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パイレーツ アサルト
【ぱいれーつ あさると】
ジャンル
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タワーディフェンス
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対応機種
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ニンテンドーDS(ニンテンドーDSiウェア)
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発売元
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アークシステムワークス
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開発元
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CIRCLE Entertainment
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発売日
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2012年4月25日
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定価
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200DSiポイント
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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忙しすぎる操作 オリジナリティにあふれすぎて噛み合わないシステム
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概要
DSi向けのダウンロード専売ソフト。
ジャンルのタワーディフェンスとは「お宝めがけて向かってくる海賊を、設置した自動大砲などで撃退する」というものである。
想像すれば分かるとおり、タッチスクリーンとこのジャンルの相性はなかなか良く、実際ダウンロード専売ソフトにもタワーディフェンスの佳作・良作がそれなりに存在する。
つまりまっとうに作っている限り、問題など起こりようのないジャンルなのである。…まっとうに作っている限り。
問題点
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ステージ総数は5個しかないが、これは200円という値段を考えればつるし上げる訳にもいかないところだろう。
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一つ一つのステージはそれなりに長く、それぞれのステージでハイスコアと3段階の評価が下されるなど、やりこませようという意思も感じられる。
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ボリュームは200円という値段の制約がある以上、もとより期待は出来ない。本作の問題点はほぼ以下の部分に集約される。
高難易度
狙った高難易度ではなく、明らかにシステムの不整合により生まれた意図せぬ高難易度である。
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まず、武器の配置・強化に使うリソース「ラム酒」の入手方法。
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この手のタワーディフェンス系のゲームでは、倒した敵が資金を落とすのが一般的。つまり、武器に資金を投入すればするほど得られる資金の量も増えていく、というのが普通である。
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しかし本作でのラム酒の入手手段は「時折現れる攻撃してこない敵船の『幽霊船』をタッチして入手」のみ。一応武器の売却も可能だが、当然投入したラム酒より減って返ってくる。
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しかも幽霊船1隻から入手できるラム酒はステージの最初から最後まで一律で10が限界。大砲の強化に20、投石器の強化に50と大量に要求されるのに…。
さらに基本的に10個単位で管理されるという都合上、一回タッチしそこねるだけで実質丸ごと一隻逃すのに等しい損害になる。
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出現ルートが限られているのは救いだが、むしろマップの反対側の敵に対応している内に見逃してしまうケースもあったりする。
敵に対応→急いで反対側まで移動→幽霊船タッチ×10→再び元の場所へ…という流れを何度も繰り返す必要がある。
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ちなみにポーズしている間は画面を動かせない仕様である。戦局の把握すらままならない。
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次に、配置できる味方の種類。
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4種類と明らかに少ないが、実際には使い捨ての「爆破樽」と使える数に限度がある「大渦」は非常に使い勝手が悪く、実質単発連射型の「大砲」と広範囲攻撃の「投石器」しか使える武器はない。
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爆破樽と大渦も強化は可能だが、使い捨ての武器にラム酒を投入する余裕はハッキリ言ってナイ。
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なお一応言っておくと「敵の進路上に配置する使い捨ての武器」という発想自体は悪くないものである。単に収入システムと噛み合っていないだけで。
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とにかく余裕がない。
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この手のゲームでは「ステージ開始→一定の猶予期間→最初の敵出現」という流れが多いが、本作には猶予期間が皆無であり、ゲーム開始直後からいきなり敵が侵略してくる。
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一度敵の攻撃をしのいでも、ほとんど間髪入れず次の敵の集団が現れる。体勢を整えつつ反撃するしかない。
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本作では敵に本拠地である宝箱からお宝を奪われても、画面外に消えるまでに5回タッチできればお宝を取り戻せる。アイデア自体は悪くないのだが…。
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…しかしこの仕様を前提にして序盤では絶対倒せない敵が序盤から侵略してくる。
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また、お宝を積んだ敵を撃沈してしまうと、そのお宝は絶対に取り戻せない。
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このため、「お宝にたどりつくまでにギリギリまで削ってしまう→お宝を手にした瞬間、お宝もろとも心中」というある意味海賊の鑑のような光景が頻発する。…プレイヤーには全くありがたくないが。
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宝箱のそばには可能な限り武器を置かない、という方法で一応対処できるが、置ける場所の余裕もあまりないのでそんなことを気にするのは難しい。
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操作性劣悪。
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「十字ボタンで画面をスクロール、タッチペンで配置などの操作」という非常に手に負担のかかる操作方法。
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しかも左利きお断り。タッチペンと十字ボタンを併用するゲームには大抵、右側のABXYボタンを十字ボタン代わりに使えるようにする機能があるのだが、本作には無い。
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時間経過で使用可能になる一発逆転要素、「大嵐」の使用アイコンが画面内にあるので、誤爆することがある。
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大砲設置などは、ちゃんと画面下の専用ウィンドウに配置してあるのに…。
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というより、上の部分を読めば分かる通り本作ではタッチ連打が頻発する。
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お宝を奪われてタッチ連打、幽霊船が現れてタッチ連打…手がつりそうになる。
評価点
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一応BGMはそれなりに雰囲気がいい。海賊らしさはある。
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システム面で極端な破綻はなく、ゲームとして成り立っていない訳ではない。
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むしろ、だからこそ余計に難易度が高く感じてしまうのだが。
総評
似通ったシステムの多いタワーディフェンスとしては、「資金の入手手段が限られている」「本拠地に攻撃されても取り返せる」などオリジナリティが光る作品。
上手く煮詰めれば傑作になりうる可能性もあったのだが、そのオリジナリティあふれたシステムが大きく難易度を引き上げているのは、見過ごせない問題点だろう。記事執筆者もステージ3で投げ出してしまったので、以降のステージはよくわからないままである。
とりあえず、ラム酒の入手手段だけでもなんとかなればもう少しプレイしやすかっただろうに、惜しいところである。
最終更新:2018年09月17日 13:31