を任せていた長男ヴィクトールを殺害される。
七英雄は世界を救う存在などではなく、強大な力を持つ人類の敵だとレオンは悟る。
かねてよりクジンシーの危険性を警告していた女魔道士オアイーブから
志と能力を継承する術「伝承法」を教わったレオンは自らの命を犠牲にしてクジンシーの技を見切り、
「伝承法」を受けた次男ジェラールはクジンシー討伐を果たす。
 
以降、皇帝に即位したジェラールもその後の皇帝も、同じように命尽きる時、伝承法によって次代の皇帝へと志と能力を託す。
こうして、何百、何千年にも渡る歴代の皇帝達による、七英雄との戦いと世界統一の歴史は紡がれていく…。


特徴

ひらめきシステム

  • 本作最大の発明と言っても過言ではない画期的なシステムで、これが導入された事により今までにないRPG体系を実現させている。
    • 本作では経験値を溜めてレベルアップして新たな技を覚えるシステムではなく、戦闘中に突然キャラの頭上に電球が出て新たな技を閃き、以後その技を利用可能となる。このひらめきシステムは以降のサガシリーズ(コンシューマー作品はもちろんソーシャルゲームまで含む全て)においても長く愛されているシステムである。
      • 同種の武器を使うことで技能レベルが上がり、威力の底上げや、技の利用に必要なWPが増えるといった従来のRPG同様の育成要素も存在する。
  • 閃くことができる技は敵の強さによって決まり、基本的には、強力な敵を相手にすれば強い技を覚えやすい*1
    • また、閃くために「特定の技の利用」が条件に含まれるものもある。序盤用の技かと思いきや終盤になると強力な技の派生に繋がることもあり、終盤に何らかの理由で弱い技を使ったところひらめきで新たな技が覚えられる場合も。
    • 武器によってはその武器でのみ利用可能な特殊技を持つ場合もあるが、こちらも利用すると武器が壊れるタイプを除けばひらめきで覚える必要がある。この場合、ひらめいた時点で誰が装備してもその技を利用可能となる。
    • ただし、キャラによって閃くことができる技が決まっており(正確には何種類かの閃きタイプがあり、閃きタイプによって閃くことができる技が決まっている。全てのキャラがいずれかの閃きタイプを持つ)、色々なキャラで閃きに挑戦することが重要となる。
    • なお、「ひらめき」が発生すると、本来出すはずだった攻撃や技の代わりに閃いた技を利用するため、戦闘の予定が狂ってしまうケースはある。
  • また、「ひらめき」は自分で利用する技のほかに、相手の技を完全に回避することができる「見切り技」も存在する。
    • 見切り技はセットしておくことで、当該技を確実に回避することができる*2強力なもので、敵の攻撃が強力である本作においてゲーム攻略上非常に重要な要素である。
    • 「見切り技」は当該技を食らう際に一定確率で「○○を見切った!」と表示され以後、その技を食らわなくなる。こちらはキャラによって覚えられるキャラに制限はなく、敵の強さによって決まり、こちらも基本的に強い敵が技を利用した方が閃きやすい。
      • 物語においても序盤のボス戦で「見切り技」の重要性をまざまざと見せ付けられる。後述の「伝承法」システムも絡め、システム上における序盤の山場となっている。
    • 本作に登場する全ての技には見切り技が用意されている。
      • 仕様上見切りが発動しない(見切ることができない)ものも存在するが、味方しか使えないにもかかわらず見切ることが可能なものや、敵の攻撃では一切見切ることができず、同士討ちした場合のみ見切ることが可能なものは存在し、プレイヤーのやり込み魂をくすぐるエッセンスとなっている。
      • 味方しか使えない技の見切りは有用性はほとんどないが、同士討ちした場合のみ見切ることができる技には有用なものもあり、単なるやり込みに留まらず攻略に役立つことも。
  • 技と見切り技を装備する技欄は共通であり、併せて8つまでしか装備できない。
    • 攻撃技を多くセットすると、見切り技を削る必要が出てくるというジレンマがあり、どちらを重視するかプレイヤーの腕が問われるところである。
    • なお、技欄が既に8個埋まっている場合、新たな技や見切り技を閃くことができない*3ため、閃きたい場合は技欄は最低でも1つは空けておく必要がある。逆に、技を閃いてほしくない場合は技欄を8つ埋めておくことで予定外のひらめきを防止することも可能。
  • 技と見切りはいずれも一度閃くことで技道場に登録され、年代ジャンプすることで次世代からは技道場を介してどのキャラでも覚えることが可能となる。
    • また、技道場に登録されて習得可能となった後は同じ技や見切りを閃く事は二度と無くなる*4
    • 強力な技や見切りを早めに登録し、キャラクターに共有しておくことは本作を攻略する上での重要な要素となっている。

LPシステム

  • 魔界塔士Sa・Ga』のパラメータの1つである「ハート」がアレンジされて復活したもの。
  • 各キャラはHPとは別に「生命力」を示すLP(ライフポイント)を持つ。
    • LPはHPが0になって戦闘不能になったり、戦闘不能時にダメージを受けたり、LPに直接ダメージを与える技(LPブレイクと呼ばれる)を食らったりすることで1ずつ減っていく。
    • 本作では「HP0≠死」となっており、一般的なRPG同様戦闘不能で行動不可となるが、通常のHP回復手段でHPを回復し戦闘に復帰することが可能である。その代わりLP0になってしまった際の復活手段はなく、キャラクターは死亡しそのままパーティメンバーからも離脱する。
      • この性質から主人公である皇帝がLP0になるとその時点で戦闘に敗北し、皇帝継承(後述)が発生する。
  • 戦闘の度にHPは完全に回復するシステムであり、LPさえ減らなければ戦闘におけるダメージは一切気にせず戦闘が可能なバランスとなっている。
    • 一方で、LPを回復する手段は非常に限定的であり、貴重な回復アイテムですらLPが1回復できるのみであり、その他、宿屋に泊まることで自身のLPを全快する代わりに仲間のLPを1ずつ奪っていく装備品があるが、一度装備すると外せない上、代償も大きいといった具合に回復は容易ではないバランスとなっており、戦闘不能になりLPが減るに連れ迫ってくる死に怯えるハメになる。
    • とはいえ、キャラクターが死亡したとしても、別キャラクターは際限なく補充することが可能であり、キャラを使い捨てるという事に心が痛まないのであればLPがなくなれば別のキャラを仲間にすれば良いだけである。
      • もっとも、戦闘中にキャラが死亡すれば当該戦闘の戦力は落ちるし、ダンジョン内で死亡してしまえば補充するにしてもダンジョンを出なければならないため、長丁場での低LPは怖いのは間違いない。
      • 単純な1戦闘単位でみればHPの回復そのものはやりやすいため、戦闘における回復も容易であるが、長期的に見るとLPの減少によりジワジワと追い詰められていくといった具合に、良くも悪くも他のRPGの常識が通用しない要素といえる。
    • なお、LPは一切成長せずキャラによって初期LP(=最大LP)は決められており、この点もキャラの背景や役回りが見えている。
      • 基本的に生命力が強そうなキャラほど高い値であり、男性と女性ならば男性の方が高い傾向にある。
      • LPは男性であれば10強、女性であれば10弱くらいのキャラが多い。中には、最強クラスの能力を持つ代わりにLPが1という儚い命のキャラも存在するが、LP99というもはやLPの存在など気にする必要が無いようなキャラもおり極端。

陣形

  • 前作では「前・中・後列」だけであった戦闘時のキャラの立ち位置である「陣形」は大幅に進化し、戦闘の局面に応じた陣形を選ぶことで戦況を有利に進めることができる戦略的要素が追加された。
    • 各陣形の各ポジション毎に狙われやすさが決められているほか、特定のパラメータが増える、行動前に防御状態になる、行動後に防御状態になる、などといったメリットが設定されており、パーティの構成や戦う相手によって使い分けることが重要になる。
      • 皇帝以外のメンバーは配置を変更することも可能。基本的に前に配置されるキャラは狙われやすいことが多いが、例外もある。
    • なお、パーティメンバーが4人に満たない場合は「フリーファイト」という陣形で固定されるほか、背後から接敵したり、ダッシュ中に接敵したりし、陣形を乱された場合もフリーファイトとなる。
  • 最初に選べる陣形は最前列に攻撃を集め、後ろのメンバーを守護する「インペリアルクロス」と縦1列に並ぶ「フリーファイト」の2種類のみである。
    • バレンヌ帝国所属以外のキャラクターの多くは独自の陣形を保有しており、それらのキャラクターを皇帝にした上で、陣形道場の人物に話しかけることで新たな陣形を覚えることができる仕組み。
      • かなり有用な陣形から、誰得といっていい陣形まで性能はピンキリであるが、最初の陣形である「インペリアルクロス」もそれ程有用な陣形ではないことから陣形についても有用な者を覚えることが攻略の上では大切。
      • 中には、行動順を固定化するもの、敵よりも必ず先に行動できる(ただし、行動後はスタン扱いとなり盾ガードが発動しない等防御面はかなり弱くなる)、敵よりも後に行動するが、それまでは防御状態となりダメージ半減など様々な効果を持つものも。
    • オリジナリティの高かった前作の隊列システムに比べ、本作の「味方の配置によって能力値が上下する」という陣形システムはカプコンの『天地を喰らうII 諸葛孔明伝』の陣形システムとの共通点が多い。

装備と属性の戦略性

  • 本作の攻撃は斬・殴・突・射・炎・冷・雷・状の8種類の属性に分類されており、攻撃技は一部属性がないものを除けば何かしらの属性を持つ。
    • 本作における防御力は一般的なRPGのように普遍的に受けるダメージを軽減するものではなく、特定の属性のダメージを軽減するものであり、例えば斬属性の攻撃を受けた場合、斬属性の防御力によってしか軽減出来ない。なお、防具の防御力として記載されているのは斬属性の防御力であり、他の属性の防御力は事実上のマスクデータ(一応、ある程度の属性防御力を持つ目安として属性のアイコンが表示されるが、実際の防御力は一切不明)である。
      • 属性防御力が増えればそれだけダメージを軽減出来るのはそのとおりなのだが、属性防御力が128になると、当該属性を無効化することができる仕様。味方であっても炎・冷・雷であれば属性防御力を128にする方法はあるため、該当する属性をノーダメージにすることも可能。
      • 攻撃に複数の属性が設定されている場合は、防御力が最も低い数値を基準としてダメージの計算がされる。例えば斧技の多くは斬+殴属性であるが、殴属性に高い防御力を持つ無機質系のモンスター相手であれば斬属性でダメージが計算されるため、ダメージが軽減されにくい。
      • 属性のダメージを軽減する効果しかないことから、無属性の攻撃についてはダメージを軽減する手段が一切ない。槍技のエイミングや、術法のペインやギャラクシィは無属性であるため軽減が一切できない。
    • 属性攻撃は当該属性の防御力でしか軽減出来ないというのは本作の戦闘を考える上で非常に重要なのだが、ほとんどゲーム内で説明がされず、肝心の防御力もマスクデータという不親切な仕様だった。
      • 中には斬属性の防御力は低いが、特定の属性に対して高い防御力を持つ防具(たとえば「なべつかみ」は表示防御力1だが熱防御が25もあるし、「ラバーソウル」は雷防御がなんと64もある)も存在し、敵の攻撃を考えて装備を吟味する戦略性がある。
  • これに関連して、バトルフィールドにも火・水・風・地・冥の5つの属性が存在する。これを地相(地形効果)という*5。その効果は以下の二つ。
  1. 地相と同属性の術の攻撃力が増す。
  2. 地相がそのキャラ・モンスターの得意属性である場合、HPの自動回復効果(再生)が発生する。
    • 地相は決して固定的なものではなく、特定の術を使えば別のものに切り替えることが可能。したがって、プレイヤーには自身にとって有利になる地相をいかに保つかという戦略性が求められる。
      • なお、「水・火の地相」「風・地の地相」「冥の地相」はそれぞれ独立しており、例えば「火+風の地相」や「水+風+冥の地相」といった複合地相も存在する。
  • 前述の「見切り」と同様に、このような装備品の性質や地相の効果の利用を前提にしたゲームバランスは次作以降にも引き継がれてゆくことになる。

皇帝たちの何代にも渡る戦いを演出する「伝承法」システム

  • 本作は最序盤や最終盤こそ決められた主人公が存在するが、物語を紡いでいくにあたり一貫した主人公は存在せず、パーティの中心となるバレンヌ帝国の皇帝は逐次入れ替わっていくシステムとなっている。
    • 一応、ゲーム開始時に性別選択と名前入力したキャラクター(最終皇帝と呼ばれる)が、主人公といっていいだろうが、ゲーム全体でいえば最終皇帝がパーティに属している時間はそれ程長くない上、その最終皇帝さえ登場させずにクリアすることも可能である。
    • プレイ中に「皇帝のLPが0になって死亡する」、「戦闘でパーティが全滅する」、「年代ジャンプ(後述)が発生する」のいずれかが発生すると皇帝継承が発生し、別のキャラクターを皇帝として冒険を継続していく流れとなる。
    • 皇帝継承が発生すると新たな皇帝は前の皇帝から伝承法により能力、具体的には先帝の覚えていた技・術、そして技能レベルが引き継がれる。そのため、皇帝が変わっていったとしても育てた皇帝の強さはそのまま引き継がれて冒険を継続することが可能となっている。
      • 継承の際に腕力などの能力値は引き継がれないほか、現在のキャラの方が高い技・術・技能レベルを持つ場合はそちらのパラメータに置き換えられるため、弱化してしまうことはない。また、新たな皇帝が先帝の覚えられない属性の術の技能を持っていた場合は先帝のものが優先される。
      • 皇帝継承の候補者として登場するのは「皇帝死亡時のパーティメンバー(皇帝のLPが0になった場合)」、「先帝のクラスと同じクラスのキャラとクラス毎に決められた特定のパターンの中からランダムで3名の計4名(左記の場合以外)」となる。ただし、最終皇帝が登場する条件を満たしている場合は、最終皇帝以外の候補者は登場しない。
      • 最終皇帝は皇帝継承ができないという制限はあるが、それ以外であれば全滅したり、皇帝が死亡したりしてもゲームオーバーにならない。敗北時の皇帝継承では「先帝の無念を晴らす!」というセリフが表示されるのが印象深い。
  • 本作ではイベントをクリアした際に「○○年後」というメッセージが表示され、次の時代へと移ることがあり、「年代ジャンプ」と呼ばれる。年代ジャンプが発生すると以下のことが起こる。
    • 年代ジャンプが発生した時点でそれまでのパーティメンバーはリセットされ、皇帝継承により新たな皇帝が即位する。
    • 時間経過により新たなイベントが発生することがある。
    • 前時代に閃いていた技や見切りが技道場で習得可能になり、全てのキャラで習得可能になる。
    • 前時代で発注していた合成術が完成する。
    • 前時代で開発した武具(後述)が量産されて購入可能となり、次の段階の武具が開発可能となる。
  • 年代ジャンプが発生するとゲームが進行するだけでなく、武具の更なる強化など技術面・装備面でも充実してくるため、年代ジャンプが発生する度パーティは更に強化できる。
    • ただし、重要な点として、年代ジャンプはイベントをクリアした際にしか発生しないため、年代ジャンプが発生する回数は有限である。既に年代ジャンプを発生することができない状況になってしまっている場合は、上記の恩恵が受けられなくなってしまい、「技を閃いたのに道場で覚えられない」「武具の開発を進められない」といった具合に泣きを見てしまうこともあるので注意。
      • もっとも、この時代になると擬似年代ジャンプとして、特定のイベントをクリアすれば「道場に技が登録」「合成術の開発の完成」などは行われる救済措置がある。ただ、武具の開発は進まなくなるため全く問題が無いことにはならない。
  • 年代ジャンプは戦闘回数によって年数が決まり、最大で1回辺り250年経過する。年代ジャンプを繰り返すことでプレイヤーの冒険は数千年に及ぶ場合もあり(序盤と終盤を除いて)皇帝は「伝承法による皇帝位と能力の継承」を繰り返して代替わりしていくことになる。

パーティー構成の選択の幅が広いクラスシステム

  • 本作のパーティキャラクターは特殊キャラを除き全て何らかのクラスに属している。クラスとは職業や種族のことであり、1クラスは8人のキャラで構成されている。
    • パーティメンバーだけでなく、皇帝もいずれかのクラスのキャラクターから選ぶことになる。なお、クラスのキャラがどこで仲間にできるかは決められており、そこに当該クラスに属するキャラクターのいずれか1名が待機しており、パーティメンバーが4人以下の際に話しかけると仲間に入れることができる。
      • 当該クラスのキャラクターを仲間にするとまた同一クラスに属する別のキャラクターがローテーションで登場する仕組み。なお、同一クラスのキャラクターは2人以上入れることが出来ず、入れようとすると専用のメッセージが表示される。
    • クラスは全部で32種類あり、それぞれ8人所属しているため、全部で256人のキャラが居る計算になる(序盤や終盤の主人公など扱いが特殊なキャラも若干名いる)。
    • なお、キャラが死亡したとしても、当該キャラが今後登場しなくなるというわけではなく、ローテーションで自身の番になった際には同名のキャラ(ただし、見た目と名前が同一なだけで技能等は引き継がれない完全別キャラ)として再登場してくれるので、仲間がいなくなる心配はない。
      • ちなみに全滅時などの皇帝継承の候補者として名前が挙がるのは1度も皇帝を経験していないキャラのみであるため、現在仲間にできるクラスの全てのキャラが皇帝経験者となった場合は最終皇帝が出現することになる。
    • 初期状態では仲間にできるクラスは猟兵や歩兵など帝国に所属しているものに限られるが、イベントをクリアすれば聖騎士、遊牧民、ハンター、町の泥棒、海女、船乗り……果てには人魚や火トカゲ族、モグラ人間といった亜人クラスまで加入させることが可能。
      • 上記のとおり、クラスによっては新たな陣形を覚えさせることができるのもポイント。
      • クラスの中には性別が存在するものもあり、男女別々のクラスとして扱われる(当然、男女それぞれをパーティに加入させることができる)。大抵は似たようなパラメータ傾向を持つが、男性は剣や槍が得意なコテコテの前衛タイプ、女性は棍棒と天術が得意な術士タイプのホーリーオーダーのように全く傾向が異なるものも。
    • クラス毎に得意な武器の種類や覚える術も異なっているため、パーティの役割を考えた上でメンバーを選定する必要がある。
      • 通常のキャラクターは皇帝と異なり、オールマイティに強い……ということは基本的になく、自身が得意とする技能以外の技能レベルは0であるため何も考えずに好みで選ぶとかなり苦戦させられてしまうことになる。
      • クラス毎の得意武器などは加入時に話しかけるセリフでおおよその判断ができる。ただ、同じクラス内の全てのキャラクターが能力値、得意武器、技能レベル、ひらめきタイプが共通というわけではないため、前にこのクラスのキャラがこの技能に秀でていた……と思って加入させたらそもそも技能レベルを持っていないということも起きることはある。中には、ひらめきタイプと得意武器が全く一致していないという罠のようなキャラも存在する。
      • 特に能力値は一切成長しないため、技能レベルさえ何とかなればどんな運用ができる……ということにもならない点に注意が必要。
    • なお、技能レベルについては剣と大剣、小剣と槍、斧と棍棒は技は異なるが参照するレベルは同じなので小剣が得意なキャラは槍が得意ともいえる。もっとも、小剣は器用さで槍は腕力に依存するため、小剣使いと槍使いの互換性は低めなので、刺突技能のレベルが高いからといって小剣と槍をどちらも使いこなすというのは厳しい。
  • なお、クラスのキャラ名にはそれぞれ元ネタがある。例えば、帝国重装歩兵なら「ベア」「ライノ」など動物の名前から、宮廷魔術士男なら「ジェミニ」「カプリコーン」など星座の名前からである。
    • 名前がステータスに反映されている個性的なキャラもおり、宮廷魔術士男「サジタリウス」は射手座の名前の通り弓矢が得意、宮廷魔術士女「サファイア」は漫画『リボンの騎士』のヒロインよろしく小剣が得意、幕末の剣豪沖田総司を元ネタにしたイーストガード「ソウジ」は「薄命の天才」を意識して高ステータスの代わりにLP1、軍師「コウメイ」はモチーフの諸葛孔明の如く全キャラ通して術の威力がトップクラス…など名前を活用したニヤリとくる小ネタも含まれている。中には獣神サンダーライガーが元ネタの格闘家「ライガー」が格闘家の中で唯一「活殺獣神衝」をひらめくことができる特殊なタイプという、言われないとわからないような小ネタもある。
    • また、基本的にそれぞれのキャラは無個性で、固有のイベントを持つのはジェラールなど一部のキャラだけである。
      • だが、各クラスに隠しデータで「性格」が設定されており、「普通の男性・女性」「ワイルドな男性・女性」の4種類に大別できる。同じイベントでも、皇帝の性格が違うと一部の展開や喋るセリフが異なるので、クラスの違いによるストーリーの変化がある程度楽しめるようになっている。
  • WPはいわゆる技用のMP。術用にはJPを使用。実際にはWP、JPの表記はゲーム中には無く、技:現在値/最大値といった表示がされている。

成長システム

  • 本作では前作のように「キャラを好きなように育成できる」わけではなく、腕力や体力などの能力値は完全に固定であり成長による変化は一切ない。したがって、キャラが元々持つ個性を逸脱した運用をするのは難しい。
    • 成長する要素はHPと各種技能レベルのみであり、利用した武器、術法の種類に応じて倒した敵の「技術点」が配分(複数の武器や術法を使った場合按分)され、一定量になると技能レベルが上がる仕組み。技能レベルが上がると当該技能が強化される他、技を使う際に必要となるWPや術を使う際に必要となるJPも増える。
    • HPについては技能レベルは存在しないが、現在のHPに依存した技術点を稼ぐことで上昇する。
  • 初期の技能レベルについてはキャラ毎に所持技能と補正値が定められており、マスクデータである「マスターレベル」と補正値によって初期技能レベルが決定する。
    • 戦闘で技術点を獲得すると、その技術点に応じてマスターレベルの技術点も加算されていく仕組みで、マスターレベルが上がることで、次回以降に加入するキャラクターの技能レベルが底上げされていく。マスターレベルは全キャラに共通するデータとなる。
      • やや仕様的な話として、戦闘で獲得できる技術点は使った技能の数に応じて按分されるが、マスターレベルに加算される技術点は按分されないため、単純にたくさんの技能を使えば使うほど多くの技術点が加算される。
      • 実際に加入する際はマスターレベルに対して、補正値が加減算され技能レベルが決定される。なお、適性がない技能についてはマスターレベルにかかわらず技能レベルが0になるためマスターレベルを上げればどの技能も満遍なく使える……というわけではない。
        ただし、術の技能レベルについては新規で術を覚える際に技能レベルに応じた初期レベルになるため上げておくと術を新規で覚えさせてもそこそこ強い状態で開始できる。
      • マスターレベルはマスクデータではあるが、補正値などの存在さえ知っていれば正確な値を割り出すことは容易である。
    • マスターレベルの仕様のため、新たなキャラを利用する際にも最初から育成し直し……というような事態にはならず、本作のようにパーティメンバーを頻繁に入れ替えていくことに上手く対応したシステムといえる。
      • なお、加入時のHPについては総戦闘回数によって決まるため、戦闘から逃げてばかりいたとしても加入時のHPだけは上がっていく。

お金について

  • 通常のRPGのように戦闘に勝利した際敵がお金を落とすというシステムではなく、戦闘する度に戦闘結果にかかわらず現在の税収に応じた金額が国庫に入るという仕組みになっている。税収は、領土が増えることで上がっていくが、イベントの結果によって増減することはある。
    • なお、本作のお金の単位は「クラウン」である。
    • 税収は領土によって異なるため、収入の多い地域を早めに領土にすると資金効率は良くなる。
    • 戦闘結果にかかわらずお金が増えていくため、戦闘から逃げてもお金は入手できる。もっとも、後述の通り逃げてばかりだと地獄を見ることになる。
  • 国庫に納められたお金は様々な場面で必要となる。
    • 新しい武具の開発、帝国大学などの施設の建設、新部隊の結成などの際には数百万単位のクラウンを要求される。
    • そのため、各地のダンジョン内の宝箱から入手できる金額も数万以上、大抵は数十万とかなり高額である。もっとも、必要な金額もかなり高額なので中盤までは資金繰りにはなかなか苦労させられることだろう。
      • 年代ジャンプや戦闘回数で敵が強くなるため、全方位に投資しようとすると金はいくらあっても足りないが、どこに投資すべきかを取捨選択していくと決してやりくりが無理というわけではない絶妙なバランスとなっている。
  • 国庫とは別に皇帝も財布に1万クラウンまでポケットマネーとして持ち歩くことができる。
    • とはいえ、領土内の店で買い物する場合は一部例外を除き皇帝特権でタダであるため、利用する場面は領土外で買い物する時を除けばイベント時のみである。
      • 武器や防具は領土内でいくらでも揃えられるが、回復薬などの消耗品は売っていないため、ポケットマネーを使ってアイテムを買い漁ることはできない。
      • なお、消耗品については年代ジャンプの際に倉庫内にいくつか補充される仕様。
    • ポケットマネーは1万クラウンより減っている場合は、アバロンにいる国庫管理の大臣に話しかけることで補充できるほか、宝箱からクラウンを入手した際は、まずポケットマネーが補充される仕組み。
      • その他、タダで手に入れたものを売っても金は手に入る。ただし、入手手段問わず、アイテムの売却で入手できるお金は一切国庫に入らないため、ポケットマネーに入らない部分は全部切り捨てとなる。

開発システム

  • 装備については店で買う・宝箱で手に入れる・敵のドロップアイテムとして入手のほか、自帝国内で何十万クラウンとお金を投資することで武具の「開発」も可能。
    • 最終的には剣と重鎧を除く系統において、開発される武器・防具が最強の性能になり、自由で店で購入することができるようになる。
    • 開発は、段階的に高性能のものが開発可能になっていく。開発に必要な資金も40万、80万、120万と高性能になるほど増加する。ただし、一世代で一段階しか開発できず、「年代ジャンプ」を経ずに序盤から一気に最高の武器まで開発するといったことはできない。なお、武器種によっては2段階目が存在せず1段階目→3段階目と開発する武器もある。
  • 術(魔法)は戦闘を重ねて技能レベルを上げると新たな術を習得できるようになる他、「合成術」と呼ばれるものはお金を投資することで開発が可能。
    • 術の習得、合成術の開発のどちらにも「術法研究所」の建設が必要。この建設にもお金がかかる。

戦闘システム

  • 本作では、シナリオの進行が自由であるため、敵の強さは戦闘回数によって決まる仕組みとなっている。
    • モンスターの種類毎に16段階のランクのモンスターが設定されており、戦闘回数が増えると下位のものが出現しなくなり、上位のものが出現する。
    • 戦闘回数によって決まるため、戦闘から逃げた或いは敗北したとしても回数が増えていき敵が強化されていく。敵が強くて倒せないからと逃げてばかりいると更に敵が強くなるという悪循環となる。
  • また、年代ジャンプするとジャンプした年数に応じて戦闘回数が加算されるという仕様があるため、年代ジャンプが発生した後はキャラを強化しやすいが、敵もその分強くなっているということになる。

評価点

自由度が高いイベント構成で、プレイヤー独自の帝国史を作れる

  • プレイヤーはバレンヌ帝国の皇帝を操作し、世界の統一と七英雄打倒を目指していく。基本的には世界各地の問題(イベント)を皇帝直々に解決し、お礼にその地域をちゃっかり帝国の領土にすることで世界を平定していく。問題の多くは七英雄と繋がりを持つ事が多く、実際は世界の平定より七英雄打倒が主目的である。
  • 世界各地のイベントや、七英雄を倒す順番はある程度自由に行える。また、1つのイベントに複数の攻略法が用意されているため、プレイヤー個人個人によって違った展開となるのが魅力。
    • 例えば要塞の攻略でも、「正面から強行突破」「お金を払って道を教えてもらう」「あるクラスに依頼して秘密の通路から楽々攻略する」という3つのルートがある。同じイベントでも着手した時期や所々の行動によって展開が変わったり、さらに皇帝の「性格」によっては強硬な手段に訴えたりと細かい分岐パターンは数多く、全容は把握しにくい。それだけに色んな進め方が可能で複数回プレイに耐える内容である。
    • 反面、選択や行動次第でクラスを仲間にできない、領土に加えられないなど不利な結果に終わってしまうこともある。全体的に取り返しがつかなくなる恐れのある要素は多めだが、一応、基本的に個々の要素はもし入手できなくてもゲームクリア自体に著しく影響することはないという設計ではある。
  • ある地域のイベントをクリアしてから何百年か経つとまた次のイベントに派生したりと、年代経過を生かした壮大なストーリー展開である。帝国の領土の拡大や、帝都に大学や新市街が建設されたりと帝国の発展する様も楽しい。
  • そして、エンディングではクリアまでにプレイヤーが作り上げた帝国の年表が表示される。ゲームクリアまでにはプレイヤーそれぞれの違った帝国史が完成したはずであり、長い戦いを振り返る演出は感動的である。
    + フリーシナリオの真髄ともいうべき選択肢(ネタバレ注意)

魅力的な敵キャラ

  • 主要な宿敵である七英雄もそれぞれのキャラが立っており、単純な悪党と言うよりはこの物語の名敵役として見る動きもある。
    • 物語の節々に七英雄に関するエピソードがはさまれており、それにより七英雄がモンスターとなってしまった悲しい境遇が暗示されている。これを踏まえて「七英雄こそ真の主役」と解釈するファンもいる。

演出面

  • 本作では戦闘とフィールドのキャラグラフィックが統一されている
    • 実は新機軸であり、戦闘シーン時の多彩なモーションが、マップ画面でのイベントのキャラのリアクションやステータス表示画面のモーションとしてよく使われる。
    • この仕様が、以後のドット絵のスクウェアRPG作品に多大な影響を及ぼしているのは言うまでもない。
  • 現在でもネタにされている独特なセリフ。
    • 「やめろー!卵をよこせー!」「アリだー!!」「うりうりビチグソだぞー」&「やめてよーやめてよー」「はたらげー」「ほ、ほぎー」「あ う お」などシュールな言い回しはサガシリーズを象徴していると言える。
  • 前作から引き続き、伊藤賢治氏がBGMを担当。「クジンシーとの戦い」「七英雄バトル」といったバトル曲はもちろん、「皇帝出陣」などのダンジョン曲も好評。何千年にも渡る戦いの帝国史という本作のテーマに合った重厚かつ哀愁あるサウンドである。
  • キャラや技エフェクトなどのグラフィック面やフォントの改善など、前作より進化した部分も多々ある。

術が劇的に強くなった

  • 前作では術による攻撃と武器による攻撃のダメージの差があまりに激しく、攻撃用の術はほぼ役に立たないといわれていた。
    • これに対して本作は修得が厳しい分攻撃力が非常に高く、武器の技と同等か、それ以上の役割を見出せるようになった。
      • 中でも、敵全体に大ダメージを与えられる「ストーンシャワー」や「ギャラクシィ」、敵単体が対象ながら、先に上げた二つ以上の破壊力を持つ「クリムゾンフレア」は非常に強力。いずれも、雑魚戦、ボス戦の両方で非常に役立つものとして認められている。
    • 補助術も便利なものが多く、反則的な強さとして特に話題に上がる術法が、水術「クイックタイム」。使用するとそのターンの敵側の行動を封じ、更に以後数ターン味方に先制攻撃効果が付加されるというもの。
      • クイックタイムの消費JPは高めだが連続使用も十分可能。また、システム上パーティー全員への習得も容易であり、ラスボス相手でもこれを交代で唱え続ければ全く行動させずに簡単に勝ててしまう。
      • 高難度に対処できないプレイヤーへの救済措置として用意された可能性もあり、プレイ体験でも「クイックタイムを使ってなんとかクリアできた」という話は結構見られる。そのため、ラスボスは「クイックタイムがなければ攻略不可能」というやや誇張気味の意見も出ている。後述の術を敵が行動する前に唱えることができるため、先制攻撃効果も地味に強力といえる。
    • 他にも、HP全快で自動復活させる火術「リヴァイヴァ」、斬属性攻撃を100%無効化する天術「ソードバリア」、全物理攻撃を2/3近い確率で無効化して一部の複合属性なら100%無効化する地術「金剛盾」、分身を作り出すことで2倍のダメージを与えられるようになる冥術「シャドウサーバント」、1ターンのあいだ、敵のすべての攻撃の威力を半減させる「光の壁」等が強力。これらを活用すれば、ラスボスをクイックタイム抜きで完封に近い形での勝利も十分に可能である。

その他

  • 後述のように設定ミスやバグが多数存在するが、ゲーム進行に係わるような重大なバグはほぼ発生しない。
    • そのような重大なバグが存在しないわけではないが、意図的に行わない限り普通にプレイする限りではまず遭遇しない。
    • また同様に作りかけで放棄されたイベントやダンジョンも見当たらない。*6
    • 詰みポイントも基本的には存在せず、どのようにプレイしても(難易度が高くて諦めてしまわない限りは)ラスボスまで辿り着けるようになっている。
      • 最終皇帝を出さないプレイなど、一見すると仕様の穴を付いたようなプレイもしっかりと想定されている。フラグ管理が失敗してるのではないか、という挙動を見せてしまう場面がないわけではないがゲーム進行上詰むようなことはないため、むしろ、イベントでどのようにフラグ管理しているのかを探究するプレイヤーすら生み出す魅力にもなっている。

賛否両論点

非常に尖った戦闘バランス

  • 本作の戦闘はを一言で言ってしまうと、非常に尖ったものとなっている。敵の攻撃がかなり苛烈である一方で、味方にも対抗出来る手段が用意されているという「敵も味方も強すぎる」といった一種の世紀末バランスといえる。
  • 敵の火力が全体的に高い。
    • ゲーム開始直後のパーティであれば、陣形前衛であるベアはまだしも、テレーズやジェラールといった打たれ弱いキャラが攻撃を食らうと最初期の敵相手ですらほぼワンパンで戦闘不能になる。
      • そのベアでさえある程度ゲームが進み、敵が強くなると数発攻撃を食らうだけでやられるようになる。前衛キャラがただただ物理攻撃に耐えながら戦闘をこなすというのはよほど対策をしなければまず不可能である。
    • ゲーム中盤以降になると、防御力が高くても一撃でやられることが普通に発生する。最終的には味方HPの上限である999を超える4桁ダメージを普通に出してくる敵すら現れる始末。
    • なお、本作の技の多くは敵味方で共通であり、あからさまな大技を使ってくるという敵はあまりいない。強敵の多くは味方でいえば下級~中級程度の技で無慈悲な大ダメージを叩き出してくる。
      • 武器無しの通常攻撃である「パンチ」に毛が生えた程度の威力である「キック」でオーバーキルされる様は非常にシュール。また、他のゲームであればそれ程強くない「触手」については中盤以降多くのキャラクターを一撃で葬り去る高威力であり、「触手」という技名が表示されただけで絶望を感じさせられるプレイヤーが多い。
      • 本作の防御力の仕様は体術を除く武器技は防御力の影響が多少強く出るのに対し、体術技、術法については防御力1につき一律で5ダメージしか軽減出来ず、素の攻撃力が高くなると防御力による軽減はほんの気休めにしかならない。防御力を128にしてしまえばダメージは無効化できるが、物理属性についてはそもそも防御力128にすることができない。
  • 状態異常攻撃も序盤から激しい。
    • 1ターン行動を潰されるスタンや、軽度であれば時折行動しないことがあるだけだが、重度になるとランダムに行動してしまう混乱や、味方を攻撃する魅了など危険な状態異常が序盤から容赦なく登場し、敵だけでなく味方の攻撃であっさり死ぬことも多い。
      • 混乱については軽度だと影響が少ないためか、全体混乱技も序盤から普通に登場する。軽度の混乱が重なるとどんどん深刻化する仕様なので気付くと手の施しようがない状況になってしまうことも。
    • 状態異常を回復する手段はあるが、耐性防具等は少ないため、後手後手になってしまいやすい。
  • HPもそうだが、状態異常についても戦闘終了後は全て解除され、戦闘被害は(LP消費以外は)一切引き摺ることがない仕様となっており、その分1回辺りの戦闘を激しくしているともいえる。
    • 確かに、全く戦闘不能が出ないようだと本作のLP絡みのシステムが事実上死に要素となってしまうため、激しい戦闘内容は不可欠といえるのかもしれないが、全滅まで至ってしまう程に激しいため、好みは分かれるところ。
    • なお、本作では皇帝さえ無事であれば他のメンバーがどのような状況であろうと退却は即時で確実に成功(もちろんボス戦など退却出来ないケースは除く)するため、皇帝さえやられていなければいくらでも立て直せるバランスとはなっている。
      • ただし、安易な退却についてはリスクもある。詳細は次項で。
  • 戦闘回数によって敵は強化される。
    • 本作ではストーリー進行が自由であるためか、敵の強さは戦闘回数によって決まっている。
    • 注意したいのは戦闘回数というのは戦闘に勝利した回数ではなく、純粋に戦闘を行った回数であるということ。つまり、戦闘を行った場合、勝利しようと敗北しようと、退却しようと敵は徐々に強くなっていく。
      • 年代ジャンプが発生した際も「ジャンプした年数÷4」の戦闘回数が加算される仕様がある。ジャンプ年数が多いということは戦闘回数が多いということなので、二重に敵が強くなってしまう。年代ジャンプによって開発武具の量産化や閃いた技の共有化によるパーティ強化が行われることに対する調整だと思われる。
    • 本作で一番陥りがちなのは「雑魚敵ですら強いため、下手に戦って消耗したくない」と考えて戦闘から退却しまくってしまい、味方が成長できないまま敵がひたすら強くなっていくという悪循環である。
      • 同時期に登場する敵の中でも明らかに強さに差があるため、グラフィックが大きい敵が単体で出てきた場合には危険信号(とある中盤の強雑魚*7であり、実際逃げた方が良いと言われる敵もいるにはいるが、「こんな奴らと戦ってられない」と考えて全ての戦闘から逃げてしまうとやはり成長できない。
      • 敵も強力だが味方も強力であり、全力で戦えばなんとかなるケースも多いし、状態異常も意識して戦うことで意外とらくに倒せるケースもある。少なくとも一般的なRPGのように「雑魚戦ではとにかくWPやJPを節約し、ボスに備える」といったスタイルはかなり厳しいといえる。
    • この仕様から「逃げまくってしまい、敵が倒せない状況に陥ってしまい詰んでしまうこともある」と言われるが、後述の通り強敵相手だと強力な技を閃きやすい、強力な相手であっても即死技が効く者もいる、といった理由から「もはやどうにもならない」という事態は基本的に起きない。
      • もっとも、そこからの挽回が難しいのは確かなので、事実上の詰みと判断されてしまうのも無理ないが。
  • 雑魚敵を避けにくいため、操作が上手くないと雑魚敵回避もなかなか難しい。
    • 前作同様シンボルエンカウントだが、キャラクターが大きい上、当たり判定も大きいため、特に狭い通路では避けるのが難しい。
      • ダッシュをすれば敵を回避しやすくなるが、ほとんどのダンジョンではダッシュ中は自キャラ周囲の円形範囲より外の敵が見えなくなる上、ダッシュ中に敵に当たると陣形を乱される(+1ターン目の行動速度に大幅ペナルティ)*8ため、敵を避けるためのダッシュはかなりリスクが高い。
      • もちろんダッシュ中に戦闘になったとしても退却して再度回避を試みたり、普通に接敵しペナルティーなしで再戦したりすることは可能だが、戦闘回数は着実に増えてしまう。
    • 一応、「ダッシュ機能なし」「フロアの敵全員がこちらを追尾」という仕様だった前作に比べれば、こちらが近づくまで追ってこないだけでも格段に避けやすくなってはいる。
  • 序盤の難易度がかなり高い。
    • オープニングイベントであるクジンシー討伐(北バレンヌ制圧)が終了してからはマルチシナリオが始まるが、この後向かうことになる南バレンヌ地方がかなりの初見殺し。
    • 直前の会話から大抵のプレイヤーは運河要塞の攻略に進むと思われるが、運河要塞の攻略は複数の攻略方法がある結構複雑なシナリオとなっている。
      • 分岐条件を理解した上で突入したとしてもボス(正確にはその取り巻き)の火力が非常に高いため、多くのプレイヤーが全滅に追い込まれることになった。
    • 運河要塞を回避すると、モンスターの巣を攻略することになるが、ここのボスも強い。
      • 特に初期の陣形であるインペリアルクロスだと苦戦させられる仕様であり、フリーファイトを選べば多少楽に戦えるが、まだまだ初心者の状態でそれに気付くのは難しい。
    • どちらも慣れたプレイヤーならそれまで無茶なボスというわけでもなく、攻略法もいくらでも思いつくだろうが、ゲームの仕様に慣れていないとかなり強い。そして、このどちらかを攻略しなければ他のエリアには進めないため、折角のマルチシナリオの序盤の序盤で詰んでしまったというプレイヤーも少なくないだろう。
      • ちなみに運河要塞クリア後に訪れるカンバーランドも、戦闘難易度はそれ程ない(デューンウォームに苦戦しやすい程度)割にシナリオ分岐が複雑かつ、いわゆるバッドエンドとなる結末に陥りやすく初見でそうなってしまったプレイヤーも多い(分岐次第で収入や仲間は得られなくなるがゲーム進行に支障はない)。
  • 戦闘難易度が高い本作の極致ともいえるのがRPG史上最強と評されるラスボスである。
    • 七英雄を始めとした道中のボスは強敵であるが、ラスボスはそれらの強敵と比べても段違いに強い。
    • それまでのボスのHPは多くとも35000程度であるのに対し、ラスボスは複数形態で合計が10万を超える。そのため、速攻で一気に沈めるのも難しい上、WPやJP切れを起こしやすい。
      • これまでのボスと比べると長期戦になるため、やられる前にやってしまう、という戦略は難しい。
    • これまでのボス同様に攻撃も熾烈を極めるが、「男性キャラ全体を魅了」「全LPロスト技」など、見切りがなければお話にならない技も使ってくる。加えて1ターン中に最大7回行動する場合もあるため無対策だと一瞬でパーティが壊滅してしまう。
    • 更に追い討ちを掛けるのがラスボス戦周りのイベント。というのも、ラスボス戦直前になるともはや引き返すことができないため、ラスボス戦直前でセーブをしてしまった場合は文字通り詰んでしまう事も有り得る。
      • 完全な詰みポイントは少ない本作における数少ない詰みポイントがまさに最後の最後に仕掛けられている。セーブデータは複数作れるが分けていなければもはやどうしようもない。
      • 直前に「この先は引き返せないぞ」と警告が出るポイントはあるものの、この警告を超えたとしてもこの時点ではまだ引き返すことができるため、単なる雰囲気作りのための警告だろうと高を括ってしまうケースが多い。実際にはこの警告を超えた後ラスボスの前座となるボスを倒した時点で本当に引き返せなくなってしまうのだが、前座のボスを倒した際に戻れないことを確認しないままセーブするケースが多いと思われ被害が拡大する傾向にある。
    • 初見ではまず太刀打ちできないような熾烈な攻撃とタフさから「クイックタイムによるハメをしなければそもそも倒せない」と解釈するプレイヤーもいたほどである。とはいえ、クイックタイムハメをするにしても、技能レベルが低いとそのタフさから「クイックタイムハメで倒そうとしたらJPが尽きて倒しきれなかった」という結末を迎えがち。
    • 危険な技は見切りで対策したり、補助術で軽減したりし、攻撃が緩やかな初期の段階で、敵の攻撃力を下げたり、味方の防御力を上げたりするなど万全に準備すれば技能レベル35程度でも倒せるように設計されており、決して無理ゲー・運ゲーといえるようなボスではないのだが、これまでのボスが強力な技で一気に押し切ってしまえる難易度となってしまっているため、これまで補助術の有用性などに気付かずにラスボスに辿り着いてしまうケースが多い。
      • また、ゲーム内の情報が少ないため、有用な技や術についても分からない・気付く余地が少ないのが現実である。
      • 一方で、ネットで情報が手に入る現代で、しっかりと情報を得て戦うと、「かつて苦戦したのが嘘のように楽に勝てた」という話も聞かれる。やり込みプレイヤーによっては「皇帝1人でラスボスを倒す」「それに加えてノーダメージでラスボスを倒す」という偉業を達成している者もおり、多くのプレイヤーにとって正攻法での攻略が困難と言わしめつつ、対策さえすれば指一本触れさせずに倒すことができる絶妙なバランスとなっている。
    • 故に今作では「次のダンジョンのボスをどうやって倒すか」といった短期的な対策を超えて、装備の開発や技や見切りの獲得、術の強化等をゲーム開始からラスボス戦に至るまでにどうやって進めるか、といった長期的な見通しが求められる。ウォーシミュレーションゲームで言うなら「戦略級」レベルの攻略が問われる。だが、そもそも先の展開を知らない初見プレイでそんな戦略が立てられるはずもない。
      • 初見プレイの場合、死に覚えながらラスボス直前まではどうにか進められる事も多いが、術の開発を怠っていると(絶対にクリア不可能ではないが)どうしようもなくなってしまう場合も多い。ここで気づいてもどうしようもなく、結局最初からやり直しになってしまったプレイヤーも多い。
  • ここまで理不尽に強い敵について述べてきたが、本作ではその対抗策も少なくなく、その高い難易度や独特のシステムを魅力と感じているプレイヤーも多い。
  • そもそも、本作ではキャラクターは使い捨てが可能なシステムである。
    • 仲間キャラクターはもちろん、物語の最序盤、終盤を除けば主人公である皇帝でさえ敗北したとしても代わりがいる。戦闘は厳しいが、仲間が死んだり全滅したりしても基本的に次の仲間を補充したり、皇帝継承したりして冒険を続けていける。
      • 最終皇帝になると、全滅はゲームオーバーになるが、皇帝のLP0は仲間を犠牲にして冒険継続可能。
  • 敵が強ければ強いほど成長しやすい。
    • 確率で技を覚える「ひらめきシステム」は敵が強ければ強いほど強力な技を閃く。敵との強さが広がってしまっても、強力な技を覚えて対処可能。
      • 敵の背後から接敵すれば敵は1ターン行動不能になるため、強力な技を閃いても、反撃で普通に死ぬという事態に陥らずに済む。
      • 固定ボスは戦闘回数によって強くならないため、戦闘回数を増やして強力な技を覚えてボス戦で楽をするテクニックもある。やり方さえ知っていればいっそのこと、さっさと退却を繰り返し敵を強くし、強力な技を覚えて冒険するといった遊び方も可能。
  • 上述の通り、通常エンカウントの雑魚敵は全てノーリスクで退却出来る。
    • イベントやボス戦以外の戦闘は敵がいくら強かろうと退却が可能。退却は皇帝のコマンドとして入力するが、入力すればその瞬間確実に退却出来る。退却不可の相手であればコマンド入力できないため誤操作の心配も無い。
      • 戦闘開始時は絶対に皇帝は行動可能なので、通常の戦闘であれば全ての戦闘から逃げることが可能。
    • ボス戦であっても一部は退却可能である。ボス戦で強力な技を閃いたが形勢不利といった場合に退却して再戦するというのも戦略の一つ。
    • ただし、上述の通り、簡単に逃げられることは罠でもある。既に述べた通り、戦闘回数が加算されて敵が強くなるため、単に雑魚戦が面倒くさいから逃げるという安直な理由だと自身の首を絞めるだけである。
      • 敵を強くしたとしても対処できるのであれば問題はないし、むしろ迅速なレベリングやひらめきに使用する事すら可能。だが、ちゃんと活用するにはある程度以上の知識が必要であり、初心者にとってはただただ罠である。
  • プレイヤー側も状態異常を活かしやすい
    • 特にスタン効果を付与する攻撃は序盤から習得可能で消費WPも0の物が多い。
      • 陣形による最速行動や素早さの補正を活かせば、状態異常が効く相手であれば封殺も可能。
  • 一部陣形が非常に強力
    • 前列3人に行動後防御を付与し攻撃力と素早さを飛躍的に上げる「アマゾンストライク」、中央の皇帝が囮となり周囲全員の直接攻撃力を増強する「鳳天舞の陣」、必ず先制攻撃できる代わりに回避不能になる「ラピッドストリーム」、自動防御で被ダメージを半減できるが敵に先制される「ムー・フェンス」、この4つの陣形を戦術に応じて使い分けるのが基本となる。
    • 先制陣形+「使ったターンは被ダメージを半減する術」等、補助術との併用によってより強力な戦術となりえる。
      こうすれば敵の苛烈な攻撃も比較的抑えられる(こうでもしないと抑えられないとも言えるが)。
    • なおアマゾンストライクなどの「行動後防御」は、後述するバグの産物である。そのため意図されたバランスよりも強い陣形になっている。

問題点

説明不足な数々の要素

本作の難易度が高い理由の大きな部分として、複雑な仕様の割に、その説明がゲーム内でほとんどされていない点が挙げられる。

防御力に関する仕様

  • 既に述べた通り、本作では「斬・打・突・射・熱・冷・雷・状」の8属性が存在し、防御力についても属性毎に定められており、一般的なRPGでよくあるような全ての属性或いは物理攻撃全般、術攻撃全般に対して普遍的に有効な防御力は存在していない。
    • 本作では装備品によって、これら8属性のそれぞれの防御力が定められているわけだが、ゲーム内で防御力として表示されるのはこの内の「斬属性」の防御力のみであり、他の7属性の防御力についてゲーム内で知る方法は一切ない。
      • 斬属性の防御力しか表示されないことももちろんだが、ゲーム内で防御力として表記されるのが斬属性の防御力であることも一切説明がない
    • ステータス画面では特定の属性に対して防御力を持つ(防御特性と説明される)ことを示すアイコンが表示されることで、斬属性以外の防御力があることがある程度分かるものの、具体的にアイコンが付与される統一的なルールはないようで、防御力5でアイコンが付与されるものがあれば、防御力10なのに付与されていないものもある。
    • 物理属性である「打・突・射」は概ね、斬属性の防御力が高ければ高いケースが多いため、まだいいのだが、「熱・冷・雷・状」の術法属性の防御力は斬属性の防御力と連動しないケースが多いため、防御力が高い装備品をセットした結果、術法にかなり弱くなってしまうケースは普通に起こりうる。
      • 更に術法属性は特化した防具も存在し、例えば表示防御力4の足装備「ラバーソウル」は雷防御力が64、防御力1の腕装備「なべつかみ」は熱防御力25など表示防御力からは予想だにできない高防御力を発揮するものもある。アイコンでは防御力の違いまでは分からない上、アイコンが付与されているのに大した効果が無いものもあるため、ゲーム内で実際に装備して攻撃を食らって初めて性能が分かるというのは不親切といわれても仕方ないだろう。
      • そもそも、敵の攻撃が苛烈すぎるため、調べる余裕もほとんどないのが現実であり、情報が簡単に手に入る現代になって初めてこれらの装備品の真価を知った者も多い。
  • これだけ不親切な仕様なのに、「斬防御しか表示されない」仕様を逆手に取った「最強の帽子」という罠ともいうべき装備品が存在する。
    • 表示される防御力は13と頭防具の中では固定装備のアイアンウィルを除くと確かに最強*9なのだが、他の防御力は1であるため、総合的な性能はかなり低い(なお、他の頭防具は基本的に斬属性防御力<殴属性防御力なので、表示防御力以上の性能を持つものが多い)。
      • 斬属性以外のアイコンがないことがヒントにはなっているが、不親切な仕様を利用した罠まで用意しているというのは嫌がらせ以外の何物でもないだろう。

防具欄の仕様

  • 前作では体の各部位に1個ずつ防具を装備できたのだが、本作では「防具は3つしか装備できない」という仕様になってしまった。
    • 正確な仕様を述べると、防具毎に「頭」「体」「腕」「足」「アクセサリー」のどの部位に装備するかが決められており、同じ部位の装備品は複数個装備不可(後記例外あり)で3箇所まで装備できる仕様。
      • 例外として「『鎧』と『戦闘服』は同時に装備可能」、「アクセサリーは同時に複数個装備可能(同じアクセサリーでもOK)」、「全身鎧は1つで『頭』『腕』『足』の部位も占有する『鎧』として機能(『服』は装備可能)」といった特徴がある。
    • 頭の防具は殴属性に強い、鎧は物理属性全般に強いが、かなり重い(重量については後述)といった具合に特徴があるため、どの種類の防具を装備するかというのも重要な戦略……なのだが、如何せん本作のゲームバランスを考えると明らかに少ないと言わざるを得ない。
  • 全身鎧は1つで鎧+兜+小手+具足を一纏めにしているため、装備部位を節約出来るメリットはあるが、開発がかなりの手間であること、かなり重いこと、術法防御は低くなりがちというデメリットがある。また、後述する不具合もある。
  • 上記の仕様と防具の装備欄が少ない事も相まって、本作は防具による防御力のやり繰りが極めて難しくなっている。流石に少なすぎると判断されたためか、次回作はデフォルトで4箇所となり、この仕様は『サガフロンティア2』まで続いた。
    • 一部のクラスは欄外に4箇所目の専用固定装備を持っており、合計4つの防具を装備できるという大きな特徴・長所を持っている。ただ、固定装備の装備部位のせいで本来装備したい装備品が装備できない可能性もあるが。

盾・ガーダーの仕様

  • 盾を装備すると防御力表示に盾の防御力が加算されるが、実際に盾の防御力が適用されるのは戦闘中に盾が発動した場合のみである。
    • しかも実際に発揮される防御力は表示されている数値の2倍と、極めて不可解かつ分かりづらい仕様となっている。
    • 最序盤でベアが盾で防御した時だけダメージが大幅に軽減されていることに気付いたプレイヤーは多いだろうが、発動してない時もある程度の効果ありと勘違いしているプレイヤーも多い。
  • ガーダーは盾より回避率が低いが発動するとダメージを完全にカットできる。
    開発が進むと盾の回避率は下がりガーダーは上がるため差は縮まってくる。
    さらに防御状態ではガーダーの回避性能は2倍となるため、「ムー・フェンス」などの行動前防御が自動でつく陣形と組み合わせると発動率は盾を上回る。
    なお行動後防御では一部の陣形を除いてこの特性は発揮されない。
  • また、表示されている数値はあくまで目安に過ぎず、発動率は敵の攻撃によって補正が掛かるため変動する。
    実際には多くの攻撃で数値以上の発動率を発揮し、逆に小剣技の場合は特殊補正が掛かって発動しなくなる。
  • 両手武器・体術技・術を使用するターンは盾が発動しない。ただし、これに当てはまらない例外の技・術がいくつかある。
  • 8属性のどの属性が防げるかは盾によって決まっているが、「熱・冷・雷・状」に該当する攻撃の殆どは盾では防げない術等である。
    従って盾の術法属性は殆ど意味がない。赤竜波や月影等、大ボスが使う強烈な全体攻撃に対してピンポイントで活躍させられなくもないが…。
  • 盾・ガーダーは防具欄に装備しなければならず、貴重な防具欄の一つを潰さねばならない。
    • 不確実な防御力アップのために防御力を犠牲にせざるを得ず、そのために僅か3箇所しかない防御装備欄の1つを使う事になる。
    • あえて使うなら全身鎧との併用がよいが、雑魚戦で有用な陣形「ラピッドストリーム」では盾が発動せず、限定的な場面でしか活用できない。
  • 一方で、土術「金剛盾」による魔法盾は、射属性以外の物理属性のみならほぼ2/3、斬打突+その他の属性なら100%の確率で敵の攻撃を回避できる。更には両手が塞がる行動や回避不能の陣形でも発動し、小剣技などの攻撃すら防げる高性能となっている。
    • 同様に天術「ソードバリア」は斬属性を含む攻撃を確定回避できるなど強い。これら魔法盾がかなり強力であるため、通常の盾の地位はあまり良い物と言い難い。
      • もっとも、魔法盾は前提として作るのに1ターン必要となるため、片手武器を主流とするならば通常の盾であってもかなり有効。
  • 土術「金剛盾」によって形成される魔法盾は、物理属性のみなら65%、斬打突+術法属性なら100%の確率で敵の攻撃を「回避」する。
    更には両手が塞がる行動や回避不能の陣形でも発動し、小剣技等の通常の盾では防げない攻撃や、一部の術すらも無効化してしまう。

その他防具の隠された仕様

  • 装備品には防具が設定されており、防具の総重量の半分だけ素早さが下がる(小数点以下は切り捨て)仕様がある。
    • 素早さは行動順、回避率、陣形の素早さ補正、斧以外の武器命中率、体術の威力とかなり重要性・影響力が高い。その素早さが下がってしまうという重要かつ致命的な要素であるにもかかわらず、重量により素早さが下がる要素、というよりも重量そのものの存在は一切説明や表示がない。
      • 防御力に優れた鎧、特に全身鎧は総じて重量が高く素早さが大きく下がってしまう。素早さを活かしたい格闘家などに知らずに装備させてしまうと敵の先制攻撃を許してしまうわ、体術の威力も大きく下がってしまうわと良いことなしである。
  • 「腕」の防具を装備する(全身鎧も含む)と弓の命中率が下がるという無駄にリアルな隠れた仕様がある。
    • こちらも一切ゲーム内で説明されない。結果的に弓の防御力が他の武器より低いと誤解される原因となった。
    • なお、武器にも重量が設定されており、弓、小剣以外は腕力と重量次第で命中率にペナルティがあるというやはり無駄に凝った仕様がある。もちろん説明などない。
    • 器用さが高ければ弓は小剣並に命中するようになるものの、弓技そのものの命中補正は斧技に次いで低いので器用さ次第では命中しづらいのは満更間違いではないのだが。

術に関する仕様

  • 術の技能レベルがある程度高くなると新たな術の習得や合成術の開発が可能となるのだが、どの程度上げればいいかはゲーム内で一切確認できない。
    • そもそも、正確に言えば、術の習得や合成術の開発の際に参照されるのは個人の技能レベルではなくマスクデータであるマスターレベルである上、条件を満たしたかどうかを示唆するような告知はないため、ある程度成長したと思った段階で研究所を訪れて確認するほかない。
  • 術の中には使用者の技能レベルによって攻撃範囲が拡大されるもの(ファイアボールなど)、追加攻撃が発生するもの(炎の壁など)、状態異常の回復効果が追加されるもの(生命の水など)など様々なものがあるのだが、基本的に説明されないため、気付きにくい。
    • ファイアボールは中盤以降敵が使ってくるものが範囲攻撃となっているため気付きやすいが。
  • 術の威力を決定する「魔力」の他にマスクデータである「理力」(正式名称であるがゲーム内で一切触れられなかったため、「冥力」「冥才」「術補正」「魔力補正値」などと呼ばれていた。移植版で正式名称公開)が存在し、術のダメージに影響を及ぼすのだが、やはり一切触れられない。
    • 「理力」が高ければ高い程、通常の術の威力が減り、「冥術」の威力が増える。冥術は隠し要素である上、攻撃術として有効なものが皆無であるため、基本的には「理力」が高ければ高い程術士としては活躍がしづらくなる。
      • 例外的に風術の「体力吸収」は理力依存のダメージになるため、理力が高い程効果が上がり、火術の「黒点破」の命中率も理力に依存。
  • この「理力」については術の威力を決める上でかなり重要な要素であるにもかかわらず、攻略本ですら触れられなかった要素である。
    • まず、術の威力を決定する上では魔力から理力を減算する形で計算される。そのため、ステータスとして表記される魔力の値は術の得意/不得意を示す以上の意味合いはほとんどない。
    • ゲーム内では一切説明されないものの、明らかに同じ魔力なのに威力が異なることから、ある程度本作をやり込んだプレイヤーであれば何らかの威力補正があることはすぐ分かるのだが、ゲーム内の魔力が術威力を反映していないのはかなり不親切といえる。
+ ゲーム内の具体例
  • 例えばクラス「フリーメイジ(女)」は魔力平均が19.6とかなり高いのだが、平均理力が14.6もあるせいで実は術士としては最弱クラス。
  • クラス内でも「宮廷魔術師(男)」のカプリコーンが魔力-理力5なのに対し、ライブラは魔力-理力12と大きな違いがある。魔力そのものは4しか違わないのに理力のせいで術の威力が大きく変わってしまう。
    • 逆に魔力が低くても理力が低いおかげで術士としての適性を持つ意外なキャラも存在する。例えば「帝国猟兵(女)」のイザベラは魔力-理力が9あるため、宮廷魔術師やフリーメイジと比べても術の適性が高い。とはいえ、レアケースなので余程知り尽くしていなければ活用は難しいが。
  • 本作のキャラクターは男性は腕力・体力が高め、女性は器用さ・魔力・素早さが高めという調整だが、女性は理力も高いケースが多いため、術士として女性を採用すると結果的に損するケースが多い。
  • 合成術「クリムゾンフレア」は魔力低下効果があると説明されるが、実際には理力を低下する効果である。
    • つまり、冥術の威力は低下するのだが、冥術以外の威力は逆に上がってしまうというデメリットを受ける。
      • 冥術はそもそも威力が低めなので脅威になりにくく、術が脅威と思われる相手に「クリムゾンフレア」をしてしまうと、結果として自らの首を絞めてしまう結果になることも。
    • 腕力、魔力等と同様理力ボーナスのある防具もいくつか存在するが、画面上で魔力ボーナスと判別ができない。
      • 例として魔力+3の防具と理力+3の防具が存在するが、能力値画面では前者のみ「魔力+3」と表記され、後者は表記がない。
      • 冥術は威力が低い上、隠し要素がほとんどなので、理力アップは事実上は「術法威力ダウン」のデメリットとなってしまっている。
  • 流石に混乱が大きかったためか、扱いづらかったためか本作より後の作品では「理力」は存在しなくなった。

その他説明不足な点

  • 以下の点もゲーム内では説明されない。気付きやすいものの、気付くまでは勘違いしやすい。
    • 勝利・退却・全滅を問わず、資金は戦闘一回ごとに収入分が国庫に入る。
    • 武器防具開発は1回の戦闘ごとに開発できる種類が変わり、戦闘5回で開発が終了する。
      重鎧・兜・篭手・具足を一通り開発すると、その段階ごとの全身鎧が開発された状態となり、次世代から流通させられる。
    • 各施設は発注後に戦闘を15回行う事で完成し、年代ジャンプでは完成しない。逆に合成術は年代ジャンプでなければ完成しない。
    • 各陣形の効果は開発時に大まかな説明が一度あるだけで、それぞれの詳しい効果を知る事はできない。

数値の入力ミス・設定ミス・不具合等

  • 「画面に表示されている攻撃力」と、「実際の戦闘中に発揮する攻撃力」が異なっている武器が多数存在する。
    • 多くの場合は、1,2程度の誤差なので大した問題とならないが、棍棒は、中位・上位の開発品でそれぞれ5の差がある(どちらも表示攻撃力より5低い)ため、与ダメージにそれなりの違いが出る。
      • 最もひどいケースは大剣の「オートクレール」だろう。表示攻撃力は50なのだが、実際の攻撃力は35であり、かなり威力が低くなってしまう*10
  • 合成術「妖精光」は素早さと術法防御力の上昇効果があると説明があるものの、実際には前者しか上がらない。
  • 冥術の「デッドリードライブ」は敵にダメージを与え能力を下げるという説明があるが、実際には後者の効果のみでダメージはない。
    • こちらは「妖精光」の場合と異なり、敵がよく使ってくる術なので説明誤りに気付きやすい。
  • 新しく防具を開発すると、完成品を受け取った瞬間に、現在流通している全身鎧がランクダウンしてしまう*11
    • 全身鎧は物理防御だけを考えると便利なので、結構厄介なことになっている。年代ジャンプすれば正常な状態に戻るが、年代ジャンプ出来ない状態で退化させてしまうとショップで買える全身鎧のランクダウンを是正することはできなくなってしまう。
  • 一部の陣形では、能力値ボーナスや行動ボーナスが機能していない。
    • 「ホーリーウォール」には、ゲーム中の説明とは裏腹に何のボーナスもない。本来は前衛に行動後防御ボーナスが付くはずだった。
      後衛2人の被弾率が僅か1%しかないという特性を持つため、一応「後衛の2人を守る」というコンセプトは守られているが。
    • 「パワーレイズ」は皇帝の術法威力を増幅する陣形だが、実際には術法4属性の内の状属性しか上昇しないため使いにくい。
      一応、最強術「クリムゾンフレア」を強化できるため、皇帝が強力な術士なら使えなくもないが、やはり実用性は薄いと言う他ない。
  • ゲーム内では実際には入手できない没陣形が1つあるのだが、エンディングのスタッフロールでは当たり前のように登場する。
    • 当時のプレイヤーからは「一体どうやったら入手できるのか」と物議を醸すこととなった(後の移植版・リマスター版では入手可能となった)。
  • ひらめきで習得した一部の技が技道場に含まれないものの、登録済みとなってしまう。
    • 当該技が8つの武器系統のいずれにも含まれない特殊な技として扱われているのが原因である模様。
    • 表示こそされないが、道場への登録そのものはしっかりと機能しているため、他の技や見切りと同様再度閃くことができなくなってしまい、年代が経過してしまうと2度と閃くことができなくなる。
      • 対象となる技は「ベルセルク」と「シャッタースタッフ」の見切りと、「地獄爪殺法」の見切りと、「ファイナルストライク」の見切りの4つ。特に「地獄爪殺法」は強力な技であるため、見切りの有用性が高いため、見切りが利用できないのは痛い。
  • 腕力+2や魔力+1など能力値ボーナスを持つ防具は、実際のボーナス値が表示されている数値より1低い。装備画面では正しく表示されるのに戦闘では適用されないため余計気付きにくい。
    • 特に「〇〇+1」と表示されている防具は、装備しても戦闘時には能力値が一切増えない。
    • 稀に表示通りの効果がある防具もあるが、これは「表示される数値より設定数値が1大きいミスの結果、互いの不具合が相殺された産物に過ぎない。
      • どうやら数値設定は間違ってないのだが、能力上昇値がデータより1低い値として適用されているのが原因のようである。なお、装備毎に適用されるためか、「魔力+1」の防具を3つセットすると、実際の効果は+0となってしまう。
  • ここまでプレイヤーに不利な不具合を見てきたが、プレイヤーに有利な不具合も数多い。
    • 陣形の素早さ補正1.25倍もしくは0.75倍があるポジションには、自動防御を指定するフラグミスの恩恵により、全て行動後防御が付与されている。
      このフラグミスの存在が、陣形「アマゾンストライク」を最強クラスの性能に押し上げたと言っても過言ではない。
      • ただし素早さ補正がないと行動後防御も付与されない。このため、上記の「ホーリーウォール」は仮に行動後防御ボーナスのフラグがあったとしても素早さ補正がないため機能しない。
      • 陣形「鳳天舞の陣」の皇帝も同様に本来あるはずの行動後防御ボーナスがなくなっているが、代わりに行動後に防御状態に移行する特殊な措置がある*12
    • 有名な設定ミスとして、本来射属性を100%回避するガーダーである「ワンダーバングル」は設定ミスで全属性を100%防御できる最強の盾と化している*13
      • 防御力もかなり高く設定されており、他の防具込みで完全防御となる防御力128に到達出来るため、盾が発動する攻撃であればほぼ無敵を誇る。不具合であるが初心者の救済措置とさえいわれ、逆に縛りプレイでは封印が半ば前提とされている。
      • ただ、盾回避の成功率は技によって異なるため、盾回避できる技でも完全に防げないケースもあったり、盾回避不可能な技・術もあるため、ワンダーバングルがあれば絶対にダメージを受けないということにはならない。
    • 敵を殺さず退却させる大剣技「活人剣」には、使用したターン中は「一部を除くほぼ全ての攻撃を回避する」という効果がある。
      ---ところが活人剣を選択してキャンセルし、別の行動を選び直しても回避効果が得られるという、前作の隼キャンセルに近い不具合がある。
      尤も、この技は習得が非常に難しいので、習得した頃には裏技が必要ないほど自軍が強くなっているケースが大半だが。
    • シティシーフが民家から金を盗むイベントで、シティシーフの隠れ家にある宝箱から何度でも資金を入手できる不具合がある。
      これを利用すれば序盤から大量の資金を獲得可能。
      • これを利用したとしても、資金上限に引っかかるため、以後金欠に悩まされることは一切ないとはならないが。
    • いくつかの武器で能力上昇系の固有技を使用できるが、これを閃いた際に使用する最初の1回だけ異常に効果が大きくなることがある。
    • 特に特殊な操作をせずとも、最序盤に最高ランクの植物系モンスター「ナイトヘッド」と遭遇できてしまう。
      勿論撃破は事実上不可能であり、全滅の危険すらあるが、上手くやれば初代皇帝の代で中堅クラスの技を習得する事も可能。
  • 以下の2つは不具合というより、テストプレイ時に発見できなかったチェック漏れである。
    発生条件が偶然ではなく、通常プレイではまずしないような特殊操作が必要で、どちらかと言えば裏技に近い。
    • ワールドマップ上である動作を続けた後、町やダンジョンに入ると様々な異常現象が発生する、通称「マップチェンジバグ」。
      かなり危険な裏技だがキャラクターが壁抜け可能になり、通常プレイでは見られないユニークなものを確認できる事も。
    • 何もかもが色々とおかしいバグった皇帝、通称「石化皇帝」「来々帝」。
      ある特定の条件を満たすと、皇位継承候補を選ぶ時に技能レベルや能力値、名前やグラフィック等が異常なキャラが候補に登場する。
      複数の武器/術法の技能レベルが最大値の50を超えていたり、没になった武具・アイテムや敵専用の技を所持していたりする。

その他

武具・アイテムの調整不足

  • 武器は多数存在するが最強武器は剣以外全て開発装備、宝箱等で手に入る伝説の武器よりも開発武器の方が普通に強い*14
    • 非売品には固有技が存在するものも多いが、役立つ固有技はごく僅か。殆どの固有技は通常技より弱く、補助技しか役に立たない。
      • サンダーボルトや退魔神剣等の優秀な固有技も一応あるが、そういった技に限ってダメージ計算が特殊であり、妙にひねくれている*15
      • 一応、開発品が揃わない序盤に入手できるものもあり、その場合は「(その時点では)高い攻撃力と固有技の恩恵を得る」という事は可能。ただし、逆に言ってしまうと、マルチシナリオであるため、入手時期が遅くなると、「苦労して入手したのに開発品より弱く、固有技も閃き済みの通常技より弱い」という逆の事態も起こり得てしまう。
      • 武器の固有技そのものは強いのに、武器の性能が低いせいで結局活かしにくい技もある。槍のレア武器「竜槍ゲイボルグ」や大剣のレア武器「オートクレール」の固有技が該当するか。 特に槍のレア武器「竜槍ゲイボルグ」は、全槍技最強の固有技を持つものの、武器攻撃力の関係で結局開発品で使う技と大して変わらない。
  • アクセサリーは例によって全て非売品。宝箱から得るか敵のドロップを期待するしかなく、しかも内3つはレアドロップ限定。
    • 全身鎧を装備する場合は、全身鎧+服+アクセサリーor盾という装備構成がよく採用され、耐性など理解していなくても穴埋め的にアクセサリーはよく使われる。
  • 斬防御が高い防具は多い一方で、殴防御が高い防具は兜の開発品のみ、射/突防御が高い防具は宵闇のローブのみ、雷防御が高い防具はラバーソウルのみと、防具の防御力設定にも杜撰な点が非常に多い。
    • 仮に斬防御だけでなく全属性防御が表示される仕様だとしても、このような防御力設定では、敵の苛烈な攻撃への対処は困難。
      • その証左としてか、後述の移植版では「特定の術法防御が高い防具」が多数追加されている。
    • 「防具に頼らなくても補助術でなんとかできるので構わないのでは?」という意見もあるかもしれない。この意見は概ね間違ってない*16のだが、結局のところ「回復や防御などの補助を能動的手段である術に依存しすぎており防具による受動的な対処が困難」ということである。この辺りはやはりバランス調整が不十分と言わざるを得ないだろう。
  • 石化は戦闘中に回復する手段がなくなってしまった。
    • 戦闘不能は楽に回復できるのに対し、石化はアイテム、術を含め回復できる手段がない。長期戦だと戦闘不能以上に厄介な異常になってしまう。
      • 次回作では回復手段が復活した。
  • 前作にあった石化/状態異常回復アイテムは、本作では削除されており、特に石化は戦闘中の回復手段がない(次回作で復活)。
  • 仲間の使い捨てが可能なシステムである一方で、一度仲間に加えたキャラを任意に外す手段は一切ない。同様に、皇帝を入れ替えるためには皇帝のLPを0にするか、戦闘で全滅するしかない
    • 皇帝継承時も候補として登場するのは4クラスだけなので皇帝にしたいクラスが決まっている場合には、無駄に全滅させるか、皇帝のLPを尽きさせる必要が出てくる。
    • 更に、特定クラスの特定キャラを仲間にしたいという場合はより面倒くさい。各クラスのキャラは決まった順番にしか登場しないため、登場するまで何度もキャラを殺すなり、全滅するなりする必要が出てくる。
    • 特定のクラスを仲間にする方法としては皇帝のLP0によるパーティメンバーの皇帝継承が楽だが、面倒くさい場合には皇帝即位→即全滅→皇帝即位……を繰り返すプレイヤーも多い。
      • このような行為は「謀殺」「ルドン送り*17」と呼ばれネタとして愛されている。
    • なお、これらの謀殺行為は無理に行う必要はないものの、「仲間にしたキャラが思ったより性能面で劣っていた・想定した技能を持っていなかった」「ひらめきタイプが異なるせいで想定した技を覚えてくれなかった」など仲間を入れ替えたくなる理由は様々であり、任意で仲間を外したいと思ったプレイヤーは多いだろう。
      • 恐ろしいことに「謀殺」は、書籍『ロマンシング サ・ガ大全集』において「スキルを効率よく上げるには、皇帝を早く交代させろ」「仲間は使い捨てが可能だ。いらなくなったら遠慮なく殺せ」と書かれており、公式に推奨されている行為である。
    • 最高の人材をパーティに集めたり、やり込みでどの時代でも同じキャラでイベントを進めて永世皇帝による帝国史を作ったりとキャラを入れ替えたい願望は他にも生じがち。
    • 最終皇帝の代になると、全滅=ゲームオーバーになるのでこの手法は使えないが、最終皇帝のLPが減らないように注意して仲間を謀殺して、厳選したり、最終皇帝がLP0になると2番目の仲間が代わりに犠牲となる仕様を利用して仲間を入れ替えていくことは可能。
  • 本作では体術まで含めると8系統の武器が存在するが、武器威力の差、技威力の差等の他に、武器技能LVから算出される係数の計算式も系統毎に異なり、使い勝手の差はかなり大きい。
    • 大剣は武器威力が他より一回り高く、技能LV由来の係数も最大で使いやすい。「全体攻撃がない」という欠点があるが、剣装備+その全体攻撃でフォローが可能。
      • 両手武器は盾を使えないという欠点があるが、大剣はそれを補って余りあるほど火力が高く、そもそも本作は先制陣形・術の強さ・装備欄等の関係で、盾装備の利点が次作以降ほど高くない。
    • 剣はコスパのよい高威力の多段攻撃技や全体攻撃技を持ち、盾使用可能かつ命中率も高く、大剣との技の閃きなどで互換性もあるので、大剣と切り替えながら効率的に進めることができる。
      • しかし開発費用の関係で武器は1種を集中的に開発して皆で使うほうがお得なため、使い勝手が良い剣・大剣レベルだけしかレベルが上げられてないという状況になりがちである。また終盤は術のレベル上げに人数を割かなければならなくなる事もこれに拍車を掛ける。
    • 斧は入手が他の武器より遅く、初期は武器威力と命中率に難があるため扱いづらいが、中盤に強い武器が手に入るころから本領発揮し、強力な技も早めに閃けるため、中盤における最大火力系統となる。技のコスパや全体即死攻撃*18にも優れ、最強武器の攻撃力こそ控えめだが、技能LV由来の係数は剣や大剣並に高く、技の場合は斬・殴両属性を持ち敵の弱点を突きやすい。
    • 棍棒は「眠り」攻撃を序盤から持ち「防御力半減」の技がある点が魅力だが、殴属性しか持たずスライム系などの鬱陶しい敵に全く歯が立たなかったり、序盤の技のコスパの悪さと多段攻撃の命中率の低さにより扱いにくい印象が付くうえ、 中盤以降もコスパの良い多段攻撃技も技名から推察しにくく、それを活かす強い武器が入手しにくく火力面で不遇。
    • 槍は攻撃力・命中率が高く、特に序盤は強い。しかし計算式の関係でそれ以降伸びが悪く、遠距離攻撃や全体攻撃の有無、攻撃属性の関係で斧や剣に劣るようになる。とは言え強力な武器を(開発品も含めて)早期に揃えやすく、終盤では高威力の技や強力なデバフ技も習得できるため、斧と並んで十分にパーティを支えてくれる。
    • 小剣は技能LV由来の係数が最弱で、同じ威力の武器と技と技能LVでも、他の系統に比べてダメージが弱くなる。武器の攻撃力自体も、第3段階まで開発しても最弱の36である。ただ強力な多段攻撃技があるため中盤までの威力は槍に劣らない。
      • 盾防御不能かつ、「スタン」「麻痺」の効果のある技や蛙即死の技などもあり、上手く使えば敵の行動を阻止することができる。 最強技のファイナルレターは、耐性を持たない敵単体を約8割の確率で即死させるが、それを覚える頃には他の武器や術で叩いた方が早い。
    • 弓は序盤の非常に早い段階で全体攻撃を取得できる点が魅力。この全体攻撃の上位技もあり、必ず先制できる技があったりと中盤までのサポート役にとても適しているが、腕防具や全身鎧を装備すると命中率が下がる点、盾も使用できない点に注意が必要。 中盤以降は武器が第2段階までしか開発できず、その攻撃力も37な点や最強技の威力の弱さが目立つ。
    • 体術は上記陣形での素早さ増減効果や装備の重量によりモロに影響を受ける。有用陣形「アマゾンストライク」との相性がよく前列に配置すれば増幅効果が他より高く十分に主力となれる火力が出せる。一方で素早さが半減する陣形「ラピッドストリーム」と「ムー・フェンス」との相性が悪く、陣形選択の幅が狭められる。終盤は腕力や素早さを陣形や補助術で強化すれば、体術最強技「千手観音」が大剣をも凌駕する最大ダメージを出せる。
    • 総括すると剣・大剣は最初から最後まで安定しており、中盤は斧が強いが命中率は安定しない、終盤はそこそこ強いのが斧・槍、補助技が使いやすいのが小剣・棍棒・弓、体術は使い方次第となる。
  • 術レベルが上げにくい
    • 初期のメンバーは皇帝であるレオンが天術を使えるだけであり、少し進めると任意のイベントでジェラールが火術を覚えられるくらい。他の術はメンバーチェンジができる時期まで使えない。
      • ジェラールの火術は任意習得となっている上、特にヒントもないため、気付かずにイベントを進めてしまうともはや覚えるチャンスがない。
    • レオンは剣術が強力である一方で、初期から使える天術のライトボールは全体攻撃であるものの威力はそれ程でも無いため、使わずに進めてしまうと術を鍛えるチャンスがほとんどないままゲームが進んでいく。
      • こうなってくると、術をある程度強化しなければ発生しない「術法研究所」建設もできず、更に術の育成が疎かになる悪循環に陥ってしまう。
    • 水術や地術は初期に攻撃術がないため、「やられる前にやる」スタイルの本作では鍛えることを念頭に使っていかないと育成がほとんどできない。
    • 風術は初期術の5レベル毎のダメージ増幅が大きいため序盤こそ頼れるが、攻撃術としてそれ以上に使えるものがなく、やはり最終的には補助術頼みになりレベルを上げづらくなる。
    • 合成術を開発すれば全属性で攻撃術が使えるが、合成術そのものがある程度両属性の術レベルを上げる必要があるためそこまで到達することがそもそも大変。
    • WP回復アイテムはパーティ全体を回復するのに対しJP回復アイテムは何故か単体回復である。そのため、全員で技を使う方が消費効率が上がるのに対し、全員で術を使うと効率がかなり悪くなってしまう。
    • そして、特に深く考えずとも技は強力なものを閃いていけるのに対し、術は自分でしっかりと覚えさせておかなければならないということも相俟って、初心者ほど術を軽視しがちなゲームデザインになっている。
      • これまで述べた通り、上位の術はかなり高性能なものも多いのだが、そこに到達することがなかなか大変であるため、術の有用性を知らないままゲームを進めてしまうケースが多い。そして、ラスボス以外はそういった強引な戦法でもなんとか突破可能なバランスとなっているため、本当の最後になるまで術を軽視してきたツケを感じにくい。
  • これまでに述べたとおり、ラスボス直前でセーブすると引き返すことができなくなる。つまり、ダンジョンを脱出することができなくなってしまうため、ラスボスに敗北し対策をしようとしたとしてももはやどうしようもない状況に陥る。
    • ラスボス前に警告が出るのも述べた通りであるが、「警告が出てもその時点では戻れる」「キャラのセリフとして警告が表示されるため、あくまで最終決戦の緊迫感を出す演出だろう」と考えた結果、この状況に陥ったプレイヤーは数知れず。せめて前座ボスを倒した後に警告が表示され、実際にそこを通過した後は戻れなくなるという状態であればハマる人は少なかったと思われるが……。
    • ラスボスがそれまでのボスと比べ遙かに強すぎるということと相俟って結果的に多くの青少年が犠牲になってしまった。数十時間のプレイの果てで詰んでしまうという意味では配慮不足は否めないといえるだろう。
  • 隠し要素として本来敵専用である「冥術」が利用できるようになるが、敵が使うことを前提に調整されているためか、使い勝手はなんとも微妙なものが多い。
    • まず、攻撃術については尽く威力が低い。理力が高いキャラを上手く調整したとしてもダメージは2000に届かず、ギャラクシィが上手くやれば4000以上のダメージを与えられることを考えれば半分以下の威力である。
    • 補助術も混乱(重度)を付与出来るもの、能力を一度だけ減少させるもの(一応重ね掛け可能であり、2回以上かければ能力を大幅に落とせるが、行動されると何回分まとめていようと効果は全部解除される)、爪を生み出し攻撃手段を増やすものなど、習得可能となる時期にはあまり有用性を見出せないものが多い。
      • 合成術についてもあまりパッとしないものが多く、派手なエフェクトの割にクジンシーのフリーズバリアを解除する以外の用途がないヴォーテクスのような産廃といっていいものまである。
      • 冥術は天術の対になるが、強力な天術を捨ててまで覚える価値があるものはほとんどない。ただ例外的にシャドウサーバントという一度だけ攻撃回避+分身がいる間は2回攻撃ができるので事実上ダメージ2倍となる唯一無二といってよい効果をもたらすものがあり、冥術の最大の価値といってもいいレベルで強い。
  • 難点が多い冥術だが、実際に活用するのもかなり大変である。
    • 入手には特殊手段が必要かつ、基本的にはイベントであまり好ましくない結末を迎えることが前提となる。そのため、ハッピーエンドを目指しながらプレイしようとするとまず入手できない。
    • いくら早く入手しようとしても基本的にはゲーム中盤以降で、大抵は終盤となる。この時点で新たに習得できるようになるわけだが、この時点で冥術レベル1から育てていかなければならない。
    • 冥術は天術の対になる術であるため、序盤から育てやすく、かつ強力な術の基軸となりやすい天術が利用不可となる。
      • 全体最強術である「ギャラクシィ」や単体最強術である「クリムゾンフレア」はどちらも天術が必要となるため、冥術を覚えると術士としての火力はかなり落ちてしまう。
    • いっそのこと冥術は「シャドウサーバント」しか使わないのであれば冥術の技能レベルはあまり気にしなくて良いのはメリット。術士以外の方がむしろ活用できると思われる為、天術不要のアタッカーに覚えさせておくというのは悪くない……が、逆に言うとこれくらいしか活用法が見出せない。
    • 最大の難点は「利用可能になるのがゲーム中盤以降であること」と「天術を利用できないこと」である。
    • また、冥術はそのストーリー展開上「サラマンダー」というクラスと併存はできない(どちらも入手できなくなる可能性はあるため注意)。「サラマンダー」は物理攻撃面ではトップクラスに近い優秀なクラスであるため、尚更冥術は選ばれにくくなってしまっている。
      • もっとも、上手くやればカンストダメージが出せるシャドウサーバントもまた魅力的であり、「冥術(特にシャドウサーバント)とサラマンダーのどちらを取るか」というのはプレイヤーの間では意見が分かれるところである。

総評

雑魚戦ですら命がけのバランスのせいで、著しく特殊効果の強い一部の技・術以外は火力重視での速攻が安定するという結論に到達しやすい点が理解の難しさにつながっている。
他にもマスクデータやバグ等の問題もあり万人向けと言い難いのは確かだが、その自由度とゲーム性の高さから「シリーズで一番好き」と評する人も決して少なくない。
選択の自由度が幅広く、色々な遊び方が可能なため、一度クリアしただけでは飽きたらずに何度もプレイしたという人も多い。
高い難易度や独特のシステムが魅力的に感じたプレイヤーがいるのも確かで、現在においてもやりこみプレイを続ける人も少なからず存在する。
「年代ジャンプを最大まで発生させ帝国歴を4000年以上にする」「EDの年表を全て一人のキャラの業績にする」「序盤の皇帝ジェラールの時代に七英雄ロックブーケを倒す」などのやりこみ・制限プレイも多く行われた。

理解しにくい点や粗は多かれど、それすらも気にさせないほどの魅力に満ちた作品と言えよう。


ロマンシング サガ2(リマスター)

【ろまんしんぐ さがつー】

対応機種 プレイステーション・ヴィータ
iOS(7.0*19)
Android(4.2.2)
プレイステーション4
Nintendo Switch
Xbox One
Windows(Windows10、Steam)
メディア ダウンロード販売
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 アルテピアッツァ
発売日 【PSVita/iOS/Android】2016年3月24日
【PS4/Switch/One/Win10/Steam】2017年12月15日
定価 2,200円
レーティング CERO:B(12才以上対象)
アイコン:麻薬等薬物
判定 スルメゲー
ゲームバランスが不安定
ポイント ガラケーアプリ版ベースの移植
グラフィックを大幅強化
やり込み要素も多く追加
PSVITA版は多少劣化気味

概要(リマスター版)

1993年に発売された『ロマンシング サ・ガ2』(以下『原作』と表記する)のリマスター作品。

魔界塔士Sa・Ga』『ロマンシング サ・ガ』がワンダースワンカラーに移植された際には、『原作』も移植する予定となっており、ゲーム雑誌でも情報が掲載されていたが、いつの間にかお流れになってしまった経緯がある。
その後、2010年に『原作』に追加要素を加えて携帯アプリとしてリリースされた(以下『アプリ版』と表記する)。
その後、2016年に『アプリ版』をベースとしてグラフィック面の向上等を行ってPSV/iOS/Androidでリリースされたのが『携帯機版』である。
この『携帯機版』はその後、高画質化した上で、PS4、Switch、XboxOne、Windows10及びSteamといった『据置機版』が2017年にリリースされることとなった。
したがって、『原作』のリメイクとしてはこれら3つのバージョンが存在するが、『アプリ版』を基準として『携帯機版』『据置機版』についてはグラフィック要素等の変化が主であることから、これら3つのバージョンを一括して『リマスター版』として扱うこととする。
なお、『アプリ版』についてはスクエニモバイルサービスが終了した際に配信終了となっているため、現時点で新規にプレイすることは不可能。

なお、『リマスター版』では『原作』と異なりタイトルの中点がない『ロマンシング サガ2』が正式タイトルとなっている。

追加要素(リマスター版)

以下、特に注記がない場合は『アプリ版』における追加要素を指す。なお、『アプリ版』においては追加要素は有料の追加コンテンツとなっているが、『携帯機版』以降ではデフォルトで含まれている。利用するかどうかについては、任意に選択可能。

  • 追加ダンジョンとして「追憶の迷宮」が追加された。
    • 南ロンギット地方に出現する追加ダンジョンで、北ロンギット地方で話を聞くとマップに出現する。
      • 追加ダンジョンであるが、クリア後でないと挑めないというわけではなく、ストーリーの最中で普通に挑戦可能である。実際最短で出現させようと思えばかなり早い段階で出現させられる。
    • このダンジョンは更に4つのダンジョンで構成されており、『原作』で語られなかった古代人の新設定が語られるほか、新規追加アイテムや新規クラス、『原作』で没となった陣形が入手可能。
    • このダンジョンでは敵の強さは戦闘回数に依存せず、奥に進めば進むほど強敵が出現するという一般的であるが、本作においては特異な性質を持っている。
      • そのため、ダンジョンの浅いフロアなら序盤のモンスターが出現するし、深いフロアまで行けば最終盤でないと出現しないようなモンスターが出現する。この性質を活かすことで終盤で序盤のモンスターのドロップ品を狙うことも可能。
    • ダンジョンで全滅した場合は、本編同様皇帝継承が行われるが、ボス戦では伝承法が無効となる特殊仕様であるため、ボス戦で敗北するとゲームオーバーとなる。
    • ダンジョン内の宝箱からは『原作』で登場しなかった追加アイテムが登場する。深部で入手出来る装備品は『原作』のものよりも強力なものが多い。
      • 主に、原作で弱かった武器種において、てこ入れされたものが多い。
      • アクセサリの中には属性防御を大幅に上げるものや、ドロップ率、技術点(経験値)を増加させるといったものもあり、『原作』では出来なかった攻略や、入手が面倒だったアイテムも入手しやすくなっている。
      • 新武具の名前は『前作』の最強装備から取られているが、全てがあるわけではない(例えば最も有名な最強武器といっていいアイスソードはない)。
    • 追加ダンジョンの4つのダンジョンでボスを倒すと、隠しボスと戦闘することが出来る。この隠しボスはかなり強力である上、『原作』におけるハメ技ともいうべき「クイックタイム」の対策を持つため戦略なしで勝つのは困難となっている。
      • それ以外の4つのダンジョンのボスも、通常のボス敵と比べると高いHPを持っているため、序盤で手を出すとあっけなくやられることになる。
      • 隠しボスはクイックタイム対策を持つものの、単純な手数や技の種類はラスボスより少ないため、原作でクイックタイム以外で攻略したプレイヤーにとってはラスボスより楽に倒せるかもしれない。
  • 追加ダンジョンでは「陰陽師」と「忍者」の新規クラスを加入させることが出来る。
    • 陰陽師は『原作』では隠し術法となっていた冥術をデフォルトで修得している。これにより、『原作』ではサラマンダーと二者択一であった冥術を限定的ながら両立させることが可能になった。
      • もっとも、冥術研究所を設立しなければ他のキャラで冥術を使えないし、冥の合成術も開発できない。また、陰陽師自身も初期で覚えている2種類の術以外は使えないなど制約は大きいため、真価を発揮したければ冥術研究所の設立は事実上必須といえる。
      • 設定上冥術が強力になる「理力」が高い者が多い。
    • 忍者は体術が得意な女性専用クラス。腕力と素早さの両方が高く、格闘家以上に高い威力の体術技*20を素早く繰り出すことが可能。
      • その代わり体力は低く、戦士系としてはLPも低め。皇帝にしてHPを底上げしたり、陣形の行動後防御ボーナスを得ないと辛い。
  • 強くてニューゲーム(「NEW GAME+」)が可能となった。
    • 手持ちや倉庫アイテムの大半、技や術のマスターレベル、完成させた合成術、閃いた技や見切り、所持金を引き継いで最初からプレイ可能。
      • 武器・防具の開発は引き継げず、戦闘回数、陣形、加入クラス、イベントアイテムは引き継げない。
    • 任意のセーブデータを選んでそのセーブデータの時点の状況を引き継ぐことが可能。
      • 強くてニューゲームを利用するに当たってゲームをクリアする必要はない。そのため、『原作』で事実上の詰み状態となった場合の救済にもなっている。
    • なお、装備品等は引継可能なので、唯一品を複数個所持することも可能である。例として、最終皇帝の装備は男女で異なるが、引き継げばどちらの装備品も入手できる。
      • 魔石の指輪等を複数所有することで『原作』では出来なかった攻略も可能である。
    • ただし、冥術修得に必要なアイテムについては引継不可なので、サラマンダーと冥術の複合は(上記、陰陽師を除けば)不可能であることに変わりはない。
  • 建造物として果樹園が追加された。
    • クジンシー(初回)を撃破後に玉座に座ることで作れ、アバロンの左下のエリアが追加される。
    • 効果としては収入が増える……それだけである。
    • もう少し詳しく説明すると、収入がある程度増えるのだが、戦闘回数が増えることで果樹が生長(『アプリ版』では果樹の本数が増える)し、その都度収入が更に増えていく。
      • 戦闘回数が一定数になった段階で果樹園を更に大きくする提案が出る。追加費用は発生するが、更に収入を増やせる(逆に、果樹園を更に大きくしない限り、収入はそこで頭打ちになる)。
    • 最終的な収入は12,800クラウンであり、『原作』の収入の最大31,600の1/3以上にも及ぶ。全領土の税収の1/3以上も収益をもたらす果樹園とは……。
    • 果樹園はクリア後の年表には載らず、金欠を改善するための追加要素と思われる。なお、『アプリ版』においても本コンテンツは無料で利用可能であった。
  • イベントが追加された。
    • 陰陽師、忍者を含めた全てのクラスを仲間にし、全ての領域を領土とした上で最終皇帝になった際に一定条件を満たすことで特別なイベントが発生するようになった。
      • このイベントをクリアすることでかなり強力なアクセサリを入手出来る。強くてニューゲームを使えばパーティ人数分集めることも出来る。
    • 『原作』でもそうであったが、サラマンダーと冥術は両立できないため、『アプリ版』では冥術を取ってしまうとこのイベントが起こせないという難点があったが、『携帯機版』以降はサラマンダーは条件から除外された。
      • なお、陰陽師、忍者を含めたクラスを仲間にしなければならない都合上、『アプリ版』では追加コンテンツの購入が必須である。
  • 『携帯機版』以降(スマホは除く)においてはトロフィーや実績が追加された。
    • 各機種で内容はほぼ同じ。
      • 細かい違いとしてSteam版では他の全ての実績を入手するタイプの実績が存在しなくなっている。
  • ゲーム内で得られる情報が増えた。
    • 原作では大量のマスクデータが存在したが、様々な情報を確認できるようになった。
      • 装備画面で武具の説明(盾の回避率等)を追加、戦闘中に選択中の技の説明を追加。
      • 陣形選択後に各ポジションのボーナスが明示されるようになった。
      • 装備の重さは倉庫の体重計で、理力は術法研究所で確認可能。
      • 戦闘回数を教えてくれる大臣の追加。

変更要素

  • 『原作』のバグの多くは修正された。
    • プレイヤーに有利なもの・不利なものを含めて多くのバグが修正された。
    • プレイヤーにとって有利なものとしては、「シティシーフイベントの資金の無限増殖」「ワンダーバングルの超性能」「沈んだ塔への強引な侵入」は修正された。
    • プレイヤーにとって有利とも不利ともいえるものとしては、「ナイトヘッドが序盤に出現する」も修正されている。
    • 装備品の性能が表記と異なっているものについては、表記通りの性能に改められている。
    • エルブンスキンについては装備から外せるようになった。ただし、魔石の指輪は『原作』同様不可。
    • 陣形効果が正しく出ていなかったものについても修正された。これによりホーリーウォールの実用性は増している。
      • 本来は想定外だった「素早さボーナスに付随する行動後自動防御」については仕様化された。
    • 一方で、「全身鎧の退化」「ベルセルクの技、地獄爪殺法等の見切りが道場に登録されない」といった不具合は修正されていない。
  • 『アプリ版』のみ、防具の具体的な性能(属性ごとのパラメータ)が表記され詳しく分かるようになった。
    • しかしながら、『携帯機版』『据置機版』では再びマスクデータに戻ってしまった。
  • 『携帯機版』『据置機版』では、グラフィック描写が更に進化している。
    • フィールドのグラフィックが一新された。
      • 一方で、キャラや敵キャラのドット絵は敢えて変更されていない。
    • ダッシュ時に視界が狭くならないようになった。
      • ただし、ダッシュ中に戦闘になると、陣形が乱されるのは変わっていない。
      • 本作の仕様ではそもそもダッシュしても陣形が乱されないエリアが(数少ないが)存在するものの、『携帯機版』以降ではどこがそれに該当するかは分からなくなった。
    • 一部の敵がアニメーションするようになった。
      • アニメーションするのはボスキャラや固定ボスとして登場する雑魚敵(ゼラチナスマター等)のみ。
      • 雑魚敵については色違いであっても色違い先はアニメーションしない(例として、ゼラチナスマターと色違いであるゴールドバウムはアニメーションしない)。
  • 冥術の威力が増えた。
    • 冥術が攻撃面で弱すぎることによる措置と思われ、冥術の攻撃術は全て威力が上方修正されている。
    • 特にサンドストームは威力が大幅に増え、敵が使ってくる全体術としては最大の威力の術に格上げされている。
    • 味方が利用する上で冥術が弱すぎたということでのテコ入れと思われるが、冥術を入手しないプレイングであれば単純に脅威が増しただけといえる。

評価点(リマスター版)

  • 詰み対策が増えた
    • 『原作』では育て方や武具の開発方針・増えすぎた戦闘回数等によって事実上詰み状態になってしまうことが普通にあり得たが「強くてニューゲーム」によってそれまでのプレイが完全に無駄になることがなくなった。
    • 武器、防具の開発状況は引き継がれないが、合成術は引き継ぐことが可能。
      • 前のプレイで合成術を作っておけば次のプレイの資金繰りが楽になる。
      • 武具の開発状況そのものは引き継げないが、開発後にパーティ人数分の武具を購入しておけば事実上、次の周回で開発せずに済む。
  • 追加ダンジョンでは、戦闘回数に依存しない強さの敵が出現する。そのため、逃げすぎて敵が強くなりすぎた場合でも育成がしやすくなっている。
    • 逆に、戦闘回数に依存しないため、対策さえ用意しておけば、序盤の段階で強敵相手に育成することも可能。
  • ドロップアイテムの収集が行いやすくなった。
    • 追加ダンジョンでは序盤の敵も出現するため、雑魚敵のドロップアイテムに関して言えば弱い敵のドロップアイテムも狙いやすくなった。
    • 追加ダンジョンでドロップ率アップのアクセサリを入手すると、アイテムドロップ自体がしやすくなる。
      • これによって一度しか戦えない相手のドロップアイテムも狙いやすくなったといえる。
      • また、強くてニューゲームを使えば、再度入手することももちろん可能である。
  • マスクデータが一部開示された事で遊びやすくなった。
    • 特に陣形のボーナスは良い方も悪い方もはっきり表示されるようになったので、誰をどこに置いたら良いかという判断をしやすくなった。
    • ただ、上述の通り防具の性能表記については『携帯機版』以降で再びマスクデータに戻ってしまった。
  • 冥術が強力になり味方が使うメリットが増した
    • 冥術は全体的に威力が強化され、実用に耐えうる威力になった。
      • 特に合成術のサンドストームは2倍近くに威力が上がり、術全体でも上位の威力となった。
    • 冥術用の新クラス陰陽師のおかげで冥術の育成もしやすくなっている。
  • やりこみ要素の追加
    • 追加ダンジョンは各ダンジョンの最下層には強力なボスが控えており、それらを全て倒すとさらに強力なボスとも戦えるようになっている。
      • 最後に戦うボスはクイックタイムを使用するとクイックタイムで返される(プレイヤー側は無効化)というクイックタイムが強すぎた事への対策になっており、隠しボスにふさわしい強さになっている。
    • トロフィーもコッペリアの皇帝継承や最終皇帝以外でのクリア等、原作でやりこみの一環だった要素を拾っている。

問題点(リマスター版)

  • UIが全機種で全て統一されているためか、画面上にタップボタンがそのまま表示されている。
    • 一応、PSVなどのゲーム機では操作ボタンの解説が付いてはいる。
  • 戦闘時のSE(=効果音)が全体的におかしい。
    • SFC版のSEが全て収録されておらず、足りない部分を他SEで代用しているため、SFC版に慣れ親しんでいるほど強い違和感が付きまとう。
      PSV/iOS/Android版発売時にも真っ先に問題視されていた。
    • 例として、大剣の通常攻撃のSEが剣の通常攻撃のSEと同じ、クリムゾンフレアのSEがどういう訳かリヴァイヴァと同じである等。
      この点は開発スタッフ側も認識していたが、修正が難航したとの事でおかしいままリリースされたという。
    • 一応、発売からかなりの時間が経ってからのアプデでいくらか改善されたが、それでも全てが修正された訳ではない。
      亀甲羅割りのSEがバグったノイズのようになっている等、依然として多数のSEがSFC版と違っている。これはPS4版やOne版も同じ。
  • 追加ダンジョンにボスとして登場するようになった「オーガバトラー」のグラフィックがロマサガ3のものに変更されているが、ステータス等はそのまま。
    • グラフィック上は剣を持っているのに棍棒技を使ってきたり、盾を構えているのに回避することがない*21などちぐはぐであり、違和感のある変更。
    • 追加ダンジョン以外で普通のオーガと一緒に出てくることもあり、見比べると余計に違和感が増す。
  • 操作性がSFC版と微妙に違っており、やはりSFC版に慣れ親しんだプレイヤーほど誤操作を起こしやすい。キーコンフィグもなし。
    • Steam版ではコントローラサポートを利用することで擬似的にボタン配置を任意に割り当てることができるが、ゲーム内に用意されたものではないので当然画面上のUIの表示は変化しない。また、ボタンを割り当てたところで後述のようにSFC版の操作自体を再現できない箇所も多い。
  • 一部の技が道場に登録できないバグがそのまま残っている。
    • 本作では「強くてニューゲーム」が存在するため、「一度閃くと引継ぎプレイを続ける限り2度と閃けない」という移植前以上に後を引くバグになってしまっている。
  • 果樹園の使い勝手が悪い。
    • 序盤~中盤の一番お金が必要な時期に建設費として多額の金額を要求される一方で序盤の収入はそれ程でもないため、むしろ窮乏する。
      • 段階的に増築費も要求されるため、実際に「建築費+増築費<収入」となるのは戦闘回数が増えてきた終盤ということになってしまう。
    • 終盤になって建築が一区切りついた頃に収入が多くなるが、全種類の武器・防具開発をするといった完全プレイを目指さない限り金が余りがちになる。
      • おそらく、『原作』において序盤から中盤の資金繰りが難しい(SFC版では上述した「シティシーフイベントの資金の無限増殖」を序盤の資金繰りの救済措置と揶揄する声もあったくらいである)ことから追加された要素のはずなのに、序盤~中盤の一番金が必要な時期に建設料を要求され、SFC版以上に窮乏化する。そして、戦闘回数の増える終盤にはただでさえ支出よりも収入が増える状況で更に収入が増えてしまうだけで結局金が余ってしまう。
  • SFC版では普通の斧技だった「高速ナブラ」の参照値がおかしくなった。
    • RS3の分身技と同じく、前回行動したキャラの参照値がそのまま引き継がれる形になっている。戦闘をまたいで引き継ぐ事も可能。
      本作には能力値を直接アップする術法が存在するため、予め重ねがけで超強化した攻撃を使用しておくと、その次の戦闘で1ターン目から9999ダメージを5連発できるという壊れ技になってしまった。なお、プレイ開始後すぐには参照値がないので、低いダメージしか出ない。
  • 冥術の強化で敵の冥術の脅威が増した。
    • 元々威力が低くダメージは大したことない(がスタン効果がある)ペインは、ダメージも普通に受ける術になり序盤の脅威が多少増している。
    • ただ、最大の脅威は威力が大幅に増えた全体術のサンドストームであり、敵が使う全体術としては最強の威力に躍り出ることとなった。つまり、『原作』で脅威とされるファイアストームやストーンシャワーよりも高威力である。
      • 幸い、サンドストームは利用頻度が低いため、使われることはあまりない。もっとも、『原作』では脅威でなかったこともあり、ほとんど脅威と思われない敵から予想外のサンドストームで全滅、といった事故が発生することはままある。
  • 1コマンドでできるソフトリセットが存在しない。
    • 設定画面を呼び出してから「タイトルに戻る」を選択してリセットしなくてはならないので、手間が掛かる。
      サガシリーズはレアアイテム収集も楽しみ方の一つなので、一度しか戦う機会のない敵が多い本作では、この仕様はネックとなる。
  • 同じく、戦闘時に1ボタンでできた退却/防御コマンドも、本作ではわざわざ歩行キー左右でスライドさせて入力する必要がある。
    SFC版が手軽な操作だっただけに、幾度となく戦闘を行う本作では気になる点である。
  • アニメーションの弊害
    • 基本的にボスに動きが追加されたのだが、一部のボスは後に雑魚としても出てくる。その際、完全な雑魚戦闘にもかかわらず一部のモンスターだけが動き、しかも動くモンスターよりも強いモンスターは動かなかったりするので、通常戦闘では若干浮いてしまっている。
  • オリジナルより劣化した演出
    • 年代ジャンプ時の字幕表示がSFC版では黒地に字幕のみという演出だったが、リメイク版で何故かメッセージウインドウが表示されてしまい、SFC版がもっていた雰囲気を若干損なっている。
  • 『アプリ版』で表示されるようになっていた各種属性防御が、『携帯機版』以降でまたマスクデータに戻ってしまった。
    • 防御力が分かりづらくなっていた原因なので、アプリ版で歓迎された最大の改善点の一つだったのだが…。

PSV版特有の問題点

  • 画面切り替えが少し重い
    • アプリ経由で作られた関係でUnityで開発されておリ、他のUnity開発ゲーム同様PSVにおいては少々挙動に重さを感じる。ロード時間も少々入る。
    • 各据え置き移植版では改善され、ロードをほとんど感じなくなっている。
  • 解像度の関係でキャラクターなど一部のドット絵が潰れたように表現されている。
  • VitaTVに非対応。
    • スマホにも対応した影響からか、VitaTVには対応していない。
      • この件について、発売日直前に公式Twitterで謝罪と批判コメントのような呟きが投稿された。
    • 現在は後発のPS4版とクロスセーブできるようにアップデートされている。

総評(リマスター版)

コアなファンがいる作品ということで追加要素を含めた移植は大いに歓迎された。しかしながら2010年当時はスマホ黎明期であるにも拘わらず携帯アプリということでプレイを諦めたファンも多かったが、それから6、7年という時を経て各現行プラットフォームとPC、スマホへの移植と相成った。
基本的な部分は変わらないものの、プレイヤーへの情報開示を増やしたり、どのタイミングでも使用できる「強くてニューゲーム」の追加をするなど、遊びやすさは間違いなく向上している。
七英雄に関する情報の追加など、少ないながらも新規要素も悪くない。
「SFC版が難しすぎて投げてしまった」「どんなゲームか一度やってみたい」と思ったプレイヤーにはお勧め出来るリメイクであるといえる。


その他(リマスター版)

  • 上記の通り、各リマスター版は開発エンジンにUnityを採用している。しかしUnityはPSVと相性が悪くまたスマホのほうがPSVより高スペックなこともままあるため、iOS版、Android版に比べてロード時間が若干長くかかったりする。
    • ダウンロード配信以前のニコ生でもプロデューサーがこの点について言及していた。
    • ただしスマホは機種によりスペックは様々なので、Android版は特定の場面でメモリ不足で強制終了してしまうなどの不具合も引き起こされた。
    • これら処理の重さは据え置き移植版では軒並みクリアされている。
  • 基本プログラムは同じはずなのだが、iOS版のみタップ操作とメモリ解放の挙動の違いから、初期Verにて様々なバグが引き起こされた。
    • バグを利用すれば別のセーブデータの倉庫にある古代魔術書を引き出して、サラマンダーと冥術の両立も可能だった。
    • このバグにより、陰陽師と忍者で開発できる予定だったとおぼしきボツ陣形の存在も明らかになっている。
  • 後に、PC版でも使用できる「カーソルバグ」も発見された。
    • コントローラのボタン+マウスのクリックかタッチパネルのタップが必須なため、CS機種では不可。
    • 何かしらの左右に2ページ以上あるメニューを開き、隣のページに移動するボタンを押した直後に、空欄になる場所をタップ(クリック)すると発生する。成功すると空欄が選択されてページ限界を超えて移動できるようになり、応用することで、通常選べない陣形やソウルスティール習得なども可能になる。
  • レオン皇帝から息子ジェラールへの死の淵での言葉に対する返答「はい、はい」と「はい」でテキトーな返事である前者を選ぶと、「もっと真剣になるのだ!」と怒られてしまうのだが、さらにPSV版ではトロフィー「父の遺志を継いで」が解除されないようになっている。
    • 展開的にもそのような仕様だとユーザーも受け取っていたが、Ver1.01アップデートで「はい、はい」でも解除されるようになった。
  • イベントの進行などもかなりSFC版に忠実で、SFC版の時点でやや不自然だった進行ルート(スービエと二度戦える、最終皇帝以外のクラスでクリア)もそのまま残されていたりする。

余談

  • またしても攻略本に大嘘ばかり書かれている(それでも前作よりまだマシだが)。発売元はNTT出版、編集プロダクションはキャラメル・ママ。
    • データ上にのみ存在しているが実際には入手不能なアイテムが数多く記載されている。これらアイテムのほとんどは、上記アプリ版で正式に入手可能となっている。
    • 棍棒技「トリプルヒット」と小剣技「ライフスティール」が「敵も味方も使える通常の(=武器種さえ合えば使える)技」とされているが、実際には敵しか使えない。そのため本を信じてひらめこうとしたプレイヤーは時間を浪費することになった。
      • なお棍棒技ですらないトリプルヒット*22と違ってライフスティールは小剣「ソウルセイバー」の固有技のうちの一つとして設定はされているのだが、ひらめき難度の問題で実際にひらめくことはできない。ひらめき難度の設定ミスか、それとも意図的にひらめき難度を上げて実質上の削除を行なったものの資料変更をされなかったのか……。
  • 『ファミリーコンピュータMagazine』で漫画が連載され単行本化されている。全3巻。漫画そのものよりも、七英雄の過去を描いたシーン*23を素材にした七英雄コラで有名。ワグナス! 現在は絶版で入手困難だが良作なので、中古屋で見かけたら是非読んでみよう。
    • 全3巻という都合上、ゲーム上では再現できない&しにくい変更点もあるが、物語はおおむね原作に則った物になっている。*24
  • スクウェア・エニックスより発売されたオンライントレーディングカードアーケードゲーム『LORD of VERMILION』シリーズに七英雄がゲスト参戦している。
    • 裏面カードテキストなどにより新たな設定も判明した。
  • 2012年9月から配信されているソーシャルゲーム『エンペラーズ サガ』およびブラウザゲーム『インペリアル サガ』は本作の世界観をベースとしている他、敵ドット絵などのグラフィックが流用もされている。
  • 七英雄の名前の由来は「山手線の駅名を逆さにして、もじったもの(池袋、上野、恵比寿、五反田、品川、新大久保、新宿)」だというのは割りと有名なネタ。
    • ちなみにノエルの友人「サグザー」も東京の地名(浅草)から取られているとのこと。
    • 七英雄の名はその後、「クソゲーオブザイヤー2008の候補となった7本のクソゲーをさす別称(蔑称)」としても使われるようになる。また、これらの作品は「2008年クソゲー七英雄」とも呼ばれている。
    • 2015年には佐賀県とのコラボであるロマンシング佐賀2では七英雄の元ネタになっている駅に該当の七英雄の広告が展示された。(ダンターグとボクオーンに関しては形態毎の広告がある。)
  • 本作はロマサガ3部作の中で唯一、単独のムック本が発売されていない。
    ゲーム中で語られない「裏設定」があまり存在しないという事でもあるが、1や3と違って風呂敷を広げ過ぎず、そのソフト内だけで完結させたのだとも言える。
    • 携帯版追加要素で古代の天変地異についての裏設定が語られる。
    • 3部作を網羅したデジキューブのムック本「大全集」には、いくらかは裏設定が掲載。
  • 電撃オンラインのリメイクして欲しいゲームランキングで7位にランクインした。
  • 2017年春に舞台化されたロマサガ3の好評により、2018年秋には本作を原作とした舞台『SaGa THE STAGE ~七英雄の帰還~』が上演された。
  • CMは中世風の街中を色んな人がフキダシのセリフでしゃべるというロマサガ2の世界観を表現した実写映像。「ボタンひとつで歴史が変わる」というキャッチコピーをアピールしていた。
    + CM動画

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最終更新:2024年03月27日 20:37

*1 敵の強さと技で決められた適性な敵の強さが一致する場合にはひらめきやすさが大幅に上昇する特徴があるため、技によって覚えやすい敵(の強さ)というものは存在する。

*2 確実に回避できるとはいえ、麻痺、睡眠など行動不能となっている場合は当然ながら回避できない。

*3 例外的に武器の特殊技は技欄のカウントに含まれないため閃くことがある

*4 技道場に登録されたとしても年代ジャンプして習得可能となるまでであれば再度閃くことは可能

*5 効果などは違うが、地相という要素は前作から登場していた。

*6 データ上には新施設予定の図書館やデバッグルームも存在するが、通常プレイでは絶対に行けないので、作りかけの施設が目に見えてしまっているといった事はない。

*7 バトル担当スタッフが見た目に応じて強くしたりしていた。盾を描いたら盾回避を設定されると警戒されたりしたらしい。

*8 ただでさえ戦闘難易度が高いため、このペナルティーを食らった上での戦闘はかなり危険であり、戦闘をやり直した方が良いレベル

*9 そもそも、固定装備は防御力を確認する手段がないため、ゲーム内で普通に性能を確認できる頭防具としては確かに最強の数値である

*10 おそらく、16進数の入力で「32」と入力すべきところを「23」と入力したものと思われる

*11 全身鎧は4箇所の防具の開発段階によって自動的に開発されるため、開発段階が変化する際のルーチンが上手く機能していない模様(例えばオープンヘルムが完成する→ラメラースーツにいったん格上げ→判定を行い、全ての部位が完成していない場合格下げという処理を想定しているが、格上げが上手く働いていない結果、ランクダウンのみが発生するのではないかと思われる

*12 陣形「デザートフォックス」の皇帝にも設定されているが、元々行動後防御のある場所なのであまり意味がない。

*13 プログラムの内部数値では弓と全物理は1つだけ数値が違うので、スクリプターの打ち間違いが原因であろうと言われているが、盾扱いになっていることや重量を考えると他も間違っていると思われる。

*14 例外は片手剣の最強武器である竜鱗の剣のみ。

*15 サンダーボルトは参照能力値が腕力ではなく魔力であり、突レベルと魔力の両方に秀でたキャラは非常に少ない。退魔神剣に至っては斬レベルと冥術レベルの両方を参照し、かつ参照能力値は魔力という極めて複雑なダメージ計算式になっている。

*16 状態異常は元気の水等で、射属性はミサイルガードで、雷属性はエアスクリーンで、その他物理攻撃も光の壁等で対処可能である。

*17 「ルドン高原」というアバロンから簡単にいけるモンスターの生息場所に由来。誰に教えられたわけでもないのに多くのプレイヤーが同じ目的に使用した、恐るべき地域である。

*18 2つあり、武器固有技の方は水術「霧隠れ」と組み合わせると高い命中率がさらに高まりザコ狩りに有用

*19 iPhone5以降対応

*20 体術威力は腕力と素早さの両方が参照される。

*21 ロマサガ3ではきちんと盾回避した。

*22 実際は斬属性の技であり、天術のソードバリアで完全防御が可能。

*23 厳密にはウォンウォンと音が鳴り響く浮遊城の中でワグナスが過去を回想しているシーン。

*24 例を挙げると伝承法による皇帝継承が4回(レオン→ジェラール→オライオン(フリーファイター)→クリームヒルト(アマゾネス)→ジェラール2世、ちなみにクリームヒルトはある七英雄撃破のためにオライオンが力を貸すという形で継承し目標達成後は即位せずに最終皇帝であるジェラール2世に皇帝の座を譲っている。最終皇帝は序盤の主人公であるジェラールの孫で、名前も同じジェラール。)しかなかったり、物語が100年も経たないうちに解決したり、最終決戦時のクリームヒルトの装備が女最終皇帝の物だったりしている。