パワプロクンポケット8

【ぱわぷろくんぽけっとはち】

ジャンル 野球バラエティ
対応機種 ニンテンドーDS
メディア 256MbitDSカード
発売元 コナミ
開発元 コナミ(パワプロプロダクション)
発売日 2005年12月1日
定価 5,229円
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント DSパワポケ第一作、プロ野球編3章
彼女候補のシナリオが全体的にボリューム増加
本作から「野球バラエティ」になる
野手を作り過ぎると登録不可になる致命的なバグ
パワプロクンポケットシリーズリンク

概要

  • 本家とは似ても似つかないシナリオや彼女、サクセスで人気を集めてきたパワプロクンポケットシリーズの8作目(リメイクの『1・2』を除いてカウント)にしてDS版の第1作。キャッチコピーは「バンバン野球バラエティ」。
    • 本作以降パワポケシリーズは公式ゲームジャンルを「野球バラエティ」とするようになった。次作『9』の「こんなゲームがあったのか!!」と並び、DS以降のシリーズ全体のキャッチコピーとしてゲーム内外で度々用いられている。
  • 本作のサクセスはプロ野球編の第3章となっている。今までのプロ球団「モグラーズ」から名称を「ホッパーズ」に変えた球団に、野球素人の超人捜査員が潜入して野球に思い入れを持っていくというストーリー。
  • 野手を一定以上作ると選手登録ができなくなる致命的なバグがある。
  • ニンテンドーDSに移行して今までよりは遊びやすくパワーアップしている所もある。鬼鮫コーチもパワーアップしている。

ストーリー

  • 表サクセス「特命ハンター編」
    かつてプロペラ団のものであったサイボーグ技術は、大神財団によって回収され、その技術は世界に広まることとなった。
    そんな中、増加する違法サイボーグによる凶悪犯罪。それらを秘密裏に取り締まるために誕生した政府の特殊情報組織CCR。主人公はそのCCRの一員として活動していた。
    ある日違法サイボーグを逮捕した際、プロ野球球団大神ホッパーズ(元モグラーズ)が狙われているという情報を入手する。主人公は、野球の知識が全く無いにもかかわらず、上司からプロ選手として球団への潜入捜査を命じられる。
    それまで一度もやったことのない野球に慣れない主人公。そして始まるテロ組織のホッパーズへの攻撃。主人公は野球選手として生活を送りつつ、犯人たちとの戦いを繰り広げる。
  • 裏サクセス「昭和冒険奇譚編」
    『パワポケ7』の裏サクセス・大正冒険奇譚編の続きだが、『パワポケ3』と同じくマインスイーパ。クリアしていくと「依頼主」が増えていく。

本作独自の仕様など

  • 「勉強」コマンドで、ポイントを使ってステータスを特化させることが出来る。
    • 寿命を削って猛勉強するか寿命を削らずゆるく勉強するかの戦略が出来る。主人公の「野球未経験の超人」という設定を生かしたシステム。
  • GBCパワポケ2以降のGBAシリーズにあった「試合中の攻防を表現したスコアボード画面で試合を見守る監督・マネージャー・コーチ」という演出がなくなった。
    • 演出がない分テンポが良くなるという利点もある。
  • 他のパワポケシリーズと違って、リセットした後のオートセーブがない。
    • リセットペナルティ自体はあるもののリセット自体は何回も出来る。ミニゲームや試合がある週を覚えておいてその前にセーブして何度もやり直すスタイルも可能。
    • 本作はミニゲームの難易度が高く、即死イベントの多さも相まって救済措置として今作はリセット後の復帰回数の制限をなくしたとされている。
    • 『9』以降は今までと同様5回リセットするとゲームオーバーとなりセーブデータが消去されるため、本作限定の仕様となっている。
  • 俺ペナに本作だけの仕様として魔人システムが追加。年俸を使って有利にしてくれるが妨害を行う事もある。
    • この魔人は『11』の本編に出てくるものの原型だが、そちらはファンの不評を買っている。
  • アレンジチームには珍しい存在として『7』に出てきた「オリエント高校」と「ヒーローズ」が追加されている。
    • 特にヒーロー達は後に公式パスワードで使えるものや「デビルスターズ」に在籍する者も居るが、アレンジチームとして使えるのは本作のみ。
    • なお『7』主人公のバッドエンドの成れの果て「オウド(おうど色マスク)」もベンチに座っている。正史ではないのでファンサービスとして見るべきだろう。

問題点

野手60人登録バグ

  • サクセスモードやパスワードで野手を累計60人以上登録した場合、それ以上選手登録が不可能になるという致命的なバグがある。
    • 仮に選手データを削除しても回避は不可能。
    • 当初コナミは「仕様」として乗り切ろうとした。後にコナミは修理対応を受け付けたがバグが除去されるわけではない(現在は対応終了)。
    • このバグを避けるには投手(ピッチャー)を作るよう心がけるしかない。投手なら60人以上作っても問題はない。
    • 一応野手で始めてもポイントにすれば問題はない。
    • 一度発生してしまえば解除する手段はデータの初期化のみ。
      • 元々バグが多いシリーズだが、遊びやすさを快適にするバグも多かった。しかし本作の選手登録バグは最悪レベルであり注意が必要である。

その他のバグ

  • 『7』から引き続いて本作の相棒メガネを務める「湯田」が初期ROMでパワーアップすると異様に弱体化する。
    • 彼のパワーアップはランダムなので逆に弱体化してしまう事を回避する事も出来ない。
  • 「勉強」のスピード+で球速を上げても何故か肩力が上がらない。
    • 肩力を上げたい場合は目標の球速前まで勉強で上げてから通常のステータスアップで行う必要がある。
  • 裏サクセスで稀に「0」マスで安心と見せかけながら隣接する地雷があるらしい
    • 基本ルールから逸脱しているので、マインスイーパとして破綻している。
    • ただ報告例がほぼ確認できず、筆者も確認したことがない。裏サクセスにはある手順を踏むことで画面内の地雷を可視化できるバグがあるので、そこで勘違いした可能性もある。

野球パート

バランスがおかしい

  • ボールのグラフィックが大きすぎる。ソフトボールと見間違えるほど。
  • バッティングが非常に弱い。シリーズ最悪レベルの打ちにくさという指摘もあるほど。
    • ミート打ちがシリーズでも最弱クラス。パワーAあっても内野の頭を超えることすら困難。
      まともにヒットを打つためには強振打ちが必須であり、当然ロックオンでなければ極度に打ちづらくなる。
      • あまりのミート打ちの弱さのせいで、ミートのステータスがほとんど機能していないも同然(強振時のパワー反映率に多少影響しているが)。
      • 強振できっちり真芯に捉えれば、外野の頭すら超えるようなヒットやパワー次第だがホームランをも比較的容易に打てる。ミート打ちとの差があまりに大きすぎる。
    • CPUは狙い澄ましたように打ち飛ばしてくる。
      • CPUは投げた瞬間にカーソルを合わせて、きっちり強振で仕留めてくる。球種の読みを間違った場合こそ空振りするものの全体的に読みは鋭い。
      • CPU同士で対戦させてみるとよく分かるが、CPUは異常なまでにミート打ちしてこない。CPU特有の正確さできっちり強振打ちしてくるため打球が飛びやすく、理不尽さを強く感じさせる要因になっている。
  • ストライクゾーンが広すぎる。上下はパワプロ特有のデフォルメキャラなのでまだいいとしても、ホームベースのグラフィックより明らかに横幅が大きいのはいかがなものか。
    • ミートはGBA時代のような真円系なので隅に投げられるとミートカーソルが間に合わない事もしばしば。またミートカーソルの移動速度自体、GBA時代より僅かながら遅くなっている。
      • 上述の通り今作は強振打ちが半ば必須のバランスであるため、ロックオンなしで真面目に打とうとするとある程度コースを先読みしてカーソルを寄せておくことも必要になる。本家パワプロのようにキャッチャーウィンドウが表示されるわけでもないため、かなり難易度は高い。
    • ストライクゾーンの下ギリギリより上でもボールになる。
  • 外野が異様に広く、外野の足が遅い。そのため外野にぶっ飛ばされると三塁打も平気で飛び交う。
  • サクセスの監督の采配がおかしい。4番とピッチャーを交代したりなど。3年目では主人公が暗示の機械を使ってホッパーズの全選手を操作出来るようになるが監督采配は変わらず。

このようにバランス崩壊級の野球パートではあるが、サイボーグ同盟のリーダーおよびCCRの黒幕と決着をつけるためにはリーグ優勝が必要不可欠である。そのため、以下のような野球として不自然な攻略法が生まれた。

  • ボール球を敵が投げて来ることが多い。死球になりやすい外角高めの位置に構えて、四死球を狙っていく戦略が強力。フルカウントまで粘れば、大概は塁に出られる。
    • 確実に盗塁(ホームスチール含む)を決められるAIの穴があるので、塁に出られれば点を取るのは安易。
    • 本作はプロ野球編だが、日本シリーズ決勝戦で四死球やホームスチールで試合が決まってしまうこともある。

その他

  • サクセスにおける「ミニゲーム」の扱い
    • 「真相を掴んで完全クリアする」ことを目指すなら、「ハラハラ!ウォッチ」と「ばんばんど~ん!の某キャラ戦」*1を除いたほぼ全てをクリアする必要がある。いずれも難易度が高く、バランス崩壊した野球とは別の難しさがある。
    • なお失敗するとゲームオーバーになる。本作はリセット回数に制限がない事が救い。
    • リセットする度にミニゲームの難易度が下がる救済処置もある。
    • クリアだけならミニゲームを一切クリアせずとも、世間評価さえ70以上に上げれば出来るが、『7』ほどではないもののどこか引っかかるものが残る結末に。
+ ミニゲーム詳細
  • 制限時間内に1~16の数字を押して爆弾を解体する「ハラハラ!ウォッチ」
    • サクセス中はクリアできなくてもエンディングに影響はない。
  • 『2』のミニゲームをリメイクしたテロリストが乗る車を破壊する「くるまでぶぅーん3D」
    • 操作感に癖はあるが、サクセス中の難易度は低く初見でもクリア可能。
  • 魂斗羅シリーズのパロディの「くるくるバキューン」
    • シリーズ中最も難しいミニゲームと言っても過言ではなくアクションゲームに慣れていないと「かんたん」のクリアも難しい。
  • 十字ボタンによる移動とタッチペンによる銃撃を使い分けて「サイボーグ同盟のリーダー」「某彼女キャラ」「CCRの黒幕」と戦う「ばんばんど~ん!」
    • なお最強は黒幕ではなく、地雷を使って移動を制限してくる某キャラと言われている。
    • ただし彼女イベントの進行度合いによっては戦闘回避が出来たり援軍が抑えてくれたりする。残り2人は倒し方さえ覚えれば簡単。
  • パワポケポイントを使って変なアイテムを買うオークションモードがある。
    • パワポケポイントが足りない中で無駄遣いしている余裕はないため不評。そのためか本作だけで終わってしまった。

賛否両論点

  • 本作から「ギャルゲ化・ラノベ化した」という意見も少なからずある。
    + 本作のサブイベント
  • GBA時代に比べると「伏線になるサブイベント」がやたら増えた。
    • 後述する「アルバムのあるサブキャラ」のイベントで後のシリーズに影響を与えるモノが多く、軽く遊んだだけでは網羅するのは難しい。
      • 具体的に「主人公によって解体されるCCR」「サイボーグ用に遺伝子操作で生み出されたアンドロイド」「大神グループの抱える闇」「(EDの一つで)CCR及び大神グループを裏切る白瀬」「(EDの一つで)裏社会のエージェントになる冬子」「ルート中、茜の義理の姉として面倒を見ていくうちにシスコンになったリン」などである。
      • また「寺岡」「立花ボボ」「オレンジ」といった再登場サブキャラの顛末も、『12』でそれぞれデウエス・立花2号・ピンクといったキャラに深く関わっていく。
      • 正直、実プレイだけで網羅するのはかなり厳しい。
  • また本筋も「テロリストのサイボーグたちとの戦い」及び「不正を働いていた組織に対する反逆」と、バトル展開が主軸になっている。
    • 一応、本作の主人公は3年目には野球にのめりこんでいる描写があるため全く関わりが無いわけではない。また敵サイボーグのリーダーをおびきだすにはリーグ優勝が必須である。
  • 裏サクセスが『3』に引き続きマインスイーパ。
    • アイテムの増加、Xボタンによる周囲の全掘り、スターシステムによるストーリー性の追加など改善はされているものの『7』の大正編を評価している人からは残念がる声もある。
    • この事も「ニンテンドーDSに移行して時間がなかった」という事を示唆している。新ハードの一作目は地雷。

評価点

  • 野球やシステム面の改善点がある。これらは後のシリーズにも引き継がれた。
    • ニンテンドーDSに移行した事もあり、ボタン数の増加やタッチスクリーンの台頭を生かして利便性を上げたことは評価できる。
+ 追加要素など
  • 野球の追加要素
    • ボタン数が増えた事によって右手側ボタンのみで送球が出来るようになった。
    • 球場が3D化してリアル感が上がった。なお投球画面が3Dになるのは『10』から。
    • ドロップ、Dカーブ、サークルチェンジ、Hシュートが新球種として登場。
      • 他にもオリジナル変化球をサクセスモードで作れるようになった。
    • 今までは同方向の変化球は1球種しか持てなかったが(例えば「カーブ」が「スローカーブ」に進化するなど)本作では本家パワプロのように同方向でも球種を使い分ける事が出来るようになった(例えば「カーブ」と「スローカーブ」を両方使い分けられるようになった)。
    • 選手の名前を呼ぶウグイス嬢が採用された。
  • 本家パワプロ同様「弾道」が選手データとして追加*2。またこれまでマスクデータだった「エラー回避」のステータスが「エラー率」として表示されるようになった。
    • 「エラー率」表記は今作のみで、15段階だがA~Gのランク分けはされていない。高いほうが良いのか低いほうが良いのか非常に分かりづらかったためか『9』以降は「耐エラー」と表記されるようになり、ランク分けも行われるようになった。
    • 弾道は普通に経験値で強化できる一方、エラー率は一部のイベント、または後述の勉強でしか強化できない。そのため非常に上げづらく、今作で育成したキャラはエラー率だけが他の能力より低い、というタイプになりがちである。
      • ちなみに「弾道」は彼女候補キャラとの営みの暗喩として使われるようになっていくことになる(それも本作から早速)。鬼鮫のアニキに掘られると下がる。
  • 新モード「ホームラン競争」が追加。上手く打てればパワポケポイントを稼げるようになった。
  • 登録した選手を通信交換できるようになった。

ストーリーとキャラクター

  • ストーリーと彼女候補のストーリーは概ね好評。
+ 「特命ハンター」である主人公の本作でのメインストーリー
  • 主人公は主人公最強の「戦闘力」を誇ると言われている超人だが、「今まで野球を知らなかったのにもかかわらず、プロ球団に入団させられた」という経緯を持つ。
    • しかし野球の勉強、仲間達との交流、サイボーグ同盟のテロからホッパーズを守っていくうちに3年目には野球が好きになっていき、ホッパーズのリーグ優勝・日本一を本気で目指すようになっていった。EDでも野球選手と裏のエージェントの二重生活を選ぶ結末が多い。
    • 『9』に登場する元サイボーグ同盟の彼女候補キャラによって明かされた「第三世代アンドロイドは自分がアンドロイドの自覚がない」「大神製アンドロイドはオオガミの重役の顔を覚えられない」ことと後に重役だった事が判明した木村の顔を主人公を覚えられないイベント、喧嘩慣れした9主や6主よりも強いと明言されている事、「寿命」ゲージの存在などから彼もまたアンドロイドではないかというファンの説もあるが確証はない。
  • 敵のサイボーグ同盟もその背景は人体実験として生み出された悲哀を持つ。
    • サイボーグ同盟の穏健派である彼女キャラの森友子やリーダーの石中学が主人公に正体がバレた時には「ただ普通の人間として生きたかった」という思いを主人公に告げている。
    • 『7』での黒野博士の名言「正義の反対はまた別の正義」を体現した存在である。
    • また石中に協力するEDでは主人公は「付き合ってみるといい奴が多い」という感想を抱いている。
  • 本作のラスボスであるCCRの黒幕・灰原も武人であり、「降伏は無駄だ。抵抗しろ」などの名言もあってか人気は高い。
    • 別に野球パートで主人公を妨害してくるわけでもなく、そもそも真相にたどり着かないルートならば敵対すらしない。ミニゲームで主人公と決着を付けられるのも『10』以降のバトル展開との違いと言えるだろう。
    • 後の『10』『13』の裏サクセスでも高い戦闘力で頼りになる存在として登場する。
  • パワポケのアルバムは基本「彼女」と「仲間」のものだが、本作ではうろつきやランダムイベントで登場するサブキャラのアルバムが充実している。
    + 魅力的なサブキャラクター
    • 当初は主人公を怪しんでいたが、CCRのガサ入れの件で主人公に協力する熱血刑事「赤井」
    • シリーズお馴染みのバッタ人間だが、本作で寿命が来てしまう事を寂しがった黒野博士によって記憶を移し替えたクローンが作られる「立花ボボ」
    • 『3』からの継続キャラで彼女候補「白瀬」と友人になりワギリバッテリーを開発する事になる「寺岡薫」
    • 『7』のヒーローの生き残りだが、主人公の勘違いで捕まって人体実験されバラバラにされてしまった「オレンジ」
    • 主人公と腐れ縁の女情報屋で、彼女候補「茜」のシナリオでは彼女の義理の姉となる「リン」
    • 『1』からのお馴染みの嫌がらせキャラだが、アルバムがあるのは本作だけの「荒井三兄弟」
    • そして『5』から磨きをかけてパワーアップして帰ってきたホモアニキ「鬼鮫コーチ」
      • まず彼に惚れられるシーンで薔薇のような演出が追加された。また彼に襲われるシーンで「ソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤソイヤ(み~みみみみ~)」など音声が追加された。
      • 何気に『5』ではそれほどマイナス効果を与えてこなかったが本作からは彼に掘られると弾道が下がるようになり、本作では寿命も削られる。寿命がギリギリの状態で鬼鮫に掘られると文字通り「死ぬ(殺される)」
      • 本作ではパワプロからゲストキャラとして輝星也が登場するが、輝も鬼鮫の犠牲になる
    • ホッパーズの仲間キャラも、とある彼女キャラのBADエンドではその人物の記憶を消され涙を流す主人公に「人は忘れることが出来るから生きていけるでやんすよ」という名言で慰める「湯田」、野球に興味のないホッパーズオーナーの父親に後継者として育てられる「大神」、倉刈さんの息子である「アキラ」、目立ちたがり屋の捕手「芽館」、元モグラーズの主力選手で現在はコーチを務めている「水木」、『5』から登場する暴れん坊「諸星」と、彼と親友になり強い絆で結ばれる本作の重要人物「石中」など、印象に残るキャラが多い。
  • サイボーグ同盟でホッパーズの寮母として潜入している「小野」も、何故攻略できないのかという声が上がった事もある。

彼女候補キャラ

  • 彼女候補キャラも「普通ではない女性」しか居ないが、概ね人気は高い。
+ 本作の彼女候補
  • 「白瀬芙喜子(しらせふきこ)」は主人公の相棒としてバックアップに回る。
    • 身体能力テストで主人公に負けたことでライバル視しているが、いささか歪んだ形ではあるものの恋愛感情も抱いている。
      サクセス開始後しばらくすると定期イベントで確実に電話番号を入手できる(他の彼女候補の攻略が一定以上進むと連絡できなくなる)。
    • 任務のために非情になれるが根は人情派で、寺岡のイベントや友子のハッピーエンドで彼女の優しさが窺える。
    • 本作の真相に関わるキャラのひとり。そのため超特殊能力取得・アルバム取得ともに真相ルートの進行が必須。代わりに彼女自身の必須イベントは少なく、真相ルートと無理なく並行できる。
    • 彼女のエンドはどちらもバッドエンドのときのBGMが使われており、雰囲気も似ているが内容はかなり対照的。
    • 後に判明したことだが、彼女の正体は『1』『3』に登場した四路智美の遺伝子が使われた第三世代アンドロイドで、『12』『14』でも重要なサブキャラとして登場する。
  • 「雪白冬子(ゆきしろとうこ)」は大学生のお嬢様。
    • 実家が暗殺者の家系である。
    • バッドEDが存在せず、ウェルダースオリジナルのCMのパク……オマージュEDと裏社会に入って主人公と名コンビを組むEDがある。
    • スタッフ曰く「あれはツンデレではない」らしいが態度がツンデレっぽい。
    • 後の裏サクセスでもたびたび登場し、その度に強キャラとして登場する。
  • 「森友子(もりともこ)」は主人公の中学生の同級生。
    • ゴールデン銀座で再会して交流するようになるが話していく内に主人公の思い出を友子が知らなかったり、白瀬への定期連絡を怠るくらい時間がいつの間にか飛んでいたりという事が起こっていく。それは彼女の抱える重大な秘密に関係している。
    • 実はサイボーグであり、記憶を操作する装置を埋め込まれていて主人公に自分が「中学時代の友達」であるという嘘の記憶を植え付けていた。しかし彼女本人は平穏な生活を送りたいと願う穏健派であり、主人公と戦う意思もない。
    • 本作のグッドEDを見るのが難しい代わりに強い選手が作れる枠。出会いと終盤の重要イベントがランダム、リーグ優勝とCCRの黒幕の撃破が必須、その上で「選手を15人登録する」という作業を行わなければハッピーEDで再会出来ない。その代わりEDは感動する。
    • ちなみにバッドエンド・ノーマルエンドルートでも超特殊能力は取得可能。こちらの場合は真相ルートを無視してもOK。
    • 寝技が得意で「体力が減って弾道(パワー)が上がる」イベントが合計3つある。
    • また彼女のシナリオでは湯田と白瀬が主人公と友子の関係に嫉妬する展開が印象深いが、終盤に別離するか否かの状況に立たされた状況で優しさを見せるシーンはとても人情味がある。
  • 「星影(ほしかげ)ヒヨリ」はミルキー通りで歌を歌う自称宇宙人の女の子。
    • だが本当に宇宙人だった。悪のエネルギーを吸い取るギャスビゴー星人と戦っている。彼女の歌う「ラブラブ▼ビッグバン」(▼はハートマーク)は声付き。そして白瀬の最大の弱点である。パワポケの全彼女候補の平均年齢が5000万歳なのは彼女のせい。
    • ギャスビゴー星人も後の裏サクセスで印象深い登場をする。特に『11』の裏サクセスのギャスビゴー星人は地球人をハタ人間として洗脳する最大の敵として立ちはだかる。
    • 正体を知るルートがバッドエンドで、正体を知らないままのルートがグッドエンドという珍しいタイプ。プロフィール入手のためには1度はバッドエンドルートを通る必要がある。
  • 「高坂茜(こうさかあかね)」は博多幸博氏による緑髪伝説の一つ。氏の緑髪ヒロインの中でも特にギャルゲーヒロインの色が濃い。
    • 公園にダンボールで作った「アカネハウス」に住む家出少女でランダムが絡む。アホ毛がぴょこぴょこ動き、敬語で話す。だが彼女もまた重い背景を背負っている。
    • ランダム性が高いため攻略難度は高い方。彼女のシナリオに深く関わる主人公と腐れ縁の情報屋リンとの再会自体がランダムで、運が悪いと3年目にようやくという事も有りえる。この場合、その周回で茜の攻略はまず不可能。
    • 主人公はリンに彼女の姉になってくれと頼むが、リンは茜が主人公を好いている事に勘付き主人公に茜を託して去る。その時に好感度が低ければ茜が「幸せしか見えない人形なればいいんだ!」と叫んで精神崩壊してしまう。彼女との絆が高ければ感情を発散する事が出来、体力が減って弾道が上がるイベントを経た後に主人公との子供を成してリンを迎えに行くアルバムが追加される。
  • 「紺野美空(こんのみそら)」は性格も体格も子供っぽいが二十歳の女性。だが上川辰也というサイボーグに暗示をかけられ怪盗レッドローズとして利用されている。本作の野球超人伝の所有者。
    • 『7』の真央、『9』の奈津姫と同じくパワポケポイントを使って登場させる隠し彼女だが、他の隠し彼女と違って本作の真相やシナリオ中の敵と内通しているわけではないため影が薄い。隠し彼女である必要性があるかどうかは疑問という声もある。決して魅力がないわけではないのだが不憫枠扱いされがち。
    • 攻略に必要なイベント数が少ないため、真相ルート攻略の邪魔になりにくいのは大きなメリット。また真相にたどり着いた場合、助力に登場してくれるためゲームオーバーにならずに済む。
  • ミニゲームの出来そのものは良い。
    • サクセスと切り離されたミニゲームモードなら、自分に合った4段階の難易度で楽しめる。
    • 特にアクションゲーム「くるまでぶぅーん3D」「くるくるバキューン」は中毒性が高い。
      • 慣れないうちは「かんたん」すらクリアは困難だが、やり込めば実力の向上を感じられる。

総評

プラットフォームをニンテンドーDSへ、ジャンルを「野球バラエティ」へ移行した初の作品。
バランスが悪すぎる野球だけを見ればクソゲーレベルなのは前作と同様。
開発期間が足りなかった事から他にも荒削りな点が多いが、魅力的なサブキャラ・敵キャラ・彼女キャラ・主人公は根強い支持があり、そこで帳消しにできるかどうかで本作の評価は変わってくるだろう。


余談

  • 直前の『パワポケ甲子園』の開発が本作にフィードバックされていると公式ガイドで語られているが、同作はミート打ちが度を越して強く、物議を醸した。
    そこからちゃんとフィードバックしたこと自体は決して悪いことではないのだが、どうしてここまで極端に走ったのだろうか…。
  • GBAアクション野球では最終作の『7』に比べて本作は初ハードによる開発の不慣れがあるという擁護は可能。
    • だがストーリーや彼女キャラを評価する人からも(野球パートの残念さが)勿体ないといわれるのは『7』と変わらず。
+ タグ編集
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  • DS
  • コナミ
  • パワプロクンポケット

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最終更新:2022年07月20日 13:15

*1 付き合う彼女次第で戦闘を回避したり、失敗してもゲームオーバーにならない

*2 以前から本家に倣い導入するか開発内で議論があったようだが、「パワーヒッター」などの特殊能力と役割が被るとして導入は見送られてきたとされている。