SIMPLE1500シリーズ Vol.100 THE 宇宙飛行士
【しんぷるせんごひゃくしりーず ぼりゅーむひゃく ざ うちゅうひこうし】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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プレイステーション
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発売元
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D3パブリッシャー
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開発元
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クレセント、アメディオ
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発売日
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2002年8月29日
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定価
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1,500円(税別)
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配信
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ゲームアーカイブス 2010年8月25日/300円
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判定
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なし
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ポイント
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オペ子…
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SIMPLE1500シリーズ
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概要
D3パブリッシャーによる廉価版ゲームシリーズ『SIMPLE1500シリーズ』の記念すべき第100作。
『SIMPLE2000』の100作目とは違い、特にアレな出来という訳ではない。
システム的には同シリーズの『THE ヘリコプター』及び『THE 潜水艦』に近いが、開発元は異なる。
特徴
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主人公は宇宙飛行士となり、宇宙スーツのバーニア噴射を使いながら惑星や宇宙空間を移動して、9種類のミッション+4種類のおまけミッションに挑戦する。
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クリア条件は、「その面内にある目標物全てを調べる」というものが多い。武器で怪物を討伐するミッションなどもある。
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ミッションのクリアによって報酬金が貰え、ショップで宇宙服を改造できる。
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ミッションは、惑星探査中心の「低重力」ミッションと、船外活動中心の「無重力」ミッションの2タイプに分かれている。
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このゲームでは強い慣性から逆噴射などで身体をうまく制御しないとあらぬ方向に飛んで行ってしまうが、低重力ミッションは弱いながらも重力が働くので比較的動かしやすい。
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一方で無重力ミッションは、あらゆる方向に対して一度飛んでいくと戻ってくる力が働かないので、ちょっとした移動にも困難が伴う。
評価点
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「宇宙飛行士を題材にした慣性ゲーム」という珍しいジャンルであり、オリジナリティが高い。
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2Dであれば『アストロロボSASA』などの類例が存在するが、3Dでのそれは本当に珍しい。
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1度クリアしたミッションに再挑戦するといくつかの変更点があるため、複数回プレイする意味が生まれている。
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一定確率で「環境変化」が発生するようになる。例えば船外活動ミッションなら、ダメージを与えてくる放電生物が発生する。
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オペレーターのセリフが追加され、このゲームの世界観を想起させる様々なセリフが聞けるようになる。
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各ミッションで、ミッションごとに異なる方法で「シークレットアイテム」を入手できるようになる。
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シークレットアイテムは通常とレアの2種があり、ミッション後換金される。入手したシークレットは記録されるので、若干ながらやりこみ要素となっている。
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クリア済ミッションではクリアタイムやハイスコアも記録されるようになるので、高得点を目指して遊ぶこともできる。
問題点
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所謂「慣性ゲー」であり、キャラの動きが独特で、しかも当たり判定がシビア。慣れるまでが大変な上、慣れても人を選ぶゲームである。
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「なんであれがハズレになるんだ!?」なんて事は日常茶飯事なので、とりあえず気の短い人には向いていない。
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最終ミッションに存在する「登り坂」が、もう悲しくなるほど登りにくい。
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グラフィックが粗く、カメラやレーダーなどの視点関連もそれほど良くない。
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画面構成は基本的に主人公を背後から見たものなのだが、壁に背を当てると急に正面から見た構図に変わる為、周囲を見渡せなくなる。
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レーダーは壁の向こう側にいる物体にも反応するのはまあ仕方ないとしても、高低差に殆ど対応しないため使いづらい。
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攻撃武器は、実質「連射できるが嫌になるほど撃たないとザコも倒せない銃」と「強いが相当長い時間チャージしないと撃てない上に攻撃を食らうとキャンセルされる銃」という、両極端なものしかない。
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ショップで売られている強化パーツの種類が非常に少ない。
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「ヘッドパーツ」「アームパーツ」「エアタンク」「ブースター」「スーツ」の5種があるのだが、全種の商品を全て合計してもたったの9個。
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最後のミッションを終わらせ全ての商品を出してこの数であり、多くのミッションをクリアしていない段階での品物数はお察し。
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これ以外に入手したお金を使う要素はないので、全て商品を買ってしまった後はまったくお金に意味がなくなる。
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クリア後要素について。
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クリア後のミッションではオペレーターが裏に組織の力が働いていることを示唆するなど意味ありげな話が色々と聞けるが、別に主人公がその真相を突き止めたりするわけではないので、単なる「思わせ振り」で終わってしまう。
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やりこみ要素のシークレットアイテムも、コンプリート特典などは無く、通常とレアのグラフィックもただの色違いなのはやや残念。
総評
とにかく人を選ぶゲーム、一言で表すと、こうなるだろう。
評価は操作に慣れる過程を楽しめるかどうかで変わりやすく、全体的な出来には賛否両論が見られ、3Dグラフィックやカメラの粗さ、一部ミッションの煩雑さは如何ともしがたいところ。
シナリオ面も前述の通り奥深そうなのだが、本当に「断片」しか語られないので死に設定で終わっている。
そもそも説明書にストーリーやキャラ紹介すら載っておらず、『SIMPLEシリーズ』を前提にしてみても寂しい。
雰囲気はそれなりのものを持っているだけに、『SIMPLEシリーズ』なりにせめてもう少し外堀の部分の作りこみにもこだわることができていれば、良作SF作品になっていたかもしれない。
宇宙での船外活動を扱うゲームは珍しく、オリジナリティ自体は高いだけに、惜しい作品である。
余談
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オペレーターのミヅキ・ブライトとショップ店員のルシーナはともに女性だが、SFアニメの様な衣装…いわゆるエロコスを身に付けている。
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しかしメッセージウィンドウが邪魔になって、腹から下は一瞬しか画面に映らない。
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オペレーターからの通信はそれなりの頻度で入り、若干ではあるがボイスもある。
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もっともボイスは使い回しも多く、電波状況の悪いシーンでは台詞の内容に関係無く「…を…確認…」というボイスが流れる。
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因みにメモリーカードのセーブアイコンは「ウィンクするオペレーターのアップ」である。その顔は何気に『海腹川背』の主人公似だったりする。
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店員は本当に「只の店員」で、それ以外に出番も活躍も一切無い。
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ショップで買える最も高額な装備品は移動性能や耐久力が大幅にパワーアップする「強化スーツ」なのだが、見た目が『メトロイド』シリーズでサムスが着ているパワードスーツにそっくり。意図的なパロディだろう。
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後にモバイル用として配信された『SIMPLE100シリーズ』にも同名のゲームが存在する。
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だが、こちらはステージ内のアイテムを集めるアクションゲームで、本作とはまったく異なる内容である。
最終更新:2023年09月17日 15:00