グラディウスIII -伝説から神話へ-

【ぐらでぃうすすりー でんせつからしんわへ】

ジャンル 横スクロールシューティング
対応機種 アーケード
販売・開発元 コナミ
稼動開始日 1989年12月11日
配信 アーケードアーカイブス
【Switch/PS4】2020年12月24日/838円
判定 ゲームバランスが不安定
賛否両論
ポイント 1周クリアは横STGトップクラスの高難易度を誇る
地獄のキューブラッシュ
グラフィック・BGM・演出は高評価
難易度の高さが一種のカリスマに
肯定的なファンも否定的なファンも多い
グラディウスシリーズ


概要

人気横スクロールシューティングゲーム『グラディウス』のシリーズ4作目*1
SFC版グラディウスIIIと区別するため、「ACG3」という略称が用いられている。

前作の『グラディウス』及び『グラディウスII -GOFERの野望-』のヒットから本作にも自然と大きな期待が寄せられていた。


特徴

  • 前作ACII同様、通常の4種類のパワーアップと2種類の防御パワーアップを選べる。
    • さらに、パワーアップを自由に決められる新要素の「EDITモード」が新たに登場。
+ タイプセレクト装備
  • タイプA
    • 初代グラディウス準拠。ミサイルは地を這うノーマルミサイル。ダブルは斜め上に弾が出るノーマルダブル、レーザーは上下移動が連動し薙ぎ払い攻撃(ワインダー)も出来るノーマルレーザー。
    • ノーマルミサイルは従来作同様に癖が無く、更に今作は大半のミサイルは2連射となった為に非常に安定度が高く、後述のEDIT装備でもほぼ定番の汎用性を誇る。フル装備時の最大10発同時発射による絨毯爆撃は壮観。
      • 前作に比べてやや前方に投下されるようになり、更にミサイルボタン押しっぱなしによる最速連射はできなくなった。また、着弾時に小さな爆発エフェクトが追加されており、これが消えるまで次を発射できなくなり接射の回転率は落ちた。前作同様ハッチの破壊には2発必要。
    • レーザーは判定が前作より少し厚くなり、耐久値の無い敵は貫通するため、編隊雑魚には無類の強さを誇る。
      • 耐久値のある敵に対しても途切れず照射される為、2面の泡に非常に強力。ただし貫通できなくなった敵は前作より増えてしまった。ワインダーこそかけやすいものの、弾速が遅くなった事の裏返しでもある。レーザー自体の長さも前作より短くなった。
    • ダブルはリップルの影に隠れてしまっていた前作に比べて使い所は増え、主に3面5面と10面で威力を発揮する。10面での使い勝手はバーティカルに比べると流石に劣るが、発射角度の都合で右上のハッチに先制攻撃をしやすい為強力。
    • ノーマルミサイルが強い上にダブルもレーザーも弱くは無いのだが、良くも悪くも平均的な性能で他のタイプ程抜きん出た強さが少ない。 それ以上に難所である7面の炎に対する強みがないため(レーザーとの相性が非常に悪く、難易度がリップルやツインレーザーを選んだ時よりも格段にアップする)ため、1周するにはやや険しい道のりという評価。
    • レーザーの処理落ちがかなり強力にかかるのでプレイ時間は長くなりがち。
  • タイプB
    • ミサイルは地を這わないが爆風で追加ダメージを与えられるスプレッドボム。ダブルは真後ろに撃てるテイルガン、レーザーは上下広範囲にも攻撃できるリップルレーザー。
    • スプレッドボムは着弾時と爆風にそれぞれ1回ずつ判定があり、2連射できる今作では非常に高火力なミサイルとなった。火力の求められる2面と5面、6面で活躍。リップルとの組み合わせによりゲームの難所に対し安定した性能を発揮する。
    • テイルガンは3面の中盤辺りまでと5面、10面等で局地的に役に立つが普段はあまり出番が無い。
    • リップルレーザーは攻撃判定こそ見た目通りだが地形に対する判定は中心部分だけのワイドショット。前作に比べて弾速は落ちたものの、上下には更に広がるようになった。難所である7面で真価を発揮し、最小火山弾を貫通しやすく非常に強い。EDITでも定番の選択肢になる。
    • 前作のタイプBと同様に上と真下のカバーが利かないので最終面、高次周1面においては常に天井や窪みのハッチに気を配る必要がある。特に最終面は他のタイプに比べて狭い縦穴にわざわざオプションを張りに行かないとハッチを破壊できない場所が多く、ここまでの無双ぶりから一転して精密な動きを要求される事になる。最終面に対してはタイプDやEDIT装備の後塵を拝している。
      • スプレッドの爆風は敵弾の上に表示され敵弾を隠してしまうため、7面や弾が多く出る場面でも気をつけなければならない。
    • 有利、不利な場面がハッキリしているものの、クリア狙いから周回まで幅広く使われるトップ性能で圧倒的な強さを誇る。
  • タイプC
    • ミサイルは地を這わないが上下に同時に出せる2ウェイミサイル。ダブルは真上に撃てるバーティカル、レーザーは一部除いてノーマルレーザーと差は無いサイクロンレーザー。
    • 2ウェイミサイルは最高に使いやすかった前作に比べて弾速が遅く、軌道もほぼ上下からスプレッドボムのように放物線を描いて発射される=「ノーマルMの軌道を迂回するように飛ぶ」ようになったせいで一気に使えない装備に成れ果ててしまった。仮に敵に当てられるように熟練しても今作で追加された着弾エフェクト(小さな爆発)がとにかく回転率を悪くしており、下ハッチから雑魚が出る前にミサイルで破壊するのはかなり難しい。
    • バーティカルは自機の真上と正面にショットを発射する新装備。思い切り2ウェイミサイルの存在を食っている感があるが、局地的にはかなり強力で10面はこれかそれ以外だと難易度が激変する程。
      • タイプC唯一の良心だが、大半のプレイヤーにとってはタイプEの定番武装の印象になりがち。
    • サイクロンレーザーはタイプAのノーマルレーザーと攻撃性能は変わらないものの、地形に対して押しっぱなしで接射をすると何故か約1トリガー分の弾切れを起こす(3面掘削地帯や6面復活細胞壁も)致命的な欠陥を抱えているので場面によっては手動連射も必要。
    • ハッキリ言ってバーティカル以外の個々の装備性能は劣悪と言わざるを得ず、最弱タイプと評される。1面からミサイルの扱いにくさを痛感させられる上、難所である5面、7面、9面との相性がことごとく最悪で、10面も下ハッチを処理できず(下方向にオプションを伸ばせない構造になっている場所もある)、1周クリアには最も苦労するであろう装備。
      • ミサイルとレーザーの回転率が悪いため処理落ちがやや不安定である事、サイクロンレーザーは連射と押しっぱなしを使い分ける必要がある事、2ウェイも流れるミサイルと違いオプションの位置も計算に入れた上でしっかり狙って当てていく必要があるなど、とにかく誤魔化しが利かないものばかり。 他の装備で一周した者がC装備の特徴を理解し、Cならではの攻略パターンを考えたうえで選択するぐらいのもの。
  • タイプD
    • ミサイルは連射力が高く敵を貫通し地を這うフォトントーピドー。ダブルはレバーを入れた方向に追加ショットを撃つフリーウェイ、レーザーは貫通力が無い短い2連レーザーを連射できるツインレーザー。
    • フォトントーピドーは前作と変わってノーマルミサイルと同じ軌道で投下されるように変更された。ノーマルミサイルより地形に食われやすく、段差を降りたらその場で消滅するため画面の右下まで届きにくいものの、その分の回転率と貫通力で勝り、特に1面のサンドドラゴンに対して絶大な威力を見せる。
    • フリーウェイは正面と最後にレバーを入れた方向にショットを発射する新装備。融通の利く万能なダブルであり、他タイプダブルそれぞれのいいとこ取りができるので最終面でもかなり有利。とはいえ使いこなせないと追い詰められ方向を合わせる余裕がない状況になりやすい。
    • ツインレーザーは弾速が気持ち遅い上に貫通力も無いショットだが、判定は発生時から自機の縦幅より大きいため、泡や仰向けorうつ伏せのモアイの口を横から撃ててしまうなど、汎用性に優れたレーザー。ただ地形判定もリップルと違い大きいので、7面ではタイプAとタイプC程でないにしろやや苦戦を強いられる。
    • とりわけツインレーザーが強力でその他も全般的に高水準な為、タイプBと並んで強力なタイプの1角に挙げられやすい。
  • タイプセレクトの場合「?」ゲージはシールド・フォースフィールド・フリーシールドの3つから選べる。
    「!」ゲージは画面上の雑魚と敵弾を消滅させるメガクラッシュ固定である。
    • シールド:耐久力は高いが前方しか防がない。『II』のものとほぼ同じ性能。
    • フォースフィールド:耐久力が低いが全方向対応。耐久値が6発と『II』の倍に増えたが、仕様変更*2により地形接触など地形判定のもの(10面の回転レーザー、もっと言うと後述の無敵バグですり抜けられないもの)を防ぐことはできない。
    • フリーシールド:シールドを上下左右任意で装着できる。最大8個まで装着可能。装着し逃した場合は一度だけ前方から再出現する。
  • 全般的に各装備の使い勝手は、1周目ならば(B,D,EDIT装備は一長一短な差)>A>Cだろうか。
+ エディットモード装備
  • エディットモードでは、幾つかの装備を任意に組み合わせて挑む。ちなみに装備内容はタイプセレクトには採用されないものも多く、逆にタイプセレクトにしかない装備もある。
  • ミサイル
    • ミサイル:タイプAと同様。ノーマルミサイル。
    • コントロールミサイル:正面に飛ぶがレバー入力で上下に軌道を変えられる。このミサイルのみ単発であり、扱いにくさとは別に火力差も深刻。
    • アッパーミサイル:上方向に投下されるノーマルミサイル。扱い自体はミサイルが上に飛ぶだけなのでステージ構成を熟知していれば強力な場面も。
    • スモールスプレッド:スプレッドボムよりも小型の爆風で、弾道も後ろ斜め下に飛ぶ。こちらもステージ構成を熟知している熟練者向け。
  • ダブル
    • バーティカル:タイプCと同様。真上に撃てるダブル。
    • テイルガン:タイプBと同様。前後射撃。
    • フリーウェイ:タイプDと同様。レバーを入れた方向に追加射撃を行うショット。
    • スプレッドガン:前方にV字状に弾が飛ぶ。これのみもう一段階強化でき、正面ショットが復活して3ウェイになる。唯一画面上に15発の弾を撃てる装備。
  • レーザー
    • ツインレーザー:タイプDと同様。短い2連レーザーを連射できる。貫通力は無いが、当たり判定は大きめ。
    • リップルレーザー:タイプBと同様。広がる光の輪を連射できる広範囲ショット。地形に遮られにくいまま当たり判定が大きい。
    • サイクロンレーザー:タイプCと同様。地形に撃ち続けた際の連射間隔が悪い。
    • エナジーレーザー:溜め撃ちができるレーザー。ショットボタンを押すと溜めて、離した時に発射されるので他のショットと違いやや癖がある。溜める事によってどんどん大きくなり、判定も大きくなる。また溜め最中にも攻撃判定がある。最大まで溜めると自動的に発射されるが、溜めている最中に地形に触れると消滅してしまう。スプレッドボムの爆風同様、敵や弾より上に表示されるので視認性は悪い。
      長レーザー以外では唯一耐久力の無い雑魚を貫通する。
  • オプション
    • オプション:通常挙動のオプション。前作より間隔が広がっており、2速で前作の3速と同等まで展開でき、3速なら上下いっぱいに広げても余裕がある程になった。また前作と違い、自機の通った場所を正確にトレースするようになった(初代と前作は自機のやや左側の位置を追従する)。
    • スネークオプション:自機の動いた方向へ慣性を持ち動いていくオプション。複雑な法則で滑っていく為、扱いは難しい。この装備にまつわるバグは多い。
  • 「?」
    • シールド・フォースフィールド・フリーシールド:全てタイプセレクトと同じもの。
    • リデュース:自機のグラフィックと当たり判定が縮小する。2段階小さくする事ができるが、敵弾を防ぐ効果は無い。
  • 「!」
    • ノーマルショット:ショットを初期状態に戻す。
    • スピードダウン:スピードを一段階遅くする。
    • リメインオプション:残機と引き換えにオプションを最大の4つまで装備する。残機が4以下の場合はある分だけ装備される。旧バージョンだとバグあり(後述)
      • ちなみにタイプセレクトにおけるメガクラッシュは選べない。
  • タイプE(俗称)
    • エディットモードは癖の強い装備も多いため現実的な選択肢が限られ、「ノーマルミサイル・ヴァーティカルorフリーウェイ・リップルorツイン・オプション・フォースフィールド・リメインオプション」という組み合わせが俗に「タイプE」と呼ばれ、エディットモードにおける標準装備とされている。
      • この中でリメインオプションは基本的にはミスをしてしまった後、復活の為残機をオプションに変化させて丸腰からの起死回生を狙うというのが一般的な使用方法。
      • レーザー選択において、リップルを選ぶと7面が楽に進め、ツインだと3面5面が楽になる。この2択はプレイヤーの好みによって分かれやすい。
      • ダブル選択ではヴァーティカルは癖が無くて扱いやすい、フリーウェイは操作難易度が跳ね上がるが撃てる場所が多くなるとそれぞれに強みがある。
    • タイプEは総じてタイプA,タイプB,タイプDに比べて火力不足の為、2面の泡や5面のモアイには不利だが、逆に汎用性で右に出るものは無く最終面では最も相性の良い装備となる。その為、この装備もタイプBと並んで最も1周に近い。
  • 本作は、装備選択の前に難易度選択がある。
    • 「テクニカルモード」は、従来通りのモード。
    • 「ビギナーモード」はパワーアップカプセルが多少増え、敵配置が簡略化され、ミスしても装備が少しだけ残ったりする等、やや易しめになっている。3面をクリアすると終了になる。

評価点

グラフィック・演出

  • ドットの限界に挑戦したド迫力のグラフィックや演出。複雑な画像処理は一部の箇所における拡大縮小程度というシンプルな仕様ながら、その見栄えは屈指のもの。
  • ステージギミックからボスまで、それぞれのステージ毎に個性的なものが揃っており、似たりよったりな印象を感じさせる面は少ない。

サウンド・BGM

  • 全般的に音源を活かしきったサウンドはいずれもハイクオリティで、特にコーラスも交えたBGMは芸術的な域。シリーズ中唯一「交響詩」が出た程。
    • 特に人気が高いのは流れるようなメロディーが素晴らしい1面『Sand Storm』、軽快なノリが心地よい3面前半『In The Wind』、ステージのアツさをより濃いものにしてくれる7面『Fire Scramble』、広大な宇宙とクリスタルの透明感を見事に表現した9面『Crystal Labylinth』、ラストステージを盛り上げプレイヤーに希望と勇気をあたえてくれる最終面『Mechanical Base』。
    • 8面のBGM『Cosmo Plant』は第14回「アメリカ横断ウルトラクイズ」の番組にも使用された。
    • サウンドトラックもヒットを記録し、1990年度のオリコンチャートでゲームミュージックCDとしては初ランクイン(最高順位26位)している*3
    • 今作は複数人体制での作曲で、スタッフロールには5人が記載されている。
      そのうち『Fire Scramble』のみ、泉陸奥彦作曲というのが、氏のソロアルバムに収録された際に判明している。

システム

  • AC版EDIT専用装備は使い難い装備が多いものの、「EDITモード」によるパワーアップを自由に決められる幅広さはなかなか面白い。
  • オプションがそれまでの作品に比べて広がりやすく、オプションの操作性はシリーズ随一。
  • 自機の当たり判定が従来作と比べて一回り小さくなった。後述の処理落ちの多さも相まって弾避けの快感を味わうことができる。

ファンサービス

  • 過去3作からの1曲ずつメドレーが流れるBGMやグラディウスI・沙羅曼蛇ステージをモチーフしたステージの存在等の隠し要素が存在し前作からのファンには嬉しい要素がある。
  • コナミはゲーメストを通じてアイデアを公募していた。これによるアイデア作品が、クリスタルステージやSFC版でも登場した「トーテムモアイ」等である。

賛否両論点

シリーズ最高難易度
このゲームを遊んだ人が最初に持つ感想は「難易度が極めて高い」。この難易度こそが、シリーズの中でも相当ハードルの高い作品と言われる理由。
難易度選択も、ビギナーモードだと途中までしか遊べないだけのため、あまり意味を成していない。

+ 各ステージ内容

全10面の大ボリュームのうえ2面以降漸騰していく難易度のため、発売から1ヶ月以上も1周クリアの報告が出なかった

  • 1面:砂漠
    • 最初のステージであるが、起伏のある地形を動き回るヴァン・ダー(移動砲台。通称ダッカー)やサンドライオンの攻撃がなかなか手強い。
      出現次第敵を速やかに処理していかないとあっという間に天井にダッカーが溜まって1面とは思えない弾の量に見舞われてしまうだろう
      砂漠の中から出てくるサンドドラゴンは難易度を上げると8方向の拡散弾を出してくるようになる。
      とはいえ、1面に関しては初心者でも充分にクリアは狙える難易度。
    • ボスの蟻地獄「ゴライアス」は、弱点を守る蜘蛛と分裂するWAY弾を撃つ。
      • ロケテスト時ではボスは「ゴライアス」ではなく、7面のボス「ワイバーン」こと「ダカーハ」だった。
  • 2面:泡
    • 撃つと細かく分裂していく泡が大量に発生するステージ。ギミックこそ単純だがフル装備でも適当に撃っていると押されてしまう凄まじい物量で、これに混ざって地形に設置された砲台やハッチから出撃した編隊は容赦なく弾をばら撒き、時折後方から追尾雑魚の「ジーアイ」が奇襲を仕掛けてくる。
      後半は泡に包まれた雑魚「エニグマ」地帯、泡が割れると自機を狙って一定距離を進んでは方向を変えるというタイプの追尾をしてくるので追い詰められないように
    • ボスの「バブルアイ」は、泡を出しながら自機を押し潰そうとしてくる。自爆させると5000点ボーナス。
  • 3面:火山
    • ビギナーモードの〆を飾る、ひたすら長い地形面。
    • 積みあがった地形の陰などに自機狙い弾を垂れ流しまくる敵を吐き出すハッチが大量に配置されていたり、何も無さそうなエリアでも執拗にジャンパーによるバックアタックが繰り返される。なにか撃ち漏らすほどに急速に死が近づくレベル。
      • 地形の陰に隠れている「ガッシーノ」というレア敵を倒すと、BGMが過去3作からの1曲ずつメドレーにした「A Long Time Ago」に変化する隠し要素がある。
    • 要衝を突破し、活火山地帯を越えれば斜面を降りていき、地下を進むことになる。最初は迷路のようなエリアと直前に引き続き活火山が多数配置されたエリアに分岐する。分岐が合流すると開けた空間がしばらく続くが、前後から敵が数回に分けて多数襲来する為休む暇は無い。
      • さらに進むと画面中に埋まった土を掘りながら進んでいくエリアに。土の中には破壊不能な岩が隠れており、ダブルを使っているといきなり頭上から落ちてくることも。
    • その後の初代のアイアンメイデン地帯と似たゴドレイ地帯を抜けると、ボス「ビッグコアMk-III」が出現。発射点が2通りある反射レーザーが脅威。コアを3つ持っているが、後ろのコアを破壊する前に前方の2つを破壊すると発狂してレーザーを乱射する攻撃パターンになる。こいつは弾速が速い上に詐欺判定(下述)のせいで処理落ちがないと避けられたものでなく、後ろのコアを先に破壊するパターンが重要。
      • ただし、掘削地帯リスタート~ボスの自爆待ちはこのゲームでは高次周でも現実的とされる貴重な復活パターンとなっている。この場合ゲーメスト発祥の「ううまま~」パターンを使って反射レーザーなどを回避する。
  • 4面:3D
    • 火山面クリア後は唐突に『アフターバーナー』のような後方視点になる(技術的には『ギャラクシーフォース』に近い)。
    • 左右の壁に当たらないように旋回していくだけのステージ。上下にも移動できるが、高度を制限するような障害物はない。
      • カプセルが多く配置されており、復活する場合はこれを積極的に取っていく(このときに上下移動が必要)。
    • 敵が出現しないためボーナスステージ的な面だが、慣れない内だとこんな面でも死んでしまった経験をした人は多いはず。
  • 5面:モアイ
    • イオンリングを吐き出すモアイが大量に配備されたステージ。イオンリングは打ち消せるが物量が多く、またシールドやフォースフィールドで相殺ができない(かすると一瞬で消えてしまう)。
      • 今回はイオンリング発射口であり弱点でもあるモアイの口が中々狙いにくい嫌らしい配置ばかり。
      • モアイに対しては、ノーマルショット、ツインレーザー、もしくはダブル系、ミサイルの「スプレッドボム」が有利。
        したがって、タイプAかタイプCを選択しているはダブルで進んでいくことになる。
    • 今作は空中を回転しながらモアイを地形に産み落とす「ローリングモアイ」や縦に連なった4つの顔が回転してリングを吐いてくる「トーテムモアイ」といった新しいタイプのモアイが登場する。 道中を抜けると中ボスの「ドガス」が待ち受けており、パロディウスシリーズのペンギンボスよろしくプチモアイを周りに展開し、激しい攻撃を仕掛けてくる。
    • ドガスを倒すと、問題となりやすいボスの「ヴァイフ」との戦いに
      6体のモアイが順番に「グローム」というモアイを吐き出すというだけだが、この「グローム」はプチイオンリングを撒き散らしながら高い誘導性能で自機を狙って体当たりしてくる上、ショットを撃ち込むと膨れ上がり当たり判定が大きくなる。おまけに特定条件下でグラフィックに対して当たり判定「だけ」大きくなるとんでもない奴。何も考えずにいるとすぐに押しつぶされてしまう。 それぞれの口を開く順番は決まっているが、初見殺し度合いが非常に高く、更に左上のヴァイフを倒せる装備が基本的にバーティカル・フリーウェイ・アッパーミサイルのみと非常に限られているため、場合によっては自爆待ち確定の長期戦となりやすい。
      • 極めつけにここのボス前復活は上級者でも運が絡むほどの難関である。最初からやり直したほうが早い場合も。
  • 6面:細胞
    • うごめく地形を進む過去作の有機物面を総集したようなステージ。この面は地形砲台や移動砲台も沙羅曼蛇1面と同じ面々となる。 空中戦の曲から切り替わっても中型の触手雑魚「ゴール」と空中でしばらく戦闘が続くのが初代5面を彷彿とさせる。 狭い地形を中型敵が塞いでいる展開が多く、オプションを前に伸ばしての先手必勝が求められる。逆にそこを対策できるようになると楽な展開になる為、慣れると休息面と呼ばれる事も。後半はクセのある仕様の復活細胞壁地帯、中途半端に掘ると再生の周期がめちゃくちゃになってしまうので慣れないうちは掘ったばかりの壁がいきなり再生して壁に埋まってしまうことも。
    • ボスの脳みそ「グレゴール」は、3WAY弾やツメパンチを放ってくるが、激しい処理落ちによって攻撃は簡単に回避可能。
  • 7面:溶岩
    • 撃つと細かく分裂していくが、消せない溶岩弾が高速で大量に飛んでくるという、熱い展開と背景に熱いBGM、そして熱い難易度を揃えた熱苦しいステージ。
      画面上には大量の溶岩弾がひしめき、かなりの割合を処理落ち状態で進むことになる。溶岩弾は1発当たると小さい弾に3分割されるが、大→中→小という具合に分離するため弾の数がすごいことになる。しかも溶岩弾は一番小さいものに分離させても破壊不可でバリアの類で相殺もできず、接触すると一瞬で剥ぎ取られて最悪ミスになる。
      • なお、リップルレーザーは存在判定が小さく溶岩弾をすり抜けるように飛ぶ。また大量の弾が発生すると、キャラオーバーが起こり弾が消滅する。
      • 溶岩弾はパターンで発射されており毎回固定である。
      • また溶岩弾は地形は貫通しないが、地形を貫通する雑魚敵がいるため特に復活時は地形で溶岩弾をやり過ごしてもすり抜けた雑魚敵と激突死・・・なんてことが起こりがち。
    • ボスの「ワイバーン」はかなりゆるく追尾する炎を吐きつつ、画面を素早く動き回る。羽ばたいた翼の当たり判定は通称「風圧」と呼ばれたりする程大きめ。胸の弱点にダメージを与えると第2形態「バルチャードドラゴン」に変わり8方向に拡散する小さな火炎弾等を吐き出すようになる。
      • 裏技として、バルチャードドラゴンは「!」装備の「メガクラッシュ」を使うと瞬殺可能。
  • 8面:植物
    • ところどころ地形が複雑でハッチの配置も嫌らしいが、後半のステージにしては道中の難易度は控えめ。ビオランテは触ると引き寄せて地形にぶつけようとしてくるので注意。
      • 難易度が控えめなのは、開発中はこの面が2面だったため。そのため、後半面にもかかわらずデモプレイではこの面が流れている。
    • ボスの「ブロッティングウィード」は、自機を吸い寄せながら触手から弾を撃ってくる。たとえ5速であろうと構わず吸い込まれるので、カラクリを知らないと戸惑うこと間違い無しのボス。ミスをしてしまった場合は倒すのが困難なので自爆待ちとなる。
  • 9面:クリスタル
    • 本作を語る上で絶対に外せない凶悪ステージ。道中はキューブが地形を形成していくという複雑なものだが、6面・8面に次いで敵の攻勢はゆるく短めである。
    • 問題となるのはボス前に待ち構える通称「キューブラッシュ」にある。道中の要塞を抜けると破壊不可能の立方体(当たれば一発アウト)が前方から99個飛来するので、それを全て回避すればボス出現というもの。
      このキューブは飛来中に突然自機を目掛けて高速で飛んでくる物がかなり混ざっており、更に後方の地形や他のキューブにくっついて堆積していく、基本的に後半ほど回避が困難になっていく。
      • 問題はキューブの出現パターンにランダム要素が絡むということ。
        キューブがどこで曲がり始めるかは出現する順番で決まっているものの、「キューブを誘導して壁を作らせる」というパターンをしようにも最終的にはどうしても運が絡んでしまいやすい
      • 出現場所のランダム要素から「1周目におけるグラディウスIIIの最難関」とされているが、今では研究に研究が重ねられパターンはほぼ確立されている。ちなみに開発スタッフによれば安地は想定外だったらしい。留意しておくべきことは解明にかかかった時間は数か月なんてものではなく、熱意ある熟練プレイヤーが年単位の時間 とプレー料金 をかけて確立されたものということを忘れてはならない。
      • よしんばキューブを積み上げて壁が出来上がっても、自機前方に空間がなければリザードコア出現前のダメ押しのスクロールに潰されてしまう。また稀に積みあがったキューブを突き抜けて飛んでくる事がある為、最後まで全く油断が出来ない。
    • キューブラッシュを突破するとボス「リザードコア」が出現。正面と腕からレーザーを発射し、また画面右側に接近するとボス本体から上下のレーザーが発射され、腕がレーザーを打たなくなる間合いを見切らねば勝つのは厳しい強敵。
    • ここまで中間ポイントは一切なし、キューブラッシュだろうがボス戦だろうが死ぬと最初からやり直し。一見容赦のない仕打ちだが、特に高次周では事実上最後の復活ポイントとなっており、次のステージの兼ね合いから中間ポイントがあったら逆にクリア不可能になっていたとも言われている。
  • 10面:ボスラッシュ&要塞
    • 最終面に相応しく、ギミックはてんこ盛り、そして難しく、超長い。
    • ステージが始まるとおなじみボスラッシュ。ボスラッシュといえば前座のザブラッシュだが、本作では「デモス」という赤く手強い雑魚が最初に9機だけで、復活に余裕が全くない。
      • ボスは6機現れるが、その大半は原作より弱体化調整されている。強化されている4番手の「クリスタルコア」と、大トリの「デリンジャーコア」戦が難関。
    • ボスを全機倒すと穴から降下していき、いよいよ要塞に突入。しかしこの時点ではまだチェックポイントはない。
      • 全体を通して地形は前作以上に複雑な上、ハッチはことごとく正面から撃てないくぼみの中に満載されている。それでも早々に始末しないと雑魚が弾を垂れ流して詰む。上側のくぼみへは「バーティカル」「フリーウェイ」が有利になる。
      • 剥がれる壁、細い通路の中で陣取り破壊すると残骸となり地形を塞ぐ「ガーメイド」、迫り出して道を塞ぎまくる壁や小さくなったクラブ、回転レーザー地帯の順に進んでいく。 回転レーザー地帯は処理落ちさせるタイミングを誤ると突破不可能になる理不尽ポイント。
        かといって処理落ち無しだとレーザーギリギリや壁ギリギリまで移動する精密動作が必要になるレベルなので、「どこでショットを撃って処理落ちさせるか」までパターン化する必要がある。
    • 中ボスの壁コア「ディスラプト」を倒すと、多足歩行して行く手を遮る「シャドーギア」と対峙することになる。基本的にこいつを倒すことは出来ず、上下にあるくぼみを使ってかわしていくのが本来の攻略なのだが、見た目より当たり判定がかなりズレているなど、バグの温床であることで有名。
    • シャドーギアを抜けた後、肉団子「デプト」地帯に入って最後のチェックポイント。デプトは6面にも登場した復活細胞壁の間をセットで上下しており、破壊不能、ついでに当たり判定が見た目以上に拡大縮小を繰り返している。デプトの間を抜けつつ、細胞壁を撃ち先に進んでいく。
      • ここも大概の難所だが、たどり着けばエンディングまであと少し。
    • デプトを抜ければようやくラスボス「バクテリアン」が現れる。前の3作品のラスボスと違って攻撃してくるのだが、この中に触れると隠しステージである『グラディウス』または『沙羅曼蛇』の1面にワープする弾がある。
      • バクテリアンを倒すと『沙羅曼蛇』の様にスクロールスピードが加速し、高速迷路を脱出する展開に。この高速迷路、2速だと突破ギリギリで3速ないとつらい。最後の難関であり死ぬと肉団子地帯から。
  • 脱出迷路を抜ければついにエンディング。それまでの苦労もあって感慨深い。
    • なお、1周に必要とする時間は大体45分~1時間程度であり、無茶苦茶な長丁場である。
  • 高次周
    • スタッフロール後は2周目が始まる*4。シリーズでも珍しく装備は前の周からそのまま持ち越しなのだが… 高次周はカプセルが極端に少なく復活が絶望的 なため、10面を隠しステージ送りにされることなくノーミスで突破できなければ2周目への参加権利は与えられない。
    • 2周目以降は一部ステージの内容が変更され、シリーズ伝統の打ち返し弾が追加。それにより泡ステージの道中とモアイステージのボス「ヴァイフ」戦が最難関になる。
      • 2-1の時点で1-1に比べて地形や敵配置が大幅に変更され、かなり過激な攻勢をかけてくるうえ、前半で出るカプセルは序盤空中戦の1個だけという非常に塩辛い展開に。
      • 2-2の泡ステージでは泡も打ち返ししてくるため、上級者すら運が悪いとミスしてしまうほど。さらに3周目以降は泡自体が非常に高速化し、なるべくうまく左にやり過ごすのが重要になってくるが、楽に抜けられる場合もあればどうにもならない場合もあるため、周回を目指すにあたって一番安定しない面となる。
      • 2-5はボスの「ヴァイフ」が吐き出す「グローム」自体の速度が高速化、そして「グローム」を倒すと打ち返し弾が出まくり状態とシリーズ最狂のボスになっており、3周目以降のヴァイフはもはや語り草である。高次周ではヴァイフでミスしてしまうとそこでゲームオーバーが限りなく濃厚となる。
      • 9面の復活も雑魚の動きがかなり速くなる上に、倒したら至近距離で撃ち返しをばら撒いて来るため、カプセル回収が非常に厳しくなる。9面は何周目であろうと復活こそ確立はされているが、難易度はどんどん上がってゆく。
      • ランクの上昇は装備の状況で変わってくるが、4周目の途中から装備無しでも天井に達し、打ち止めとなる。
  • 余談
    • 隠しステージの『グラディウス』もしくは『沙羅曼蛇』ステージが終了すると要塞ステージの肉団子地帯に戻されるので、これを利用すればステージ攻略→ラスボス前→グラ面or沙羅曼蛇面→再びステージ攻略→ラスボス前…という永久パターンが理論上は成立する。
    • この永久パターンで雑誌上でのスコア集計は最終進行面での募集に切り替えられていたが…。
      • 隠しステージに出入りすると装備が外されるのは永久パターンを防止するためではないかと考えられる。
  • 上記のようなあまりの鬼畜難易度故に、本作品はクリア自体がやり込みだと言われている。今は亡きゲーメストの特集記事によると、エンディングに到達した瞬間に感極まって号泣したプレイヤーまでいたとか。
  • 全体を通してパワーアップカプセルの出る個数が少なく、全ての装備が揃うのは最も早くて3面前半。特に一度やられた後の復活時は2個程度という少なさ。
    • そのため、エクステンド初期設定である「1回目2万、2回目以降7万」とエクステンドはし易いにもかかわらず、復活パターンの構築・実行が極めて困難で、下手な場所でミスするとそこで実質ゲームオーバー確定という状態に。
      • 場所ごとに復活難易度の格差が激しく、全ての場所で復活が困難という訳ではないが、5面最終復活の「ボスまでに出現するカプセル2個&ボスは自爆待ち以外に対処方法無し」辺りは流石に擁護が難しい。
  • 処理落ちの激しさもグラIIIの大きな特徴であり、大量の敵が現れたときはおろか、一部の場面ではフルパワーアップでショットを撃っただけで処理落ちが発生するほど。
    • ただし、この処理落ちのおかげで激しい弾幕の中でも弾避けがしやすくなっているため、処理落ちの多さは必ずしもマイナスというわけではない。
    • 処理落ちは本当に処理落ちしている訳ではなく、一定の物量が出るとスクロールと各キャラにスローを掛けるという疑似的な処理。要塞面の回転レーザー地帯で処理落ちさせるとタイミングが変わるのは、地形扱いの回転レーザーのみこのスローが働かない仕様のためである。後述のPS2版では処理落ちがかかり始めるタイミングをAC風、緩和、ノーウェイトと調整可能。緩和はともかくノーウェイトは溶岩面と要塞面が地獄絵図となる。
  • タイプセレクトは4種類あるが、ある程度は攻略法が共通していた「II」と違い、エディットを含め装備ごとに攻略法が全く異なるよう「尖った」特徴づけがされているので、格闘ゲームのように「他機体も試して特徴を調べる」みたいなプレイをすると、今まで進めていた地点が途端にどん詰まりになってしまう。あえて言えばAとDが似ている程度。
  • エディットモードで選べる武器に癖が強いものが多く、慣れない内は武器選択の幅が狭い。
    • 付け加えておくとあくまで癖が強いだけであり、例えばスネークオプションは地形を無視してオプションを飛ばす事が出来るのでノーマルオプションでは不可能な陣形を組める等、単純な下位互換に陥る武器は実はほとんどない。
      • ちなみに、「天井ハッチの数が多い2周目以降の3面対処が楽」「一部のダブルでしか撃てない左上のヴァイフを撃てる」「ダブルなしでどの面も攻略可能」…なアッパーミサイルが最強と唱える上級者もいたりする。
    • ロケテストでは通常装備のミサイルが選べた等、発売されたバージョンとは差異がある。
  • 本作のオプションハンターは3種類存在する。動きが蛇行するものとしないもの、奪われた後にショットで倒して取り戻せるか倒せないか等。なお、3種類共通してメガクラッシュで倒す事が可能
    • 本作ではオプションを1個でも装備していると出現する。そのため「オプションを3個以内に抑えて出現を阻止する」戦術はほぼ使えなくなっている。オプションの数に応じて次の出現までの時間が変わるので、前作のように1つだけ奪わせて出現位置の調整といった事は可能。9面復活後にオプション3つに抑え10面ボスラッシュをしのぎ要塞地帯に突入するのはその最たる例、最速で4つにすると回転レーザー地帯で痛い目に遭う。
  • この高い難易度に苦しめられたシューターは数知れず、問題点として認識される事もしばしばある。
    • 一方で、高い難易度はある種のカリスマ性を持ち、本作に魅入られた熟練シューターからの支持は非常に高い。
      • 本作のクリアを目標とするシューターも未だ多く、本作をクリアできる事は高い腕前を示すステータスとなっている。
      • 初心者お断りな難易度であるが、1周ならプレイヤーにアドリブが求められる部分は少なくパターン性が強いため、やり込めばクリア自体は十分に可能な部類にギリギリ留まっている。
    • 稼働当初から判明した超難度・更に無敵バグ・毛色が違う次回作パロディウスだ!が連コを続ければエンディングまで行ける出来という状況から、稼働後1~2年ほどで撤去が進み設置店自体が少なく、挑戦しようにも資料が当時のゲーメストのバックナンバー数冊やキングレコードの攻略ビデオしか無く、自力で数々の奇妙な仕様を解明しエンディングを目指すのはハードルが高すぎた。
    • 約10年後・忠実移植のPS2版が登場し、ネットで個人レベルの攻略記事も調べられる時代となり、ようやく日の目を見る事になった。

問題点

詐欺判定

本作の当たり判定は普通のシューティングゲーム同様全て四角形・長方形での設定とそれの組み合わせで構成されているが、設定の仕方が大雑把で見た目より当たり判定が大きくなっていたりする事が多い。

  • 当たり判定を四角形で構成するのは別に珍しい事ではなく、これは今も昔も変わらない。
    • ただ通常は複数の四角形で見た目通りの当たり判定を構築するのに対し、本作の多くの敵の当たり判定は単一の四角形のみで、それもかなりテキトーに構築されているのである。「見た目通り」どころか明らかに空白地帯にはみ出している。STGとしては致命的と言わざるを得ない。
  • 2面の中サイズの泡、10面に出てくるザブ等は見た目よりも当たり判定が大きく設定されており、これらは接触判定が厳しい敵として知られ、攻略サイトでも「それらの敵にはなるべく近づかないこと」と言われている。
    • ビッグコアMk-III、リザードコア、デリンジャーコアの放ってくるパルスレーザーも、見た目よりかなり判定が大きい。見た目より(特に前後方向に対し)軽く倍近く~それ以上あると見られる。
  • また、上記の様な当たり判定が大きい敵とは別に、泡面ボスのバブルアイの中でいきなりミスったように見える(弱点のどんどんへこませる部分は跳ね回る泡が見えない為)、モアイステージ中ボス、ドガスの後ろ(最後のトーテムモアイが右向きかつ口が3体開いている状態で弾を撃ち続けているのが条件)、ボスのヴァイフの吐き出すグローム、クリスタルコアの触手から放たれる弾、要塞ステージの剥がれる壁地帯の上方向、「沙羅曼蛇」ステージのシャープクロッサー等、見た目と判定が違っていたりズレている敵も存在する。それらはインターネット黎明期にグラディウスIIIの攻略記事を載せていたサイトの記述に倣い「詐欺判定」と称されていた。
  • その最たる例が10面の後半に出てくる「シャドーギア」。シャドーギアには当たっていないはずなのに何もない空間で自機が潰されたり、退避空間の窪みにまで当たり判定が伸びてくる、逆に、地面に突き刺さっている脚部分が時にすり抜けられる等、見た目の動きと実際の当たり判定がかなりズレている。
    • PS2版の当たり判定表示モードで確認すると「脚の動きと当たり判定が全くもって連動していない」という、なぜデバッグで発見できなかったのかというレベルのズレっぷりがわかる。
    • 極稀にではあるが、ギアの歩行タイミングが若干ずれて足が斜めになっているときに出現したり、最悪グラフィックがボキボキに崩壊した状態で滑るように出現し、自機がどこにいようが強制的にミスになってしまう致命的なバグが存在する。
      有志の検証により、この時シャドーギアの当たり判定がほぼ画面全体に広がる異常な崩れ方をしていることが判明している。
  • それ以外にも砂漠ステージで特定の地形に当たってもミスにならなかったり*5、中でもステージクリア時に「何もない画面で突然死ぬ*6」のは有名で、アーケードアーカイブス版のこだわり設定でこの現象の再現のON/OFFが設定できる「突然死の再現」というインパクトある項目がある程*7
    + 詳しくはこちら
  • PS2版の当たり判定表示モード。スプライトのみで地形判定は表示されないので注意。
  • トラップ等の要素や当たり判定の特殊さと並び、本作の難易度をむやみに高めてしまっている一因である。
  • 一方で、ボスラッシュに登場する「カバードコア」はカバーに判定がないという真逆の意味の判定詐欺となっている。プレイヤーからも通称「オープンドコア」「ガバガバードコア」などと言われる始末。

バグ

  • 筐体に影響する様なバグ自体はないものの、当たり判定の問題以外にもゲームバランスを崩しかねないバグが存在する。
  • バランスを崩しかねないバグとは、「自機がプレイ中ずっと無敵になる」というもの。
    • 一応、無敵バグは地形に当たるとミスになるのだが、本作は地形に対しての衝突ミス自体は起きにくいため、事実上、地形に対しての弱点も問題ない状態になってしまっている。実際、店舗では使用禁止を明示するようになり使用した者は発覚した時点で追い出され、悪質な場合は出入り禁止になることもあった。
      • 隠しステージに入ると無敵は解除されてしまう。そのためやはり鬼畜難易度になる。
    • この無敵技によって雑誌上で行われたスコア集計・面数集計は全て打ち切りとなった。一応ビギナーモードのスコア集計は続行されたが、やはり3面までは短すぎたのかさほど申請が無かった模様。最終的には実力永パが発覚して集計打ち切りになっている。
  • その他のバグ
    • 「残機が9機以上から8機以下になるようにリメインオプション(残機を消費してオプションを一気に装備するパワーアップ)を使うと、逆に残機が2~5機増加する*8
    • 「植物ステージのデモ画面であるタイミングでスタートすると1ステージの砂漠ステージの背景が植物ステージのものになる」
    • 「ステージ4の3D移動面でステージを抜ける瞬間やステージの特定のタイミングでメガクラッシュを使用すると画面が白くなる」
    • 「スネークオプションを1個以上装備した状態で1周目をクリアすると装備していた個数分が2周目開始時に消滅して使えなくなる(実際は「画面外にいるため見えないだけで装備はしている」という状態*9)。
    • 「スネークオプションをショットで倒せるオプションハンターに食べさせてから倒して取り返すと普通のオプションになる」
    • 「10ステージ後半の回転レーザーは処理落ちされるとズレて進行不可能になる」
  • 一部ロケーションで入替えられた修正版では、無敵や残機増殖等のバグは修正されたが、詐欺判定等のプレイヤーに不利になる点はそのまま残されていた。
    コインを入れた時に「PLEASE DEPOSIT COIN」表記なのが初期版、「PRESS START 1PLAYER ONLY」と表示されるのが修正版である。
    • また、これらのバグとは他に 高次周1面で突然リセットがかかる現象 も幾つか報告されている*10
  • ゲームオーバー直後、タイトル画面からハイスコア画面に切り替わる際とあるタイミングでコインを投入すると、ハイスコア画面にクレジットが増えた段階で固まり、直後にRAM ROM CHECKへのリセットがかかる。
  • 稼働から20年経って発覚したシャドーギア破壊バグ
    • こちらは進行が不可能になるとかゲーム性に著しい影響があるとかではなく、そもそもの前提が難関中の難関であり、その過程でマニアックな下準備をせねばならないため、お遊び要素の範疇として扱われている。
      + 詳細
    • 発現条件は2つあり、「要塞ステージ開始時のゲート直前でオプションハンターを出すこと」「ゲートを破壊せず進むこと」の両方を満たすと確認される。またゲート出現前にザコを倒してはいけない、らしい。というのは、現在はボスラッシュ後ゲート前までにカプセルザコを2匹出現させる方法が発見されているため。
      • 1つ目はオプハンの周期調整が必要であるため、この時点で仕様の理解度が一定以上要求される。そして理解しても「キューブラッシュの1発抜けが必須」という壁がそびえ立つ。
      • 2つ目は無敵バグを使うかフォースフィールドの無敵リミット抜け*11を使うかのどちらか。現行機で行うのであれば座標を合わせたリミット抜けが比較的簡単(そこまで簡単でもないが)である。
      • フォースフィールドと3速を持っていても、適当な位置で突っ込んだだけではゲートが破壊されてしまう。FFで地面ギリギリを通り地形判定でFFが削れている間はキャラクター判定のゲートにダメージが入らないのを利用して、その高さで突っ込む事が要求される。
    • なぜ破壊できるのか?
      • 破壊可能のオブジェクトはそれぞれのメモリ領域で管理されているのだが、破壊できるオブジェクト直前でオプハンが出現することにより破壊できるオブジェクトのアドレスはそのままに、メモリ番号のみがズレてしまいゲート→シャドーギア(ただし中身はゲート)になることで起きてしまう現象。
      • ゲートの破壊判定は「下判定が8ダメージを受けることで自身もダメージを負い、上判定も同時に破壊される」という性質で、メモリズレが起きたことによりシャドーギアにゲートの破壊性質が適用され後方部分(ゲートの下判定)に8ダメージ与えることでシャドーギア前半部分(ゲートの上判定)も同時に壊れ、結果オブジェクトが破壊されたと見なされあたかもシャドーギアを破壊できたようにみえたというわけだ。
      • また以降もこのズレが適用されるため、シャドーギアを破壊可能にするとその次の細胞の塊や砲台も消滅させる。ただしステージクリア、SPステージなど一度アドレスがリセットされる区間を跨ぐと正常な値に戻る。
      • 上述したシャドーギアの見た目がバグり当たり判定が全画面になるという不具合も、原理的にはこのバグの延長線上で起こっている模様。

その他の問題点

  • 使用基板側の容量の都合なのか、使用されているボイスの量は前作と比較して減少傾向になっている。
    • 前作は自機の全ての装備にボイスが割り当てられていたが、本作では基本装備であるタイプAとバリア類の計7種類しか無くなり、ミサイル未装備時にボタンを押すと発する隠しボイスも削除。
      • オプションをパワーアップした際、画面上の表記がオプションであるにもかかわらず、何故かマルチプル*12と発音する。
    • 一方、ステージ関連ではボス出現時の「Destroy the ◯◯!」シリーズこそ豊富になったものの、何故か9面以降は隠しステージを除いてこのボイスが一切流れなくなり、ボスの出現が唐突に感じる事もある。シリーズのお約束であるゲームスタート時の「Destroy them All!」は残留しているのは救いか。
    • 極めつけに敵側も、ラスボスのバクテリアンの辞世の句及び断末魔を除いて一切喋らない仕様に変更された。

総評

魅力のある作品なのは確かなのだが、あまりにも高い難易度により賛否両論の作品になった。
90年代以降に多くなってきた2周エンドのSTG作品の難易度は1周目は控え目、2周目はかなりの高難度と言う内容が多いのだが、本作はそれらの作品と比べても1周目の時点で群を抜いており、その難易度は現在でも最高クラスと言われるほどのものとなっている。
とはいえ、「難しいほど挑戦したくなる」というコアゲーマーの性分を刺激し、本作はその高難度にめげず何度も挑戦する挑戦者が後を立たず、結果として魅入られたファンも多い。

良くも悪くも、著名シリーズの中の1作として、その難易度の高さによって大きな印象を残した作品といえよう。


その後の展開

  • 翌年にSFCで『グラディウスIII』が発売された。サブタイトルは付かない。
    • ほぼ全てを新規に作り直したアレンジ移植となっている。
    • 開発ノウハウが揃っていないSFCロンチタイトルという事もあり、処理落ちやちらつきが目立つ。しかしゲームバランスに関しては大幅に見直されて遊びやすくなっており、初心者でも遊べるようにした点は大きな評価点と言え、確固たる良作に仕上がっている。
  • その後、発売から10年以上の時を経た2000年になって、PS2で『グラディウスIII&IV -復活の神話-』としてほぼ完全な形で移植されている。
    • こちらはAC版のEASYやNORMALに加え、SFCより少し高めくらいのEASIESTやVERY EASYなどの手軽にプレイできるようにした低難易度が新設され、また入門モードを選ばなければEASIESTでも最終面までプレイ可能となっている(2周目以降はEASY以上のみ)。
    • また本作で登場した装備が全て選べる『エクストラエディット』*13ではSFC版に登場した独自装備も条件付きで*14選べ、サウンドモードではアーケード版開発当時にボツになった曲が聴けるようになり、ポーズを掛けると敵の当たり判定部分が表示できるモードも用意されている*15
    • 本編では上記の通処理落ちのレベルが3段階に可変出来るようになった、さらに各種仕様も一部バグを除いてほぼ移植されており、難易度NORMAL以上で上記の詐欺判定が再現できる等、こちらは初心者からマニアまで楽しめる内容となっている。
    • 細かい所ではステージセレクトが(到達した範囲までの)復活ポイント単位で可能な他、アナログスティックでの操作時は自機の移動をAC版の8方向以上に細かく行える。
    • 一方でAC・SFCに存在しなかった操作遅延の面では評価が分かれている。
  • また、『グラディウス ポータブル』としてPSPに再移植されている。
    • セーブ&ロード機能でパターンの構築やリトライをしやすくなっているが、移植度はPS2版より劣っている。
  • 2020年12月24日にNintendo Switch/プレイステーション4の『アーケードアーカイブス』で配信された。
    • 本作で『アーケードアーカイブス』シリーズはNintendo Switchでの最初の配信から200週連続配信記録を達成した。
      その記念版として国内OLD、国内NEW、アジア版の3バージョンを収録。ハイスコアモード、キャラバンモードといったお馴染みの要素に加えて、ステージセレクト機能、自機の当たり判定縮小、当たり判定表示ボタン、フル装備ボタンが搭載されたカスタムモードを実装。更にオプション内のこだわり設定では敵の当たり判定、処理落ち、リセットがかかるもの以外の各種バグや細かい仕様の再現切り替えが可能等、非常に豪華な仕様となっている*16
      本作以降『こだわり設定』という項目で、バグの修正等、オリジナル版にはなかった要素のOn/Off切り替えが可能な作品が増えている。

余談

  • 当時はシリーズ完結編として製作されていた。ストーリー上に「最後の攻撃」の記述があったり、シリーズ作で度々名前が挙げられていたバクテリアンがラスボスとして登場するのはそのためである。
    • バグを抜きにしても熾烈な難易度や1周全10面の大ボリュームになったのはこの辺の事情もあると思われる。
  • 第4回ゲーメスト大賞では大賞3位やベストシューティング賞3位を受賞し、今日でもYouTubeやニコニコ動画には1周クリアを目指すプレイ動画や上級者による高次周プレイ動画等が投稿されている。
    • 無敵技が発見される前に行われていたスコア集計の最終進行面の最高は、3周目の5ステージである。
  • 本作はシリーズタイトルが全世界で『グラディウス』に統一された作品でもある。
    • ちなみに本作以前に海外で『グラディウス』のタイトルが使用されていた作品は、ファミコン版初代をアーケードに逆移植した『VSグラディウス』のみ。
      『グラディウスII』の海外版タイトルは『VULCAN VENTURE』に変更されており、その事もあってか海外では『II』だけナンバリングの抜けた妙なシリーズになってしまっている。
      • この関係からか、国内版のオープニングデモは『ライフフォース』を除いたシリーズ作の歴史をイメージグラフィックと共に辿っていくというものに対して、海外版では本作のイメージグラフィックがいきなり表示される。
        BGMやタイトルが表示されるタイミングは国内版から変化がなく、その分長時間表示されつづけるのでどこかシュールかもしれない。
    • 本作の海外版は国内版にあったモード選択が廃止されているが、ミス後のパワーダウンが国内版のビギナーモード準拠になっていたり、1面、2面の難易度が再調整されたりと国内版よりも若干遊びやすくなっている。
      ただし、『ネメシス』『VSグラディウス』『VULCAN VENTURE』にあったゲームオーバー後のコンティニュー機能は搭載されていない。
      • 国内版にあったサブタイトルは海外版では無くなっている。
  • 本作の当たり判定やバグについて詳しくは個人サイト「グラIII研究室(仮)」にて公開されている。
+ タグ編集
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  • 1989年
  • AC
  • STG
  • 横シューティング
  • コナミ
  • グラディウス

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最終更新:2024年03月29日 18:14

*1 『III』なのに4作目なのは沙羅曼蛇を含んでいるため

*2 キャラクター判定に対してはフォースフィールドを纏っている間は無敵だが、地形接触に対しては無敵ではなくなり、フォースフィールドを纏ったままミスになる。

*3 なお、ゲーム音楽史上初のオリコン入りはナムコの「ビデオ・ゲーム・ミュージック」LP盤(19位)である。

*4 2周目以降はエンディングがカットされ、10面クリアと同時に次の周回の1面が始まる。

*5 1面の地形は影の部分には判定が無いので潜ることが可能で、周回時にサンドライオンが隠れているので意図的な可能性がある。

*6 クリア後に画面が一瞬ちらつくが、このタイミングで地形の当たり判定が一瞬現れる模様。地形なのでフォースフィールドでも防げない。

*7 PS2、PSP版では発生しない。

*8 このゲームの残機は普段、疑似的な10進数で管理されているがリメイン使用時は16進数での計算が適用される事が原因と言われている

*9 回避策は1周目クリア直前までにオプションハンターにオプションをすべて没収させる。

*10 2周目以降の1面自体がキャラクター使用数が非常に多い為、リセット以外にも敵のグラフィックがおかしな事になっている事が散見される。

*11 グラディウス外伝に登場する一定時間無敵の装備「リミット」が名前の由来である裏技。

*12 シリーズ海外版におけるオプションの名称

*13 オプションの設定を変更しても構わないので1周クリアすれば解禁される。

*14 エクストラエディットモードで1周クリアすれば装備が追加される。

*15 HI-SCORE TRYモードを1周クリアすればポース画面で当たり判定のON/OFFを切り替え可能になる。このモードでは難易度、残機数、エクステンドの設定が初期設定で固定されており、コナミコマンドは一切使用できないので解禁するのは非常に難しい。

*16 元々、本シリーズは「可能な限りアーケード版そのままの仕様を再現すること」をコンセプトに開発されているため、本来のゲーム性を変えかねない仕様切り替えやステージセレクトといった追加機能は原則的に搭載されない。