GuitarFreaks & DrumMania MASTERPIECE SILVER

【ぎたーふりーくす あんど どらむまにあ ますたーぴーす しるばー】

ジャンル 音楽ゲーム
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 コナミデジタルエンタテインメント
発売日 2006年8月31日
定価 6,980円(税別)
判定 なし
ポイント 旧作の人気曲の宝庫
ee'MALL曲に新規ムービー追加
前作のV(家庭用)の問題点が全然解消されていない
悪質極まりない最悪な解禁方法
致命的な無反応バグ
GuitarFreaks & DrumManiaシリーズ


概要

BEMANIの人気機種「GuitarFreaks & Drummania」の家庭用オリジナル作品で、SILVERとGOLDの2作で構成されたMASTERPIECEシリーズの一編。
本作は所謂ベスト盤にあたり、家庭用前々作「ギタドラ!4th&3rd」と「V」の間の空白を埋めるべく、旧曲を大量収録している。

前作「ギタドラV」で4年振りに家庭用が復活したものの、Vの出来はとてもアーケードを移植したものとは思えないガッカリなものだった。
このため、旧作の人気曲が収録されたMASTEPIECEの登場に、プレーヤーは期待を抱いていたのだが……。


評価点

  • 旧作の人気曲の宝庫
    • 版権ではヒカリへ、天体観測、ロマンス、本日は晴天ナリなどといった人気カバー曲が収録。
    • BURN、夏色、TRAIN-TRAIN、ROCKET DIVEといったACV2の時点で削除されていた版権曲も、このゲームでプレーすることが可能。
    • 版権曲に関しては現在アーケードでプレーできない曲が多く、V筐体の設置率も年々少なくなってきてる為、これらの収録は歴史的に価値が高い。
    • コナミオリジナルはTimepiece phaseII、CLASSIC PARTY 3、Destiny Lovers、月光蝶などといった人気曲だけでなく、林檎と蜂蜜、One Phrase Bluesなどといった一風変わった曲が収録されているなど、前作よりジャンルの幅は広がった。
  • MASTERPIECEオリジナル要素として、旧作のギャラリー、システムサウンドといったスキンを手に入れることができる。
    • 旧作のACの気分が味わえるのもこのシリーズならではの強い要素と言える。
  • ee'MALL曲(の一部)収録&新規ムービーが追加
    • 特に注目を集めたムービーはあさき氏の「螺子之人」。同曲の物は氏の楽曲恒例のホラー系ムービーだが、英詞の楽曲だけあってか洋風ホラーに仕立てられていて、これまでとは異質の狂気に満ちた内容として評価されている。
    • 後にACV3でもee'MALL曲の新規ムービーが追加される。

問題点

前作Vで出た問題点が全然解消されていない

  • ロードが長い
    • ACと違い、ロードに時間がかかってしまうところ。
      • あくまでもACと比べて長いだけであってPS2のゲーム基準で考えるとロードの長さは常識的な範囲ではあるのだが、そのロードの頻度が多いため何度もやりたい人にとっては苦痛にしかならない。
      • しかも、今作は前作Vを遥か上回る最悪な解禁方法で余計イライラを募らせることに。
  • トレーニングモードとは言えない謎仕様
    • トレーニングモードは苦手な部分を鍛える意味で取り入れたものだが……
    • DARK、リバースなどといったオプションが使えず、非常に自由度が低い。
      • それだけでなく、上記のロード問題のためか、曲選択までに時間を要する。当然イライラ感が増す。
  • FREEモードでのプレー終了後に出る画面の煩わしさ
    • 同じ曲をPLAYするか、曲選択画面に戻るか、FREEモードを出るかの3択が毎回出てくる。このシステム自体はIIDXなど他の家庭用作品でもお馴染みだが…
    • 問題はリザルト画面を閉じるたびに暗転して専用のメニュー画面に移ること。これによりロード時間が増加。その上、イライラ感も増加という悪循環をたどるようなシステムとなった。せめてIIDXのようにリザルト画面上に出現する方式となっていれば…

今作における問題点

  • ドラム専用コントローラーでプレーすると、刻み*1などの最中に無反応状態になる重大なバグがある。
    • 2P側になにかコントローラーを差せば多少ましになる。が、内容が内容だけにゲームとして致命的なバグと言わざるを得ない。
  • 手抜きに近いシステム画面、選曲画面などのデザイン
    • その内容は恐ろしいくらいシンプル。個人差ではあるが、人によっては手抜きと見られる。
  • MASTERPIECEシリーズのスキンだが、ACのように選曲画面、リザルト画面には反映されない。あくまでプレー画面だけしか反映されない。
    • 旧作のACをやったことがない人にとっては関係ないのだが……せっかくの旧作のスキンなのに、プレー画面だけでは手抜きに見られてしまう。
    • ましてや、旧作のACの設置率が年々低くなっているのに、この仕様ではAC感を味わえない人も少なからず存在する。
    • その上、9thMIX&8thMIX、11thMIX&10thMIXの専用システムサウンドに変更してもACモードの選択後、曲選択後の効果音がMASTERPIECE SILVERの初期と変わらない。ましてや選曲後の効果音はVと変わらず。ここまで来ると手抜きというよりはオリジナリティがないのでは??
  • 再録版権曲の難易度表記
    • ACで削除された版権曲が再録されるにあたり、幾つかの譜面はV準拠の難易度表記に再査定されているが……
    • 大半の譜面がV基準と比較して難易度詐称になった譜面が多い。
  • 例えば、運指の密度が濃いDEAR MY FRIENDのベースパートが難易度39だったり、局所難である桃色片想いのギターパートが難易度30と、このレベルに挑むプレーヤーからすれば地雷表記である。
  • ドラムでも高速刻み譜面のBEAMSやShining rayは(それぞれ難易度39、42)、AC当時から詐称曲にもかかわらず難易度据え置きの有様。

ギタドラ史上最悪な解禁方法

  • 今作はジグソーパズルによる解禁方法。ACモードのクリア曲数に応じて、ジグソーパズルの穴埋めできる数が変わるのだが……
    • はっきり言って運要素が強い。その上、埋まってもダブるという悪質極まりない最悪な解禁方法である。
    • 個人差が非常に出やすく、1時間くらいで1曲解禁できる人もいえば、3時間以上かけてようやくの人もいたり……とすこぶる評判が悪い。
      • 前作も運要素が絡むとはいえ、ダブることは絶対になく、規定ポイントさえ達すれば、曲が解禁できるのに……
    • 時限解禁は全解禁で19時間30分。LONG曲やNON STOPモードをやっても、250~300回プレーしないといけないためかなり苦痛。そのくせ前作で問題だったロード時間がまともに解消されていないため、余計イライラ感を募らせることに。
      • その上、場合によっては時限解禁した方が早いということから、このジグソーパズルによる解禁方法は神経衰弱でもやっているかのようにことごとくプレーヤーのやる気を削ぐハメに。

総評

旧作の人気曲はどれも質が高く、「曲だけ」に限ると良作に見える
しかし、CS版 Vにおける問題点が解消されていないだけでなく、手抜きに近いプレー画面やシステム画面、更に致命的な無反応バグまで発生させてしまった。極めつけは、ギタドラ史上最悪な解禁方法でプレーヤーのやる気を削ぐハメに。豪華なラインナップとは裏腹に、システム面の手抜きや品質管理の不手際を露呈させるという残念な結果となってしまった。



その後の展開

  • 同2006年11月22日には同じくPS2にて家庭用『GuitarFreaksV2 & DrumManiaV2』が発売された。
    • こちらでもVの問題点は解消されなかったが、解禁方法はAC版よりかなり改善される。そして、CSオリジナル曲が入るようになった。
  • 更に翌年には『MASTERPECE GOLD』も発売されたが、こちらの方はシステムの改善もあってか良好な評価を得る事になった。
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最終更新:2024年02月05日 15:24

*1 同じレーンを一定リズムで叩き続ける