北斗の拳 凄絶十番勝負
【ほくとのけん せいぜつじゅうばんしょうぶ】
ジャンル
|
アクション
|
|
対応機種
|
ゲームボーイ
|
発売元
|
東映動画
|
開発元
|
ショウエイシステム コピアシステム
|
発売日
|
1989年12月22日
|
定価
|
3,500円(税別)
|
判定
|
ゲームバランスが不安定
|
ポイント
|
東映北斗にしては頑張っている方
|
北斗の拳シリーズリンク
|
概要
もはや知らない人の方が少ないであろう人気漫画&アニメ『北斗の拳』を題材にした格闘アクションゲーム。
特徴
プレイヤーはケンシロウ、ハート、シン、サウザー、ジャギ、ウイグル、ラオウ、ファルコ、ハン、ヒョウ、カイオウの11人の中から使用キャラクターを選び、残る10人を順番に撃破してクリアを目指す。同キャラ対戦はない。
十字ボタン+2ボタン(パンチ、キック)で操作。キャラによってはパンチボタンを押しっぱなしにすると、体力ゲージの下のゲージが溜まり、フルになってからボタンを離すと飛び道具を放つ。攻撃ボタンを連打すると連打技が出るキャラもいる。
勝つと経験値が入り、一定値溜まるとレベルが上がる。育てたキャラの能力値はパスワードで保存でき、育てたキャラを使って対戦プレイもできる。
問題点
-
ゲームバランスは酷い。
-
(東映&ショウエイシステムのゲーム全般に言える事だが、)接近攻撃の当たり判定がおかしい。本作でも拳や蹴りの当たり判定は先っぽにしか無く、非常に小さい。
-
ガードが存在しないのもきつく、一部のキャラは基本動作すらない。
-
ハートとウイグルはジャンプとしゃがみが出来ず、シン、ジャギ、サウザーは、Bボタンによる攻撃(キック)が無い。
-
こんなバランスなので、戦いは当たり判定がはっきりしている飛び道具の撃ち合いになりがちである。
-
ラオウ、ファルコ、ハン、ヒョウ、カイオウのオーラは縦2~3列に飛び、場合によっては2ヒットする。サウザーのオーラに至っては3方向に飛ぶので非常に強力。単発でしか飛び道具が無いケンシロウ、シン、ジャギは不利。
-
一応、ジャギは飛び道具である含み針のチャージが速いという利点はある。
-
上記のような問題からハート、ウイグルはとにかく強引に接近戦に持ち込むしか無く、まずクリアする事が厳しい。
-
性能はコンパチキャラが多い
-
やはりコマンド技も無い本作で、一度に11人のキャラを出すのには無理があったようでコンパチキャラだらけである。
-
シン、ジャギ、ファルコ、ハン、ラオウ、カイオウの攻撃手段はオーラも含めて基本的に同じ。それぞれシンとジャギ、ファルコとハン、ラオウとカイオウは行動パターン、思考ルーチンまで同じ。
-
一部の表記のおかしさ
-
経験値を貯めるとレベルが上がっていくが、その際「KENSHIRO IS LEVEL UP!」といった文法的におかしな表記がある。
評価点
-
ヒョウ、ハンが使える数少ない北斗ゲー。
-
ファルコとカイオウは『北斗の拳6 激闘伝承拳 覇王への道』にも登場したが、ヒョウとハンは後に『真・北斗無双』(有料DLC)が出るまで登場したのは本作だけだった。
-
またレイやトキといった人気キャラを差し置いてどういうわけかウイグル獄長がプレイアブルキャラに選出されているというのも希少価値があると言える。
-
BGMは「J-WALK」の知久光康氏が担当。数こそ少ないが、一種の中毒性がある曲もあるなど、出来は悪く無い。特にシン・ジャギ・サウザー戦のBGMは評判が良い。
-
ただしスタッフクレジットでは「J-WARK」と誤植されている。
-
グラフィックはGBとしては頑張っている。
-
各キャラ性能面は上記の通りコンパチが多いものの、グラフィックはそれなりに書きこまれており、GBソフトとしては十分よくできている方である。
-
とはいえ、GBの小さい画面で頭身高めのグラフィックである為、体形や装備品等の特徴がないキャラは見分けがつきにくい者もいるが。
-
背景も初期のゲームボーイソフトとしてはまずまず描きこまれている。
-
しかし、聖帝十字陵のグラフィックは異様に適当で、ヒョウステージの背景は巨大なタケノコが生えているようにしか見えない。
総評
レイ、トキといった主要キャラがいないなど人選に疑問は残るがキャラの多さやGBとしては頑張っているグラフィック、良好なBGM等、『北斗の拳』に思い入れがあれば「それなりには」楽しめる作品。
携帯機最初の北斗ゲーという事もあり、当時は「『北斗の拳』の色々なキャラクターが使える」という事で楽しんだ人も多かった。
とはいえ、かなり簡易的なゲームだけに性能的に不遇なキャラではクリアすら危うい、尖ったゲームバランスになってしまっている。
最終更新:2024年03月09日 17:27