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スーパーロボット大戦F

【すーぱーろぼっとたいせん えふ】

スーパーロボット大戦F 完結編

【すーぱーろぼっとたいせん えふ かんけつへん】

ジャンル シミュレーションRPG
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対応機種 セガサターン
プレイステーション
発売元 バンプレスト
開発元 ウィンキーソフト
発売日
(F/完結編)
【SS】1997年9月25日/1998年4月23日
【PS】1998年12月10日/1999年4月15日
定価 各7,140円
レーティング
(F/完結編)
【SS】セガ審査:全年齢推奨(両方)
【PS】CERO:A(全年齢対象)/CERO:B(12才以上対象)*1
廉価版/配信*2 PlayStation the Best:2000年12月7日/各2,940円
ゲームアーカイブス:2011年11月9日/各1,200円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 全体的に敵が強い
全体的に宇宙が苦手
全体的に踏み込みが足りん!
ニュータイプにあらずんば人にあらず
別次元のイデオン
スーパーロボット大戦シリーズ

概要

元々は『第4次スーパーロボット大戦』(実質的には『第4次スーパーロボット大戦S』。以下『第4次』)に若干の新要素を加えた上でセガサターンに移植するという企画から生まれたソフト。
しかし参戦作品やシナリオ内容が大幅に変更され、ほぼ別物として世に出た。

発売予定日が三度も延期され、ようやく確定したかと思えば『完結編』が発表されるなど、相当に難産な作品であった。
初となる『エヴァンゲリオン』の参戦や、待たされたこともあり、当時のユーザーの期待は非常に高かったのだが…。

+ 参戦作品一覧

★マークは新規参戦作品。※はゲーム内での登場作品表記が『オリジナル』な作品。 『第4次』に参戦していた『勇者ライディーン』・『UFOロボグレンダイザー』・『闘将ダイモス』・『無敵超人ザンボット3』は不参戦となった。

  • マジンガーZ
  • グレートマジンガー
  • ゲッターロボ
  • ゲッターロボG
  • 真・ゲッターロボ(原作漫画版) ※
  • 機動戦士ガンダム
  • 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
  • 機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY
  • 機動戦士Zガンダム
  • 機動戦士ガンダムZZ
  • 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
  • 機動戦士ガンダムF91
  • 機動武闘伝Gガンダム
  • 新機動戦記ガンダムW
  • ★新機動戦記ガンダムW Endless Waltz*3
  • ★M-MSV*4
  • 無敵鋼人ダイターン3
  • ★伝説巨神イデオン
  • 聖戦士ダンバイン
  • 重戦機エルガイム
  • 超電磁ロボ コン・バトラーV
  • 戦国魔神ゴーショーグン
  • 超獣機神ダンクーガ
  • ★トップをねらえ!
  • ★新世紀エヴァンゲリオン
  • 魔装機神 THE LOAD OF ELEMENTAL ※
  • バンプレストオリジナル ※

問題点

余談にある通り、元々は1作品として発売する予定だったものを2分割して発売することになったため、主に『完結編』部分を引き延ばして*5制作することになった。『完結編』では序盤から敵側を有利にしつつ、味方側が有利になる要素の登場は終盤まで遅らせるといった調整により、調整不足とも批判されるような全スパロボシリーズでも最高クラスの高難易度になってしまっている。詳細は『F』『完結編』それぞれに分割して後述。

  • ロード時間がやや長いうえ、戦闘アニメのテンポが悪い。
    • この点は、CDメディアゆえの宿命と言えるが、当時のスパロボには戦闘アニメのスキップ機能が無かったため、1回1回の戦闘に非常に時間が掛かる。
    • 戦闘アニメ自体も出来が良いとは到底言い難く、ぶっちゃけSFCの『第4次』と大差ない
      • 静止画の立ち絵をベースに攻撃エフェクトを加えた程度であり、EVA弐号機のプログナイフやNT-1のライフルに至っては、「握り拳に武器のドット絵を重ねただけ」というお粗末な代物。一部の武器は色やエフェクト、効果音も原作からすればおかしな点が多い。
      • 当時のゲーム雑誌でスタッフが「今作ではユニットがちゃんと動くようになっていて、ヴェスバーを出す時にも腕が滑らかに動くんですよ」等とコメントしていたが、実際は全く動いていない。
        もっとも『第4次』ではそもそもヴェスバーの武器グラフィックすらなく、F91の額からビームが出るだけだった。つまり今作はヴェスバーの武器グラフィックが用意されただけ進歩していると言えなくもない*6
      • 後述で問題視されているZガンダムのハイパーメガランチャーは今回初めて武器専用グラフィックが追加されたが*7、既存作品の立ち絵に無理やり持たせているので、長尺の銃身を左腕一本で構えるという違和感の強い攻撃演出になってしまった。おまけに色も原作と違う。
      • ちなみに『新スーパーロボット大戦』(以下『新スパ』)の戦闘アニメは、機体/パイロットのカットインを多用したり、戦艦のメガ粒子砲が画面一杯に広がるほど巨大だったり、コマ数こそ少ないが手が動いていたり、ローテクながらも相当な工夫を施していた。なぜ退化してしまったのだろうか?
      • ビームライフル発射時のエフェクトは過去作と比べれば確かになめらかな動きでこだわりは感じる。
      • 開発スタッフが折角作った戦闘アニメで全ユニット中一番動いているのは生身のマスターアジアだろう。このゲームって"ロボット"大戦ですよね…
    • 本作は必ず「キャラが喋り終わる→攻撃」の手順を踏むため、ロード時間とは別に、使用武器によっては戦闘アニメのテンポが非常に悪くなる。
      • 一例としてZガンダムのハイパーメガランチャーは、ボイスが流れ、武器を構えてゆっくりと後退し、その後発射…という長い工程を踏む。*8どうやら攻撃演出が同じものは大半がユニット同士で表示される座標を共有している模様。そのため攻撃時に発射口をいちいちその座標に合わせるという内部処理がされているようである。
      • ちなみに『ZZ』のイーノやプルツー等の一部キャラクターだけは、何故か台詞と同時に攻撃を行うためテンポが良い。
        この他、ファンネルやハイファミリア等のビットタイプの武装、サイコミュ式ビームソードやGガンダムのフィンガー系統の武器等も台詞が終わる前に攻撃を開始する。武装やキャラ毎に個別に設定されているのか、はたまた何かしらのバグなのかは不明だが、テンポよくできるなら全武装をそうして欲しかったと言うのが概ねのプレイヤー達の感想だろう。
        実際、本作の約1年半前に発売された『第4次S』は、パートボイスとはいえ台詞と行動が同時に開始されるためテンポも見栄えも良かった。
  • 機体/パイロットの性能や能力値の格差が大きく、それを補完する手段も乏しい。同レベルにおける射撃値を例にすると、『第4次』では強キャラは120、弱キャラは100程度だったが、本作では一軍のアムロが224、二軍のバーニィが181と、40以上もの大差が付いている
    • 強化イベント等はごく一部で、基本的にパイロットはレベル上げ・機体は改造と強化パーツのみでしか強化は行えない。
      もっともそれがシリーズの伝統ではあるが、明らかに能力不足のまま使い続けなければならない事が問題なのである。
    • 原作における脇役キャラが弱いのはまだ分かるが、主役でありながら明らかに弱く設定されたキャラが複数存在してしまっている。
      • この点において、特に槍玉に挙がりやすいのが『0083』のコウ・ウラキである。
        『第3次』『EX』『第4次』のコウは粗はあれど決して弱いキャラではなく、育成や運用を間違えなければ十分に使えるキャラだった。
        一方で本作では、明らかに二軍と断言できるほどに弱く調整されており、特に回避値はUCガンダム系で下から数えた方が早いほど低い。 辛口で有名な某攻略本では「努力を覚えるためレベルは上げやすいが、いくら努力しても底が見えているため、育ててもむなしいだけかも」とまで書かれてしまった。なお実際には、集中も必中も持たないので努力させる事さえ難しい。
      • 同じく槍玉に挙がりやすい『ガンダムW』のWチームは、オールドタイプ云々とはまた別の微妙な調整が行われている。
        Wチームは『F』序盤~中盤で強敵として登場する都合上、ある程度はプレイヤー側が攻撃を当てられるように反応/回避値は低めに、一方で強敵としての耐久力を表現するために切り払い/シールド防御はかなり高めに…というパイロットステータスに調整されている*9
        勿論この調整自体は決して悪い事ではない。問題なのはこの敵時のステータスのまま、『完結編』で自軍に加入する事である。
        この低いステータスでは、数値がインフレした『完結編』の敵の前には避けられないし当てられず、高めの機体性能も殆ど活かせない…という何とも中途半端な事態になってしまった。
    • 悪い事に、命中・回避を補う精神コマンドを覚えない味方パイロットも多い。それらの補助がない場合、よほどパイロットステータスや機体の運動性が高くない限り戦闘は困難。特に『完結編』の大ボスクラスになると能力が高くても命中/回避を補う精神コマンドは必須。
  • 地形適応・命中率・回避率に関するバランス取りが非常に悪く、自軍内の格差や高難易度を助長している。
    • 一部のパイロットは特殊な技能・システム*10により命中率や回避率が上乗せされる。しかし本作、特に『完結編』はその補正ありきで難易度が調整されているとしか思えないほど敵の運動性が高い。非NTのキャラは成長率でも差を付けられ、おまけに精神コマンドの利便性に欠けている者も多い。
      • これらの補正がないキャラは悲惨の一言であり、 『ニュータイプ(と強化人間と聖戦士)にあらずんば人にあらず』 という風潮さえ生まれた。特殊技能の概念が存在しない参戦作品は全員まとめて二軍落ち、良くてせいぜい一軍半…という、スパロボシリーズとしては勿論、SRPG全体で考えてもあり得ない事態になっていた。
      • 一方でダンクーガの野生化やマジンガーZのマジンパワー等、『新スパ』にあった強化系特殊能力はごっそり撤廃されている。保守的なのか革新的なのかはっきりしないところである。
    • 地形対応:宇宙のずさんな調整
      • 従来は機体の地形適応は「Aが良い・Bが普通」、もしくはその概念自体がなかったが、本作からは「Aが普通」となった。本作はダメージ計算式の中で地形適応が占める割合が大きく、数値がインフレした終盤戦ではA=1.2倍とB=1.0倍とでは、元々の数値の大きさから結構な差として出てきてしまう。
      • 『F』『完結編』共に後半は殆どが宇宙である。従って宇宙Aではない機体/パイロットの大半は『完結編』で弱体化してしまう。しかもパイロット・機体の適応値双方がAでないとBと判定されてしまう*11
      • また宇宙適応というものは、地上戦で空中戦適応を付けてくれるミノフスキークラフトのようなフォローする手段が殆ど存在しない。
        フル改造ボーナスで機体側を補うしかないが、資金が掛かる上にパイロットの適応の悪さはカバーできないので、前述の仕様と相まって無意味となる事もある。機体自体は宇宙Aでありながら、パイロットが宇宙Bのためこのような事態となっているケースも少なくない。
        そのため、ゴーショーグン、コン・バトラーV、マジンガー系、ダンバイン系、EVA系は分岐点からずっと宇宙戦が続く『完結編』においては作品単位で不遇と言える。主題歌の歌詞に「宇宙スペースNo.1」と出てくるゴーショーグンはこれのせいで『宇宙Bの宇宙スペースNo.1(笑)』等と皮肉られた。
      • 魔装機系4人組(+リューネ)は全員まさかの宇宙B。ちなみに『第4次/S』のマサキとリューネは宇宙Aであり、格闘値より射撃値の方が高いというステータスだったが、本作の2人は宇宙Bで格闘値の方が高いというステータスである。一体何の嫌がらせだろうか*12
      • 真・ゲッター2は、地形適応自体は宇宙Aだが、最強武器が『第4次/S』や『新スパ』のミラージュドリルから、宇宙では使用できないドリルテンペストにわざわざ変更されている。最大火力が大幅に減少した他、燃費も悪化、更には装甲や後述する限界反応の低さの関係で回避要員としても弱体化してしまっている。
      • リメイク元の『第4次/S』の時点で、「烈風正拳突きが宇宙では使えない」「GP-03デンドロビウムが実質2マップしか使えない」「地上戦が多いにもかかわらず大半のMS系機体の陸適応がB」等の問題点が目に付いていた。本作では真・ゲッター2の件、各魔装機神系の件、各スーパー系の件等、地形適応の杜撰な調整がより際立っている。
    • 元々の能力値やMAP兵器等に目を付けて、他機体よりテコ入れするような使い方をすれば戦える。しかし敵の最高レベルの上がり方が緩やかで、最高でも60止まりの状況では2回行動も修理/補給で時間をかけなければならなかったり、他機体に回す改造費用を削る羽目になったり、それを稼ぐために全滅プレイも覚悟したり…と、時間にはまるで優しくない。
    • スーパー系はこの中途半端な改革の影響を見事に受けてしまっている。パイロットの命中回避が大抵低く、運動性も全体的に低いため、先へ進むと雑魚にすら攻撃が当たらなくなっていく。こうなると、1ターンだけ必ず当たる「必中」を使ってボスキラーを担うくらいしか使い道がない。
      • 本作のスーパー系はTVアニメを意識したのか、必殺武器の消費ENを従来作品より高めに設定しているとの事で、ENを改造してもせいぜい2~3発程度しか使用できなくなっている。例として『第4次』のゲッタービームはEN無改造でも9発使用できたが、今作では5段階改造しても僅か3発しか使用できず、ボスくらいにしか使えなくなっている。原作での各話の使用頻度が少ないからとの理由で消費ENと最大ENのバランスを独自解釈してしまうのはいかがなものかと思われがち。
      • このため、最強武器以外の豊富な武器群の活躍の場が増えている…と言いたいところだが、当時の武器は1個1個を個別に改造する仕様で、しょうもない武器を改造しているような資金的余裕はない*13。敵の攻撃力自体が高い上、弱い武器で反撃しても気力を無駄に上げるだけなので、黙って防御するのが正解と言える。
    • そこまでしなくとも後半は防御力の成長が緩い中ダメージインフレが進むせいで「魂」を掛けたリアル系と、魂を覚える主人公機、そして気にしない人ならイデオンの攻撃で殆どのボスが楽に倒せてしまう。こうなってしまうと、10段階改造解禁後ならスーパー系は殆ど無用…と言いたいところだが、実は落とし穴だったりする。
      • いくら火力は足りてるとはいえ、終盤のボスは運動性インフレ+切り払いのせいで必中なしに攻撃を当てようとするとリセット&ロード地獄になることは必至なので、「リアル系以外不要」とまで言い切ってしまうのはやや机上論の領域となる。
    • 『完結編』に登場するスーパー系は運動性が高く、改造も6段階以降は費用が高い分効果も高いので、金さえつぎ込めばザコに当てられるようにはなる。だがそれよりも武器を改造して命中率は「必中」で補う方が効率がよく、資金繰りが悩ましくなっている。1機フル改造を狙うのならともかく、使いたいユニットが沢山いる人には辛い。
      • 「スーパー系・宇宙A・強力な必殺武器」という3つの条件を併せ持つユニットは、真ゲッター・イデオン・ガンバスター・グルンガスト・条件付きでダンクーガの5機程度である。特にイデオンは攻撃力9999・射程∞という規格外すぎるMAP兵器を持っており、更にダメ押しとばかりにパイロットの一人が「魂」を使える。
        このため、「イデオンとイデゲージ増加要員以外何もいらない」等と主張する者もいた。ただし、この機体はどうしてもクリアできない時の救済要員としての色合いが濃い上、イデゲージが上がりすぎると制御不能になって味方を攻撃したり、イデが発動してゲームオーバーになるというリスクも背負っている。
      • ダイターン3は宇宙Aに加え、実弾武器と格闘武器を切り払って無効化する「切り払い」やダメージを半減するシールド防御の発動Lvが高め、といい事尽くめのように見えるが、一人乗りのため精神ポイントのやりくりが厳しく、更に本作の万丈は「魂」を習得しないため『第4次』ほどの爆発力がないのが残念。
      • 隠し機体のシズラーブラックも宇宙Aでパイロットのユングが(スーパー系の中では)2回行動レベルが早いという強みはあるが、ユングが必中と熱血or魂を習得しないため火力不足な上、運動性を改造しないと攻撃が当てられない。
      • 後年のスパロボでは、スーパー系が使いやすくなるように徐々にシステムに改良が加えられていったが、逆にリアル系が冷遇気味になるという逆転現象も発生している。
    • NTパイロットにしても、主要武器のファンネルが切り払いの対象である。終盤のボス敵ともなると3~4割の確率で切り払ってくるので、命中率100%でも当てにならない。
      • ザコですら1割近くの確率で切り払ってくる事と、その時にザコが放つ「踏み込みが足りん!」等のセリフがユーザーの印象に強く残った。
      • 実は今作のこれら防御系の技能は「反撃」を選択しなければ発動しない仕様であるため、反撃不能な位置から攻撃すれば切り払われない。
    • 追記すると、全体的に精神コマンドのポイント消費量が『第4次』や『新スパ』と比べて増加傾向であり、しかも精神ポイントの最大値が減少傾向にあるため、消費の激しいスーパー系(特に1人乗り)はすぐガス欠を起こす。
  • このような始末のため、攻略本で全滅プレイと修理によるLvカンストが推奨されるという異常事態になった。
    • 前者は「ゲームオーバーになるとその面で得た資金・経験値を繰り越した上でやり直せる」というもの。スパロボ伝統の仕様であり、資金稼ぎの基本テクニックである。
    • 後者は「修理のできる機体を2つ用意し、MAP兵器を当ててHPを削り、お互いに修理をして経験値を稼ぐ」または「補給可能なユニット同士でお互いを補給し合う」というもの。最初の2人をLv99にするまでがとにかく長いが、できてしまえばそのキャラをMAP兵器の被弾役にする事で3人目以降を簡単に育てられる。アムロやカミーユといった一線級のニュータイプをレベル99まで上げてしまえばまったく被弾の恐れがなくなり、余裕でクリアが可能。
      • いわゆる「無双プレイ」の先駆けとも言える。最近のスパロボでは様々補正や調整が入り、単騎で無双してクリアするのはかなり難しくなっている。
      • 余談であるが、このテクニックを用いる際エルガイムMk-IIとGP03デンドロビウムが非常に役に立つ(前者はMAP兵器役、後者は3人目以降を育てる際の食らい用)(エルガイムは上述したイデオンのゲージを上げる要因としても使われる)。
        2機とも戦力としてはかなり微妙であるが、味方の強化には貢献してくれる。
    • 普通にクリアする場合は主力を絞れば何とかなるという報告は数件あるが、本作はキャラゲーとして見られている面もある点と、作品単位で不遇な作品が好きなプレイヤーの事はおざなりな点が、人によっては引っかかる所である。
  • その他の最大の問題として、SS版『F』では他のゲームのセーブデータを巻き込んでデータが消えるというスパロボ史上最大の凶悪なバグがある。一部小売店ではこのバグのために販売を停止した場所まで出た。
    • 戦闘アニメやデモ中にフリーズする事もある。相談センターに電話すると修正版に取り替え&ハンカチ同封のサービスがあった(ただしそれでも改善されない場合もある)。
    • 基本的に交換対応であったこともあり、市場でのバグ修正版の出回りは少ない。中古では高確率で未修正版であることが多く、パッケージ等が修正版でもソフト本体は未修正版というケースも多々あるため注意。
      + バグ修正版の見分け方解説動画
  • 今までの作品はLv80に達すると必要EXPが500から1000になるが今回は何故かLvが60に達すると増加する。他にも反応の伸びもLv30からは1Lvに1ずつ伸びるわけではなくなりペースが鈍化する。ただでさえ2回行動が遅いスーパー系が更に涙目である。
    • 敵のレベルは最終ステージでも60前後のため、全滅プレイ修理/補給装置の利用しない限りは65あたりまで育てるのが限界。にもかかわらず2回行動レベルがそれ以上のキャラもちらほらおり、不遇さに一層拍車をかけている。半ばネタ枠のボス(Lv81)はともかく、ゴーショーグンの真吾(Lv75)などはもうちょっと何とかしてやれなかったのだろうか。
  • 強化パーツが非常に低い確率だが、強力なパーツになる事がある。EX:チョバムアーマー90%、ハイブリッドアーマー10%といった感じに。
    • パーツの問題点として、強力なパーツは殆ど、改造したスーパー系の最強武器を結集しなければならないほど強力なステータスを持った敵を倒さなければならない、しかもそういった敵はターン数で撤退するのが殆どのため悠長に気力を上げる暇もない。『F』までなら倒せないなら撤退を待ってもいいが、そうすると強化パーツがあまり得られない。
    • 因みにどちらのパーツを落とすかはそのユニット出現時に決定されているようであり、クイックロードを何度繰り返しても落とすものは変化しない。逆に言えばその直前にセーブしておけばいいともとれるが、先述の通り倒すのも一苦労なので…。
  • 前後編に分かれているシナリオは前編に出撃した気力100以上のユニットは、後編では気力が下がるという仕様。「連戦からくる疲労」という理由付けはあるので、納得するか理不尽に思うかは個人差である。逆に言えば気力は100が初期値のため、それ未満にすれば回避可能。しかしそんな事など情報がないとまずわからないので…。
    • 前編と後編で満遍なくユニットを使って欲しいという措置だが、前編とて手強い敵が多く妥協はできない、後編MAPに至っては強力な強化パーツを落とす途轍もなく高いステータスの敵がいるというパターンが多い。そのため、大概は前編終盤にわざと気力低下行動*14を繰り返してペナルティを回避し、同じ戦力で後編MAPに挑む事になる。この仕様はあまりにも評判が悪かったのか採用されたのは本作のみである。
  • 後述のように、BGMのクオリティは全体的に高いのだが、バックで流れているドラム(ファンの通称:セガドラム)について「バンバン喧しい」との意見もある。指折りの人気BGMである「はるけき彼方で」はこのドラムの多さに加えて曲調とテンポが激しくなったことで「『第4次』にあった哀愁がなくなっている」と難色を示すプレイヤーもいた。
    • それを踏まえてか、『完結編』では「熱風!疾風!サイバスター」など一部BGMの打ち直しが行われた。

『F』

  • 序盤からいきなり高難度。今までのシリーズに慣れてきた人であっても戸惑うような場面が多い。
    • その要因となっているのは、『エルガイム』の敵勢力であるポセイダル軍だろう。装甲値が高めなうえ、ビームコートの仕様が「ビーム兵器を1200まで無効化」から「ビーム兵器を1000軽減」に変更されており、ビーム兵器が主力のMSではダメージを与え辛くなっている。
      さらに、高レベルのシールド防御、および切り払い(とそれなりの能力値)を持つネームドキャラが非常に多いうえ、従来作では滅多に使われなかったMAP兵器を、本作で範囲内に2機以上自機がいると確実に撃ってくるようになっているなど、リメイク元の『第4次』より明らかにやっかいになっている。
    • リアル主人公ルートの第2話で戦うオージェは、HPが9000近くある上にビームコートを持ち、バッシュは前述の通りMAP兵器を平然と使ってくる。それぞれ撃破の必要はないものの倒せば強化パーツや多めの資金が得られるため、多くのユーザーは苦戦を強いられることになった。
    • スーパー系主人公ルートはリアル系に比べれば比較的易しめだが、こちらはこちらで第1話からゲッタードラゴンと戦わされる。1話とは思えない凄まじい火力を持ち、油断しているとマジンガーすらあっさり爆砕されてしまう。 い*15
    • 更にしばらく進めると、今度はライグ=ゲイオスというHP42000/装甲3000/最大攻撃力2500の超強力な敵司令官用ユニットまで現れる。リメイク前『第4次』のときは終盤のみ登場しており、こんな理不尽な出方はしていなかった。
      • 幸いな事にしばらくすると撤退するので倒す必要性はないのだが、これには多くのユーザーが絶望を味わった。この辺りになると大体ゲームに慣れてきたと思い、何も知らずに突っ込んだ結果撃墜されたり等の悲劇が多く報告された。
      • ちなみにこの超強力な敵機と選択しだいで戦わなければいけないステージも存在する。5段階改造されている上に撤退条件はHP50%以下、あまりにも辛すぎる。倒せばレアな強化パーツを得られることもあるが、撤退すら一苦労で下手をすると詰む。
      • さらに終盤では、『F』の終盤ではそのライグ=ゲイオスが更にもう一回りパワーアップした敵幹部専用ユニットが現われる。この時は顔見せだけで済むが、絶望の上乗せである。
  • 特に酷いのが中盤の分岐で南米ルートを選んだ際の難易度。第14話「ゴラオン救出」では、取り巻きのバッシュやカルバリーテンプルは5~6段階、アトールVやグルーンに至っては7~8段階改造されており、雑魚ですら3段階改造されている。そんな大幅に強化された敵機がほぼ全て森の地形効果を得ており、当てにくい・当てても大して効かない・反撃で大ダメージ…とうんざりする難易度になっている*16
    同ルート第17話『敵包囲網を突破せよ』に至っては、ネームド機は先述のライグ=ゲイオスも含めて5段階改造済み、雑魚は8段階改造済みというおぞましい難易度になっている。雑魚の攻撃力ですら2500もあり、重装甲が売りのマジンガーが一瞬で袋叩きにされ、運動性をフル改造したビルバインでようやく勝負権を得られるというレベル。
    一応ストーリー的には、前者は「危険度の高い南米のジャブロー付近」、後者は「リスク覚悟で突っ切る」という理由付けがされているのだが、困った事にどちらも難易度の高さを事前に知る事ができない。前者は「南米と言えばジャブローの近くだ。あそこは今占拠されている。早く行かなければ(ゴラオンが)危険だろう」と言われるのみ、後者は「ここは危険を承知で直進するか」と言われるのみであり、しかもこれを言われるのはルートを選択をした後である。それはルート選択前に言うべき事だろうに*17
    そもそもの話として、いくら無理して敵と戦わなくてもいいシナリオと言えど、5~8段階改造されているのはいくら何でもやりすぎである。こちらは戦力・資金に乏しい上に5段階までしか改造できないのに、それ以上の改造を平然と施しているのは不公平さを禁じ得ないだろう。
  • 『第4次』でも存在したミデアを護衛するマップがあるのだが、本作のミデアは移動後に攻撃できる範囲に敵がいると、脱出をそっちのけで敵に攻撃を仕掛けに行ってしまう。ミデアの攻撃力などたかが知れており、さらに反撃を受ける危険性もあるなど、完全に余計な行動となっているため、不評を買った。
  • リアル系ルートはスーパー系と比べかなり冷遇気味。『第4次』でリアル系が有利過ぎた反動だろうか?
    • コン・バトラーVの追加武装が『完結編』終盤まで追加されない。本作の終盤ではなく『完結編』の終盤である
      他項目で散々述べているが、『完結編』終盤はインフレが進み多くの機体が2軍落ちする状況のため、今更武器が追加されても意味がない。
      そもそもこの追加武器自体、どういうわけか既存武器と同等かそれ以下の攻撃力にされており、『完結編』どころか本作ですら使い道がない。
      例として『第4次』で極大火力を誇ったグランダッシャーは、本作では超電磁スピンを大きく下回る攻撃力にされている。これをどう使えと…。
    • テキサスマックが仲間にならない。
      飛行可能・それなりのHPと移動力・切り払い/シールド防御可・主兵装が実弾・2人乗り等の有利な要素が多く、中盤までは役立ってくれる。
      特に本作では貴重な地形適応:海Aを持つユニットであり、序盤の終わり頃の難関シナリオ「南海の死闘」「裏切り」では大いに活躍する。
      流石に後半に差し掛かる頃にはインフレに適応できず二軍落ちするが、それでも慢性的な火力不足の中では貴重な戦力になってくれる。
    • ガンダムMk-IIと合体してスーパーガンダムになるために必要な機体「Gディフェンサー」が終盤まで登場しない。
      スーパーガンダムは火力こそ低いが飛行可能・二人乗り・長射程武器と2種類の実弾兵器・移動力6という特長を持ち、本作では頼りになる。
      スーパー系なら序盤からMk-IIを改造していけばいいが、リアル系は最終盤になるので、活躍する機会を完全に逃してしまっている。
    • 上記のスーパーガンダムに加えて、リアル系の場合はルー・ルカの加入も中盤の終わり頃にずれ込む事になる。
      ルーは一軍とは言えないがシャングリラ組よりはずっと戦力になり、加えてLv19で「幸運」を、Lv22で貴重な「かく乱」を習得してくれる。
      スーパー系なら僅か4話で加入し、同時に本作では高性能なジェガンも入手できるが、リアル系は22話にずれ込みジェガンも入手できない。
    • シャイニングガンダムの加入が非常に遅い
      『F』におけるリアル系不遇の際たる要因の一つ。スーパー系は第3話から第14話or第16話まで一時加入し、その後第26話で正式加入する。
      一方でリアル系はこの一時加入がなく、第26話で初めて加入する。本作は全33話なので時期的には最終盤であり、流石に加入時期が遅すぎる。
      言うまでもなくシャイニングガンダムは強力な機体であり、これの活躍機会が大幅に少ない事は作品的にもバランス的にも大きな問題だろう。
    • リアル系主人公及びその専用機の物足りなさ
      • リアル系ゲシュペンストの主兵装「ニュートロンビーム」が、射程7・非ビーム兵器だった『第4次/S』に対し、今作では射程6・ビーム兵器となっており、これが今作のヘビーメタル祭りと最高に最悪な形で噛み合ってしまった。『第4次/S』ではヘビーメタルのビームコートを無視でき、かつ殆どのヘビーメタルに射程外攻撃が可能という、正にヘビーメタルの天敵とも言える機体だった。しかし今作ではビームコートに阻まれ射程外攻撃も不可と、逆にゲシュペンストの天敵がヘビーメタルになってしまっている。
        一方でスーパー系ゲシュペンストの主兵装「ブラスターキャノン」は、優れた攻撃力・高CRT補正・低燃費はそのままに命中補正と射程が向上、ゲシュペンスト自体も飛行可能になる等、大きな上方修正を受けている。一応ビームコートの有無で差別化をしているが、それでも今作ではスーパー系の方が遥かに強い。
      • 後継機ゲシュペンストMk-IIが、スーパー系は『F』中盤で入手する一方で、リアル系は『完結編』まで使えない
        話数で言えばスーパー系とは11話もの差がある事になり、初期機体で最後まで戦い抜くのは流石に辛いと言わざるを得ない。
      • リアル系は主人公も副主人公も命中/回避に補正を掛ける「集中」を覚えてくれない。能力値も一流ニュータイプと比べると物足りず一流半といったところであり、2回行動も若干遅め*18。『完結編』で入手する後継機ヒュッケバインの運動性も、一級ではあるものの『第4次/S』ほど飛び抜けていないため、中ボス以上の相手には命中回避に不安が残る。
        一方のスーパー系主人公は、スーパー系パイロットでほぼ唯一「魂」を習得し、更に現実的なレベルで2回行動が可能となっている*19。リアル系主人公との比較は勿論、他スーパー系と比較しても明らかに優遇されており、些か不公平さを感じさせる。
    • 一応最終話でキュベレイを撃墜すれば、超強力な強化パーツを入手できるというメリットがある。しかしキュベレイは『F』の敵機で最もHP・装甲・運動性が高く、更に二回行動までするため、よほど計画的な改造とレベル上げを行わなければ撃墜は至難である。
      • 『F』の時点ではニュータイプレベルによるファンネルの射程補正が大きく、この恩恵を受けているのはキュベレイのみであり射程も全ユニット中最大という穴のなさ。『完結編』では射程補正は大幅な下方修正を受けており、『F』でファンネル装備機を使用できない自軍は割を食うのみである。
      • ちなみに、何故かスーパー系ではキュベレイを撃墜しても何も入手できない。これを割に合わないと取るか、無理に撃破を狙わなくてもよいというサインと取るか。スーパー系の場合キュベレイを倒さずに敵増援を待った方が獲得資金も多い。
  • 後半で加入する副主人公は、不具合でスーパー系がリアル系の、リアル系がスーパー系の能力値になっている(『完結編』で修正)。
  • 基本的な問題として、前編である事を明記していない
    • 画像をよくご覧頂けるとお分かりと思うが、『F』のジャケットにもイデオン、ガンバスターが堂々登場している。彼らの出番は最後に挿入される『完結編』の予告とオプションでのカラオケモードのデモのみ。カラオケがあるし本編にも登場するだろうという期待もこの扱いでは殆ど詐欺である。
    • 後年にデータ解析の結果、『完結編』とは違う仕様で両機のデータも入っていることが判明した。もちろん通常のプレイでは使用できない。
    • 後年判明したことだが(後述)、分割自体が印刷物制作後に決定したためで、悪意ではない。
    • バグ修正版及びPS版はパッケージ裏に前編であることが明記されている。
  • とはいえ、『F』の時点では高難易度とは言え理不尽とまで言えるほどの難易度ではなく、場違いな強敵もやり方次第ではきちんと倒せるなど高難度ながらバランスは取れていたと言えなくもない、のだが……

『完結編』

  • 高難度に更に磨きが掛かっている。バランスは投げ捨てるものと言わんばかりであり、ほぼリセット前提で長期戦は必至。
    • 命中・回避はレベルアップで上がるが防御力はそうもいかない上、数値が大きい上に気力補正や地形適応の影響が強いためにダメージのインフレ化が進み、味方リアル系は防御していない限り雑魚の攻撃であっても一撃で落とされる。敵雑魚も2回攻撃すればほぼ落とせる(後述のHPインフレがあるにもかかわらず)。ラスボスもハイスペックを感じさせない勢いで落ちる事すら普通。結果として戦闘における命中面の比重が更に加速した形となり、補正できる精神コマンドや技能が無いパイロットで戦うのは無理ゲーレベル。
    • 前編から登場しているMSは、メタス(修理要員)以外全く使えない。その他はリ・ガズィが自爆要員として使える程度。
      • 前編最強のMSであるZガンダムすら、『完結編』1話で登場するF91はまだしも、脇役のビギナ・ギナに大きく劣っている始末。パイロットに対してMSが不足気味なので序盤は十分レギュラーを張れるが、最後まで使うには愛と念入りな改造が必要になる。
      • 一応Zガンダムは他MSと比較して飛行可能・移動力8という強みがあり、『完結編』に入って即二軍落ちするわけではない。NPC救出等の移動力を求められるシナリオが複数あるため、活躍の機会はそれなりにある。しかしそれを過ぎた頃から運動性/限界反応の低さ・射程の短さ・燃費の悪さが徐々に響くようになり、終盤に差し掛かる頃にはかなり辛くなる。同じく『F』時代の主力であったビルバインには「パーツスロット数増加」という配慮があったため、Zにも何らかの配慮があればよかったのだが…。
      • 尤もそのビルバインも、『完結編』では「遠距離攻撃が弱い」「近接武器が切り払い対象」「二回行動が遅い」「終盤で響いてくる宇宙B」等の欠点が目立つようになる。最大火力だけは非常に高いが、逆を言えばそれ以外はほぼ全てMSに劣っており、自慢の回避能力もパイロットの能力値と機体の運動性によりMSに逆転される。敵陣に突っ込んでの反撃戦法もMSの方が強いため、プレイヤーによってはチャムを奪って二軍落ちさせる事も…。
    • 前編から登場している敵ユニットは基本性能が大きく上がっており、敵戦艦のほうがF91やνガンダムより速い…等という怪現象さえ起こっている。
    • 本作を象徴する要素、名前付きパイロット専用機が非常に厄介。名前付きのパイロットは、たとえ雑魚と同じ機体に乗っていても異常に能力値が強化されており、しかもそんな連中が群れて出てくる。
      • 代表例はハンブラビやグルーンだろうか。特に前者は『F』仕様、『完結編』仕様、ヤザン隊が乗る強化型、そしてそれを更に強化したマップ兵器搭載型まである。
      • 後年のスパロボにも名前付きパイロット専用機の概念は引き継がれたが、それらはあくまでも(長期戦や撤退を誘うためか)HPや装甲が高めに設定されているくらいであり、それ以外の数値も過剰に高いのは本作くらいである。
    • この『完結編』ではポセイダル軍に代わって、『Zガンダム』のティターンズが面倒な強敵としてプレイヤーに立ちはだかる。
      数値のインフレにより、ティターンズ機は弱いMSでさえ㏋6000/運動性135、強いMSだとHP9000/運動性155もある高性能MS揃い。おまけに3~5段階改造、シナリオによってはそれ以上改造されており、例によってそんなのをわんさか投入してくる。そのくせ落としても得られる資金は1200~1500ほどと、同クラスのネオジオンMSに比べても安い。こんな強力かつ倒しても旨味のないティターンズとの戦いが、『完結編』は中盤までずっと続く事になる。
      • 代わりにティターンズ兵は獲得経験値がやたらと多く、ネームドパイロットより雑魚MSに乗っている一般兵の方が経験値をくれることもしばしば。『F』においても序盤に頻出するポセイダル兵の経験値が親衛隊兵などよりもかなり高めに設定されていたため、バランス調整の一環なのかもしれない。成功しているかどうかはさておき…。
    • 一方でポセイダル軍は本作の中盤以降しか出現しないが、厄介度が劇的に跳ね上がっている。HP14000/装甲2700/運動性160/シールド+ビームコート+MAP兵器持ちの雑魚がバカスカ現れる光景には、多くのプレイヤーがげんなりした事だろう。しかも終盤にはHP25000/装甲3300の強化型が…。
      加えて本作では雑魚を含む大半のポセイダル軍が2回行動するため、1度目の行動で位置を合わせ、2度目の行動でMAP兵器…といういやらしい行動も多いため対処が難しい。撃たれても直撃しにくいNT勢への依存がますます強まりやすい。
  • 相変わらず機体性能の1つである「限界反応」*20に見過ごせない調整ミスがある。
    • 例えばイデオンは運動性110に対し限界反応440と、十分な限界反応が用意されてある。一方で真・ゲッター1は運動性110に対し限界反応は僅か280、運動性と限界反応の強化段階によっては収まり切らなくなる。
    • 特にキュベレイMk-II(運動性105・限界反応330)やノイエ・ジール(運動性155・限界反応340)等は運動限界比が明らかにおかしく、高い命中回避を誇るNTを乗せると軽く限界反応をオーバーしてしまう。
    • これは敵側にも同じ事が言える。『エルガイム』のアトールVは165もの凄まじい運動性を持っているが、限界反応はたったの330、しかも名ありパイロット専用なのでいつも限界反応が真っ赤で当たらない攻撃を繰り返すだけの雑魚である。同作の同じくパイロット専用機体であるオージェやアシュラテンプルはそれなりにあるだけに余計に目立つ。
  • シナリオ担当とパラメータ担当の連絡不行き届きがあるのか、とっくに二軍落ちした機体が強制出撃に選ばれるシナリオが複数ある。
    • 一例として終盤手前のシナリオ「灯火は炎となりて」は、ザク改や旧ザク等の二軍ユニットを庇いつつZZとGP-03だけで味方増援まで耐えるという内容なのだが、性能的にGP-03も図らずして二軍化してしまっており、実質的にZZのみで耐えなければいけない。
    • 特に酷いのが終盤DCルートの「理想と現実」。強制出撃枠に先述したZガンダムやGP-03、一軍か二軍か微妙なビルバインとダイターン3、更には修理専門のメタスや遥か昔に二軍落ちしたリ・ガズィまでもが選ばれており、味方本隊の到着も遅いため非常に厳しい戦いを強いられる。
    • また地上ルートの「決戦、第2新東京市」は、機械(戦闘)獣12機+暗黒大将軍をEVA3機だけで迎え撃つというシナリオなのだが、何故か敵の運動性がフル改造されており、場合によっては攻撃が当たらず詰む危険性すらある。一応、普段は飛行している暗黒大将軍がこのマップに限っては地上にいるので、プログナイフが当てられないということはないが…。
      • 予めレベルを上げてある程度の改造を施しておく必要があるのだが、こんな時に限って1つ前のシナリオではEVAが出撃できない仕組みになっている。つまり対策ができず、10段改造解禁前という事もあってEVAパイロットを育てていなかった場合はほぼ詰みかねない状況に立たされる。
      • 一応初期レベルのシンジでも、回避能力が低めの敵に対しては攻撃を当てられるため、ちまちま殴って少しずつレベルを上げれば攻略は不可能ではない。かなりの時間がかかってしまうが…
      • 身も蓋もないが、初号機を敵陣に突っ込ませて暴走させるという手もある。40000もの修理費を取られてしまうが、育てていなかった場合はこの方法が一番楽。
    • 機体を改造して強化しようにも、『完結編』中盤までは5段階までしか改造できないのですぐ頭打ちになり、効果も『完結編』仕様に強化されたり、「解禁前から6段階以上改造済み」という不公平さを感じさせる者まで混じる敵の前では心もとない。「『完結編』では10段階まで改造できるようになる」という触れ込みだったが、実際は最終話手前十数話になるまでできない。
      • しかも6段階目からは必要金額が跳ね上がるため、他のスパロボの感覚で多くの機体を改造しようとすると金が足りず、幸運を多用するか全滅プレイを使わないと資金不足になりがち。改造による効果はこれまでよりも高いので、数機をフル改造した単騎無双を戦術の軸にしたり、フル改造に拘らず必殺武器や運動性を重点的に改造したりするなど、必要な点を見極めて改造していくことになる。
      • 実際には、MAP兵器と必殺兵器、ENと運動性と限界反応に絞って改造を施していくことが一般的で、スーパー系であってもHPと装甲を最低限しか改造しないケースが多い。
      • 資金に関してはあまり稼げる敵機が出てこない内でも、ほぼ全マップで1番儲けられる相手を幸運を駆使して仕留めるつもりでなければ辛い。また、お遊びでネタ機体や弱機体を改造する場合も、主力の次にしなければ壮絶な無駄になりかねず、強制出撃する機体を興味ないからと放置すると本作の難易度も相まって思わぬ戸惑いを味わう事も…この辺の自由度の無さは辛いところである。
    • ラスボス級の敵は限界・運動性が恐ろしく高く、先述の強烈な補正が乗ったNTですら攻撃を当てるのが困難。例を挙げると、普通に育てて来たクワトロ+F91ですらラスボスへの命中率は15%。NTと新鋭MSでコレなので、時間を掛けずに倒したり、それ以外のユニットで挑むのなら最低でも「必中」やレアパーツのサポートがないと話にならない。
      • ただ、必殺武器をフル改造したスーパー系がいればインフレした火力もあり楽に倒す事が出来る。リアル系とスーパー系がここまではっきりと役割分担させられるスパロボは少なく、人によってはかなり戸惑うだろう。精神コマンドを駆使すればリアル系だけでも倒す事は出来るが、運(リセット)頼みになる。
      • ちなみにリアル系の必中持ちはほぼ皆無*21である一方、スーパー系は殆どが所持している。幸い真ゲッター・イデオン・ガンバスター・ダンクーガと、宇宙A組で賄えるのが救いである。
  • 『完結編』は前編未経験者のために、「予めパイロットのレベルが適当に上がっており、また豊富な資金が用意されているため、機体を自由に改造して準備を整えられる」というデフォルトデータも用意されている*22のだが、これも微妙に理不尽な要素を孕んでいる。
    • ここまでで散々記述されたように、このゲームは機体の強弱の差が激しすぎるため、改造する機体をどれにするかは正に死活問題。特に機体を万遍なく改造するのが好き…というタイプの人だったら苦戦は必至である。
    • デフォルトデータのパイロットは、修理/補給ができる機体に乗っているパイロットが誰よりもレベルが高いというアイロニカルなレベル設定になる事が多く、そしてコウやバーニィのレベルは低い傾向がある。開発スタッフから直々に戦力外通告を受けたようなもので、これほど屈辱的な仕打ちはないだろう。
    • ファティマや高性能レーダー等、前編で強敵を倒さないと手に入らないパーツを所持しているデータになる可能性もあるので、前編で取っていなかった場合新しくデータを作った方がいいというケースになりかねない。前編から始める必要性はトッドとセイラ(共に微妙な能力)を仲間にするのと、大図鑑を100%にするくらいしかない。
  • スパロボで初めて赤いキュベレイMk-IIが登場し、プル機と2機同時に入手できる…と思いきやどちらか片方をその場で強制的に捨てなければならない。
    ちなみに初登場シナリオで2機とも撃墜されていた場合、両方の修理代を払った上で片方を捨てさせられるという謎の理不尽を味わう羽目になる。
  • エルガイムとヌーベルディザードのどちらかにマップ兵器「バスターランチャー」を追加できるが、後者に追加すると何故か敵として登場するヌーベルディザードにまでランチャーが追加されてしまう。
    • 敵用と味方用でデータを共用しているためと予想されたが、ユニットデータは敵味方で別、にも拘わらずマップ兵器の追加だけが共通化されている。
      • 味方のヌーベルディザードは敵のヌーベルディザードより機体性能が(改造を考慮しても)全般的にかなり劣る。そんなところだけ差異をはからなくてもいいだろうに…。なのでヌーベルディザードを選ぶと無駄に難易度が上がる。なお事前にこれを確かめることもできない。
      • 理由・原因は推測になるが、恐らく設定ミスだろう。味方仕様のユニットデータをコピペして敵仕様のデータを作成する際、HP等の数値だけを弄って「使用可能な武器の種類データ」からランチャーの削除ないし完全な非表示化を忘れたため、武器表示フラグが味方仕様と同じ状態で残ったと思われる。 そもそも原作ではヌーベルディザード単機でバスターランチャーを撃つエネルギーはなく、また反動に耐えられないはずなのだが、別の資料では「ランチャー接続口が3つあるためバスターランチャーの使用は可能。放送当時の資料にも発射可能の旨が記されている」など、情報が錯綜していた様子がうかがえる。
  • 中盤で「増え過ぎた機体を買い取ってもらう」という名目の強制廃棄イベントがあり、勝手に機体が捨てられてしまう。
    • ネモやジェガンのような弱小MSは捨てられてもさほど困らないが、このイベントはビギナ・ギナやキュベレイMk-II等の一級MSまで仕分け対象に含まれる。
    • 事前に「パイロットが乗っていない機体を売却する」と説明されるが、そんな時に限って一部のキャラが強制乗換えを起こす。適当にパイロットをあてがっただけではダメ。
      • 事前にメモしておけという警告はあるが、それならそれでそのイベントのインターミッションで既に乗り換えさせて欲しいところである。乗り換えされていないためこの事を忘れるプレイヤーが多数出た。
      • そのくせザク改と旧ザクは、原作にはない「ザクマニア」の設定を付与されたバーニィから物言いをつけまくるので捨てられない。 この2機はあまりに悲惨な性能であり、ソフトバンクの攻略本ではそれぞれ「どうすんだこんなの」「どーすんだ、これ」と言われていたほど。
      • ちなみにこのザク改、実は敵として出てくる関係から『F』と比較して機体性能がかなり底上げされているが、所詮はザクである。
        先述したZガンダムのように『F』では一線級だった機体でさえ二軍落ちする本作においては、正に「どーすんだ、これ」だろう。
    • ガンダム系のMSに目を奪われがちだが、『聖戦士ダンバイン』の機体も地味ながら被害を受けている。
      • 今作では味方キャラが少ないため、基本的にはビルバインとダンバインが残り、ボチューンが捨てられる。これ自体は問題ない。
        問題なのはトッド加入時にライネックとトッド専用ダンバインが入手できる事である。計3人の味方キャラに対して機体が2機増えるため、折角の隠し機体が入手早々に捨てられるというなかなか酷い事態が発生してしまう。
  • 当時のインタビューでは「ガンダム系の機体の強さは年代順です」と答えられていたが、実際には敵側やFA百式改の序列があやふや。
    • 例として、『F91』のベルガ・ギロスが『Z』のガザCやギャプランより遥かに弱い、そのガザCが『ZZ』のバウより強かったり等。そもそも『ZZ』同士であるはずのガザDが大半の『ZZ』のMSより圧倒的に強い。
      • 余談だが、ジャムル・フィンやガ・ゾウムが没データとして存在している。原作で雑魚MSだったガザC(D)を『完結編』からの新雑魚にするより、これらの方が違和感が少なかったのではなかろうか。
    • 主役MSの最大攻撃力を見るとGP03<Z<ZZ<ν<F91となっており、味方に関しては確かに年代順と言えなくもない。
    • アッシマーがビームサーベルを持っている上に宇宙で運用されていたりと、機体の設定等もおかしい*23。厳密には本作だけでなく『第4次』からだが、こちらも宇宙適応がないなど、原作の機体設定は正しく反映されていた。
    • 『0083』の機体がかなりの弱MSになってしまっている辺り、開発スタッフは『0083』の機体がグリプス戦役のMSに匹敵する性能を持っている事など知らない模様。と言うより攻略本の辛辣コメントを書いた人の方が詳しかったりする。
    • そもそもの話として、MSの強さを年代順にする事自体が非常に雑な調整と言わざるを得ない。スパロボ世界は原作シリーズとは全く異なる世界観なので、開発タイミングや技術の原作と発展が同じとは限らない。劇中で過去のもの(劣るもの)と言及されたり、原作の歴史通りと分かる描写がない限り、宇宙世紀での序列をスパロボに丸写しする動機としては認められない*24
    • 考慮されていないのは、開発サイドの好き嫌いや贔屓が大きく出てしまったのが原因ではないかという考察もある。
    • 一応『F』の間だけ見れば概ね時代順となっている。ちぐはぐな部分もなくはないが、主人公機補正・大型機補正・高級機補正と考えると納得出来る範囲であり、そこまでおかしな印象は受けないだろう。 バランスがおかしいのは『完結編』以降に登場する機体や、『F』から性能が大幅に変更されている機体、そして改造段階の高さに起因する。
      • ちなみにバランスがおかしいのはMSに限らない。素の運動性能がνガンダムと同等まで引き上げられているジェノバM9の存在や、『F』では性能的に同格だったバッシュとカルバリーテンプルに圧倒的な性能差が付いている等、行き当たりばったりな調整が散見される。
  • 『新』に引き続き、『ガンダムW』の扱いが酷い。
    • 『F』では完全に敵として出ていたが、本作でも引き続き敵として登場。説得すれば味方として運用できるが、途中でまた離脱する。
      その後はデュオと五飛はどちらのルートでも無条件で仲間になるが、他3人はルート限定かつやや難しい条件を満たさないと復帰しない。
      • ステータスに関しても、オールドタイプである事が足を引っ張り、更にヒイロ以外は命中系の精神コマンドを覚えない。『完結編』序盤で加入する4人は耐久力を活かした戦い方ができるためまだマシだが、加入タイミングが最終話直前の五飛は救いがない。
      • 何より、主人公であるヒイロが、敵として出てくるだけで終わる可能性があるというのはいかがなものかと言われている。
    • 『F』で自軍加入していたゼクスとノインは『完結編』に入って早々に永久離脱し、トールギスやエアリーズの改造に費やした資金も無駄になってしまう。『完結編』が発売される以前に改造を施して損をしたというプレイヤーもいた。
    • このように散々な扱いのW勢であるが、唯一の例外として、ウイングガンダムゼロカスタムだけは、攻撃力、運動性、移動力のすべてにおいてスキがなく、強力な機体に仕上がっている。
      終盤は敵側も限界反応に引っかかり回避率が頭打ちになるため、他パイロットはともかく集中を持つヒイロなら十分戦力になる強さを持つ。
      ただし、スーパー系に毛の生えた程度の回避値・反応のW勢では、ここまで性能を高めてようやくNT勢と肩を並べられるとも言える*25
      このほか、ただでさえウイングゼロの正式参戦は終盤なのに、カスタム化を選ぶと2話もの間ヒイロとウイングゼロは出撃不能となってしまう。結果、ゼロカスの使用期間は残りたった3話という問題も抱えている。

その他

  • 『完結編』中盤のルート分岐以降、プロペラントタンクやリペアキットといった消費パーツも含め一切パーツを落とさなくなる*26
  • 武器の地形適応が分かりにくい。
    • 本作では基本的に格闘武器(敵に接近して攻撃する武器)は「相手のいる地形」、射撃武器(場を離れずに攻撃する武器)は「自分のいる地形」を参照してダメージ計算が行われる。
    • 例えば、拡散バズーカの武器適応は「AABA」で、一見すると「海にいる敵にダメージが落ちる」と考えがちだが、実際は射撃武器のため「海の中で撃つとダメージが落ちる」が正しい。
    • 格射武器の扱いもこれと同様。武器適応が「AABA」のロケットパンチは、「海の中で撃つ」と弱くなる。
    • と思いきや、武器適応が「-」の場合は相手への攻撃不可判定が優先され、たとえ射撃武器であっても相手がその地形にいる場合攻撃できなくなる。武器適応「AA-A」のビームライフルは海の敵に対して撃つことができない。また、自分が海の中に入って敵を撃つと、上記の仕様により強制的に10ダメージになってしまう。
    • わかりにくいと判断されたのか次回作以降では格闘武器も射撃武器も相手側のいる地形を参照するようになっている。
  • いくつかの設定ミス
    • クリティカル率の補正値が実際に表示される値とは微妙に異なっている。
      本作の補正値は-20・-10・±0・+10・+20の5段階だが、実際の補正値が表示上のそれより1段階低く、+20%の場合実際は+10%となる。
      そして-20%の場合、実際の補正は1周回って+20%になっており、この影響でバルカン・機銃系の武器が異様にクリティカルしやすい。
    • データには通常のプレイでは聞く事のできない音声データがいくつかある。
      例えばブランには撃墜台詞「アッシマーがっ!」が用意されているが、ゲーム内では一般機ではなく彼専用の強化型アッシマーに搭乗する。
      この強化型に専用台詞を設定し忘れるというミスにより、折角の有名な断末魔が聞けなくなっている。他にはジェリドやゲーツ等が該当。
      当初はここまでインフレする予定ではなく、強化機体を用意するつもりもなかったのだろう。
    • 先述の五飛は何故か乗り換えができず、他パイロットをアルトロンに乗せる形で五飛を同機から降ろすと、二度と搭乗できなくなる。
      これは五飛の乗り換え系統の設定ミスによるもので、一度降ろしてしまうと「乗り換え可能な機体がない」という判定になってしまうため。
      五飛は他4人のW系パイロットよりも加入が極めて遅く、ポセイダルルートでは僅か3話、DCルートに至ってはなんと2話しか使用できない。
      その頃は既にスタメンが決まり切っている時期であり、機体・パイロットの弱さも相まって、使用にはプレイヤーの愛が必須なレベル。
      よほど五飛が好きだったり縛りプレイとかでもなければまず使う機会がない事から、開発側が不具合を発見できなかった可能性はある。
  • 反撃選択時、シールド防御は「防御」を選択すると、分身は「反撃以外」を選択すると絶対に発動しなくなる。
    一方で切り払いは防御・回避のどちらでも何故か発動する。仕様か不具合かは不明だが、仮に仕様だったとしてもその意図が分からない。
  • 第2次』からシナリオを担当していた阪田雅彦氏は、健康問題を理由に本作途中から降板し、後半からはウィンキーの堀川和良氏がシナリオを担当している。そのためか、本作は後半から徐々に不可解な展開も増えていく。
    • 『Zガンダム』の敵キャラであるジェリドが何故かラスボスに特攻してプレイヤー側を助ける形になる、『エヴァ』のアスカが他作品のキャラであるカトルになびく、ソロシップクルーと甲児・万丈・忍を除くスーパー系パイロットがインターミッション中の会話に殆ど登場しない、等。
      このうちジェリドの場合は意図的に助けたわけではなく「自分と恋人だったマウアーの運命をもてあそんだ者…を作った者がラスボスだった」というややこしい事情がある。怒りの矛先が直接マウアーを死なせたプレイヤーでなく大元の大元に向かった結果なのだが、激高型の彼にしては冷静過ぎるかもしれない。ついでに原作では乗っていないジ・Oに乗ってくるが、シロッコのお下がりだろうか?
      • また『イデオン』『エヴァ』の原作を再現しているのに、脇役達は散々喋るにもかかわらず主人公のコスモやシンジは無言というイベントまである。
      • もっとも特攻云々に関して本来は『ガンダムW』のトレーズの役割なのだが、彼が死んでいるとジェリドが代わりになるという感じである。本当なら最終決戦の途中でいきなり第三勢力扱いで乱入してきて犬死に、という惨めな立ち位置になってしまう。ゲームシステムとしては彼の特攻がないとボスが無敵のままなので犬死にではないが…。
      • なおラスボスがシロッコになるルートでは、トレーズ云々とはまた別に『Z』のバスクが特攻する。本作のバスクは原作とは異なりジャミトフに忠誠を誓っているため違和感があるというほどではないが、プレイヤーにとっては悪いイメージしかないジャミトフの敵討ちなどはっきり言ってどうでもいい。
    • ちなみにオリジナル主人公は、ライター交代後の後半は一切、全くもって、一言も喋らず、正真正銘のいるだけ主人公となってしまっている。
      • また、前編途中にあった選択肢で「恋人はいない」を選択していると、サブ主人公は最後まで登場しない。リメイク元の『第4次』では恋人の有無によってサブ主人公の登場の仕方が変わっていたため、『完結編』での登場を期待していた人も多かっただろうに…。
      • 特にリアル系の恋人は、「激励」「再動」と、とても貴重な精神コマンドを持っているうえにSP自体もかなり高いので、いるといないとでは難易度に大きな差が出る。
    • デビルガンダムと決着を付けるシナリオは用意されていたものの没になり、イベントだけ最終面に捻じ込んだらしく、ラスボスと自軍の会話が終わっていざ勝負…という時になってウルベ少佐が乱入してきて長々と喋り始める。
      • ウルベとの会話中はラスボスが無言になるので、操作可能になる頃にはラスボスとの会話内容などプレイヤーの頭から消えている事だろう。
    • シナリオ64『招かれざる訪問者』で初期配置の敵を素早く倒すと、なんとゲーム側から改造コード疑惑を掛けられてしまう。…小ネタより他に大切な事があるのでは?
  • 『ゴーショーグン』の敵・ブンドルとの戦闘では、クラシック曲がBGMとして流れるという演出がある。原作では彼は登場する際にクラシック曲を流していたので、それを意識した仕様である…が、なぜかその曲は彼が嫌っている曲『ワルキューレの騎行』。
    • 資料不足による間違いか、狙った演出なのか…。
  • 『第4次』でも、死亡描写も無く退場するキャラや、前作までは登場していながら姿を消したキャラが複数存在したが、本作もそれは同様。
    • 『Zガンダム』のサラ、『ガンダムZZ』のキャラ、『ダンバイン』のガラリアやベル等も登場せず、消息不明のままである。
    • 本作の開発当時は『新スパ』と違って声優に代役を使わない方針になっていたのか、声優の都合で没になったとおぼしきキャラも多い。
      代表的なのが、『第4次S』でボイスが無かった『グレンダイザー』と『ザンボット3』であり、今作では作品ごと不参戦となっている*27
      ちなみに、トッド・ギネスを演じた逢坂秀実氏は当時既に引退していたが、中原茂氏や平松広和氏の協力により半年掛かりで探し出したという。
  • SS版とPS版、『F』と『完結編』で微妙に性能の修正を受けた機体やパイロットがおり、それが地味な被害を与えている。
    • 例えば、ダバは『SS版F』だとレベル39で反応が200になり、2回行動が可能となる。
    • 一方で『PS版F』は全てのキャラが『完結編』の精神と反応の成長パターンになっため、ダバはレベル42で2回行動が可能となる。『F』はレベル40までしか上がらないためどうしても2回行動ができず、また精神ポイントも微妙に減ることになる。
      • とはいえ、Fの間にダバのレベルを39にするのは非常に困難であり、ほぼ全滅プレイ必須なため通常のプレイの範疇ではさほど影響はない。だが『完結編』になると更に症状は悪化し…
    • 『F完結編』においてはレベル39時のダバの反応は最速パターンより一つ遅いパターンに変更されており、2回行動可能レベルは何と52、終盤もいいところである。2回行動の遅さはダバが2軍落ちする要因の1つでもあるため、正に余計な調整と言えよう。
    • 反応の成長パターンの変更は『SS版F』だとレベル37で2回行動が可能になったルーが、『SS版完結編』及びPS版ではレベル43に変更されている等、この余計な調整はそこかしこに存在している。
    • また反応は命中回避にも影響するため、ここでもニュータイプ優遇となってしまっている。
  • 本作の隠し要素は比較的獲得難度が高く、攻略情報がないとまず気付けないものが多いが、その割には実用性が全体的に低め。
    • 通常の3倍移動でき運動性も高いが武装が貧弱なシャア専用ザクや、色替えのみで性能の変わらない夜間迷彩ビルバイン等、条件の割に実用性が低い。むしろ実用性がないと割り切って諦めるのも手。後者についてはSS版の裏技も合わせると実用性が生まれてくるが。
    • 同様に隠しキャラとして『1stガンダム』のセイラ・マスを仲間にできるが、条件が総ターン数一定値以下となっている。
      更に『完結編』から始めたデータは総ターン数がかなり多めになっているため、『F』から始めないとほぼ加入不可能である。
      その厳しい条件に見合った能力も持っておらず、精神コマンドに至っては『第3次』のラインナップをそのまま使い回している
    • 先述のマスターガンダムやゼロカスタムも、機体は強力なのに加入時期が非常に遅く、折角の隠し要素なのに3~4話しか使用できない。
      特にマスターガンダムは、残り数話という時期になって無改造で加入する。せめて改造済みかもう少し早ければ実用性が生まれたのだが…。

ウィンキー補正

ウィンキー補正とは、ウィンキースパロボ独自の仕様である。
「敵の10%は余裕で当たるがこちらの90%は軽く避けられる」「シールド防御・切り払いの発生確率が異常に高い」等、ウィンキー時代のスパロボ、特に本作の命中回避率の不満に由来するものであり、「なんか変な補正が敵に掛かってんじゃないの?」と思われていた。
当時はプレイヤーの間で囁かれていた都市伝説であったのだが、なんと後年になってれっきとした根拠が見つかっている

  • 謎の命中判定
    • 命中率1~5%の攻撃、及び命中率96~99%の攻撃は、普通に乱数を使った命中判定を行う。
      一方で命中率6~95%の攻撃は、マップ開始時、リセット直後の各勢力(味方、敵、第3軍それぞれ)の初撃は乱数を使った命中判定を行うが、以降は「乱数を使った命中判定」の他「必ず被弾」「必ず回避」の3つに分岐する。
    • 詳しい説明は長くなる上に複雑なため省くが、要は命中率6~95%の攻撃に限り、乱数による命中判定とは別の命中判定が設定されていて、これによって表示されている命中率と実際の命中率が明らかに異なっているのである。
    • 間接的な不具合で先攻側がエネルギー消費型の武器+ビームバリア所持&反撃側がビーム兵器使用の条件を満たすと戦闘画面で先攻側の武器使用時のエネルギー消費が通常より+5(ビームバリア消費分)増加してしまう場合がある。その時点で反撃の被弾は確定となる。たとえば、エルガイムのパワーランチャーはエネルギー消費量が通常10だが、反撃のビーム兵器が被弾確定の場合はパワーランチャー発射時にビームコート発動分の消費量も同時に合算されてしまい15に増加する。
  • 切り払い・シールド防御の不具合
    • 切り払いLv9・シールド防御Lv9の発動確率がどちらも全く違う。
      切り払いLv9は、本来なら9/16の確率で発動するはずが、バグによって発動率100%になっている。
      シールド防御Lv9は、本来なら9/16であるはずが、これまたバグによりLv1時と同じ1/16になっている。
      これは技能Lvに対応したコードがLv8までしか用意されておらず、Lv9に対応した場所に全く別のコードが入っている事が原因。
    • 東方不敗とアレンビーは切り払い技能を持っているが、マスター/ノーベルガンダムに剣装備を設定し忘れており、切り払いが発動しない。
      特に東方不敗は切り払いLvが最大まで上昇するパイロットであり、上記の通り切り払いLv9にはプレイヤー有利なバグがあるため惜しまれた。
      また逆の設定ミスとして、ゼイドラム等の一部の敵はサーベル型武装を持たないにも拘わらず、剣装備に設定されていて切り払いを発動する。
  • 100%?
    • 命中率100%の攻撃、つまり本来なら絶対に当たるはずの攻撃が回避される事がある
      使用武器か、パイロットか、特定の機体同士の組み合わせにより発生するか、単に命中回避計算に不備があるのか、その原因は全くの不明。
      発生確率がかなり低い不具合であり、それ故に発生報告も少なくあまり認知されていないが、SRPGには絶対にあってはならない不具合である。
      ちなみに、本作をベースに開発された『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』にも、これと全く同じ不具合が発生・存在する。
    • 上記とはまた別の問題として、切り払い関連の不備によって、命中率100%の攻撃が回避される(ように見える)不具合がある。
      本作にはコン・バトラーVの超電磁ヨーヨー等、「切り払いされるが切り払いモーションが設定されてない」という武器が一部存在する。
      この武器を切り払った場合、切り払いではなく通常の回避モーションが発生し、それが命中率100%の攻撃を避けたかように映るのである。
  • と、これらの仕様やバグによって、本作は命中率・回避率など確率関係の信憑性がかなり疑わしくなっている。これがよく言われるウィンキー補正の真実であり、決して「印象が強いせいでそう言われるようになった」だけの話ではなく、言われるだけの根拠が存在しているのである。
    ただゲームの難易度が高いだけならまだしも、この『ウィンキー補正』に至ってはただの嘘つきであり、SRPGとしてはお粗末で大きな問題である。

評価点

  • インフレした火力は自軍も備えているため、要点を押さえてプレイするとサクサク敵を落とせて快適なプレイを楽しめる。
    • 2回行動も相まって攻めが非常に強いSLGである事を把握し、MAP兵器+長射程武器による先手必勝、高い回避能力を持つユニットを囮にして反撃で削る、強敵には「脱力」「挑発」を駆使する、早いうちに2回行動ができるパイロットや、ロボット、地形適応が両方ともAのユニット、「激励」「かく乱」等を習得するパイロットを育て、ほかはいっさい手を加えない…などを心がければ、スムーズに攻略できる。それでも、シールド防御、切り払いなどではそれなりにリセットを強いられるような運が絡む部分もある。
    • これらは、ピーキーながら慣れると楽しめる要素と言え、それゆえに今でもコアな愛好家が存在している。
      また、一見キャラゲーらしからぬシビアさと言われがちだが、本作より参戦した「イデオン」「トップをねらえ!」「エヴァンゲリオン」は、上記の戦術と非常に相性がよい。シナリオにもしっかり絡んでいることから、新規参戦を優遇するという役割はしっかりと果たしていると言える。
  • 前述したドラムの問題こそあれど、SSに使用されているパッチの高性能さとそれを見事に引き出した担当者の優れた手腕により、BGMのクオリティは非常に高い。
  • 一部の合体・発進ムービーは実際に放送されていたアニメをほぼそのまま使っている(BGMとボイスはゲーム内のものを使用)。「手抜きだ」という批判もあるものの、原作視聴済みのプレイヤーが思い出に浸る要素として機能している。
    • 本作発売時点でアニメが存在していなかった真・ゲッターロボとマジンカイザー、グルンガストのムービーはCGで制作されており、こちらも当時としてはかなりの出来栄えである。
  • 今作で採用された新システムには、後年のスパロボにも引き継がれた便利で画期的なものが多い。
    • 特に、強化パーツの入手が、煩わしい「マップの探索」から「敵を倒して入手」に変更された点は大きい。
    • 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』から修理及び補給により経験値が手に入るシステムを逆輸入し、また修理されたユニットとのレベル差により経験値に補正が入るようにされたため、サブユニットを育てやすくなった。
      • 不便だった『第4次』の修理装置/補給装置の弾数制が廃止され、再び無限となった事も育成のしやすさに一役買っている。
    • 戦闘終了後に「残り精神ポイントx2」分の経験値が入る。修理・補給ユニットの専属パイロットにとっては貴重な経験値ではあるが、このシステムのせいで精神コマンドを気持ちよく使い難い(使うと獲得経験値が下がってしまう)と言う事もあり、後の作品には採用されていない。
  • 隠しユニット、パイロットの数が多く、初参戦である『トップをねらえ!』からはシズラー黒*28が入手可能。
    • また、スパロボでは初めて師匠こと東方不敗がマスターガンダムと共に参入する。非常に強力なユニットとなっており、終盤では「石破ラブラブ天驚拳」の代わりに「石破究極天驚拳」が見られるなど、贅沢三昧となっている。
    • 『第4次/S』でフェードアウトしていたハマーンも、条件を満たすことでシリーズ初となる自軍加入を果たせるようになった。
      残念ながら鬼のような強さを誇ったキュベレイは入手できないが、彼女の能力値は敵仕様のままなので一級MSに乗せてやれば即戦力となる。
  • 発売前から鳴り物入りで喧伝された新システム、「DVE」「ひとことモード」はいずれも評価が高く、後の作品でも多く導入されている。
    • 『イデオン』関連のイベント、前述の東方不敗との決戦イベントはセリフの殆どがDVE。
      • 開発スタッフが『イデオン』に注いだ愛は凄まじく、コスモの「こんな甲斐のない生き方なんぞ俺は認めない!」とか、カーシャの「そうよ、みんな星になってしまえー!」など、本編では殆ど再現されていない『発動篇』のセリフまで収録されている。
    • またそれまであまり目立っていなかった『ダンバイン』のエレ&エイブやトッド・ギネスはDVEによって存在感を見せており、中でもトッドは上述した逢坂氏のエピソードも功を奏したか『完結編』を含めかなり気合が入っている。
    • 更にはオリキャラでも敵同士でDVEのやり取りを交わすキャラがいる。だからこそ主人公には何もないのが気になってしまうが…。
    • キャラ辞典の「ひとことモード」では、戦闘員と同じ声優である非戦闘員も喋ってくれる。例えば、セイラ・マス役で井上瑤氏が出ている三条レイカやフォルモッサ・シェリルなど。
      • ただ、サリィ・ポォは冬馬由美氏が『F91』のセシリー・フェアチャイルド役で出ているのに喋らない。
    • また子安武人氏、速水奨氏、松井菜桜子氏の3名は本当に一言しか喋ってくれない。
    • 『スーパーロボット大戦Fを一生楽しむ本(セガサターン版)』によると、このキャラによって喋るセリフの数に差がある原因は、「ひとことモードは開発途中で付け加えられたシステム」だからであるという。実装決定前に声を録音していた声優のセリフは少なく、実装後に録音した声優は逆に本編では使わないようなセリフまで録音したため多くなっている。
      • 特に『第4次S』や『新スパ』で声のついていたキャラは新録されていないキャラも多く、そのためアムロや甲児などはメインキャラなのにDVEが存在しない。逆にハサウェイには『新スパ』での音声ライブラリがあったため、戦闘員でもついで出演でもないのにひとことモードで喋る。

総評

事前から発売後まで雑誌での取り扱いも大きく売れ行きはよかったものの、シビアなゲームバランスと謎の不具合の数々とユーザビリティの悪いシステムでも話題となる作品。
厳しい言い方をするなら当時の『ガンダムW』『エヴァ』などの人気の高まりにより起きたロボットアニメブームのおかげで「様々なロボットアニメが一堂に会する」と言うお祭りゲーの需要が高まったため急に売れたとも言える。

散々延期された挙句前後編に分割され、延期してなおゲームバランスに無視できない問題が多々あるのを見る限り、当時の開発現場が相当混乱していたであろうことが窺える。

一方、当時のスパロボシリーズは本作に限らずゲームシステムはあまり重視されておらず、良くも悪くも、「ゲーム性」よりも「お祭りゲー」であることに重きを置いていた節があった。こうした方針が転換されるのは、次回作となる『スーパーロボット大戦64』以降となる。

分割販売・バランスに問題・バグが多い等の問題を抱えている一方、ネットなどでは話題になることも多く、本作を愛好している人は決して少なくはない模様である。
現在でも手ごたえを求めて遊ぶ人がいたり、この超難易度のゲームで縛りプレイを行ったり、かなり詳しい攻略サイトが出てきたりする点からも窺える。もっとも今から遊ぶ場合はどうしても時間がかかったりする点や、自分のお気に入りのユニットだからと容易に活躍させられるとは限らないという点などを考慮し、『64』以降や『新』以前とは違った独自のプレイ感覚への慣れを要求されることを覚悟して臨むべきだろう。


移植版

SS版発売から約1年後にPSに移植された。主な相違点は以下の通り。

  • 「聖戦士バグ」や「暴走初号機操作バグ」等、一部の不具合が修正された。
    一方でPS版独自の不具合も発生している。幸いにもゲームプレイに大きな影響を与えないものばかりであるが。
  • SS版では『F』→『完結編』で仕様が変更された部分があったが、それらが『完結編』仕様で統一された。
  • PS音源の問題もあるが、アレンジの評価が全体的に芳しくなく、アレンジというよりはもはやリミックスである。
    主人公BGM「TIME TO COME」には大幅な変更が加えられており、「ダンバイン」、「グレートマジンガー」のBGMは音程のずれがある。
    一応擁護すると全ての戦闘BGMが悪いわけではなく、リューネの「フラッパーガール」や大ボスの「ARMAGEDDON」等PS版の方が好評な曲もある。
    • アレンジとはまた別の形だが、魔装機神組のBGMはSS版はLOE準拠のアレンジだったのに対し、こちらは『第4次/S』までの旧来のものに差し戻されている。
    • ちなみにBGMはSS版ではBGM担当が藤本大輔氏1人であったのに対し、PS版ではSS版を担当した藤本氏が退社していたため代わりに稲田義広氏、藤原達也氏、寒川真澄氏の3人がサウンド制作にあたっている。
  • 一部BGMの変更
    • 『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の戦闘BGMが、「MAIN TITLE」から「νガンダム」に変更されている。
      「νガンダム」の評価が低いという訳ではなく、こちらも原作を代表する人気曲ではあるのだが、やはり変えられた事に対する不満は大きい。
    • ゲスト三将軍の戦闘BGM「VIOLENT BATTLE」は、曲名こそ同じだが、メロディーラインからして完全に別物のBGMに差し替えられている。
      これに関してはあくまで変えられた事に対する不満があるだけで、BGMの出来自体は意外にも「これはこれで悪くない」という評価を得ている。
      最も変えられたのは曲の最初の部分で、PS版では落ち着いたトーンと低音が主体となっている。これにより得体の知れない不気味さが出たとして、普段のどこか抜けた口調と敵対した時の強さのギャップが凄まじいゼブにはこのアレンジの方がいいとの声が上がる事となった。
  • 主に『F』において、敵がドロップする強化パーツの一部が改悪された。
    • リアル系第5話「ヒイロとリリーナ」で特殊条件を満たした場合、初期配置の敵機がより強力なものに変化するという隠し要素が存在する。
      SS版はこの内の1機から「ブースター」を入手できるが、PS版ではこれが何の変哲もない「リペアキット」に変更されている。
    • 同じく第18話「ジェットスクランダー危機一髪!!」で5ターン以内に全滅させた場合、敵増援の出現位置が変化する隠し要素が存在する。
      SS版はこの内の1機から貴重な「ミノフスキークラフト」を入手できたが、PS版では通常増援と同じ「チョバムアーマー」にされてしまった。
  • ハードの仕様の都合上仕方のない事ではあるが、セーブ・ロードが長くなった。
  • コロニー等の一部オブジェクトが変わっている。
  • SS版では主人公設定のときに誕生日を本体の時計と同じ日にすることでエヴァのキャラクターが祝福してくれる裏技があったが、PSには時計がないので当然削除されている。
  • シナリオ攻略中にクイックセーブすると、ゲームオーバー時にタイトルまで戻る。セーブさえしなければ一応全滅プレイは可能。
  • ゲームバランスの酷さは相変わらず。HP回復コマンド「信頼」をNPCに使えなくなった分余計に難しくなっている。
  • 『F』『完結編』それぞれに同梱されている応募シールを、『全スーパーロボット大戦 電視大百科』に付属の応募用紙に貼って送ることで、「超合金マジンガーZ(第1期の復刻版)」がもれなく貰えるキャンペーンが存在した。

余談

  • 2023年8月にTwitter(現X)で、本作のプロデューサーである寺田氏から当時の開発状況についてある程度の裏話がなされた。それによると、開発スタッフは版権スパロボと魔装機神シリーズの2ラインでのシリーズ継続を予定していたところに、上層部から新たにセガサターン用に『第4次スーパーロボット大戦』並みのボリュームで版権スパロボの制作を命じられ、予定していた2ラインを止めて本作の制作を開始したものの、制作スケジュールが壮絶なまでにタイトで、開発ノウハウがないセガサターンであったことも災いし、スタッフに離脱者が相次ぐなど満身創痍になっていたことがうかがえる内容であった。
    • セーブデータバグに関しても発売前から把握していて、セガの協力も得てバグが発生しないよう対策をとったつもりでいたが、それでも発売後に発生してしまったとのこと。バグの内容が内容なだけに、割られたディスクが送り付けられてきた事例を紹介し、プロデューサーを退いた今もなお、深い反省の意を示している様子。
    • 本作の分割発売もそういった事情からの苦肉の策であり、説明書やパッケージといった印刷物が完成した後の納期ギリギリの決定であったらしい。それでも分割によるシナリオ増や上記のバグ対策といった作業量の増加で開発スケジュールは好転しなかったらしい。
      • 前編である『F』クリア後に表示させる次回予告演出は、シナリオ後半に登場を予定していた「伝説巨神イデオン」と「トップをねらえ」を版元との契約上どこかで登場させる必要があったための演出であった。
  • 本作の後、スパロボシリーズの開発を担当していたウィンキーソフトはPS移植版や旧作リメイク版の『スーパーロボット大戦コンプリートボックス』を手掛けた後に開発から離れ、バンプレストが子会社として自社スタジオのバンプレソフトを立ち上げて『α』の開発を行うようになり、外注作品もウィンキーソフト以外の会社が手掛けるようになるなど、ウィンキーソフトは2010年発売のDS版『魔装機神』までスパロボシリーズの開発に一切関わらなくなっていた。
    • これについて長らく経緯が語られず、本作の分割発売やバグの多さが理由でウィンキーソフトが開発から外されたという説もあった。しかし上記の寺田氏の裏話によると、本作完成後に上層部からスパロボシリーズの更なる開発が指示されたことで、これ以上は請け負うことができないとウィンキーソフトが離脱することになったとのこと。
      • その後、ウィンキーソフトの要望で『スーパーロボット大戦OGサーガ 魔装機神II REVELATION OF EVIL GOD』を皮切りに魔装機神シリーズが16年ぶりに再開し3作品を発売し完結を迎えている。
      • その後ウィンキーソフトは2015年に多額の負債を処理できず破産申請し、敢え無く倒産の憂き目を見ている。幸いにもウィンキーソフトに所属していたスタッフは、その多くが2023年現在もスパロボの開発に携わっているとのこと。
  • 本作がセガサターンで発売された経緯について、本作発売当時の1997年は1月にセガとバンダイが合併しセガバンダイとなる計画を発表したものの、5月に取りやめとなり、その後本作が9月に発売されたこともあって、元々はセガバンダイにまつわる計画の1つだったという予想が当時からなされていたが、これは上記の寺田氏のX更新により否定されている。
    • 別のインタビューで『新世紀エヴァンゲリオン』の参戦は、当時ゲーム化の権利を持っていたセガのハードだから実現できたことが言及されており、当時大ヒットしていた『エヴァンゲリオン』が登場するスパロボ作品を発売したかったバンプレスト側の意向が働いたのかもしれない。
  • SS版『F』の予約特典はゼンマイ式の人形セット。予約数が多かったようで早期に締め切られ、その後は小冊子に切り替わっている。
    • 人形セットの内訳はνガンダム、マジンガーZ、真ゲッター1、コンバトラーV、ダンクーガ、エヴァ初号機の6体。このうちエヴァ初号機以外の5体は 『スーパーロボットシューティング』限定版付属の人形セットからの流用品であった。
  • 『逆襲のシャア』のキャラ、ネオ・グランゾン、などが没データとして残っている。
  • あまり知られていないが、一般的に『α』から認知されている熟練度システムは、実は本作から採用されている。
    • しかし熟練度を獲得できるシナリオは『F』の僅か10のみであり、それによって内容が変化するシナリオは『ヒイロとリリーナ』及び『南海の死闘』の2つだけ。
      獲得した熟練度をゲーム内で確認する方法すらもなく、作りかけで放置されたと思わしきシステムとなっている。
    • またSS版後期ROMでは、熟練度によって変動した敵からバリアジェネレーターを高確率で、超合金ニューZを低確率で入手できる。
      ちなみに前者は装備しても何の効果もない没になった強化パーツ、後者は本来は『完結編』でしか入手できないはずの強化パーツ。
      どちらも本来なら入手できないはずの強化パーツであり、やはりこちらも作り込みの浅さが窺える。
  • 後に信頼補正と呼ばれるシステムが本作にもマスクデータとして採用されている。特定のパイロット同士が近くにいると攻撃力や防御力が上がるようになっている。
    • レベルが上がるとかなり大きな効果になるのだが、攻略本等にも載っていなかったので解析や研究が進むまであまり知られていなかった。
  • 『F』前半で多く出てくる「DC兵士」などザコ兵士のセリフがやけにヘタレている。ヘタレ型一般兵の担当は菊池正美氏と島田敏氏であったが、菊池氏が普通に弱そうなのに対し島田氏のものはやたらに気合の入った弱さ(雄叫びがやけっぱちの悲鳴にしか聞こえない、頻繁に声が裏返る、といった具合)を見せ付けている。
    そんなヘタレボイスがα、GCなどに流用され続けた結果、いつの間にか島田氏が当てたザコ兵士は「島田兵」と呼ばれ一般兵の代名詞となった。この島田兵は寺田Pからも「キング・オブ・一般兵」の称号を授けられ、後の作品で島田氏が演じたキャラクターにも「○○島田兵」とネタにするプレイヤーも現れる事に。
    • 菊池氏と島田氏以外では、「エリート兵」以上のパイロットを演じる郷里大輔氏の演技もアドリブが入っているようでかなり趣がある。雄たけびや「うぅ…(ああぁ…)パワーが…違い過ぎる…」は聞いていて印象深い。
  • 『F』のカラオケモードにおける「カムヒア!ダイターン3」では、ダイターン3の武器の1つである「ダイターンジャベリン」が登場するが、ゲーム本編には登場しない。
    • これは初期ロットのみで、バグが修正された後期ロットでは「ダイターンザンバー」に修正されている。なお前述の『F』の「初期・後期ロット」の見分けポイントの一つとなっている。
  • 講談社の児童誌『月刊コミックボンボン』にて本作の4コマ「パロディギャグ競作」とコミカライズ「リアルストーリー」が連載されていた。特に後者は開始時に表紙で「長編まんがスタート」と銘打たれ、新連載から2号連続で掲載順トップという力の入れようであった。
    • しかし、98年4月号の編集長交代の煽りを受けて2つとも連載が終了。後者に至ってはたったの4話だけしか連載されなかった。しかも3話以降はゲーム内容と無関係のオリジナルストーリーとなっており事実上は2話打ち切りである。最終話はオリジナルキャラの少年たち*29がメインでゲームの登場キャラは最終盤にしか登場せず、主人公のミーナに至っては未登場である。図らずも『完結編』における主人公の空気化を先取りする形となってしまった。
    • ちなみに4コマを連載していた漫画家・冬凪れく氏はこの時の連載分ギャグ漫画を同人誌として出版している。
  • 賛否両論ある作品でありながら今なお人気が高い本作であるが、発売日当日に店の前に早朝から行列が出来たり、『完結編』発売時にはその様子が報道番組で取り上げられたりするなど、当時から話題性があった。
  • 今は亡きケイブンシャから出された『完結編』の攻略本が、使えないユニット・キャラや存在感のない敵に対し容赦のない罵声を浴びせており、一部で有名である。
    • しかもSS版『F』・『完結編』とPS版『F』・『完結編』それぞれ4つに加えさらに狭く深い攻略をしている『一生楽しむ本』SS・PSと計6冊もあり同じキャラでも紹介の仕方が違っている。中には1ステージごとに、スタッフである阪田雅彦氏と寺田貴信氏のコメントが挿入されているというものも。
    • 体裁の関係か、なかなか今では見られない文面の砕け具合に時代を感じてみるのもいかがだろうか?
      • ウィンキー時代の他のケイブンシャスパロボ攻略本も結構独特なレビューがされているので古本屋などで探してみるのも面白いだろう。
    • ソフトバンクからも攻略本が出ており、こちらも負けず劣らずの辛辣かつ脱線した内容のコメントが多く、別の意味で読みごたえがある。
  • 本作の女性主人公の声優は、林原めぐみ氏、宮村優子氏、緒方恵美氏と、本作初参戦のエヴァンゲリオンの主要人物が主に担当している。
    残る一人も、トップをねらえ!の主人公役である日髙のり子氏が担当。彼女の起用は声優陣の出演したアニメ制作会社がガイナックスであるという共通点からだろう。
    • ちなみに男性主人公の声優陣は難波圭一氏、堀内賢雄氏、石野竜三氏、関俊彦氏であるが、この4名には「非主人公でガンダムを操縦したパイロットを演じたことがある*30」という共通点がある。(難波氏の演じたカツもMk-IIを操縦している。)

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最終更新:2024年03月26日 22:46

*1 ゲームアーカイブスで付与されたレーティングを記載。

*2 両者共F/完結編は同時発売。

*3 ウイングゼロカスタムとトールギスIIIが機体のみ参戦。ゲーム内での登場作品表記は『新機動戦記ガンダムW』。

*4 フルアーマー百式改と量産型νガンダム2種。ゲーム内での登場作品表記は前者が『機動戦士Zガンダム』、後者が『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。

*5 『F』の時点で約第30話まで進行し、リメイク元の『第4次』が約第45話で終了することから、元々の残り話数は20話から30話程であったと推測されるが、『完結編』では1プレイ40話程のシナリオが収録されてる。

*6 尤も、これは『第4次』が(恐らく)容量等の都合で退化していただけであり、『EX』の時点で既にヴェスバーの動きは表現できていた。しかも本作より滑らかに動く。

*7 正確には『第2次』の戦闘グラフィックで装備しているが、武器ごとで装備のグラを変えるというアニメーション演出がなかった

*8 ビルバインのオーラキャノンも似たような演出になる。

*9 攻撃力と命中値は高めだが、回避値は先述のコウを僅かに上回る程度。ただしデュオのみ自軍オールドタイプNo.2の回避値を誇っている。

*10 UCガンダム系=ニュータイプ及び強化人間(命中・回避・ファンネルの射程)、ダンバイン系=聖戦士(回避・最強武器の攻撃力)、EVA系=シンクロ率(命中・回避・攻撃力)等。

*11 適応Bのパイロットが適応Aの機体に搭乗=適応B扱い。逆も然り

*12 ステータスに関しては『第4次S』と『F』の間に発売された『魔装機神』において、修得イベントを経て追加される必殺技が格闘武器な事を反映してしまった可能性がある。また魔装機神においてはマサキは射撃より格闘のが得意だった

*13 おまけに今作は獲得資金が全体的に少ない。

*14 補給を受ける、戦艦に積んでは下ろす等。

*15 『第4次』では1200以上のダメージならビームコートを突破できたが、本作ではどれだけ高威力のビームでも必ず1000減らされる。一応自軍にもビームコート持ちがいるためデメリットだけではないが、敵ほどHPがインフレしていない分恩恵も敵ほどではなく、それより敵のHPを削りきれないフラストレーションの方が遥かに大きい。かつてのビーム吸収と比べればこれでもまだダメージ自体は与えられる分マシではあるのだが…。

*16 一応キエフルートにもほぼ同じ内容のシナリオが存在するが、このルートではビルバインとZガンダムを入手済みのため難易度が大きく下がる。

*17 前者は11ターン目から毎ターン撤退するかどうかの選択肢が出て、撤退を選択すれば敵がいくら残ってようがクリアとなり、後者は敵が2機しか立ちふさがってない東側に逃げればクリアと最初から指示されてるので、救済処置自体は用意されている。

*18 例として、アムロLv37の回避命中値は275/269、一方でリアル系主人公Lv39は251/246と、実に20以上もの差がある。更に射撃値は10以上、技量に至っては20以上も低い。今作ではやや弱めにされているジュドーをも下回るステータスである。

*19 「魂」を習得する他スーパー系は規格外枠のイデオンのみ。現実的なレベルで2回行動が可能な他スーパー系は隠しキャラのユングのみ、しかもスーパー系主人公より遥かに遅い。

*20 いくら運動性を高めても、「パイロットの命中回避値+機体の運動性」が限界反応内に収まっていなければそれ以上の性能を発揮できない。

*21 必中を習得するリアル系パイロットは『0083』のキースただ一人のみ。しかもステータスは二軍の極みである上に宇宙Bなので全く戦力にならない。

*22 強化パーツや各キャラのレベルはそれぞれ4種のランダムで決められる。

*23 ZZ終盤でグレミー軍がアッシマーを宇宙で運用している描写が1カットのみあったが、これは原作側の作画ミスであり、アッシマーは大気圏内専用機という機体設定である。

*24 これは『SDガンダム Gジェネレーション』や『コンパチヒーロー』でも同じである。

*25 ちなみにパイロットLv60・機体の運動性フル改造という条件で比較した場合、アムロ:回避323+反応219+運動性200=739、ヒイロ:回避255+反応199+運動性255=709。これほどまでに機体の運動性を高めてもなおアムロの回避値に全く及ばないのである…。

*26 終盤のシナリオ「敗者への凱歌」のキュベレイのみ何故かサイコフレームを落とす。

*27 前者はデューク・フリード役の富山敬氏が『第4次S』当時闘病中であり、その後復帰する事なく亡くなられてしまったため。後者は神勝平役の大山のぶ代氏が当時『ドラえもん』1本に出演を絞っていたためとされている。

*28 本作品ではシズラーブラックと表記

*29 うち1名は作者のおーくらやすひろ氏が本作の前に執筆していた「ボンボン新人まんが大賞募集まんが」の主人公に酷似している

*30 それぞれ順番にカツ・ジャミル・五飛・デュオ