ドラゴンボール 神龍の謎

【どらごんぼーる しぇんろんのなぞ】

ジャンル アクション
対応機種 ファミリーコンピュータ
メディア 1.25MbitROMカートリッジ
発売元 バンダイ
開発元 トーセ
発売日 1986年11月27日
価格 4,500円(税抜)
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント ライフ回復が運ゲー
やたら強いヤムチャと兎人参化
途中から原作完全無視
ドラゴンボールゲームリンク


概要

もはや知らない人の方が少ないであろう超有名マンガ『ドラゴンボール』を題材にしたアクションゲーム。

特徴

  • 基本はトップビュー画面のアクションゲーム「大移動的遊戯場面」。
    • 所々にアイテムが置かれている隠し部屋「神隠的秘密場面」がある。
    • ボス戦など、一部のステージはサイドビューのアクション「大活劇的格闘場面」になる。
    • ステージ間にはビジュアルシーンである「漫画的会話場面」が発生する。
  • 十字キーで移動、ボタンで攻撃とジャンプ
    • アイテムを取る事によりリーチの長い如意棒攻撃や、飛び道具であるかめはめ波(回数制限付き)を放つ事も出来る。
  • ライフと制限時間が兼用
    • 画面左上に表示されている「POW」というのがそれで、時間経過とダメージで減少。0になるとゲームオーバー。
    • 最大値を増やす方法は特定ステージクリア時の神龍への願いのみ。
      • 願いの中の「パワーをUPする」を選ぶと体力上限が250になり、その際、最大値まで回復する。
  • 敵を倒すとホイポイカプセル(アイテムボックス)が出現することがある。
    • 中身は以下の通り。
      • 肉、ケーキといったPOW回復アイテム
      • 如意棒、からまん棒(一定時間棒で回転攻撃ができる)・かめはめ波を撃てるようになる甲羅・スーパーかめはめ波を撃てるようになる赤甲羅等の攻撃アイテム
      • 「?」マーク(得点アイテム)
      • コウモリ(敵キャラ、要するにハズレ)
      • 筋斗雲(ステージの先の方までワープ)
      • カプセルハウス(体力上限を上回る体力回復&貯まっているかめはめ波が全体化(パーフェクト)かめはめ波1発と交換になる)
      • ギャルのパンティ(移動速度上昇アイテム)
    • 敵を倒す以外に、隠し部屋にもホイポカプセルは配置されている。
  • ステージ構成は以下の通りで、後半はオリジナルとなる。
    • 第1部「孫悟空と仲間たち」(ステージ1~6):コミックスの1、2巻をなぞった流れ
    • 第2部「カンフー大会」(ステージ7~10):原作マッスルタワー編の敵を交えながらのカンフー大会編。舞台はクリリンの出身である多林寺(おおりんじ)。
    • 第3部「MB軍総攻撃」(ステージ11~14):全オリジナルで舞台は宇宙に。
      • 出現するボス敵は鳥山明氏が本作用に描き下ろしたもの。「宇宙一の殺し屋クリリアン」、インディアンのような格好をした「ジャングル王ビンボ」等。
  • セーブやパスワードによる中断機能はなし
    • コンティニューは可能だが、ステージ11以降でゲームオーバーになった場合、ステージ11からの再開となる。

問題点

ゲームバランスの問題

運要素の強すぎるライフ制

  • POW回復手段が一部の例外を除きランダムである為、雑魚が回復アイテムを落とすことを祈りながらとにかく急いでダメージを食らわないように進むしかない。
    • 一部の例外を除き確実にカプセルが配置されている隠し部屋は体力回復の面で非常に重要で、隠し部屋でありながら場所の把握はクリアに必須レベル。なのに、運が悪いとカプセルから敵が出てくる。
    • POWは時間経過でも減少するため、運悪く肉やケーキが出ない状態が続けばゲームオーバーは免れない
    • 11面は酸素がない宇宙ゆえにPOWの減り方が2倍になる。代わりにPOWが増える酸素ボンベが配置されているが焼け石に水。
    • 11面以降は敵がカプセルを落とす確率が非常に低くなる上に隠し部屋も少なくなる。
  • ボスも強敵や初見殺しが多い。
    • ステージ3のボスのヤムチャは「ジャンプキック→立ちパンチ→立ちキック」というコンボの形で「狼牙風風拳」を使ってくる。
      • 何故か立ちキックの後も少しの間攻撃判定が残っている事に留意する必要がある。さらに、この一連の攻撃はなかなかダメージが大きい。
    • ステージ5及びステージ11のボスは兎人参化。原作通り「触れた者が人参になる」敵のため、触れただけで一撃でゲームオーバーになる。
      • それを知らずにジャンプキックや如意棒なしでのパンチを出すと泣きを見る。
      • ただ、いずれも対決時に必ず如意棒が手に入るようになっているので事前に用意しないと詰む心配などはない。
    • ステージ7からのカンフー大会での対戦相手、クリリンとヤムチャはわかるが、あとの2人が、なぜかメタリック軍曹とブヨン。カンフーまるで関係無し。
      • ステージ10のボス、ブヨンは画面右上の壁を破壊して、冷気を引き込んで凍らせるという原作に準じた戦い方をしないと倒せない。ゲーム中には一切ヒントもない。
    • ラスボスは一番右端まで引っ込むと悟空の攻撃が何をやっても届かなくなるというまさかの安地持ち。
      • 一応かめはめ波さえあればなんとか撃破は可能だがラスボスは攻撃を30回当てないと勝てない上、悟空と一定以上距離があると絶対に回避不可なレーザー砲3連発を飛ばしてくる
  • このゲームバランスで終盤のコンティニューではステージ11まで戻されるのもきつい。
    • しかも道中の神龍への願いで体力の最大値を増やしていても、「POWの初期値が100、最大値150で11面の最初から」となるため、体力のきついこのゲームではかなりのデメリット。
    • さらにこのステージ11は、ボスが面倒な兎人参化。コンティニューする度にこいつを倒さなければならない。
  • 念のために書いておくが、上記のような難易度だが、クリア不可能なゲームではない。
    • 雑魚を限りなく無視し、ボス撃破もパターンさえ組めばそこまで難しいということはなくなる。

その他の問題点

  • ビジュアルが全体的に貧相。
    • ドラゴンボールが揃った時の『口パクと同じ周期で手足をバタバタさせて喜ぶブルマ』等は、当時のグラフィックの水準を考えても相当酷いレベルである。
    • 主人公の悟空は何故か常に半笑いを浮かべた気の抜けるグラフィック(しかも髪型がおかしい)。同じように半笑いのヤムチャと笑顔で殴りあう姿は不気味なものがある。
    • ラスボスに至っては、「先行者」を先取りしたかのような灰色のロボットである。
  • かめはめ波の仕様に難がある
    • 上位種を入手するとそれ以上の種類でしか弾数が増えなくなる。つまり赤甲羅を入手すると、以後、通常の甲羅では弾数が増えなくなる。超レアのカプセルハウスの場合、赤甲羅でも増えなくなる。
      • その為、うかつに強力な甲羅を入手すると、かめはめ波の弾数を増やしづらくなり、攻略が面倒になってしまう。
      • ただし入手の際には弾数を引き継げるので、通常のかめはめ波を10発撃てる状態で赤甲羅を入手すれば、スーパーかめはめ波の弾数は13になる。
    • また、強力な遠距離攻撃手段であるかめはめ波だが、ボス戦においては全ての攻撃が同一ダメージとして扱われる為、殴りにいける相手に対しては使う意味があまりなく、使いたい相手には弾数消費がつらい。
  • 神龍への願いがネタとトラップばかり
    • まずステージ6クリア時に有用なのは前述の「パワーをUPする」のみ。というか、ライフ上限を上げられるこれを選ばないと以降のプレイが非常にきつい。
      • 「みらいをみる」はステージ11以降のステージを見た後、ステージ11からスタートするワープ効果だが、体力上限を上げない状態で終盤ステージをやる破目になる。
      • 「タイトルのドラゴンをうごかす」はタイトルの神龍を動かすだけ、「ギャルのパンティーがほしい」は過去のステージ間イベントの使い回しでパンティを見るだけである。
    • 全ステージクリア時はクリア時のデータで1面から再スタートする「ゲームをつづける」以外は、選択肢によって多少違う会話シーンが出た後エンディングに突入するだけでほぼ変化はない。
      • 全ステージクリア時に上記の「タイトルのドラゴンをうごかす」を選べば神龍が動いているタイトル画面がエンディングの代わりになる・・・かもしれない。
  • 原作無視の展開
    • 発売時期的*1に仕方ない面ではあるが、違和感は強い。
      • 天下一武道会のようなカンフー大会に無理にレッドリボン軍のキャラがねじ込まれていたり、ドラゴンボールを求めてぬぁんと宇宙にいってしまったりと滅茶苦茶過ぎるオリジナルストーリーがよくツッコまれる。
        だが、後者の場合は後の原作漫画におけるフリーザ編の物語の動機や1996年のテレビアニメ『ドラゴンボールGT』の前半のシナリオが本作と同じ宇宙に散らばったドラゴンボールを探すという物で、ある意味では予言ではある。

評価点

  • アクションゲームとしての出来自体は比較的まとも。
    • ゲームバランスが大味という問題はあるが、敵を倒しアイテムを入手し進んでいくという基礎の基礎部分は当時の標準レベルの出来ではある。
    • 全方向スクロールのアクションに加え、一対一の対戦型格闘、障害物を回避してゴールを目指すアスレチック型アクションなど、当時としてはアクションは多彩であり、それらを一つのゲーム内で実現出来ていたという点に関しては評価出来る。

総評

ゲームバランスに大きな難があり、グラフィックもチープ、開発時期の関係で原作無視の無茶な展開が続く、と、キャラゲーの「悪いお手本」のようなゲームである。
とはいえアクションゲームの基礎部分がまともだった事もあってか、本作はミリオンヒットタイトル(125万本売れたらしい)であり、ジャンプ漫画が原作のファミコンソフトのうち、最も売れた作品である*2
おおらか(?)だった当時の家庭用ゲーム業界の状況と共に、並外れた原作人気の高さが伺える。


余談

  • 「神龍の謎」というタイトルについて
    • 神龍に会うことがこのゲームの大目的の1つとなっている。神龍の登場画面を写真に撮って送るとゲーム後半の攻略本になっている巻物を貰えるキャンペーンも行われていた。
    • とはいえ、これが大目的であるというような描写はゲーム中にない。また原作まで含めても、神龍そのものに謎があったり、それを追及するとかいった展開は特に見られない。そのため「いったい何が謎だったんだ?」と、多くのプレイヤーたちは首をひねった。
  • ファミコンでは『ドラゴンボール』を題材としたゲームが合計7作あるが、本作含め全ての開発がトーセ(プログラム、サウンド関連。大魔王復活以降デザイン等はD&D)である。
    • 後になって多少粗さはあるが出来のいい作品も出たため、初の『ドラゴンボール』作品となった本作で得た経験は無駄では無かったと言えるかも知れない。
  • 『ドラゴンボール改 サイヤ人来襲』では、一部の中ボス戦で本ソフトのBGMが流れる。
  • 『ドラゴンボールDS2 突撃!レッドリボン軍』では本作がおまけモードとして収録されるというサプライズが起こった。
    • こちらに収録されている本作では、ポーズ中にいわゆるカカロットコマンドを入れる事によって回数限定でライフが全快になるという裏技が追加された為に運ゲー要素が薄まっており、若干クリアしやすくなっている。