注意:ここでは、『ザ・警察官 新宿24時』と、続編『ザ・警察官2 全国大追跡スペシャル』について解説する。判定はともに「ゲームバランスが不安定」。



ザ・警察官 新宿24時

【ざ けいさつかん しんじゅくにじゅうよじ】

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対応機種 アーケード
販売・開発元 コナミ
稼働開始日 2000年
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント 足腰のスタミナ必須
厳しい時間制限が誤射で更に厳しく
プレイヤー殉職!

概要

  • 大量の拳銃の密輸を目論む指定暴力団「極道会」との対決を描いたガンシューティングゲーム。
  • プレイヤーは拳銃で画面上に出てくる組員を倒して…もとい、逮捕していく。
    • 前半5面は東京都新宿が舞台に、後半4面は拳銃の輸入元であるアメリカが舞台となる。全9面。面の最後には特別指名手配犯(ボス敵)がいる事もある。
    • インターネットランキングも開催。ランキング内容は全ステージクリアのタイムを競う。

特徴

  • ゲーム内容は警察官の活動を描いたドキュメンタリー番組をモチーフにしている。
  • プレイヤーの姿勢を感知するセンサーを備えており、プレイヤーの身体の動きに合わせて、ゲーム内での視点が変わる斬新なシステムが取り入れられている。
    • 画面上には「←」「↓」といった、プレイヤーが隠れるべき方向が指示される。「←」の場合なら身体を左に傾けて、「↓」の場合ならしゃがむと隠れる事が出来、その間は敵からの攻撃を一切受けず、同時に弾数もリロードされる。
  • プレイヤーには「階級」が設定されており、最初は巡査からスタートする。
    • ミスせずにシーンをクリアすると徐々に階級(ランク)が上がる。特定の階級に到達すると、制限時間延長や残機増加といった恩恵が得られる。
      • ランクが最高の「警視総監」になると残機が100人追加されるという、一見ふざけたようなボーナスを獲得できる。だが……

評価点

  • 実際にプレイヤーの体を動かして視点操作やリロード、敵弾回避を行うガンシューティングというのは中々に貴重。
    • これによって、あたかも自分が作中世界で極道会と戦っているかのような臨場感を味わえる。
    • 運動量としても相当なものであり、特に太腿の筋肉を鍛えられる。近場に筐体があるか、或いは後述の家庭用移植版を持っているのであればダイエットに是非。
  • 所謂「警察密着ドキュメンタリー番組」の雰囲気はかなり再現できている。
    • ゲーム開始時などに流れるナレーションは、この手の番組でおなじみ田中信夫氏が担当。この時点で既に分かってらっしゃる。
    • 前半ステージでもある新宿の町並みも、多少のアレンジこそあるもののかなり丁寧に再現されている。野外の看板にはモザイクがかけられていたりと、その辺りもテレビ番組風になっている。
    • プレイ中には無線による会話や、組員への投降を促すアナウンスが流れるが、此方の雰囲気も実にそれっぽい。
    • ステージボスとなる特別指名手配犯が登場した際には、なんとボスの手配写真が画面に表示されるという演出まで。
  • 思わず笑えてしまうバカゲー要素も散見される。
    • 現実の警察では発砲した時点で出世ルートから脱落するケースが殆どなのだが、本作プレイヤーは極道会の構成員相手にガンガン拳銃をぶっ放して(ノーミスであれば、という前提は付くが)恐るべき速度で出世していく。最高ランクになれば「現場で極道会組員相手に拳銃を撃ちまくる警視総監」というシュール極まりない光景だって見れてしまう。こいつおまわりさんです。
    • 上述通り後半面はアメリカが舞台となるのだが、その際の流れが「極道会メンバーが海外へ逃亡した模様→国際捜査課に連絡→そのまま飛行機でアメリカへ渡り、現地警察と合流し極道会リトルトーキョー支部と銃撃戦」というもの。タイトルの新宿は何処行ったとか、国際捜査課に外国での逮捕権あるのかとかツッコミ所満載だが気にしたら負け…なのだろうか。
    • 一般人や同僚を撃った場合はペナルティが科せられタイムロスとなるのだが、その際の演出が「一般市民誤射!」といったナレーションと共に不祥事を起こした内容の新聞記事が晒し上げられる、というもの。また被弾した場合には「プレイヤー殉職!」のナレーションと共に殉職する演出まで用意されている。そこまでやるかと言わざるを得ない。
    • 「特別密着ドキュメンタリー番組」の雰囲気を優先したのか、特別指名手配犯の写真には目に線が引かれている他、何故かモザイクが掛かっている。雰囲気の再現としては完璧なのだが、ガンシューという割には非常にシュールな光景である。

問題点

  • 異常なまでに高い難易度。
    • 敵に撃たれれば一撃でミスとなり、プレイヤー殉職! 回避にはプレイヤーの身体を動かす必要がある為、体力が無いと後半戦はきついものがある。
      • 敵の隙を突いて立って攻撃、危なくなったらしゃがんで隠れつつリロード、というやや特殊な操作方法が要求される。必然的にしゃがむ→立つという動作を何度も繰り返す事になる為、長時間のプレイは太腿は勿論、足腰全体的にも辛いものがある。
    • 本作でのゲームオーバー条件は「残機が全て無くなる」「制限時間がゼロ(タイムオーバー)」のいずれかであり、うち後者の条件が非常に厄介。
      • 制限時間がやたら厳しく、効率良く敵を倒していかなければあっという間にタイムオーバーとなってしまう。そうなれば警視総監となった際に得られる「残機100人」ボーナスもパァになってしまう為、正直焼け石に水でしかない。
      • ステージ中には組員の他に一般人や同僚の警官が存在し、誤って撃ってしまうと上述の演出付きペナルティが課せられる。この演出によるタイムロスが結構長い為、可能な限り誤射は避けたいところではあるのだが…。
      • 敵組員と一般人・同僚警官を区別する手段としては、敵組員にのみ光る円のマーカーが付けられており、これで判断できるようになっている。しかし前半の舞台である新宿ステージは全て夜間ステージとなっており、画面は常に薄暗い。マーカーがあったとしても薄暗い画面に加え、ステージ内をうろつく一般人が異常なほど多い為視認しづらい。組員の出現位置を暗記でもしない限り非常に誤射してしまいやすい。
    • ちなみに一般人を誤射した場合は階級が1段階落ちる。また被弾した場合は初期状態まで落とされてしまう。此方はタイムロスと比べるとそこまで痛くはないが。

総評

警察密着ドキュメンタリー番組の雰囲気に加え、実際に身体を動かし敵弾を回避する事で得られる臨場感。
これでゲーム的な意味においても、体力的な意味においてもプレイヤー殉職!となりかねない難易度の問題さえ無ければガンシュー史、いやアーケードゲーム史に残る快作として評価可能であったのだが…。
体力については本作の臨場感を味わう為にも止むを得ない部分があるが、せめて異様なほど厳しい制限時間だけでも何とかならなかったのだろうか。

しかしながら、人によってはその欠点も気にならなくなる程度に「勢い」と「情熱」を込めて世に出された作品である事は確か。
プレイする機会を得られたならば、腰を据えて…もとい、太腿を鍛えて極道会検挙に挑戦してみてほしい。


家庭用移植

  • 稼働から約1年後の2001年11月15日に、PS2に移植された。お値段は6,800円。「人工網膜センサーキャプチャーアイ」と「ハイパーブラスター」に対応。
    • 「人工網膜センサーキャプチャーアイ」を使うことでAC版同様の操作ができる。全般的な移植度は概ね良好。但し「ハイパーブラスター」以外のガンコントローラーには非対応である点に注意。
      • ちなみにこの「キャプチャーアイ」なのだが、なんとこれだけで本ソフトが一本買えてしまうようなお値段だったりする。またキャプチャーアイの対応ソフトは本作1本のみ。後に発売されたEye Toyは非対応となっている。
    • 家庭用という事で自主規制したのか、刺青の入った敵組員がTシャツ姿に変更されている。また新宿の街の看板にあったモザイクが無くなっている。
    • 「アナザーストーリーモード」という形で下記『POLICE 911』が収録されており、メインストーリーモードを1度クリアするとプレイ可能になる。
    • チャレンジモードやトレーニングモード、オリジナルのミニゲームも数種収録。ミニゲームの中には何故か巨大化した警官がリング弾を吐くモアイと戦うといったものも。
    • 家庭用移植ならではの要素として、特定の条件を満たすとゲームオプション設定に様々な設定項目が追加される。
      • この追加された設定項目を有効活用すれば、メインストーリーやアナザーストーリーでのプレイが(多少は)楽になる…筈。
      • プレイヤーをアフロで白スーツの私服警官に変更したり、高難易度である「リアルモード」が追加されるなど、下記続編を意識したかのような項目まで存在している。

余談

  • 本作の海外版として『POLICE 911』という作品も発売されている。
    • 海外版はステージ進行が「アメリカ(リトルトーキョー)→新宿」と日本版とは逆に進む形になるが、アメリカ側に追加ステージ(倉庫街)がある為全10面構成 *1 となっており、指名手配犯の出現場所やステージの順番も一部変更されている。
      • 海外版ではいきなり日本版での後半ステージに挑む形となるが、本作の難易度はステージ毎の差は殆ど無い(というか国内版でも最初から難しい)為、余り問題にはならない様子。
    • プレイヤーもロス市警の警官という設定で、無線やナレーションも全て英語に吹き替えられている。
      • 当然後半ステージでは「極道会リトルトーキョー支部の犯人が日本へ逃亡→国際捜査課へ連絡→そのままプレイヤーが来日」する。場合によってはロス市警のコミッショナーが日本へやってきて新宿で極道会と銃撃戦を繰り広げるというハリウッド映画顔負けのトンでも展開に。
  • ゲーム中の残弾は「オートマチック拳銃のマガジン内にある弾丸」という形で表現されているが、実際にプレイヤーキャラが使用している拳銃はリボルバー式のニューナンブ。この点についてはたまにツッコミが入る事がある。
    • なお、マガジン付のリボルバー拳銃は実在する。だからどうしたという話だが。
  • 本作のBGM担当は、なんとBEMANIシリーズでもおなじみのJimmy Weckl氏(現在はフリー)。
  • 実は本作ステージボスの特別指名手配犯は、その大半が本作プロデューサーを始めとするゲームスタッフ本人だったりする。
    • このことから「コナミの正体は極道会」と揶揄するネタも一部において見られる。極道会呼ばわりですら生易しく思えるのはきっと気のせい。
    • 勿論Jimmy Weckl氏も犯人Bとして作中に登場している。親分ってそういう意味じゃねーから!

ザ・警察官2 全国大追跡スペシャル

【ざ けいさつかんつー ぜんこくだいついせきすぺしゃる】

ジャンル ガンシューティング
対応機種 アーケード
販売・開発 コナミ
稼働開始日 2001年
判定 ゲームバランスが不安定

概要(2)

  • 上述した『ザ・警察官 新宿24時』の続編。続編東京を含めた全国6都市を舞台に、香港マフィア龍頭と極道会の勢力抗争を鎮圧していく。

前作からの変更点

  • ナレーションが小林清志氏に変更。氏のナレーションだとSASUKEや平成ゴジラシリーズ予告編の印象が強いか。最新情報は公開してくれないので悪しからず。
  • プレイヤーキャラクターを「警察官」「婦人警官」「刑事(私服警官)」「特殊急襲部隊」の4人中から選択できるように。
    • 他にも『リーサルエンフォーサーズ』からのゲストとなる「ヤンキー刑事」や某宇宙刑事風味な「メタル刑事」、更には「金髪美女刑事」「ピンク婦警」と隠しキャラも豊富。
  • ステージ構成も、プレイヤーの任意で二番目のステージをどこの都市にするか選べるようになった。
    • 最初は極道会組事務所からスタートし、札幌・新宿・名古屋・大阪・神戸・博多の6都市をクリアしていく。最終ステージは難波駅前か梅田のどちらかに分岐するようになっている。
    • 通常ステージは難波駅前だが、梅田に分岐できれば「一斉検挙作戦完了!!(=真のエンディング)」となる。分岐条件は「オレンジ色のマーカー」が付いた特殊な敵を3人倒…逮捕する事。出現するとすぐ逃走する上に、出現中に誤射や殉職をしてしまうと消滅してしまう為かなり難しい。
  • 前作同様、インターネットランキングも開催。内容は各コース毎のクリアタイムを競う。
  • リアルモード
    • 筐体側のボタンを押しながら、銃口を画面外に向けた状態でトリガーを15回引き、その上でボタンから手を離した状態でステージを選択…という、なんとも面倒臭い手順を踏むことで遊べるようになる、本作の隠しモード。
    • 内容はというと「敵の存在を示す赤マーカーが消える」「敵側の弾速が実際の拳銃と同じ物に変化する」「敵の命中精度が格段に上昇し、しかも登場直後に弾を発射するようになる」という、文字通りに「リアル」な難易度となっている。本作…と言うよりむしろガンシューティング全般を極めた方向けの超高難易度モード。
      • その苛烈っぷりは、経験者をして「クリアできた人が居るかどうかすら怪しい」とまで言わしめる程。

評価点(2)

  • ゲームシステムはほぼ前作と同じであり、前作のプレイ経験があるならば本作操作に慣れるのも早い。当然ながら此方でも太腿が鍛えられる。
  • 異常に濃くなったプレイヤーキャラ。
    • デフォルトキャラの内、主人公格である「刑事(私服警官)」ですらアフロヘアーでスーツ姿というクサい見た目。因みに彼はその見た目とキャラ付けから、一部ファンの熱狂的な支持を集めたという。
    • 隠しキャラもアメリカンなルックスの刑事いかにもな特撮ヒーロー風の刑事と、もはや「日本の実録警察番組をモチーフにしたゲーム」とはかけ離れた面子になってしまっている。バカゲー要素が強化された、と見るのであれば立派な評価点であろう。多分。

問題点(2)

  • やはり時間設定が厳しく、誤射を避けねばならない一般人の数も多い。難易度は相応に高く、気を抜くと即プレイヤー殉職!
  • 長時間のプレイは足腰に厳しい点も前作と同様である。

総評(2)

ゲームの出来が悪いわけではないが、相変わらずの高難易度と仕様により人を選ぶゲームではある。
とはいえ、その筐体に込められた「勢い」と「情熱」は前作にも決して劣らない。

腕と太腿に自信があるのであれば、一度は「一斉検挙作戦完了!!」を目指してみて欲しい…と言いたい所だが
此方は家庭用移植もなされておらず、プレイする為のハードルは前作以上に高くなってしまっているのが残念な限りである。


余談(2)

  • 本作も海外版として『POLICE911 2』が存在する。
    • 前作海外版と異なりゲーム進行は国内版と同一だが、一部ステージの名称が異なる等細かい変更点が存在している。

その後の展開

  • 関連作品として2人同時での対戦プレイが可能な『セイギノヒーロー』が存在しており、最初の秋葉原ステージはこの作品の続編を思わせるような作りになっている。
    • 本作と比較すると最初の被弾のみ無効化、被弾してもプレイヤー殉職!という演出こそあるもののペナルティとしては階級が1つ下がるだけなど、(被弾に関しては)初心者に対して少しだけ優しくなっている。
    • 人感センサー要素は廃され「銃を画面外に向けて防御」と、ゲームそのものは本作よりも『タイムクライシス』(ナムコ)に酷似してしまった。
    • 効率よく敵を倒さないと即時間切れ=ゲームオーバーという仕様は本作そのまま。しかも此方はボスキャラクターの当たり判定が非常に小さい事もあって余計に戦闘が長引きやすく、制限時間という面においては難易度が更に上がってしまっている。
  • 本作筐体を流用した『モーキャプボクシング』なる作品も存在している。
    • その名の通り、本作同様の人感センサーによる操作が特徴。プレイするときに装着する付属のグローブはとても重く、本作以上にプレイヤーのリアル体力が試される仕様となっている *2