注意:本稿では、以下の作品について解説する。同タイトルだが紹介を省略している他機種版もある。

  • PS2版『GUILTY GEAR XX Λ CORE』(劣化ゲー)
  • PS2版『GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS』(良作・改善)
  • 『PLUS』の調整版であるAC/PSV/PS3/360/Win/Switch『GUILTY GEAR XX Λ CORE +R』(良作)


GUILTY GEAR XX Λ CORE (PS2)

【ぎるてぃぎあ いぐぜくす あくせんとこあ】

ジャンル 対戦格闘ゲーム
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 アークシステムワークス
発売日 2007年5月31日
価格 5,040円(税込)
備考 ここでは同タイトルのWii版の紹介は省略
判定 劣化ゲー
ポイント 劣化移植&バグ&手抜き&サポートの悪さ
GUILTY GEARシリーズ

概要

アーケードの格闘ゲーム『GUILTY GEAR XX Λ CORE』の家庭用移植版。
今までの家庭用が安定していただけに発売前は特に不安視もされていなかった。
だが、実際は「パッケージで完全移植を謡いながら大幅な仕様変更」「バグ多数」という劣化移植の見本状態。
さらにサポート対応が酷かった事で公式ブログ大炎上という事態にまで発展した。
通称「バグセントコア」「BC」と呼ばれている。


問題点

バグ

  • 一部の技が特定の当たり方をするとフリーズ
    • イノの「限界フォルテッシモ」にやたらと多く、「同時に相手がFB技を出すとフリーズ」「限界フォルテッシモ直後に攻撃を受けるとフリーズ」「アバ相手に限界フォルテッシモを当てるとフリーズ」等。
    • 他の技でも一部コンボを決めたり、相殺したりした時にフリーズする。
  • セーブデータの破損バグも存在。
    • ただしこれについては発生数が多くなく、条件も全く不明で再現も出来ないため本当にあるのかどうかは不明。これの前々々作には存在していたのでそれがまだ残っている可能性もある。
  • ブリジットの設置技が空中においてニュートラル設置が不可能。
    • 方向入力なしの場合、前入力扱いとなる。
      • 完全移植を謳いながらAC版で使えた技が使えない時点で大問題だが、立ち回りでの使用頻度が高い技なので、ブリジット使いからすると致命的な移植ミス。
  • 他にも、ほとんどのキャラで性能が変わっている等の不具合が多い。
    • 中にはソルの一部技でクリーンヒットが2段階発生してダメージが跳ね上がるなんてものも。
  • その他細かいバグも無数に存在。
  • 海外版やWii版ではこれらのバグがほとんど修正されており、国内版のデバッグ・調整の不足ぶりが露になった。

手抜き

  • ゲーム中の一部の表記が『GUILTY GEAR XX /』(前作タイトル)になっている。
    • キャラグラや基本システム等流用が多いのは分かっている事だが、目に見える形で前作の名前が残っているのは流石に問題。
    • 上記のバグの中にはプログラムソースを流用したために発生したと思わしきものがいくつも存在している。
  • アーケード版で散々指摘されていた誤植もそのまま。
  • 前作までのCS版で毎回必ず存在していた隠しキャラ2名こと「クリフ・アンダーソン」「ジャスティス」が今回のみ追加なし。
    • 今作ACで仕様が変わった部分があるため、その部分の修正の手間を嫌ったと言われている。
  • また、前作のCS版等にあったストーリーモードやミッションモード等、遊べる要素も明らかに減っている。

劣化

  • 音質が明らかに劣化しており、篭って聞こえる。
  • 上記の数々のバグの存在により、アーケードと同様の練習が出来なかったり、基本の戦略自体が使えなくなったキャラが数キャラ居る。
    • アーケード版からの完全移植」「違和感無く遊べます」という謳い文句から程遠い出来である。

評価点

  • アクセントコアを家庭用で遊べるという点
    • 上記のように移植度の問題でアーケードをそのまま家庭で遊べるとは言えないし、フリーズがいくつも報告されてはいるが、PS2版『すっごい!アルカナハート2』のようなそもそも格闘ゲームとして破綻している程の事はなく、 アクセントコア風 のゲームとしては一応遊べる出来ではあった。

総評

完全移植を謡いながらバグ多数、仕様変更多数という問題しかない移植となってしまった。
そこへサポート対応のまずさも加わり、公式ブログが大炎上する結果となってしまった。

後にアペンドディスクである『GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS』が発売され、ようやく本作の家庭用移植が出来上がった形となる。


余談

  • 開発期間の短縮と人員削減?
    • 当時本作が公式種目に選ばれていた闘劇の開催までに間に合わせる為なのか、本作は今までの作品と比べて「AC→家庭用への移植」の期間が短かった。
      • そこに、大幅な仕様の変更が行われた作品であった事や、主要スタッフが『GG2』や『ブレイブルー』といった新作タイトルに移ってしまった(可能性のある)時期といった要素が重なり、本作の結果になってしまったのではないかという推測がされている。
    • 実際、海外版や他機種版の内容を鑑みるに、時間さえかけられればこのような問題は発生しなかった可能性があるだけに悔やまれる。
  • 当時2ちゃんねるで修正版製作の署名活動をしていた人物によると、当初のアークシステムワークスは修正版を無料配布する方向で調整をしていたものの、そこへソニーが介入してストップをかけたとの事らしい。
  • 上記問題点だけでなく、度重なるバージョンアップ商法でファンからの不満が溜まっていたタイミングでこのような未完成品をお値段高め*1で発売した事もこの騒動が発生した大きな要因だろう。

サポートの悪さ

  • バグ・手抜きが発覚し騒動となった後に一応の謝罪文が発表されたが、アーク社はその一部しか認めず、攻略本では「PS2版の仕様です」と言い張る不誠実さ。
    • しかも謝罪文と銘打っておきながら謝罪の言葉は無く、購入者への呼びかけは「なにとぞご理解ください」という一文のみ。
      • この内容でファンの怒りが収まる訳もなく、逆に騒動を煽る結果に。
  • 修正版との交換などのサポートも一切無し。
    • 当然のごとく公式ブログは大炎上したがアークシステムワークスは完全無視を決め込み、それどころか『他のユーザーの方からの苦情が来たので』という理由でコメントを承認制にした上に、最終的にブログ自体も消してしまっている。
      • この騒動の最中に『GG2』の製作発表を行ったが、本作へのサポートも疎かなままの新作発表に「無神経だ」といった更なる批判が起こった。

GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS

【ぎるてぃぎあ いぐぜくす あくせんとこあ ぷらす】

ジャンル 対戦格闘ゲーム
通常版

アペンド版
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 アークシステムワークス
発売日 2008年3月27日
価格 通常版:6,090円
アペンド版:2,079円(共に税込)
判定 良作
改善
ポイント 劣化部分大幅改善+新要素
アペンド版は修正ディスクに該当

概要(PLUS)

上記『GUILTY GEAR XX Λ』の追加修正となるアペンドディスク。
追加でも単品でも遊べるよう、通常版とアペンド版の2種が同時に発売された。
アペンド版は初回起動時に前作のディスク認証を行い、認証後にアペンド版のセーブデータを作成すれば以降はディスク認証が必要なくなる形。
PSP版は通常版を元に一部追加要素がある形式となっている。


追加・変更点(PLUS)

  • 各種バグの修正
    • 細かいバグは微妙にあるようだが、致命的な物はすべて修正されている。
  • ストーリーモードの追加
  • ミッションモードの追加
  • クリフ、ジャスティスの追加
  • 差別化の計られたEXキャラ
    • スラッシュにFB技を入れただけの手抜き状態だったが、オリジナル技等も搭載され、再調整されている。
  • ギャラリーに新規イラストの追加
  • サバイバルモードに育成要素を追加
  • PSP版では「3vs3対戦」と「ランクマッチ」のモードがさらに追加されている。

評価点(PLUS)

  • バグ修正
    • その為のアペンドディスクなので当然だが、ようやくアーケード版の家庭用移植が出来上がった。
  • ストーリーモード
    • 全キャラフルボイス搭載で、選択肢や戦闘結果によってストーリー分岐も存在するしっかりとした出来。
      • 隠し要素としてクリフやジャスティスの当時を舞台にしたストーリーも存在する。
  • 家庭用ゲームとしての各種モードの充実
    • 上記ストーリーモードもだが、育成要素のあるサバイバルモードやミッションモード等、単純に一つのゲームとしても充実した。

問題点(PLUS)

  • 『AC』から『AC+』アペンド版へのデータ引継ぎは出来ない。
    • せっかく出したスコアなどが引き継げないのは地味に痛い。
      • とはいえ、元々完全移植のつもりで全然移植されていなかったものをきちんとしたのが本作である為、使い勝手やできる事は違う。基準の違うハイスコアでは比較にならないので仕方ないと言えば仕方ない。

総評(PLUS)

バグのほとんどを修正し、隠しキャラ・ミッションモードを復活させ、さらに新しくストーリーモードや新システムのサバイバルモード等を盛り込んだ事で、ファンにも十分満足の出来となった。
修正版との交換ではなくアペンドディスクとしての販売のみだった為、「修正版で金を取るのか?」という不満の声も聞かれたが、本作の追加要素と出来の良さからGGACの騒動はひとまず収まる事となった。


GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS(PS3/360)
GUILTY GEAR XX Λ CORE PLUS R (AC/PSV/Win/Switch)

ジャンル 対戦格闘ゲーム
対応機種 プレイステーション3
Xbox 360
アーケード
プレイステーション・ヴィータ
Windows 7/8/10
Nintendo Switch
発売・開発元 アークシステムワークス
稼働日 AC:2012年9月20日
配信開始日 PS3:2012年11月1日
360:2012年10月24日
PSV:2013年3月19日
Win:2015年5月27日
Switch:2019年5月16日
価格 PS3:1,500円(税込)
360:1,200MSP
PSV:1,500円(税込)
Win:1,480円(税込)
備考 PS3/360:2013年8月7日に『+R』
に準拠した無料アップデート
判定 良作

概要(PLUS R)

2012年夏に調整版『ギルティギアXXAC+R』がアーケードで稼働開始。
これを受けて、PS3のPlayStation Storeと、360のXbox Live ArcadeでDL版のみで販売されたバージョン。
PS3/360版は当初は『PLUS』としての配信だったが、後に『+R』へのアップデート対応する事も発表されていた。
その後、予定より遅れたが2013年8月に『+R』のゲームバランスが選択可能なアップデートパッチも配信された。
こちらはゲームオプションでVERSIONを「AC+R」に変更すると適用される。

遅れて2013年春にPSVのダウンロード専用ソフトとして『+R』が販売されている。
2015年にはWin版『+R』がSteamで販売された。


追加要素(PLUS R)

  • ネットワーク対戦の追加。
    • ランクマッチ、プレイヤーマッチが可能。
  • 実績、トロフィー、Steam実績に対応。
  • 『+R』アップデート後の追加要素
    • アーケード用に調整されたクリフ、ジャスティスの追加
    • 既存キャラの新技追加及び、各種技の調整
    • ライフバーのデザイン変更

評価点(PLUS R)

  • ネット対戦の追加
    • 今までの『GG』シリーズはオフライン専用だった為、それがついにネット対戦できるようになった。
      • 回線が良ければラグなしで対戦も可能。
    • Steam版は2020年12月末にオンライン対戦をディレイ方式からロールバック方式(GGPO)へ変更するアップデートが実施。海外のプレイヤーとも快適に対戦しやすくなっている。

問題点(PLUS R)

  • 一部ネット対戦の不便な仕様
    • ランクマッチ(クイックマッチ)で相手の回線状況が表示されない。
    • プレイヤーマッチの対戦部屋には2人までしか入れない。
      • 後にアップデートで回線指定の仕様等が改善されたが、部屋の人数等はそのまま。
    • Steam版では2020年のアップデートでこの点に改修が加わり、複数人が入室・観戦可能なプレイヤーマッチを実装している。

総評(PLUS R)

単純に最新ハードへの移植と考えても、低価格でストーリーモード等も含めて楽しめる為十分過ぎる内容。
加えてついにネット対戦も可能になり、良回線同士であればほとんどラグなしで対戦可能。
PS3/360では『+R』へのアップデートもされた事で、『GGXX』シリーズ最終版を家庭で全国対戦できるようになった。


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最終更新:2022年11月23日 00:41

*1 それまでのバージョンアップ版は4000円程度。前バージョンのCS版は内容も充実していただけに落差が目立った。