1943改 ミッドウェイ海戦

【いちきゅうよんさんかい みっどうぇいかいせん】

ジャンル 縦シューティング
対応機種 アーケード
発売・開発元 カプコン
稼動開始日 1988年
プレイ人数 1~2人
判定 劣化ゲー
ポイント 前バージョンよりステージ数4割減少
不自然に強化されすぎたショットガン
いびつな難度の変化が最大の問題点
思い切ったメカデザイン変更と新規BGMは高評価
カプコン19シリーズ


概要

1987年にてアーケードにリリースされ、その新鮮なゲームシステムと完成度の高さにより人気を博した『19シリーズ』の二作目『1943 ミッドウェイ海戦』(以下「無印」)。
本作はその一年後にリリースされた別バージョンにあたり、あらゆる面で無印とは似て非なるパラレルワールドが展開される。
自機がシリーズの顔とも言える「P-38 ライトニング」から変更された事を筆頭に、艦船を除くメカデザインが一新されているのが最も目立つ変更点。
無印は、いかに効率のいいアイテム回収をし、その場に見合ったショットを使いこなすかが攻略の鍵であり、当時のシューティングの中でも戦略性を要するゲームとして多くのプレイヤーに親しまれてきた。
そのシステムを引き継いでリリースされた本作は確かに「改」の名をつけるに相応しいほど多くの変更点を伴ってはいたが、蓋を開けてみると無印より劣る部分や、あまりに尖りすぎた部分が生まれていた…。


メカデザイン変更について

少しでも史実の色を消そうとしたのか、多くのメカデザインが大幅に変更された。
この点は無印や本作のコンシューマ移植版において、艦船の名前が三国志の武将のものに変更されている事などからも伺える。

  • 自機デザインの大幅な変更
    • 自機は実在したアメリカ軍の双胴双発の戦闘機「P-38 ライトニング」ではなく、モデルと名称の明示されていない単発の複葉機に変更された。
      • 複葉機について概要を説明すると「非力なエンジンに適した主翼を持つ飛行機」であり、第二次世界大戦における戦闘機としては主流ではなかった。そのため史実らしい印象が大きく薄れる要因となっているが、この点はおそらくスタッフの狙い通りと思われる。
      • 複葉機ならではの特徴を活かして戦果を上げた機体や、純粋に高性能な複葉機が少数ながら実在していた点がポイント。兵器としての性能のみを考慮すれば、あながち荒唐無稽な選定とも言い切れない匙加減はとてもカプコンらしい。
  • 敵機デザインの大幅な変更
    • 艦船を除き、ほぼ全ての敵機はデザインや配色が変更された。
    • 特にカプコンオリジナルの「亜也虎」は、無印における日本軍の(幻の)爆撃機「富嶽」を思わせるデザインから大きく変更されている。

問題点

ステージ数の減少

  • 計10ステージ。無印の16ステージから約4割も縮小されてしまい、当然ながら無印プレイヤーからは不満の声が鳴り響いた。
  • 削除されたステージには「利根*1」、「蒼龍*2」、「飛龍*3」といった史実のミッドウェイ海戦で重要な役割を果たす艦が含まれている。
    • ただし、無印でも「利根」や「飛龍」はリサーチミスにより史実とは大きく見た目が異なていた。
    • 結果、エンディングで語られる4空母の内の2空母はいつの間にか撃沈された事になっており、「ミッドウェイ海戦」としては疑問が残る選定となっている。
    • 一方カプコンオリジナルの巨大空中ボス「亜也虎」がボスであるステージは3ステージ丸々残っている。「海上ボスと空中ボスの割合を均等に近くする」事で展開の変化を大きくする試みであった可能性もあるが、これもまた「ミッドウェイ海戦」というサブタイトルから考えると疑問が残る。
      • 同じくカプコンオリジナルの大型機編隊「大飛龍」がボスであるステージは、2ステージから1ステージに減少。元々ボーナスステージ的な意味合いであった上にプレイ上のシチュエーションに幅を持たせるという観点では、1ステージ残すのは妥当なところか。

雑な難易度調整

  • 無印から武器の性能が見直されたが、後述の敵の強化とも相まって、かえってゲームバランスが悪化している。なお無印の武器のうちマシンガン(オート連射)は削除された。
    • 3WAY:前と斜め3方向に弾を発射。
      • ボタンを押し続ける事でオート連射が働くようになるという、無印のマシンガンの性能を一部引き継いでいる。
      • しかし高耐久の敵が増えた本作では力不足。ほぼ別の武器を取るまでの繋ぎになった。
    • シェル:真っ直ぐに威力の高い弾を発射。
      • 威力が通常弾の3倍に増加(無印では2倍)。さらには弱点であった弾速と当り判定も改善され、使い易くなった…と思いきや、後述のレーザーと性能が被り、かつ圧倒的に劣るため、せっかく強化されたのに使う場面が皆無になった
      • レーザーより少しだけ早く手に入る事と、ボタンを連射しなくてもいい事以外に利点が見つからないガッカリ武器になってしまった。
    • レーザー:真っ直ぐに威力の高いレーザーを発射。
      • 無印では一部のステージでのみ使用できる隠し武器だったが、性能を調整されて標準装備となった。
      • しかし依然として威力、弾速、連射速度の全てが異常に高く、さらには最大で3段階*4まで強化される為、非常に強い。
      • その威力は適当に連射するだけでもボスを含め、ほぼ全ての敵があっという間に殲滅出来るほど。つまり、無印からあまり変わっていない。弾が消せない事と横からの攻撃に弱い事が弱点。
      • 反面、隠しアイテムの招き猫で得られるレーザーは無印のような超威力のレーザーではなく、少し威力が高い程度の物に収まった。しかもクリア後に没収される点もそのままなので、取るとかえって損をするようになってしまった。
    • ショットガン:敵弾をかき消す弾を扇形に発射。
      • 無印ではほとんど使えずに罠武器として敬遠されていたが、本作では超強化。敵弾をかき消す能力はそのままに、射程が画面の約半分を埋めるほどに増加し、連射も出来るようになった。
      • 一律、通常弾と同じだった威力は正面以外の弾が通常弾の2倍、正面に放つ一回り大きい弾に至っては3倍と強化され、火力不足も解消。このため、レーザー以外の武器の立場はほぼなくなってしまい、
        極端な話、ゲーム開始時直後からショットガンだけを取り続けていれば問題がないほど難易度が低くなってしまった。武器の使い分けという戦略性が消滅している。
      • このためショットガンを連射するだけで敵弾が消え、避ける必要も無く勝手に敵が破壊されるという状態に。無印では緻密なパターンを組み立てなければ攻略不可とも言われるほどの強敵だったラスボスとその護衛艦隊でさえ、非常にあっけなく撃沈できる。
      • この表現は誇張ではないものの、ゲーム内容や敵のパターンをある程度以上把握したプレイヤーの感想だと思われる。当然ながら雑魚のバックアタックには無力であるし、ボス敵(特に亜也虎と後半の戦艦各種)の弾と撃ち負けてダメージを受けることはあるので、その点は注意されたし。
      • 中盤以降、道中に敵との体当りでエネルギーを使っていて、ボス登場の寸前でエネルギーがほとんど無い時に、撃ち負けた1回の被弾でミスになると言うケースはある。

敵の強化

  • 敵の耐久力が上がっており、通常弾(or3WAY)ではまともに戦えないほど硬い為、必然的にレーザーかショットガンのみを使用する事になり、ゲーム展開が単調化した。
  • また、大型機のアルゴリズムが強化されており、特攻機の発射に加え、画面上に長時間残りショットガン以外では破壊できない炸裂弾を撃ってくる。
  • エネルギー全快アイテムである「弥七」の数が激減し、基本的にエネルギータンクに格下げされている。
    • この為、「亜也虎」ステージは、無印よりもかなり難易度が上がっている。
    • 最終面付近になるとこの調整は行われずに前作と同様のアイテム配置になる。
  • サイドファイターが敵の攻撃を耐えられなくなり、必ず一撃で破壊されてしまう。もっとも取得出来る回数は無印よりも多い
  • つまり簡単にしようとしたのか、難しくしようとしたのかがよくわからないチグハグな調整が施されており、
    攻略するだけならレーザー、ショットガンを使うだけでいいが、それ以外の武器で挑む場合は敵の強化により、無印よりも苦しむことになる。
     
  • 前作同様、パワーアップが難しい。 Powに弾を打ち込むことでパワーアップ効果を変えなくてはならないため、プレイヤーは敵や敵弾に注意しつつ集中して弾を打ち込まねばならず忙しい。しっかりパターンを組まないと、弾を連射しすぎて欲しい効果を取り損ねてしまい、思った通りのパワーアップを取る事はできない。
  • 敵機に体当たりされた時のダメージも大きい。 前作同様、1度でも中型機とぶつかるとエネルギーのほとんどを失い、一気に持ち直しが厳しくなる。ステージによっては横や後ろから敵機が体当たりしてくる局面もあるので、そのような場面は出現パターンを覚えていないとあっという間にゲームオーバーになってしまう。

評価点

  • ステージが進む度に朝焼け~昼~夕暮れ~夜などと背景が変化していき、大きく代わり映えするようになった。
  • 敵艦撃沈時のデモ絵が描き直され、迫力が増した。
  • 無印では、一部のアイテムが固定で出現していたが、今作ではほぼ全ての出現アイテムが自由に変化させられるPowアイテムになっている為、攻略の自由度は高くなった。
    また、サイドファイターもPowアイテムから出現する為、使用機会が多くなった。
  • BGMがほぼ一新され、単なるバージョン違いでは済まされない作り込み。無印のBGMは非常に評価が高かったが、本作のBGMも無印に引けを取らないハイクオリティである。
    • 一部の曲やジングルは無印のアレンジに留まっているが、重厚さと渋さを伴ったアレンジ。多くを占める新規曲の雰囲気に自然に溶け込んでいる。一部BGMは『ソンソン』『エグゼドエグゼス』等の主だったタイトルのBGMを担当した河本圭代によるものである。
    • 特筆すべきはラスボスの艦隊戦。無印には無かった、威圧感に満ちた専用BGMが用意されており最大最後の戦いに華を添えてくれる。
+ 参考:(1942、1943込み)


総評

無印が名作であるので、もちろん同じ土台となる本作もそこまで酷い出来ではなく、上記のショットガンもアイテムを無視すればそれ相当の難易度でプレイ可能である為、決して遊べないゲームでは無い。
しかし、ステージを減少させた挙句にショットガンの性能をチート化し、無印より極端に容易に攻略が可能となった本作は、プレイヤー側からもオペレーター側からも不評で、あまり多く出回らず、マイナーな存在として影を潜める形となってしまった。 ただし、シューティング初心者にはリメイク前と比べれプレイしやすい方でワンコインクリアもできる為、他のシューティングをプレイするキッカケにもなっており賛否が分かれている。



その他

  • 旗艦を完全に撃破した際、無印では艦橋が爆発していたが、今作では船全体を覆うほどの爆発に変更された。無印同様、爆発を撃ちこむ事でスコアが上がっていく*5。のでスコア稼ぎが熱くなった。
    • さり気なく、艦橋の爆発のみ当たり判定が残っているので、うっかり接近していると巻き込まれて、撃墜される事も。
    • 主砲を破壊した際も当たり判定を伴う爆発が出現するようになったので、うっかり(ry

移植作品

  • 単体ではPCエンジンに、ナグザットによってアレンジ移植されている。詳細は『1943改 (PCE)』のページにて。
  • また4機種にて、オムニバスソフトの中の一作として収録された。こちらはアーケード版改のほぼ完全移植である。
    【SS/PS】『カプコンジェネレーション~第1集 撃墜王の時代~』に収録
    【PS2/PSP】『カプコン クラシックス コレクション』に収録
    【PS3/Xbox360】『カプコンアーケードキャビネット』 に収録、全てのタイトルの購入の必要あり