Another Century's Episode Portable

【あなざーせんちゅりーずえぴそーど ぽーたぶる】

ジャンル ロボットアクション

対応機種 プレイステーション・ポータブル
発売元 バンダイナムコゲームス
開発元 フロム・ソフトウェア
発売日 2011年1月13日
定価 6,270円
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 シリーズファンから不評
ポイント バランスが不安定なゲーム or クソゲーとしての側面も
そこかしこどころではない手抜き
クロスオーバー皆無
シナリオ廃止でただのアナザーセンチュリーに
「R」以上に不親切なシステム
Another Century's Episodeシリーズ


概要

様々なアニメ作品のロボットたちを操り、敵を倒していく『Another Century's Episode』シリーズの最新作で、初の携帯機作品。
しかし、前作「R」があまりの大幅なシステム変更など様々な要因ゆえ良い評価を受けていなかったこと、流用がそこかしこに見られる発売前PVから今作の完成度を不安視するファンは多かった。
新規参戦作品は『VS騎士ラムネ&40炎』『機動戦士ガンダム00』『交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい*1』。
余談だが、本作は発表時に既に開発度90%くらいだったという。そのため「R」と同時開発だったのではないかという噂があるが、真相は定かではない*2


従来からの追加・変更点

  • ストーリーを廃止。
    • 今作は様々な作品の入り乱れた世界でのクロスオーバーといったストーリーの要素は無く、多数用意されたミッションを好きな機体でクリアしていくスタイルとなっている。
    • 機体などもすべてミッション内で手に入る「エースポイント」を消費して購入して入手する形式となっている。
  • 「パネルカスタム」「カスタムアクション」。
    • 今作は従来の作品であった「ユニット強化」のシステムに加えて、ウエポンパネルとよばれるパネルに好きなアクションを配置していく「パネルカスタムシステム」が搭載され、自分の好きなアクションをパネルに入れてロボットを動かす事が出来る。
    • 「カスタムアクション」はこのウエポンパネルに機体に関係なくセットできるアクションで、「機体の武器弾数回復」などが行える。カスタムアクションは敵を倒す事で入手する「チップ」を集めて作成する必要がある。アクション一つにはコストという値があり、機体のキャパシティという値を超える量のアクションは装備できない。
  • マルチプレイ。
    • 今作はPSPを持ち寄って初の3人協力プレイが可能となっている。

問題点

参戦機体数

  • 異常に少なく手抜きも多く見え隠れしている。
    • 『機動戦士Zガンダム』や『機動新世紀ガンダムX』からは主役機一機のみ。『機甲戦記ドラグナー』は2号機、3号機がリストラされている。ドラグナーは今までの作品では三機必ず揃っていた為、ドラグナーファンは衝撃を受けた。
      • 3人マルチプレイ時に、ドラグナー3機で出現できないのはやはり寂しい。
    • 新規参戦作品である『VS騎士ラムネ&40炎』からも主役機のみ、エウレカセブンのように二人乗りの機体も(カイゼルファイアーにはダ・サイダーも乗っているにもかかわらず)主人公一人だけと手を抜いている。
  • それでいてオリジナルのゲシュペンストが15機もあり、それらは武装違いや色違いといったマイナーチェンジである。つまり一機のモデルを15に水増ししている。ゲシュペンスト自体が『1』に出ている機体であるため、流用しているのではないかという指摘もある。
    • このゲシュペンスト大量参戦は、よほどゲシュペンストが好きな人間以外からすれば完全に誰得状態で「 こんな事に労力を使うなら別の事に使え 」と言わざるを得ない。
      • ちなみにこのバリエーションは、後に本家スパロボでちゃっかり使用されている(3種の基本形態のみ。だが結構強い)。
  • 容量不足で機体数が削られた…という訳でもないらしい。
    • 本作は容量をかなり持て余しており、1.8GBの容量があるUMDで700MB、ダミーデータ等を抜けば500MB程度しか使用されていない。
    • 容量がゲームの楽しさを決めるわけではないが、今作はこれら要因から「手を抜いた」と思われても仕方ないレベル。

演出面

  • 本作はミッション制だが、基本的にオペレーターに「事件です」と言われ出撃、クリア後「おつかれさまでした」と言われまた次のミッションへ……の繰り返しであるため、非常に作業感が強い。
    • ミッション制と銘打っているが、出現したミッションをすべてクリアしないと先に進めないため、シナリオがないシナリオ制とほとんど変わらない。
    • そもそも『Another Century's Episode』と言う作品名なのに、作品自体にEpisodeが無いのはいかがなものか。
      • ただ本作にストーリー(エピソード)が無いことは発売前から告知されており「携帯機でACEができる」「爽快なアクションができる」などの期待から受け入れているプレイヤーも一定数居た。
        だがそれらのプレイヤーも、下記のシステムの問題点によって結局低評価をつける事になった。
  • クロスオーバー演出
    • 本作におけるクロスオーバーは、原作の話をそのまま丸写しにしたミッションに別作品の敵量産機が出てくるだけである。
      • ミッション毎に世界観の説明はあるが文章だけ。年代も世界もバラバラな敵が出てきて、デバッグ用のステージをやっているような印象を受けてしまう。
    • キャラ同士のクロスオーバーは無く、ただひたすらに淡白であり、ボイスもほとんどないため戦闘中はまったく盛り上がらない。
    • 前作『R』はムービーが最強の敵と揶揄されたが、今作はOPムービーすらない。機体の出撃ムービーすらない。
      • OPムービーは1作目からクオリティが高く、評判が良かっただけに、ファンを落胆させた。
  • 武装演出
    • ランスロット・アルビオンのハドロンブラスターは非常に太いビームを撃つ攻撃なのだが、今作では銃口から全方位にわたってモヤっとした臭気のようなエフェクトを放つ技になっている。
      • さらにガンダムエクシアのトランザムも赤いモヤをまとうだけで機体の色が変わるということはない。
    • 鋭い触手で攻撃してくるボスも、針のように伸ばしたポリゴンフェースで表現している。
    • 敵の攻撃にはステータス異常を付加するものも存在するが、赤いリングがつくだけなど一見してもそれとわからない表現。

ゲームバランス・システム

  • 敵の防御力が非常に高い割りに味方の武装が圧倒的に貧弱。
    • 射撃攻撃は豆鉄砲並みの威力しかなく銃口補正が弱い。このため雑魚にすら30~40発撃ち続けないと撃墜できないミッションもある。連射制限も存在しないため、ボタンを押している間ただ弾を垂れ流すだけになっている。
      • 中にはウイングゼロのツインバスターライフルのように単発の威力は高い射撃攻撃も存在するが、そういった武装は弾数が一桁であるため、後述の補給システムのせいで扱いづらくなっている。
      • 一応一部の機体は攻撃力が高めだったり、あるいは弾数の少ない高火力武器を弾数回復のカスタムアクションでフォローしていけば楽に戦える機体もあるが、ほとんどの機体は終盤は倉庫番になってしまうことも。
  • 格闘攻撃
    • 「一定距離に入った敵に一気に近づき打撃を行う」という仕様なのだが、自分で距離感を調節することもできず、命中した際のヒット音がないため攻撃が当たっている実感が全く湧いてこない。敵も同じ仕様のため、いきなり囲まれ袋叩きにされるということもある。
    • 加えて、 武器を振る音が下敷きを撓らせたような音 であるため、不自然極まりない。
    • このおかげで爽快感が皆無で、ただでさえ敵が固い敵がよけいに硬く感じてしまう。
  • 弾数補給システム
    • 前作は「テンション」と呼ばれるゲージで使用できる武器が管理されていたが、今作は武装が弾数制に戻った。
    • これ自体は評価されているのだが、今作は自動リロードを廃止し、弾切れしたらマップ上にある補給鑑をロックオンして近づいて弾を補給する形に変更されている。弾を補給している間は補給鑑でひたすら待機せねばならずゲームテンポを損ねている。
    • またその弾数の回復速度が遅い上、補給鑑をロックオンしているため敵が見えず攻撃できない。さらに補給鑑にぴったりと張り付かなければ補給されない仕様で、余計に攻撃を避けるのを困難にしている。
      • そして補給中も、敵の攻撃は画面外から容赦なく飛んでくるため、余計なダメージを受け続けることになってしまう。
  • 遠隔兵器
    • フィン・ファンネルのような遠隔兵器は敵に向かって飛ばせなくなり、自機の周りに止まって射撃するという仕様に格下げされている。
  • 武装改造システム廃止
    • 機体性能自体は強化できるが、武器を強化することが出来ない。ミッションのランクが上がるほど敵のHPが増えていくので敵を一撃で処理する手段が無くなっていく。
  • デフォルトのボタン配置がおかしい。
  • 可変機と天井の問題
    • 『マクロスF』のメサイアや『機動戦士Zガンダム』のZガンダムといった可変機は、エリアの壁や天井に触れただけで変形が解除されてしまう。
      • さらに天井が非常に低く、自由に飛び回ることもできない。
  • 慣性
    • 慣性が弱く設定されているため、少しパッドを動かしただけで右へ左へふらついてしまう。
    • これにより「入っただけでダメージを受けるゾーン」が設定されているステージでは無駄なダメージを受けやすい。
  • 上下回避削除
    • これにより敵の攻撃がよける手段がパッドを使ったステップのみになり、上下に高速で移動できずスピード感も減少している。
  • ロックオン
    • 複数の敵がいるときは1→2→3…と順にまわしていく仕様だが、今作はかなり敵が多く出現するため、このロックオンの仕様では狙った敵にロックすることが非常に困難な不親切仕様。
    • ロックオンの挙動もおかしく、すぐ目の前にいる敵をロックオンしようとして背後の敵にロックオンしてしまう。
    • エリア移動(今作は戦場が複数のエリアに分かれている)のポイントや前述の補給艦へのロックが敵のロックと差別化されておらず、多くの敵の中から順順に切り替えていかねばならず非常に面倒。
      • また本作ではエリア移動ポイントや補給ポイントよりも敵機を最優先でロックするため、目の前のエリア移動ポイントをロックしようとしたら遙か彼方の真後ろにいる敵をロックしたなんてこともザラにあり、とにかくストレスが溜まる。
    • 「味方戦艦を守れ」というミッションでもこの仕様のせいで「近い敵から順に攻撃する」ということができず難易度が無駄に上昇している。
      • 結果「最悪」といわれた前作のロックオンシステムより遥かに悪くなっている。
    • 一応ロックの優先順位はいじることができるのだが、根本的にダメすぎて焼け石に水状態である。
  • カスタムアクション
    • 今作の売りであるシステムのはずなのだが、非常に種類が少なく、その中でやれることは全機体同じのため使い分けでプレイヤーの個性を出すということができない。
    • 攻撃系のカスタムアクションは「ガードブレイク」「相手の動きをとめる」といったように効果を付属した通常攻撃でしかなく、エフェクトもパチンコ玉のようで爽快感がほとんど無い。
    • そのため結局はAP(体力)や弾数を回復するアクションやパワーアップのスキルくらいしか使わなくなる。特に後半のミッションをソロで攻略するのはこれがないとほぼ不可能。
      • また前述した弾数補給システムの使いづらさから、弾数回復アクションがなければテンポも悪化する。
    • カスタムアクションを製作するためには、ミッションをクリアして手に入る「チップ」を手に入れる必要があるのだが、いちいち淡白なミッションを何度も攻略して製作する必要があり面倒。
  • 携帯機ならではのマルチプレイが可能であるが、今作はこのマルチプレイ前提で難易度が組まれているのではないかという指摘がある。上記のように敵が固く味方が貧弱というのものこれゆえなのかもしれない。

グラフィック

  • フィールドはPS1レベルのグラフィック。疎らな大地に敵がポツポツと突っ立っている状態。

音楽

  • 音楽の質が非常に悪く(音質も悪い)、マクロスのように歌をテーマにする作品であっても全てボイスなしのBGMになっている。
  • カスタムサウンドトラック機能がついているが、その仕様も不親切。
    • 音楽を変えようとしても、メモステ内ではその音楽の名前は表示されない。そのため、変えたい音楽の番号をゲームオプションをみて記憶し、ゲームを切ってから対応するフォルダの中に入れねばならない。
    • さらにせっかく音楽を変えても、新たな敵が出てきたりすると勝手に別の音楽に切り替わってしまうため、好きな音楽で通してプレイすることが出来ない。

評価点

  • 機体などのグラフィック
    • フィールドなどは悪いが、機体のグラフィックは別段悪いということはない。
  • カスタムサウンドトラック
    • 上記のような仕様はあるが、やはり自分の好きな音楽を流せるという利点は大きい。
    • 原作の歌を流して雰囲気を楽しむことはできる。
  • ブースト周りの改善
    • Rで不評だったためか、通常のダッシュが復活し、そのうえでRにあったスーパーダッシュも搭載されているため、そこはRよりも好評。
  • 前シリーズでリストラになった作品が再参戦している
    • 参戦作品が大きく変化した「R」でのリストラ組や、「3」で、いるだけ参戦すらならなかった作品が復活。以前と比べると機体数は減っているが、やはりファンにとってはうれしい。
    • ただし、レイズナーは強化前、強化型の2種類、ダンバインとビルバインが登場するが、初代エルガイムがいないという偏りもある。

総評

前作『R』はシステムなどは変わり、数多くの不満点こそあれど、「一応」慣れればアクションゲームの楽しさを味わう事は出来た。
しかし今作ではそういったアクションのシステムが「慣れれば面白い」という類いのものではなく「単純に練りこみ不足」といわざるを得ない出来で、ファンからは黒歴史にされかかっている。さらには「『R』に続いてこの出来ならいっそのこと復活させない方がよかった」といった厳しい意見も見られる。
Amazonでは、発売直後から値段が激しく暴落している。